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3D開発ツール大手メーカー、オートデスクのキーパーソンが語る、「クリエーターのビジョンを形にするのがツールの役割」

2009/1/14

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●いかにキャラの動きに真実味を持たせられるかがツールのテーマ

 北米に本社を持つオートデスクは、世界的な大手ツールメーカーとして知られる存在だ。同社では、“3ds MAX”や“Maya”といった3Dツールをゲームクリエーター向けに提供し、3Dによる表現が不可欠となったゲーム業界において、絶大なる支持を得ている。そのオートデスクが2008年11月17日にアビッドテクノロジー社からソフトイマージ立体映像事業の買収を発表し、関係者に大きな衝撃を与えた。ソフトイマージと言えば、すぐれた3Dツール“XSI”を手掛けており、“3ds MAX”や“Maya”のライバルと目されていたからだ。つまり、ソフトイマージを傘下にすることで、オートデスクは3Dツールという分野において驚異的なシェアを収めることになるのだ。

▲ベセスダ・ソフトワークスの『フォールアウト 3』を筆頭に、現在多くのゲームでオートデスクのテクノロジーが採用されている。

 

▲メアリー・ベス・ハガティー氏は、ILM、エレクトロニック・アーツを経て現職へ。エレクトロニック・アーツ在籍時は、マクシス部門に所属し『シムシティ』などに関わった。

 そんなオートデスクにて、メディア&エンターテインメント シニア インダストリーマネージャーを務めるメアリー・ベス・ハガティー氏が来日。ファミ通.comではインタビューをする機会を得た。「世界中でクリエイティブな仕事に従事しているクリエーターたちに適切なツールを供給するのが私たちの役目。私たちが提供したツールを使って、クリエーターの皆さんがすばらしいコンテンツを作り上げるのを見るのが何よりもうれしいです」というハガティー氏に今後の方針などを聞いた。

――ソフトイマージを買収した理由を教えてください。
ハガティー
 第一にはオートデスクのゲーム・テクノロジー戦略を促進するためです。ソフトイマージ社は、“XSI”というゲーム業界にとってすばらしいテクノロジーを持っており、私たちがゲームクリエーターに提供できるサービスの幅が広がるだろうと判断したためです。ソフトイマージには優秀なエンジニアが揃っており、カナダのモントリオールに総合的な研究開発拠点を設置するプランもあります。

――これで、主要な3Dツールはオートデスク社製になるわけですが、どのような棲み分けを?
ハガティー
 “3ds MAX”や“Maya”、さらには“XSI”にしても同じ3Dツールでありながらそれぞれ特徴が異なります。私たちは、やはりユーザーの方(ゲームクリエーター)を大事にしたいと考えているのですが、そのクリエーターの方々に長年にわたってご愛顧いただいているのが、“3ds MAX”や“Maya”であり“XSI”です。クリエーターの方々は、それぞれが使っていらっしゃるパッケージに対して思い入れを持っていらっしゃることでしょうし、私たちでは今後もそのニーズを汲んでいきたいと思っています。3つのツールはライバル関係というわけではなくて、それぞれのニーズをベストな環境で満たしていくという役割を持っているんです。3つのツールに関しては、今後も継続して投資を続けていく予定でいます。

――それぞれのツールを使っているクリエーターの方は、今後も安心して使ってほしいということですね?
ハガティー 
そのとおりです。

――ちなみに、将来的には3つのツールのいいところ取りの“究極の3Dツール”などの予定はないのですか?
ハガティー
 最近よく受ける質問なのですが(笑)、その予定はありません。まずは、それぞれがすぐれたツールなので、いいところ取りをするのが難しい。そして何を持って“いいところ”なのかを判断するのも難しい。そして根本的なところを言えば、いまのままのツールを、皆さんに思い入れを持って愛してもらっているという現状もありますから。

――オートデスクの今後の展開について教えてください。
ハガティー
 テクノロジーに関して言えば、いま私たちがいちばん注力しているのは、いかにキャラの動きに真実味を持たせることができるかというのが大きなテーマになっています。たとえば私たちには “HIK(ヒューマンインバースキネマティック)”というテクノロジーがあります。“HIK”というのは、キャラの指先を引っ張ったときに、連動して体のほかの部分も滑らかに動かせるテクノロジーなのですが、これにより、キャラの動きによりリアリティーを持たせることができます。また、キャラクターが与えられた環境に対していかに自然に振舞うかというのも大きなテーマになっています。これは“キナプス”というテクノロジーなのですが、たとえば、私たちは何か用事があって建物に入ると、目的地まで到達しようとしますよね? ふつうだと、進むべきルートを逐一入力しないといけないわけですが、“キナプス”ではAIの使って最適のルートと辿ることになります。最適のルートが何らかの障害のために行けないとなっても、AIが判断して次善のルートを選択してくれるんです。

――より人間の行動原理に近づいたツールが実現される日も近いということですね?
ハガティー
 そのとおりです。私たちは、ゲームのテクノロジーに関しては今後も投資を続けていく予定でいます。私たちのお客さんはクリエイティブなビジョンを持っている先進的なクリエーターなのですが、私たちは、クリエーターの方が頭に浮かぶことを、そのままゲームに落とし込んでいくお手伝いをしていきたいと思っています。ゲームのミドルウエアを提供することで、世界中のゲーム開発者のお手伝いをすることができると考えているんです。それは、ゲームユーザーに対しても、大きな喜びをもたらすものになるのではないかと、私たちは期待しています。

 「たとえば、デザインの視覚化など、将来的にはゲームテクノロジーをほかの分野にも応用していきたい」と語るハガティー氏。プレイステーション3やXbox 360などの登場により、開発費が高騰化するなかで、開発の効率化を果たすミドルウエアのニーズが高まっていることは周知の事実。よりリアルな表現に対する要望という点からも、オートデスクの手掛ける3Dツールがより重要性を増すだろうことは間違いないだろう。

▲今後もゲームビジネスには力を入れていきたいとハガティー氏。



※オートデスクの公式サイトはこちら

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