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ローカライズされてこそ増した楽しみ、『ギアーズ オブ ウォー 2』インプレッション
【プレイ・インプレッション】

2009/8/27

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●全世界で累計900万本以上のセールスを記録したXbox 360屈指の人気シリーズ

 Xbox 360屈指の人気シリーズとして、全世界で熱狂的な支持を集める『ギアーズ オブ ウォー』。その最新作である『ギアーズ オブ ウォー 2』が、満を持して国内でも発売された。その魅力をライターの戸塚伎一が語る。

●“フライング”の思い出がよみがえる夏

 2008年秋某日、正午前。秋葉原は静かな熱狂に包まれていました。

 「Xbox 360用アクションゲーム『ギアーズ オブ ウォー 2』(以下『GoW2』)の海外版が、一部輸入ソフト取扱店にて販売開始」との情報がネットを中心に飛び交い、当日販売ぶんで購入するつもりのユーザーが、“解禁”の瞬間をいまかいまかと待ち受けていたのです。

 そうした一団の中に、私も雑じっていました。海外製ゲームが大・大・大好きな友人ライターに誘われての便乗参加だったのですが、自分用ソフトを確保する気は満々。やはり付き合い半分趣味半分で集まったライター仲間数人と、午後からの販売が予定されているショップのひとつを監視できるファーストフード店内に陣取り、各ショップの真偽入り混じった状況報告をネット掲示板でチェックしては一喜一憂……といったことをくり返していました。

 結局ソフトを購入できたのは午後3時過ぎ。当日販売ぶんを大量に確保しているとの情報があったショップの行列に並ぶこと約1時間半。やっとのことで手にしたパッケージは、眩しく輝いていました。

 当時の盛り上がりは、日本語版発売のアナウンスが一向になかった……という周辺事情があってこそのものでしたが、『GoW2』の日本語版が無事リリースされたいまとなっては、懐かしいやら滑稽やらです。


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▲人類とローカストとの戦いを描く『ギアーズ オブ ウォー 2』。ハリウッドでの映画化なども決定しており、Xbox 360を代表する人気シリーズに成長した。


●“人間”が描かれるストーリーモード

 『GoW2』は、2007年1月に国内版がリリースされた、米Epic Games社開発の人気アクションゲーム『ギアーズ オブ ウォー』(以下『GoW』)の続編です。

 ストーリーモードは、「人類が文明を築いた惑星の地底から、トカゲっぽい肌質の敵対的エイリアン“ローカスト”がわらわら出てきて大変!」という大前提はそのままに、前作でのあの勝利はなんだったんだというくらい人類がさらに追い詰められた状況からスタート。

 プレイヤーキャラクターは前作同様、世界大戦の英雄ことマーカス・フェニックス。バンダナがよく似合う……かどうかもよくわからないほどに濃い面構えのおっさんです。

 英雄といっても、常人にはない特殊な能力を秘めているとか、じつはいにしえの勇者の子孫だった、みたいなオチはなく、あくまでこの世界の一般的な兵士として高いポテンシャルを持った存在として描かれています。別の言いかたをすれば、マーカスが英雄然としていられるかはプレイヤーの腕次第、というわけです。

 そんな彼と行動をともにするのが、マーカス率いるデルタ部隊のメンバー。口は悪いけど陽気な親友ドム、口は悪いけど勇猛果敢な黒人兵士コール、口は悪いけどメカの扱いにも精通したベアード……って、みんな口が悪いな(笑)。

 プレイ中、無駄口や憎まれ口を叩きながらもちゃんと戦力として機能し、マーカスがダウンした時は駆け寄って助け起こしてくれる──そんな彼らとのほのぼのした共闘意識を感じられるのは、何を言っているかがよくわかる日本語版だからこそ。ローカストの一般兵たちのつぶやき(?)もしっかり吹き替えされていて、殺伐とした戦況で「ジンルイメ!」とか「どか〜ん」とか聞こえてくると、ちょっとなごみます。

 言語ローカライズ化でもうひとつ言えば、「『GoW2』は、人間ドラマだなぁ」ということ。

 このテのアクションゲームは、ぶっちゃけ進める方向に進み、システム上やれと促されていることをやっていれば、ストーリーを把握していなくても楽しめるようにデザインされています。海外版『GoW2』のストーリーモードをプレイした時はまさにその恩恵を受け、コロコロと変わる奇抜な戦闘シチュエーションを素直に楽しめたわけですが、ストーリー展開を完全スルーできたわけではありません。

 ふだんはマーカスのサポートに徹しているドムが、本部との通信後に苛立ちをあらわにしたり、妻と思わしき女性の夢を見たり……と、彼の“個”が前面に出ている一連のストーリーデモが、まさにそれです。

 海外版でプレイした時も、彼の身にただならぬ何かが起きていることは理解できたものの、日本語版をプレイし、事のいきさつを十分に知った上でこれらの場面を観ると、“戦争の歯車”という勇ましいイメージに覆い隠された、登場人物たちのヒューマニティーが鮮明に浮かび上がり、やるせない気持ちになります。一見脳天気な仲間たちと、グロ満載のハデな戦闘をくり広げるだけが、『GoW2』のゲーム世界ではないのです。

 ……本作では俄然シリアスな役回りのドムですが、ゲーム序盤では新兵のカーマインに、前作をプレイした人ならピンとくる不謹慎極まりないジョークを言い放ったりと、存分に“らしさ”も発揮しています。TPOに応じた人間の多面性に言及してこそのヒューマニズム、ということでしょうか。

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▲マーカスをはじめ、人間臭いキャラが魅力の『ギアーズ オブ ウォー 2』。


●“サバイバル本能”を刺激するオンライン対戦

 戦いの背後にある意味を噛みしめながらプレイできるストーリーモードに対し、何のしがらみもなく、ひたすら目の前の戦闘に没頭できるのが、数々のオンラインマルチプレイモード。メインとなるのは、COG(人間)側とローカスト側に分かれてのチーム対戦で、皆殺しやエリア制圧といったルールで勝敗を競いあいます。

 前作では4対4だったのが、『GoW2』では5対5に。また、プレイヤーが途中退出しても、BOTキャラが“代撃ち”としてすぐ補充されるなど、つねに集団行動をとっている感覚を味わえるよう調整されています。

 敵の正確な位置をレーダーなどのサポート機能で確認できない、目視(と武器の拾得情報)頼りの索敵法。序盤に強力な武器の取り合いになるようデザインされたフィールドによって無数に生まれる、戦略のバリエーション。そして、接近戦ではチェーンソーとして使える“ランサー アサルトライフル”などの、高殺傷力武器による幕切れの衝撃……などは前作同様ですが、戦闘のバランスやセオリーが若干、いや、じつは結構変わっているように感じました。

 『GoW』は1チーム4人制ということもあってか、腕に自身のあるプレイヤーが単独で突っ込んで、泥臭い接近戦に持ち込めば、案外何とかなってしまうという大味さが特徴であり、魅力でした。その点『GoW2』は、中〜近距離戦の攻防がよりシビアになり、バカ正直な特攻が通用しにくくなっています。

 それを象徴しているのが、新登場アイテム“ブームシールド”と、新アクションの“ミートシールド”。前者は、構えることで正面からのあらゆる攻撃から身を守れる防具で、地面に突き刺して遮蔽物にすることも可能。後者は、ダウン状態の敵キャラクターを羽交い締め状態にして、一定時間を正面からの攻撃の盾にできるアクション。いずれも、サブウエポン(ハンドガン系)で攻撃しながらの移動が可能で、対峙する敵とのあいだをじりじりと詰めつつ、つぎのアクションの選択肢を増やせるのが特徴です。

 防衛手段が増えた一方で、新型の武器もいくつか追加されています。とりわけ存在感を放っているのが、2タイプの大型兵器。持っている最中は移動速度が落ち、ダッシュもできなくなるという“お荷物”ながら、ツボにはまれば敵チームを一瞬で壊滅状態に追い込むほどの破壊力を持っています。

 

 ゲーム開始時の攻防を制し、これらの兵器を入手したチームが優勢になるのはたしかですが、それが勝利の絶対条件ではないところが、『GoW2』オンライン対戦の奥深さ。大型兵器ならではのスキの大きさは十分につけ込む余地があるし、マップ内のどこに陣取るかによって、一連の強力な攻撃を無効化することも可能です。

 何より痛快なのは、裏をかいたスタンドプレイによる逆転劇が決まったとき。基本的にはチーム単位でまとまった行動をとるべきですが、どうも同じ戦法で負け続けている……と思ったら、あえて単独行動をとり、敵チームの“必勝ルート”を迂回し、背後に回り込もうとすることがあります。

 たいていのマップはそれが可能な構造になっていて、相手もそれなりに背後を警戒するわけですが、直接姿を見られない限りは存在を悟られないので、決まるときは本当に見事に決まります。とくに、リーダーキャラの生存状態が戦況を左右する“ガーディアン”ルールで、回り込んだ先に敵リーダーキャラの無防備な背中が見えた時の興奮は、思わず一発でしとめ損ない、返り討ちにあうくらいです! ってダメじゃん!

 ラウンド制で進行する対戦の機運を読み、そのときどきで自分はどういう行動をとるべきかを考え、即実行に移せるかが問われる──『GoW2』のオンライン対戦は、個々のプレイヤーの総合的な“サバイバル本能”を刺激します。

●アーケードゲーム風に楽しめる“HORDE”の魅力

 『GoW2』のオンラインマルチプレイモードで忘れてはいけないのが、最大5人まで参加できる協力モード“HORDE”。一定数出現するローカストたちを全滅させればウェーブ(ステージ)クリアー……というアーケードゲームライクな構成で、10ウェーブ単位で敵の基本能力がアップしていきます。

 最初のうちは敵の数が少なく、バラバラに行動してもそれなりに対処できるのですが、ウェーブが進み、強力な武器を持った敵が大量に押し寄せるようになると、自然と一部のエリアに固まって防戦一方に。倒した敵の武器を拾っては籠城場所に持ち帰り、ダウンした仲間を救助しあっているうちに、いやが上にも連帯感が高まります。

 万一途中で倒されても、生き残ったメンバーがクリアーすればつぎのウェーブで復活。全滅しても、ホストユーザーがそれを望めば、同じウェーブからリスタート可能……というユルいシステムにより、プレイ時間がズルズル延びがちですが、じっくり腰を据えられる時間的・精神的余裕があれば、全50ウェーブ制覇を目指してみるのもいいでしょう。

 ちなみに私は、ウェーブ40の壁がどうしても破れません。全滅が続くとプレイヤーがひとりまたひとりと抜けていき、気がつくと残っているのは自分だけ、という状態がしょっちゅうです(ほかのプレイヤーの途中参加やBOTキャラの補充はなし)。まるで自分のせいでうまくいってない気になりますが、弱気に負けずに挑戦し続けたいと思います。


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▲新機軸の最大5人まで参加しての協力プレイが楽しめる“HORDE”。襲いかかってくるローカストを倒せ。


●国内ユーザーでとことん盛り上がれ!

 『GoW』シリーズの一番の魅力は、見知らぬユーザーたちとのオンラインマルチプレイ、と思っている私が、日本語版『GoW2』で唯一気がかりだったのは、Xbox LIVEのマッチング対象が全世界ユーザーではなく、国内ユーザー限定という点。いくら人気タイトルとはいえ、時間帯によっては対戦相手探しに苦労するのでは? という心配がありました。

 ソフト発売から約3週間。“フリーなライター”という立場を生かし、みっちりと遊んでみましたが……杞憂でした。夏休み期間ということも多少は関係しているかもしれませんが、どの時間帯にもそれなりにプレイヤーがいて、マッチングで延々と待たされることはほとんどなかったです。

 これに関しては、日本語版独自のマッチング形式が功を奏していると言えます。海外版では、遊びたいチーム対戦ルールを絞り込んでのチームメンバー/対戦チーム検索が可能でしたが、日本語版では、6つのチーム対戦ルールでのプレイを希望するユーザーがひとまとめに扱われ、マッチング完了時に、ランダムで選ばれたふたつのルールのどちらで遊ぶかを、参加メンバーの投票で決定する仕様になっています(※HORDEと、ふたり組×5チームで対戦するルール“ウイングマン”は、単独でマッチング可能)。

 投票数が同点だった場合は、そのどちらでもないルールが自動的に選ばれるなど、一応の公平さは保たれているものの、要は「自分が遊びたいルールで、毎回必ずしも遊べるわけではない」ということ。

 シンプルなパワーゲームが好きな私は、“アネックス”や“キングオブザヒル”といったゾーン攻防タイプのルールに決定するとしょんぼりしたものですが、回数を重ねるうちに、それらのルールのコツやおもしろさが徐々に理解できるようになりました。「結果的に、いろんなタイプのゲームを楽しめているからいいか!」くらいのアバウトさを持てれば、問題ないでしょう。

 ストーリーモードでは、登場人物どうしの相関関係によって浮かび上がる“個”が、マルチプレイモードでは、チームメンバー構成やルールによって問われるプレイヤー自身の“個”がクローズアップされる『GoW2』。前作同様、こちらも長いおつきあいになりそうです。あ、もちろん、日本語版のほうで!

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▲オフラインからオンラインプレイまで、魅力が尽きない『ギアーズ オブ ウォー 2』。


Text by 戸塚伎一 

 

筆者紹介 戸塚伎一

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ファミ通Xbox 360誌でクロスレビューを担当するフリーライター&漫画かき。現実世界のグロは全然ダメだけど、ゲーム世界で景気づけ的に使われているのなら全然アリです。『GoW2』で体が吹っ飛ぶのとかも、花火みたいで気持ちいいじゃないですか!

 

『ギアーズ オブ ウォー 2』

対応機種

Xbox 360

メーカー

マイクロソフト

発売日

発売中(2009年7月30日)

価格

8190円[税込]

テイスト/ジャンル

アクションシューティング/SF

CERO

18歳以上のみ

備考

Xbox LIVEによるマルチプレイが可能。対戦2〜10人、協力2〜5人



※『ギアーズ オブ ウォー 2』の公式サイトはこちら(閲覧は18歳以上のみ)

[戸塚伎一の過去のレビュー記事]
※ゲーマーにとってのまさに“故郷” 『イースI&IIクロニクルズ』インプレッション
※演出、シナリオ……ゲームファンの心をくすぐる『銃声とダイヤモンド』インプレッション
※30秒の戦いにすべてを注ぎ込んだ快作『勇者30』インプレッション
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