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岩谷氏と水口氏が語るゲーム哲学と、教育における必要性とは?
【第35回日本賞】

2008/10/27

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●両氏が考えるゲーム作りで重要視する3つのキーポイントが公開

 

 世界中のゲームファンから愛される『パックマン』を手がけた岩谷徹氏(東京工芸大学教授、東京大学大学院特任教授、バンダイナムコゲームス フェロー)と、『スペースチャンネル5』や『Rez(レズ)』といったタイトルを世に送り出す水口哲也氏(キューエンタテインメント代表取締役CCO)。日本を代表するふたりのクリエーターが、NHKが主催する教育コンテンツの国際コンクール“第35回日本賞”の一環として、2008年10月27日に行われたトークセッション“Meet the Experts(ミート・ジ・エキスパーツ)”で顔を合わせ、“ゲームの中に込める哲学とその教育的効果”をテーマにしたトークを展開した。

 

▲キューエンタテインメントの水口哲也代表取締役CCO。

▲東京工芸大学、東京大学大学院で教授を務める岩谷徹氏。

 

▲NHKの倉又俊夫氏(右)を進行役に迎え、トークを展開した岩谷氏(中)と水口氏(左)。

 

 “ゲーム作りで重要視するキーポイントは?”というテーマでは、【1】楽しさ第一主義、【2】理解できるミスのメカニズム、【3】至れり尽くせりの3つのポイントを挙げた岩谷氏。「(【1】について)プレイヤーに楽しんで遊んでもらうことを最優先に考える。そうしないとプレイしても難しいとか、おもしろくないとか、なんだか苦しいだけのゲームになってしまう。ある意味勉強といっしょですね」と説明した。【2】については、「どうしてゲームオーバーになったのかわからないゲームでは、遊び続けてもらえない。ここでプレイヤーがこういう行動をとったから敵にやられたんだと、どうしてミスをしたのかをわからせるメカニズムをゲームに取り入れることが必要。そうすればプレイヤーもミスをなくす戦略を学んでいけるんです」(岩谷)。

 

▲敵のアルゴリズムについて説明する岩谷氏。「すべての敵がパックマンを追いかけるように設定すると、みんな同じ動きになってしまいプレイしていてもおもしろくない」と岩谷氏。

 

 【3】について岩谷氏は、「サービス精神があり、細かい気配りができるゲームを作る」とし、スクリーンに映る『パックマン』のゲーム画面を見ながら解説。思わず水口氏も「私もそれを目指したゲーム作りを心がけていますが難しいです(笑)」とコメントしたが、岩谷氏によると、『パックマン』は1回ミスをすると、近くに敵がいない場所からリスタートするなど、つぎのプレイでは難易度が少し優しくなる配慮が施されているという。また、敵のアルゴリズムにも工夫を施し、画面上にいる複数の敵のうち、ある1匹はパックマンを中心に動き、2匹目はパックマンの進行方向を目指して動く。そして3匹目はランダムに動くようにアルゴリズムを設定。「すべての敵がパックマンを中心に動かすと、数珠繋ぎのようになってしまってゲームとしてのおもしろ味に欠ける。それを防ぐためにアルゴリズムに変化を持たせたんです」(岩谷)。

 

 一方、水口氏が考えるゲーム作りのキーポイントには、【A】グローバル、【B】新しい体験、【C】ストーリーの3つが挙げられた。「僕が初めて遊んだゲームがアメリカのアタリが作った『ポン』という作品でした。このゲームは世界初のビデオゲームとして有名で、僕がゲームを作りたいと思うようになったとき、根強く心に残っていたのが『ポン』。せっかくゲームを作るなら、世界に向けた作品を作りたいと思ったのは、この『ポン』の影響があったと思う」と、グローバルを重要視する理由を語った。新しい体験については、「ゲームには、おもしろさや楽しさの“理由”がひとりひとりの中に存在しています。その理由を引き起こすトリガーが、新しい体験だと思っています」と説明。また、ストーリーについても「ゲームというメディアは技術の進化で表現力がどんどん上がってきています。が、どんなにすごい映像、音を使っていても内容がおもしろくなければ意味がない。いかにゲームの中でストーリー、ドラマ、メッセージを配合して、デザインするか? それが重要だと思っているし、いまでもそれを模索しているんです」(水口)。

 

▲世界初のビデオゲーム『ポン』をプレイしたことが世界に目を向けるキッカケのひとつになったという水口氏。

 

 ゲームと教育の関係性については、両クリエーターが自身の考えをつぎのように語っている。

 

 「小さいころ、蟻を殺した経験は誰にでもあると思います。そして蟻が苦しんでいる姿を見て、(殺してしまったことを)悔いる感情が芽生える。いまの時代、都会では虫が少なくなり、そういった経験を失っている子供が多くなっている。ゲームはその経験の代わり、ガス抜きになってくれると思います。子供にとっての必要な経験としてだけではなく、近年、教育現場や医療などで、楽しいから持続することができるゲームの魅力が活用されています。老人ホームでは『ワニワニパニック』や『太鼓の達人』が置かれ、脳の活性化や老人どうしのコミュニケーションツール、足腰を鍛える器具として効果が出ています。ゲームの力を社会に活かす時代になったと思っています」(岩谷)

 

 「ゲームは体験のメディアなので、インプットされる情報が強烈です。だから、教育上よくないとか、批判されることもあります。でも、ゲームはまだまだ新しいメディア。新しいメディアってこれまでも批判されてきたんです。映画もテレビも本も、歴史を振り返れば、いまは認められているメディアも批判されていた時代があった。だから、いまゲームが批判されていることって、ある意味ヘルシーなことだと思います。ゲームはルールやシステムを覚えて、練習したり学ぶことでクリアーしたときの達成感、充実感が得られる。おもしろいからやる気も起きるというのは、教育に通ずる点が多いと思います」(水口)

 

※第35回日本賞公式サイトはこちら

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