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【MH4G】第79回 雷の誘惑

 G級に上がって以来、ほぼすべてのクエストで苦戦をしている俺とTさんのコンビだが、「これはさすがに余裕だろうwww」とナメくさっていたクエストもいくつか存在する。

 そのうちのひとつがドスガレオス討伐であり、ザボアザギル亜種討伐だったのだが、この日記でも書いた通りどちらのクエストでも散々な目に……。でも! これらふたつのクエストに関しては、手こずったなりの理由が存在するのだ。それはズバリ、

「ドスガレオスもザボアザギル亜種も、ほぼ初見のモンスターだったから!」

 ってもの。異種格闘技戦においてもっとも怖いのは、“相手に何ができて、どんなことをしてくるのかまったくわからない”ってことなのだが(いや俺、異種格闘技戦なんてやったことないけど)、この理屈はモンハン世界においてもしっかりと通じ、だからこそ俺とTさんはこれら2種のモンスターにいいようにやられてしまったのである。……これ、自分で書いておきながらものすごく論理的で、キーボードを叩きながら「なるほど!! いいこと言うなあ!!」って感心してしまいました。……いえ、頭はダイジョブですのでお構いなく。

 苦戦の理由がわかったところで改めてG★1のクエストを眺めてみたのだが、なんとそこに、どう考えても“サービスクエスト”としか思えないチョロそうなクエストがあったではないか。俺はニヤニヤと笑いながら、Tさんに声を掛けた。

「おい、お嬢w ここにきてようやく、楽ができそうなクエストを発見したぜwww」

 Tさんがうれしそうに、「え、なになに?w」と食いついてきた。俺は続ける。

リオレイアフルフル亜種の2頭討伐クエストwww どっちもここに来るまでに、さんざんやったモンスターやでwww さすがのキミも、そうそうやられることはあるまいwww」

 妖しい微笑を浮かべながら、Tさんが返した。

「確かに、その2頭なら余裕そうねw ……ま、サメ亜種(ザボア亜種のこと)でやられてたの、オメーだけだけどな。今度は足引っ張んなよwww」

 俺たちは口々に「ヘタこくなよ!」、「オメーがな!」なんて罵り合いつつ、“大地と魅惑とハンターと”のクエストに出発した。場所は、地底洞窟だ。

 しかしこのクエスト、毎度のことなのだが、まったくうまくいかなかった。今回つかまったのはTさんのほうで、めったやたらとフルフル亜種にやられまくるのである。帯電に「バチュン!」と触れて1オチ、電撃ブレスを「バチバチッ!!」と浴びて2オチ、そして帯電ボディープレスで「ぷちっ」とつぶされて3オチめ……。電撃攻撃を喰らったときのHPの減り具合が尋常じゃなくて、俺がいくら生命の粉塵を飲んでも追いつかなかった。こんなパターンでクエスト失敗になることが5回連続で続き、さすがに「なんかおかしい……」と思った俺はTさんの装備を覗き見てみた。そして、「ぎゃっ!!」とひと声叫んでひっくり返ってから、Tさんに告げる。

「おい!!w お嬢の装備、雷耐性が−20になってるぞ!!ww オメーは鉄でできてんのか!!w」

 しばらく前からTさんは、「なんでもいいからG級の装備が欲しい!」と言って、ザザミXシリーズの防具で全身を覆っていた。これにより確かに、上位時代と比べて防御力はハネ上がったのだが、それと引き換えに雷耐性を失っていたのである。

「すぐに着替えろ!! そりゃフルフルにやられるに決まってるわ!!w」

 Tさんも、大いに驚いたようだった。

「ナニィ!!w こしゃくなヤツめ!!!

 慌てて防具を着替えに向かったTさん。すぐに「これでどや!!!」と言いながら戻ってきて、その姿を俺にさらした。

 見れば、彼女が纏っているのは全身ゴアS装備。「ふむふむ。これなら大丈夫そう……」とつぶやきながら覗いてみると……。

「……って、オイwww その装備も雷耐性−15だぞwww ちゃんと見ろや!w だったらフィリアになれ。まだマシだろうに」

 Tさん、「がってん承知!!!」と言って再びマイルームに消え、まもなくこんなことを言ってきた。

「ねえねえ、いま見たら天使(フィリア装備のこと)よりも、キリン装備のほうが雷耐性高いお。これなら何の問題もないだろ??」

 あ、なるほど。そういえばTさん、かつてはキリン装備を愛用していたっけ。……うん、雷の化身のようなキリンの装備だったら、間違いなく耐性は高いだろう。たまにはヤツも、いいところに目をつけるではないか。ホクホク顔で、俺は応えた。

「いいねいいね。ナイスな案だわ。着替えろ着替えろ」

 再び「がってん!!!」と元気に言って着替えに向かったTさん。ひさしぶりのキリン装備に袖を通して、「さあいこう!!! これでクリアーや!!!」とクエストに出発しようとする。俺も勢いに押されてそのまま出掛けるところだったのだが、なんとなくの胸騒ぎを覚えて彼女の装備を覗いてみた。

 ……そして、ガクッ……とうなだれてTさんに告げる。

「……ってオメー、防御力見たのかよ!w 135しかねーじゃねえか!!w 耐性以前の問題だわ!! 頼んますから天使に着替えてください!! お願いしますお頼みします><」

 その後、「いやキリンを鍛える!」、「もう別なの作れ!(怒)」、「じゃあG級のフルフル亜種装備!^^」「それがクリアーできねえんじゃねえか!!!(激怒)」なんてやり取りをくり返しているうちに疲れ果て、けっきょくこの日はチャットをしただけで解散になったのでした……(苦笑)。

 おしまい。



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投稿者 大塚角満 : 16:36

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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