■インタビュアー 新藤ノブミチ

バストゥーク共和国軍のElivira(エリヴィラ)氏は、弱冠25歳で第1黄金銃士隊で隊長を務めている方です。有数の富豪で父上のコンドラト・ゴーゴリ氏に反発して入隊したそうですが、今では軍にとって彼女は欠かせない存在です。ではお聞きしましょう。

Elivira
エリヴィラ

アルタナ連合・バストゥーク共和国軍
第1黄金銃士隊長

「裁縫……かな。
特に編み物は楽しいわ。」

―カラナックを編み出したそうですが、その際のことを教えてください。
少々長くなるぞ……
この銃「アナイアレイター」は
優れた銃ではあるが、発射音が大きいという欠点があった。
だから戦場では、一度撃ったらすぐに射撃地点から移動しないと危険だった……

だが、蒸気の羊亭で飲んでいた時のことだ。
店の片隅で流しの吟遊詩人が哀歌を歌っていた。
お世辞にも歌は上手くなかったが、おそらく計算尽だったのだろう。
店内の壁や天井に彼の声が反響した結果、幾重にも重なったメッセージとして、詩が心に
響いてきた……
そして、いつしか、私も含め、店にいた客全員が涙していたのだ。

ひょっとしたら、銃の発射音を周囲に反響させることで
敵の戦意を喪失させることができるかもしれない。
そうして編み出したのが、カラナック……葬送歌という訳さ

―若年で筆頭黄金銃士隊長の地位を得たときはどんな気分でしたか?
別に。
当然の結果だったし。
……でも父と和解するきっかけにはなったかな。

―攻撃は最大の防御?
戦略の常道じゃなくて?(さも当然のように)

―勝手に婚約者を決めた父親をどう思いますか?
あの時は許せなかった。
けど、いま思えば無鉄砲な私を心配した、父なりの優しさだったのね。

―射撃以外の特技があれば教えてください。
裁縫……かな。
特に編み物は楽しいわ。