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ゲームクリエーターの未来は明るい! エンターブレイン浜村社長が伝える”未来の成功へつながる4つの鍵”
CEDEC 2007

2007/9/28

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●最新のマーケティングデータから読み解くゲーム市場は?
 

▲「いちゲームファンとして、応援団としてゲームクリエーターの皆さんが元気になれるようなデータをお見せします」と講演を始めた浜村氏。


 CEDEC 2007最終日の基調講演を行ったのは、エンターブレイン代表取締役社長の浜村弘一氏。”未来の成功へつながる4つの鍵 〜無限に広がるクリエーターの可能性〜”と題された講演で、同社が持つマーケティングデータを紐解きながら、ゲーム市場の現状を分析した。

 

 まず最初に、国内のゲーム市場の動向をざっくりと紹介するため、各ハードの国内累計販売台数が提示された。それぞれの発売日から2007年8月26日までの販売台数で、何と言っても目につくのがニンテンドーDSの1898万2979台という数字。浜村氏は、「任天堂は言うまでもなく、ものすごい勢いですね。このおかげで、2006年はファミコン始まって以来最高の大盛況の年でしたが、2007年はこれを上回るかもしれないと思っています」と期待を寄せる。過去に2000万台を突破したゲーム機はプレイステーション2のみ。ニンテンドーDSは、これを倍のスピードとなる2年半で達成しようとしている。そもそも、携帯ゲーム機の市場はここ4年間で4倍弱の伸びを見せており、現在は「日本ゲーム産業のメインプラットフォーム」(浜村)と位置づけられている。


▲ニンテンドーDSが2000万台に到達するのももうすぐだ。


 ではなぜ、携帯ゲーム機がここまで伸びたのか。浜村氏は、”パーソナル”と”ライフスタイルのスピードアップ”、”ファンの連鎖”という3つのキーワードを掲げた。ゲーム機が、一家に1台からひとり1台になったこと、現代人にはテレビの前でゆっくりとゲームをする時間がなくなってきたこと、そしてもうひとつは携帯ゲーム機でなら友だちに見せることが可能でファンの連鎖を呼んだことが挙げられた。「情報はメディアから、レコメンド(おすすめ)は友人から得る傾向が出てきた」(浜村)ことが、携帯ゲーム機の人気を後押ししたようだ。浜村氏は、この3つのキーワードを「インターネット時代のキーワードでもある」と分析。時代のニーズが携帯ゲーム機を選んだ、と言い換えることができると語った。

 

 携帯ゲーム機が受け入れられるのなら、ニンテンドーDSだけではなくPSP(プレイステーション・ポータブル)も同じように受け入れられるはずだが、現実的には大きく水を開けられる形となっている。浜村氏は、PSPではなくニンテンドーDSが選ばれた理由について、以下のように語った。

 

 「2000年以降、ファンのゲーム離れということが盛んに言われていました。ハードの変遷に従って徐々に開発費が高騰し、ソフトハウスはオリジナル新作を作るというリスクを避けて続編ばかりを作るようになってしまった。どんどんゲームが複雑化し、ゲームが飽きられていたんです。ただし、変化の予兆はありました。『太鼓の達人』がヒットしたり、PCのフリーゲームなどが人気を得た。ゲームをやりたいという潜在的なニーズはすごくあったんです。ただ、ゲーム機のゲームは複雑で手を出しにくかった。そこに登場したのがニンテンドーDSです。開発費は安く押さえられ、新規作品である”Touch!Generation”のようなタイトルが出て、受け入れられました。ニンテンドーDSはしっかりと答えを持って生まれてきたマシンだったんです」(浜村)

 

 続いて、浜村氏は各ハードごとの属性データを紹介した。じつはこの各ハードの分析こそが、講演のタイトルでもある”未来の成功へつながる4つの鍵”のひとつ目。プラットフォームごとに異なる客層があり、そこを的確に捉えてゲーム開発に活かすことが成功への鍵になるというわけだ。

 

 ニンテンドーDSはさまざまなところで語られているとおり、回帰ユーザーと新規ユーザーが多い。売れ筋のタイトルは、ご存じ”Touch!Generation”のようないわゆるノンジャンルの作品だ。浜村氏はここでひと呼吸おき、「こうして市場を広めてきたニンテンドーDSですが、ひとつ課題が生まれました。サードパーティーのタイトルが売れていないという状況です」と問題提起。ゲーム業界関係者ならば誰しも気になっている問題だけに、聴講者からはざわめきが聞こえた。サードパーティのタイトルが売れない理由は、「ゲームを始めたばかりの新規ユーザーにはハードルが高いから」(浜村)。しかし、その状況に変化が出てきているとして、直近のニンテンドーDS用ソフトのジャンル別販売本数が提示された。2006年に比べて、2007年はノンジャンルが減少しているとのデータ。浜村氏は、これを回帰ユーザーが増えてきた兆しと捉え、「サードパーティのソフトも売れ始める可能性があります」とまとめた。

 

▲2004年〜2005年は27.9パーセントだったノンジャンルが、2006年は36.8パーセントに上昇。それだけ新規ユーザーが入ってきたともとれるが、2007年の最新データでは28.1パーセントへと数値を戻している。


 ニンテンドーDSの属性では、もうひとつ注意しておくべきポイントがある。それは、『レイトン教授と不思議な町』や『逆転裁判4』、『ウィッシュルーム』など、アドベンチャーゲームが台頭してきていること。浜村氏は、新たにゲームを始めた新規ユーザーにはRPGは難しすぎると見ている。ニンテンドーDSではアドベンチャーゲームが直感的になり、さらに敷居が低くなった。日本のゲームの歴史を紐解いても、アーケードでのシューティングやアクションを経て、家庭用のアドベンチャー、RPGと人気が移ってきたことがわかる。「操作が簡単なアドベンチャーゲームを踏み台にして、さらに市場が伸びていく可能性があります」(同)と明るい未来を示した。

 

 PSPの特徴は、15歳〜19歳のユーザー層がずば抜けて高いことだという。「カギは『ポケモン』にあります」と浜村氏。この年代は、数年まえに『ポケットモンスター』シリーズを遊んでおり、もうひとつ上の刺激が欲しくなった『ポケモン』卒業生たちだ。『ポケモン』でつながって遊ぶ楽しみを知っているため、『モンスターハンター ポータブル2nd』などが彼らに受け入れられているのではないかという。PSPにはプレイステーションフォーマットの過去作品からの移植が多いとも言われるが、中高生にはまだ飽きがなく、新鮮で新しいものとして遊ぶことができるという背景もある。ここにきて、「過去のゲームリソースを活かせるのはPSPなのではないか」というソフトハウスの声も聞こえてきているそうだ。

 

▲15〜19歳のとくに男性に圧倒的な支持を受けているPSP。


 Wiiの購入者でニンテンドーDSを持っているのは20パーセントというデータも明らかに。ニンテンドーDS人気に乗って売れていると思われがちだが、まったく新しいファン層を開拓している可能性があるのだという。ニンテンドーDSには及ばないものの新規ユーザーが多く、ニンテンドーDSがあれだけ売れたあとということを考えると驚異的。いままでのゲーム機と違って家族とリビングで遊ぶようなタイトルに人気が集中しており、コミュニケーションツールとして機能している。浜村氏は、Wii用ソフト『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』や『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』などの販売本数が伸び悩んだことを受けて、いわゆる従来のゲームソフトには50万本の壁があると想定していたことを明かした。だが、『マリオパーティ8』は2007年8月26日までに70万9166本を記録。「『ゼルダ』や『ドラクエ』のほうがブランドは上だと思ってしまうんですが、そういった過去のプラットフォームの常識が通用しない市場がここにあるんです」(浜村)。変化の兆しが見られるニンテンドーDSのように時間が経てば変わっていく可能性もあるが、現状ではみんなが楽しく遊べるものが受け入れられるゲーム機と言える。

 

▲Wiiのキラーコンテンツになると思われた『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』などを抜いて、『マリオパーティ8』が販売本数を伸ばしている。速くもミリオンに到達する勢いだ。


 プレイステーション3については、「ここでしか見られないという作品がまだ出てきていない状況。年末から少しずつ出てくるのではないでしょうか」と期待を寄せた。さらには、「先日のゲームショウでは値下げは発表しません、という発表がありましたね」(浜村)と苦笑交じりにコメント。「ソフトももうちょっと充実してほしいし、まだハイデフのテレビが普及しきっていないので、いま値下げしても売れないと思ったのかもしれないですが、ちょっと残念ですね。値下げがなかったことでソフトハウスも不安になっているんです。もう1年待ちきれずにマルチプラットフォームに走るところもあるかもしれない」と率直に語った。
 

 いまやそのプレイステーション3とセットで語られることの多くなったXbox 360。浜村氏は、「プレイステーション3とXbox 360のマルチ展開で得をするのは、Xbox 360です。理由は安いから」とキッパリ。プレイステーション3との競争の中でブレイクする可能性はあるとしながらも、マイクロソフトがどれほど本気で日本市場を伸ばそうとしているかにかかっていると語った。マイクロソフトの戦略を推し量る上で重要なのは、PCとの融合。海外での状況を見ると、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)など新興ゲーム市場でPCゲームの市場が伸びている。マイクロソフトがこれに乗ってビジネスを拡大することになるかもしれないという。浜村氏は慎重に言葉を選びながら、マイクロソフトの未来の可能性が大きく広がっていることを説明した。

 

 ”未来の成功へつながる4つの鍵”のふたつ目は、ダウンロードビジネスやゲーム内広告など多様なビジネススキームが生まれて、新たなチャンスが出てきていること。そして3番目は、人とつながること。人より速く、強くなどの従来のゲームの目的ではなく、友だちとつながって楽しむという快感がゲームの主目的になりつつあるという。「ヒットトレンドはつながること!」と、浜村氏は強く言い切った。

 

 4つ目の鍵は、海外市場の分析とともに紹介された。北米では、プレイステーション2とXbox 360が販売台数を伸ばしており、依然として従来型のゲームが売れている状況。フランスでは、プレイステーション2がまだまだ元気で、ニンテンドーDSも売れているが、Xbox 360は低調。日本とアメリカ、ヨーロッパではトレンドが明らかにズレている。これについて、浜村氏は「北米では2005年〜2006年にやっとゲーム機の世帯普及率が3割を超えたところで、日本で2000年ごろにあったゲームに対する飽きがまだきていないのではないか」と分析。一方のヨーロッパではゲーム機の世帯普及率は2割以下で、まだまだゲーム自体が新鮮なのだという。つまり、歴史がいちばん長い日本、北米、ヨーロッパの順にトレンドが移り変わっているのではないかと推測されるわけだ。

 

 だが、ここでも変化が現れつつある。北米でもWiiとニンテンドーDSが伸びており、日本と似た状況になってきた可能性があるという。もうひとつの注目ポイントとして、浜村氏は北米でのメーカー別シェアベスト10を公開した。10位にランクインしているのはスクウェア・エニックスで、これが初ランクインだという。スクウェア・エニックスのタイトルは、基本的に日本のファン向けに作られており、アニメのテイストを残したいわゆる日本らしい作品が多い。長らく、海外では日本のソフトは売れないと言われ続けてきたが、浜村氏は「海外でも、日本のテイストを受け入れる土壌ができているのではないか」と見ている。これを受けて、4つ目の成功への鍵は、「世界は日本に注目している」と発表。

 

 「任天堂の成功は、2年遅れで北米を始め世界中に広がりました。この日本が最先端で、後には世界で評価されるはずです。世界中のクリエーターが日本を見ている。市場のトップにいる優位性があることをぜひ心に留めていただきたいと思います」(浜村)

 

 最後は、「無限に広がりつつあるゲーム市場。新たなビジネススキームも生まれて、ゲームという枠を超えていける時代になりました。ゲームクリエーターの未来は明るいと僕は思います」と、来場者へのメッセージとも取れる言葉で講演が締めくくられた。

▲北米でもWiiとニンテンドーDSのヒットの兆しが! 


▲成功の鍵はこの4つ! 



 

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