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J-フォンのJavaはここが違う! 開発者に突撃インタビュー 
2001/4/23

▲J-フォングループのJavaサービスは6月開始予定。写真は対応端末第1弾のJ-SH07。
 4月17日に詳細が発表された、J-フォングループのJavaサービス。すでにサービスインしているNTTドコモ、そしてJ-フォンと同じ6月のサービス提供を目指すauを加え、携帯電話3社が"Java"という新たな分野で携帯電話の魅力を伝えていくことになった。そのなかでJ-フォンは、他社との違いを明確に示して、Javaサービスへの参入を果たす発表を行った。ファミ通.comでは、J-フォンのJavaサービスの"形"を探るべく、J-フォン東日本のサービス開発本部技術推進室課長・内山雅光氏に突撃インタビュー。J-フォンがJavaサービスで目指すもの、そして他社Javaサービスとの違いなどを語ってもらったぞ。

 まず、携帯電話のJavaサービスって何?っていう人は以下の過去記事からチェックしてよう。

【Javaサービスについての関連記事】
J-フォンもJava携帯電話の概要発表 6月サービス開始
ケータイがさらに進化する! NTTドコモ"iアプリ"特集



−−J-フォンは、3Dポリゴンエンジンの搭載、そしてJavaの概要発表と派手なニュースが続いてますね。このJavaサービスはどのような形で展開されていくのでしょうか。

J-フォン東日本 内山: J-フォンは、これまでもビジュアル部分の充実を念頭において展開してきた経緯があり、また年齢ターゲットとして、とくに都内では15〜30歳を中心とした女性から支持されてきました。その辺を意識においてJavaサービス【注1】の展開を考えてきました。

【注1】Javaサービス
ここでは、サン・マイクロシステムズが開発したプログラミング言語"Java"を利用した携帯電話サービス。NTTドコモiアプリが1月からサービス開始。好みのソフトを端末にダウンロードして利用する。
−−そして出した結論は?

内山: "キャラクター"というものを重視しつつ、アミューズメントやエンターテイメントといった部分をどんどんやっていこうということになりました。そしてエンターテイメントといえばゲーム。すでに先行でサービスを開始されている他社さんの場合(NTTドコモのiアプリ)でも、ゲームというコンテンツがとくに目立っています。J-フォンでは、このゲームについて、より高度なものが楽しめる環境を提供いたします。

−−そこで具体的には何をされたのでしょうか?

【注2】2Dスプライト
複数枚の絵(キャラクターなど)を重ね合わせて描画する機能。シューティングなど高機能2Dゲームで多様される。
内山: ゲームといって真っ先に思いついたのは"2Dスプライト機能"【注2】と"3Dポリゴン"【注3】です。Java搭載の携帯電話にはぜひこれらの機能を搭載していきたいと考えておりました。そこでゲームメーカーさんなどに相談し、その結果スプライト機能についてはセガさん(セガとその子会社のスマイルビット)、3Dポリゴンについてはバンダイネットワークスさんとエイチアイさんの技術協力を得て実現いたしました。

−−3Dポリゴン搭載の発表には驚きました。「ケータイもついにここまで来たか」って。

内山: ポリゴンについては「時期早尚」という声もありました。しかし、バンダイさんとエイチアイさんがすでに携帯端末向けの3Dポリゴンエンジンを数年前に開発されていました。J-フォンとしても、キャラクターにインパクトのある表現力を与えたいという気持ちがあり、搭載を決めたわけです。

【注3】3Dポリゴン
立体感あふれる画像を再現する三次元のCG技術。プレイステーションなど家庭用ゲーム機で採用され一般的に。 (写真はJ-フォンJavaで提供予定『CGキャラ3D(仮称)』(三井物産)のCGキャラクター"ポリケンジョージ"
 この3Dポリゴンエンジンは、ただ3Dでグリグリ動くといったことだけでなく、モデリングデータ、テクスチャデータ、アクションデータを別々にデータ交換することが可能です。例えばキャラクターの色だけを変えたいならば、テクスチャデータのみをダウンロードするとか。これは、すべてのデータをダウンロードするのに比べて、通信料金の節約になります。

−−そういえば、利用料金はどうなるのでしょうか?

内山:まず、通信料ですが、当面は現行のJスカイウェブと同じ、1キロバイト2円という料金になります。また、Javaアプリケーションを配信されるコンテンツプロバイダーさんによって、コンテンツ料金が発生するのですが、これは月額いくら、といった料金体系のほか、着信メロディー1曲につきいくら、アプリケーション1回のダウンロードにつきいくら、といった従量型の課金も用意しています。こちらは各プロバイダーさんの考えかたにもよるので、どういった料金の取りかたが主流になるかは、まだわからないですね。

−−なるほど。話を戻しますが、ほかにも「J-フォンのJavaはここが違う」というのがありますね。

内山: ええ。ひとつは音楽です。Javaアプリケーション上でも複数のメロディーを重ねて流せるようにしましたので、BGMが流れたまま爆発音などの効果音も同時に出せます。また、アプリケーション自体のプログラム容量は30キロバイトにしました。少しでもドコモさんよりは多く……と(笑)。実際、開発者のみなさんにとっても、より奥の深いコンテンツが作れることだし、作りがいもあると思います。

−−Javaの基本部分は、世界標準の規格を採用されました。

【注4】J2ME/MIDP
携帯電話向けに定められたJavaの世界標準仕様。NTTドコモはこれを採用せず、独自方式を選択した。
内山:J2ME/MIDP(Mobile Information Device Profile)【注4】です。当初JavaアプリケーションはJ-フォン公式サイトからの配信となりますが、将来的には仕様を公開し、一般のかたでも作成が可能になります。世界標準なので、より豊富で、さまざまな用途のJavaアプリケーションが登場することを期待しています。

−−ゲーム以外の部分では

内山: 待ち受け用のアプリケーションもJavaの主力コンテンツとして期待しているのですが、これまで市場に出ているJavaの待ち受けコンテンツでは、通話やメールを行ったあとに、いちいち手動で起動しなおさなければならない。その点J-フォンのJavaでは、通話終了後自動的に復帰してくれる機能がついています。そしてJavaアプリケーションと通話やメールの着信などと連動させたりもできますね。また、携帯電話の通話機能自体をオフにして、Javaアプリケーションを利用することも可能です。このモードならば、電池の持ちがある程度伸びるほか、携帯電話から電波を発信しない状態になるので、一般的に言われるマナーの問題もある程度は解消されることと思います。

−−利用者の意見をよく反映されていると思います。最後にファミ通ドットコム読者へアピールを。

内山:コアなゲームファンから手軽に携帯電話コンテンツを楽しみたいという人まで、きっと満足いただけるサービスになります。ご期待ください。


▼J-フォンJavaをデモ映像で体験!

▲タイトー往年のタイトル『アルカノイド』。
 携帯電話でより"高度な"ゲームが楽しめるようになるというJ-フォンのJavaサービス。では実際にどのようなコンテンツが遊べるようになるのか。ひと目でいいから見てみたい〜、ということで、J-フォン東日本さんにお願いして、タイトーが開発中の『アルカノイド』のデモ動画を入手!『アルカノイド』というタイトルは、NTTドコモのiアプリでもすでに配信中だが、注目して欲しいのは、動画の中盤に見られる玉が飛び散るところと終盤に登場する"玉の軌跡"。これはJ-フォン独自の拡張機能を使ったもので、「他社Java端末では表現不可能」とのこと。J-フォンJavaをいち早く体験してみたい人はご参照あれ。

動画スタート

※画面は開発中のものであり、本サービス後に提供されるものとは異なる場合があります。
※右側の文字がつぶれているのは、ストリーミング形式に変換した際の劣化です。実際は右上の画像のように鮮明です。

動画がうまく見られないというかたはこちらを参考に


 さらに、6月のサービス開始時には、約30タイトルが遊べるようになる予定(4月17日現在)。ファミ通ドットコム読者のみなさんなら、どこかで目にしたことがあるタイトルが多いかも。これらが携帯電話で遊べるようになってしまうのが、Javaのスゴいところなのだ。
 
 →サービス開始と同時に配信される予定のタイトル一覧へ

 ここに掲載していないメーカーでもJ-フォン向けのJavaアプリケーションを開発しているメーカーは数多くある。スプライト機能や3Dポリゴンを生かしたJ-フォンならではの"高度なゲーム"が次々登場することを期待したいところだ。

(C)TAITO 2001 (C)フロッグエンターテイメント (C)創通エージェンシー/サンライズ (C)SAN‐X+GREEN CAMEL ※掲載している画面はすべて開発中のものです。

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