スマートフォン解析 『ペルソナ5』改めて読むとゲームがいっそう味わい深くなる開発者インタビューまとめ。担当記者によるプレイ・インプレッション(開発者コメントつき)も! - コミニー[Cominy]
ファミ通のアトラス担当者。ゲームはもちろん、アニメやグッズなどにもイロイロ手を出して、家計はいつも火の車。アトラス関連の作品が続々出るのでうれしいなー!
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2016年09月15日 10:00

『ペルソナ5』改めて読むとゲームがいっそう味わい深くなる開発者インタビューまとめ。担当記者によるプレイ・インプレッション(開発者コメントつき)も!


 シリーズ最新作『ペルソナ5』がついに、本日発売!

 同日発売の週刊ファミ通では、こちらの記事で告知しました通り、本作の発売記念特集を大ボリュームでお届けしています。当ブログでは、本誌のバックナンバーでお届けしてきた開発者インタビューの全文公開へのリンク集と、担当記者による(開発者のコメントも交えつつの)プレイ・インプレッションを掲載。いずれも物語上のネタバレはなく、読めばゲームがさらに味わい深くなるはず! なので、ぜひご一読を。




【開発者インタビュー全文公開】

●新たに判明した仲間と、本作が帯びる“意味”について
※週刊ファミ通2016年5月26日号より

●主人公の仲間たちやストーリー展開について
※週刊ファミ通2015年10月8・15日合併号より

●主人公像と“シリーズらしさ”について
※週刊ファミ通2015年2月26日増刊号より


【プレイ・インプレッション】

※週刊ファミ通2016年8月11日号、9月1日号より

●街の描写に、主人公に感じる“自分と関係のある物語”

 自分が本作を遊び始めて、まず感心したのは、主人公が暮らすことになる“四軒茶屋”の光景。道を歩いていると、小汚いアスファルト、落書きや張り紙まみれの壁、無造作に置かれた自転車やゴミ箱などが目に入り、(単にグラフィックが美しいという意味ではなく)そこにリアリティーが感じられた。通学途中の乗り換え駅である渋谷の街も同様で、道行く人の話に耳を傾けてみると、他愛のない愚痴や世間話、将来への漠然とした不安などが聞こえてくるのもおもしろい。自分もよくそういうことを言ったり聞いたりしているわー(笑)。

 そして、都内の高校に転入して早々、教室や廊下を歩くと聞こえてくる周囲のヒソヒソ話に、これまたビックリ。主人公は以前、路上で男に言い寄られている女性を助けたところ、そのときに男が怪我をして訴えられ、前歴がついてしまったのだが、そんな背景があって転校してきた主人公に対する周囲の目が、思いのほか手きびしい……。プライバシーに関する噂を囁かれているうえに、噂の内容が事実よりもヒドい!

 こうした描写について、ディレクターの橋野桂氏はこう話す。

 「怪盗団を結成する主人公たちは、“それぞれが何らかの問題を抱えている”ことを既報でお伝えしましたが、主人公の居場所のなさは、皆さんが想像されていた以上かもしれません。現代の少年少女たちがどのような境遇に置かれ、どんな事件が起きたら、怪盗になって世直しするなどという突飛なことを実行するのか。本作がひとつのテーマとしている“ピカレスク・ロマン”(罪を犯す側に焦点を当てた物語)と、『ペルソナ』シリーズらしい“学園ジュブナイル”を組み合わせるにあたり、プレイヤーの方がごく自然に感情移入していただける展開を描くことに、今回強くこだわりました」。

 確かに、自分の実感としてゲーム開始早々から、解決のため“自発的”に動かずにはいられない状況(退学の危機とか!)が連続した。それはすなわち、先が気になってしかたがないというプレイのモチベーションに直結する。正直、この原稿もさっさと書き上げて続きを遊びたい。いわゆる巻き込まれ型ではなく、“首突っ込み型”とでも言うべき展開や、街で感じたリアリティーも相まって、自分に関係のある物語として序盤から引き込まれる。



●深みを感じるからこそ、もっと知りたくなる

 他者との協力関係を築く“コープ”も、序盤から楽しめる。『ペルソナ3』や『ペルソナ4』の“コミュ”も、日常において他者との絆を育んでいく要素だったが、本作のコープはよりいっそう、非日常の活動に大きく影響する仕組みだ。“バトンタッチ”など、バトルで重要になる数々のシステムが、コープの進行によって解禁されていくというのは驚いたが、仲の深まりによって怪盗団の連携がどんどん高度になっていく感覚は、まさに絆が実感できて心地よい。

 橋野氏いわく、「コープアビリティはどれもこれもオススメしたいくらい便利です。たとえば、東郷一二三の場合、彼女とのコープを進めると、潜入時やバトルの最中でも控えのメンバーと交替できるようになったり、一部の敵を除いて必ず逃走できるようになるコープアビリティも得られます。さながら、将棋の駒を動かしたり、投了して戦いを切り上げるようなものですね。ゲーム少年の織田信也と仲よくなれば、バトルで銃を扱うテクニックが高度になっていきますよ。このように、非日常をより楽しく、遊びやすくしつつ、日常との結びつきをさらに密接なものにする狙いを込めたのが、今回のコープです。従来のコミュと違い、相手を助けるためにペルソナ使いとしての力が必要になることもあるくらい密に絡みますので、どうぞお楽しみに」。



 そして、キャラクターデザイナーの副島成記氏は、コープを結ぶ相手について以下のように話してくれた。

 「コープは、利害が一致するという前提において関係が始まる側面があります。そのような相手をデザインするにあたっては、たとえばミリタリーショップの店長はこちらを値踏みしてくるような雰囲気を出したりと、どことなく“距離感”があることを意識しました。もちろん、交流を重ねれば利害を超えた関係にもなれるでしょうが、最初のうちはどこか、心の距離が感じられるかもしれません」。

 なるほど、言われてみると確かにそうだ。コープの相手に限らず、主人公自身や、ともに怪盗団を結成する仲間たちも、それぞれ事情は異なるが、自分の居場所をなくしていたり、何かしらの問題や過去を背負っていたりする。だからこそ、仲間と呼べる存在、協力し合える相手を得られたときの、居心地のよさも際立ってくる。個人的な身の上話になるが、“困ったときの友こそ真の友”という格言が身に染みる経験をした、己の学生時代を思い出してしまったものだから、本作の主人公への感情移入もひとしおである……。

 登場人物の描写に関しては、副島氏のイラストと、ゲーム中のCGがほぼ同じ頭身で表現されていることもあり、CGの細やかな仕草やポーズにそのキャラクターらしさがよく表れていると感じた。『ペルソナ3』や『ペルソナ4』のCGは頭身がデフォルメされていたため、彼らの表情などを好きなように脳内補完していたプレイヤーも多いだろう。さらに遡れば、ドット絵で世界が描かれていたファミコン時代のRPGも、自分の想像力を働かせながら楽しんだりしたものだった。しかし『ペルソナ5』で描かれるキャラクターは、まさしく“等身大”の彼らそのもの。この点について、副島氏はこう語る。

 「従来のようにデフォルメされたCGであれば、キャラクターが憤慨したときは地団駄を踏ませたり、喜んだときは大きくガッツポーズを取らせるなど、それがある種の“記号”となって、プレイヤーの方の想像に委ねる形にもなっていましたが、等身大のCGではそうもいきません。たとえば、高巻杏はゲーム内で机の上に腰掛けることもありますが、デフォルメされたCGならそれだけで“解放的なイメージ”になりますよね。しかし、等身大に描くのであれば、そこに女の子としてのたしなみも感じられてこそ、杏らしくなります。また、坂本竜司も、素行不良というイメージをそのまま記号的に伝えるのではなく、じつは根っからの不良ではないという雰囲気も感じてもらってこそ、等身大の竜司を描けると思いました。『ペルソナ』シリーズ初の試みとなったゆえの試行錯誤はありましたが、キャラクターの深みを表現できるようになったのは、とてもよかったですね」。

 個性豊かな相手とのコープや、たくさんの手段がある自分磨きなど、日常を彩る要素がとにかく充実している『ペルソナ5』。正直、やりたいことが多すぎて、何を優先するべきか迷ってしまう!

 そんな本作について橋野氏は、「ゲームを進めるほど、時間を費やす選択肢はどんどん増えていきます。迷うことがあれば、SNSで相手から誘われるままに行動してもいいですし、“みんなの行動記録”を参考にするのも手です。日々の過ごしかたに絶対の正解はありませんから、ぜひ皆さんのお好きなように楽しんでいただけたらうれしいです」と話してくれた。それでは遠慮なく、担任の先生に惹かれた僕は、彼女の素顔に迫ることを日々の優先事項とさせていただきますね!(笑)



●スタイリッシュに戦っているのは自分自身! という心地よさ

 本作のバトルは、いろいろな意味を込めて、とにかく“華麗”と形容したい。それは、怪盗らしいスタイリッシュな演出、アクションの数々だけを指すのではない。すばらしいと感じたのが、コマンド選択の操作性とデザイン(下の写真)。○、×、△、□などの各ボタンや方向キーにそれぞれ明確な役割が割り振られ、慣れるとスピーディーに状況判断→実行へと移せるので、じつにテンポがいい。なおかつ、そのおかげで“華麗”に立ち回る怪盗たちと自分(プレイヤー)がシンクロした心地になれる。今回のバトルの醍醐味は、ここに尽きるんじゃないかと。



 弱点を突くなどして敵勢をダウンさせ、すかさず怪盗団が取り囲んで“ホールドアップ”に持ち込む演出も、アウトローっぽくて痛快だ。こうして追い込んだ敵シャドウを“総攻撃”でボコボコにしてやるのもいいが、初めて出会った相手にはやはり“会話”を試みたくなる。意思疎通がうまくいけば、シャドウが自分(主人公)のペルソナになってくれるという仕組みは、『ペルソナ』シリーズでは久々の登場だ。その理由について、橋野氏はこのように話してくれた。

 「今回は、主人公とペルソナの関係が対等というよりも、ピカレスク・ヒーローらしく相手を追い詰めてから交渉するようなスタイルにしました。そして、“交渉”するならば、“会話”のシステムをぜひ復活させようと。会話のバリエーションが膨大なので作るのはたいへんでしたが、生誕20周年を迎えるシリーズの“決定版”にしたいという本作への思いもあり、作る価値は大いにあると判断しました。ペルソナのスキルに、“フレイ”や“サイ”(※注1)といった属性を久しぶりに取り入れたのも、決定版らしさを意識しつつ、いちばんの狙いは、敵の弱点を突くだけではない遊びを用意したかったからです。ぜひ、“テクニカル”な戦いを楽しんでほしいですね」。

 本作は、アシスト機能(※注2)もすごく便利で快適! なので、これまでのシリーズを遊んだことがない人も、すぐに華麗なテクニックを発揮できるようになるだろう。

 ※注1……フレイは“核熱”属性、サイは“念動”属性のスキル。炎上、凍結、感電中の相手に核熱属性、混乱や恐怖といった精神状態異常の敵に念動属性のスキルでさらに攻撃すると、“テクニカル”が発生して威力が増す。
 ※注2……アシスト機能は、バトル中にR1ボタンで実行。敵の中に、弱点が判明している相手がいれば、その弱点を突くスキルを自動的に選択してくれる。





●怪盗が挑むにふさわしい数々の舞台が待っている!

 非日常のおもな舞台となるパレスも、それを生じさせた悪党ごとに様相がだいぶ異なるうえ、想像していた以上にレベルデザイン(※注3)がなされており、難攻不落の場所にあの手この手で“潜入”を試みる怪盗らしさが存分に味わえる。主人公たちが挑むパレスは、お城、美術館、銀行などなど、言ってしまえば“ベタ”なくらい、いかにも怪盗の狙うオタカラがありそうな場所ばかり。だが、小説やマンガ、アニメなどとは異なり、プレイヤー自身が主人公となる“ゲーム”で、本作ほど本格的かつユニークな怪盗行為を働ける作品が、かつて存在しただろうか。“ベタ”だからこそプレイヤーが期待するおもしろさはもちろん、それだけにとどまらない『ペルソナ』シリーズならではのエッセンスなりギミックなりが盛り込まれているので、体験としては新鮮だ。

 橋野氏いわく、「最初に挑むパレスから、内部のギミックや発生するイベントなどをかなりこだわって作りました。同じパレスでも、潜入する場所が変わるとまた違った楽しさがありますし、潜入して奥へ進んでいる最中にもイベントが豊富に発生します。こうした作り込みを、最初から最後のパレスにいたるまで貫き通しました。むしろ、どんどん濃密になっていきますので、どうぞご期待ください」とのこと。確かに、自分のノウハウや仲間の数が増えるにつれて、挑み甲斐も増していくぜ!



 ところで、パレスの内部をモルガナといっしょに走っていると、モルガナの“コミカル”に走るさまについ目が行ってしまう。なんというか、じつに古典的でかわいらしいのだ。これがマンガなら、「ぴゅー」という擬音を添えたくなる。

 副島氏に聞いてみると、「それは別のスタッフのアイデアですが、まさしくマンガみたいですよね(笑)。本作は、非日常の舞台における世直し稼業の動機となるリアリティーを、現実の日常で描いています。その対比として、パレスでは非現実的な描写を織り交ぜている面がありますね。主人公たちが走った跡に水しぶきのようなものが生じるのも、パレス自体が主の認知によって“描かれた世界”であり、そこに主人公たち“異物”が接触することで、世界のありようが乱されているという描写になります」。

 なるほど。敵の懐に潜入し、かき乱し、ときには相手の認知すらも利用してオタカラをいただく。まさにピカレスク・ヒーローである。ついに発売日を迎えた本作、最初から最後まで堪能させていただこう!

 ※注3……“レベルデザイン”されている本作のパレスは、立ち入るごとに構造が変わる“自動生成”タイプではなく、固有の構造を持ったダンジョンがデザインされている。


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