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【MH4G】第78回 サメが、来る

 毎回同じようなことを書いているが、G級に上がってすぐに、壁となるモンスターが現れてしまった。そいつは何を隠そうザボアザギル亜種なのだが、あまりにもナメてかかりすぎたことをボコボコされたあとに深く反省しました。ザボア亜種さん、その節はたいへん失礼いたしました

 G級モンスターの手荒い洗礼に苦慮していたTさんは、俺とは違ってザボア亜種に対してかなり警戒していたと思う。

「このザボアザギル亜種って、どんなん? アカンやつ??」

 この質問を俺は「ふっwwww」と鼻で笑い、返す刀でこんな回答をしていた。

ぜんぜん余裕っしょ!ww 亜種とは言え、ザボアだもんwww とっととクリアーして、先に進もうぜwww」

 ザボア亜種さん、その節はたいへ(以下略)。

 このザボアザギル亜種、やってくることの大枠は原種のほうと大差はない。……んだけど、原種と比べて圧倒的に攻撃への意識が高く、膨張やら突進やらを頻繁にくり出してきて、ハンターを近寄らせようとしない。やってることは原種と似通っているのに、まったく別物のモンスターを相手にしているかのような錯覚を覚えるほどアグレッシブで、その“ギャップ”にまずは手を焼かされた。

「こここ、こんなはずじゃ……!!!」

 そう思っている間につぎつぎと攻撃を喰らい、瞬時に昇天させられてしまう。その性能差は、入門したてで身体もできていない前相撲の力士を原種とすれば、ザボアザギル亜種は完全に幕内三役クラスの実力者。技のキレも手数も、スピードも体格も根本から違う相手に、ナメてかかって勝てるわけがないのだ。箸にも棒にもかからない立ち回りをし、

「アレヨアレヨ!!」

 と踊っているうちに、俺とTさんは3連敗を喫した。……いや3オチではなく、3回連続でクエストに失敗するという“9オチ”をやってのけたのだ。しかも、このときは完全に俺のほうが足を引っ張っていて、9オチ中、7オチを記録するという体たらく。しかも一度などは、1回のクエストで5回も捕食をされて骨の髄までしゃぶられてしまったよ(マジです)。身体中からダシを抜かれてフラフラになった俺に、Tさんが冷ややかな声をぶつけてきた。

「キミ……ww どんだけコイツが苦手なの……?ww 私ですらあんまオチてないのにwww あまりにもしょっちゅう喰われているので、一瞬“もしかして、ワザと……?”って思っちゃったわww」

 Tさんの発言を苦々しく聞きながらも、実際に俺のせいで前に進めなくなっているので「ち……」という舌打ちしか出てこない。

 でも、これは由々しきことである。G級のこんな序盤でTさんに主導権を奪われようものなら、先に待つG2、G3の狩りで面倒なことになるのは火を見るよりも明らかではないか!

 なので、俺は考えた。ザボアザギル亜種の対策を−−。

 こいつの怖いところは、わりと頻繁に大ダメージ必至の水属性ブレスを吐いてくるところだ。しかも巨体に似合わぬクイックモーションで放ってくるので、俺はたびたび被弾して昇天の憂き目をみている。

「水ブレスのダメージを、もうちょっと抑えられればなぁ……」

 そう思ってふと、当時愛用していたグラビドUシリーズを基本にした防具を見てみると、な、なんと……!

「……あ!!! この装備、水耐性が−22になってる!!」

 そう、俺は気づいてしまったのだ。ザボアザギル亜種の水ブレスを喰らうたび、瀕死の重傷を負っていた理由に……! なーんだそうか。そうだよな!! 俺のようなベテランハンターが、理由なくザボア亜種ごときにボコられるわけがないんだよな!!

 宇宙の真理を解き明かした哲人の顔になり、俺は厳かにTさんに告げた。

「お嬢、わかったよ。俺がオチ続けていた理由が。俺の防具、極端に水耐性が低かったのだ。これを見直してくるので、もう二度とオチることはないと思う。これぞ真理−−。これぞコトワリ−−

 しかつめらしい表情をする俺をつまらなそうに見つめながら、Tさんは「あっそ」と言い、「なんでもいいけど、つぎはなんとかしてよ!!」と発破をかけた。

 俺は急いで、しばらく使っていなかったアークSを基本にした装備を身につけた。スキルは大したことないが(斬れ味レベル+1と力の解放+1だったか)、水耐性は太鼓判の+13である。これで、ザボアザギル亜種にやられる理由が完全に消失した。

「対サメ用装備、完成!!!www」

 バカ笑いが止まらず、俺は笑ったまま何度目かのザボアザギル亜種討伐に向かった。

 そして−−。

 ……俺、なすすべなくまたまたハットトリック( ゚д゚ )

「あのwwwww サメ用装備っての、もしかして着忘れました??www なんかさっきまでと変わらずにオチまくってる人がいるんですけどwwwww」

 俺、まったく返す言葉もなく、

「サ、サメ……サメが、来る…………(((( ;゚Д゚)))」

 と、うわごとを言い続けるのだった……。



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投稿者 大塚角満 : 17:41

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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