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戦略性がほどよくアクションに融け込んだ絶妙のバランス『真・三國無双5 Empires』インプレッション
【プレイ・インプレッション】

2009/5/28

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●歴史シミュレーションとアクションの融合を目指す、『Empires』シリーズの最新スタイルがコレだ!

 『真・三國無双5 Empires』は、『真・三國無双5』をベースにしながらも、戦略性を深めた独自路線の作品である。Xbox 360とプレイステーション3で発売される本作を、ファミ通Xbox 360を中心にレビューや攻略記事を担当してきた古株ライター、石井ぜんじがインプレッションする。

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▲新たなアイデアを詰め込み、より完成度を高めた『真・三國無双5 Empires』。国土を広げ、全土を統一するとエンディングを迎える。


●『真・三國無双5』の亜流ではなく、独立した完成形を目指す“Empires”

 本作は『真・三國無双5』の世界観やキャラクターをベースに作られている。しかし『Empires』シリーズは『真・三國無双』シリーズと比べ、ゲームのルールが異なる。直接戦闘以外に内政パートが充実していること、戦闘においても拠点のつながり(兵站と呼ばれる)を意識して闘う必要があるなど、シミュレーション部分が強化されている。アクションとしても十分に楽しめるが、ゲーム自体の目指す方向性は違うと言えるだろう。
 『真・三國無双5 Empires』は次世代機ならではのスペックを活かし、戦闘の迫力を保ちながら、戦略要素が活かされているところに特徴がある。また婚姻などのイベントやパワーアップしたエディット武将作成により、これまで以上に幅広い楽しみが用意されている。萌え要素としての材料は十分で、遊びかたを工夫すれば自分だけのワクドキシナリオも構築できるのが魅力だ。

●アクションとしても十分に遊べる戦闘の快適さ

 筆者は第五武器を全部そろえたり、修羅をクリアーしたりするのが好きな『真・三國無双』シリーズマニアである。シミュレーション要素が中途半端に干渉し、ぬるいアクションになるのはあまり好まない。そんな筆者だが、本作の戦闘は楽しく遊ぶことができた。
 その理由は、カードを使って行う戦略が理にかなっているからだろう。国を立ち上げたばかりのときは、お金や国力、低い武将レベルに悩まされることになる。その時期は無理な戦闘を行わず、カードを最大限に利用する。お金を増やし、登用などの政策をとり、戦うときは能力アップのカードを重ねて万全の状態で挑む。その戦略がはまったときの気持ちよさは、なんともいえないものがある。
 国の立ち上げ初期は、さすがに無謀な戦いは禁物だ。筆者は一度、ものは試しとばかり、レベル1の劉備でいきなり曹操の拠点である許昌に突っ込んだことがあった。このときは張コウの一撃で劉備が即死。ゲーム開始直後に敵の本拠地に突っ込むのは、さすがに無謀すぎた。だが自分の戦いかたしだいで、難易度を操れるのはよい点だ。腕に自信があれば、ある程度無理して早めに侵攻し、ぎりぎりの窮地に身をおく緊張感を楽しむことができる。
 武将のレベルがMAXに近づく終盤戦では、使える国力やカードの種類も多くなり、まさに無双状態となってくる。こうなると難度はかなり下がり、戦略にこだわらず速攻で敵本陣を目指す戦いかたが可能になる。クライマックスに近づくにつれ、難度が下がるのは評価が分かれるところだろう。だが筆者に関しては序盤で苦労していただけに、敵を倒しまくるのに飽きる、ということはそれほどなかった。全土統一まで一気に加速し、エンディングへとなだれ込んでいく終盤戦は、止め時を失う爽快さと言えるだろう。

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▲連舞システムを改良し、武器・特殊効果を整理した結果、より爽快感が高まった本作。『真・三國無双5』よりも、戦闘部分のシステムは進化しているように感じられる。


●新たに追加された“武将篇”の意味〜己を鍛えてから旗上げできる

 本作では、シリーズで初めて武将としての立場でのプレイが可能になった。武将の場合、君主に仕えその配下として活躍できることになる。武将から君主になったり、君主から在野の武将となることはいつでもできる。この行き来自由のふたつの立場が、プレイの自由度を高める要素となっている。
 内政に深く関われるぶん、“君主篇”のほうが戦略性に富んでいる。しかし一見単調に見える“武将篇”だが、その内容が分かるにつれやりがいが増えてくる。
 “武将篇”では討伐戦闘を行うことにより、特殊な能力を得ることができる。これらの能力は侵攻戦で火計を起こしたり、攻撃力や防御力をアップしたりするなど、武将の強化に役立つものばかりだ。しかも一度会得すれば失うことはなく、君主となっても使用できる。特殊能力は武将のときのみに得られる、大きな特典といえる。
 本作は君主でスタートすると、最初のうちは武将レベルが低く、国を維持するのが難しい。そんなときに野に下って武将となり、武将モードで育成すれば楽に強くすることができる。さらに、ほかの武将と親睦を深めることで、自国を立ち上げるときの仲間を集めることができるのだ。
 

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▲最初は単調と思った“武将篇”の討伐戦闘だが、特殊能力を得たり、親密度を高めたりするには重要なイベント。“武将篇”と、“君主篇”の相関関係はよく考えられている。


●数々のイベントを通じ、オリジナルの三国志を創る楽しみ

 本作では、仲間の武将と婚姻をすることができる。ちょっとしたことだが、このシステムがプレイヤーの意欲(妄想?)をかき立てる大きな要素となっているのではないかと思う。筆者も孫尚香と劉備のカップルをテーマに、楽しくプレイさせていただいた。
 筆者がプレイして描いたシナリオは以下の通り。まず孫尚香を使い、呉の配下武将として特殊能力を取得しつつレベルアップ。そこから申し訳ないが蜀に滅亡してもらい、劉備を在野の武将とする。在野となった劉備が討伐戦闘の依頼主になったら、それをクリアーして親密度アップ。すると劉備が仲間に志願してくるので、ともに野に下って自国を旗上げ。そのまま戦い続け、親密度をさらに高めて婚姻に成功した。
 最終的に孫尚香は帝位を簒奪して女帝となり、劉備を尻に敷く形となった。史実とは異なるが、筆者の孫尚香のイメージどおりのシナリオを描くことができた。
 このように、プレイヤーの遊びかたしだいでさまざまなシナリオを描けるのが本作の魅力だ。婚姻以外にも、巨額のお金や財宝をもらっての裏切りや、朝廷の命を受け反乱といった形での旗上げなど、いくつものイベントが発生する。これらのイベントを脳内で結びつけ、創造力を発揮すれば、ほかの作品にはないワクワク感を得ることができるだろう。

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▲三国志で血縁関係でなければ、ほとんどの男女の組み合わせで婚姻を結ぶことができる。エディット武将の容姿は非常に美しく、オリジナルキャラの制作にも力が入るというもの。


●『Empires』シリーズ未体験者にこそ、遊んでほしい質の高さ

 『Empires』シリーズではなく、むしろ『真・三國無双』のファンだった筆者が本作にハマッたのはなぜなのか。分析してみると、アクション部分が快適になっているという点が大きいかと思われる。連舞ゲージが減るというストレスがなく、スキル、武器効果の付加、種類もほどよいバランスだ。また敵武将が“一騎当千の武”を発揮したり、奇襲をかけてきたりと、敵の仕掛けも豊富にある。練りこみがしっかりしており、やはりゲームは完成度の高さあってこそ、と思わせてくれる仕上がりとなっている。
 『Empires』シリーズのファンはもちろん、『真・三國無双』シリーズしか遊んだことがないファンにもぜひプレイしてもらいたい。それだけのクオリティーに仕上がった作品だと、筆者は感じる次第である。

 

Text by 石井ぜんじ 

 

筆者紹介 石井ぜんじ

zenjisan.jpgファミ通Xbox360誌でクロスレビュー、攻略を担当する古株ライター。ゲームの文章を書き始めてから20数年、飽きずに続けております。『真・三國無双』シリーズは第5武器取得や修羅までやってこそ、そのゲーム性の深さがわかる! と熱く語りたい真性のマニア。過去に『NINJA GAIDEN(ニンジャガイデン)』シリーズ、『Fable II(フェイブルII)』などの攻略本に参加。今後もできるだけ読者が望む、レベルの高い攻略記事&攻略本を作りたいですね(ちなみに写真は劉備玄徳)。

 

『真・三國無双5 Empires』

対応機種

プレイステーション3、Xbox 360

メーカー

コーエー

発売日

発売中(2009年5月28日)

価格

5040円[税込]

テイスト/ジャンル

歴史/アクション・シミュレーション

CERO

12歳以上対象

備考

開発:ω-Force


※『真・三國無双5 Empires』の公式サイトはこちら

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