『ペルソナ3ポータブル』クリエーター's BLOG

『ペルソナ3ポータブル』クリエーター’s BLOG 【第12回】木戸 梓氏

こんにちは、P3Pディレクターの木戸です。

先日、電車で隣合わせになった方がP3Pをプレイしてくださってました。
自分は今までずっと据置機のタイトルの開発をしてきましたので、プレイ中のユーザーさんを見るのは初めての経験でした。
ドキドキして心臓に悪かったのでそっと立ち去りましたが、ものすごく嬉しい出来事でした。
「いつでもどこでも」が携帯機の大きなメリットですので、ぜひ連れ回して遊んでくださいね!

さて今回は発売後ですので、開発秘話を…ということで、新しいキャラクターたちの裏話をさせていただこうと思います。
コミュのお話のネタバレが多少含まれますので、まだ彼らのお話を聞かれてない方は、ご注意ください。


まずは、運動部の岩崎理緒です。

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女性主人公では、女子バレー部と女子テニス部のどちらかに入部することになります。
やはり、女子の部活に入ると女子高生になったという実感を持ってもらえるのではないかということで、男子部の宮本と交代してもらうことになりました。

男子部の宮本については、直球スポ根をイメージしていましたが、その女子版というだけではまた変わった印象が出ないので、恋愛模様を足すことによって、運動部の仲間というより、理緒という女の子との絆に焦点を当てることにしました。

タロットカードの『戦車』には、熱意・勝利・積極的などの意味がありますが、逆位置では、暴走・ケンカ・勇み足などのように受け取られるカードです。
何事にも体当たりで前向きで強気だけれど、それが周囲との軋轢を生むこともあり、分かっているけど自分を曲げることができない…若いというか、不器用なイメージのアルカナです。

理緒は、恋愛自体に悩んでいるというよりも、恋愛をキッカケとして気付いた、自分自身のあるべき姿にも悩んでいるように思います。
「前向きで強気な私」ではない自分と向き合うのは、理緒は初めてだったのかもしれません。

さて、理緒の話の中では、友近・結子・宮本がよく登場しますが、男性主人公でプレイしていただくと彼らとコミュを築くことができます。
友近の恋の行方や、宮本のケガの理由などは男性主人公でないと打ち明けてもらえません。
ぜひ男女主人公の両方をプレイして、彼らをより身近に感じていただければと思います!


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次は、委員会の長谷川沙織です。

 

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当初は文化部で考えていたのですが、風花コミュで料理部が登場するため部活が多すぎ、委員会に変更しました。

アルカナは『隠者』です。
『隠者』には、真実・探求・深慮といった意味がありますが、逆位置だと消極的・閉鎖性となり、どちらにせよ心の内なる世界を示すカードです。
言葉の通り、「世捨て人」なんですね。

男性主人公では、バーチャルな世界で出会うY子とのコミュニティでしたので、女性主人公では、リアル世界で生きつつ世を捨てている人、のイメージで『隠者』を割り当てています。

受身で流されやすく、自分のしたいことなどない、と言う沙織ですが、本当は、やりたいことも、やりたくないことも、感情も、持ってるのではないでしょうか。
主人公との絆によって沙織が下した決断は、プレイして確かめていただければと思います。

さて、理緒とのコミュでは同学年の友人たちが出てきましたが、沙織とのコミュでは先生たちがよく登場します。
沙織の担任の大西先生の他、保健委員だと江戸川先生、また時には江古田先生や鳥海先生も出てきます。
教師同士の関係が垣間見える、やや大人の(?)雰囲気を感じていただけると思います。


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最後に、ベルベットルームの住人、テオドアです。

 

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「エリザベスの男版」ということで、開発初期は「男エリザベス→エリお→エリオット」などと呼ばれていました。
いくつかの名前候補の中から「テオドア(通称テオ)」となった際に、通称があるということは、「誰かがテオドアをテオと呼んでいる」ということになるので、同じく住人であるエリザベス、マーガレットの弟という立場が決まりました。

普段、テオがエリザベスにどういうことをされているのかは、エリザベスを案内人に選んでいただくと大体想像していただけると思います。


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料理の行方は…?

 
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ここだったようです。



発売前と今回とで二度もお話しさせていただく機会に恵まれ、本当に嬉しく思っています。
何だか細かいところばかりの話になってしまった気もしますが、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
ボリュームたっぷりのゲームですので、末永く遊んでくださると嬉しいです。

ありがとうございました!


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  • 橋野 桂
    (はしの かつら)

    『真・女神転生III-NOCTURNE』、『ペルソナ3』、『ペルソナ3フェス』、『ペルソナ4』ディレクター。『ペルソナ3ポータブル』ではプロデューサーを担当。
  • 副島 成記
    (そえじま しげのり)

    『ペルソナ3』、『ペルソナ3フェス』、『ペルソナ4』アートディレクター。『ペルソナ3ポータブル』ではアートディレクター/キャラクターデザインを担当。
  • 目黒 将司
    (めぐろ しょうじ)

    『ペルソナ3』、『ペルソナ3フェス』、『ペルソナ4』サウンドコンポーザー。PSP版『ペルソナ』ディレクター。『ペルソナ3ポータブル』ではサウンドコンポーザーを担当。