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編集部)映画を見て思ったのですが、制作時期が長かった割には、本編中でCGのクオリティにばらつきがないように感じました。オープニングのシーンは初期段階で制作されたと聞きましたが。
監督)そうです、今からちょうど4年前ですね。主人公のアキが起きるシーンが最初で、評議会あたりのシーンが最後のほうに制作したものです。
編集部)それでも映像のクオリティ差はまったく見られませんでした。
監督)でも、実際はやっぱり初期の頃とはCGのクオリティがだいぶ違ってしまったので、映画制作の最後に再レンタリングして差し替えました。でも、全部が作り直しじゃなく、顔だけ差し替えるとか。前半作った絵は、微妙に調整しています。
編集部)スローや一時停止でみると、一枚一枚のCGが見ごたえありますね。モンスターにしろ、鉄などの質感にしろ、人間にしても。どれが一番難しかったですか?
監督)もちろん人間です。リアルな人間ってのは、CGに携わっている人にとって夢でしたし、そういった"人"を感じさせるものは今までCGじゃできなかったですしね。あとは、そういうコンセプトを持ったCG映画を作るっていうだけで、スタッフみんなが燃えていました。
編集部)それが4年という長い制作期間中の支えだった訳ですね。
監督)ええ。それにしても、4年でよくできあがりましたよ。でき上がらないという不安はありましたが。僕からすれば、あれができ上がったのは奇跡です。確率低かったですよ、ホントに(笑)。その代わり、手を抜いたショットはありません。下手したらあるシーンでガクっと質が落ちてしまう可能性もあったわけだし。だけど、スタッフのみんなが、ホント死にもの狂いでがんばってくれました。
編集部)今回のDVDでは、106分の本編に片面2層ディスク(8.5GBの大容量。片面1層の倍)の採用ということで、かなり画質が良いですね。
監督)映画でそこまでこだわったので、DVDでもとにかく画質ってものにこだわりました。逆に画質をちょっとでも落とすぐらいならオマケを取ってね、って。
編集部)DVD化にあたって、再レンタリングなど行われたんでしょうか?
監督)再レンタリングはしていないですが、色味とか明るさとかをいじってますね。ブラウン管に映るのを前提にして。もともとがデジタルデータなので、そこからDVDで最適な状況を作りました。この辺はフィルムとは違います。デジタル映像はDVDに向いてますね。
編集部)実際にDVD版を観たのですが、暗いシーンがとても観やすくなっています。
監督)ただ、あんまり明るくすると、映ってはいけないものまで見えてきちゃう(笑)。「そこ見えちゃまずいでしょ!」てなことになるので、ほどほどにですが。
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