HOME> ゲーム> [海外ゲームニュース]ブッ飛んだゲームをリリースするインディーメーカー“Mommy’s Best Games”インタビュー
●新作はやっぱりどこかヘンな弾幕系シューティング
Xbox 360のインディーズゲームで販売されているMommy's
Best Gamesの『Weapon of Choice』は、市販されているゲームでは味わえない個性を持ち、一度プレイしたら2度と忘れられない。技術的にすごく新しいことはないし、むしろ若干のチープ感さえ漂うのだが、多くの自作ゲームと海外ゲームをチェックしてきた記者でさえも、「これは見てはいけないものを見てしまった……」と衝撃を受けた、ブッ飛びまくった2Dアクションシューティングだ。日本では同人ゲームが大化けして製品化されることがしばしばあるが、このタイトルはなんかいろんな意味で無理な気がする……。しかも、独特なのは外見だけでなく、ゲームとしてもオリジナリティーにあふれ、ちゃんとおもしろい! 聞いてみると、作ったのはバリバリの元プロだという。本作はどうやって生まれたのか? 『Weapon
of Choice』の禍々しい魔力に引き込まれるように、インタビューを試みた。
――まずはご自分とMommy's Best Gamesについて自己紹介してください。
Nathan Fouts(以下、Nathan) やぁ! 私はNathan Fouts、Mommy's Best Gamesの代表です。Insomniac GamesやRunning With Scissorsといったメーカーで10年以上働いた(『ラチェット&クランク』シリーズや『レジスタンス』、『ポスタル2』などに参加している)のち、レトロゲームを元に新しいひねりを入れた家庭用の2Dゲームを作るべく、自分の会社を妻と始めることにしたんだ。過去のタイトルでは私が開発のほとんどをやって、あとは友達と契約して開発を手伝ってもらっている。
▲Fouts夫妻。Nathanは非常にさわやかそうで、とても『Weapon of Choice』の狂気の根源とは思えない。しかし、奥さんがどうにも心配そうなのはなぜなんだ!? |
――『Weapon of Choice』の新機能について教えてください。
Nathan 新しいバージョンは240マイクロソフトポイント(3ドル)で買える! 遊びやすくするためにコントローラー設定を4つ足したり、より低い難度も用意した。新しいクリーチャーが出てくる3つの超難しい難度も足しているし、ゲームプレイも大きく改良した。バカな死にかたをしないよう、敵をはっきり表示するようにもしたよ(編注:独特すぎるアートスタイルを持っているので、背景と区別がつきにくかった)。もしキミが過去にプレイしてくれて難しすぎると思ったのなら、大分改善されて楽しめるようになっているし、コントロールもよりわかりやすく簡単にしたので、また遊んでみてくれ!
――『Weapon of Choice』のゲームシステムはすごいユニークですよね。蜘蛛の足のようにどこでも貼りつく背中のSpiderpack、死にそうになるとスローになるDeath Brushing……個々のキャラクターの攻撃方法もそれぞれ特徴的です。どうやって考えたんですか?
Nathan 『魂斗羅 ザ・ハードコア』とか『ガイアレス』みたいな、古い2D横スクロールシューティングとかアクションをプレイするのが好きなんだけど、ゲームで死ぬたびによく「もうちょっとだけ時間があったら切り抜けてたのに!」と思ってたんだ。それでDeath Brushingを作ったってワケ! 目のまえに迫った死の瞬間をギリギリ切り抜けるのはエキサイティングだよ。時間の節約にもなるしね。
Spiderpackは、なにかオリジナリティーがあって、かつプレイヤーがおもしろい体験ができるものが作れないか考えていてできあがった。多くのゲームは同じような基本システムを採用していて、それで十分だって感じだけど、それって毎晩同じシンプルな食事を食べるようなもんだよね。栄養にはなるだろうけどさ。だけど自分でゲームが作れるチャンスがあるなら、もっと記憶に残るようにやらない手はないでしょ?
ジェットエンジンガン(巨大な火炎放射器としても、ホバーパックとしても使える)なんかの武器を作ったのも同じ。『Weapon of Choice』にせよ、ほかのMommy's Best Gamesのゲームにせよ、ウチのゲームを遊んでくれた人にはなにかオリジナルなものをプレイできるっていうことをはっきりさせたかったんだ。
▲『Weapon of Choice』のヘンな武器の例。羽根っぽいものを高速に射出する。しかもこのキャラクター、2段ジャンプすると分身するので、画面がいつのまにか羽根だらけになっていることも。 |
――『Weapon of Choice』に影響を与えたものをなんでもリストアップしてください。ゲーム、漫画、音楽、なんでもいいです。
Nathan いろんなものが混ざってるよ。『魂斗羅 ザ・ハードコア』(メガドライブ)、『ワンダと巨像』(プレイステーション2)、メガデス『破滅へのカウントダウン』、eX-Girl(日本のバンド)の『Endangered Species』、ウェイン・バーロウのアート、NASAの機械、そして神が創り給うた野生の動植物だね。
――どうやって開発したんですか?
Nathan 僕がすべての根本となる人間で、デザイン、プログラミング、ペイント、アニメーション、サウンドエフェクトなんかを年間を通して作業する。Hamdija Ajanoicはオリジナルのロックを演奏してくれた。AJ Johnsonはストーリーやセリフ、ローディング中のバカバカしいテキスト(羊についてのジョークがやまほど)なんかを担当してくれた。Jack Meyerはマップをひとつ作ってくれたし、Marc Hernandezは敵のプログラミングをいくつか手伝ってくれた。みんなはゲームデザインについて意見を寄せるテスター役でもあるね。妻はビジネス面を管理してくれるプロデューサー役だ。
――なぜプロとして活動していたにも関わらず、ゲームをリリースする場所としてXbox 360のインディーゲームを選んだんですか?
Nathan Xbox 360の新たな販売チャンネルについては本当に興奮している。Xbox LIVE アーケードやPlaystation Networkと比べて制限が少ないし、『Weapon of Choice』をアメリカ市場に大々的にリリースできるというのは同じく魅力的だった。もし僕らがパブリッシャーと組んでいたら、“Teat Walker”(最初の面に出てくる、巨大な昆虫化された牛)について納得させることすらできなかっただろうね!
▲往年の2Dシューティングからの影響も感じられる、画面に入りきらないほど巨大な“Teat Walker”。コイツがHDの大画面で動くさまは、ゲームというよりも、ドラッグ中毒者にデスメタルを聴かせ続けたら見た悪夢、といった説明がしっくりくる。 |
――では新作『Grapple Buggy』について教えてください。
Nathan 『Grapple Buggy』は、未来の資源が豊富なエイリアンの惑星を舞台にしている。プレイヤーはいろんなものをつかむフックや爪、剣、ミサイルランチャーなんかを装備したハイテクバギーを操作して、世界を探索することになる。バギーは高速で走ることもできるし、ゴキゲンなスイング動作で、敵意あるクリーチャーと対峙していくことになる。探索だけじゃなくてパズル要素もミックスされていて、最近ではあまりない感じのゲームになってると思うよ。あとは動画を見てみてくれ!
――あなたのゲームはすごい独特なアートスタイルをもっていますが、なぜですか?
Nathan うん、『Grapple Buggy』も同じスタイルだね。私はカラバッジオやレンブラントの油彩画を愛して育ってきたんだ。絵画の質感が好きなんだよね。コンピューターアートのリアリズムは、3Dなんかではゲームにもいい感じだけど、自分は2Dのアートワークと手描きのスタイルを組み合わせると、幅広い美を現代の家庭用機で表示できると思うんだ。
――ゲーマーにメッセージを!
Nathan いま『Grapple Buggy』とは別の新作『Shoot 1UP』を制作中で、2010年1月にリリース予定だ。ダンマク系シューティングで、このゲームで1UPを集めるとその場で自機が増えて使えるようになる。最大で30隻を一度に操れ、武器も増えまくり。ふたりでの協力プレイもあるぞ! ウチの手描きスタイルとゲームコントロールを楽しんでくれるゲーマーのみんなのサポートには感謝している。もし普段のウチの仕事を知りたかったらTwitter(http://twitter.com/mommysbestgames)でフォローしてくれ。それじゃあ、2Dに長寿と繁栄を!
※“Mommy's Best Games”の公式サイトはこちら
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