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『BLOOD+ ONE NIGHT KISS(ブラッドプラス ワン ナイト キス)』について、須田剛一氏が語る!

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●須田節炸裂! 『BLOOD+』インタビュー!

 テレビアニメを始め、さまざまなメディアで展開を見せている『BLOOD+』。もちろん、ゲーム業界にも、その展開の幅は広がってきている。紹介するのは、『BLOOD+』ゲーム化タイトルのひとつで、バンダイナムコゲームスから発売が予定されている『BLOOD+ ONE NIGHT KISS(ブラッドプラス ワン ナイト キス)』だ。このタイトルを開発するのは、『シルバー事件』や『キラー7』など、ダークな雰囲気と毒を含んだ作品世界を追求し、多くのゲームファンを魅了して止まないグラスホッパー・マニファクチュア。その代表取締役社長であり、本作のディレクションも手掛ける須田剛一氏にインタビューをしてきたので、その内容をお届けしよう!! 週刊ファミ通5月12日・19日合併号32〜33ページで掲載された内容よりも濃いインタビューをぜひチェックしてくれ!!
 

須田剛一氏

須田剛一(ディレクター)
グラスホッパー・マニファクチュア代表取締役社長。代表作には、『トワイライトシンドローム』、『シルバー事件』、『キラー7』など、ユーザーに強烈な印象を与える作品が多数ある。


――『BLOOD+』を制作することになった経緯というのは?
須田剛一(以下、須田) バンダイナムコゲームスさんから、ウチに合ったテイストのアニメ原作が始まるということで、お話をいただきました。しかも、そのタイトルが土6(※1)ですか? アニメのゴールデンタイムという花道タイトルを持ってきていただいて。映画(※2)は観ていましたし、おもしろくなりそうだ、と思いました。それと、同時期にたまたま工藤夕貴さん(※3)がハリウッドから帰国していらして。「なるほど、小夜の声をやるためにハリウッドから戻したんだ。こりゃスゴイな」って勝手に盛り上がっていまして、実際は違いましたが(笑)。
――作品自体が、かなり血なまぐさい雰囲気なんですが、ゲームでもその雰囲気は活かしているんでしょうか。
須田 タイトルが『BLOOD+』ですからね。とは言いつつも、土6のアニメなので、視聴者層が中学生の女の子だったり、高校生の男子とかなんですよね。いわゆるティーンエイジャーの方たちが観る作品ですので、血の表現、バイオレンスな表現は最初からちょっと抑え目です。アニメを観ている限り、青春群像の一面がありますので、その辺のテイストをどういう風に料理しようかな、ということも考えながら制作しています。
――では、バイオレンスな表現に関しては、グラスホッパー的には抑え目な感じで。
須田 アニメに忠実に(笑)。


BLOOD+ ONE NIGHT KISS

 

※1: TBS系列で土曜の18時から(一部地域では17時30分)始まるアニメの時間帯。『機動戦士ガンダムSEED』や『鋼の錬金術師』などが放映された。 ※2:押井守監督作品『BLOOD THE LAST VAMPIRE』。 ※3:女優。劇場版の小夜の声を熱演。


――画面がかなり『キラー7』に似ているんですが、描画エンジンは『キラー7』のものを使われているんですか?
須田 じつは違うんです。『キラー7』は、ウチで開発したのがニンテンドーゲームキューブ版のみで、プレイステーション2版への移植に関する開発には、ほとんど触れていません。だから、『BLOOD+』のために新たに自社でエンジンを作りました。逆に作るチャンスを待っていました。やはりあの描画をちゃんと自分たちでもう1度作りたい、という気持ちがありまして。それにバンダイナムコゲームスさんからも、『キラー7』のタッチが『BLOOD+』には合っているというお話を当時いただいていましたので、であれば、「ぜひあのタッチでやりたいです」ということで。
――戦闘シーンは、どんなものに?
須田 まず、ゲームシステムをフリーランニングのサードパーソンビュー(※4)にするというのは最初から決めていました。そこで剣術アクションをどう魅せるかということを考えていったんですが、じつは"斬る"ゲームというのは、視点をある程度制約して、自分の間合いと相手の間合いというものを明確にはっきりさせないと、当たった感触とか、アクションの感触が再現できないんですね。じゃあ、どんな視点がいいのかと言うと、いちばんいい視点は、じつはサイドビューなんですよ。時代劇もそうですし、『スター・ウォーズ』にしてもそうなんですけど、剣術のシーンって横からの視点が多いじゃないですか。それは相手の剣と自分の剣が見えて、間合いが見えるからなんです。ですから、ホントは格闘ゲームの横視点がいちばん合うんですけども、小夜を後ろから見ていて、自分自身が小夜であると感じられるサードパーソンビューでやりたいというのが最初からありましたので、非常に難しかったですね。ですから、今回はロックオンをすることで正面向きの視点が少し軸がズレて、小夜が横に来て翼手が真ん中に来るという視点で、距離がある程度わかるというものになっています。


BLOOD+ ONE NIGHT KISS

BLOOD+ ONE NIGHT KISS

 

※4:三人称視点。主人公キャラクターの後ろから画面を見るような視点となる。

 

――小夜以外にも主人公がいるんですよね。
須田 オリジナルキャラクターの青山という、公安の刑事なんですけど。なぜかリーゼントなんですが。
――かなり長いですよね。
須田 長いリーゼントですね。これはやはり『喧嘩番長』(※5)にリスペクトという意味で……。意味がわかんないですね(笑)。
――(笑)。
須田 小夜と対極のキャラクターをゲームの側でオリジナルで作りたかったんです。
――キャラの性格というのは、どんな感じに?
須田 破天荒な刑事です。だいたいショットガンを持っている刑事なんていませんからね(笑)。
――シナリオはアニメの途中の話なんですよね。
須田 ちょうどヴェトナムに渡るまでのあいだの1日の時間をProduction I.G(※6)さんからいただきました。作るまえに藤咲(淳一)監督とお会いして、藤咲さんから「好きなように作ってください。ただ、グラスホッパーさんなんで、やり過ぎないように」と釘は刺されました(笑)。
――制作する過程で難しかったところというのは?
須田 放送中のタイトルですので、放送の中で決まっていく設定もありますし、原作のチェックも影響していきますので、その制約の難しさはあります。ただ、それが醍醐味でもありますね。I.G.さんは誰もが認める世界でナンバーワンのアニメスタジオですから、そのI.G作品に触れるのは貴重な経験ですね。
――メディア連動型のタイトルということで、アニメ以外にも、いろいろとありますね。
須田 SCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)さんもゲームを出されますよね。比較対象があるから、よりやる気が出るんです。お客さんはSCEさんの作品とも比べるし、アニメともコミックともノベルスとも比べるでしょう。『BLOOD+』だけで9コンテンツ。その中で「いちばんスゴい」と言われるものにしたいです。最初にバンダイさんと組むときに、"本家を超えるぐらいおもしろいゲームを作りましょう"と約束しましたから。
――最近、原作モノが続いていらっしゃいますが、この流れは続いていくのでしょうか?
須田 原作モノに関して言うと、終着点はやっぱり『ガンダム』だと思っていますので(笑)。「『閃光のハサウェイ』(※7)を作りたい!」と言い続けた甲斐もあって、バンダイナムコゲームスさん内部でも、かなり浸透してきているようなんですよ(笑)。ほかにも、オリジナルのタイトルで、いずれはゲーム先行型、いわゆる『.hack』で展開されているような、座組みでいっしょにやりましょうということを、各プロデューサーさんからも言っていただいていますので、そういったプロジェクトも、1年後、2年後には実現したいですね。バンダイナムコゲームスさんには、足掛け2年間お世話になっているんで。連続でお仕事をいただいたメーカーさんって、じつは初めてなんですよね。
――そうなんですか!?
須田 それまでは1度仕事をすると、嫌気をさされるのか、何なのか(笑)、つぎの仕事に結びつかなかったんです。

 

BLOOD+ ONE NIGHT KISS

BLOOD+ ONE NIGHT KISS

音無小夜

青山轟


 

※5:2005年6月にスパイクより発売されたプレイステーション2用ツッパリアクションアドベンチャー。 ※6:アニメーション制作スタジオ。代表作には『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』や『イノセンス』などがある。 ※7:『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』。小説作品として発表された。映像化、ゲーム化を求める声が高い。

 

――最後に読者の皆さんにひと言お願いします。
須田 日本を舞台にした現代劇というのは、じつは作れるチャンスが非常に少ないんです。日本人でありながら。思い返してみると、『BLOOD+』は僕にとって『ムーンライトシンドローム』(※8)以来の現代劇なんです。当時、『ムーンライトシンドローム』でやれなかったフルポリゴンの街を、フリーランニングで移動する。いまでは当たり前の舞台装置を使って、ニュータウンという地場の中で人が狂っていく姿を翼手という存在に置き換え、『BLOOD+』というカタチを借りて再現できたというのは、日本の現代劇をずっとやりたかったので貴重な体験でした。原作モノではありますが、オリジナル要素も強く入っています。ですので、いろいろある『BLOOD+』の中から、このゲームをいちばんに注目してください。ファミ通をご覧のゲームプレイヤー、中高生の皆さん、『BLOOD+』ファンの方、そうでない方問わず、バンダイナムコゲームスから発売されます『BLOOD+ ONE NIGHT KISS(ブラッドプラス ワン ナイト キス)』にご期待ください! (小声で)チビッコのみんなは、大きくなるまで待ってね。


須田剛一氏

 

※8:’97年にプレイステーションで発売されたアドベンチャーゲーム。ヒューマン在籍時に須田氏がディレクションを担当した。

 

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BLOOD+ ONE NIGHT KISS(ブラッドプラス ワン ナイト キス)

バンダイナムコゲームス
対応機種 プレイステーション2
発売日 2006年夏発売予定
価格 価格未定
ジャンル アクション・アドベンチャー / アニメ・ホラー
備考 開発:グラスホッパー・マニファクチュア、ディレクター:須田剛一

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