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シグナルトークの栢孝文氏がクリエーターの独立に関する講義を実施

2007/10/18

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●独立するための資金は借りるものでも貯めるものでもない
 

▲講義を行なったシグナルトークの代表取締役、栢孝文氏。

 2007年10月18日、東京の秋葉原にあるデジタルハリウッド大学秋葉原メインキャンパスで、シグナルトークの代表取締役、栢孝文氏による講義”オンラインベンチャー最前線〜IT起業の現場から伝えること〜”が行なわれた。

 

 栢氏はセガ、ソニー・コンピュータエンタテインメントという大手ゲームメーカーでのゲーム開発を経て、2002年にシグナルトークを設立。同社ではオンラインゲームの開発を中心に手掛け、代表作の『Maru-Jan』はYahoo!やOCNなど国内の主要ポータルサイトで展開されており、会員数も18万人を突破するなど高い人気を誇っている。今回の講義では栢氏いわく「ちょっと変わった会社」であるシグナルトークを具体例に上げ、借金も貯金もせずにひとつの会社を起業をするまでについて学生たちに語った。
 

▲スライドを使用しながら、将来起業を目指すデジタルハリウッド大学の生徒たちに講義を行なった。


 3Dゲームの登場によりゲームの表現力は飛躍的に向上したが、それは同時に開発費の高騰という新た問題を生み出すこととなった。その結果、ゲーム市場はヒット作の続編ばかりが発売される”続編主義”という状況を迎えることになってしまった。栢氏はこの続編主義を否定しているわけではないが、やはり新作と続編がちょうど半々くらいの割合で発売されることが業界にとって理想的な状況ではないかと考えている。続編主義を脱却しするためにクリエーターは何をするべきだろうか? 考えた末に栢氏は「金銭面のリスクをクリエーターが負ってまで新作を作ることはない」という結論を導きだした。


 独立してゲームを作っていくうえで、栢氏の頭の中には大手メーカーの下請けをするという選択肢もあったが、それよりも「自分だけのやりたいものをやっていく、ある種わがままにゲームを作りたい」という考えが強かった。”わがまま戦略”を実現するためにはさきに挙げた栢氏の言葉のとおりクリエーターの金銭面でのリスク回避は必須となってくる。そこで、取った資金集めの手段がロジェクト単位で開発費を出資してもらう”匿名組合”というもの。株式の売買で資金を調達する場合、株式の買占めによる乗っ取りなどの恐れもあるが、このシステムはプロジェクト単位で出資を募るためその心配はない。加えて、仮にプロジェクトが失敗しても金銭面で会社側のリスクがほとんどないというのも特徴的だ。一方で出資してもらうためには出資者と会社の信頼関係がすべてというのも事実。せっかく築き上げた関係も、いちどのプロジェクト失敗ですべて水の泡となる危険性があるのだ。
 

▲こちらが匿名組合の仕組み。出資したプロジェクトが成功すれば、そのぶん組合員への利益配当も増加する。


▲いちばんのメリットは自己資金がなくても起業できるという点。そのほかに、株式比率が変動しないというのもクリエーターが自由に動ける環境の実現には最適。


▲出資者と会社の信頼関係が重要な匿名組合制度。定期的なプロジェクト報告で逐一状況を説明するなど、行なうべきことは多い。


 ちなみに、シグナルトークの代表作『Maru-Jan』もこの匿名組合から開発費を募り作られたもので、冒頭でも説明したように見事にヒットを記録した。絶対に失敗できないというプレッシャーの中で魅力的なコンテンツを制作するコツについて栢氏はつぎのように語った。

  「はたから見たら、馬鹿らしくて呆れてしまうような細かい部分にこだわってモノを作ることです。見えないところにこだわれば、自然と見える部分にもこだわらずにはいられなくなりますから」(栢)

▲『Maru-Jan』は徹底した調整によるリアルなグラフィックはもちろん、点棒どうしがこすれたときの音など、まさに見えないところにこだわって作られた作品だ。


 今回の講義の結論として栢氏は学生たちに「独立するには借りるのも貯金するのもダメ」と語った。続けてつぎのようなメッセージを贈り、将来起業を目指す若者たちを激励した。

 

 「世の中にはお金が余ってますし、その持ち主たちはそれをさらに増やすための投資先を捜しているんです。せっかく会社を設立したのに、普通の会社になってしまったらおもしろくないですから、リスクはその人たちに持ってもらいましょう(笑)」(栢)
 

▲最後には生徒からの質問時間も設けられた。「アイデアを出すコツは?」とい質問に対して栢氏は「質よりも量、それと休憩時間ですね」と意外な回答。「たくさんアイデアを出したほうが長い時間かけてひとつ考えるよりずっといいものが出てくる。また、ニュートンの万有引力など偉大な発明はなにかを考えているときではなく、休憩しているときにふと生まれることが多いです」(栢)。



※シグナルトークの公式サイトはこちら
 

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