●『FFX』のティーダとジェクトが異説の舞台で激突
『ファイナルファンタジー』(以下、『FF』)シリーズの登場人物が一堂に会して戦う、異色のアクションゲームの続報が舞い込んできた。まずは、参戦が判明した『FFX』のキャラクターの情報を、野村哲也氏のコメントつきで公開。バトルシステムの基本も紹介していこう。さらに、開発者スタッフのインタビューも全文掲載。なお、本作は完全招待制のイベント、”DKΣ3713”に出展予定。ファミ通各誌とファミ通ドットコムの読者100名様の招待枠もあるので、興味がある人はぜひ応募してほしい。詳細はこちらを参照のこと。
ティーダ |
『FFX』の主人公で、ブリッツボールと呼ばれる球技の選手。召喚士であるユウナや仲間とともに、シンに立ち向かった。「この作品では異なる『FF』シリーズのキャラクターたちが会話したりするので、そのときに年齢的な違和感がないように気をつけています。ティーダは『ディシディア』のタッチに合わせて『X』より幼く見えるように描いていますね」(野村氏)。 |
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ジェクト |
ティーダの父親であるジェクト。『FFX』では息子を大事に思いながら、不器用な性格が邪魔して愛情深く接することができなかった。「ジェクトは今回、混沌の神であるカオスに導かれたキャラクターです。そこから、変身後のイメージを肩や腰のパーツに取り入れました」(野村氏)。服の裾も破れ、チョイワル風に!? |
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●キャラクターの特徴が色濃く出るバトル
バトルは1対1で行われ、相手の体力をゼロにしたほうが勝者となる。攻撃力にあたる”ブレイブ”が変動するなど、独特なシステムが採用されている。詳細は不明だが、カスタマイズによる体力の増強や技の追加なども可能なようだ。ここでは、基本的な技の種類を紹介。ほかにも、ガードや回避、壁を駆け上るなど、多彩なアクションが用意されている。
補助技 |
補助技は○ボタンで出せる技で、相手のブレイブを奪うことができる。まずはこの補助技で、ブレイブの値を高めるのがバトルの定石となりそうだ。なお、補助技などで相手のブレイブをゼロにする(=ブレイクする)と、画面中央の数値が自分のブレイブに加算されるというシステムもある。 |
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HP攻撃 |
□ボタンで出せる、相手の体力を減らすための技がHP攻撃。その威力はブレイブの値に依存する。ブレイブが高ければ高いほど、その威力も増していく。ただし、HP攻撃を出すと自分のブレイブの値はゼロになってしまうので、使いどころが肝心になる。 |
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変身(EXモード) |
”EXゲージ”を消費しての変身も本作の目玉のひとつ。変身中は徐々に体力が回復し、必殺技の威力が上昇する。写真は、アルティミシアが変身したときの姿。これは『FFVIII』のグリーヴァをモチーフにしたものだ。随所に、ファンがニヤリとするような味つけがされている。 |
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必殺技 |
キャラクターの特徴が色濃く反映された必殺技。ある条件を満たすと画面にコマンドが表示され、その入力に成功すると発動する仕組みだ。ティーダの必殺技は、『FFX』のオーバードライブ技と同じく、タイミングよくボタンを押すことで威力が高まる。 |
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●『ディシディア
ファイナルファンタジー』インタビュー完全版
情報が明かされるにつれ見えてきた全貌を整頓すべく、『ディシディア
FF』の制作陣へインタビューを敢行。固まりつつあるゲームのポイントを語ってもらった。若いクリエーターたちが中心となって作られている本作の、内包するエネルギーが感じ取れる内容が満載。週刊ファミ通2008年7月4日号には載せきれなかったエピソードを補完した、完全版インタビューをとくとご覧あれ。
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左 |
中央 |
右 |
キャラクターのイラストを描きながら、ゲーム全体のプロデュースをサポートしている。 |
全体を統括。過去に『すばらしきこのせかい』のプランニングディレクターを担当。 |
バトル全般を担当。過去に『キングダム ハーツ』や同『II』の、ボス戦などを手がける。 |
■企画の発端
──どういう発端で企画が立ちあがったのでしょうか?
荒川健(以下、荒川) 『ディシディア』は、『キングダム
ハーツ』を作っているころから、野村が神藤(辰也氏)などとちょくちょく話していた企画だったんですよ。
――野村さんが温めた企画を形にするというところから始まったんですね。
高橋光則(以下、高橋) 当初は血気盛んと言いますか、自分たちがやるんだ、という自信に溢れていましたね。僕自身も『FF』は1作目からずっと遊んできた世代ですし、『VII』のころは寝ずにプレイしていたほどのファンなので、話をもらってテンションが上がりました。
――そんな寝ないでやったゲームを作った人といっしょに仕事をするというのは……。
高橋 いや、もう本当に緊張しますよ(笑)。
――最初に企画されたころからPSP用のゲームと想定していたのですか?
高橋 対戦ものにすることは決めていて、そのときからPSPでと考えていました。いまになってみるとベストな選択でしたね。
荒川 中身も携帯ゲーム機に向いているシステムだと思います。軽くプレイすることも、じっくりプレイすることもできますから。
■特徴的なバトルシステム
――『ディシディア』のバトルシステムは、ふつうの格闘アクションゲームとは、少し様子が違いますよね。どんな狙いがあるのでしょうか?
高橋 『ディシディア』は『FF』の歴代キャラクターが集うゲームですので、ユーザー層はいままで『FF』を愛して遊んでくださった方々が中心になると考えています。そこに、対戦アクションというジャンルで作品を提供することになるわけです。しかし、対戦格闘ゲームと呼ばれているジャンルは、一時代を築いて進化を続けているうちに、だんだんとコアな層向けのゲームになり、間口が狭くなってきたように感じています。その原因のひとつが、始めたばかりのプレイヤーは、たった1回のミスが引き金になって、何もできずに熟練者に畳み掛けられてしまうからではないかと考えんたんですよね。その壁を乗り越えるためのハードルが、とても高いわけです。なので、そこに腕前だけで決まるわけではない、何かクッションのようなものを挟みたい、という思いが出発点になっています。それがもとで、『ディシディア』は対戦アクションなのにレベルアップの要素があります。ということは、いろいろなレベル差での対戦が起こり得る。レベルの上限は100ですが、高いほうが当然強い。そんな状況でも逆転できるような、対戦ゲームの敷居の高さを崩す楽しさを築けないかと考えた結果、”ブレイブ”の仕組みができあがったんですね。
――とは言え、レベル差にも大小がありますよね。大小でも状況が変わるのでは?
高橋 攻略法が変わりますね。各キャラクターは技を持っていますが、レベルが上がると技も増えるので、レベル1とレベル20のガーランド相手では、戦いかたも変わります。
――ある意味別キャラですね。
高橋 そうですね。あとは、敵の思考ルーチンにも力を入れています。『ディシディア』では、CPUの操作するキャラクターが性格を持つ”仮想プレイヤー”という概念を導入していて、同じ敵キャラクターでも行動が変わるので、飽きずに遊べると思います。
野村哲也(以下、野村) 1体極めるのにも時間がかかる。すべてのキャラクターを極めようとすると、相当遊べるのでは? と思います。
荒川 対戦格闘ゲームのバランス取りはキャラクター間の相性を突き詰めていくものなので、通常、システムも当然そこに焦点があったものになります。僕らがいま作っているのは、レベルアップなどのロングレンジにわたる対戦も視野に入れた戦闘システム。そこがふつうの対戦アクションとは一線を画すところだと思います。
■秘密の仕掛け
――一方、体力ゲージの形などは、どんどんブラッシュアップされていますが、写真のゲージ脇の見馴れない赤丸はなんでしょう?
高橋 それはキモですね。秘密です(笑)。『FF』シリーズには絶対に欠かせないものと絡みます。
――システムとして重要なものですか?
高橋 重要です。それを装備した状態で戦うか、装備しない状態で戦うかで局面は大きく変わります。ふつうは装備してもらうことを前提で作っています。
──RPGのような要素は? ゲームは、イベントとバトルが交互に展開していくのでしょうか?
野村 ちょっと違います。RPG的なフィールドがあるわけではなく、あくまで対戦型アクションゲームに成長要素を持たせたものです。
――単純な面クリアー型でもない?
高橋 プレイヤーの意思で分岐する部分もあります。宝箱を開ける開けないだとか、どちらの敵から倒すとか。もちろん両方の敵を倒せたりもしますね。
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体力ゲージの上部にある、赤色に白が混じった円形のアイコン。これが「『FF』シリーズには欠かせない」ものとして、システムに絡んでくるという。 |
■キャラクターと物語について
――『ディシディア』オリジナルのキャラクターは登場するのでしょうか?
野村 タイトルロゴに描かれたふたり……コスモスとカオスが登場します。
――彼らはキャラクターとして話に関わってくるんですか!?
荒川 ストーリーの軸に関わります。『ディシディア』には『ディシディア』オリジナルの世界設定があって、ふたりはその世界の鍵になるキャラクターなんですね。『ディシディア』の世界はオリジナル作品の世界から見たら、”if”の世界というか、パラレルワールドとというイメージの世界です。各キャラクターは『ディシディア』の世界の中に立ち位置を持っていて、彼らの個性が絡んで、物語が複雑に進行していきます。タイトルロゴに描かれたふたりは、その中心人物なんです。
――ふたりは、イベントなどで発表されているムービーを観る限り、とても巨大だったのですが、あの大きさでキャラクターが戦うようなことがあるのでしょうか?
野村 いえ(笑)。設定として大きくもなれるというだけで、実際にはあの大きさでは登場しません。ウォーリア
オブ ライトたちと同じサイズになりますね。ウルトラマンと同じ、と思っていただくとわかりやすいかと思います(笑)。
――『FF』シリーズのキャラクターたちは、原典となる作品の設定を引きずっているわけではないんですね。
野村 原作とぜんぜん違うというわけではありません。原作にあった個性を持ちながらも、もとから『ディシディア』の世界にいる、という感じです。
荒川 最後までプレイすれば、オリジナル作品と何かしらのつながりは感じられるかもしれませんね。
――ひとり用のモードで遊んだときに、選んだキャラクターによって話は変わるのでしょうか?
荒川 ゲーム全体を通してひとつの大きな物語があり、いろいろな場所にそれぞれのキャラクターがいて、それぞれのエピソードが描かれます。プレイを進めていくことでお互いの関係が見えてきて、最終的には全体がひとつの物語になります。複雑ではないけれど重厚なストーリーを目指したので、ドラマ部分の見ごたえはあると思います。
野村 おもしろいですよ。オリジナルの作品では考えられないキャラクターの組み合わせの会話などが見られますしね。
――作品の垣根を越えるんですね。
荒川 越えてかなり絡み合います。けっこう複雑です(笑)。
――バトル部分でも、そうしたキャラクター性は反映されるのでしょうか?
高橋 バトルのコンセプトでも、今回はキャラクター性の描写にこだわっています。基本的に、カオス系のキャラクターはすごく尖っています。ヒーロー側は、いろいろな人がいろいろなキャラクターに思い入れがあると思うので、好きなのに扱えないということが起きないように、比較的扱いやすくしています。反面、カオス系が玄人好みに(笑)。
――主人公たちとラスボスたち以外に隠しキャラクターは?
野村 1体あたりのアクションが多すぎて、作るのに膨大な時間がかかり、想定以上の作業量になってしまいました。ですので登場するキャラクター総数としては、20体ちょっとという感じで落ち着きました。ただし、ちょっとしたサプライズはあります。また、各キャラクターにEXモードというパワーアップ状態があり、姿の変わるキャラクターもいます。
荒川 形だけで言ってもバリエーションはありますね。ひとりのキャラクターにつき、見た目が4パターン程度あるキャラクターも。
――ジタンがトランス状態になったり?
高橋 そんな風に変わるキャラクターもいますし、そのタイトルならではのシステムで戦うキャラクターもいます。
荒川 『III』とか『V』とかね。
高橋 EXモードで出る超必殺技もオリジナル作品をフィーチャーしたネタがたくさん入っているので、遊び甲斐がありますね。初期のシリーズの、細かい設定がなかったキャラクターに、はたしてどんなネタが入っているのかにも期待してください。中には完全独自のものもありますが、可能な限り、オリジナル作品からモチーフを引っ張ってきています。
──技をひねり出すのに悩みそうですね。
高橋 悩むときはありますが、苦労しているというよりは楽しいですよね。たとえばティーダのオーバードライブは、RPGとしてこう見せていたけれど、同じ技だとユーザーにわかってもらいつつ、アクションゲームの感触を乗せるにはどうしたらいいか? とか。『VII』以降の演出に力が入っている作品は考えやすかったですが、それ以前の作品に関してはけっこうたいへんでしたね。とくにカオス側には、どうしよう……と悩むキャラクターが多かったです。「ガーランドの”必殺技”ってなんだろう……」みたいな(笑)。それもそれで、自分たちがユーザーとして遊んでいたころのイメージを思い起こしたり、ファンの人たちの声を探ったりして、どうしたら喜んでもらえるかと考えています。
――そこまで個性がきわ立つと、操作もたいへんそうですね。
高橋 個々のキャラクターに個性を出した結果、1体の操作を覚えたらほかでも通用するわけじゃないシロモノになりました。とくにカオス側はすごいですね。アルティミシアと皇帝は同じ魔法使い系のキャラクターですが、操作感はまったく別物ですし。
荒川 ルールだけ同じで、どうやってハミ出してやろうという勢いですね(笑)。
──対戦したときの相性に影響は?
高橋 そこは最後の調整がキモだと思っています。かなり長いチューニング期間を取って調整したいなと。いまから考えるとかなり憂鬱ですけど(苦笑)。
──バトルフィールドの仕掛けも多そうですね。
高橋 そうですね。シンプルにオブジェクトをガンガン破壊していけるマップもありますし、オリジナル作品の世界から拡張して考えた仕掛けが施されているマップもあります。キャラクターもそうですが、すべてのマップにコンセプトがあり、ひとネタ入れるようにしています。
──ほかに、『FF』ならではの要素として絡んでくる要素はありますか?
高橋 ギルやAPなども登場します。どこで使うかは秘密ですが(笑)。
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ロゴの左側に描かれているのが、調和の神コスモス。右が混沌の神カオスだ。両者は「悠久の果てしない争い」を続けているらしいが……? |
■キーワードは”ニヤニヤ”?
荒川 スタッフの年齢層が比較的若いので、ユーザーとして『FF』を楽しんできたメンバーも多いんですよ。なので思い入れが強い。キャラクターを深く掘り下げるという部分にとても情熱があるんです。結果的にユーザーの皆さんの思いを満たせるような、かなり深いネタが出てくると思います。
――作るにあたって何度もオリジナル作品をプレイしたり?
荒川 すごい量なのでさすがに何度も何度もは(笑)。でも、可能な限りプレイして、会社にある資料も読み込んで。あとは、スタッフそれぞれの『FF』体験談を集めたりしています。
――かなり細かい部分からもネタを拾っているんですね。15パズル的なものとかは(笑)?
野村 入れたほうがよかったかな(笑)。
――では、ティーダが雷を避けたり……。
野村 カミナリ平原のミニゲームはありません(笑)。
――残念(笑)。制作中の会議などで、「『FF』はそうじゃない!」というようなやり取りが出てきませんか?
荒川 ありますが、出る意見のほぼすべてが正解なので、その中でいちばん視野が広かったり、斬新だったりするアイデアなどを取り入れています。すべてのユーザーが、それぞれの『FF』観を持ったままプレイしたときに、ニヤニヤできるものになったらいいのかな? と思っています。
――キーワードは”ニヤニヤ”ですね(笑)。
高橋 「『FF』とは?」という問いの答えがあるわけではないので、「『FF』とは何か」にこだわると煮詰まってしまいます。
荒川 自分たちが答えを出すというよりは、遊んでくれたユーザーが、「『FF』ってこうだったよね」と思うきっかけになればそれがベスト、という思いで作っていますね。
高橋 自分自身が『FF』で育った世代なので、それぞれのオリジナルに対するリスペクトと言いますか、そこをいちばん大事にして、原作のネタで入っていてほしいものは可能な限りなんとか入れたいと思っています。
――ちなみに開発スタッフの皆さんは、どれぐらいの年齢なのでしょうか?
荒川 下は20歳からですね。
野村 上は北瀬です(笑)。
──(笑)。現在の進行状況としてはいかがですか?
野村 さきが見えてきたという感じです。『ディシディア』には、じつは若いスタッフにチャンスを作ろうというテーマがあるんです。今回、いちユーザーとして『FF』をプレイしていた世代のスタッフが、RPGではないけれど新しい『FF』に携われる場を作れたのはよかったと思います。苦労しましたが(笑)。今回は一歩引いた立場で関わると決めていたので、何かを思っても任せていました。ゲーム自体も時間をかけただけあっておもしろく仕上がり、新しいものになっていると思います。見えてきた発売日をお楽しみにしてください。
――完成度は何パーセントですか?
荒川 50パーセントぐらいですね。キャラクターもけっこうできあがりつつありますし。
高橋 ただ調整はまだまだ。時間をかけられる限りはかけたいですね。
野村 発売するタイミングは決めていますよ。
――そのヒントは?
野村 みんなが買いやすいタイミングですね。『FF』20周年を記念して発表しただけの作品になってしまわないように、早く待ってくださっている方々に遊んでいただけるようにがんばります。
■イベント”DKΣ3713”では?
――8月のイベントでは試遊ができるとのことですが、以前体験できたバージョンとは違うキャラクターが使えたり、新しいイベントやシステムに触れられたりするのでしょうか?
野村 同じ部分もありますが、新しい要素もありますよ。つぎはカオス側のキャラクターも触れてみてほしいですね。アクションゲームが苦手な方には、オススメできませんが(笑)。
荒川 ふつうの対戦格闘ゲームのように、ストイックにプレイするだけではない作りです。ストーリーを楽しみたい人にも対応できるようにしています。
高橋 思い出のキャラクターを楽しく育てられるようにしています。その一端を、試遊で感じていただけたらいいですね。
■プランニングディレクター高橋氏がキャラクターのコンセプトを解説
ここでは登場が判明しているキャラクターたちの、ガッチリ固まっているというコンセプトを、インタビュー中の高橋氏の言葉から要約して紹介する。さらに豪華声優陣も公開。
ウォーリア オブ ライト |
『ディシディア』の基準になる、バランスの取れた、オールラウンダー。近距離、遠距離を問わず、あらゆる状況に適した技をバランスよく持つ。 |
フリオニール |
コンセプトはウェポンスペシャリスト。オリジナル作品にあったシステムをモチーフに、特徴的な性能を持つ各種の武器を使い分けて戦える。 |
スコール・レオンハート |
爽快感が味わえるコンボファイター。もともと連続剣という技を持つ彼は、とくに女性でも扱いやすいように調整済み。 |
ジタン・トライバル |
空中での戦いが得意なエアマスター。驚異的なジャンプ力と、す速い動きで敵を翻弄する。オリジナル作品でトランスしたときに使えた豊富な必殺技も使用可能。 |
ティーダ |
高い運動性能を活かしたドッジ(回避)アタッカー。回避と攻撃が連動した技が多く、オーバードライブ技も持つ。ブリッツボールを使ったシュート系の技も。 |
ガーランド |
コンセプトは裏・スタンダード。ボタンの溜め押しによる攻撃や、タイミングで分岐する技など、アクションゲームの主人公のような操作感を味わえる。 |
皇帝 |
策士らしいトラップメイカー。フィールド上に機雷や追尾魔法を仕掛けるなど、トリッキーな戦術が鍵となるタイプ。必殺技がド派手。 |
アルティミシア |
遠距離での戦いに特化したマジックシューター。ボタン連打での魔法連射や、溜め押しによる魔法強化が特徴的。 |
クジャ |
コンセプトはレンジフリー。空中を自在に飛んだり、コンボ攻撃中に移動して技を変化させたりと、距離に縛られない戦い方が得意。 |
ジェクト |
肉弾戦が得意な究極のインファイター。遠距離で有効な攻撃をいっさい持たないが、接近したときの強さはピカイチ。 |
■超期待のイベント”DKΣ3713”の全貌に迫る
──ここからは野村さんにお尋ねします。今回のイベント開催に至った経緯は?
野村 2008年はスクウェア・エニックスとしてのプライベートショーが開催されないことが決まり、そうなると現在のタイトルをユーザーの皆さんに直接お見せできる機会が2008年10月の東京ゲームショウだけになりますよね。それでは待たせ過ぎて申し訳ない。かといって来場者からお金を取ってまでイベントを催すこともしたくなかった。そこで自分が関わるタイトルを担当する宣伝部と奔走していたところ、各方面からのご協力もあり、今回、こういうラインアップで開催する機会を設けられました。大きな規模にはならないという点では申し訳ないのですが。また、会場に来られる方というのも限られてしまうのですが、それでも実際にプレイできる場を設けて、来場できなかった方も、来場した方から話を聞いたり、誌面で取り上げていただいたりすることで、新しい情報に触れられれば幸いです。実際にプレイできるタイトルばかりではありませんが、そういうタイトルに関しては、新しい映像を用意しています。誌面だけでは伝わりづらい、実際に動いている映像というのをお見せしたいので。
──出展されるタイトルは? イベントタイトルはラインアップの頭文字ですよね?
野村 そうです。『ディシディア』、『キングダム
ハーツ 358/2 Days』(以下、『358/2 Days』)、『キングダム ハーツ コーデッド』(以下、『コーデッド』)、『キングダム
ハーツ バース バイ スリープ』(以下、『バース バイ スリープ』)、『3rd Birthday』(以下、『3rd』)、『ファイナルファンタジーVII
アドベントチルドレン コンプリート』(以下、『FFVII ACC』)、”ファブラ ノヴァ
クリスタリス FFXIII”の各作品。あとは『シグマ ハーモニクス(以下、『シグマ』)』ですね。そのうち実際に試遊できるタイトルは、『ディシディア』、『シグマ』、『358/2
Days』、そして今回初の試遊となる『バース バイ スリープ』の4タイトルです。
──シアターも設置される?
野村 はい。ただ映像に関しては、新しい映像のものばかり、というわけにはいきません。というのは、ここ半年沈黙を保っていたわけですが、その期間、スタッフ一同実機での制作に集中していました。イベントや誌面での情報発表となると、それ用の作業が制作サイドでも少なからず必要となるので。
──その作業を抑えて、実機での制作に専念していたと。
野村 はい。なので今回のイベント用に新規ものを大量にというのは困難ですね。どちらかというといまは実機での制作をメインにしていますから。ということは開発は順調という意味。新しい映像がどの程度入れられるかはこれからという感じです。今回は会場自体がクローズドシアターのようなものなので、試遊のために並んでいるあいだも映像が見られるようにする予定です。
──会場はどれくらいの規模なのですか?
野村 一度に400人程度収容できる規模の会場で、1日3回入れ替え制にします。1回3時間というのは4タイトルを試遊して、映像を観ても時間的にはまだ余裕がある見積もりです。あとは物販や音楽部門も出店します。
──2日間トータルで2400人。かなりのプラチナチケットになりそうですね。イベントで発表されることは?
野村 多々あります。自分の関わるタイトルは、縮小されてからのE3で日本に関係する展開を発表しなくなっています。仮にE3で何かが発表されたとしても、それは海外での展開についてのものだけになります。ですので新しい映像を流すことは今回もありません。国内展開の発表に関しては、今回のイベントまで待っていただければと。
──かなり大きな発表も?
野村 あります。ここまで沈黙していた理由もわかっていただけるかと思います。発売時期なども含め、各タイトルごとに何らかの新情報があります。
■気になる詳細は?
──各タイトルの現状を教えてください。
野村 まず、モバイルから撤退するような報道が一部ありましたが、『コーデッド』も『アギトXIII』も『3rd』も開発は進めていますし、具体的にはまだ言えませんが、これらについての発表もします。激震です。
──激震!? モバイルは『コーデッド』がいちばん早くリリースされそうですね?
野村 そうですね。いちばん進んでいます。『アギトXIII』も順調です。おおごとになっていますよ、天を仰ぐほどの。
──天を仰ぐほど(笑)?
野村 ディレクターの田畑(端氏)に『アギトXIII』はマニアックにしたいという話をしたんですね。歴史モノのような細かい設定で、年表があって、というような長い話にしたいと。すると現場も盛り上がり、いきなり見せられても把握できないような緻密な年表が仕上がってきて、いま僕は頭を抱えています(笑)。
──『三国志』好きの野村さんが、天を仰いでしまうほどの(笑)。
野村 それくらいしたほうが、各『XIII』ごとの色づけができていいかなと。いままでも言ってきていますが、その『アギトXIII』も『ヴェルサスXIII』も外伝のような位置づけではなく、それぞれが『XIII』です。名前は単に無印の『XIII』と区別するためのもの。なので『ヴェルサスXIII』も『アギトXIII』も『XIII』を作っているつもりなので、設定などもかなり力が入っています。
──一大叙事詩のような?
野村 まだ序盤ですが、それでもそんな感じになっています。田畑がみずからシノプシス(概要、あらすじなど)を書いていますね。
──『ヴェルサスXIII』はどうですか?
野村 『ヴェルサス』は、『XIII』待ちつつですね。いまは『XIII』優先なので、『ヴェルサス』のチームからも手伝いに入っている状態。だからシナリオを完成させつつ、企画やプログラマーは基礎を構築したり、デザイナーはイメージデザインを大量に描いていたりと、進められる部分を作業しています。
──ということは『ヴェルサス』チームが手伝っている『XIII』も順調だと。
野村 『XIII』は責任者である北瀬(佳範氏)、鳥山(求氏)に聞いてもらったほうがいいのですが(笑)。自分からは詳しくは言えませんが、いま優先のタイトルなので開発は急ピッチで進んでいて、情報を小出しにできないんです。『XIII』の開発は端から順番に完成するものではなく、全体が底上げされていくものなので、一部分を情報として発表するにはそれ用の作業が必要になるんです。なので、いまはその作業より、本編の制作を優先している状態です。
──『シグマ』は発売直前ですね。
野村 自分は、より関係が薄いですね(笑)。ほぼ製品版に近い内容のものを遊べると思います。ただ、『シグマ』は推理モノなので、短い時間では操作感覚や雰囲気を感じてもらう程度になると聞いています。
──『358/2
Days』も順調ですか?
野村 『ディシディア』ほどの段階までは至っていませんが、材料は揃ってきた状態です。イベントでどこを試遊してもらうかは検討中です。
──『バース
バイ スリープ』も楽しみです。
野村 製品版に近いものではありませんが、一度プレイしていただきたいということで触れられるようにしています。バトルは挑戦的でインパクトのある内容になっていますね。『バース
バイ スリープ』は『キングダム ハーツ』の進化系というコンセプトで進めていますので。
──『3rd』の様子がいちばん見えませんね。
野村 形にする材料は揃っていますが、諸事情でほかのタイトルに比べて、ゆっくりとしたペースになっています。
──『FFVII
アドベントチルドレン コンプリート』もそろそろ何らかの……。
野村 まだ言えないことだらけですが、だいたい発売時期も見えています。発表をお楽しみに。激震です(笑)。
──そればっかり(笑)。
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開発は順調だという『コーデッド』。野村氏が、実験的に落とし込んだものをプレイしてみせてくれた。まだキャラクターのモーションなどは調整まえだが、『キングダム ハーツ』シリーズの雰囲気は十分再現されている。なお、こちらは開発中のテスト版。実際の対応機種とは異なるので注意。 |
※詳しくは週刊ファミ通2008年7月4日号(2008年6月20日発売)をチェック!!
(C)SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA (C)Disney Enterprises, Inc. Developed by SQUARE ENIX ※画面は開発中のものです。
ディシディア ファイナルファンタジー
スクウェア・エニックス | |
対応機種 | プレイステーション・ポータブル |
発売日 | 2008年発売予定 |
価格 | 価格未定 |
ジャンル | アクション / ファンタジー |
備考 | 無線LAN機能対応、シニアディレクター:荒川 健、プランニングディレクター:高橋光則、クリエイティブプロデューサー/キャラクターデザイン:野村哲也、シネマティクスムービープロデューサー:野末武志、コンポーザー:石元丈晴、プロデューサー:北瀬佳範 |
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