スマートフォン解析 第39回 「猛る焔神イフリート(後編)」 - コミニー[Cominy]

ガンバルンド
ザナラーンの端っこにある辺境の村出身。21歳。鼻を横切るように付いた傷と、それを強調するかのような青いペイントが特徴。傷の曰くが明かされるかは定かではない。でっかい武器、大好き!
中の人:はせがわみやび
コンピュータゲームからテーブルゲームまでゲームはなんでも大好き。ファンタジーを中心にゲームに関係した物語をおもに書いてます。無謀と弱気が同居するガンバルンドの中の人。
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2014年06月05日 11:50

第39回 「猛る焔神イフリート(後編)」

  さて──。罠にかけたつもりが罠にかかって、捕らわれの身となってしまったガンバルンドですが……。
 このあと、アマルジャ族の戦士に言われる台詞が小難しいんですよねー。

「酔生夢死なる貴様らに、生の意義を授けん!
 我らが御神に、その身を捧げよ!!
 それ即ち、貴様らの勲しである!!」


担当A「ってやつですね。酔生夢死って言葉は、お酒に酔ったような人生を送り、夢のなかで死んでいく──みたいな意味らしいですよ。つまり、何もせずにむなしい一生を送ること、となりますかね」

 おお、言葉に強い編集者、さすがです。
 ええと、わかりやすく翻訳すると、「空しいお前たちの人生に生きる意味を与えてやる。それは俺たちの神様にその身体を捧げることだ!」という感じですか?

担当A「ですね。ものすごくでっかいお世話ですよね」

 これ、生贄にしてやるってのを、かっこよく言っているだけなんじゃ……。
 すべてのアマルジャがこう考えているのかどうかはわかりませんが、ここで出てくるアマルジャの戦士は、こんなことを言って自分たちの陣地の一角に、縛り上げた不滅隊隊士たちとガンバルンドを連れていきます。
 ガンバルンドたちを地面に転がしたままで、アマルジャたちは何かの儀式らしき用意を進めるのでした。
 このあたりでもう嫌な予感しかしないわけですが……。

 ガンバルンドの傍らには同じように縛りあげられた不滅隊の軍曹がいて、先ほどからありとあらゆるものに呪いの言葉を投げつけていた。だが、彼がもっとも呪ったのは、己自身に対してだ。
「巻き込んでしまって、すまない。私に部下を見る目がなかったばかりに……」
 軍曹がガンバルンドを見ながら言った。
 ガンバルンドは首を横に振った。軍曹のせいではあるまい。呪われるべきは、裏切り者の共謀者ふたりだろう。
「どうやら、アマルジャのトカゲ野郎どもは、我々を蛮神イフリートに差しだすつもりらしいが……」
「イフリート……。それが奴らの神の名か」
「ああ。焔神の二つ名をもつ蛮神だ。ここはおそらく『炎帝祭跡』と呼ばれる場所だろう」
 夜が明けて日が昇った。
 あたりが明るくなった頃に、ガンバルンドたちは戒めを解かれて、円形に開けた茶色い窪地へと引っ立てられた。手足の枷は無くなっていたが、武器は取り上げられていたし、周りには山ほどのアマルジャたちがいて逃げ出すことも戦うこともできそうにない。


 祭事を司る司祭なのだろうか。他のアマルジャたちよりも、やたらと身体中に飾りつけをほどこしたアマルジャがやってきて、ねめつけるような見下すような視線をガンバルンドたちに送ってきた。ひときわ体格の大きなアマルジャだった。
「俺たちをどうするつもりだ!?」
 ガンバルンドは叫んだ。
 だが、大柄なアマルジャはちらりとガンバルンドのほうを見ただけで背中を向けた。
 持っていた太い杖を両手で捧げ持ち、空に向かって掲げる。
「御神よ……」
 祈り始めた。
 アマルジャの視線を追いかけて、ガンバルンドは空を見上げ、目を瞠った。
「黒い、太陽だと!?」
 空はいつの間にか夜のごとく暗くなっていて、アマルジャの掲げる杖の先には、真っ黒な太陽があった。黄金のリングをはめたように細く縁だけを輝かせている。
 アマルジャの祈りの言葉は続く……。
 不思議なことにガンバルンドにも理解できる言葉だった。
「創世の業火をまといし、猛き神よ!
 我が父祖に「戦士の炎」を灯したもうた、いと高き神よ! 焔神イフリートよ」
 目を閉じたアマルジャの喉の奥から、ほとばしるような叫び声があがった。
「来たりませ!」
 ヲヲヲヲ、と風が鳴いた。
 じっとりとした嫌な汗がガンバルンドの背中を伝って落ちる。
「お、おい見ろ。太陽の中に……」
 空を見上げていた不滅隊の若い隊士のひとりが押し殺した声で言った。
 黒い太陽の中心にぽっと小さな炎が生まれたのだ。
 一瞬の後。その小さな炎は太陽を呑み込むほどまで膨れ上がった。


「ああ……。何か、来るぞ!」
 膨れ上がった炎のなかから小さな影がこちらに向かってやってくる。ぐんぐんと迫るにつれて、小さな影は巨大な怪物の姿へと変わっていった。
 視界いっぱいの空を紅蓮の炎が覆う。
 一気に気温が上昇する。
 熱風が吹きつけてきた。
 赤い風のなかを巨大な怪物が降りてくる。丸く開けた盆地の中央にそいつは両手と両足をついて着地した。地面がかすかに揺れるほどの衝撃だった。
 赤黒い身体は両手をついて背中を丸めていると、まるで巨大なトカゲのようにも見えた。
 頭の左右には、ねじれた巨大な角。口を開けると巨大な尖った歯がずらりと並んでいる。背後に太く長く伸びる尾がついていた。


 身体をゆっくりと起こした。二本の足で立ち上がれば、その背丈はガンバルンドたちの頭を遥かに超えて、見上げるほどの高さになった。
「焔神イフリート……」
 不滅隊軍曹の声は掠れていた。
「いててて……」
「お、お前ら話が違うぞ!!」
 声とともに、どさりと何かの投げ出される音が聞こえた。
 剣呑な蛮神から視線を外し、ガンバルンドは背後を盗み見る。
 縄で手足を縛られて転がされていたのは、共謀者のふたり──商人ウグストと不滅隊の裏切り者だった。
「おい! くそっ……! この縄を解きやがれ!」
 神降ろしを行ったアマルジャが、侮蔑を含んだ視線でウグストを見た。
「我らが秘策を露見させたるは貴様の失態なり! ゆえに貴様も魂を焼かれるべし!」
 冷たく言い放った。
(魂を、焼かれる……?)
 どういうことだろう。ガンバルンドは思い、その疑問はすぐに解かれた。
『愚かなる人の子よ……。我が聖火によりて、その魂を焼き鍛えん!』
 イフリートの声が頭のなかに響いてくる。圧倒的な威圧感を含んだその声に続いて、イフリートが大きく口を開けた。
「た、助けてくれぇ!」
 ウグストの悲鳴があがった。
 開いた口から、イフリートが蒼い炎を吐いた。長く広く伸びた炎の舌がガンバルンドたちを包み込む。
 不滅隊の隊士たちの悲鳴があがった。ガンバルンドにも炎の舌が伸びてきた。避けようにも、あたり一面を舐めつくすほどで逃げられない。身体をこわばらせて身構えたガンバルンドの全身に蒼い炎がまとわりついた。
 ──炎が!?
(熱く──ない!?)
 だが、ガンバルンド以外の人々には蒼き炎は効果を及ぼしているようだった。
 熱がってはいない。ふつうの炎とは明らかに異なっていた。決して皮膚を焦がすような、噂に聞くドラゴンの息吹に焼かれるようなものではない。肉の焦げるような匂いもしない。
 ただ、蒼き炎に包まれた人々の顔からは、それまでの怖れに満ちた表情は消えていた。
 人々はみな棒立ちになっていた。そのままゆっくりと両手を空へと、イフリートのほうへと伸ばした。
 そうして、ガンバルンド以外の人々の口から洩れた言葉は……、
「我らが御神……イフリート様……」
 目の前に立つ怪物への忠誠の言葉だった。
 ぞくりとガンバルンドの肌が粟立つ。
「お、おい……」
 呼びかけようとした声が掠れた。喉が渇いて舌がうまく動かない。
(なん……だ。これは……)
 商人ウグストも、裏切り者の隊士も、それどころかあれほど蛮神を忌み嫌っていた軍曹までもが、熱に浮かされたような瞳でイフリートを見上げて祈っていた。


 蛮神は己に忠誠を誓う言葉を聞きながら睥睨している。
「ぬう……奇々怪々……」
 アマルジャの唸るような声が聞こえた。振り返ると、神降ろしを行ったアマルジャがガンバルンドだけをひたと見据えている。
「なぜゆえ貴様の魂は焼き鍛えられ、《テンパード》にならぬ!?」
「《テンパード》……?」
 それが蛮神に仕える信徒の意味だと、ガンバルンドは後になって知った。
 イフリートの声がふたたび頭のなかに聞こえてくる。
『お主の魂からは、他の神の色が見えぬ……。さては、天使い殿の警告せしめし、神無き祝福か……』
 ガンバルンドにはイフリートの言葉の意味はわからなかった。ただひとつ、イフリートの言葉から感じ取ることができたのは──怒り。己の手の届かないところにある、力及ばぬものへの苛立ち混じりの怒りだった。
『なれば、禍根残さぬためにも始末してくれよう……』
 イフリートが空高く吠える。頭の左右に生えた角が赤く光った。
『さらば神知らぬ人の子よ!』
 鉤爪の生えた腕をまさにガンバルンドへと降り下ろした。
 ガンバルンドは横に跳んで、辛うじて最初の一撃をかわした。だが、武器のないガンバルンドにはかわすだけしかできない。 斧があれば──。
「まったあああ!」
 声とともに、イフリートの鼻先で魔法の風がはじけた。エアロ──幻術の魔法だ。
(間に合ったか!)
 振り返らなくともわかる。それはパステールの声だった。
 聞きなれた声とともに、3つの影が走り込んできた。
「ほら、これ!」
 シグレが押しつけるようにして渡してきたのは、ガンバルンドの斧だった。
「それを取り返してきたから、すこし時間がかかってしまったんです」
 ガンバルンドの脇に立ち、フ・ジンがいつものように槍を構えた。
 リンクパールの仲間たち──ガンバルンドの掛けた保険だ。
『徒に厄介なり……神に逆らう輩なりや……捨ておけぬ』
 苛立ちを増したイフリートの声が響いた。
 イフリートが前脚で地面を叩く!
 開けた空き地を丸く包み込むように、炎が走った。ガンバルンドは素早く左右に視線を走らせる。逃げ場は──ない! ぐるり、円を描くように立ち上った炎がガンバルンドと3人の仲間を閉じ込めていた。
「こいつと戦って勝たないと、この炎の檻から出られないってことか……」
 パステールが言った。
 期せずして、ガンバルンドは先ほどの軍曹と同じ言葉を発してしまう。
「巻き込んでしまって、すまない」
「なにを言ってやがる」
「そうそう」
 炎の輪のギリギリまで下がったパステールとシグレが言った。
「わたしたちは4人でビッグアックス団なんですから」
 ガンバルンドの傍らで槍を構えたフ・ジンが、それが答えだとばかりに、それでも大仰なチーム名に多少恥ずかしそうに言ったのだ。
「ああ」
 ガンバルンドも覚悟を決めた。神との戦いか──。
「そうだったな」
 だが勝たねばなるまい。
 イフリートが吠えた
 開かれた喉の奥がチカリとまたたく。ゴウ、という息吹の音とともに、炎の舌が長く伸びてガンバルンドとフ・ジンを襲った。パステールの護りの魔法が劫火の勢いを削いでくれたが、それでも息もできなくなるほど熱かった。
 慌ててガンバルンドとフ・ジンは左右に散った。
 それが戦いの合図になった。
『神に逆らうは愚かなり──滅ぶべし!』
 イフリートが前脚を地面へと叩きつける。地面に細かなヒビが走り、蜘蛛の巣のように広がっていった。割れたヒビを埋めるように、赤い熔岩が走る。
「避けろ! なんだかわからんが、ヤバいぞ!」
 パステールが叫んだ。
 ドン! 裂け目が爆ぜて、炎が熔岩とともに噴きだしてきた! 熱湯のように火花が降りかかってくる。パステールの声が無ければ、まともに喰らっていたにちがいない。
「草が……」
 足下の、わずかに生えていた草が、炎で焼かれて黒い炭となっていた。
 暑い。汗が噴き出していた。流れ落ちて目に入ってこようとする汗を、強引に顔を振って振り落した。斧を握る手にも汗がにじんでいる。
 間合いを計りつつ、踏み込んでガンバルンドは斧をイフリートへと叩きつける。
 イフリートの身体は、まるで鋼のように硬かった。
 それでも、遥か高みから振り落としてくる爪を避け、炎の息吹を何度も食らいながら、ガンバルンドは斧を叩きつけ続けた。
 グゥヲヲヲヲッ!
 イフリートがふたたび雄叫びをあげる。
『兵貴神速……「炎獄の楔」にて、この者へ裁きを!』
 ガンバルンドの視野の端に、巨大な赤い槍が現れた。
(なんだ? 槍……いや、あれは楔(くさび)か……?)
 地面に巨大な剣が突き刺さっているように見える。
 その赤い楔は炎を模した剣の形をしていて、高さはガンバルンドの背丈の倍はあった。
「あれは……なんだ!?」
 危険を押して、仲間に注意を促した。
 ガンバルンドは盾だ。敵から目を離すわけにはいかない。だから、声をあげた後はイフリートに視線を戻していた。そして気づく。ちらちらと、イフリートが視線を炎の楔に送っている。あれを出現させたのはやはり……。
「やべえぞ! 僕の知ってるかぎり、こんなでかい力を感じる呪具は見たことがねえ!」
 パステールが慌てたように叫ぶ。
 魔法の使い手たちは、魔力を魔法へと変換するために魔器を用いる。幻術士は幻具を、呪術士は呪具を、そして巴術士は魔道書を。高度な魔法ほど、そうなるものだ。だが、魔物や妖異の類いは、魔器を用いることなく、もっと直接的に魔法を用いることも少なくない。イフリートも、焔神の名に相応しく、いとも容易く火の元素を操って、大地を割り、火炎を噴きださせていたように見えた……。
 では、あの大きな楔が魔法の呪具だとするならば、それは何かよほど大がかりな魔法のためのものに違いない。
 たとえば、このあたり一帯をすべて炎の塊に変えてしまうような……。
「壊せ! あいつを狙うんだ、シグレ! フ・ジン!」
 パステールが叫んだ。
「りょ、りょーかい!」
 焦ったような声でシグレが応じる。
 フ・ジンのほうはイフリートをガンバルンドひとりに任せて大丈夫なのかと気になっているようだ。視線で「行け」と合図する。フ・ジンがわずかに顎を引いて頷いた。


 イフリートが楔を狙い始めたパステールたちを見やる。ガッと口を開き、今にも炎の息吹を吐きだそうとしていた。
「お前の相手は──俺だ!」
 ガンバルンドは猛然と前へと出ると、渾身の力を込めて斧を振る。
 圧伏(オーバーパワー)!
 叩きつけた斧は、エーテルの勢いを借りて高みにあるイフリートの顔をひっぱたいた。
 押し殺したような声でイフリートが唸る。ふたたびガンバルンドへと視線を戻した。炎の息吹がきた! 魔法の加護では防ぎきれず、肌が焼ける痛みがガンバルンドの全身を襲った。
「ぐっ……」
 思わず膝をついてしまう。
「ガー公!」
 パステールの声と同時に殺気を感じ、ガンバルンドは反射的に地面を転がっていた。たった今までガンバルンドの居た地面を、イフリートの巨大な足が踏みつけていた。
 あそこにいたら──死んでいた。
 ぞくりと背筋の凍るのを感じつつ、反動をつけて起き上がる。
 目の前にイフリートの太い脚があった。斧を叩きつけると、苦悶の叫びがあがった。
「よっしゃ、行け行け! 行ったれガン!」
 パステールがケアルとともに声を掛けてくる。それにしても、ついに名前も二文字まで略されてしまった。次はあれか、「ガ!」とか呼ばれるんだろうか……ガンバルンドの頭の中はおかげでかえって冷静になっていた。
 視野の端で、シグレの矢とフ・ジンの槍で、赤い楔が硬い音とともに、クリスタルが砕けるように欠片となって飛び散ったのが見えていた。
 焔神が怒りと憎しみに満ちた声で吠えた──だが。
 ガンバルンドには戦いの行方がもう見えている。
「この勝負、これで終わりだ!」
 ガンバルンドが斧を叩き込むと、間髪入れずに楔を壊して駆け込んできたフ・ジンの槍もイフリートの身体へと突き刺さった。降り注ぐ矢と魔法がとどめを刺す。
 切り裂かれたイフリートの身体から炎が噴き出したが、構わずにガンバルンドは最後の一撃を叩きつけた。
 倍する悲鳴をあげ。
 イフリートはゆっくりと地面に倒れ、そのまま炎となって燃え尽きるように消えた。
 エーテル界へと還ったのだ。
 ガンバルンドたちを囲っていた炎の檻が、ゆっくりと火勢を弱めて消えていった。

…………………………………………………………………………………………………………
●次回予告
 ついに蛮神イフリートを倒したガンバルンドたち。
 だが、蛮神問題のすべてが片付いたわけではない。
 砂の家に戻ったガンバルンドは、むしろこれが始まりなのだとミンフィリアから知らされるのだった。
※次回更新は6月9日(月)です。

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