HOME> ゲーム> 職業選びで悩めるのがうれしい『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』【前編】
●深層まで潜った冒険者(筆者)が伝える、職業選びの楽しさと悩ましさ【前編】
アトラスより2010年4月1日に発売される、ニンテンドーDS用ソフト『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』(以下、『III』)。さまざまな職業のキャラクターとともにパーティーを組み、スリルと謎に満ちたダンジョンを冒険するRPGの最新作だ。
今回、この記事を担当するのは、週刊ファミ通の2010年3月25日合併号(3月11日発売)に掲載された“GJ(グッジョブ)ゲーム”でも本作の記事を執筆している、週刊ファミ通編集部の川島ケイジ(この時点では、「シリーズ史上最凶の難度!」と川島的に断言できるB22Fを攻略中)。GJゲームでは最初のフロアから実感できる『III』の魅力を語ったが、このインプレッションでは、シリーズファン最大の関心事であろう“職業”と、異なる職業のスキルを補助的に習得できる本作の新要素“サブクラス”の仕組みについて、さらに突っ込んだリポートをお届けする。ちなみに本記事は、前編と後編に分かれており、前編の今回は、プリンセス(プリンス)、ウォリアー、ファランクス、パイレーツ、シノビのインプレッションとなっているぞ。
筆者紹介 川島ケイジ |
かわいらしい絵柄や、骨太なシステムを備えたゲームが大好きな週刊ファミ通編集者。RPGを担当することが多く、『世界樹の迷宮』シリーズや『ペルソナ』シリーズもこよなく愛している。 |
●パーティー編成に悩めるのは幸せだ
『世界樹の迷宮』シリーズでは、バラエティー豊かなキャラクターイラストこそ用意されているが、同じ職業であれば、外見による能力の違いはない。プレイヤーは、自分や仲間たちの名前、職業、外見を自由に決めて、最大5人のパーティーでダンジョンに挑めるのだ。『III』では職業のバリエーションが一新されており、しかも、役立つスキルが前作以上にバランスよく配分されているので、パーティー編成には悩むことだろう。逆に言うと、「俺はずっと姫様のお供をしたいんだ!」なんていう人にとっては、それを貫けるバランス配分がありがたい。ウチの姫様は、かわいらしくも勇ましい性格(という脳内設定)で、仲間を鼓舞するスキルをたくさん持っているので、いろいろな意味で姫様なしでは生きていけない。ラブ。
……というわけで、まずは姫様ことプリンセス(プリンス)からリポート開始!
●仲間の攻守を強める“プリンセス(プリンス)”
本作におけるスキルは、レベルアップによって得られる“スキルポイント”を任意のスキルに割り振ることで習得できるのだが、おそらく、もっとも割り振りに悩む職業がプリンセス(プリンス)だろう。だって、どれもこれも覚えたいスキルばかりだから!
仲間の攻撃力や防御力を高めるスキルは当然として、特筆すべきは、状態異常を一度だけ防いでくれる“予防の号令”。毒などの状態異常を100パーセント防いでくれるので序盤から役立つが、やがて、混乱や石化といった上級の状態異常を全体にもたらす敵が出てきたりするので、役立つってレベルじゃなくなる。フロアによっては必須かと!
ただし、どんなにスキルレベルを上げても、効果範囲が仲間一列(全体ではない)というあたり、あえて役立ちすぎないバランスに調整している気がする。また、自身のHPが満タンの状態でターンを終えると、仲間全体のHPを自然回復してくれる“ロイヤルベール”もステキ! 後述する職業のファランクスがいっしょなら、TP(※スキルを使用するのに必要なポイント。以下、TP)の消費ゼロでほぼ毎ターン“パーティーヒール”がかかるような状況を作れるのだ。
個人としての戦闘能力はそれほど高くないが、パーティーにいれば全滅のリスクがかなり減る。それがプリンセス(プリンス)という職業だ。ああ、なんだか、書けば書くほど姫様に惚れ直しちまうぜ!
▲“ロイヤルベール”の1ターンにおけるHP回復量はつねに一定となっており、スキルレベルによって変わる。最大レベルは10で、写真はレベル5のときの回復量。 |
●わかりやすい攻撃役の“ウォリアー”
ウォリアーは、物理攻撃をガンガンこなす典型的なアタッカー。TPが尽きても通常攻撃で何とかなっちゃう高い攻撃力と、ファランクスに次ぐタフさを兼ね備えているので、前列に置けば頼もしい。というか、後列では剣など近接武器の威力が落ちるので、前列に置くべし!
攻撃スキルは、剣と鎚(メイス)の2系統に大別され、剣スキルは攻撃範囲に、鎚スキルは威力にすぐれている。スキルポイントは限られているので、両方の系統を伸ばすのは得策じゃないかも。威力はそこそこでも複数の敵を攻撃したいなら剣スキルを、敵単体に強烈な一撃をお見舞いしたいなら鎚スキルを優先するといい。どちらも一長一短あるので、プレイヤーの好みで決めてしまって構わない。
個人的には鎚スキルのほうが、攻撃時に混乱や腕封じを付与できるし、単体で現れるボス相手に威力を発揮するのでオススメだ。単体攻撃スキルを放つと、一定確率で両サイドの敵にもダメージを与えるスキル“ワイドエフェクト”があるので、併せて覚えれば剣スキルのようなメリットも得られる。相応のスキルポイントが必要になるけどね……!
▲“ランページ”など、全体を攻撃できる剣スキルも魅力的。威力では鎚スキルに一歩譲るが、剣に投資すれば十分フォローできる。 |
●“ファランクス”はケンカを売りつつ受け流す
パーティーの盾となるファランクス。自身の防御力が高いうえに、仲間を守るスキルが充実しているので、使いこなせば仲間が戦闘不能になるケースをだいぶ減らせる。
とりわけ活躍するのは、プリンセス(プリンス)と組んだとき。ファランクスのスキル“ディバイドガード”で、プリンセスへの攻撃を代わりに受けたり、“挑発”で敵の攻撃をファランクス自身に向けさせたりすることで、前述したプリンセスのスキル“ロイヤルベール”をほぼ確実に発動させられるのだ。しかも、同じくファランクスのスキル“パリィ”が成功すれば、挑発によって受けた物理攻撃を無効化できてしまう。属性攻撃も“マテリアルパリィ”で同様に対応可能だ。これらファランクスのスキルは、旧作のパラディンにも同じようなものがあったが、個人的な実感では『III』のほうが成功しやすいような気がする。これは、イイ……!
ちなみに、ファランクスは槍スキルも覚えられるが、正直、あまり使った試しがないような……。いかんせん、仲間を守るのに忙しいゲームだから(笑)。
▲本作の“挑発”には、前作にあった防御力アップの副次効果はなし。とはいえ、あいかわらず役に立つ! |
●“パイレーツ”の輝きは、連繋する仲間とともに
スピーディーな身のこなしと、仲間の攻撃に合わせて追撃する“チェイス”系のスキルが特徴のパイレーツ。攻撃力はウォリアーに一歩譲るが、よりトリッキーな戦いかたが可能な職業だ。
攻撃スキルは、大別すると突剣と銃による2系統。突剣スキルには、斬、壊、突攻撃(いずれも物理攻撃)のそれぞれに対応する追撃スキルがある。ウォリアーやバリスタといった、物理攻撃が得意な職業と相性がいい。ただし、後列にいると突剣の威力が半減するので、前列で戦えるよう装備をしっかり整える必要がある。一方の銃スキルには、炎、氷、雷属性のそれぞれに対応する追撃スキルがあるので、この場合はゾディアックと組むのが効率的。銃は前列でも後列でも威力が変わらないので、個人的には銃のほうがオススメだ。また、攻撃スキルを使うとTPが回復するパイレーツ専用スキル“トリックスター”もオススメ。追撃スキルでは回復しないが、ターンの最初に早撃ちする銃スキル“クイックドロー”や、相手の頭部を封じたり盲目にしたりできる突剣スキルがけっこう使えるので、TP消費量はぜひ抑えたい。
仲間のほぼすべての攻撃に便乗できつつ、自身の攻撃スキルをわずかなTPでくり出せるのが、パイレーツの魅力なのだ。
▲敵単体に3回連続で突攻撃を放つ“ラピッドファイア”も、ボス戦などで役立つオススメの銃スキル。 |
●“シノビ”にパーティー編成の奥深さを感じたり
パイレーツ以上にトリッキーな戦いかたができるアタッカー、それがシノビ。毒や睡眠、石化といった状態異常を敵に付与する攻撃や、みずからの分身を出すことで追加の攻撃役やオトリ役を担うことができる。
しかし、それ以上に特筆すべきは、後列でも攻撃力が低下しないうえに、スキルの消費TPを軽減するシノビ専用スキル“煙りの末”ではないか。シノビの主要武器は短剣なので、前列に立たないと攻撃力が落ちる、しかし“煙りの末”さえあれば後列でオーケーなのだ! しかも、パッシブスキル(常時効果スキル)の“潜伏”で回避率を高めてしまえば、後列でも不安が残る防御力をカバーできる。このふたつは、スキルレベルMAXにしない手はないと思う。
ちなみに、本作の攻略担当ライターは、パーティーメンバーのうち3人をシノビにしてガンガン進めていたりする。それを見たときは「アホか!」と思ったが、よくよく話を聞いてみると、あながち悪くないパーティー編成だとも思えてきた。シノビは、編成の奥深さというか、可能性を大いに感じさせてくれる職業である。
▲敵単体に状態異常を付与し、それを“忍法 水鏡”でほかの敵に伝染させることもできる。 |
後編につづく……。
※『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』プレイ・インプレッション【後編】はこちらから。
『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』
■機種:ニンテンドーDS ■発売元:アトラス ■発売日:2010年4月1日発売 ■価格:6279円[税込] ■テイスト:冒険・ファンタジー ■ジャンル:RPG ■プレイ人数:1〜5人 ■通信機能:DSワイヤレスプレイ対応 ■CERO:全年齢対象 ■備考:ディレクター:小森成雄、キャラクターデザイン:日向悠二、モンスターデザイン:長澤真、サウンドコンポーザー:古代祐三
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