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ゲームは今後すべてを演算処理する”プロシージャル”へ、SCEのセッションでゲームのネクストステージが見えた
Game Tools & Middleware Forum 2008 TOKYO

2008/6/4

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●ゲームの進化軸は演算処理とネットワークの2方向へ

 

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は2007年開催時に引き続いて、同社が提供している開発ツールに関するセッションを実施。”SCEから提供されるPS3向けテクノロジーのアップデート”と銘打ち、最新の技術成果について報告した。


 SCEのテクノロジープラットプラットフォーム SVP ソフトウェアプラットフォーム開発部長の豊禎治氏は、まず最初に近年のツールおよびミドルウェアを取り巻く状況について説明。初代プレイステーションのころは、手軽に扱えるツールのほうが重要視される傾向にあったが、プレイステーション2、プレイステーション3とハードの進化に合わせてミドルウェアの需要がツールを上回るようになってきたという。豊氏はその理由について、汎用性が高いミドルウェアの採用は開発費の高騰が抑えられることに加えて、コンピューターの進化に合わせてミドルウェアを取り入れる余裕がゲーム開発者側に生まれたことにあると分析する。「ゲームはコンピューターの進化に大きく影響を受けるメディアという点で、映画や小説とは違う」(豊)。コンピューターの急速な発達に比例して、ゲーム開発現場での重要度を増していくミドルウェア。この状況を踏まえたうえで、豊氏はゲームの進化の軸について言及した。


▲右側のバーがミドルウェアの利用状況(今後の予測も含む)。年々増加しているのがはっきりとうかがえる。

 
 ゲームの進化とは言い換えれば”演算性能の進化”。ゲーム黎明期、ゲームは『ローグ』などの文字だけで表現される世界だった。その後ファミコンに代表されるグラフィック描画能力を持った、いわゆる”ゲーム機”が登場したときに初めて”2次元”という表現方法を手に入れ、現在は”3次元”の世界を作り出すまでにいたっている。そしてこの3次元に続く進化は”プロシージャル(計算によって生成されるテクスチャー)”ではないか、と豊氏は推測する。これは、ゲーム内のすべてを演算処理してしまおうという考えで、たとえば現在はモーションキャプチャーで表現しているキャラクターの動きを、物理演算に置き換えてさらなるリアリティー追求するというもの。とはいえ、従来までの表現方法に比べてコンピューター性能に寄るところがかなり大きい手法のため、数年内に実現できるという話ではなさそうだ。
 

▲ゲームは今後、すべてを演算処理する世界になる、と予測する豊氏。


 また、豊氏はゲームの進化に、近年”ネットワーク”という新たな軸が加わり、文字、音声、動画という順序で成長したきたと続ける。「コンテンツはひとつのところに閉じているのではなく、いろいろなところを行き交うものになるのかもしれません」(豊)。今後ネットワークの進化軸は”インタラクティブコンテンツ”という形になり、プログラムとデータを送りあうような状況になるのかもしれない、と豊氏なりの観測を述べた。

 さきに述べたとおり、ゲームはコンピューターの進化に大きく影響を受けるメディアである。では、具体的にどのような進化がゲーム開発に影響を与えているのか? 豊氏はゲーム開発における技術面でのトレンドについても語った。

 まず挙げられたのが、ハイディフィニション(HD)映像への対応による、ゲームの大容量化。テレビのフラット化、ハイビジョン化に引っ張られて、現在日本では30インチ台のテレビがもっとも売れるようになった。つまり、以前に比べてゲーム画面が大きく映し出される機会が増え、映像の粗が目立ちやすい状況になったというわけだ。このテレビの進化で、高解像度のHD品質がゲームに求めらるようなり、自然と多くのゲームが大容量化してきているのだという。しかし現在の主流メディアであるDVDでは、この傾向が強くなるにつれて容量不足という問題に突き当たることは間違いない。豊氏はその点において、容量に余裕があるブルーレイディスクを採用しているプレイステーション3は、この大容量化のトレンドにうまく乗ることができていると説明した。

▲発売されたプレイステーション3用ソフトの各タイトルの容量を月ごとに平均化したグラフ。赤い点線がDVDの限界容量である8.5ギガバイトなので、いかにプレイステーション3用ソフトが大容量化傾向にあるのかがわかる。


 ”ユーザーインターフェース”も現在のゲーム業界における大きなトレンドであると豊氏は語る。Wiiリモコンに代表される革新的なインターフェースの登場により、近年ユーザーはゲームの遊びかたにかなり敏感になってきた。このトレンドに合わせてプレイステーション3に投入されるのが、先日国内での発売日が決定したカメラを使った新インターフェース”PlayStation Eye”だ。豊氏は、手に何も持つ必要がなく、かつ映像に対してアクションを取るという情報処理範囲の広さから、PlayStation Eyeは「究極のインターフェース」になるだろうと胸を張る。加えて、ソニーのデジタルカメラ”サイバーショット”シリーズで使用されている、顔検出機能が搭載されており拡張性も高いとアピール。将来的にはプレイヤーの頭の動きに同期して画面が動く”ヘッドトラッキング技術”も搭載して、サッカーゲームならばプレイヤー視点で周囲を見回せるようにしたり、ファースト・パーソンシューティングではプレイヤー自身が物陰に隠れるとゲーム内のキャラも同じ動きを取るなど、よりゲームと一体化できるシステムにしていきたいという展望も語った。
 

▲サッカーゲーム、ファースト・パーソンシューティングなどに取り入れることで、より臨場感のあるプレイを実現するという、PlayStation Eyeのヘッドトラッキング技術。


 そのほかに、SCEが開発したプレイステーション3のメインエンジン”Cell”に最適化された物理シミュレーションエンジン”Physics Effects”で、2008年内に予定している拡張要項も発表に。Xbox 360用ソフト『ギアーズ オブ ウォー』を始め数多くのゲームで使用されているゲームエンジン”Unreal Engine 3”と、Physics Effectsを連動させて処理能力の高速化に実現したという情報が明らかになった。スクリーンではすり鉢状の穴に大量の物体が落とし込まれ、さらにそれがかき混ぜられる、というコンピューターへの負担が大きいデモを、それぞれUnreal Engine 3単体と、Physics Effectsと連動させた場合の2パターンで上映。その差は歴然で、前者はすり鉢内の物体が動くたびに画面全体がコマ落ちしたようにカクカクとなってしまうのに呈して、後者ではまったくコマ落ちすることなくスムーズに物体がかき混ぜられる様子が映し出されていた。


▲会場内にあったSCEのブースでも、Physics Effectsと連動させたUnreal Engine 3の動作を見ることができた。


▲豊氏は最後に「技術の進化はゲームの進化もドライブする」など、本日のキーワードを振り返り、セッションを締めくくった。


※PlayStation.comはこちら
※ソニー・コンピュータエンタテインメントの公式サイトはこちら
※便利で楽しい6つの専用コンテンツつき! プレイステーション3向けカメラ”PLAYSTATION Eye”が発売決定
 

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