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宮本&桜井氏のトークから、最新作『スマブラ』を探る【動画を追加】
【E3 2006】

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●Wii『Super Mario Galaxy(仮題)』は複数プレイ?

 

▲「『スマブラ』最新作の開発スタッフを募集中です」と桜井氏。開発が本格的にスタート。

 

動画はこちらから! 

『大乱闘スマッシュブラザーズX』

 

再生には、Windows Media Playerが必要です。

 宮本氏の口から『スーパースマッシュブラザーズBRAWL(日本名は『大乱闘スマッシュブラザーズX(エックス)』)』が電撃発表された任天堂の合同記者発表会。特別ゲストとして『BRAWL』の開発を手がけているソラの桜井政博氏を交えたトークショウが実施。来場者からの質疑応答に答える形で、おもに宮本氏がWiiの基本コンセプトについて、桜井氏が『BRAWL』の詳細を語った。

 

 もっとも印象的だったのが宮本氏のこの言葉。「ゲーム業界で競争しようとは考えていません。Wiiのライバルは世の中すべてのエンターテインメント商品です」。昨日行われた任天堂カンファレンスでも岩田社長が「Wiiは"次世代機"ではない」というような意味合いの発言をしていた。これは、Wiiがこれまでのゲーム業界の流れを汲むハードではない、という明確な意思表示。宮本氏が狙うところももちろん同じで、それゆえにまったく新しいコントローラーWiiリモコンとヌンチャクを採用したわけだ。「これまでのプレイコントローラーの概念をリセットしてください。ゲーム好きな人もゲームをしていなかった人も世界のすべての人が同じ位置からスタートします」と改めて基本コンセプトを語った。

 

 Wii用ゲームについても宮本氏から興味深いコメントが。まず『Super Mario Galaxy(仮題)』については、「昔からみんなで『マリオ』を楽しんでもらいたかった」と複数のプレイヤーで楽しめることを示唆。ひとりがマリオを操作してまわりの人たちがWiiリモコンでプレイを助けたり、邪魔したりすることも視野に入れているという。

 

 バーチャルコンソールについても、ただ単に過去作品を配信するだけでなく、「『スターフォックス』など、昔のゲームもポインターで遊んだら楽しいものがあるかもしれませんね」とリメイク作品の配信を臭わす場面も。以前の発表会で公開された映像の中に、『スーパーマリオ』の音楽をバックにWiiリモコンでマリオを動かしているようなシーンがあっただけに、期待は高まるところだが、最後は「過去作よりも、いまはWiiでやりたいことがいっぱいあるのですが(笑)」と宮本氏。まずはWiiを宮本氏がどう料理するのかに注目だ。

 

 桜井氏からも『BRAWL』の片鱗をうかがえるような発言が飛び出し、会場が何度も沸き起こった。任天堂の岩田社長から桜井氏に依頼が来たのが昨年のE3。社長じきじきのお願いだった。

 

 「HAL研究所から独立をして、まさか『スマブラ』の続編を作ることになるとは思いませんでした(笑)」(桜井)

 

 任天堂のバックアップは磐石で、同社の精鋭たちが桜井氏のもとに集結。10月から開発がスタートし、「必死な思い」(桜井)で今回のムービーを作成したという。今回の質疑応答で判明した新事実を簡単にまとめてみると、以下のとおり。

 

■新キャラクターはワリオ、『カービィ』のメタナイト、『パルテナの鏡』のピット、『メトロイド』のゼロスーツサムス。そしてソリッド・スネーク

■スネーク以外にもほかのメーカーのキャラクターが収録される可能性がある

■スネークの技はロケットランチャー関連に!?

■ダンボールも登場

■ひとり用モードがゲームキューブ以上に充実予定

■コントローラーはシンプルなものに

■Wi-Fiコネクションに対応

■発売は2007年

 

 なんとも胸が高まってくるではないか? のちほどふたりの質疑応答を全文掲載するので、文脈からWiiのコンセプトを、『BRAWL』の全貌を予測してみてね。

 

質疑応答の全文掲載

宮本 じゃあ、Wiiの話を始めるまえに、みんなで「ウィー」と言いましょう(笑)。もうメディアブリーフィングとかで具体的にビルが説明をしてくれたり、僕もいっしょうけんめいアクションしたので、ほとんど理解されているかと思うんですけど。僕たちが本当にやりたいと思っているものは、いままでゲームを楽しんでくれた人たちがより新鮮に楽しめて、それから僕らが作ったゲームを「どんどん難しいぞ」と思って遊ばなくなった人たちをもう一回呼び戻したい、(Wiiは)このふたつを再現したものなんです。

 ゲームの中の競争、ゲーム会社どうしの競争。そういうことじゃなくて、エンターテインメントとか世の中のいろんな商品との競争でもあるんですよね。だから、世の中の商品と競争して任天堂がもっとたくさんの人に物を売れば、ゲーム業界がもっと大きくなるこれが基本的な考えです。ゲーム機を進化させるんじゃなくて、まったく新しい商品を作ろうと考えてます。

 たとえば、ゼルダをプレイ中に弓を扱うとき、スティックを上に動かすのか、下に動かすのか、わからなくなってきている。世の中には2種類の人がいますから。この部分はきれいに整理したかった。

 で、マリオはどんどん難しくなって理解が難しくなってる。自分の気持ちが「ここ、ここ」とか思ってるのに、コントローラーでは操作しきれない、カメラも回すのは難しいってときに、もっと直接的に画面に働きかけられる、わかりやすいデバイスを作りたい。

 たとえば、従来のコントローラーを持っていたので、(Wiiのコントローラーは)突然両手を離すので違和感があり、とても気持ちが悪い。僕は左利きなんで、ゼルダの動きに合わせて持ち換えてやってる。すると、リンクが動かない。「あ、こっちかって」(笑)。でも、初めての人に渡すとふつうにやっちゃうんです。

 だから、プレイコントロールを一回リセットです。みんな、全世界の人が同じ感覚になってもう一回ゲームを遊ぶ。まあ、そんなことで。今日は僕がダラダラと『ゼルダ』と『マリオ』の話をするんじゃなくて、もっと大事な話がしたくて来たんです。今日は並んで来てくれた人はとてもラッキーです。とりあえず、これを見ましょう。

■■■『スマブラX』の映像が流れる■■■

宮本 僕のとなりにイスがもう一個あるのは怪しいですよね(笑)。小島(小島秀夫監督)が来るのか?(笑)。本当に僕と『カービィ』のころからずっといっしょに仕事をしているディレクターです。桜井政博さんです。

■■■桜井氏登壇■■■

桜井 いかがでしたでしょうか? 『大乱闘スマッシュブラザーズ』(以下、『スマブラ』)は、HAL研究所という会社で作っていて、私もそこに勤めていたんですが独立しちゃったんですよね、私が。ですので『スマブラ』シリーズを作ることはないだろうなと正直思っていたんですが、ちょうど去年のE3のときに、岩田社長に直接「作ってくれないか」と言われまして。

 自分はひとりのゲームデザイナーなので、チームを抱えていないんですね、会社に。「どうするんだろう」と思ったら任天堂がチームごと用意してくれて、いまも人材募集中であります(笑)。かくして、任天堂"高田馬場"オフィスというのは、いろんなところからいろんな人が集まって制作をしようというチームに育ちあがりました。まだ始まったばかりなんですが……。

宮本 いま始まったばかりと言いかたに(笑)。

桜井 いやいや、始まったのは去年の10月なので(笑)。これだけのムービー作るだけでも必死でした。でも、これ以上のものはありません……いや、そんなことはないんですけど(笑)。謎の多いムービーだったと思うんですけど、「あれいったいどうなってるの?」というところがいろいろあったと思うので、Q&Aに移りましょう。

--まず、宮本さんに質問なんですけど、昔のフランチャイズを再び作り直すことはあるんでしょうか?

宮本 いまは、いろんなものに可能性があると思うんですよね。たとえば、『パルテナの鏡』のピットくんを3Dで作ってみたらというものから、昔作った『スターフォックス』を、そのままコントローラーだけを入れ替えたらまた新しい格好で遊びになるんじゃないかとか、いろんなイメージがあります。ただそれよりもいまは、新しく作りたいものがいっぱいあるので、どれから手をつけるか考えてます。

宮本 画面を触るだけで、直接ポインターで画面を触れますよね。だから、ヴァーチャルコンソールのゲームでも、これで遊んだらもっとおもしろいというのがある。

--新しいアイデアは?

宮本 いましゃべられるもので? ん〜、今日しゃべられるものはない(笑)。代わりに、Wiiの『マリオ』なんですけど、たとえば直接触れるものがある。昔からやりたかったのは、ひとりのマリオではできないこと。ひとりのメインのマリオはいるんだけれども、ポインターを使って手助けをするとか、邪魔をするとか、そういう使いかたをできればと思っています。

--桜井さんに質問なんですけど、『スマブラ』でWiiのコントローラーをどう活かしますか?

桜井 宮本さんのこういうお話をいただいたあとで恐縮なんですけれども、『スマブラ』を実際にたとえばヌンチャクでやるとかポインティングデバイスでやるとか、複雑にしすぎて操作がしにくいと、それはそれで問題があると思ってるんですよね。ものすごく変わったことは狙わないで、いちばん操作しやすい方法を検討しようかと思ってます。ゲームキューブのコントローラーも使えることですし、ゲームキューブコントローラーはまだ捨てないでくださいね(笑)

 宮本さんはWiiの商品群の中で、コントローラーを最大限に活かしたものを入れるというお話をされていたんですよね。だから自分の役割は、それを好んで入れるということよりも、それとは違うことをすることだと。少なくともスタンダードな商品群とは違うものになりえるので、バランスとしてそういう方向に行きつつあると考えてます。

--ワリオにオナラの技はありますか?
桜井 あります!(笑)

--新キャラクターが紹介されましたが、任天堂のキャラクターはほかにもいるんですか?

桜井 ええ、それはもちろんです。ここでは言えない”あのキャラクター”もいます。逆に、どういうキャラクターがいるとうれしいいのか、いま聞いてみたいくらいで(笑)。

■■■会場からさまざまなキャラクターの名前が飛び交う■■■

--Wi-Fiコネクションを使う予定は?

桜井 はい、使う予定です。今回の『スマブラ』は、まずWi-Fiコネクションがある。Wi−Fiで『スマブラ』をやりたいというのが、日米ともに筆頭だったというのがあります。

 でもたとえば、4人が戦って誰かがいちばんになるというのだけでは、きびしいと思ってるんです。そういう敷居は下げて、誰でも楽しく遊べるようにしたいですね。

--Wiiの画質、画面サイズに関してお伺いしたいのですが?

宮本 残念ながら480dpiが我々の標準なんですね。それよりもキレイなテレビで写せばそれ以上にキレイになるとは思います。画面サイズはデザイナーの選択で、もともとゲームキューブ自体が16:9に設計してますから。『ゼルダ』なんかはワイドで見えてるほうが遊びがおもしろいので、16:9を使ってます。Wiiはゲームキューブよりもパワフルなので、ほとんどのものがワイドで対応します。

--桜井さんはWiiソフトを触っていかがでしたか?

桜井 いや〜、今日『ゼルダ』と『マリオ』を触っただけですからね(笑)。デモシリーズの『Wii Sports:AIRPLANE』は好きです。

--Wiiとゲームキューブの『ゼルダ』の違いは?

宮本 基本的にはインターフェースが違うということで体感が違うんですよね。僕はいまWiiを使いこなしているので、もうゲームキューブ版の操作には戻れない(笑)。あとはさっきの画面サイズですが、Wiiの『ゼルダ』を4:3のテレビで遊ぶとワイドが縮まるんじゃなくて、縦のワイドが広がる。昔のテレビでWii版を遊ぶと、また違う感覚です。

--『スマブラ』はロンチタイトルですか?

桜井 違います。2007年発売というのは言っていいと言われたので、2007年のどこかということで(笑)

--Wiiのハード面で、でいちばん大きなチャレンジは?

宮本 やっぱり僕自身が『ゼルダ』を作って『ゼルダ』を遊べるようにしたい。けど、ボタンはできるだけ少なくしたい、初めて見た人が怖がらないものにしたい。ボタンの大きさをどうするかとか、何個つけるかとか、どの位置につけるかとか、ものすごく時間をかけました。

--スネークはどんな技を使いますか?

桜井 スネークを作るときに考えていることは、まず実銃を使わないことです。スネークといえば、銃を使うものかと思われるんでしょうけど、一般人がもしかしたら手に入れられるものというのは『スマブラ』では封じていこうと。

 その代わり、たとえばロケットランチャーとかは冗談的に使っていいと思うんですよね。そういうことで技を設定していったら、爆弾ばっかり使ってるような印象に(笑)。

あ、ダンボールも使いますよ(笑)

--Wiiは動きを活かした操作性になっていますが、そういう部分は一般用にどうするんでしょうか?

宮本 ゲームというのは横から見てて「自分もやってみたい」と思うことがすごく大事だと思うんですよね。それは、その人がやってる姿全体を見て思うこと。Wiiを遊んでいる人を見たら、「Wiiをやってみたい!」と思われるものを作っていきたい。Wiiを遊んでいる人を見て、「ああいう風にはなりたくない」と思うゲームにならないように、興味を持ってもらうように作ってます。

 昔からあるビデオゲームの典型的な映像、暗い部屋にゲームが置いてあって、子供がその前に座ってて、顔にテレビの光が映っている。これがビデオゲームだというステレオタイプの映像、イメージを拭い去りたいんですよね。ビデオゲームはみんなで遊んでいるものというイメージにしたい。

--どうしてWiiはHD対応してないんですか?

宮本 いまの技術を見たり、任天堂がおつき合いしている会社を見ればHDにするのは簡単なんですね。けど、要はバランスで見てるんです。そのバランスの中でHDというのは飛び出してる。5年後になったら任天堂もHDなんて当たり前ですけど。やっぱりいまは、世界でいちばん多いテレビにゲーム機をつけることで変えられるかということを狙ってますから。

--『Super Mario Galaxy(仮題)』はロンチタイトル?

宮本 かなり順調に進んでます。僕が入るとちゃぶ台返しがあるんで、同発タイトルと言ってしまったときにウソになると困るので(笑)。でも、発売から半年以内に出るでしょうね

--『スマブラ』のひとり用は前作と同じような形ですか?


桜井 変えていきます。もうちょっとひとり用については、まじめに楽しめるものを考えてます。

宮本 これは最初の64版を作るときから、僕と桜井くんの意見が合わなくて(笑)。僕は「ひとり用なんていいから早く作って」と言ってたんだけど、桜井くんは「どうしてもひとり用を作るんだ」と言ってて。じゃあ、これくらい短いひとり用にしようと僕は言ってたんだけど、その中でも桜井くんはめいいっぱいがんばってきたんだよね。今度は伸び伸びと自由に作れるから、すごいひとり用になるんじゃないかな(笑)。

--スネークが登場することは、任天堂がお願いしたのですか?

桜井 いちばん最初のきっかけというのは、僕が『スマブラ』を作ったときに、小島監督が僕に対して「スネークを出してくれ! 出してくれ!」と(笑)でも、そのときには『スマブラ』をまた作ることはないと思っていて「早く言ってくれればよかったのに」くらいで済んでいたんですけど、今回は「じゃあいきましょう!」とお互いに了承したということです。

宮本 基本的には会社と会社のおつき合いというよりクリエイターどうしのおつき合いじつは『ソニック』も、そういう話をしていて(笑)これからどうなるかはまだわからないですけど、いま会社と会社で相談をしてます。

桜井 でも、いまそとの会社のキャラクターがスネークしか決まっていないというのは本当です。だけれども、初めて外部のキャラクターが出るというのが決まったので、今後ほかのキャラクターが出てくるというのは当然考えられますね。でも、何よりも「出て楽しそうだ」というのがいちばんなので、そこを重視していきたいです。

--Wiiで『スマブラ』の第2、第3弾を作るとしたら……。

桜井 作りませんよ(笑)。

宮本 前回もそう言ってたよね(笑)。

--そこで登場してほしいキャラクターは?

桜井 いや、そんなのいたらいま言いますよ(笑)。

宮本 バランス取ったり、いろいろたいへんだからね。

桜井 いろいろな人がいろいろな想いを込めたキャラクターがいるので、それはたいへんだろうなと思うんですけど、だからこそ広く声は聞いていきたいと思ってます。

 あ、公式ホームページがありまして、日本では"スマブラ拳"という64版から続けていたもので、海外では"スマッシュブラザーズ道場"ですか。ムービーとか、オープニングテーマがアップされますので、ぜひご覧ください。

 

 

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