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編集部)まず映画『ファイナルファンタジー』を振り返ってもらいましょう。全米を皮切りに、全世界55ヵ国で公開されました。監督も実際に現地の劇場へ足を運ばれたとのことですが、いかがでした?
監督)今回のDVDもそうですが、今までのゲームはパッケージじゃないですか。お客の顔が見られない。実際の反応がわからないんですよ。「あそこは感動した」って言われても、「へ〜、そうなんだ」って感覚。ゲームでは、モニターが100人ぐらい遊んでいるのは見たことありますけど、(モニターは)仕事ですしね。映画ってのはそう意味では面白いです。劇場に行けば(お客さんの)反応がダイレクトに返ってくるし。
編集部)ゲーム畑の監督にとって、新鮮な経験だったのですね。海外での反応はどうなったのでしょう?
やはり海外では"ジャパニメーション"という観られかただったのでしょうか?
監督)いや、"ジャパニメーション"って感覚ではないですね。やっぱり"リアルなCG"なんだってことを念頭において来場してくれたかたが多かったようです。
編集部)なるほど。やはり"CG"に期待が集まったのですね。
監督)ただ最初に公開したアメリカ(北米)は広い国なんで、田舎のほうではCGとかよくわからないまま観に来ちゃう人もいるらしいんです。後からみたレポートによると、実写の映画だと思ったのに「アレはなんだったの?」っていうおじいちゃんおばあちゃんがいたりとか。
編集部)アメリカだけで2600館も公開されたのですし、そういう見かたをされる人も少なくなさそうですね。
監督)「お金がなくておじいさん(シド)だけは役者さんを使ったんでしょ?」なんて言われたりもしました。「全部CGですよ」って言っても、「またまた〜」って。
編集部)ハハハ、それはスゴイ。話は戻りますけど、普通の映画では、外国の観客は特にシビアですよね。
監督)つまんないと席立っちゃうんですよ、外国の客は。しかし、おかげさまでアメリカ、ヨーロッパで高い評価を頂いたようです。現地の劇場に足を運んだ時は、「最後まで見てくれてよかったー」って思いました。
編集部)そして日本での公開。アメリカを始めとする他国に比べ、観客の反応の違いってありましたか?
監督)やはり、日本の客は(他の国に比べ)かなり反応が違いましたよ。
編集部)どう違うんです?
監督)恐らくですが、日本向けの映画『FF』は、字幕の存在が大きかったんです。字幕だと、実際のセリフの半分ぐらいしか(内容を)言えてなかったりするんですよ。あと、字幕のほうに目が行っちゃって、肝心の映像のほうには意識がいかなかったりとか。だから、日本のお客さんだけ反応鈍いっていうか、明らかに他国のお客さんと違う反応をしていました。
編集部)そう言われてみれば、1度目は字幕でストーリーを追うのに精一杯で、CGをじっくり見るのができたのは2度目からだったような気がします。
監督)英語圏はもちろん、ヨーロッパも吹き替え文化なので、そこは問題なかったのです。
編集部)なるほど。今回のDVDの日本語版は吹き替え版も収録されているので、英語版を見るアメリカ人のようにはっきり伝わりますね。一度見た人も、また違う印象を受けるかもしれません。
監督)そうですね。この作品の要である"CG"をじっくり観ていただけるはずです。
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