発売タイトル | 世の中のできごと |
1996年3月22日
![]() バイオハザード
記念すべきシリーズ第1作。1枚絵の背景を使用して、多彩な角度から主人公を捉える映画的な演出が斬新だった。
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1997年7月25日
![]() バイオハザード
サターンで発売された唯一のシリーズ作品。初回特典でリサなどの名前が登場しているハードカバーの書籍が付属。
1997年9月25日
![]() バイオハザード ディレクターズカット
ビギナーモード、難易度の高いアレンジモード、新コスチュームなどを追加。敵の配置やカメラアングルも変更された。
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1998年1月29日
![]() バイオハザード 2
主人公をふたりから選択でき、選んだシナリオ(表)が終わると、もう一方のシナリオ(裏)が楽しめるザッピングを採用。
1998年8月6日
![]() バイオハザード ディレクターズカット デュアルショックver.
振動機能に対応。完成間近でボツになった作品(通称『バイオ1.5』)が観られるコンプリートディスクが同梱。
1998年8月6日
![]() バイオハザード 2 デュアルショックver.
振動機能に対応して再登場。本編とは無関係の“エクストリームバトル”というおまけゲームが新たに収録。
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1999年9月22日
![]() バイオハザード 3 ラストエスケープ
滅菌作戦によるラクーンシティの消滅までを描いた作品。制限時間内に行動を選択する“ライブセレクション”を導入。
1999年12月22日
![]() バイオハザード 2 バリュープラス
ドリームキャストで初登場したシリーズ作品。ゾンビ1体を倒すのにも手こずる“ナイトメアモード”が追加された。
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2000年1月27日
![]() バイオハザード ガンサバイバー
銃型コントローラーのガンコンを使用する、ガンシューティングの新シリーズ。方向キーで自由に移動できるのが特徴。
2000年1月28日
![]() バイオハザード 2
EXファイルと呼ばれる新たなファイルが追加されたほか、アナログ操作などにも対応。血の色も変更可能に。
2000年2月3日
![]() バイオハザード コード:ベロニカ
プラットフォームを移して、グラフィックが大幅に向上。おまけ“バトルゲーム”も遊べる。
2000年11月16日
![]() バイオハザード 3 ラストエスケープ
どこまでも追いかけてくる追跡者の存在が、ユーザーを恐怖に陥れた作品。おまけは“ザ・マーセナリーズ”。
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2001年3月22日
![]() バイオハザード コード:ベロニカ -完全版-
ドリームキャストで発売された『コード:ベロニカ』に、ウェスカーの登場シーンを中心としたムービーを追加。
2001年3月22日
![]() バイオハザード コード:ベロニカ -完全版-
プレイステーション2版と同様の内容。こちらもウェスカー登場のシーンなどのムービーが追加されている。
2001年11月8日
![]() ガンサバイバー2 バイオハザード コード:ベロニカ
アーケード版からの移植。アーケードモードだけでなく、オリジナルモード“ダンジョンモード”も搭載されていた。
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2002年3月22日
![]() バイオハザード
驚異的なグラフィックでリメイクを遂げたシリーズ1作目。クリムゾン・ヘッドやリサ・トレヴァーといった敵も追加。
2002年3月29日
![]() BIOHAZARD GAIDEN
『2』の後日談を描いた外伝的なエピソードが楽しめる。バリー・バートンを操り、捕らわれたレオンを救出するのが目的。
2002年11月21日
![]() バイオハザード 0
新米隊員のレベッカと護送中の囚人ビリーが主人公。ふたりのキャラを状況に応じて切り替えながら仕掛けを解いていく。
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2003年1月23日
![]() バイオハザード 2
プレイステーション版の同作を忠実に移植した作品。オリジナルは2枚組だったが、本作は1枚のディスクに収録された。
2003年1月23日
![]() バイオハザード 3 ラストエスケープ
プレイステーション版の同作を忠実に移植した作品。『2』とほとんど同じ時間軸でストーリーが展開していく。
2003年2月13日
![]() ガンサバイバー4 バイオハザード ヒーローズ・ネバー・ダイ
シージャックされた豪華客船を舞台に、合衆国諜報部員のブルース・マッギャヴァンが活躍するストーリーが楽しめる。
2003年8月7日
![]() バイオハザード コード:ベロニカ -完全版-
ドリームキャスト版の同作を忠実に移植した作品。これでゲームキューブでここまでのシリーズ全作品が楽しめるようになった。
2003年12月11日
![]() バイオハザード アウトブレイク
オンライン対応で4人まで同時に楽しめる作品。キャラのセリフや動作だけで意思疎通を図るシステムが画期的。
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2004年9月9日
![]() バイオハザード アウトブレイク FILE2
オンラインプレイでは、ウィルスゲージが100%に達すると、一定時間ゾンビとして操作することができた。
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2005年1月27日
![]() バイオハザード4
システムを一新した意欲作。特徴的な視点も変更され、キャラのやや後方から追従するビハインドカメラを採用した。
2005年12月1日
![]() バイオハザード4
ゲームキューブ版の移植作。ストーリーをエイダの視点で描く、“the another order”が新たに追加されている。
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2006年1月19日
![]() バイオハザード デッドリー・サイレンス
『1』をベースに、タッチスクリーンを使用する仕掛けなどを追加。通信機能を使って4人まで同時に遊ぶことも可能。
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2007年5月31日
![]() バイオハザード4 Wiiエディション
銃器の照準をWiiリモコンでポイント可能になるなど、操作方法を変更したWiiならではのバージョン。
2007年11月15日
![]() バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ
歴代シリーズのストーリーをたどりながら、アンブレラ崩壊の謎に迫るガンシューティングゲーム。
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2008年7月10日
![]() バイオハザード 0
ゲームキューブで発売された同タイトルの移植版。オリジナル版は2枚組だったが、本作では1枚にすべて収録された。
2008年12月25日
![]() バイオハザード
ゲームキューブで発売された『1』のリメイク版を移植。Wiiリモコンとヌンチャクに対応している。
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2009年3月5日
![]() バイオハザード5
Xbox 360版と同様、始めてHDで描かれる『バイオ』。クリスと新たな相棒シェバが、アフリカを舞台にバイオテロに立ち向かう。
2009年3月5日
![]() バイオハザード5
『4』を正統進化させた続編。画面分割およびネットワークを通じて、ふたりでの協力プレイが可能になった。
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2010年1月14日
![]() バイオハザード/ダークサイド・クロニクルズ
シリーズで起こった事件を体感しながら、未だ語られなかった部分にもスポットをあてた3部構成の年代記。
2010年2月18日
![]() バイオハザード5 オルタナティブエディション
新エピソードやキャラクターコスチュームの追加、ミニゲーム“ザ・マーセナリーズ リユニオン”が追加。
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2011年6月2日
![]() バイオハザード ザ・マーセナリーズ 3D
スコアを競う“ザ・マーセナリーズ”を単体のタイトルとして開発したもの。Co-opプレイも楽しめる。
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その昔、プレイステーションクラブという会員サービスがあった。年間にいくらかを支払うことで、会報代わりのCD-ROMに、新作のムービーやゲームのデータベース、そして体験版などが詰め込まれたものが会員の家に届く仕組みだ。マスクロムからディスクに移行した時代。ブロードバンドが標準的になり、ダウンロードですべてが済んでしまういまにつながる過渡期の話だ。自分は都合3〜4年、そのサービスに登録していたが、いまでも印象に残るディスクが2枚ある。ひとつが歴代プレイステーションのテレビコマーシャルを収めたディスク。もうひとつが『バイオ ハザード』の体験版だ。
15分ほどゲームを試せるそのディスクは、おどろおどろしい雰囲気に包まれていた。ディスクをセットし、ゲームを始めてもその印象は変わらない。響く柱時計の音やキャラクターの足音におののきながら廊下に出て、最初の曲がり角を曲がったときの衝撃たるや! そこであっさりと倒された自分は、このゲームを封印。そして製品版が出たあとに、封印していたことを後悔することになる。
『バイオ ハザード』が画期的だったのは、映画的なカメラ固定視点やいわゆるラジコン操作などいろいろ挙げられるが、何より、演出とプレイヤーに委ねられた部分のバランスだ。ゲームをプレイし終えて抱く印象のほとんどを占める緊張感は、制作者の手による演出というより、自分が怖がり開けられなかった扉の思い出や、荷物を持ちきれなくて、何度も往復することになった階段の思い出、どうしても避けられなかったハンターの鳴き声などに由来する。演出された点と点をつなぐ線の部分が、それぞれの『バイオ ハザード』であり、それぞれの思い出なのだ。これを当時、あれほどまでにプレイヤーに突きつけたゲームを僕はほかに知らない。
ハリウッド的な演出を強化し、プレイヤーを物語の中に巻き込んだのが『バイオハザード 2』だ。舞台は陰気な洋館から一転。燃えさかるラクーンシティに佇むラクーン市警。クレアとレオンのふたりが警察署から、そして街からの脱出を試みる物語だ。
基本的なシステムは1作目を踏襲しつつ、あらゆる部分がパワーアップ。ザッピングシステムと呼ばれる、ふたりの物語が、絡む構成がくり返しプレイをしているとプレイヤーに思い込みの罠や混乱を生まれさせ、何度でも楽しむことができた。かく言う自分も、クレア裏でユニコーンのメダルがどうにも見あたらず、痛そうにお腹を抱えながら署内を右往左往。いまでもラクーン警察署だけは、マップをソラで描けるほど強烈に記憶に残っている。
そのほか、地下のゴミ処理場で出くわす敵の圧迫感と巨大さ。数段階に、不定形に成長していくボスの禍々しさなど、ポリゴンモデルのスゴさを見せつけたのもこの『2』だ。また、エイダ、シェリー、ウィリアム、ハンクなど後のシリーズの物語の広がりに大きく貢献したのもこの作品。これ以降の物語は、初代とこの『2』の話を軸に前後や中間を補完する形で広がっていく。『バイオ』シリーズの礎を不動のものにした1作と言えるだろう。
1996年発売の『バイオハザード』、1998年発売の『2』を経て、1999年に発売された『3』。『ラストエスケープ』の副題が付いている通り、ラクーンシティからの最後の脱出を描いていて、どのような結末になるのか、シリーズのファンならドッキドキでプレイしたであろう作品です。
「であろう」という書き方なのは、私はこの『3』で『バイオハザード』シリーズを初めてプレイしたから。そう、『1』や『2』を知らずに、いきなり『3』を遊んだのでした。さらに言うなら、それまでアクションゲームはほとんど遊んだことがなく、これが初めてプレイする『バイオ』。コントローラーを握ってしばらくしてから、「あっ、このゲーム、小野ちゃん(友人)がやってたゾンビのやつだ」と気付くという、ゲームっ子からかなり遠い位置にいたのです。ちなみに、小野ちゃんがやっていたのは『1』で、当時「こんな恐ろしいゲームをやる人の気が知れない」と思っていたのですが、人生わからないものですね。その後、恐竜を撃ったり悪魔を斬ったり幻魔をバッサリやったりするアグレッシブなゲームばかり担当することになろうとは、このときの私には知るよしもありませんでした。
それはさておき、そんな『バイオ』処女だったわたくしですが、プレイは意外と順調。というのも、やはり『バイオ』ならではのドキドキ感が病み付きになってしまったからでしょう。カメラが固定されているがゆえに視界が限定されていて、曲がり角ごとに躊躇。エリア移動時の扉を開ける演出中にも、先の部屋には何が待ちかまえているのかと不安になる。その緊張からの「(やっぱり)出たー!」は、ジェットコースターのようでアドレナリン出まくり。たまにある安全な部屋の配置間隔も絶妙で、それによる緩急が、よりスリル感を高めてくれます。
スリルと言えば、『3』は“追跡者”と呼ばれる人型のB.O.W.(Bio Organic Weaponの略称。有機生命体兵器または生物兵器)が主人公のジルを追い回していて、ことあるごとに殴り込んで来るのが超コワイ。窓からドーン! 天井ぶち抜いてドーン! そして猛ダッシュ→パンチ! ときには手に持っているロケットランチャーで殴ってきて「なんで!?」とツッコみたくなる、超血の気の多い奴でした。なぜか当時、周囲は彼を「番長」と呼んでおり(服が黒くて長ランぽいから?)、やって来ようものなら「番長きたああん!!」と超盛り上がったものです。コイツは、ゾンビなどの一般的な敵と違って、エリアを変えても追いかけてくるので、ある程度移動して振り切るまでは緊張状態が続くのもポイント。
そんなアクティブ番長に負けず劣らず、ジルにもステキなアクションが用意されています。ひとつはクイックターン。180度振り向けるという、ありそうでなかった基本的なアクションです。ま、前述の通り『3』が初『バイオ』な私は、何のありがたみもなく、当然のように使ってましたけどね。代わりに、その後『1』や『2』をプレイしたときに、クイックターンがないことに絶望しようとは、このときの私には知るよしもありませんでした(二度目)。
もうひとつは緊急回避で、これは“敵の攻撃が当たる直前”にRボタンなどを押すと発動する、ちょっとテクニカルなアクション。失敗すると攻撃を食らいがちだけど、慣れてくるとヒョイヒョイっと敵を避けてカッコよく反撃できるので、結構好きなアクションでした。『バイオハザード4』以降ではコンセプトや操作性が大幅に変更され、緊急回避はいまでは見られないシステムです。でも、このころの『バイオ』は、キャラクターの挙動に制限がある中で、いかに戦うか、あるいは逃げるかという部分がスリルにつながっていたので、こうしたシステムによって立ち回りに変化が生まれ、腕の上達が実感できるのはおもしろかったなあ〜。
それから、システムとして印象深いのはライブセレクション。番長がやって来たときなど、ジルがピンチになると、時間が止まって選択肢が表示されるという仕掛けです。選択肢を選ぶか、制限時間が過ぎると、ジルがそれに応じた行動を取るのですが、2周目や3周目のプレイでは、選択しなかった行動を試してみることで違う展開が見られるので、これもいいアクセントでした。
ほかにも、もうひとりの操作キャラクターであるカルロスや、その仲間のニコライ、ミハイルを含む物語、謎解きに頭を悩ませた時計塔、ガンパウダーの調合で好みの弾薬が作れるシステムなど、印象的なポイントを挙げればキリがありません。まあ、いちばん記憶に残っているのは、市長の銅像を回すと、なぜかその中にエレベーターの起動に必要なバッテリーが鎮座していることですけどね。あれは、ラクーンシティ七不思議のひとつ。信じるか信じないかは、アナタ次第です!
『バイオハザード コード:ベロニカ』は、私がファミ通PS編集部在籍時に攻略に携わった作品でした。ファミ通“PS”編集部なので、2000年に発売されたドリームキャスト版ではなく、2001年発売のPS2版、いわゆる『完全版』のほう。前半はアクティブ女子大生のクレア、後半は彼女を助けに来た兄のクリスを操作して物語を進める、数あるシリーズ作品の中でもボリュームたっぷりの作品です。
『3』をご紹介したときに続いて超個人的な思い出で恐縮ですが、印象に残っているのは、“救助犬(セントバーナード)がナビゲートする”という、当時の攻略記事の指針。イラストレーターにわざわざ首に樽を付けたセントバーナードの絵を描いてもらい、「〜だワン!」とかいう語尾のキャッチを書いて、犬コラムを作っていました。なんで救助犬かと言うと、本作の終盤の舞台は南極→寒い場所→救助犬、という当時の上司の発想からと思われます。
当然、『コード:ベロニカ』はそんな呑気なゲームではなく、スタート地点からして墓場という、陰惨なムードたっぷりの作品。拷問室、ギロチン、吊るされた巨大な人形、奇形のクリーチャー……。ゾンビが徘徊しているから、というだけではない、何者かの意図を感じる“気味の悪さ”。これが全編を通じて滲み出ているのです。シリーズ作の中でも、とくに『コード:ベロニカ』を特徴付けるものは、この特異な世界観でしょう。
“気味の悪さ”の原因は、舞台となる孤島を代々支配してきたアシュフォード家。現当主であるアルフレッドと、双子の妹アレクシアの狂気がその根底にあります。これまでのシリーズ作品と同様、クリーチャーを生む原因となったアンブレラ社が敵という下敷きはあれど、この作品の世界観を象徴するのは彼ら双子なのです。歳若いアルフレッドがトンボの羽を1枚ずつもいで蟻に与え、その様子を見て兄妹が微笑み合う。アシュフォード家の記録映像の中で見られるこの出来事が、彼らの本質を表しています。薄笑いでカメラをねめつけるアレクシアの視線、物悲しいオルゴールの旋律……。そのシーンの薄気味悪さは忘れられず、いまでもハッキリと思い出すことができるほど。
そんなキモい島で、クレアが出会うスティーブは一服の清涼剤。彼は孤島の監獄に捕らわれていた、軽いノリの少年です。最初こそ「イラッ!」としますが、孤島にいる理由や彼の家族の行方を知り、クレアを守ろうと決意する様子を見ていくうちに感情移入。彼の物語に終止符が打たれる段階にいたっては、「スティーーーッヴ!!」と叫ばずにはいられないほどのお気に入りキャラに。『バイオ』シリーズのサブキャラクターの中でも、なかなかドラマチックな役どころなんです。もちろん、オリジナルキャラだけでなく、シリーズに登場したキャラクターも登場。主役のクレアとクリスは言わずもがな。超人的な力を得たウェスカーのアクションや、“死神”ハンクの報告書なども見られます。
また、物語やキャラクターだけでなく、探索部分も魅力たっぷり。ステージが変化に富んでいて、『バイオ』らしいさまざまな仕掛けが凝らされているので、長い物語の中でも飽きがこない。カメラが『3』までの固定式から移動式になって、臨場感が増しているのもポイントでしょう。アクション面では、従来作からの大きなシステムの変化はなく、2挺拳銃が撃てるようになって爽快感が増すなど細部がバージョンアップしています。
道中も印象的なクリーチャーが多くて、手ごわい奴も多かった! そしてやっぱりキモかった! 右手だけ異様に太くて長いバンダースナッチや、卵を産み付けてくる蛾。もとは目を潰され、両腕も拘束された人間で、背から触手をブシュブシュッと生やして攻撃してくるノスフェラトゥなどなど……。そう、そもそもこのゲームは難易度が高いんです。その歯応えが、またイイんですよ!
『コード:ベロニカ』はナンバリングこそ付いていませんが、それだけの実力を備えている『バイオ』。2組の兄妹――クリスとクレア、アルフレッドとアレクシアの対決の物語でもある本作は、物語、アクションともに上質です。ちなみに、私にも兄がおり、3組目の“兄妹”として非常に燃えるものがあったのもいい思い出。成典(兄)は身ひとつで崖を上れるほどマッチョじゃないのが残念なところです。
初代『バイオハザード』の発売から6年の時を経て、再構築されたゲームキューブ版『バイオハザード』。『コード:ベロニカ』と『0』のあいだに発売されました。巷では、リメイク『バイオ』などと呼ばれている本作ですが、単なる別ハードへの移植作ではございません。圧倒的映像美! ディープな物語! 恐怖心をあおる新システム!! の三拍子揃った、まさに快作。
個人的には、『バイオ』シリーズの中でいちばん怖い作品だと思っています。リメイク『バイオ』は、漂う空気からして恐ろしい。ジト〜っとした湿度の高い、重た〜い空気なんです。だから、いつどこにいても、「ヤダなあ、何か出てきそう……」とビクビク。それまでグラフィックはいくらキレイでも、ゲーム性やおもしろさに直結しないと思っていたひねくれ者だったんですが、空気感が感じられる精細なグラフィックは魅力的。本作で意識が変わりました。
また、初代のときに脳内で補完していた部屋の装飾などが精細に描かれていて、「へぇ〜、ここはこんな風になっていたんですか」と建物探訪気分も味わえたり。マップがアレンジされているのも新鮮でしたね。しかし、経験者だからこそ引っかかるポイントも用意されているのが、本作のニクいところ。有名な某L字廊下の“犬・ガシャーン”や、仕掛けの作動方法など、従来の心がまえでいると足下をすくわれます。まんまと引っかかった自分を、画面の向こう側から開発スタッフの方がしてやったり顔で見ているような気がして、何だか恥ずかしいような悔しいような気分も味わいました。そんな「ああもう、びっくりした」感の極めつけは、クリムゾン・ヘッドと呼ばれる凶暴ゾンビ。ゾンビを一度倒しても、一定時間後にクリムゾン・ヘッドとして復活することがあり、パワーアップしてすごい勢いで走ってくるんです。火葬してあげるなど、復活の阻止もできるのですが、処理が間に合わないと長い爪をシャーッとぶん回してきて……。そのうえ、全部の子(ゾンビ)を成仏させるのは無理があるので、倒す子、スルーする子の見極めが重要になってきて、悩ましい限りです。
それから、忘れちゃいけないのが、リサ・トレヴァーちゃん。驚異的な回復力により不死身という女の子で、敷地内の散歩(徘徊)が日課のようです。そんなリサちゃんの怖さはトラウマ級。彼女が手枷を引きずるズーリズーリ、ズーリズリ、という音が聞こえてくるたび、「ごめんなさい! 本当にごめんなさいぃぃぃ」と平謝りしたくなるほど。残されたデータファイルを読むと、かわいそうな娘なんだとわかるんですけどね。彼女の生い立ちや、S.T.A.R.S.隊員“バリー”の背景など、洋館事件のウラ側が追体験できることもオツな要素です。バリーに関しては、選択肢によって彼の生死が変化するなどの分岐もありました。そういった何度もくり返し遊べる要素やモードがあるのも、うれしいですよね。じつは、今回この記事を書くにあたり、ロムをひっぱり出してきて、以前は通っていなかったルートをプレイしてみたのですが、いまでも見劣りしない映像と、あの音の恐怖に震えました。やっぱりトラウマだったみたいです☆
当初はニンテンドウ64で発表されたが、ゲームキューブ版の1作目のリメイクを受け、ゲームキューブでの発売に変更された作品。それだけに、リメイクに劣らない美しいグラフィックが魅力のひとつに挙げられる。
冒頭の走る黄道特急ステージは、そのスピード感がすさまじく、いまもシリーズ指折りの演出と言えるだろう。美しさや生々しさは敵となるモンスターにも言え、マーカスのぬめりやうごめきなどは、後の『5』の焼却炉に登場する敵にも劣らない強烈さだ。猿の姿をしたエリミネーターや虫型のプレイグクローラーなど、地味ながら手強い敵が多いのも特徴的で、これまでシリーズをプレイしてきた自分でも何度も苦渋を舐めさせられたことを思い出す。
主人公は、1作目で可憐な姿を見せたレベッカと、脱走犯ビリー。アイテムボックスを廃し、床に置くことでやりくりさせるシステムと操作キャラクターをボタンひとつで入れ替えるシステムが導入され、非常にパズル性が高いものとなっていた。そして何より、シリーズの中においてこの『0』が特筆されるのは、物語を大きく補完している点だ。1作目の事件の前提となるS.T.A.R.S.ブラヴォーチームの遭難や洋館事件の裏側、そしてシリーズを通しての敵ともなるウェスカーの若かりしころが描かれる様子がとても興味深く、未プレイのファンには、ぜひとも味わってほしい内容となっている。
発売当時も語った覚えがあるが、『バイオハザード4』は、驚くほどの刺激と興奮に満ちた作品だ。以下は当時の自分のテキストの再構成になるが、いまもなお僕の感じることは変わらない。
名の知れた作品の続編を作るとき、大きなテコ入れはなかなかしづらい。ましてや『バイオ』なら、なおさらだ。独特の視点、緊張感、世界観で多くのファンを魅了してきたシリーズだけに、確立されたシステムを壊すリスクはあまりにも大きい。だが生みの親は、生みの親だからこそ、唯一『バイオ』を破壊し、スリリングでスピーディーな、でも『バイオ』たるものに生まれ変わらせたのだ。
村中央で村人に取り囲まれたときの焦燥感。いつ果てるともわからない篭城戦での不安。古城サロン周辺での邪教徒の荒唐無稽さ。古城地下での畳みかけるようなステージ構成。ひとつひとつのシーンに必ずプレイヤーが驚くような仕掛けがあるほどの丁寧さなのに、見た目も豪華。何より大ボリューム。「どうすれば、ゲームはもっと刺激的になるのか?」。そんな明確な疑問を持ってディレクションされたゲームは、プレイヤーをガッチリと虜にする。
カメラは主人公の斜め背後に移動し、臨場感とスピード感をアップさせ、アイテムもアタッシュケースに入れて持ち歩くことになっている。だから「これはもはや『バイオ』じゃない」という意見も耳にする。では『バイオ』っていったい何なのか? プレイヤーはシリーズを考えるとき、この質問を突きつけられることになる。
『コード:ベロニカ』の完全版が発売されたとき、インタビューの終わり際に、プロデューサーにその疑問をぶつけたことがある。何年もかけて育て上げたシリーズをひと言で片づける、ずいぶん乱暴で失礼な質問だ。そんな質問に対して氏は即答した。指折り数えながら、「まず怖いこと。それと、その恐怖を破壊するときの快感。その緊張と弛緩の波。つぎにリアルな世界観であること。さらに恐怖の対象が機械などではなく、生き物が潜在的に持つリアルさであること。ただしこれらのリアルさというのは、物語や絵の整合性ではなく、プレイヤーが感じさえすればいい、というリアルさ。定義は難しいけど。」
『4』は、そんなプレイヤーが感じるリアルさで満たされている。古城の中でガトリング銃をぶっ放されるのも、全身トゲだらけの怪人に串刺しにされるのも、現実世界との整合性はない。でも、そこからプレイヤーが受ける恐怖や緊張感、そしてコントローラーを通じて感じる痛みは、間違いなくリアルに湧き上がる感情なのだ。
本作は、『バイオハザード4』で好評だった、ビハインドビューなどのシステムをさらに昇華させた作品。物語はアンブレラ社が崩壊した後、流出した生物兵器がテロに利用されるようになったという新たな展開を迎えます。主人公のクリスは、対生物テロ組織“BSAA”の隊員としてアフリカでの任務に当たります。
まず最初に、いままで『バイオ』シリーズをプレイしてきた方は総じて、私と同じことを思ったのでは。
「ど、どちらさま?」
と。クリスのムッキムキ具合がハンパじゃないんですもの。以前のクリスは、言っては何ですが、“熱血漢で角刈りで、ちょっと野暮ったい兄ちゃん”だったはずなのに。それがいきなり腕とかふた周りくらいぶっとくなって、髪型も床屋じゃなくて美容院で切ってるっぽくなっている。クリスにも新展開か……! いや、初代『バイオ』の実写で見られた、ワイルドメンな姿に近づいているのでしょうか。
さて、そんなクリスのパートナーとなるのが、アフリカンビューティーなシェバ。パートナーと共闘しながら進むというのはシリーズ初の試みですね。視界にチラチラ入ってくる、彼女のキュッと上がったお尻は女の私でも「眼福だわぁ」と、ホクホクしていたものです。シェバは海外の男性ゲーマーにも、いままでにない、美しすぎるアフリカンヒロインとして大人気だったとかという話を耳にしたこともあります。ひとりプレイのときは、シェバはAIによって行動するのですが、ピンチになったら回復してくれたりと、意外とかいがいしいところも。逆に自分もサポートすると、シェバの好感度が上下し、反応が変化するというのも驚きでした。そういえば、シリーズでずっと謎に包まれていた、“ハーブで体力を回復するという仕組み”がわかったのも本作でした。ハーブは「煎じて飲むんだろ」、「いや、患部に当てるんじゃないか」、「いやいや、レッドハーブとかと調合するときは粉状ぽかったから、まず乾燥させてだな……」などといろいろと論議をかもしてきました。正解は“スプレーする”でした(本作だけの設定かもしれませんが)。でもそうなると、どうやってスプレーにするのかという別の疑問も……。
また本作は、クリスとシェバをそれぞれ操作する、ふたりプレイに対応しているのがこれまたよし。友だちどうしでギャアギャア、ヒーヒー言いながらプレイするのは、いままでになかった楽しみかたでした。ふたりプレイがとくにおもしろく感じたのは、本作の完全版に当たる、『オルタナティブ エディション』(Xbox 360版はダウンロードコンテンツとして発売)の追加ミッション“LOST IN NIGHTMARES”です。クリスとジルで、初代『バイオ』を彷彿とさせるスペンサー邸に潜入するのですが、仕掛けが豊富なため、役割分担が必要になります。「ハイッ、アイテム取った!」、「ハイッ、鍵開けた!」ってな感じに、お互いにうまく連携して立ち回れると気持ちいいんですよね。もちろん、本編でもふたりのコンビネーションで切り抜けていくシーンがたくさんあります。やはり印象的なのは、ウェスカー戦。ウェスカーさん、もはや人間じゃありませんから、ふたりがかりでも苦労しました。『マトリックス』な動きをするわ、ロケットランチャーの弾を手で受け止めるわ、もうたいへんです。しかし、強くてワルすぎる彼が、じつに魅力的なのも確か。ワタクシ、密かにファンでした。そんな彼が○ス○スなので、今後のシリーズに絡んでくるのかこないのかが非常に気になるところ。いや、本当に○んだか確認していませんし、……ねぇ? 絡んでくると期待しております。はい。