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目指すは海外タイトルの意識改革! ユービーアイソフト社長の本音インタビュー
【E3 2009】

2009/6/15

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●「日本人クリエーターとのコラボレーションはぜひやってみたい!」



 『アサシン クリードII』や『スプリンターセル コンヴィクション』を発表し、今年のE3でもっとも目立ったメーカーのひとつ、フランスの大手メーカー“ユービーアイソフト”。単独のカンファレンスでもサッカー界の神様“ペレ”、『ターミネーター2』でおなじみの“ジェームズ・キャメロン監督”をゲストに呼び、子供からゲームコアファンに向けた幅広いラインアップを披露。いまや世界の誰もが認めるトップメーカーだ。
 

▲ユービーアイソフト日本法人社長のスティーヴ・ミラー氏。流暢な日本語で業界を鋭く分析。

 

 今回は特別に、会場に現地入りしていた同社日本法人のスティーヴ・ミラー社長にE3での手ごたえを聞いた。ミラー氏は日本で15年近くゲーム業界に関わっていて、日本語も非常に流暢な人物。日本のゲーム業界にも造詣が深い。本音トーク全開のインタビューになっているのでお楽しみに。

 

――3ハードメーカーすべての発表会でユービーアイソフトのタイトルの映像が流れ(※)、さらに独自のカンファレンスも大成功。まだE3は開催中ですが、これまでの露出でどのような手応えを感じていますか?

 

ミラー 『スプリンターセル コンヴィクション』の反応が予想以上によかったですね。ブースに来ていただいた日本のメディアやゲームクリエーターの方々が『スプリンターセル コンヴィクション』の出来がいいとおっしゃってくれたようで非常に光栄です。『アサシン クリードII』も前作のヒットがあったからか、上々の反応だったように思えます。日本市場ではとくにプレイステーション3、Xbox 360のソフトに力を入れているので、この2作品の評価が高くてまずはひと安心ですね。

 

――カンファレンスではWii、ニンテンドーDSのタイトルがいくつも発表されましたが、日本市場ではプレイステーション3、Xbox 360用ソフトが今後も中心になるんですか?

 

ミラー ユービーアイソフトは携帯ゲーム機から新世代機まで幅広いソフトを展開していますが、日本市場に限って言えば、サードパーティーが任天堂ハードでいい成績を残せていない状況です。それに、開発費がそれほどかからない、アイデア勝負というところで、ニンテンドーDSやWiiへの参入メーカーは後を絶たない状況が続いている。そんな中で、海外メーカーの我々がこの分野で勝負するのは得策ではないと感じているんです。ユービーアイソフトのワールドワイドな開発力を考えると、プレイステーション3、Xbox 360で勝負するほうが日本市場に合っていますよね。

 

――ミラーさんは日本での業界歴が長いですが、日本の市場をどのようにとらえています?

 

ミラー いま日本市場は、第3の市場と言われています。だからどう考えても重要なマーケット。ハードメーカーの発祥地でもありますしね。ユービーアイソフトとしても無視することはできない市場です。ただ、海外メーカーの認知度がまだまだ低い。でも逆転の発想をすると、どこも大成功がない分、逆にチャンスがあると思っています。日本のクリエーターと組んだり、日本にスタジオを置くなど長期的な開発計画を立てれば成功に近づくと考えています。

 

――ユービーアイソフト(日本法人)でも日本スタジオを置くとか、今回カンファレンスで発表された水口哲也さん(キューエンタテインメント)とのコラボのような、日本人クリエーターとの協業を考えているんですか?

 

ミラー ぜひ、やってみたいですねー!! むしろやらなきゃいけないと思っています。これまで海外で作られて日本で大ヒットしたゲームはほとんどないですよね。でも、海外のセールストップ10を見ると、日本のメーカーのタイトルが数多くランクインしている。日本のタイトルが世界に受け入れられていることは証明済みなんです。実際、日本の作品はインターフェースもよくできているし、バグも少ないし、ゲームデザインセンス、色使い、音楽、ストーリーなどどれをとっても非常にクオリティーが高い。そう考えると日本で作ってワールドワイドで展開した方が、ヒットする確率が高いと考えているんです。

 

――日本で開発するとすると、スタジオを設立ですか? それともコラボレーションに?

 

ミラー 個人的な意見ですが、スタジオを作る必要はなくて、コラボレーションがいいと思っているんです。

 

――それは有名ディベロッパーに発注、みたいな形ですか?

 

ミラー 「こういうゲームを作りたいのでよろしくお願いします」と、すべてをお任せする発注の時代はもう終わったような気がしますね。たとえば日本人クリエーターが陣頭指揮をとって、弊社の開発陣で作る形はいいと思います。日本人クリエーターは日本で成功する秘訣を知っている。我々は世界で成功するためのノウハウがある。お互いの強みを出し合ってひとつの作品を作ればワールドワイドで勝負できるタイトルになると思いますよ。日本にはゲーム作りが本当にうまいクリエーターさんがいっぱいいますからね。

 

――でも『アサシン クリード』、『プリンス・オブ・ペルシャ』などを見ると、ユービーアイソフトさんのタイトルって日本を意識、もしくは日本人が好みそうなテイストの作品が多いと思いますが。

 

ミラー 僕はもともとエレクトロニック・アーツに在籍していたので、それは大いに感じます。フランス人は日本びいきなところがあって、クリエーターも日本の映画、マンガに影響を受けている人が多い。でも一方でアメリカの企業は基本的に自分たちがナンバーワン、という意識が強いんです。それは決して悪いことではないんですが、日本で売れるためには日本の文化に合わせないといけないかな、とも感じています。

 

――しかもユービーアイソフトのクリエーターさんたちは、日本の作品に影響されたことを堂々と言いますよね。たとえば『アサシン クリード』のジェイドさんが『メタルギア  ソリッド』シリーズだったり、『プリンス・オブ・ペルシャ』の開発チームが『ICO』をリスペクトしていたり。

 

ミラー ユービーアイソフトのクリエーターは柔軟な人が多いかもしれませんね(笑)。でも、それは大昔から、多くの国が隣接して共存してきたヨーロッパ、そしてその一員であるフランスの文化とも言えるでしょう。アメリカの企業の場合、なんでアメリカでナンバーワンソフトが、日本でナンバーワンになれないのか? おかしい!」と、そこで止まってしまうことが多いかもしれません。私もアメリカ人ですが(笑)。

 

――(笑)。ところで、ユービーアイソフトは『アサシン クリード』で日本での知名度がグンとあがりましたよね?

 

ミラー そうですね。社内の雰囲気もかわりましたね。それまでは社員の誰もが、誰も知らない海外タイトルをローカライズしている会社、という地味な印象を持っていたかも知れません(笑)。でも『アサシン クリード』で、日本でもちゃんと受け入れられるタイトルを発売できるんだとみんなの自信につながりました。そのまえの『レインボーシックス ベガス』も予想以上にヒットして、自信にはなっていたんですが。2年前のこの2タイトルで会社は変わりましたね。

 

――そこに、『プリンス・オブ・ペルシャ』、『ファー クライ2』が続いて……。

 

ミラー そこでホップステップジャンプと行こうと思ったんですが(笑)! 非常に期待していた『プリンス・オブ・ペルシャ』はユーザーを必ずしも満足させることができず、残念な気持ちでいっぱいですね。ただ、これは海外でも似たような状況で、開発スタジオはユーザーの意見をきちっと検証して、今後のゲームに生かしたいと考えているようです。

 

――『H.A.W.X(ホークス)』は評価高いですよね。

 

ミラー いまのところ好調に推移していますね。

 

――今回のE3でいろいろ発表されましたが、今年度に日本で発売するソフトは何ですか?

 

ミラー 『アサシン クリードII』、『スプリンターセル コンヴィクション』、『AVATAR(アバター)』は今年度に発売します! 断言します!


アサシン クリードII

AC2_S_001
AC2_S_003
AC2_S_005


スプリンターセル コンヴィクション

SCC_Sam_Interrogation
SCC_Objective_market
SCC_LAst_Known_Position_3


――『AVATAR(アバター)』はまだゲーム自体が公開されてませんが(笑)?

 

ミラー がんばって売り出します(笑)。

 

――その中でも、とくに期待しているのはやはり『アサシン クリードII』、『スプリンターセル コンヴィクション』ですか?

 

ミラー そうですね。『アサシン クリードII』については、前作が中近東が舞台でしたが、今作はイタリア、ベネチアが舞台ということで少しなじみやすくなったと思います。それに、ゲーム内容の単調だった部分も徹底的に改良していますし。『コンヴィクション』は、ステルスアクションの常識を変えると思います。これまでステルスアクションは地味で、マニアックな部分があったけど、もうちょっと幅広い層に訴求できると思っています。『スプリンターセル』シリーズ自体、お世辞にも日本では知名度が高いとは言えないので、これが新規タイトルだとおもって遊んでもらっても構いません(笑)。逆に先入観がない分、グラフィックのクオリティーやゲーム性が伝わりやすいかもしれませんね(笑)。

 

――どちらの作品も日本でもきちんと受け入れられる内容だと思います。これらのタイトルをどうプロモーションしていきますか?

 

ミラー これから詰めていかないといけないんですが、まず言えることは今年の東京ゲームショウにブースを出展します。アメリカのE3に、ドイツのGCにユービーアイソフトが出展しているのになぜ日本のゲームショウに出展しないの? という見栄のような考えではなくて、今年は日本人のゲームファンにアピールできる作品が揃ったから出展したいと思い立ったんです。いちばんいい状態の『アサシン クリードII』、『コンヴィクション』をお見せすることができるはず。自信を持って出展したいと思います。

 

――ユービーアイソフトの知名度もあがりそうですね。

 

ミラー そうですね〜。日本のユーザーの海外ゲームに対する意識はまだまだ変えていかなければいけませんが(笑)。

 

――でもひと昔まえに比べたらよくなったんじゃないですか?

 

ミラー 20年近くゲーム業界に携わってますが、ほんのちょっと前進しただけ。まだまだですね〜。たとえば『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』は初日で何百万本売り上げるソフトですが、世界を制覇したあの(!)『GTA』シリーズや『コール オブ デューティ 4』、もちろん『アサシン クリード』など1000万本クラスのタイトルであってもが日本では数十万本の世界ですからね。文化の違いとはいえど、なかなか難しいものです。それでも以前に比べれば変わりつつありますけどね。

 

――今年のゲームショウのユービーアイブースで、日本のゲームファンの“洋ゲーアレルギー”を払拭できればいいですね!

 

ミラー そうですね! 日本でもミリオンヒットしてもおかしくないクオリティーにはなるのは間違いないんで(笑)。まー、現実的に考えて、学校の休み時間に話題になるようなタイトル、ブランドになってほしいですね。

 

――ズバリ、日本市場でのライバルはどこですか?

 

ミラー うーん……まず国内でトップ10に入りたいですね。あとはやっぱりエレクトロニック・アーツを意識していない、と言えば嘘になります(笑)。日本に参入している海外メーカーを追い越して、国内大手と勝負できるようになりたい! ズバリ、曖昧な答えですが(笑)。

 

※任天堂の発表会で『Red Steel 2』(Wii)、ソニー・コンピュータエンタテインメントの発表会で『アサシン クリードII』、マイクロソフトの発表会で『スプリンターセル コンヴィクション』などが目玉タイトルとして放映された。

 

※ユービーアイソフトはこちら

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