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およそ300万人が待ち望んだと思われる『ファイナルファンタジーIX』。しかし、意外なほど落ち着いた販売初日となった。『VII』、『VIII』のときはもう少し行列などもでき、盛り上がったのだが……。かといって、ソフト自体の期待感が低いわけではない。ファミ通編集部でもシリーズトータルと比べてもかなり出来、という評判を得ている。
理由はいろいろ考えられる。平日の、しかも学生にとってはテストシーズンの発売ということ。台風が近づいているという天候状況。もちろん、なによりも、コンビニ予約しておけば確実に買えるというシステムが浸透しているということも大きな要因だろう。
スクウェアはこの『IX』のプロモーションに関して、あまりソフトの内容を公開せず、イメージ中心に煽っている。テレビCMや雑誌広告はそういう作りだ。ソフトを買ってもらうことではなく、ソフトを楽しんでもらうことに重点を置いているのだろう。静かなスタートを切り、徐々に盛り上がっていけばいい、という意図がみえる。
それでも、『VII』、『VIII』の実績を考えると、この土、日までに200万本は売れると考えられる。あれほど盛り上がったプレイステーション2発売初日よりも、数としてははるかに多い。買おう、買おう、と殺到するわけではないが、学校帰りにでもゆっくり手に入れて、じっくり楽しもうという感じだろうか。
ところで、ソニー・コンピュータエンタテインメントが提供するプレイステーションのテレビCMの最近のキャッチコピーに「あそぼー。」というものがある。このコピー、私は非常に気に入っている。プレイステーション2の発売で爆発的にテレビゲームに注目が集まり、盛り上がりをみせた。しかし、その後しばらく、ひと段落した印象。ハードだけ買って、なんとなく満足してしまっている人も多いのではないか。そこで、もう一度ゲーム自体の盛り上がりを作るために必要なのが「あそぼー。」というムード作り、という戦略なのだろう。そのためには300万本ソフト『FFIX』の発売タイミング、そして、PSoneというかわいらしくライトな印象のハードの登場時期はピッタリと考えられる。個人的にはかなり効果的な広告なのでは、と見ているのだ。
ソニー・コンピュータエンタテインメントが煽る「あそぼー。」というムード。そしてスクウェアが作り出す『FFIX』というソフト自体をじっくり楽しんでもらおうという配慮。販売開始こそ静かなものだったが、これから各プレイヤーが家でじっくりソフトを楽しみ、そして、「おもしろいからみんな遊ぼうよ」と話題が話題を呼んでいく……そんな『FFIX』効果が生まれることを期待したい。
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