あの国民的J-RPGシリーズを開発するオルカを訪問【ファミキャリ!会社探訪(25)】

2015/05/28 更新
あの国民的J-RPGシリーズを開発するオルカを訪問【ファミキャリ!会社探訪(25)】

“ファミキャリ!会社探訪”第25回はオルカ!

 オルカは2011年に設立された新しい会社ながら、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)やセガ(現セガゲームス)といった多くのゲームメーカーで活躍したクリエイターが在籍している実力派。今回は、会社設立にも携わった取締役の古林雅俊氏と、担当プロジェクトで日々忙しく奔走しているプロデューサーの高橋徹氏に話を聞いた。

古林 雅俊氏
オルカ 取締役
高橋 徹氏
オルカ プロデューサー

気心の知れたクリエイターが揃う実力派集団

――まず、おふたりの経歴から簡単に教えてください。
古林雅俊氏(以下、古林) 私はナムコからゲーム業界に入りました。入ってからは、初代プレイステーションなど、当時の次世代機用ゲームの開発に携わることになりました。正式に開発参加したのは『リッジレーサー レボリューション』からですが、ゲーム業界に入ってからは約22年になりますね。
 その後、弊社代表の岩崎(★山へんに立+可)(拓矢氏)が当時在籍していたキャビアにお世話になることになりました。キャビアには、ナムコ時代の仲間もたくさんいました。キャビアではプログラマーとして、スクウェア・エニックスさんの『ドラッグ オン ドラグーン1・2』や『ニーア レプリカント』、『ニーア ゲシュタルト』などを作らせていただきましたが、その縁もあってスクウェア・エニックスさんとは現在でもお付き合いが続いています。それからAQインタラクティブ(現マーベラス)を経て、2011年に岩崎とこの会社を作ることになりました。スクウェア・エニックスさんとずっとお仕事をさせていただいたということもあり、オルカに『ドラゴンクエストX オンライン』(以下、『DQX』)を手伝ってほしいというお話をいただきました。

――古林さんは取締役という肩書ですが、実際にはどういった業務を?
古林 取締役なので、実作業をすることもないかとも思ったのですが、ふつうにプログラム仕事をしています(笑)。加えて、直接実作業ができないプロジェクトのスケジュールや人員調整もしています。

――会社は移り変わっていますが、スタッフは気心の知れた方々といっしょにお仕事をされているようですね。
古林 そうですね。弊社にいるスタッフの多くは、いままでいっしょに仕事をしてきたことがある気心が知れた人が集まった形ですかね。

――高橋さんはどういった経緯なのですか?
高橋徹氏(以下、高橋) もともとはCGの仕事をしていました。CG会社とゲームメーカーが近しい関係だった時期で、ゲームにもCGを多用しました。当時勤めていたCG会社がカプコンさんから受託の仕事をして、『バイオハザード:コードベロニカ』や『ディノクライシス2』の映像をやらせていただいたこともあり、そのまま大阪のカプコンに入ることになりました。それがゲーム業界に入ったきっかけですね。

――古林さんとは正反対のような事例ですね。
高橋 そうです。たまたまゲーム業界に入れました(笑)。カプコンでは『鬼武者2』の開発にデザイナーとして関わった後、デザイナーとプランナーの両方をこなすようになりました。ただ、もう少し制作寄りの仕事をやってみたいという思いが強くなって、プロジェクトが終了した時に転職する決意をしました。CG会社時代の知人が岩崎と知り合いで、岩崎が制作業務に興味のある人を探しているということで会うことになり、そのままキャビアに入ることになりました。ちなみに古林は、キャビアで開発部長をしており、すでに偉い人でしたよ(笑)。キャビアでは『バイオハザード:アンブレラクロニクル』や、AQインタラクティブでリリースしたXbox 360タイトルの『バレットウィッチ』のプロデューサーなどを担当しました。その後、家庭用ゲーム以外のゲームの仕事にも興味が出てきて、ネットワークを介したクラウドゲームサービスを展開する会社やソーシャルゲームの会社にいたこともありました。それからしばらくして、オルカの新プロジェクトでプロデューサーができる人を探しているという相談を岩崎から受け、去年の11月にオルカに入ることになりました。コアなスタッフは、キャビア時代から知っているメンバーなので、まったく知らない会社に入るよりは、仕事がしやすい環境です。

――なるほど。では、オルカ設立までの経緯や、会社としての目標を教えてください。
古林 AQインタラクティブ時代は、開発を直接担当するわけではなく、どちらかというとサポートがメインになっていきました。会社規模が大きくなったがゆえに、なかなか自分たちのやりたい仕事を、いっしょにやりたいスタッフと仕事をするわけにはいかなくなってきたわけです。
高橋 AQインタラクティブは、もともとひとつの会社ではなく、いろいろな会社がひとつになってできた会社でしたから、仕事の形もいろいろと変わっていった時期だったと思います。
古林 そんななか、もう一度自分たちでやりたいようにできるような会社が作れないか考えていた時に、信頼できるプログラマーがいい感じで集められそうなそうなのと、プログラマーを必要とする仕事を受けられる予感があって、「これはちょうどいいタイミングではないか」と考え、会社を作りました。ですから、いい人材がいるオルカさんにまかせれば安心と言われるような会社になれればいいと思っています。

――オルカ設立時には、家庭用ゲーム機以外のスマートフォン向けゲームなども視野に入れていたのですか?
古林 最初から考えていました。スマホのスペックもどんどんと上がっていきますし、当時からスマホ用ゲームの売上も右肩上がりでしたから。また関連会社には、岩崎が代表を務めているイルカというCGを得意とする映像制作会社がありますし、連携できれば少なくとも前の会社と同規模のタイトルは作れるし、会社を続けることもできるだろうし、自分たちのやりたいこともできるだろうと考えました。
高橋 私はイルカの立ち上げに関わったのですが、岩崎には、今後ゲームの作りかたが変わっていきそうだという考えがあったのを覚えています。規模の大きな会社だと、昨今の動きの激しいゲーム業界の“波”についていけないのではないか、と。プログラムやプランニングなど、ゲームの基幹となる部分に強いオルカ、デザインやCGムービーが得意なイルカ等、ほかにもいくつかゲーム開発に携われる関連会社があるのですが、そうやって営業窓口を広げることでさらに仕事の幅が広がります。それぞれ得意な分野に特化した会社を立ち上げるということで、ゲームやエンターテインメント業界で活躍できるのだと思います。

――2社による連携はかなりあるわけですね?
古林 オルカとイルカは設立したタイミングが、ほぼ同時期になります。
高橋 オルカはスクウェア・エニックスさんの『DQX』などで実績を残してきました。一方、イルカはCG業界の中では大手として数えていいくらいにまで成長しています。それぞれ知名度も上がってきて、ようやくいっしょに仕事ができるようになりました。


新しい血と文化を入れて、さらなる成長を

――設立して5年目ですが、振り返ってどうでしたか?
古林 設立当初は、なかなか仕事を受注することができませんでしたね(笑)。その後、配信中の『ドラゴンクエストX 冒険者のおでかけ超便利ツール』の手伝いをすることになりました。このツールは、当初はスクウェア・エニックスさんの内部で作っていたのですが、弊社にお声掛けいただきまして、なんとかいいものを作ることができました。そこはスクウェア・エニックスさんには、本当に感謝しています。
高橋 いちばん大きかったのは、『DQX』を作っているときに、スクウェア・エニックスさん側が、オルカのプログラマーなど、スタッフのことを非常に信頼してくださったことです。また、『ドラゴンクエストX 冒険者のおでかけ超便利ツール』は『DQX』の仕様がわからないと作れないほど複雑で、他社さんが作るのは難しかったと思います。それまで緊密にやらせてきていただいてきたおかげで、オルカのプログラマーは内部仕様も理解していましたし、そうした事情もあり、作らせていただいています。いまは、アプリでできることが本当に増えましたからね。
 このアプリを作った2年前くらい前、そのころは「『DQX』のユーザーさんが、外でも何かしら遊んでもらうことができれば」程度の考えだったのですが、実際に配信すると、多くのユーザーさんに楽しんでくれました。そこで、最初はシンプルな作りだったものを、さまざまなアイデアを入れることで、いまでは単体のアプリとしては十分な機能にまで充実させました。そのおかげでもありますが、スクウェア・エニックスさんとさらに密にお仕事をやらせていただけましたから、より近しい関係になれました。

――おふたりの現在の具体的な業務を教えてください。
古林 メインの仕事としては『DQX』の業務に携わっています。先ほどの『ドラゴンクエストX 冒険者のおでかけ超便利ツール』もそうですね。
高橋 私は、『ドラゴンクエスト』シリーズのプロジェクトの制作業務を担当しています。今回は、現在担当しているプロジェクトに向け、新たにプランナーを募集することになりました。オルカのスタッフはプログラマーが約7割を占めているので、なかなか1本のソフトを内部で作ることは難しいのです。この機会に、プランナーやデザイナーといったスタッフを募集し、会社を強化することになりました。大絶賛募集中です(笑)。
古林 いまのプロジェクトは立ち上がったばかりの状態ですので、とくにプランナーの力が必要です。このプロジェクトをおもしろそうだなと思わせるために、プランナーのプレゼン能力や発想などが欲しいですね。
高橋 私も古林も40歳を超えていますし、オルカのスタッフの年齢層はやや高めです。中心メンバーはゲーム業界の経験が長いですし、30代後半から40代が多くなっています。そうした経験からくるゲームの作りかたもあれば、逆に20代の若いクリエイターは全然違ったゲームの捉えかたをしていると思います。そういったセンスは、世代間ギャップと言いますか、自分たちにはわからない部分がありますよね。そうした若いクリエイターたちに、活躍の場を用意することができると思います。現役バリバリで安定した仕事ができるプランナーの方はもちろんのこと、我々オルカという会社が今後成長していくために、より柔軟な発想を持ったプランナーの方に加わっていただき、現在とは違うゲームの作りかたやアイデアで力を発揮していただけるとうれしいです。

――社内の雰囲気はどのような感じでしょうか? また、クリエイターやスタッフにはどのような特徴がありますか?
高橋 プログラマーが多いので、寡黙というか、職人気質で集中して仕事をしています。クオリティーも高く、仕事も早いので、クライアントさんからも信頼されています。また、弊社にはもうひとつ東新宿スタジオがあるのですが、そこには協力会社の方々も数多く来ていただいていますので、いろいろな経験やカルチャーを持った人がいて、文字通り“ゲーム業界のるつぼ”状態です(笑)。和気あいあいとした雰囲気ですし、スキルの高いスタッフが多いので、ノウハウを吸収したり、仕事もしやすいと思います。
古林 どんな形にせよ、「ゲームを作ってきた人たちが多いなぁ」と(笑)。いろいろな経験をしてきた人たちばかりで、話をすると「あ、●●を作ったんですか!」という人たちが多いです。ゲーム業界は狭いなと思いますね。
高橋 「え!? そのゲーム、遊んでいましたよ!」ということもありますね。
古林 もともとの“文化”が違う人たちが集まってきたということもありますが、このプロジェクトで、さらにいろいろな“文化”の人たちが集まってきています。

――“文化”が違うことで、それぞれがバラバラの方向を向くといったことはないのですか?
高橋 バラバラではあるのですが、お互いを吸収しようという意識があるので、固執せずに柔軟に対応していると思います。
古林 ずっと現場でゲームを作っていたい人が多いですね。ゲームエンジンやミドルウェアについても、現在主流となっているソフトを使う必要があるなら、それまでの経験ばかりにとらわれず、柔軟に受け入れています。ゲームを作っているのが楽しいという人たちばかりなので、前向きな考えの人が多いですね。それから、偉そうな人がいません!(笑)
高橋 確かに。この人の言うことは絶対に聞かなければいけない、ということはないですね。

――いい意味で、マイペースで仕事ができそうな環境ですね。
高橋 ものが言えないようなことはありません。おもしろいものやいいものができるのであれば、キャリアも関係ありません。誰に気兼ねすることなく、フラットに仕事ができると思います。
古林 ただ、それなりのキャリアを持った人たちなので、いいアイデアやおもしろいことは認めてくれますが、効率の悪いことや間違ったことは指摘されるでしょうね。そういう意味での衝突はあるかもしれません。

――いま、御社で開発を担当しているという『ドラゴンクエスト』シリーズですが、どういった状態なのですか?
高橋 現在進行しているプロジェクトはまだこれからですから、ゲームのベースとなる部分を作っていて、これからさまざまな要素を作り上げていく段階です。それには、やはりアイデアを生んでくれるスタッフが必要ですから、今回、新たに企画に参画してもらえるプランナーを募集することになりました。入っていただくタイミングとしては、少し遅いと感じるかもしれませんが、まだまだ足りないので、ほかの職種の方もどんどん増やしていきます。
古林 まだまだやり甲斐のあるパートがたくさんあります。逆に言うと、そこはこれから入っていただくプランナー次第という部分も大きいですから、そこで自分の力を試してみたいという方には、ぜひご応募いただきたいと思っています。

――会社設立から5年が経ちますが、このタイミングで一気に会社の規模が大きくなるわけですね?
高橋 そうですね。ある程度大きくして会社の体力もつけて、これまでのノウハウを残しながら作っていくことが大事だと思います。また、このプロジェクトは、最近のゲーム用ゲームでは珍しく、比較的長期間のプロジェクトになると思います。そういう意味では、柔軟なアイデアを持った方々にも、新しい経験を積んでいただけるのではないかと思います。

――今回募集するのはプランナーとのことですが、希望する人材を教えてください。
古林 自分で作りたいものをしっかりと持っている人。おもしろいアイデアがあれば、それを実現できる人材は揃っています。それからくじけない人(笑)。経験を積んだスタッフをうまく使うためには、強い意志があり、心配りができればいいですね。ベテランのスタッフに使われるのではなく、自分の企画を実現するために、強い意志を持ってプロジェクトを動かしたいと思っている人のほうがいいですね。
高橋 自分から動いて、発案ができ、そのアイデアを他人に通していける人じゃないと、ただデータを打つだけのような、単純作業しかできないでしょうね。逆に言うと、そういう人はいまのオルカには必要ありません。そうならないためには、きちんと自分で考えて、実践できないといけません。先ほど“くじけない”という話が出ましたが、それは、言われたことに対してなぜそう言われたのか、どうすればよくなるのかという、つぎの発想に向かえるかが重要です。ダメだったからシュンと落ち込むのではなく、どうやったら認めてもらえるかということをつねに考え、進化していくタイプの人じゃないと難しいと思います。いますぐになんでもできるスーパー・プランナーを求めているわけではなくて、将来的にディレクターとして成長していく資質を持っている人に来てほしいですね。
 それから、現在のオルカが開発しているタイトルは基本的にRPGが多いので、できればRPGに詳しい人がいいですね。アクションゲームや格闘ゲームが好きな方でもいいのですが、RPGが好きで詳しければ、会社に入ってもすぐに対応できると思います。

――採用する際、能力はもちろんですが、年齢も参考にするのですか?
高橋 年齢は不問です。できれば、2、3年の経験があるほうが理想的ではありますが、年齢だけで判断することはありませんのでご安心ください。
古林 「プランナーとしてスキルアップしていきたい」というモチベーションの高い人に来てほしいですね。

――おふたりは転職を経験されて現在に至るわけですが、転職を考えているクリエイターにアドバイスがあればお願いします。
古林 転職するにあたっては、在籍している会社になるべく迷惑をかけないようにしたほうがいいとは思います。ゲーム業界は狭いですし、どこでまたいっしょに仕事をするか、わからないですしね(笑)。昔と違って、いまなら経験を積んでからもとの会社に戻ることもできます。完全内製でゲームを作っている会社はほとんどないでしょうから、いろいろな仕事でいろいろな人と繋がっています。自分のキャリアとスキルアップのために転職をするなら、問題ないと思います。現状の仕事に対する不満で転職するよりは、自分の将来に対するプランがあり、その実現のために転職をしたほうがいいのなら、決断したほうがいいと思います。なぜ転職するのかきちんと説明できたほうがいいですね。ただ、フットワークが軽すぎると、「嫌になったらすぐに辞めてしまうのではないか?」と思われるかもしれませんが(笑)。
高橋 立場上、いろいろな方とお会いしたり、採用面接でお話することがあるのですが、最近いちばん感じるのは、自分の将来像があいまいな方が多いことです。結局我々の仕事というのは、サッカーや野球選手のようなアスリート系に近くて、本当にゲーム業界でずっと働き続けられる人は、じつはそれほど多くないんですよ。そういった状況の中で、自分がなりたい将来像に近づける手段として、いまの職場で仕事を続けるほうがいいのか、転職したほうがいいのかを選択すればいいと思います。今後どうしようと考える分岐点が必ずあるはずです。僕たちの業界はものを作っていくクリエイティブな業界ですから、自分の使える引き出しを有限と思うか、無限と思うかでもずいぶん違うが出ると思います。シビアな業界ですから、転職するなら、自分のやりたいことをきちんと見据えてほしいと思いますし、上手に成長していってほしいと思います。ほかの業界よりは、転職するチャンスが多い業界だと思いますよ。
古林 昔は「プログラマーは30歳まで」などと言われていましたが、意外と働けるものですね(笑)。

オルカってどんな会社?

 2011年に、ナムコやキャビアなどで活躍した岩崎拓矢氏らを中心に設立されたオルカ。さまざまなゲームメーカーを経た、多くの実力派クリエイターが在籍している。事業拡大にともない、2014年7月に、新たに東新宿スタジオをイルカとともに新設した。現在は、『ドラゴンクエストX オンライン』の開発協力や同作の対応アプリの開発も行っている。
 社名の“オルカ”はシャチの生物学名であり、情報社会の海を仲間とコンタクトを取りながら、群れとなって猛スピードで泳ぐ姿をイメージ。また“鯱鉾(しゃちほこ)”にちなんで、プロジェクトが順調に進むための守り神になりたいという願いも込められている。
<会社概要>
株式会社オルカ
●代表取締役:岩崎 拓矢 ●設立年月日:2011年4月1日
●従業員数:60名(2015年5月1日時点)
●事業内容:ゲームソフト開発、CGテクニカルサポート業務



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