SUPER STEET FIGHTER W

スーパーストリートファイターWアーケードエディション

AP綾野氏が調整版

  • ——アメリカのラスベガスで開催された世界最大規模の格闘ゲーム大会"EVO 2011 in Las Vegas"はご覧になられましたか?
  • 綾野  ものすごく盛り上がっていましたね。決勝トーナメント進出者の使用キャラクターは、もう少しユンが残るかと思いましたが、ある程度予想通りでした。大本命のユン、ヤン、フェイロンが残り、そして爆発力のあるヴァイパー、ダークホースのセスと、見ていておもしろかったですね。『スパIV AE』として、ひとつの区切りがついたのではないかと思います。
  • ——EVOが終わってから本格的に調整版『スパIV AE Ver.2012』の作業がスタートしたのでしょうか?
  • 綾野  そうですね。それ以前にも技術的な研究は行っていましたが、実際に変更点を挙げて調整を始めたのは制作発表後になります。まずは、ユン、ヤン、フェイロンといった強いと言われているキャラクターを調整するのか、もしくはほかのキャラクターの底上げを行うことでバランスを取るのか、といった調整の方針を決定するところから始めました。
  • ——開発側もユン、ヤン、フェイロンは強くし過ぎたという認識なのでしょうか?
  • 綾野  ユンとヤンについてはせっかくの新キャラクターなので、なるべく多くの人に使ってほしいという思いがありました。そのため、弱くならないように意識はしました。その部分と、トッププレイヤーのやり込み、さらにインターネットを利用した攻略の速度が相乗的に重なり合い、急激に上位キャラクターに食い込んできたのは予想外でした。
  • ——なるほど。そういった部分を踏まえたうえでの調整方針は、どのような形にまとまったのでしょうか?
  • 綾野  基本的には、どのキャラクターも強化する"アッパー調整"を意識しています。ただ、キャラクターどうしの相性によって有利不利が生じるところは『ストIV』シリーズの特徴だと思いますので、その要素は残しつつバランスを取っていこうと考えています。わざと自分の相性のいいキャラクターに対戦を挑む"キャラクターのかぶせ合い"も遊びのひとつだと思いますから。
  • ——具体的には、どういった部分が強化されているのでしょうか?
  • 綾野  ちょっとマニアックになってしまいますが、たとえばいぶき。梵鐘蹴り(レバー前入れ強キック)が姿勢の低い相手にもしっかり当たるように攻撃判定を調整したり、ウルトラコンボIIの破心衝が空中ヒットした際に1ヒットしかしなかったのを修正するなど、非常に細かい部分まで調整しています。
  • ——なるほど、ゲームをやり込んでいる人ほどうれしくなる変更ですね。ちなみに、『スパIV AE』では対飛び道具用の技が強化されて、飛び道具が撃ちにくい傾向にあったと思うのですが、これについてはどのように考えていらっしゃいますか?
  • 綾野  たしかに、『スパIV AE』では飛び道具が撃ちづらくなってしまいましたね。そこは改善しようと考えていますよ。飛び道具をすり抜けて攻撃できる技を弱くするのではなく、飛び道具を持っている側の強化を図ろうと思います。
  • ——具体的には、どういった調整が施されるのでしょうか?
  • 綾野  飛び道具のリスクを減らし、キャラクターによってはリターンを取りやすくしてあります。たとえば、リュウの波動拳はEX版に限り、カウンターヒット時にどの技でも追い討ちが行えるように変更し、コンボを継続できるようにしました。また、飛び道具を撃ったときのモーション中に攻撃を受けても"カウンター判定"にはならないように調整したキャラクターもいます。
  • ——そういった部分でもアッパー調整を意識しているんですね。それでは、ふたつあるウルトラコンボについてですが、どちらかひとつしか使う必要のないキャラクターも多かったと思います。こういった傾向についても改善されるのでしょうか?
  • 綾野  はい。改善します。ウルトラコンボはせっかく2種類から選べるのに、セレクトする意味がないとつまらないですからね。たとえば、リュウの場合は、滅・昇龍拳の攻撃判定を拡大し、対空技としての強化をしてあります。また、剛拳は、電刃波動拳をセレクトする機会がほとんどなかったので、"レバガチャ"することで弾速が上がるようにし、使いどころが増えるようにしました。もちろん、それ以外のキャラクターもあまり使われていなかったウルトラコンボについては意識的に強化してあります。
  • ——アッパー調整ということで、戦略の幅が広がっているキャラクターも多そうですね。
  • 綾野  はい。戦力の幅が広がる分には、プレイヤーのモチベーションも上がると思いますので。下方修正すると、どうしても使えなくなるテクニックが出てきてしまいますので、それだけは極力避けるように心がけました。ただ、ユン、ヤン、フェイロンに関しては、技を出した後の硬直時間などを調整してあるので、もしかしたらできなくなってしまうテクニックもあるかもしれません。しかし、もしそれがあったとしても、致命的ではないだろうというところに落とし込んでいるつもりです。ただ、不安は残っているので、違和感があるようでしたらすぐにロケテスト用アンケートや公式ブログで教えてください。
  • ——なるほど。それでは、調整にもっとも苦労しているキャラクターは誰ですか?
  • 綾野  う〜ん、やっぱりユンとヤン、フェイロンですね。今回はアッパー調整を行うといっているのに、ユンとヤンだけ弱すぎるじゃないか、と言われてしまってもよくないですし。とくにユンとヤンについては、調整内容の検討にもっとも多くの時間を割いていますからね。おそらく調整内容もいちばん多くなると思いますよ。
  • ——とくに強いと言われていたユンは、どのような調整が施されたのでしょうか?
  • 綾野  さきほども言いましたが、技を出したあとの硬直時間を調整したり、大きいところでは"EX前方転身"の投げに対する無敵を削除しています。
  • ——それは大きな変更ですね。前方転身を決めた後のコンボにダメージ補正がかかるといったことはないのでしょうか?
  • 綾野  それはありません。コンボを決める爽快感が味わえるというのがユンのキャラクターコンセプトですから、そういった部分はいじっていません。ただ、これはとりあえずの調整といった形なので、先ほども言いましたが、ロケテストでプレイされた方はどんどんロケテスト会場のアンケートや公式ブログに意見を寄せてほしいですね。次回以降のロケテストに繁栄したいと考えています。
  • ——公式ブログを拝見させていただくと、ファンからたくさん意見が寄せられていますが、あれはすべてに目を通しているのでしょうか?
  • 綾野  はい。じっくり目を通していますよ。実際に採用させていただいたものもあります。見てすぐ分かるのはハカンですね。「ハカンは登場シーンでオイルをかぶっているのに、なんで試合が始まるとオイルが塗られていないの?」という意見をいただいたので、「たしかにそうだ」と(笑)。だから調整版では試合開始時からオイルが塗られた状態でスタートしますよ。
  • ——最近、プレイヤーの研究により、ガードできないジャンプ攻撃を重ねる連携が発見されていますが、これについては修正されるのでしょうか?
  • 綾野  あれは厳密に言うとガードはできるんですよ。ただ、確かに人間がガードするのは困難なので、その現象については改善する予定です。それと同様に、ローズと春麗など、特定の組み合わせでウルトラコンボがうまくヒットしなかったものなど、不可解な要素はすべて改善する予定です。キャラクターバランスの調整だけではなく、こういった要素もできる限り修正したいと思いますので、ぜひ情報をいただけるとうれしいですね。
  • ——調整版は『スパIV AE Ver.2012』という表記になっていますが、毎年バージョンアップを行っていくのでしょうか?
  • 綾野  万が一、今回の調整があまりにも不評だったらわかりませんが、『ストIV』シリーズについては、これであと10年は遊んでもらえるようにしっかりと調整したいと考えています。バージョンアップを定期的にやるのもいいですが、できることなら公式のイベントを定期的に開きたいですね。せっかく『ストIV』が発売されてから格闘ゲーム人気が再燃しているので、その火を消さずにもう一度ジャンルとして定着させていきたいと思います。
  • ——調整版の登場はいつころですか?
  • 綾野  アーケード版、家庭用ともに2011年内には出したいと思います。スケジュールとしては、先日の大阪と高田馬場のロケテストに続いて、つぎは2011年9月2〜4日にプラサカプコン吉祥寺店で行う予定です。そこまでで集約されたデータや意見をもとに調整したバージョンのロケテストを、もう一度どこかで行おうと考えています。
  • ——なるほど、その調整版で全国大会が開催され、そしてその後には『ストリートファイターX(クロス)鉄拳』(以下、『ストクロ』)の発売が控えているわけですね。
  • 綾野  はい。『ストIV』シリーズは、なんだかんだ発売から3年くらい経過しているので、成熟してしまった感があり、いまから新しく始めようとする人にとっては少し敷居が高く感じてしまうかもしれません。『ストクロ』はお祭りゲームなので、そういった人たちも取り込めるような内容にしたいと考えています。
  • ——『ストクロ』は初心者も遊びやすい仕様になっているのでしょうか?
  • 綾野  はい。ぜひ期待してください。初心者でもタッグ戦ならではの爽快感が楽しめるようになっていますよ。近い将来、実際にプレイできる機会が作れると思いますので、ぜひ遊んでいただきたいですね。
  • ——『ストクロ』も『スパIV AE』と同じで、ユーザーといっしょに作っていくという制作スタンスなのでしょうか?
  • 綾野  そうですね。そこは大切にしたいと考えています。海外のイベントではすでにプレイアブルで出展されていますが、日本のユーザーにはより完成度の上がったバージョンを遊んでいただける機会を今後設けていくつもりです。そこで遊んだ感想や意見を『スパIV AE』と同じように公式ブログにどんどん寄せていただきたいですね。
  • ——さすがに登場キャラクターの要望は間に合わないですよね?
  • 綾野  キャラクターの選定は、ひと通り完了しました。でも、だからといってキャラクターの要望の声がいらないわけではないんですよ。「なんで、このキャラクターが出てないんだ」という意見は引き続きほしいですね。『スパIV AE』といっしょでユーザーの声が上がれば柔軟に対応していきたいと考えています。
  • ——では最後に読者へのメッセージをいただけますか?
  • 綾野  『スパIV AE』は、ファンの皆さんの期待に応えられるように調整を重ねていますので、楽しみにしていてください。ロケテスト会場が近い方は、ぜひ足を運んでいただきたいと思います。また、『ストクロ』はとにかくコンボが爽快で、お祭りゲームらしい作品に仕上げています。近々実際に遊べる時期についての発表があると思いますので、続報を期待していてください。

『スパW AE Ver.2012』ロケテスト情報

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