スマートフォン解析 第27回 「サスタシャに挑む(後編)」 - コミニー[Cominy]

ガンバルンド
ザナラーンの端っこにある辺境の村出身。21歳。鼻を横切るように付いた傷と、それを強調するかのような青いペイントが特徴。傷の曰くが明かされるかは定かではない。でっかい武器、大好き!
中の人:はせがわみやび
コンピュータゲームからテーブルゲームまでゲームはなんでも大好き。ファンタジーを中心にゲームに関係した物語をおもに書いてます。無謀と弱気が同居するガンバルンドの中の人。
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2014年04月17日 11:50

第27回 「サスタシャに挑む(後編)」

  立ち塞がる手下たちを叩き伏せながら洞窟の最奥へと進むと、ようやく、探していた人物を見つけることができます。
 マディソン船長です。
 こいつを倒せば終わり……そう思って、剣を抜いて近づいていったのですが……。

「て、てめえら、近寄るんじゃねえ!」
 じりじりと迫るガンバルンドたちに向かって、抜いた剣を振り回しながら海賊団の首領らしき男がわめいた。
「もう、逃げられんぞ」
 後ろは海だ。ここまで追い詰めれば、今度こそは逃がさない。
 そう思ったのだが。
 結局、ガンバルンドたちは《海蛇の舌》の船長を捕まえることはできなかったのだ。
 聞き覚えのない不明瞭な、水のなかで立てた泡のような音が聞こえた。音のほうへと視線を走らせると、物陰から現れた怪物の口から洩れる音だった。
(なんだ、こいつは……!)
 その異様な姿にガンバルンドはぞくりと背筋を凍らせる。
 二本足で立ち上がった魚。
 そう形容するのが、おそらくもっとも近い。
 青黒い肌はテラテラと光る鱗に覆われていて、背中から頭頂にかけて鶏冠のようにも見える背びれが付いている。顔の両側には巨大なエラが生えていて、大きな牙をむき出した口からは、泡のようなつぶやきが絶えず漏れていた。
 魔物にしか見えない。だが、そいつは右手に巨大な槍を持っていたのだ。
「サハギン!」
 驚いたような叫び声はフ・ジンのものだ。
 ガンバルンドは、いつも穏やかで冷静な彼女が、心の底から驚いたような声を出すのを初めて耳にした。
「ふーん。あの噂はほんとだったんだ」
 パステールのほうはさほど驚いた声を出さなかった。
 ガンバルンドは、この洞窟に入る前にパステールが言った言葉を思い出した。


「実はこの近くの海でサハギン族と協力関係にある海賊団「海蛇の舌」に何やら怪しい動きが見られるって話があってね」

 確かにそんなことを言っていた。ということは、サハギン族と海賊団「海蛇の舌」が協力関係にあるという噂は本当だったわけだ。
 パステールはこんな事態も予期していたのだろう。だから驚いていない。
(しかし──これが、サハギン族か!)
 その名前だけはガンバルンドも知っていたが、まともに目にするのは初めてだ。
 サハギン族──海辺を住処とする蛮族のひとつで、リムサ・ロミンサの住民とは絶えず小競り合いを繰り返していると聞く。
「あ……《鯱牙
(こが)のデェン》の旦那……」
 怯えたような顔をして船長が近づいてくるサハギンを見た。相手が怒っているとわかったのだろう。
 そして、こればかりはパステールも予期できなかったことが起こった。
 大股で近づいてきた《鯱牙のデェン》と呼ばれたサハギンは、怒気を含めた鋭い叫び声をあげると、巨大な槍をさっと振り上げ、そのまま海賊団の船長へと振り下ろしたのだ。
 ぎゃあ、と悲鳴があがり、赤い血が迸って地面を濡らした。
 船長の目がくるっとひっくり返ったかと思うと、背中から倒れて動かなくなった。
 血塗られた槍をひとふりして穂先から血飛沫を飛ばし、《鯱牙のデェン》は首を捻ってガンバルンドたちを睨みつけてくる。
 泡のはじけるような音とともに、不明瞭な言葉をつぶやいた。
 パステールが肩をすくめながら言う。
「どうやら……海賊を倒してくれたお礼を言えば許してくれる……って、雰囲気じゃねえなぁ」
「これって、仲間割れってヤツ?」
 シグレの問いにフ・ジンが返す。
「わかりません。わかりませんが……ガンさん!」
 ガンさんはやめてくれ、などと言っている暇はない。なんで俺の名前は素直に呼んでもらえんのだ、と嘆く暇もだ。問答無用でサハギンは襲い掛かってきた。
 一気に前へと突き出してくるサハギンの槍を、ガンバルンドは盾を翳して受け止めるので精一杯だった。
 鋼同士がぶつかる高い音。薄闇のなかに散る火花が見えた。


「くそっ! いきなり戦うしかねえってのか! 礼儀知らずめ!」
「まあ、これが挨拶なのかもしれんし」
 パステールが素早く護りの魔法──プロテスを皆にかけてから言った。
「こんな挨拶があるかよ!」
「わかんないぜ。文化の違いってやつだな」
 軽口を叩きながらも、このときはまだガンバルンドたちは冷静に対処できていた。
 相手は、《鯱牙のデェン》だけだったし、槍使いは何度か相手にしたことがあったので、独特の間合いにも慣れていた。マディソン船長の口ぶりからも、このサハギンが、ひとつ上の立場のまとめ役のようなものらしいと見当がついていた。
 だが、後方から弓を射ていたシグレが裏返った声で叫んだのだ。
「ちょっとみんな! 釣り堀ンとこが、なんかヘン!」
(いやだから、それは釣り堀じゃねえだろ)
 そう思いながらも、視線を背後へと一瞬だけ走らせる。
(ヘンっって……何がだ? ──む!)
 四角い水面にぼこぼこと泡が立っていた。


(なんだ!?)
 ざばぁっと水しぶきが上がる。四角く切り取られた水面の端から、魚の形をした上半身が姿を見せる。屈強な腕で身体を持ち上げ、一気に外へと飛び出てきた。
 サハギンの戦士だ!
「くそっ、新手か!」
「おー、えらく、でっかい奴が釣れるんだね!」
 シグレの冗談もこうなると笑えない。本人は本気で言っているのかもしれないが。
 その間にも、ごぽごぽと水面の別の個所に泡が立ち始める。ガンバルンドはようやく理解した。あのプールはやはり海と繋がっているのだ。あれはサハギン族専用の洞窟への出入り口に違いない。
「上がらせんな! これ以上ふえたら、倒しきれねえってば!」
 パステールの叫びに応じて、シグレが泡立つ水面に向かって矢を叩き込む。浮かびあがろうとしていたサハギンが慌てて深くもぐりなおした。
「ガの字! おまえはこっちは気にするな! 僕たちがなんとかするから、そいつを足止めしててくれ!」
「お、おう!」
 言われて、ガンバルンドはそれ以上は怪しい水面に注意を向けるをやめる。
 それより、目の前のサハギンの相手だ。
 まずは閃光の技を一閃。相手の注意を自分に引きつけると、ガンバルンドは大きく踏み込んで剣を振るう。
 さっと横に跳んで避けられた。あざわらうような笑みを《鯱牙のデェン》が浮かべる。
 種族が異なっても、その笑みの意味は変わらないらしい。
(この野郎、見下してやがる……)
 だが、次の瞬間ににやりと笑みを浮かべたのはガンバルンドのほうだった。サハギンの避けた先に、フ・ジンの槍が突き出される。避けたと思った一瞬の隙をついて背後から繰り出された槍は、《鯱牙のデェン》の脇腹をえぐった。
 グアア、という悲鳴があがる。
 サハギンの瞳に怒りの色が増した。
 陽動──フェイントの技は槍使いの得意とするところだ。それなのに、自分がまんまと引っかかったのが悔しいのだろう。
「俺は、槍使いのような陽動の技は使えんが……槍使いと戦った経験があるのでな」
 だから、敵が繰り出してきた技も見切ることができたのだ。
《鯱牙のデェン》が口惜しそうな声をあげた。
(よし、いける!)
 そう思ったときだった。
 サハギン族とはこれが初めての戦いだったことを忘れていた。敵のすべての技を知っていたわけではなく、警戒していなければいけなかったのに。
 一瞬、目の前から相手の姿が掻き消えた。
(なに!?)
「ガーすけ! 上だ!」
 パステールの助言はわずかに間に合わない。
 一瞬で消えたと錯覚するほど跳びあがったサハギンの槍使いは、体重を槍の穂先に乗せて、勢いのままガンバルンドの真上から降ってきた。
 盾をすり抜けるようにして穂先がガンバルンドの肩を切り裂く。
「ぐ……うっ!」
 意識が飛びそうなほどの激痛に、喉の奥から声にならない声が迸った。
 必死に奥歯を噛んで痛みをこらえる。盾を掲げて、相手が繰り出す無数の突きを防ぐのでいっぱいになる。フ・ジンの槍が背中から《鯱牙のデェン》を切り裂いているのだが、信じられないほどのタフさで、サハギンの槍使いは全身を切り裂かれながらもガンバルンドへの攻撃をやめない。
 眩暈がして、視界がかすむ。
 もういちど目の前から相手の姿が消えたときは、無我夢中で地面に身体を投げ出して転がった。今度は避けられたが、辛うじてだ。相手の槍がガンバルンドの耳のすぐ脇をかすめて地面に刺さり、砂利を弾き飛ばした。
「や……ろう……。いいかげんに、しやがれ!」
 渾身の力を振り絞って立ち上がれば、間一髪で間に合った魔法の白い輝きがガンバルンドの全身を包みこんだ。パステールのケアルだ。
 癒しの魔法がガンバルンドの痛みを白い魔法の風とともに取り去った。
 ぎろりとこちらを睨みつける《鯱牙のデェン》。
 その瞳を真っ向から睨み返し、ガンバルンドは前へと足を踏み込ませる。
(俺が倒れたら、こいつの槍は仲間に向かうのだ)
 それだけは避けねばならない。
「おおおおおおおおお!」
 叫びながら突進し、身体をぶつけるような勢いで前へ。短い剣を相手のふところに向かって突き出す。《鯱牙のデェン》は、ガンバルンドの突進を身体をひねって避けようとした。
(逃がさん!)
 相手の動きにくらいついて、目の前に迫る脇腹をかすめるようにして切り裂く。
 ガンバルンドは、そのまま盾とともに自分の身体をぶつけた。
 絡みつかれるように突進されて、《鯱牙のデェン》は逃げることができない。動きを封じられたサハギンの身体に、フ・ジンの槍とシグレの矢が突き刺さった。
 甲高い悲鳴をあげて、《鯱牙のデェン》はついに倒れたのだった。


 戦いが終わったときには空は白み始めていて、潮の香りを乗せた海からの風がガンバルンドたちの頬を撫でて洞窟の中へと消えていった。

 サスタシャに挑んだ4人の冒険者たちの戦いは、こうしてひとまず幕を下ろしたのだった……。


……………………………………………………………………………………………
●次回予告
 サスタシャ浸食洞の探索任務を辛うじて達成したガンバルンド。
 だが、ガンバルンドは己の技の拙さをおおいに反省するのだった。
 リムサ・ロミンサに戻ったガンバルンドは、剣術の技だけでは足りないと思うようになった。そんなガンバルンドが選んだ、次なる道とは……?
※次回更新は4月21日(月)です。

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