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iPhone版『のびのびBOY』!? バンダイナムコゲームス、高橋慶太氏によるセッション
【GDC09】

2009/3/28

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●『のびのびBOY』がのびのびする理由 いま明かされるその背景

 

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 2009年3月23日〜27日(現地時間)の5日間、アメリカ・サンフランシスコのモスコーニセンターにて、ゲームクリエーターのための国際会議、GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)09が開催。世界中のクリエーターによる技術交流を目的としたGDCでは、トップクリエーターらによる注目の講演が多数予定されている。ファミ通.comではその模様を総力リポートする。

 

 開催4日目となる3月26日(現地時間)、『塊魂』、『のびのびBOY』を手がけたバンダイナムコゲームスの高橋慶太氏によるセッションが行われた。タイトルは”All About Noby Noby Boy”(『のびのびBOY』のすべて)。哲学的な話がくり広げられ、講演終了後に拍手が鳴り止まなかった高橋氏のセッション。ここではそのすべてをお届けしていく。

 


高橋慶太氏(以下、高橋) こんなに人が集まってくれるとは思わなかったので、ビックリしています。今日は『のびのびBOY』についてお話していこうと思います。まず、『のびのびBOY』の説明をしたいと思います。(BOYの形をした布を見せながら)これがBOYです。(布を伸ばしながら)こうやって体が伸びるわけです。ちなみに、僕が持っているこれはマフラーになっていて首に巻けるし、手袋にもなります。マフラーについてはあとでまた説明しますので本題に入ります。

 

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▲マフラーを手に持つ高橋氏。

 

高橋 (モニターを見せながら)今日はこのようなお話をしたいと思っています。”開発の過程”(development process)。”できなかったこと”(what I could not do)。大部分の人が理解できていないであろう”やりたかったこと”(what I wanted )。”やりたかった理由”(why I wanted to do)。”アップデート”(update)を4月後半にやろうと思っているので、その紹介。あとは”まとめ”(summary)です。


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▲講演内容。このように、会場に設置された2台のモニターには、つねに高橋氏が操作するPCの画面が映し出されていた。


高橋 まず、『のびのびBOY』は『塊魂』とは違って、思いつきではじめたものではありません。基本のアイデアを叩き台にしてスタッフと話し合いをしながら完成していったものです。僕が最初に作った『塊魂』は、塊を転がして、巻き込んで、大きくしていくゲームです。多くのオブジェクトを巻き込んでいく行為は、消費社会への皮肉が込められています。そんな考えがあって作っているんですが、マップ上にオブジェクトが少ないと寂しく感じてしまうので、もっとオブジェクトを出して、カラフルに、にぎやかに、楽しくしていきたい。その結果、オブジェクトをいっぱい作ってもらい、確かににぎやかになった。

 でも、それが転がる塊に巻き込まれてすぐ消えていき、あっという間に見えなくなってしまう。巻き込んでいくゲームなので当たり前のことなんですけど、それがすごく虚しく感じてしまったんです。この感情はまさに使い捨ての消費社会で感じる感情とまったく同じじゃないかと。消費社会という皮肉を、我ながら見事に表現したんじゃないかって自分でも「スゲー」と思ったんですけど、それがとても虚しすぎちゃったので、オブジェクトとかステージとかそういうボリュームで表現できない楽しさというのはいったい何だろうと考えていました。その答えが、このBOYという長い体をクネクネ動かすキャラクターだったんです。

 

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▲BOYのイラストを手書きで記していた。


高橋 もうひとつ、何にも捕らわれないで作ることはできないんだろうかと思っていました。とくに僕が捕らわれたくないのは、”time”と”money”。時間とお金に捕らわれないで作れないかと思ったんですが、そんなことは無理で、ゲームをゲームとたらしめている要素に捕らわれないで自由にゲームを作ることはできないだろうか。ゲーム側で目的やルールを設定したり、アメやムチを用意しなくてもおもしろいものが作れるんじゃないかと。ゲームを作っている人なら誰もが思うことにチャレンジしようと思ったんです。

 『塊魂』は大きさという明確な目標と制限時間によって、いわゆるゲームになっちゃっている。自分としては、それがとても気に入らなかった。残り1秒で目標のサイズになり「見事な時間調整だね」と言われたってぜんぜんうれしくないし、ステージが進むに連れて、目標サイズがどんどん大きくなって難度が上がっていくという予定調和な感じも、なんだかバカにされているような感じがしていたんです。もちろんこういう事柄を見事に消化しているゲームもあるんですけど、自分の場合はいったんこのような要素を排除して、まっさらな紙の上に絵を描くようにゲームを作れないかと考えていました。

 

 3つ目ですが、非常にザックリとした話ですけど、先が想像できないもの、予定調和じゃないものを作りたかった。開発した自分たちでさえ何が起こるのかわからないものが作りたかったんです。そのときはデバッグのことなんて考えてなくて、実際のデバッグ作業のときに「何がバグなのか」と聞かれて困っちゃいました。

 

 4つ目。日本では、電車の中でみんなニンテンドーDSとか、プレイステーション・ポータブルをやっているんですよ。ゲームが売れて儲かるということはスゲーいいことなんですけど、「こういう光景を見たくて僕らはゲームを作っていたのか」と考えると、そうじゃないんじゃないかなと思っちゃうんです。映画監督の宮崎駿さんが「いまの子供たちは遊んでるんじゃない。消費しているんだ」と言ってて、確かにそうだなと思って。

 話がずれますが、日本ではゲームをする人のことを”ユーザー”って呼ぶんです。前から疑問があって、何でゲームは遊ぶものなのに”use”(使う)って言葉で表現するんだろうと。細かい話ですけど気になっていて……。ゲームは会社を維持するために、消費物である必要は妥当だと思っていますが、かといって会社に入ったばかりの新人が何も考えないで「ユーザーが、ユーザーが、ユーザーが!」って言ってるのを聞いてるとスゲームカつくつんですよね。

 

 ……話を戻します。電車の中では家族といっしょにいるのに、会話もしないで携帯ゲーム機を遊んでいる人もいて。その光景を見て思ったのが「売れすぎるのもどうか」ということ。ということで、『のびのびBOY』は、プレイステーション3オンリーかつダウンロード販売。これはなかなか売れないだろうと。発売から約1ヵ月経ったけど、見事に売れてないです。マズイんですけどね。4つ目の理由は冗談として受け流してほしいんですけど、こんなことを考えながら『のびのびBOY』を作りました。

 

 2005年の初めにアイデアを思いついて、『塊魂』を作りながら、どうまとめようか考えていたんです。で、まとまった企画書がこれです(モニターに表示したものを指して)。

 

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▲企画書。「プログラマーは奥さんから「これは死ぬ気で作らないとね」と言われたそうです」(高橋)。


高橋 この4枚の企画書を持ってプログラマーをスカウトしにいったんです。我ながら何も情報がないなと思いながら書いていたんですけど、あるプログラマーが快諾してくれて。「僕もそういうことを考えていたんだ!」とスゴイ奇跡が生まれて。その後プロトタイプの制作が始まって……。じつは、プロトタイプはXbox 360用として作っていたんです。(モニターを見せながら)ほとんど完成しています。これが2005年の話です。

 

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▲プロトタイプ版の映像。高橋氏は「あまり見せたくないので動かしちゃおう」と言いながら終始画面を動かしていた。


高橋 2006年からはプレイステーション3用として作り始めるんですが、ハードを変えた理由は、政治的な理由というよりもコントローラーのアナログスティックが左右対照の位置にあるから。Xbox 360はちょっとズレてるんです。たったこれだけの理由で、僕はプレイステーション3がいいって言い続けていたんです。まあ、そこからが苦労の連続だったんですけど、正式な始動から完成まで3年かかりました。途中で物理エンジンを入れたり、たいへん大きな変更がいっぱいありました。

 当初、物理エンジンは処理付加が高いという理由で使わないようにしていたんですけど、そうはいかず、結局物理エンジンを入れないと僕らが望む動きをしてくれないことがわかって……。開発者の方ならわかると思いますが、havokとかPhysXを使うと、どこかでロゴを出さないといけないじゃないですか。それが絶対にイヤで。毎回ロゴを出すのは迷惑だと考え、ソニー・コンピュータエンタテインメントが提供しているフィジックスエフェクトを使ったんです。プログラム的にも利点があって。だけど結局、バンダイナムコゲームスのロゴは入れなきゃならず……それはガッカリしました。

 そんな感じで2009年になっちゃったんです。エライ人はカンカンに怒ってて、今年になってからまだ顔を合わせてないですね。と、ここでどれだけの方が遊んでいるのか報告をしたいと思います。公式サイトの”WEB WEB BOY”で、何人が遊んでいるかわかるんですけど、(画面を見ながら)55768人がいま遊んでくれています。あんなゲーム内容なので、この数字をどう受け取るかそれぞれでしょうけど、大半の人が健闘していると思うでしょう。

 

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▲独創的なデザインの公式サイト。


高橋 ……だけど困ったことがあります。さきほど目標とかを否定していたにも関わらず、じつは『のびのびBOY』にも目標があって……。それは(画面を見ながら)このGIRLというデカイ女の子。BOYを伸ばした長さを伝えることでGIRLが伸びていき、その長さで太陽系をひと続きにするという目標があります。なぜこの目標をアリにしたかというと、目標が大きすぎて目標になり切れていないからオッケーじゃないかと。あと、とても夢があるから。発売から1週間経ってGIRLが月に到着しました。感動的だったんですけど、いまのプレイヤーたちが55768人です。で、1日平均4000万メートル伸びています。さっき言った困ったということは、このペースだと太陽系をひと続きするのに、え〜と……820年かかるんですよね。自分はとっくに死んでいるだろうし、これは困ったなと。

 

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▲高橋氏が手書きしたGIRL。


高橋 つぎは、できなかったことについてお話します。ものすごくいっぱいあるんですけど、言い訳しているみたいに聞こえちゃうので、ポイントを絞ってお伝えします。GIRLが太陽系をひと続きにする際、地球から月、月から火星というあいだのランキングを集計し、その中の1位、10位、100位、1000位、10000位という順位のプレイヤーにプレゼントを贈ろうと思っていたんです。それが冒頭にお見せしたマフラー。そして(画面を見せながら)これが抱き枕。3メートルくらいあります。

 

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高橋 マフラーは母に作ってもらい、抱き枕は姉に作ってもらったんです。なんでこんなことをしようと思ったかというと、こんなゲームを買ってくれてありがとうという意味と、みんなで楽しめればいいじゃんという、それだけの話です。ネットワークだ、iPhoneだ、テクノロジーだっていう時代に、現物のプレゼントを贈る。このアナログなことを世界のみんなでシェアできることがとてもバカらしくて絶対楽しいものになるんじゃないかと思ったんです。ビデオゲームの中のことなんだけど、現実世界からプレゼントが贈られるというフィードバックがあることで、もしかしてBOYとGIRLが本当にいるんじゃないかという勘違いをしたり、GIRLがゲームの中で言ってるように「太陽系をひと続きにしたらみんなが仲よくなるかも知れないわ」というのを本気で思ったりするかなって。だからゲームの中で使えるアイテムをダウンロードしてプレゼントするんじゃなくて、現実のものをプレイヤーにあげたいというのが大きなポイントだったんです。家族に作ってもらったマフラーと抱き枕は、さらに抽選で1名にプレゼントしようと思って。外れた人は、(画面を見せながら)ひとつひとつ僕が作ったこけしをプレゼントしようと思っていたんです。


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高橋 「『のびのびBOY』発売後は僕はゲーム制作から外れて毎日こけしを作るんだ」とワクワクしていたので少し残念です。『のびのびBOY』という10何名で作った弱小開発チームが家庭内手工業というスーパーローカルな方法を使って、日本だけでなく世界に発信する何かを作るというのは、ギャップがあっておもしろいと思ったんですけど、残念ながらできなかったんですよね。理由を言うと、世界各地によって個人情報の扱いかたが違うとか、確実に届けられる手段がないとか、そういうことが原因でした。それらが完璧に用意できなかったから断念しようということになったんですよ。個人的には間違って届いたり、届かなかったとしても、それも含めておもしろいと思うんですけど。オークションに出す人もいるだろうから、それに関しては僕が競り落としてまたその人に送ろうと考えてたんです。そういうことも含めて、おもしろい雰囲気、おもしろい世界が作れるんじゃないかって。

 もうひとつできなかったことは、GIRLのランキングについてです。僕は単純にみんなでガールを伸ばしたかっただけで、順位っていうのは関係なかったんですよ。でもランキングがあることで極端に必死に伸ばす人が現れたり、途中であきらめちゃう人が出ると思ったので。順位づけは排除したかった。本当はGIRLの上にいる人たちが順位とか関係なく、ウロウロ歩いて、マップ上にいるかのごとく振舞ってほしかった。だけど、プログラム的な時間の制限でできなかったんです。ほかにもいろいろあるんですけど、(モニターを見せながら)こういう検索システムができないかなと思っていて。


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▲断念したという検索システムのイメージ画像。


高橋 検索したらキャクターたちが検索結果を持って集まってきて、こいつらを食べるとアクセスできたらおもしろいなと。人気があるサイトは逃げ足が速いとか。意味はないんですけど、そういうことができたらおもいしろいじゃんと。ぜんぜん関係ないですけど、パッケージで販売しようと思ったときに(モニターを見せながら)余白部分に鉛筆とか入れられないかと考えたり。

 

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▲パッケージ上部分に収まる鉛筆とキャップ


高橋 あと、BOYの顔って丸で構成されたシンプルなデザインなので、BOYの顔をカスタマイズできたらおもしろいだろうなって。最終的に『のびのびBOY』で何がしたかったのかというと、大元にあるものは『塊魂』のときといっしょです。(モニターを見せながら)こんな理由です。

 

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▲”新しいもの”、”ビデオゲームでのほかの選択”、”ゲームでなくてはできないこと”、”何かビックリすること”。


高橋 世界中を巻き込んでバカなことがしたかった。それだけです。制作規模はすごく小さいんだけど、遊ぶ側と作る側の意思疎通できるような雰囲気を作りたかったんですよね。そういう意味でのプレゼントであり、そういう意味でのYoutubeへの動画アップロードだったり。あ、Youtubeで本当にやりたかったことは、デバッグの報告を受けられれば便利だなって。ほかにも、プレイヤーからの提案や開発側と遊び側の意見が交換できればよかったなと思ってたんです。要するに、『のびのびBOY』はお祭りの参加チケット。太陽系をひと続きにするためのお祭りに参加するためのチケット。ただ、いまの状態だと終わるまでに820年かかっちゃうから、終わらない祭りになっちゃっている。なぜそんなことをしたかったのかというと、窮屈だったからなんです。

 ここ4〜5年で、世界はどんどん窮屈になって行ってると思います。ゲームの世界ではなく、現実世界のことです。うまく説明できないんですけど、いま世界を覆っている不況とは関係なく、違う点で窮屈になっていると思います。完全な思い込みかも知れないけど、何か得体の知れないものに縛られているというか、システムに捕らわれすぎているというか、そういう感覚が僕にはあります。自分が感じている窮屈の正体は、もしかしたらバンダイナムコゲームスかもしれませんけど、それよりももっと大きな窮屈な流れが世界を包んでいるように感じています。

 ”のびのび”っていう言葉は日本でふつうに使われる言葉なんですけど、”気持ちや気分が開放的になったり、くつろいだりする様”という意味があります。大げさ過ぎる話ですけど、『のびのびBOY』はこの窮屈な世界に対しての自分なりの抵抗であり、それがこのゲームを作った理由だったりします。そんな理由はゲームにはまったく必要ないんですけど。ただおもしろいだけで十分だし、おもしろかったらそんな言葉や理由はたわ言にしかならないこともわかってます。だけど自分にはそういう理由が必要だったんですよね。”のびのび”という言葉には”物事がテキパキ進まない様。グズグズする様”という意味もあり、まさにこのゲームにピッタリの名前だったんです。スゴイ言葉だと思います。

 

 つぎはアップデートの紹介をしたいと思います。(モニターを見せながら)iPhoneで何かやりたいと思って作ってもらいました。指でタッチしてボーイを伸ばします。あと、マルチプレイができるようにしたので(モニターを見せながら)紹介します。頭が1Pで、おしりが2P。ほかにも最大で4人によるマルチプレイができます。(コントローラーを配りながら)遊んでみてください。

 

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▲本邦初公開のiPhone版『のびのびBOY』。「今日のために1週間程度で作ったものなので現時点では販売の予定はありません。ただ、もし販売するなら無料に近い価格で提供したいな」(高橋)。


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▲高橋氏がみずから実演したあと、観客にコントローラーを渡していた。


高橋 遊びながら聞いてください。「『のびのびBOY』はビデオゲームなのか」ということをよく聞かれます。大半の人は「こんなのはゲームではない」と言います。そもそも『塊魂』のときからですけど、自分にはビデオゲームを作るという意識はさらさらないです。おもしろいことをしたい。楽しいものを作りたいということだけが僕の目標です。だからお祭りとかプレゼントとかはそういう意味で、自分の中では解決していることなんです。

 「『のびのびBOY』はビデオゲームなのか」って質問をする人に逆に聞きたいことがあるんですけど、「じゃあビデオゲームってのはなんなんだ?」。それは調整されたレベルデザインなのか、賢いAIなのか、大きな達成感を得ることなのか、すばらしいストーリーなのか、壮大な音楽なのか、見やすいカメラシステムなのか、魅力的なキャラクターなのか。目的がないとモチベーションが沸かないという人もいますが、ビデオゲームには定義なんてないですし、今回のGDCのパンフレットにも「ゲームとはなんぞや」なんて書いてないですよね。僕たちが作っているゲームは制限とか達成感とかデザインで片づけられるものではないと思うんです。

 自分はいままで不平不満をいろいろ言ってきて、「高橋慶太ではなくて高橋ヘイタだ」って言われたこともありました。でも、自分はゲームが持っている可能性が大きいと思っているからこそ、現状に対する過度の不満があるんです。自分もゲームの可能性を活かしきれていないんですが、ゲームは言葉にならない何かを表現できるはずなんです。僕たちがビデオゲームを愛しているのなら、もっともっと多く考えて、もっともっと多く感じ、もっともっと多く観察し、もっともっと楽しみながらゲームを作っていかなきゃいけないんじゃないかって思います。ビデオゲームには完成形なんてなくて、ずっとずっと発展途上なものなのに、僕たちが「ゲームとはこういうものだ」という思い込みで作ってるんじゃないんでしょうか。ゲームを作るルールに甘えているんじゃないかって。過去や経験に甘えているんじゃないかって。

 誤解を生むことや無理を承知で言いますが、遊び手や会社のことなんて考えるのはやめて、自分がおもしろいと思うものを作ってもいいんじゃないですかね。こういうジャンルが売れそうとか、こういうゲームが流行っているとか、基準を外に求めるんじゃなくて、自分の中でおもしろいと思うものを作ってみてもいいんじゃないでしょうか。ゲームは会社の上層部が作っているものでもないですし、ハードウェアに左右されるなんてバカげています。ハードウェアなんてただの再生機でしかありえない。ゲームはこの会場にいる現場の人間たちが作っているんです。

 だから、批判や結果を恐れずに、もっと自由に、何にも捕らわれないで作ってみてはどうでしょう。その結果、すばらしいものになるのか、もしくはすばらしくダメなものになるのか。すばらしくダメなものになったとしても絶対に価値があるんだから、恐れないで作ってほしい。そうすることで、いままでにないものが生まれるだろうし、生み出さないとダメなんだと思う。新しいものを生み出すということは、ゲーム開発者の使命のひとつだと思っています。僕もがんばりますので、みんなもがんばりましょう。

 

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