スマートフォン解析 『オーディンスフィア レイヴスラシル』ヴァニラウェアの神谷盛治氏&大西憲太郎氏が語る、並々ならぬ思い入れとコダワリのポイント! - コミニー[Cominy]
ファミ通のアトラス担当者。ゲームはもちろん、アニメやグッズなどにもイロイロ手を出して、家計はいつも火の車。アトラス関連の作品が続々出るのでうれしいなー!
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2015年07月29日 17:00

『オーディンスフィア レイヴスラシル』ヴァニラウェアの神谷盛治氏&大西憲太郎氏が語る、並々ならぬ思い入れとコダワリのポイント!


 『ドラゴンズクラウン』などの代表作で知られるヴァニラウェアと、アトラスがタッグを組んで贈る新作アクションRPG『オーディンスフィア レイヴスラシル』。週刊ファミ通2015年8月6日号(7月23日発売)では、開発を手掛けるヴァニラウェアのおふたりへのインタビューを実施しました。

そのロングバージョンを、当記事でお届け!


▲『オーディンスフィア レイヴスラシル
PS4、PS3、PS Vita対応
アトラス/2016年1月14日発売予定/
各7980円[税抜](各8618円[税込])
※開発:ヴァニラウェア


【おふたりのプロフィール】
●プロデューサー 神谷盛治氏
ヴァニラウェア代表取締役で、オリジナル版ディレクター。デザインを始め、同社タイトルの開発全般に関わる。

●ディレクター 大西憲太郎氏
ヴァニラウェア所属。オリジナル版開発メンバーのひとりで、『レイヴスラシル』のディレクターを務める。


驚異的な表現力で描かれる
2DアクションRPGへのこだわり

──まずは、オリジナル版『オーディンスフィア』を制作した当時の考え、こだわりについて教えてください。

神谷 思い返せばずいぶん昔になります。ヴァニラウェアがまだプラグルという名前のころ、当時2Dゲームは古いものとされていて、とても企画を通せるものではなく、私自身も3Dで作るしかないと思っていたくらいです。ところが『ファンタジーアース(※1)』制作の悪戦苦闘を経て、『プリンセスクラウン(※2)』制作時に感じた2Dの可能性を、再び信じる気持ちが高まっていきました。そして、それにすべてを懸けてみようと思ったのは、そうするしかないほど追い詰められた状況の中でのことです。後にいろいろと追い風が吹いて、『オーディンスフィア』の開発がスタートできたのは、まさに奇跡的だったと言えますね。

※1:『ファンタジーアース』……オンラインRPG『ファンタジーアース ゼロ』の前身、『ファンタジーアース ザ リング オブ ドミニオン』。開発初期に神谷氏がディレクションを担当。

※2:『プリンセスクラウン』……セガ(現セガゲームス)とアトラスが共同開発し、1997年に発売されたアクションRPG。神谷氏がディレクターを務めた。


大西 オリジナル版は、神谷の当時の唯一の代表作でコアな人気のあった『プリンセスクラウン』を継承した作品というコンセプトで作ることになって、技術面では、『プリンセスクラウン』の最大の特徴である“アニメーションを美しく見せること”に、とにかくこだわりました。開発ツールの試作品ができ上がってみると、これが思っていた以上にポテンシャルを感じられるもので、ハードもプレイステーション2になって解像度が上がっていたので、ドット絵ではなく塗りこんだ絵を使ってイラストが活き活きと動くようなゲームにしよう、背景も動かそう、という感じで欲が出ていきましたね。

 技術的な面以外でも、プログラマーの都合よりもデザイナーのこだわりを優先していました。ふつう、キャラクターのアニメは先にフォーマットを決めて、アニメはそれに合わせて作るのですが、『オーディンスフィア』では、絵と絵のつながりが不自然でデザイン的に美しくない場合、そのキャラクター専用の制御になってもアニメを加えています。キャラクターごとにアニメの分けかたもバラバラです。たとえば、キャラクターがしゃがみかけたときにコントロールスティックの入力を離すと、パッと立ちポーズに戻るんですけど、ベルベットだけは胸が揺れるアニメが挟まるんです。これはシガタケ君(ヴァニラウェア所属のデザイナー)が入れたいと言ってきたもので、ベルベットだけはそういうプログラムになっています。

 それから、これは神谷の特徴でもあると思うのですが、利便性よりもリチュアル(儀式)の楽しさを取るんですよ。『ドラゴンズクラウン』でも、宝箱を開けるのにわざわざ“盗賊のロニ”に指示を出して開けさせるという形になっていますが、「宝箱の前でボタンを押せば開くようにすればいいんじゃないの?」と、ふつうは思いますよね。キャンプ料理を作るシーンでも、わざわざ食材を鍋に入れてかきまぜるなんてことをやらせずに、作る料理を選んでボタンを押すだけでもいいわけです。そのほうが明らかに便利なのはわかっているんですけど、便利さを求めるうちに失われる楽しさというのも、確かにあるんですよね。そういった、デジタルなおもちゃとしての楽しさというか、飛び出す絵本のような楽しさが作風の基盤にあると思います。本作の、種を植えて木を育てるというフィーチャーは、まさにその元祖です。最初に本を選ぶところでも、毎回アリスを歩かせて本を拾って椅子に座る。ユーザビリティーとしては最悪ですが、それよりも見た目の美しさや雰囲気を優先する。『オーディンスフィア』というのはそういうものだ、という精神で全体が作られていました。

──本作を“新本格HDプロジェクト”として作ることになった経緯と、そのときの想いをお聞かせください。

神谷 いまのアトラスさんは、私が見てきた中で、近年でいちばん純粋な“ゲームを作るための会社”になったと感じています。いろいろときつい状況を経て、本当にアトラスでゲームを作りたい人だけが残り、その部分がきれいにひと塊になった印象です。大手もコンシューマーには腰が引けぎみな昨今、ましてやアトラスさんに恩ある身としては、微力ながら応援したい……と熱く思ったのですが、弊社は作るのが遅いので、何をするにもずいぶん先の話になってしまいます。しかし打診されていたHDリメイクなら、それほど時間がかからないのではと思い、お仕事をいただきました。それが『レイヴスラシル』の始まりです。開発は、『オーディンスフィア』をよく知る大西に任せましたが……蓋を開けてみればゲーム部分の要素すべてを見直し、時間がかからないどころか、システムまわりや各ロジックはほぼイチから作り直しのまるで新作の様相。大西から「ゲーム部分を直していいですか?」と相談を受けてはいましたが、まさかここまで大工事になるとは……。『レイヴスラシル』は、私もいろいろな意味で衝撃を受けたゲームになっておりますので、ご期待ください。

大西 『オーディンスフィア』はヴァニラウェアを代表する作品として広く愛していただきつつも、同時にきびしいご意見をいただいた作品で、神谷や僕には苦い思いの残るタイトルでした。ビジュアルやストーリー、キャラクターデザインはご好評をいただいた一方で、RPGとして考えて入れたゲームシステムは、まるで評価してもらえなかったんです。僕たちは、RPGである『プリンセスクラウン』の後継として作ったのですが、爽快に操作できるアクション戦闘を期待したお客様を、結果的に裏切ってしまう形になりました。さらに、ギリギリに行ったバグの修正で負荷が増えたために、処理落ちも出してしまいました。そんな思いの残るタイトルに、リメイクのチャンスをいただけたので、単純なHD化で済ませるわけにいかない、という思いが湧きました。また、『ドラゴンズクラウン』や『朧村正』をプレイして興味を持ってくださる本作未プレイのお客様に、「やっぱり昔のタイトルだから」と思われてはいけない。旧作を踏まえつつも、あくまでヴァニラウェアの最新作としてもう一度再構築すべきだと思いました。一方、オリジナル版を大事にしてくださるお客様も必ずおられると思いましたので、完全保存版としてオリジナルもキッチリもとのままHD化して収録して、二本立てにすることも決めました。だからこそ、リファインモードは、いま作るならこうだろうという気持ちで、思い切って変えていけると考えました。



──グラフィックや演出面では、どんなところにこだわりましたか?

大西 旧作をひさびさに見て、いま見てもビジュアルの引力が衰えていないことに僕自身驚きました。とくにドラマシーンの生き生きとした魅力は、液晶画面の進化やHD化の恩恵で、さらに鮮烈になっています。オリジナル版は当時、「進化した2D」だと言われました。2D、3Dというと、平面か立体かという差で捉えられがちですが、2Dのいちばん大きな魅力は、自由度の面で3Dより圧倒的に劣ることと引き換えに、デザイナーという“人間”の手で描いた絵が“そのまま画面に出る”こと、それによって出るケレン味だと思っています。ドット絵などもそうですが、人間が感性でチューンしたもののよさはやはりあります。3Dは高い表現力を持つ一方で、どうしてもカメラやレンダリングの処理の結果を見ることになる、そんな3Dグラフィックに対する、2Dの唯一にして最大のアドバンテージはそこだと思います。

 『オーディンスフィア』は、神谷の持つ突出したキャラクターデザインセンスと、考え抜いた世界観設定を軸に、周りのデザイナーが各自の美のセンスでそれに同調し、想像を膨らませて手を動かした結果の出力、それがそのまま奇跡的なバランスの色彩とデフォルメで世界を形作っていると思います。それがHD化でさらに艶を増していますので、そこをぜひ感じていただきたいです。

 また、今回はオリジナルに忠実に見た目は変えないようにしていますが、メルセデスの花やお下げが揺れるなど、HD化の際にデザイナーが見て直せるところは修正を施しています。ほかにもHD化で顔の印象が変わったものは、もとの印象になるように書き直しました。HD化でとくに苦労した点は、16:9の画面比率への対応です。オリジナル版は4:3の画面を前提に作られていて、見えないところは省いていたんです。しかし、16:9になると省いた部分を継ぎ足さなければいけない。たくさんの人が画面に並ぶシーンが、16:9だと画面の真ん中に人が集まった絵面になったりしましたから(笑)。しかし当時のドラマ作成ツールはプレイステーション2の開発機で作られていて、もうそんな環境はない。仕方ないので古いデータを解析して、急遽PCで動作するドラマエディターを作りました。ほかにも、昨今のテレビの大型化に合わせて文字の大きさを変えたり、細かなところではセリフのフキダシのエッジの滑らかさなども改良したりと、多くの場面を修正しています。



──新たなギミックや敵、操作性など、『レイヴスラシル』ならではの楽しみどころは?

大西 オリジナルでは入れられなかったモンスターを、新規で中ボスとして入れています。中ボスと言いつつも、旧作ボスより豪華な作りのものもいますよ。旧作からの敵も、技や攻撃バリエーションを増やし、思考ロジックも全部新規で組み直しましたので、旧作をやり込んだ方も新鮮な感覚で遊んでいただけると思います。旧作でボツになっていたコックのキャラがいまして、それを本作では、道中で料理を食べさせてくれるキャラとして追加していたりもしますね。

 ステージに関しては、マップを探索する要素を加えました。ヒントをもとに隠されたアイテムを探したり、特定の方法で隠し部屋に入ったりなど、少し懐かしい楽しさを加えています。操作性については、『ドラゴンズクラウン』や『朧村正』を楽しんでいただいた方にはなじみやすい操作感になっています。パワー切れで動けなくなるといった要素は撤廃していますので、オリジナル版に比べて軽快に遊んでいただけると思います。誰でも簡単に、ザクザクと爽快なコンボ攻撃を楽しめるほか、スキル技の発動については、上級者向けにコマンド入力にも対応しています。5人の主人公はそれぞれ違った味付けになっており、とくにメルセデスは、シューティングアクション風のバリバリと弾を撃ちまくる味付けになっていて毛色が違います。ベルベットは、チェーンで敵を投げ飛ばす技もありますよ。

──楽しみにしています。ところで、先日公開された映像では、完全新作のプロジェクトも動いていることが示唆されましたが……?

神谷 アトラス広報のU田さんから、『レイヴスラシル』の発表と同時に、完全新作についても披露したいと無理難題を言われ、今回の新作宣言とあいなりました。ヴァニラウェアの新しい会社ロゴが示している通り、これまでの作風とはまた少し違ったものを作っております。完成まではまだまだなれど、正式な発表まではあと少し。皆さんがどう反応するのか、不安でもあり楽しみですね。そう遠くないうちに続報を予定しているとのことですので、もう少々お待ちください。お楽しみに。

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▲ヴァニラウェアの新しい会社ロゴ

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※画面は開発中のものです。

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