スマートフォン解析 『真・女神転生IV FINAL』ネタバレ“あり”の開発者インタビューを読む前に! ネタバレ“なし”のイイ話を全文掲載【週刊ファミ通2016年2月10日発売号より】 - コミニー[Cominy]
ファミ通のアトラス担当者。ゲームはもちろん、アニメやグッズなどにもイロイロ手を出して、家計はいつも火の車。アトラス関連の作品が続々出るのでうれしいなー!
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2016年03月10日 00:00

『真・女神転生IV FINAL』ネタバレ“あり”の開発者インタビューを読む前に! ネタバレ“なし”のイイ話を全文掲載【週刊ファミ通2016年2月10日発売号より】


 『真・女神転生IV FINAL』(以下、『真4F』)と同日に発売された週刊ファミ通2016年2月25日号(2月10日発売)では、同作の開発者たちに“ネタバレなし”のお話しをうかがいました。そしてまもなく、“ネタバレあり”のバージョンも週刊ファミ通でお届けします! ということで、当ブログでは“ネタバレなし”のバージョンを全文掲載。


写真中央:プロデューサー・山井一千氏
写真左:キャラクターデザイナー・土居政之氏
写真右:サウンドコンポーザー・小塚良太氏


『メガテン』との出会いは
子どものころだった


──『真4F』発売、おめでとうございます。この最新作について聞く前に、まずは皆さんがどのようにして『メガテン』と出会い、惹かれ、作り手になったのか、それぞれのルーツをうかがってもよろしいでしょうか。

山井一千氏(以下、山井) はい。最初の出会いは、中学生時代にファミコンで遊んだ『女神転生』(注1)でした。当時、“恐怖新聞”や“口裂け女”などに代表される、1970年代から続いていたオカルトブームが大好きだった僕は、都市伝説や神話、悪魔の類にも当然のように興味を持ち、こういった要素が盛り込まれた稀有なゲームとして『女神転生』と出会ったんです。ファミコンなのにギターロックで攻めている感じがした音楽も、「このゲームはほかと違う」と強く感じたゆえんですね。

土居政之氏(以下、土居) 僕も、『女神転生』が最初の出会いでした。自分が暮らしている日常に近い現実味のある世界に、神や悪魔が現れるという退廃的な世界観に惹かれたんです。悪魔合体や仲魔システムといったゲームスタイルも、とても斬新で印象的でした。シリーズが『真・女神転生』へとタイトルを改めてからは、さらにその魅力に取りつかれて、関連書籍の悪魔事典なども貪るように読んで……とにかく、すごく好きでした(笑)。

小塚良太氏(以下、小塚) 僕は、スーパーファミコンで発売された『真・女神転生』第1作のころから、異彩を放つゲームとして知ってはいましたが、当時小学生だった僕には「まだ早い」と感じて(笑)、遊ぶのをしばらく保留していました。そのころは、いわゆる王道のファンタジー作品をいろいろと遊んでいたんですけれど、そんな中でふと手にした『デビルサマナー』(注2)を遊んでみたら、その尖った内容に衝撃を受けまして。そのつぎに遊んだ『ソウルハッカーズ』(注3)で、アトラスの作品にいよいよドハマリしました。

──そういう思いも募って、皆さんはアトラスへ入社したということでしょうか。

土居 作り手の末席に加わりたくて入社しました。将来、まさか自分が『メガテン』のキャラクターや悪魔を描くことになるとは、露ほども思っていませんでしたけれど。

小塚 僕も、『ソウルハッカーズ』との出会いが、アトラスを志望する最初のキッカケになりました。ニンテンドー3DS版のサウンド制作に携わったときは、とても感慨深かったです。

山井 みんな、いい出会いをしたね(笑)。僕もアトラスの作品はずっと好きで遊んでいたけれど、入社したいと思った直接の動機は、当時のゲーム雑誌などで登場していた、サングラスに黒い出で立ちの作り手たちに、ふつうの会社にはないパンクな精神を感じたこと。作品にしても社風にしても、“ほかと違う”ことに筋が通っている、その気骨に僕たちは惚れたと言えるのかもしれません。

※注1:正式タイトルは『デジタル・デビル物語 女神転生』。アトラスがゲーム開発を担当し、1987年にナムコ(当時)より発売された。
※注2:正式タイトルは『真・女神転生 デビルサマナー』。1995年に発売されたセガサターン用ソフトで、『デビルサマナー』シリーズの第1作。

※注3:正式タイトルは『デビルサマナー ソウルハッカーズ』。1997年にセガサターンで発売され、2012年にニンテンドー3DSでリメイク版が発売された。




いつにも増して刺激的な
“絆か、皆殺しか”のテーマ


──土居さんには、今号(2016年2月25日号)の表紙イラストを描き下ろしていただきました。『真4F』で、このような雰囲気のイラストを公開されるのは初めてですよね……!?

土居 はい。ファミ通さんの第1報(2015年10月22日号)で表紙用に描かせていただいたイラストや、本作のメインビジュアルなどでは、『真4F』が内包している“絆か、皆殺しか”というテーマも踏まえ、主人公の常人ならざる雰囲気を前面に出しました。それとは対照的な、ピースフルなイメージをお見せするのは、今号(2016年2月25日号)の表紙イラストが初めてです。既報でお伝えしてきたイメージとは別の側面もあることを知ってもらい、改めて本作に興味を持っていただけたらうれしいですね。

──“絆か、皆殺しか”という両極端なテーマに象徴される通り、『真4F』は、前作にあたる『真・女神転生Ⅳ』(以下、『真4』)の世界観を踏襲しながらも、待ち受ける展開は前作と一線を画していると感じました(注4)。

山井 『メガテン』はこれまでも、みんなといっしょにがんばるか、すべてを叩き壊すかはプレイヤー次第という選択の積み重ねと、それにともなう葛藤や背徳感を追求してきましたが、その性質を『真4F』ではいっそう強く打ち出しています。加えて、『真4』との対比で言うと、前作では“サムライ”と呼ばれる選ばれしエリートたちが、進むべき道を外れていくようなドラマだったのに対し、『真4F』の主人公たちは、何かしら未熟なところがある“素人”ばかり。主人公たちの平均年齢も下がり、それぞれが異なる立場と思いを持っています。彼らがどんな葛藤や危機を経ながら成長していくのか、はたまたプレイヤーの背徳感を誘う引き金になるのか……。ぜひ、ゲームの中で確かめてほしいです。

小塚 両極端な展開が待っているのなら、「俺はヤバいほうに行くぜ!」という姿勢でこれまでの『メガテン』を遊ばれてきた方も少なくないと思いますが、『真4F』で主人公が進みうる“皆殺し”の道は、本当にヤバいと思います。今回の主人公たちは若くて成長途上で、物語を進めるにつれて仲間に愛着が湧いてきましたから、いつもはヤバい道に進む方も、今回は悩まれるのではないかと……。

山井 そうかもしれない。今回もマルチストーリー・マルチエンディングの作品で、どの道に進むのが“正解”とはいっさい断じていないので、皆さんの思いのままに選択を重ねてほしいです。現実ではけっして味わえない、選べないような道も、思いっきり突き進んで楽しんでもらえたら本望ですね。周回プレイも『メガテン』定番のお楽しみですが、『真4F』はいつにも増して、それぞれの展開のギャップが際立つと思いますよ。

※注4:本誌2月4日号にて、『真4F』のプレイインプレッションを掲載。こちらの記事にて全文を公開中。





作り手が考える
『メガテン』らしさ


──『真4F』を作り上げた思いにも通じると思いますが、皆さんが考える“『メガテン』らしさ”とは、ズバリ何でしょうか。

山井 葛藤、背徳感など、欠かせないキーワードはいくつかありますが、それらを包括して言い表すなら、“尖った人生のシミュレーター”だと思っています。極限の状況に置かれた登場人物たちがさまざまな葛藤を見せる中、プレイヤーに対して“あなたはどうする?”と選択を求め、ふつうのゲームではまず見られないほど背徳的な選択肢も示し、プレイヤーの隠れた欲求なり大胆な度量なりを反映できるRPG。ファンタジーの世界でたとえるなら、王様から「ドラゴンを倒せ」と命じられて冒険し、世界を救って英雄になる道だけではなく、王様を倒して世界を作り変える道も選んでしまえるようなものですね。世の人々が求めるものは、時代によって移り変わって然りですから、それに合わせて『メガテン』も変わり、いまの時代に即した“尖った人生のシミュレーション”をお届けする。それが、『メガテン』らしさにつながるのではないかと思っています。

土居 ふだんとは違う自分になれるのがゲームという娯楽の醍醐味である中で、『メガテン』は第1作から一貫して、作品ごとに形は違えど、“リアリティー”が感じられる極限の状況を描いています。その内容は、“善悪”、そして“中庸”とさまざまですが、そんな世界の命運をみずからの手で決めてしまえたり、いっしょに戦う仲魔も自分の好きなように育てて編成できたりと、用意されたいくつかの道の中でとことん自由に遊べるのが『メガテン』らしい魅力かなと、僕は思います。

小塚 このシリーズは、根幹のテーマが他に類を見ないほど荘厳だったりオカルティックだったりしますが、悪魔と話してみたら意外とファンキーな口調だったり、音楽もあまりベッタリと宗教色を感じさせるものではなかったりと、そういう遊んですぐにわかる要素は、あえて敷居を低くしている面があると思います。ですが、そうやってプレイヤーが油断したところでエグい面が出てきたりして、そうした緩急のつけかたや、おもしろさが多段構造になっているところも特徴ではないかと思いますね。




キャラクターと音楽の
『真4F』らしさ


──キャラクターデザインの面で、『真4F』を作るときに意識したことはありますか?

土居 前作では、東のミカド国と東京の人々の、文明や生活環境の差にリアリティーを持たせるため、虚と実を使い分け、画風もリアル寄りのタッチで作画しました。それに対して『真4F』では、主人公たちの平均年齢が下がり、物語のおもな舞台も東京ということで、前作よりもポップに、子どもが子どもらしく見えるような頭身や画風を意識しています。また、属する派閥がおのおの明確なため、前作よりも“らしさ”を追求していますね。

山井 じつは、企画の初期段階では、主人公は前作よりもむしろ年齢の高い大人だったんです。当初からノゾミとナバールは登場させたいと考えていて(注5)、主人公が特別な悪魔と旅をするというのも早い段階で決まっていましたが、それ以外の内容は、完成したものとはまったく別物でした。先ほどの話とも関連しますが、いまの時代性を表すシミュレーターを作るのであれば、自己がほぼ完成している大人を主人公にするよりも、心のどこかに迷いや危うさを抱えている未完成な子どもを中心にするほうが、いまの時代の『メガテン』らしさを描けそうだと思うに至ったんです。

──『真4F』のパーティーは、ノゾミがいなかったら早々に崩壊するんじゃないかと思うくらい、当初のまとまりがないですよね。

土居 そうですね。『真4』のときのノゾミは、お茶目なお姉さんというイメージが強かったと思いますが、妖精の女王になったことで大きく成長したのでしょう。そんな頼り甲斐のある彼女ですが、手練れの人外ハンターと比べればまだまだ甘いところがありますし、彼女ですら危うくなる状況が訪れたら…… っと、そのあたりはぜひゲームでお確かめください(笑)。

──なるほど。“未完成な子ども”である主人公やアサヒについてもお聞かせください。

土居 このふたりは、子どもであることを強調するため、親からの愛情をデザインに込めました。アサヒの父親は、子どもに朝日を見せてあげたいという思いからその名前を付けています。アサヒのパイロット風の装備も、東京の上空が厚い岩盤に覆われている現状から、空を飛べるような未来に向かってほしいという願いを込めて、父親が選んだものです。子どもは、親から服を買い与えられるものですからね。アサヒの父親は、主人公の養父でもあり、“NO WAR”の文字がデザインされた主人公の服も、文字通り戦争のない世界を生きてほしいという大人の気持ちの表れです。

──なるほど、そんな背景が……。本作では新たな神と悪魔のデザインも土居さんが担当されていますが、それらに関しては?

土居 神や悪魔は、伝承される地域や時代、宗教的背景によって、その解釈や姿形がじつにさまざまです。ただそれらを参考にするだけでは、『メガテン』の悪魔としてコンセプトやオリジナリティーを感じさせることが難しい。ならば、世の中に数多ある伝承や文献が形作られたときもおそらくそうであったように、僕も“観測者”の視点をもって、自分なりに記述から連想できる、神と悪魔の本来の姿をデザインしようと思ったんです。

──既報で紹介したデザインはいずれも話題になりましたが、“ミロク”もそうでしたね。

土居 ミロクに関して、ご覧になった方々からの反響は承知しています。デザインするにあたっては、“弥勒菩薩”が時代によってどのように描かれてきたか、その変遷を入念に調べました。いろいろな姿のアイデアを出しましたが、多神連合の首魁ふたりと並べてみたときに、恰幅がいいほうがバランスが取れるんじゃないかと、山井さんからも提案されまして。中国では、弥勒菩薩がふくよかに描かれていた時期があり、弥勒菩薩が転じて布袋(注6)になったという伝承もありましたから、本作ではああいった姿にデザインしました。

※注5:『真4』で、ノゾミは物語本編に直接関係しない、チャレンジクエストの中で登場していた。
※注6:布袋は、中国の唐王朝で実在したとされる仏僧。弥勒菩薩の化身とする信仰も106 あり、日本では七福神の一柱として知られている。




──音楽の面では、いかがでしょうか。

小塚 僕は、『真4』で初めて『メガテン』に参加したということもあり、シリーズらしさに関わる“やっていいこと”と“やってはいけないこと”を、自分の中できびしめに設定していました。音楽のジャンル自体はシーンに合っていれば何でもありとしつつ、音色やフレーズの雰囲気を、僕なりにかなり気を遣いましたね。たとえば、バトルのBGMには、当然ながら燃える要素が不可欠なんですけれど、熱血すぎると『メガテン』らしくなくなるので、ある程度の無表情さやドライなところも出さないといけない。音色もふつうに演奏するだけではなく、少し屈折した感じも出しています。前作の世界観を踏襲している『真4F』においても、基本的にはこのスタンスで臨みましたが、若い主人公たちを表現したり、新たな勢力が現れるシーンなどでは、新しいカラーを乗せるようにしました。

──新しいカラーとは、具体的には?

小塚 主人公たちに関して言えば、たとえば錦糸町の地下街やラージマップなどのBGMでは、右も左もわからないけれど前に進もうとする、若さが感じられる要素を入れています。本作で初登場する多神連合については、従来のシリーズにおける“ロウ”や“カオス”とは異質の道へと主人公たちを誘う存在なので、まさに「何だ、こいつらは」という未知の恐ろしさを表現したいと思いました。多神連合はさまざまな宗教の集まりでもあるので、逆に特定の宗教色を感じさせないようにしつつ、どことなく神々しいスパイスも加えています。

──今回、難産だった曲はありますか?

山井 邪教の館の新しいBGMは、完成したのが最後のほうだったよね。『メガテン』を代表する悪魔合体の曲だから、コンポーザーにとっては毎回プレッシャーがあるのかもしれない。

小塚 そうですね。本作で、邪教の館のBGMを新たに追加することになったのですが、いったん悩むとハマり込みそうというのは自覚していたので、逆に意識しすぎないようにしました(笑)。けっこう最初のほうにバーッと作って、最後に整えることをしましたね。

山井 小塚君は、まずテストプレイをして、シーンに合わせてどんどん曲を作ってくれるから、苦労もあっただろうけど、ありがたかったです。新曲を気に入ってもらえたら、オリジナルサウンドトラックもぜひお買い求めいただきたいですね。

──おっ、ここで耳寄りなお知らせが(笑)。

山井 はい(笑)。最後にもうひと押しをさせていただきますと、世界観やキャラクター、音楽など、本作の何かしらに興味を持っていただけたら、ぜひ遊んでほしいと思います。前作を未プレイでもまったく問題ありませんし、プレイした後、皆さんの心にきっと何かが残る作品を目指しました。この機会にぜひ、この“ヤバい物語”をお楽しみください。



▲“ネタバレあり”の開発者インタビューは、週刊ファミ通2016年3月10日発売号でドウゾ!

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