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シンプルなシステムながら奥の深いシミュレーションRPGに新生 『シャイニング・フォース フェザー』インプレッション
【プレイ・インプレッション】

2009/2/19

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●ニンテンドーDSで発売されるシリーズ最新作

 

 『シャイニング・フォース』シリーズの最新作、『シャイニング・フォース フェザー』(以下、『フェザー』)が、2009年2月19日、ついに発売された。ハードがプレイステーション2からニンテンドーDSへ、ジャンルはアクションRPGからシミュレーションRPGへと、前作からさまざまな要素が一変した同作品を、ぼんやり系フリーライターの村上奉文がいち早くプレイ。同作から村上が感じたゲームの感触を、ファミ通.comにて掲載する。

 

●『シャイニング・フォース』シリーズが先祖がえり?

 

 もともとはシミュレーションRPGとして出発した『シャイニング・フォース』シリーズが、大きな転機を迎えたのは2005年のこと。初のアクションRPG『シャイニング・フォース ネオ』(以下、『ネオ』)の発売とともに、シリーズは新たなスタートを切った。その2年後に発売されたほぼ同システムの作品『シャイニング・フォース イクサ』(以下、『イクサ』)が思い入れのある作品であった経緯から、同シリーズにはこれからもアクションRPGの楽しさを突き詰める方向でがんばってほしいなと、至極勝手な期待を抱いていた。しかし、最新作で作り手が選択したジャンルはシミュレーションRPG。なんと、’97年に三部作構成で発売された『シャイニング・フォースIII』以来の先祖がえりである。正直に書くと、この情報を知ったときに僕は少しがっかりしてしまった。なぜなら、シミュレーションRPGって、もう何年ものあいだ、ほとんど進化していないジャンルだから。

 

 シミュレーションRPGは、’95年の『タクティクスオウガ』(以下、『オウガ』)登場以降、進化の袋小路にはまってしまったジャンルだと思う。ユニットごとに行動順を管理するユニットターン制、高低差の概念を持つ立体的なフィールド、洗練されたメニュー回りのデザイン、小気味よく動くキャラクターなど、システム的にも演出的にも非常に斬新だった『オウガ』は、多くの亜流作品を生んだ。その中には新しい試みに挑戦した作品もあったと思うのだけれど、結局のところ、ついに僕の中で『オウガ』を超える作品は生まれなかった。いや、『オウガ』が提示した“枠”の外側に抜け出す作品は生まれなかった、と言うべきか。そして、秀逸だったシステムも、いつしか擦り切れるようにして輝きを失っていく。『オウガ』以降に発売されたシミュレーションRPGで新鮮な驚きを与えてくれたのは、『戦場のヴァルキュリア』くらいじゃないだろうか。もちろん、『オウガ』登場まえの単純なシステムを採用している作品の中にも良作はあると思っているし、『オウガ』以降の作品の中にもお気に入りはある。でも、である。少なくとも僕は、シンプルでクラシックなシステムの作品ではもう満足できなくなくなっているし、『オウガ』の流れを汲む作品に対しても「もういいや」って感じなのだ。だって、ディテールに多少の違いがあるにせよ、どの作品も“よく似ている”から。とまあ、こういったやや(?)偏った意見を持っているせいもあって、『フェザー』がシミュレーションRPGだと知ったときには不安を感じたわけ。

 

●『シャイニング・フォース』ならではの“ユルさ”と“深さ”

 

 そんなこんなで、やや後ろ向きな姿勢でゲームを始めたのだが、予想に反してまず最初に得られたのは、既存の作品とは少し異なる感触だった。おそらく、バトルの流れの中にアクション性の高い要素が盛り込まれているからだろう。『戦場のヴァルキュリア』を遊んでいるときにも感じたことだが、改めて駆け引きの中にアクション性を採り入れるのはアリだなと思った。バトルの基本システムは、各ユニットの“AGL(す速さ)”の値によって行動順が決まるターン制で、全ユニットが行動を終えるとターンが進むシンプルなもの。また、フィールドにはマス目がなく、移動力の制限内ならユニットをどこにでも好きな場所に移動させられるけれど、敵味方の位置関係にそれほど神経質になる必要はない。どの方向から攻撃を受けるかで被ダメージが増減するような要素はないからだ。防御力の高いユニットを隙間なく並べて、防御力の低いユニットを守る……という程度の戦術性はあるけれど、“駒を動かす”というこの手のシミュレーションRPG特有の部分に関しては、敷居の低い基本システムだと判断していいだろう。

 そう言えば、『シャイニング・フォースIII』以前の作品も、戦術を突き詰めないとクリアーできない作りにはなっていなかった。どうやら、その間口の広さは本作にも受け継がれているらしい。物語を進めることだけを目指しているあいだは、ゲームバランスも“ユルく”感じられる作りになっている。以上のように、最初の数時間のプレイで感じたのは「遊びやすくてマンネリ感もない」くらいの印象だった。


シャイニング・フォース フェザー

シャイニング・フォース フェザー

 

 しかし、さらにプレイを進めていくうちに、当初感じた印象が少しずつブレ始める。ただ遊びやすいだけの作品じゃないかもって。というのも、フィールド上での駆け引きは前述したように簡略化されているのだが、バトルをくり返しているあいだに、ボタン操作で攻撃や防御を行うアクションバトルには、駆け引きを生む要素がいくつも仕込まれていることがわかってきたからだ。本作では、フィールド上で攻撃対象を選択すると、舞台がフィールド画面から専用の戦闘画面に切り替わる。戦闘画面では、A、B、X、Yの各ボタンに設定しておいたスキルを使用してアクションバトルを行うのだけれど、それらのスキルを放つ際には各ユニットが独自に持つ“フォース”を消費する仕組みになっている。

 まず、このスキルの選択とフォースの管理にかなりの自由度と奥深さがあって、たびたび試行錯誤を行うことになった。フォースの残量が一定以下になるまでは1度の戦闘中に何度でも任意のスキルをくり出せるけれど、フォースは毎ターン決まった値しか回復しないし、最大でも100までしか溜められない。フォース消費量の多い強力なスキルは、そうそう連発できないのだ。手数を重視して低レベルのスキルを選ぶか、一撃の威力を重視して高レベルのスキルを使うか。それともつぎの行動順での大攻勢に備えてフォースを余らせるか……。アクションバトルがリアルタイムで進行する中で、フォースと敵のHPの残量を睨みながら、こういった判断を行うことになる。攻撃が目論見どおりに決まったときのカタルシスを増幅するこの緊張感とスピード感は、本作ならではの醍醐味と言えるだろう。

 

シャイニング・フォース フェザー

シャイニング・フォース フェザー

 

 また本作には、一定範囲内にいる味方を行動中のユニットの攻撃に参加させられるという、シミュレーションRPGとしてはかなり掟破りなコマンドが存在する。これが、上記の“総量が決まっているフォースをどう運用するか”を問う駆け引きに、さらなる奥ゆきをもたらしている。とくに、2体のユニットのフォースを一度の戦闘でまとめて活用できる“ユニオン”は、攻撃の選択肢を大きく広げてくれる重要な要素だ。ユニオンの使いかたがわかってくると、自然と行動中のユニットだけでなく、自軍の全ユニットのフォースの運用を意識するようになる。僕自身は、このあたりの駆け引きの妙を把握できたあたりから、俄然バトルが楽しくなっていった。

 さらに、本編の進行に関係しないクエストバトルに挑戦するようになってからは、最初は軽んじていたフィールド上での駆け引きも重視するようになる始末。プレイヤーにチャレンジを要求するクエストバトルを経験することで、当初は見えなかったフィールド上での戦術の存在と可能性に気づかされたのだ。……と、ここまでプレイして、ようやく本作のキモの部分に触れられた気がした。とっつきやすく遊びやすい作品ではあるが、プレイを進めるうちにわかる奥の深さもある。『フェザー』で作り手が目指したのは、そういった手触りなのかもしれないと。

 

シャイニング・フォース フェザー

シャイニング・フォース フェザー

シャイニング・フォース フェザー

シャイニング・フォース フェザー


 遊び手を選ばないユルさと多彩な駆け引きの要素が生み出す深さ。両者がほどよいバランスで溶け合う『フェザー』のバトルをぜひ一度体験してみてほしい。シミュレーションRPGの歴史を変える、とまでは言わないが、同ジャンルの新しい可能性は感じてもらえると思う。「こういうのもアリだな」って。あと、オフィシャルサイトで公開されている動画を見ていただいたほうがわかりやすいので、これまでとくに触れてこなかったが、キャラクターが攻撃時に見せるアクションや戦闘演出は非常にクオリティーが高く、作り手のこだわりが感じられるデキになっている。魅力的なキャラクターが紡ぐ物語も、主人公がモテ過ぎでうらやましくなるのが難点(!?)だけど、ドラマチックな内容で僕は楽しめた。
 

シャイニング・フォース フェザー

シャイニング・フォース フェザー

シャイニング・フォース フェザー

 

 さて、最後に『シャイニング・フォース』ならではの膨大なやり込み要素についても触れておかなければ。『ネオ』や『イクサ』を楽しんだ人なら、両作品の大きな魅力となっていたやり込み要素が、『フェザー』ではどういった形になっているのかが気になるはず。結論から言うと、こちらもしっかりと期待どおりの内容になっている。攻略の拠点となる飛空艇の施設を強化する要素や、条件つきで発生する多種多様なイベント、武器のカスタマイズに防具の生産と、ふつうに1周プレイしただけでは遊び尽くせないほどのやり込み要素が用意されている。いとうのいぢ氏が描くかわいらしいコアユニット、アルフィンのドレス集めもいろいろな意味で“熱い”。クリアーデータを引き継いでフリーバトルやブレイクバトルを楽しむことも可能とのことなので、いったんハマれば延々と遊び続けてしまうはずだ。

 

Text by 村上奉文

 

著者紹介
村上奉文

シャイニング・フォース フェザー

大都会の片隅でもそもそと暮らしているフリーライター。花鳥風月を愛でながら暮らしたいと考えているのですが、なかなかそうもいきません。主観視点でないアクション系と、シミュレーション系の作品が好き。『イクサ』は、ランダムで性能が変わる装備品を集めるのにハマって、150時間ほど遊びました。よく親指が痛くなったなあ。

 

シャイニング・フォース フェザー

対応機種

ニンテンドーDS

メーカー

セガ

発売日

発売中

価格

5228円[税込]

テイスト/ジャンル

ファンタジー / シミュレーション・RPG

備考

開発:フライト・プラン、プロデューサー:下里陽一、キャラクターデザイン:pako、いとうのいぢ



※『シャイニング・フォース フェザー』公式サイトはこちら
 

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