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『ファイナルファンタジーVII アドベントチルレドン コンプリート』開発者対談

2009/4/25

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●世界中で絶賛された映像作品の完成形

 2009年4月16日に発売された『ファイナルファンタジーVII アドベントチルレドン コンプリート』(以下、『FFVIIACC』 )。本作は、2005年9月に発売された『FFVIIAC』に新たなシーンを加え、1000カット以上にわたる修正を施した作品だ。ブルーレイの映像作品として異例の大ヒットを飛ばしている『FFVIIACC』について、ディレクターの野村哲也氏、Co.ディレクターの野末武志氏、そしてシナリオライターの野島一成氏の3名を直撃。完成したいまだからこそ明かせる事実などを語ってもらった。本作をすでに観たという人も、これからじっくり観るという人も必読!


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ディレクター
野村哲也
TETSUYA NOMURA 


シナリオライター
野島一成
KAZUSHIGE NOJIMA


COディレクター
野末武志
TAKESHI NOZUE

『FFVII』や『FFX』など多くの『FF』シリーズでキャラクターデザインを手掛ける。『キングダム ハーツ』シリーズではディレクターも担当。

『FFVII』や『FFVIII』、『FFX』、『キングダム ハーツ』シリーズなど、数々のヒット作のシナリオを担当。有限会社ステラヴィスタ代表。

『FF』シリーズ、『キングダム ハーツ』シリーズなどのCGムービーを手掛けるヴィジュアル・ワークス所属。本作ではCOディレクター。

※当初、野島氏と野末氏の氏名、経歴が入れ替わっておりました。読者並びに関係者にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。





●予定外に練り込まれた『FFVIIACC』の制作

――『FFVIIACC』の発表当時は一部シーンの修正を行った作品、というお話でしたが、最終的に約30分以上もの追加、および改変、再編集を施すことになりました。野末さんは『FFVIIAC』終了後から手を加えていたということですが。

野末武志(以下、野末) 『FFVIIAC』の後処理でデータ整理を兼ねつつ修正を始めていました。映像の中でノイズが出ていた部分や、ライティング(光の演出)などの修正ですね。『FFVIIACC』を想定してわけではなく、何かがあったときのための対応という認識でした。

野島一成(以下、野島) 僕は『FFVIIAC』終了後に、哲さん(野村哲也氏)から「こういう話を足したい」という話をもらったんですよね。「まだ野末君には言ってないけど」と(笑)。でも、その話をもらったあとけっこう音沙汰がなくて……。

野村哲也(以下、野村) ほかのプロジェクトを優先していたので、企画が自分のPCの中でしばらく眠っていました(笑)。

野島 なので僕はプロジェクト自体がなくなったのかなと思っていましたが、しばらくしてから突然「先日のシナリオ追加の話ですが……」と言われ、「先日!?」と思ったのを覚えています(笑)。

野末 けっこうタイムラグはありましたね。プロジェクトとして決定したあとにも、合間に『ディシディア FF』や『FF ヴェルサスXIII』のトレーラーを作ったりしていましたから。

野村 発売はブルーレイディスク市場の拡大を待つことになったので急いでなかったですし、当初は少しだけ映像を足したものにする予定でしたからね。それが、ここまで長期のプロジェクトになるとは思っていませんでした。当初は追加シナリオが何分の映像になるかもわかりませんでしたし。

野島 『FFVIIAC』のプロローグをレコーディングしていたとき、僕の息子が2歳になったところで、ちょうど「遊ぼう」としゃべり始めたころだったんですよね。いまでは、デンゼルと同じくらいの年齢に成長しましたよ。ちなみに、ロッズの「遊ぼう」というセリフは、その息子からきているんです(笑)。
 

 

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『FFVIIAC』は2005年9月14日発売。そして翌年9月の東京ゲームショウで『FFVIIACC』の制作が発表され、2009年4月16日に発売となった。『FFVIIAC』はヴェネチア国際映画祭に招待されるなど、高い評価を得ている。






●ライフストリームと星痕症候群の裏設定

――野島さんへ追加シナリオを依頼されたときは、具体的な内容を決めて発注したのでしょうか?

野村 具体的にお願いしたシーンもありましたが「子供たちのシーンを追加したい」といったアバウトな部分もありました。終盤の子供たちが駆けていくシーンは、それを受けて野島さんから出されたものなんです。

野島 あのシーンの構想は『FFVIIAC』の最初からありましたよね。

野村 幻となった開発初期の『FFVIIAC』20分バージョンにあった演出ですよね。それが再び足されているのを見て、「野島さん、心残りだったのかな」と思いました。

野島 『FFVIIAC』が生々しい話だったので、もっとファンタジーらしい部分を入れたいなと思ったんですよね。具体的な説明はない、ちょっと不思議な光景。子供たちのシーンは僕も追加したかったのですが、“こういうシーン”とハッキリしたものではなく、思いつきに近いものでした。変な話ですが、この作品ではデンゼルやマリンを描きたかったのではなく、クラウドとの対比や、クラウドがデンゼルたちと接することでもう一段階成長するという部分を描きたかったんです。それで、もしシナリオを増やせるチャンスがあるなら、子供たちのディティールを増やしたいと思っていました。さらに『FFVII』を作っていたころに遡るのですが、子供と老人は"ライフストリーム=星をめぐる命"に近いという考えかたがありました。子供というのは少しまえまでライフストリームだった存在で、老人はもうすぐ星に還っていく存在。そういう点で、物語を展開させやすい子供についての物語をいつかやりたい、というのは『FFVII』のころからあったんです。『FFVII』にはそういう話を入れられなかったので、今回やっとそれをフォローできたかな、と思います。

――作品中では子供たちに星痕症候群の影響が大きいように感じますが、それは少しまえまで星に近い存在だったから、ということが要因としてあるのでしょうか?

野島 そうですね。子供は喜びも恐怖も大人より何倍も影響を受けやすいですし。『FFVII』であったように、メテオが身近に爆発するのを見ていたら、彼らはものすごいショックを受けると思うんです。その隙に星痕症候群が入り込んだというイメージですね。

――星痕症候群の表現については、シナリオ段階で具体的な指定があったのでしょうか。

野島 なんとなくジュクジュクして治らない、かさぶたのようなものをイメージしていました。『FFVIIAC』制作当時は、それをそのまま表現したら過激かなと思って抑えてもらったんですよね。なので『FFVIIACC』のほうがイメージに近いんです。

野末 星痕症候群の表現は、もともと「あまり気持ち悪くしないで」と言われていたのですが、『FFVIIAC』を終えて、あまり見たくない部分も表現していこうという方針になり、野村と相談しながらいまのリアルな表現を作っていきました。吐血なども制作過程で「ここまでやっていいのか?」とかなり悩みましたね。

野村 あの表現はこれまでに比べると過激にしたほうですが、『クライシス コア -FFVII-』などを通じて、リアルに表現したほうが、痛みも受け手にはリアルに伝わると判断しました。

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本作ではデンゼルとの出会いやマリンとの会話を通じ、クラウドの人間性がより深く描かれている。これらのシーンは、物語をより自然に進行させるのにもひと役買っているのだ。

 
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『FFVIIAC』では直接的な表現が少なかった星痕症候群。しかし『FFVIIACC』では子供たちや道ゆく人々、デンゼルなど、発症者の様子に具体性が増している。苦痛や悲しみが伝わるリアルな表現だ。





●3人の強力な制作体制で作られた新規シーン


――ほかに、野島さんがビジュアルを強く意識して書いたシーンはありましたか?

野島 それはないですね。僕の頭の中では、登場人物がどう動いたかということしか考えていないんです。「あとは野末さん、よろしく」という流れになります(笑)。

野末 (笑)。僕はそれを受けて、絵コンテを切ったり、ヴィジュアル・ワークスのレイアウトチームと相談したりしています。「この表現でいいのかな?」と不安なところは野村に確認しながらになりますね。

野村 自分は全体のバランスを取りつつ、自分の中にあるイメージを伝えています。バトルシーンも自分のアイデアを使った場面と、ヴィジュアル・ワークスからのものとさまざまですね。ハイウェイバトルでヘリを使ったシーンは、野末君が「いいアイデアがある」って言って作ったんだよね?

野末 いや、あれはヘリの部分で「アクセントがほしい」と振られて必死に考えたんですよ(笑)。

野村 そうだっけ?(笑)。

野末 バイクを後ろ向きにするのは『FFVIIAC』のときからあったアイデアで、昔見たクルマのスタントシーンからインスピレーションを得たものです。今回は、レイアウト担当がそれをもとにアイデアを出してくれました。

――バトル中、クラウドがリミットブレイクを発動しているのも野末さんのアイデアでしょうか。

野末 そうですね。何かしらゲームの技を使おうと思いまして。カット割りの構成上、ゲームの構図とはちょっと変わっているのですが、ゲームの要素はかなり意識しました。

――曲のアレンジや差し替えも野末さんからリクエストがあったとのことですが。

野末 今回は時間に余裕があったので、映像に合わせて曲もアレンジしてもらいました。

野村 『FFVIIAC』では曲に映像を合わせたのですが、今回は映像に曲を合わせてもらったので、理想のバトルシーンになりましたね。

――タークスのシーンが増えているのも、今回の見どころのひとつですね。

野島 レノとルードは『FFVII』でやりきった感はあったんです。でも、レノとルードのシーンの追加は哲さんから指定もありましたし、やはり使いやすいんですね。全体的に重い話の中で、オチを担当できるキャラクターがほかにいないというのもあります(笑)。

――確かに、レノが鼻血を出すシーンなどはコミカルでインパクトがあります。

野末 あれは野村のアイデアです。

野村 血を出してくれとは言ったけど、鼻血って言ったっけ?(笑)。

野末 レノのダメージ具合を出すために、キャラクターモデル担当が作ったんですよね。後半のシーンでは消してしまいましたが。

野村 最初はカットが変わっても鼻血を出したままで、その場面が笑えるシーンになってしまったので消してもらいました。「いつまで垂らしてるの?」と(笑)。でも、鼻血を取ったらふつうのシーンになってしまったので、入れとけばよかったかなとも思います。
 

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スリル満載の新たなバトルシーンや、『FFVII』ファンへのサービス、そしてときには笑い。『FFVIIACC』で追加されたシーンには、スタッフのアイデアがふんだんに盛り込まれている。





●スピーディーなバトルの発端

――そもそも、剣が見えないほどの高速バトルはどのようなキッカケで作られたんですか?

野末 キッカケは『キングダム ハーツ ファイナル ミックス』のシークレットムービーですね。

野村 あの映像を観て「こんな感じの映像作品を何かやりたいね」という話になったのを覚えています。

野末 それで、あのムービーをベースにした『FFVII』の続編を、という流れになりましたよね。“ふつうの人間にはできないバトルを表現する”というコンセプトもそのときからありました。

野島 企画の最初は『FFVII』か『FFX』のムービーをつないで映像作品を作ろうって話だったよね? 北瀬さん(『FFVII』のディレクターや『FFX』のプロデューサーを務めた北瀬佳範氏)から突然言われて、「それは無理だと思います」って話をした気がする(笑)。

野末 僕が聞いたのは『FFVII』でしたね。こっそり聞かされたんですけど、そのうち話を聞かなくなったのでプロジェクト自体がなくなったのかなと思っていました。

野村 みんな、『FFVII』に触りたがらなかったから……。

野島 『FFVII』の続編ということ自体が挑戦ですからね。どんな続編になっても悪者にされいちゃいそうですし(笑)。

野村 それで誰も触らず、プロジェクトそのものが消えそうになったので、自分が手を挙げたんです。ヒールといえば自分だろうと思って(笑)。

――制作現場ではどうですか? たとえばがんがんリテイクを出して、ヒールに徹するような監督ですか?

野末 いえ、ほとんどないですね。野村が「違うな」と思っても通してくれますよね。そういうときは、なんとなくわかります(笑)。野村は意外と気遣いの人なんですよ。『FFVIIAC』のハワイロケで、スタッフみんなのためにおにぎりを握ってくれたりもしましたし。

――そんなことが!(笑) ふだん料理とかされるんですか?

野村 ぜんぜん(笑)。まあ、あのときは市販のおにぎりセットがあったので作ってみるかと(笑)。
 

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『キングダム ハーツ ファイナル ミックス』に収録されているシークレットムービーでは、二刀流の人物が、大量の敵を相手に激しいバトルを演じている。『キングダム ハーツII』への布石となった映像だ。





●追加シーンや小説などの新エピソードについて

――『FFVIIACC』で気に入ったところ、思い出深いところを教えてください。

野末 僕は作品を通じて、どれだけ血を出すかという表現が気になっていましたね。野村のところに、クラウドの立ち絵に血が出ているCGを持っていって、「これだけ出していいのか」と聞いたりしていました。

野村 自分が気に入っているところはラストシーンなので具体的には言えないのですが、全体を通して観るとデンゼルが水道管を叩くところは感動しましたね。

野島 あのシーンは僕も感動しました。シナリオでは違う行動を書いていたのですが、ああいう風に変わっていたことに驚いて。デンゼルの決意を示すための行動が、僕が思う精一杯より、野末さんの精一杯のほうがもう少し好戦的だった(笑)。

野末 あのシーンは野村から「何か現場にあるものを利用してほしい」と言われて作ったんですよ。

野島 あとはモーグリのぬいぐるみを持った女の子が、弟を背負っているシーンかな。かなり最初に脚本を書いたシーンで、しばらく時間が経ってから「ここまでできていますよ」と映像を観せてもらったので、形になっていることに感動しました。

野末 弟のくだりは、「ここまでやっていいんですか」って確認しましたよね。最初にシナリオを読んだときに、いきなり映像が頭に浮かんだぐらいのショックを受けたんです。「うわ、野島さん、ここまでやるか」と(笑)。

野島 レコーディングのときにも「いいんですか?」って確認しにきたよね(笑)。僕は、あのモーグリのぬいぐるみを持った女の子がかなりお気に入りで。シナリオ上には外見のことは書いていないので、初めてキャラクターを見たときに「こんな子だったのか!」と衝撃を受けました。なんでモーグリ人形を持っているんだろうとか、いろいろ気になることも多かったし(笑)。

野末 あれは、なんでモーグリを?

野村 スタッフが出したかったんじゃない? あれは『FFX』のルールーが持っていたモーグリ人形と同じものらしいのですが、作品中に出していいか確認がきたのは覚えています。

野島 自分が書いたシナリオが、そうやって映像になるのを見るのはすごく楽しいですよ。

――自分だけが知っている『FFVIIACC』の秘密があれば教えていただけますか?

野末 いっぱいあるんですよね。修正したシーンの中には、けっこうユーザーさんの声も反映されていて、逆にそれを探してほしいかなと。ひとつだけ言いますと、デンゼルの回想シーンで倒れている神羅の社宅の看板は、さりげなく小説の設定を入れています。

野島 秘密と言いますか、背中合わせという演出がみんな好きだなと(笑)。エアリスの初登場シーンでクラウドとエアリスが背中合わせになりますが、当初はふと気づいたらバイクの後ろに乗っているという設定だったんですよ。

野村 エアリスの洋服の構造上、バイクはまたげないですし、横乗りもフェンリルの構造上できないという理由もあったので変更しました。いつの間にかバイクの後ろに乗っているというのは、怪談話のようですし(笑)。

野島 なんだぁ、背中合わせが好きなのかと思ったのに(笑)。

一同 (爆笑)。
 

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野村氏、野島氏お気に入りのデンゼル奮闘シーン。少年の精一杯の抵抗は、観る者に鮮烈な印象を与えてくれる。





●作品をより深く理解できる野島氏の小説

――今回、野島さんの書き下ろし小説『On the Way to a Smile FFVII』も発表されましたね。

野島 あれが本になると思うと感慨深いですね。デンゼル編の一部が『FFVIIACC』自体にも入っていますが、映像にすると尺が長くなるんだなと、申し訳ない気持ちになりました(笑)。

野末 いえいえ。あれは尺を長く取らないとダメなシーンなので、みんなに「たいへんだけどがんばろうね」って励ましました(笑)。

――デンゼル編は特典映像としてアニメにもなっていますね。

野島 先日、拝見させてもらったんですが、よくできてると思いましたね。「台本のチェックをしてください」と言われた時期から考えると、どう考えても間に合わないだろうと思ったスケジュールでしたが(笑)。

野村 かなり無理をして作ってもらったんです。間に合わないかもしれないからと、ギリギリまで収録されることは発表できませんでした。

野島 小説は『FFVIIAC』の発売に合わせて国内や海外のウェブ用などに書いたのですが、ほかの何編かがどうしても書けなくて、哲さんからも僕からも互いに小説については触れない時期があったんです(笑)。ユフィ編なども途中まで書いていましたしアイデアもあったのですが、シナリオとは勝手が違って非常に難航してしまいました。

――小説の見どころを教えてください。

野島 書き下ろしで神羅編が入っているのですが、ルーファウスはこんなにいじって楽しいキャラクターだったのかと初めてわかりましたね。

野村 あれを読むと、ルーファウスがなぜ生きていたのかがわかりますよ。プロットで見せてもらったときに、脱出方法がよかったので、ぜひこのままでやってほしいとお願いしました。

野島 死んだと思われていた人が、急に『FFVIIAC』で出てきたのをどうにかしたかったという思いがあったんですよね。神羅編以外の物語は『FFVII』の物語が終わったあとから始まるのですが、神羅編では『FFVII』にグッと踏み込んでいます。

野村 ヴィンセントとレッドXIIIの会話がすごくいいですよね。中身は言えないのですが、とても考えさせられる内容でした。

野島 あー、そういってもらえてよかった(笑)。原稿を書いてチェックに出すと、「ここが『ビフォア クライシス -FFVII-』と合わない」といった哲さんのチェックが返ってくるだけで、編集の人も感想を言ってくれないので不安だったんですよ(笑)。
 

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1470円[税込]で発売中の小説、『On the Way to a Smile FFVII』。ウェブなどで公開されていたものに、バレット編、神羅編、ライフストリーム編などが追加されている。本書で、『FFVII』から『FFVIIAC』にいたる物語を知ることができるのだ。





●『FFVIIACC』を完成させて……

――CG作品ならではの苦労は?

野末 苦労とは違うのですが、『FFVIIAC』制作時と『FFVIIACC』制作時では5年近く時間が違うので、使える技術がまったく変わってしまっていたんです。レンダリングとシェーダー、どちらもコンピューターにCGを描かせる計算方法なのですが、それが根本から変わってしまって。今回は、『FF ヴェルサスXIII』でも使っている最新技術をどれだけ『FFVII AC』の表現になじませるか悩みましたね。ハイウェイのバイクバトルのシーンでは、『FF ヴェルサスXIII』の手法に近くなってはいますが、前後のシーンや『FFVIIAC』に表現を近づけて違和感がないようにしています。

――『FFVIIACC』でも十分スゴイのですが、『FF ヴェルサスXIII』はどうなってしまうのでしょうか?

野末 期待してお待ちください(笑)。

――『FFVIIAC』、『FFVIIACC』を作り終えて、何か変化はありましたか?

野村 自分の意識はあまり変わっていないのですが、周囲のほうが意識しているように感じます。よくゲームで「『FFVIIAC』のようなバトルを作りたい」と言われますし。

野末 『FFVIIAC』に関してはユーザーさんの顔を見る機会が多かったので、観てくださる方を意識することが多くなりましたね。いつも社内に籠もって作ることが多かったのですが、『FFVIIAC』をやり終えて、「届ける人がいるんだ」という意識が強くなりました。

野島 いまでも思いつくアイデアはあるのですが、それをゲームや映像作品などの形にするとき、最終的にはどこを切るかの問題になるんですよね。時間とお金をかければ全部入れられるのかもしれませんが……。ゲームと違って映像作品は入れられる量にどうしても限りがあるので、今回で刈り込む作業を覚えました。今後、新しく映像作品を作る場合は、もう少しシーンをコンパクトにできるようになっていると思います。

野末 新しい映像作品は、機会があればぜひやりたいですね。

――『FFVIIACC』では皆さんやり切ったという印象でしょうか?

野末 技術的にはまだまだ新しい仕掛けもあるのですが、僕としては『FFVII』ではやり切ったと思います。

野島 これ以上、『FFVII』の世界で大事件が起こるというのはちょっと難しいですよね(笑)。

野村 いろいろと考えはあるんですけれど、まずはひと段落とさせて頂きます。

――最後に、本作のファンの皆さんへひと言お願いします。

野末 ストーリーはもちろん、絵だったり、音楽だったり、『FFVIIAC』とは何かしら変わっています。観たときの印象はまったく違ったものになっていますよ。『FFVIIAC』を何度も観た人も、初めての人も、わかりやすくなっているのでぜひ観てほしいですね。

野島 シナリオを描いた者の立場としては、すごく親切になったという印象がありまして。『FFVIIAC』のときに「ちょっと置いてきぼり」と思った人も、「ああ、なるほどね」と思ってもらえるんじゃないかなと。言葉で、セリフで説明していなくてもデンゼルなど子供たちや世界の様子がいろんなところでわかります。小説もおもしろいと思うので、ぜひ読んでください。

野村 以前のインタビューでも言ったのですが(笑)、ずいぶんお待たせしました。ですが、それだけの作品になったと感じていますので、HD画質でぜひご覧いただければと思います。
 

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これで『FFVII』のコンピレーション作品はひと段落となる。なお、野村氏、野末氏、野島氏は『FF ヴェルサスXIII』の主要スタッフでもある。彼らが作り出す新たな物語にも注目だ。



 

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