携帯電話の方はファミ通MAXをご覧ください。

HOME> ゲーム> 東大研究員がシリアスゲームの現状を報告、”本当のシリアスゲーム”を見抜くために

東大研究員がシリアスゲームの現状を報告、”本当のシリアスゲーム”を見抜くために
GDC 2008

2008/2/20

  • はてなブックマークに追加
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をつぶやく

●プレイヤーの視点に立った、新しいシリアスゲームの定義を導入すべき

 ゲームの持つ可能性をエンターテインメント以外の分野で役立てることを目的とした“シリアスゲーム”。ここ数年そんなシリアスゲームは欧米でも大きな関心を集めており、GDCでも毎年“シリアスゲームサミット”が開催されるほどになってきている。日本のユーザーにはシリアスゲームという言葉自体はあまりなじみがないかもしれないが、ニンテンドーDSの実用系ソフトやWiiの『Wii Fit』などにより、日本にもシリアスゲームの流れは確実に押し寄せてきている。欧米から見れば、じつは日本は“シリアスゲームの先進国”と目されているようだ。

 そんな日本のシリアスゲームの最新動向を報告すべく、GDC 2008の開催2日目の2月19日に“シリアスゲーム・ワールドリポート:パートII(日本&カナダ)”と題するセッションが行われた。ちなみに、今回のGDC 2008でシリアスゲームの動向がリポートされたのは、北米以外ではイギリス、フランス、カナダと日本。日本のシリアスゲームも世界的に注目を集めるようになってきた。講演を担当したのは、日本デジタルゲーム学会DiGRA JAPANの会長でもある東京大学大学院教授、馬場章氏と、馬場氏のもとでゲーム研究に励む七邊信重氏と富安晋介氏の3名だ。

▲イントロダクション役として登壇した東京大学大学院の馬場章教授。「シリアスゲームはひとつのジャンルではなくて、方法論です」と説明。
 

▲シリアスゲームの現状を報告した七邊信重氏(左)と、研究の成果を発表した富安晋介氏(右)。


 「最近では日本でも、ニンテンドーDSやWiiの登場により、シリアスゲームに興味を持つようになりました。とくに学習系ソフトでは、“楽しみながら学べる”という学習効果に期待しているユーザーが多いようです」とまずは七邊氏が日本の現状を分析。その一方で、ゲームの学習効果が薄く、おもしろくないと感じる人もいるため、シリアスゲーム全体を信用しなくなる可能性もあります」と問題点を指摘。

 

 つまり、安易な“シリアスゲーム的なソフト”が広がることで、“本当のシリアスゲーム”が受け入れられなくなることを懸念しているわけだ。その問題を解決するための方法として、七邊氏はシリアスゲームを新しくしっかりと定義すべくではないかと提案する。「従来のシリアスゲームの定義である“エンターテインメント以外の目的で作られたデジタルゲーム”という考えでは、開発者の視点での定義ではソフトのクオリティーが一定しません。やはりプレイヤーの視点を持ち込む必要があり、“学習効果などのある目的について、リサーチャーによって科学的に効果があると認められたデジタルゲーム”をこそ、シリアスゲームとして定義すべき」なのではないかとした。それにより、実際に効果のあるタイトルとそうでないタイトルをはっきりと評価できるというのだ。

 「実験や分析、モデルに基づいたデータを使ってシリアスゲームの研究を行うことが重要です」と説明する七邊氏だが、おつぎは東京大学がPC向けオンラインゲーム『大航海時代オンライン』を使ってコーエーと共同で行っている“オンラインゲームの教育目的利用のための研究”での実験結果を報告。過去3年間にわたって、香川県の工業高校専門学校で行っている実験では、歴史研究への興味や社会的スキルなどの項目で、よい効果が得られたという。

 とはいえ、「しっかりとした検証をしようと思ったら10年くらいをかけてじっくりと取り組むべき」とのことで、シリアスゲームの検証はまさに始まったばかり。今後の成果によっては、レーティング制度とは違ったゲームの新しい基準ができるかもしれない。

▲シリアスゲームはニンテンドーDSなどをとおして日本市場を席巻しつつある。2005年にソフトの販売本数トップ10に占めるシリアスゲームが2本だったのに対して、2007年は10タイトルへ。一方で、「数百本しか売れないタイトルも」(七邊)と指摘。
 

▲大航海時代オンライン』を使ってコーエーと共同で行っている“オンラインゲームの教育目的利用のための研究”の模様をビデオで紹介。
 

▲ある程度の教育効果が認められると発表。ちなみにこの秋には研究成果を本にしたものを出版するとのことだ。

 

▲ちなみに、同じ講演では、カルガリー大学のジム・パーカー氏がカナダにおけるシリアスゲームへの取り組みを報告。政府がゲーム関連のビジネスを援助しているだけに、カナダのシリアスゲームも相当盛んなようだ。

 

GDC 2008の関連記事

この記事の個別URL

ソーシャルブックマーク

  • Yahoo!ブックマークに登録

評価の高いゲームソフト(みんなのクロスレビュー

※ ブログ・レビューの投稿はこちら!ブログの使い方

その他のニュース

『刀剣乱舞無双』開発者インタビューから、麗しき刀剣男士たちや世界観、ゲームシステムなど、本作の詳細が明らかに【先出し週刊ファミ通】

週刊ファミ通2021年10月14日号(2021年9月30日発売)では、ニトロプラスとDMM GAMES、コーエーテクモゲームスのタッグによって実現した『刀剣乱舞無双』の新作特報をお届け。

『小林さんちのメイドラゴン 』がSwitch/PS4向けに初のゲーム化! まさかの本格シューティングとして2022年春発売【先出し週刊ファミ通】

週刊ファミ通2021年10月14日号(2021年9月30日発売)では、Nintendo Switch、プレイステーション4で2022年春発売予定の『小林さんちのメイドラゴン 炸裂!!ちょろゴン☆ブレス』を紹介。

『遊☆戯☆王』のビジネスグッズが登場。千年パズルをかたどったネクタイピン、デュエルディスクをイメージしたティッシュポーチなどがラインアップ

本日2021年9月28日、アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』ビジネスグッズが、ECサイト“プレミアムバンダイ”にて予約受付を開始した。

『モンスターファーム1&2 DX 』移植版にさらに追加要素を加えた『DX』が12月9日に発売! 藤田課長のメッセージも掲載【先出し週刊ファミ通】

週刊ファミ通2021年10月14日号(2021年9月30日発売)では、Nintendo Switch、PCで2021年12月9日発売予定の『モンスターファーム1&2 DX 』を紹介。

『地球防衛軍6』最新情報! 新たなる強敵の影。そしてプロデューサーに訊いたQ&Aをチェック【先出し週刊ファミ通】

週刊ファミ通2021年10月14日号(2021年9月30日発売)では、『地球防衛軍6』の最新情報をお届け。

『リレイヤー』新作ロボットシミュレーションRPGの発売日が2022年2月17日に決定。ヘイトなどバトルシステムの詳細も公開【先出し週刊ファミ通】

角川ゲームスより発売予定のPS4、PS5向けシミュレーションRPG『Relayer(リレイヤー)』。週刊ファミ通2021年10月14日号(2021年9月30日発売)では、本作の最新情報をお届けします。

『Halo Infinite』伝説の英雄“マスターチーフ”をイメージしたコラボアイテムが発売。腕時計、アウター、バックパック、財布の全4種がラインアップ

『Halo Infinite』に登場する“マスターチーフ”をイメージした腕時計、アウター、バックパック、財布の予約受付が開始された。予約期間は、2021年10月18日(月)まで。

『メタルドッグス』のSwitch/PS4版が今冬リリース! さらなる強敵や新難易度などの追加要素も

人気RPG『メタルマックス』シリーズのスピンオフタイトルとしてSteamにてアーリーアクセスを実施中の『メタルドッグス』の家庭用版が今冬発売決定。

『冤罪執行遊戯ユルキル』ティザームービーが公開。莇リナ(声:早見沙織)が歌う主題歌『ブラックイノセンス』も初公開!

イザナギゲームズは、2022年春発売予定の冤罪脱出ADV&弾幕STG『冤罪執行遊戯ユルキル』について、ティザームービーを公開した。

『イルベロスウォンプ』、『イルベロスウォンプ+ラジルギスワッグ』の発売日が11月18日(木)に変更。同日発売されるサントラの最新情報も紹介

メビウスは、Nintendo Switch専用ソフト『イルベロスウォンプ』、『イルベロスウォンプ+ラジルギスワッグ』(パッケージ版、愛憎版)の発売日を、2021年11月18日(木)に変更することを発表した。