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『GTAV』デモリポート “Blitz Play”編
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『GTAV』カバーアートが公開
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Grand Theft Auto
マックスペイン3
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ROCKSTAR HISTORIA Vol.12:ROCKSTAR meets NINTENDO(後編)

Text by Mask de UH

 NintendoとROCKSTAR GAMES。GTAシリーズの多くがNintendoのコンシューマーマシンからリリースされていないことなどから相反する関係に思われがちだが、正確には「一切リリースされていない」というワケではなく、むしろ意外すぎるタイトルがリリースされまくっていた歴史は前編でお伝えした通り。もはやWiiリモコンを前提に開発したとしか思えない『MANHUNT2』や、(後にPSPでも発売されはしたが)タッチペン操作を活かしたNDSタイトル『GTA:CHINATOWN WARS』なども記憶に新しいところだが、現在とは全く状況が違った1990年代後半から2000年代初頭にかけてのラインナップにも注目しなければ、R★の歴史は語れないだろう。
 前編ではNintendo64からリリースされた2本のR★タイトルを取り上げたが、今回の主役はNintendoが世界に誇る携帯ゲームマシンであり、一時代を築き上げたGB市場においても、R★が様々なタイトルを残していた歴史を解き明かしていこう。

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 まずは最初に断言しておこう。GTAシリーズはNintendoハードにも供給されていたという事実を。そう、『GTA』および『GTA2』には、ゲームボーイ・カラー版が存在する。スペックに関しては大きく異なるが、かなり忠実に移植されているのだ。さすがに表現自体は若干マイルドになっており、血糊描写や過激なセリフなどは控えめになってはいるが、紛れも無く『GTA』だった。
 日本と違い、市場の公平性を保ためにマルチプラットフォーム戦略が基本となる洋ゲー市場では、人気のあるタイトルは一部の例外を除いて全ハードに移植されるのが通例だ(例:アメコミのゲームの新作が全機種同時リリースなど)。GTAシリーズもご多分に漏れず、マルチプラットフォームとしてGBC版がリリースされたのは、いま考えてみると中々おおらかな判断だったと思うし、GTAシリーズが、まだその過激さを内々に秘めていた時代だから実現したのだと解釈している。ちなみに『MAX PAYNE』もマルチプラットフォームでGBC版がリリースされているのは、既にお伝えしている通りだ。

 そして『Grand Theft Auto Advance』である。2004年にリリースされた本作はGBA専用にして完全オリジナルの内容となっており、リバティーシティを舞台にした他のタイトルとは一線を画した存在となっている。日系ヤクザ組織が物語に大きく関わっており、極妻まで登場。開発を担当したのがROCKSTAR NORTHではなくDigital Eclipse (デジタル・エクリプス)というのも変わっている。R★の過激なイメージが最も社会的に注目されていた時期のリリースということもあり、日本版は発売されなかったのが残念。本作以降、『GTA:CHINATOWN WARS』のリリースまで、GTAシリーズはNintendoから遠ざかってしまうのだが、PS2/XBOX版とは違う独自の展開であったことには注目すべきである。



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▲これが極妻アスカ・カセン。『GTAIII』にも出ている。

 もちろんGB向けにリリースされていたのはGTAシリーズだけではない。R★はGB限定ともいえる希少なタイトルを数多く手がけており、おまけにそれらは全て日本未発売に終わっていたりするから始末が悪い。例えば、伝説のスタントマンにして実在するヒーロー、イーブル・クニーブルを主人公にした、タイトルもズバリそのまんまの『EVEL KNIEVEL』(1999年/GBC)なんてゲームをご存知か?
 そもそも"イーブル・クニーブル"を知らない人も多いと思うので補足しておくと、伝説のバイクスタントマンとして70年代のアメリカ合衆国を席巻したヒーローであり、19台のクルマをバイクで飛び越えるスタントアクションが代名詞となっている。その半生はハリウッドで映画化され(『キャプテン・アメリカ(原題:EVEL EVEL KNIEVEL)』)、玩具キャラクターとしても商品化されている、掛け値なしの英雄だ。残念ながら本人は2007年に69歳で亡くなられたが、イーブル・クニーブルの名は我々70年代生まれでスーパーカーブームを経由し、『マッハ'78』で興奮したボンクラ世代にとっては永遠に不滅だ。別に理解してもらえなくても構わないが、宣言だけはさせてくれ。
(編集部より:かの英国の自動車番組『トップ・ギア』の司会者リチャード・ハモンドが、晩年のイーブルに会いに行くという番組『Richard Hammond Meets Evel Knievel』がBBCによって2007年に制作されている。下記はBBCが公開している予告編映像。イーブルの命知らずなスタントの映像も見られる。なお、イーブルは収録から4ヵ月後にこの世を去った。番組が放映されたのはその1ヵ月後のことであった)

 ゲーム自体は2Dのベルトスクロール・アクションであり、プレイヤーはイーブル・クニーブルとなって障害物を乗り越えるスタントレースを制覇するというものだが、注視すべきはスタント失敗の場合である。画面にはクニーブルの体とバイクが転がり「BAD LUCK」と表示されるセンスは流石というほかない。伝説のバイカーアクションレース『ROAD RUSH』における転倒アクションを彷彿とさせる事故描写に、洋ゲー独特の文化を感じずにはおれないのだ。個人的にはケロイドのレーサー、ニキ・ラウダが主人公のレースゲームも欲しいですね。無理だろうけど。

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 そして、いよいよR★ meets Nintendo編を締めくくる最後の大ネタの登場だ。昨年の週刊ファミ通におけるR★特集にも掲載した、奇跡のシネマゲームとして名高い『AUSTIN POWERS』(2000年/GBC)である。マイク・マイヤーズ主演による同名の映画作品はご存知だろうが、ゲーム化されていたのは初耳の方も多いだろう。ちなみに最初に『AUSTIN POWERS』のゲームを開発したのはSIERRAだ が、内容は映画にちなんだ2人対戦可能なトリビアゲームだった(その名も『Austin Powers: Operation Trivia』)。
 R★版『AUSTIN POWERS』はミニゲームの集合体となっており、映画に登場するキャラクターを操作しながら下品なギャグを随所に散りばめた手堅い仕上りで、これならファンも納得かと思われた。しかし、全4本のシリーズにも関わらず、市場に出回ったのはパート1『Austin Powers: Oh Behave!』と、パート2『Austin Powers: Oh Behave!』の2本のみ。残りの2本は契約の問題が生じて結局リリースされずに終わってしまったのは残念な限りだが、筆者が数年前にニューヨークのCBGB跡地近くにあった中古ゲームショップの片隅で未開封の本作を発見した時には、軽くその場で小躍りしたのと同時に、R★の奥の深さを思い知ったのも今となって良い思い出である。

 さて、約3ヶ月に渡って初期ROCKSTAR GAMESの軌跡を追いかける連載も、遂にセカンドシーズンに突入する(そういう形容詞があれば、の話だが)。いよいよ次回より時代はプレイステーション2時代へ本格的に突入。『GTAIII』を筆頭に、覇者への道を突き進むR★のアグレッシヴ極まりない時代を語ります。まずは引っ張りに引っ張った『GTAIII』! そして『VICE CITY』! 更に『SAN ANDREAS』と続きますので、今後とも宜しくお願いします!

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