大塚角満の ゲームを“読む!”

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【MH4G】第75回 食ったのか、食われたのか

「ヤツなら余裕や!!! 何百匹狩ったと思ってるんや!!!」

 勝ち誇るゲネル・セルタスのような顔をしてがなり立てるTさんとともに、G級のダイミョウザザミ討伐に出向くことになった。記念すべき、初めてのG級クエストである。

 こういった“初めての”とか“最後の”とか、もしくは“100回目の”なんていうアニバーサリーのときって、激しく燃えたぎるものがあるでしょう。とくに男性のほうがその傾向が強いと思われ、とくに“初めての○○”というときは目が血走りがちだ。たとえば………………………と考えてみたけどナゼかいい例えが思いつかなかったので先に進むが、この“初めてのG級クエスト”には期するものがありましたよ。

「必勝以外にあり得ない!!!!」

 俺はそううそぶいて、いまやご近所さん的なモンスター、ダイミョウザザミが待つ原生林へと歩みを進めた。Tさんの言う通り、ダイミョウザザミはモンハンフェスタ'15の予選モンスターだったので、イヤと言うほど狩っている。その性格、行動パターンはすべて我々の手中にあるのだ! やられる可能性など、寸毫もないと思っていた。

練習では2分かからずに狩っていたので、こいつもそのくらいでいけるよな^^」

 Tさんがヘラヘラとそう言うのも、ある意味無理のないことだったのかもしれない。

 そしてまもなく、原生林のエリア3でダイミョウザザミが発見された。見つけたのはTさんで、「キミが来る前に、ひとりで狩っちゃうかもなwww」なんてデカいことをほざいている。でも実際、このとき俺は隠しエリアでホリホリしていたので、すぐさま駆けつけることはできなかった。「まさかとは思うけど……ひとりでもいい線まで行っちゃうかもなー」と俺は考えた。

 そんな、30秒後。

「いやぁぁぁぁぁぁぁああ!!!www」

 チャットウィンドに、Tさんが定型文で仕込んでいる断末魔の悲鳴が表示された。……そういえば今回のクエストとはまるで関係ないけどこのオンナ、定型文に登録してある文章がヒドイのだ。ざっと挙げると、

「いやぁぁぁぁぁぁぁああ!!!ww」

「角満、助けて!!ww」

「角満、あとよろしく!!ww」

「うぷぷ!!w オチてやんの!!ww」

 こんなのばっか!!! ヘンなところばっか凝りやがってからに……。

 まあとにかく、そんな良三さんばりの定型文の中から悲鳴が選択され、直後に信じられない文字が画面を覆う……。

 “Tさんが力尽きました”

 俺、驚きのあまり、目の前をテクテク歩いていた飼いネコのミュウをとっ捕まえて、「えらやっちゃえらやっちゃ!!」とヤケクソの阿波踊りを躍らせた。そして、吠える。

「って!!!! ナニやってんだバカぁぁぁああ!!! あっちゅーまにやられやがって!!! 油断しすぎだろ!!!(怒)

 言われたTさん、「お、おっかしいなぁw」とクビをかしげるも、すぐに気を取り直して虚勢を張った。

「……そう!!! いまのは油断や!!! あまりにもカニの動きが見えすぎて、思わず3DSを逆さに持ってプレイしちゃったわ!!!」

 俺は力なく「ハイハイ……」と呆れ声を出し、「頼んますよ。G級は始まったばかりなんだからさー!」と釘を刺した。

 そのうち、俺もダイミョウザザミのいるエリアに到着し、モンハンフェスタの予選の練習をしていたときと同じようなシチュエーションになった。違うのはフィールドと、俺が手にしている武器くらいか(練習ではガンランスではなく、太刀だったので)。なんにしてもやることと言ったら、操虫棍のTさんがダイミョウザザミに乗って倒し、ひたすら斬り刻むだけである。

「お嬢! とにかく乗れよ! よろしくな!!」

 俺の檄に、Tさんも元気に応じる。「あたぼうよ!!! まかせとけ!!! 何匹狩ったと思ってるんや!!!」。

 で。

 Tさん合流後、20秒で2オチ目wwwwwww

 ……って、笑ってる場合じゃねえええ!! 俺、アゴが外れたマレーグマのような顔をして「あががががが!!!!(怒)」とヘンな音を出し、怒りを爆発させる。

て、テメこの!! ななな、ナニがまかせとけだ!!! ザザミのバチューンもピューンもブバーも全部ぜんぶ喰らいやがって!!! は、は、は、初めてザザミ見たんか!!! カ、カニの攻撃は痛いカニ!!!(意味不明)

 それでも、Tさんは悪びれなかった。

「……まあ、ここまでは仕方ない!!! G級に上がったご祝儀みたいなもんや!! こっから本気出す!! オメー、オチるなよ!!!」

 なんでG級に上がったご祝儀をザザミに渡すのかよくわからなかったが、さんざん狩ってきたこのモンスターを相手に3オチなんていう醜態をさらすわけにはいかない。俺は渋い顔で「ったく、マジメにやれよマジメに……」とブツブツ言い、シビレ罠や落とし穴の準備をしつつTさんが狩場に戻ってくるのを待った。まもなく、「さあ狩りの始まりや!!」とどの口が言ってんだオラ的なTさんが帰ってきたので、気を取り直して後のない生存競争に身をゆだねたのだった。

 そして……。

 Tさん、復帰後2分足らずでハットトリックを記録……(苦笑)。

 直後、スマホがブルルと震え、Tさんからメッセージが届いたことを知らせてきた。見ると、そこにはこんなひと言が……。

カニ、つええええええ!!!!!www カニに復讐されるとは、これいカニ!!!www

 まっっっっったくウマくないけどね……。

 おしまい……。



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投稿者 大塚角満 : 17:50

【MH4G】第74回 いざ、G級に!

 久々の更新となるのは、4月12日のモンハンフェスタ決勝大会を見て燃え尽き、何もする気が起こらなくなったからです……。ああ……。1週間経ったいまでも鮮明に、“伝説の決勝戦”の様子が思い浮かぶわぁ……(うっとり)。

 決勝大会のことは、その背景をしっかりと取材したのちに、いつか文字にしたいと思っています。そのときが来るまで、しばしお待ちを……。

 さて。

 しばらく進行とは関係のないことばかり書いてきたが、本日より通常の内容に戻そうと思う。そこで、バックナンバーを辿ってみると……そうか。ダラ・アマデュラを越えたところまで書いたんだったな。我ながら、なんてキリのいいところで小休止していたのだろう。となると今回は、順番から言うとG級への最後の壁・ウカムルバス討伐のことになるわけだ。よーし、さっそくウカムのことを書いちゃうぞーーーー!!

●白い巨人・ウカムルバス

 2015年1月25日。俺とTさんは無難にウカムルバスを討伐し、晴れてG級ハンターとなった。

 おしまい……。

 ……って! たったの41文字で終わっちまったーーーーー!!! 

 ……いや、無理にほじくり返せばいくつかのハプニングは出てくると思うんだけど、何しろ3ヵ月も前のことだし、意外とアッサリとクリアーしてしまったので、このくらいでいいかな、と……。G級に上がってからのほうが圧倒的に、艱難辛苦の状態になっているしね……。

やったーーーーー!!! G級ハンターになれたよ!!! 『4G』を始めた当初は“絶対無理www”って思っていたけど、やればなんとかなるもんだな!!!

 ウカムルバスの緊急クエストを終えて集会所に戻ってきた途端、Tさんが喜びを爆発させた。

 いやでも、無理もないと思う。

 なんたってTさんは、無印(初代モンハン)から『モンスターハンター4』までの“モンハン10年”の歴史をすべてすっ飛ばし、この『4G』でハンターデビューしたルーキー中のルーキーなのだから。武器を砥ぐことも、畳むことも知らず、肉を焼かせれば生焼けばかりを量産して「ミディアムレアうまそう^^」と言ってはばからなかった彼女が……>< いまでは操虫棍を違和感なく使いこなし、リオレウスも、ゴア・マガラも、イビルジョーも、屈強な古龍たちをも棍の錆(?)にしているのである。これを感慨深いと言わずして、いったい何をそう称えればいいのか。

 でも、ここで諸手を挙げて俺まではしゃぎ、達成感に浸ってしまったらロクなことはない。あえてここは、突き放さなくては。いっしょに踊りたい気持ちを抑えながら、厳かな口調で俺は言った。

「お嬢、G級昇進おめでとう。……しかし!! 喜ぶのはまだ早いのだ!!

「え??」とTさん。かまわず、俺は続ける。

「『4G』を手に入れて以来、ハンターの最下層である下位からふたりきりでのし上がってきたわけだが…………『4G』での本当の狩猟は、ここからなのである!!!

 俺の気合に引かれたTさんが、勢いのある合いの手を入れた。「おお!! そのココロは!!?」。一気に俺はまくし立てた。

「ウカムルバス以前のほとんどのクエストは…………『モンハン4』でもできるのだよ!!! つまり!! 『4G』として新たに追加された部分は、このG級以降にあるのじゃ!!!」

 Tさんが、目を見開いた。「と、ということは…………?」。

 首を脱臼するほどの勢いで頷き、俺はこの会話の結論を告げた。

「……俺たちの『モンスターハンター4G』は、たったいま始まったばかりなのだああああ!!!www

「ぎゃああああ!!!www そういうことかぁぁぁあああ…………!!」というTさんのうれし泣きが、遠くから聞こえたような、聞こえなかったような……w

 まあそんなわけで、ようやく始まりました『4G』がw ここが“新・逆鱗日和”のスタートと言っても過言ではないかもしれません(苦笑)。

 気を取り直した俺たちは大老殿に集合し、さっそく「一狩りいこうぜ!」と言い合って、記念すべき“G級1発目”のクエストに出向くことにした。俺が貼ったクエストは……“これが本当のダイミョウ行列?”。そう、“あの”ダイミョウザザミの討伐クエストだ。勝手知ったるダイミョウザザミならば、記念すべき1回目のクエストにピッタリではないか。

 でもここでTさんが、思いもかけないことをのたまった。

「……ねえ、このダイミョウなんちゃらって、どんなモンスター?? つおいの??」

 驚きのあまり、俺は3DSをパタンと閉じそうになった。でもなんとか気を取り直して、Tさんに泣き声をぶつける。

「どんなモンスターって………………カニだよカニ!!!!www オメーも何百回もやったじゃねえかよぉ!!!>< モンハンフェスタの!! タイムアタックの練習でぇ!!(泣) なんで知らねぇんだよぉぉぉお!!!!><

 ようやくTさんが、「あー!www」と言った。

「なんだカニかあ!!!www あいつ、こんな名前だったのかよ!!!www 知らなかったwww 笑えるwww

 いったい何が笑えるのかさっぱりわからなかったが、

「ヤツなら余裕や!!! 何百匹狩ったと思ってるんや!!!」

 と元気いっぱいのTさんに連れられ(?)、我々は始めてのG級クエストに出発したのだった。

 続くw



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投稿者 大塚角満 : 13:46

【MH4G】第73回 男たちの顛末〜福岡大会の追憶 その2〜

 前回の続き。

 モンハンフェスタ'15福岡大会の前日に小倉入りしたまではよかったものの、思わぬハプニング(?)に見舞われてしまった我々3人。そのハプニングとは何か……については、2回も書くのはアホらしいので前回の記事を参照願いたい。でも一応、要点だけ記すと、タイムアタックの練習用に山本さんに貸すはずだったニンテンドー3DSを、中目黒目黒が持ってくるのを忘れただけなんだけどな。

「ずずず、ずびばぜん……www」

 謝っているわりには半笑いの目黒を憎憎しく眺めながらも、気を取り直して俺は言った。

「こうなったら、やることはひとつ。山本さんのデータをハンターランク4にしてから、練習に入るしかないです」

 山本さんが、力強く頷いた。

「ですね!! ……ていうかやっぱりこういうのは、自分の力でなんとかしないと!! たとえ目黒さんが忘れなかったとしても、僕はきっと自分のデータでやっていたことでしょう!!w」

「そう!!! ……ですかね^^;」と俺。

「そのセリフを待ってました。あえて忘れた甲斐があります」と目黒。

 俺と山本さんは目黒をジロリと睨みつけつつ3DSの電源を入れ、集会所に集合した。さあさあ、ふつうの狩りだ!w 上位まで、突っ走らなければ!

 しかし結果論かもしれないが、いきなりタイムアタックの練習をするのではなく、ふつうの狩りから入れたのは我々(とくに山本さん)にとってはプラスだったんじゃないかと思う。というのも、予選種目のダイミョウザザミ討伐に臨む武器は操虫棍(山本さん)×ライトボウガン(俺)にすることになっていたのだが(山本さんがいたく操虫棍をお気に入りだったのでw)、モンハン経験値の少ない山本さんがいきなりテクニカルな武器を使いこなすにはあまりにも時間が少ない。が、幸か不幸かふつうの狩猟をいくつもこなさなければならなくなり、その中でナチュラルに操虫棍に触れられたのは決して遠回りではなかった。俺も目黒も操虫棍はまったく使ったことがないので大したアドバイスはできなかったが、テツカブラやリオレイア、ゴア・マガラといったモンスターを相手にしながら、山本さんは徐々に、その特性をつかんでいったようだった。そして気がつけば、ハンターランクは4に−−。

「よっしゃあ!! ついに練習に突入だあああ!!!www

 俺たちはハイタッチを交し合い、しかし時間もないのでひと息もつかずに闘技大会へと移行したのであった。

 操虫棍×ライトボウガンでの立ち回りは、あらかじめ考えてあった。というのも、1月に行われた東京大会に同僚のTさんと出場したあと(武器は太刀×操虫棍)、なぜか「操虫棍×ライトボウガンがおもしろそうなので、ちょっとやってみようぜw」ってことになって、昼休みを使って練習していたのである。この組み合わせならば少なくとも、太刀×操虫棍よりはいいタイムが出るだろう。それほど根をつめてやっていたわけではないが、俺とTさんの最高タイムは1分50秒が出ている。即席コンビの俺と山本さんだが、がんばればSランク(2分30秒以内)も夢ではない……!!

「キャンプに着いたら、山本さんに落とし穴を渡します。なので最初は、Aボタンを連打していてください。それを持って中に入ったら、最初の段差を下りたあたりに落とし穴の設置を。僕がダイミョウザザミに拡散弾を撃って気づかせるので、落とし穴に誘導して−−」

 立ち回りをトレースするように、ひたすら練習。もちろん最初はシッチャカメッチャカでリタイアすることも多かったのだが、途中、カプコンのパブリシティー担当・橋本さんが陣中見舞いに来てくれ、操虫棍の基礎を山本さんに伝授してくれたことにより戦況がガラリと変わる。少しずつタイムが向上してゆき、最初の目標としていたSランクも易々と突破!!


▲途中からになってしまったが、タイムは手書きで記録。

 そして最終的には、

 2分6秒キタコレ!!!! ついに1分台も見えてきた!!!!!

 俺はすぐさま東京大会での相棒、Tさんに状況を伝えた。「2分6秒まできたぞ!!」と言って。このときの、Tさんの驚きようったるやなかった。

え!!!!! マジで!!? まだ練習始めて数時間でしょ!!? ……いやあ、さすがやw これがゲームクリエイターのポテンシャルかww」

 まあそうは言っても、予選通過ラインを考えたらここから丸々1分は削らないといけないわけですが(苦笑)。それでも、2分そこそこのタイムを出せ、さらに伸びシロがたっぷりあることも感覚的にわかったので、俺と山本さんはホッと胸をなでおろした。そして、なでおろしたついでにひと息つこうとなり、夜の街で夕食兼作戦会議をしてからホテルに戻って、その後も時間の許す限り練習に没頭したのであった。不思議なことに2分台前半は安定して出るのだが最速を更新することはなく、俺たちは“持ちタイム:2分6秒”のまま本番を迎えることになった。

 そして、運命の3月8日。

 俺たち3人は開場と同時にイベント会場入りし、狩王決定戦予選の列に並ぶ。何人かのハンターさんが山本さんを見て、

 Σ(゚Д゚;!

 ↑こんな顔になっていたが、そりゃ驚くよなあ。

 まもなく、俺たちの順番がやってきた。とたんに、エントリー用紙を持つ手がプルプルと震えてくる。

「やばい……。猛烈に緊張する……。こんな気分、超ひさびさですよ……」

 山本さんも、俺と同様なようだ。福岡行きを決めたときは「約束を果たすために」という想いのほうが勝っていたが、本気でタイムアタックにのめり込むにつれ、“キチンと成果を残したい!”という気持ちが圧倒的に大きくなっていったのだ。緊張するなというほうが無理というものだ。

 会場に滞在中、俺と山本さん、目黒の3人で何度、

「ユーザー参加型のイベントって、やっぱり最高ですねー!」

 と言い合ったろう。

「緊張するけど、ワクテカも止まりません!! 子どものころに出た、ゲーム大会のことを思い出しますよ!

 とは山本さん。自身がプロデュースする『パズドラ』も全国ツアーの真っ最中だが、競技者のひとりとして参加するこのイベントは、また違った趣があったに違いない。

 で……。

 ついに予選の席についた俺たち。

「がんばりましょう!!!!」(俺)

「すべてを出し切りましょう!!!」(山本さん)

 と互いを鼓舞しながらダイミョウザザミと相対したわけですが……。

 ……終わったときの、俺たちの表情↓

 ギャアァァァァ−−−(゚Д゚|||)−−−!!!!

 (((((((( ;゚Д゚))))))))ヒィィィィィィィィィ!!!!

 イベントの最後、ステージに飛び入りした山本さんが良三さんや藤岡さんに、

「ベベベ、ベストタイム(2分6秒)が出ていたら、30位くらいに入ってましたよ!!!><」

 と声を張り上げたのが、唯一の抵抗だったかな……(苦笑)。

 ……貼りたくないけど、↓俺たちの結果。

 いったい何が起こってこういうことになったのか……? それは永遠のナゾ……。

−完−

 ……そんな福岡大会で大活躍(!?)したふたりが、東京メトロ南北線の六本木一丁目駅に貼られている『逆鱗日和』シリーズの巨大ポスターに登場しております! 狩王決定戦の予選に出場したふたりならではの直筆コメントとサインが入っておりますので、4月12日にモンハンフェスタ決勝大会に来場される方はぜひともチェックしてみてください!

 そして……全国の舞台で覇を競うゲームアスリートの皆さん、感動の立ち回りを期待しています!!! がんばって!!!



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投稿者 大塚角満 : 17:19

【MH4G】第72回 男たちの顛末〜福岡大会の追憶 その1〜

 突然ですが本日(4月8日)より1週間、東京メトロ南北線の六本木一丁目駅改札内に、『逆鱗日和 天』と『角満式モンハン学〜モンスター編R〜』の巨大ポスターが掲示されております!!(場所は改札内、北改札寄りです) その図案は……なんと! パズドラの山本大介プロデューサーに友情出演していただき、ふたりで『モンスターハンター4G』を遊んでいる風景を収めたものw 六本木一丁目駅はモンハンフェスタ'15の決勝大会が行われる会場の最寄りですので、4月12日に大会にお越しの方は、ぜひチェックしてみてくださいね!! 直筆サインとコメントもあるよ!!


▲さっそくポスターの前で立ち止まってウットリと見つめる女性ファン……という設定の江野本ぎずも。


▲場所がちょっとわかりにくいかもなので、参考になる写真を。中央改札の乗り越し精算機の並びにポスターはあります。円で囲んだところですが、べつに霊が写っているわけではありません。手前が中央改札、写真左手奥に北改札がありまする。

 なぜ山本さんにポスターへの出演をお願いしたのか? それにはもちろん理由がある。

 何度かさわりの部分だけ記事にしてきたのだが、去る3月8日に開催されたモンハンフェスタ'15福岡大会の狩王決定戦に、なんと俺と山本さんのチームが参戦。それ以降、狩りに目覚めた山本さんと『4G』で遊ぶことが何度かあり、その流れでポスターへの出演をお願いしたというわけだ。

 さて。

 いま“さわりだけ”と書いた通り、俺と山本さんのチーム“パズル&モンハン”がいかにして福岡大会に臨み、そして戦ったのかを記した記事は存在しない。なぜかというと……俺が書いていないからなのだが(テヘ)、今日ついに、その封印を解くこととする。4月12日のモンハンフェスタ決勝大会へ向けた餞(はなむけ)になれば……。

◆◆◆

 俺と山本さんのふたりが福岡大会に参加することになったきっかけは、昨年9月の東京ゲームショウ2014の際に実施したトークショウである。“大塚角満が仲のいいクリエイターと居酒屋トークをする座談会”という設定で、『モンスターハンター4G』の辻本良三プロデューサー、藤岡要ディレクター、そして『パズドラ』の山本さんに出演していただいたのだ。その中で話題が狩王決定戦のこととなり、勢いで「我々ふたりで参戦しますよ!!」と山本さんが発言。「言いましたね!?w」(良三さん)、「約束ですよ!?w」(藤岡さん)と言質を取られ、ホントのホントに出ることになったのである。

 本当は、関東住まいの俺たちがもっとも行きやすい東京大会に出ようと思っていた。しかし、年明けから2ヵ月くらいは、ただでさえ忙しい山本さんがそれに輪をかけて多忙を極め、タイムアタックの練習をする時間がまったく取れなかった。そこで俺は、当ブログでおなじみのTさんに声を掛けて必死に練習し、東京大会に参戦(結果はこちら)。

「山本さんと出ることは、幻となりそうだな……」

 そうあきらめかけた2月のある日、件の山本さんから連絡があった。いわく……。

大塚さん! 福岡大会に行きましょう! なんとか時間を作るので、練習して大会に臨みましょうよ! 辻本さん、藤岡さんとの約束を果たすのです!

 おおおおお!!! 山本さん、約束を忘れていなかった!!! さらに山本さんは、

「旅費は自腹でけっこうです! もしかすると直前まで練習できないかもしれませんが、前日は徹夜覚悟でがんばります!

 と続け、ふたりとの約束を果たすための決意を滲ませたのだった。俺はすぐさまカプコンの担当者さんに、

「僕は東京大会に出てしまっているので、“エキシビション参加”で福岡大会の予選に出させてください! 予選トップのタイムを出しても、順位には反映させなくてけっこうですから!」

 と電話。すると旧知の担当者さんはゲラゲラと笑いながら、

「わかりましたww ……まあ、順位を気にする必要はまったくないと思いますけどwww」

 と意味不明なことを言い、俺を困惑させたのであった。

 そしてその日から、俺と山本さんの“Road to 狩王 大特訓”始ま………………らなかった(え)。先のコメントにある通り山本さんは忙しく、俺もこのときは自分の単行本を3冊まとめて作っていたため、練習する時間を捻出することができなかったのである。一度だけ、夜に会って酒を飲む機会があったので、「このチャンスに山本さんをハンターランク4にし(予選のダイミョウザザミ討伐はHR4以上でプレイすることができる)、練習への取っ掛かりを作ろう!!」となったのだが、あろうことかハンターランクを1から2にしたところでタイムアップ(苦笑)。その後もタイミングが合わずに時間だけが過ぎてゆき、気がつけば翌日には福岡に向けて出発しなければならない3月6日になっていたではないか。

 ここでついに、山本さんが白旗を上げた。俺と山本さん、そして福岡に同行することになっていた中目黒目黒の3人のSMS窓に、以下のようなメッセージを投下したのだ。

「けっきょく、ハンターランクを4にすることができなかった……。練習は、福岡に入ってから徹夜覚悟でやることにしましょう! その際、無念なのですが、目黒さんのデータを貸してもらえないでしょうか……。わずかな時間も練習に充てたいので、ハンターランクを上げる作業が惜しいし……」

 これに目黒が、「もちろん! そうしましょう!」と応え、我々は文字通りの一夜漬けで福岡大会予選に臨むことになったのだった。

 そして、運命の大会前日−−。

 俺は福岡大会はいつもプライベートで行っており(仕事というフィルターを通さず、純粋に地方大会を楽しみたいから)、今回も相棒の江野本ぎずもとともに小倉入りした。山本さんたちの到着を待って江野本とは別れ、ここからは“炎の一夜漬け・小倉地獄”のスタートである。しかし、地獄というわりに我々おっさん3人はニコニコ顔で、「コンビニで酒と肴を大量に買い込みましょう^^」「早々にいいタイムが出たら、夜の街にくり出しますか^^^」「いやあ、出張は国内に限りますなあ^^^^」なんて口々に言い合い、そして本当に大量の物資を買い込んで俺の部屋に集合したのでありました。

 でも、ここからは真剣である。身体に染み付くほどに立ち回りを突き詰めて、少なくとも人前に出て恥ずかしくないくらいのタイムを出せるようにならねばならない。

「さーて、やりますか!!!!」

 ビールのプルトップを引きながら俺が言った。すると山本さんも「おっしゃあ!!!」と雄叫びを上げ、すぐに目黒に視線を送ってこう言ったのだ。

「では目黒さん、申し訳ありませんが練習用の3DSを貸してください! がんばりますので!!」

 すると目黒、ニコニコしながら飲んでいたビールを口の端からダラダラとこぼし、リアルに、

 ((((;゚Д゚))))

 ↑こんな顔になって震え声を出した。

え、え、え、えと干支……すすす、すりーでぃーえす…………ってナンでしたっけ……?

 イヤな予感を覚えながら、低い声で俺が言う。

3DSとは任天堂が発売する携帯ゲーム機で……じゃなく! 目黒のデータを練習用に山本さんに貸すことになってただろ……? ……って、オマエ、ままま、まさか……!

 山本さんが充血した目で目黒を見つめながら、「ま、まさか……」とつぶやいた。それに応じるように、目黒があられもない悲鳴を上げる。

「……すすす、すみません!!!!! 3DS、忘れてきちゃいましたあああああ!!!!!><

「!!!!!!!!!!!!!!」と山本さん。

「ωθυ&*@βγ%#ι!!?」と俺。

 なんと本番を翌日に控えたこのタイミングで、まさかのハンターランク上げからやらなければならなくなってしまった!!!www

 暗雲垂れ込める次回に続く……。



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投稿者 大塚角満 : 16:25

【MH4G】第71回 “新・逆鱗日和”制作秘話(最終話)

“新・逆鱗日和”誕生秘話の最終回です。

『角満式モンハン学〜モンスター編R〜』の書き下ろし原稿を片付けるため、都内のホテルにチェックインした俺。これから3泊4日の時間内に、48体に及ぶモンスターのエッセイと、図解用のテキストすべてを書かねばならない。ちなみにシツコイようだが、缶詰時の代金はすべて自腹である。

 編集担当の江野本ぎずもがまとめた“掲載モンスターリスト”に目を通し、あまりの物量ショックで7分ほど幽体離脱したあと、俺はやおらPCに向かった。いつまでも死んでいるわけにはいかぬ。時間がないのだ!!

 さぁ困った。どうすりゃいいんだどうすりゃいいんだと変な節回しで嘆いていると、PCの画面にピョコンとSkypeの窓が立ち上がった。江野本だ。

「あ、つながった。お疲れ様です。原稿は順調ですか?? 余裕ぶっこいて、ビールとか飲んでないでしょうね?

 俺は極めつけの渋面を作り、江野本に言った。

「ビールなんて飲めるわけねーだろ!! この物量を前にして……」

 そして、リストを見て思ったことをそのまま江野本に伝える。

「でも思ったんだけど……ズワロポスとか、何書きゃいいの……?w 人畜無害すぎて、迷惑をこうむったことも、迷惑をかけたこともないモンスターなんですけど……w」

 すると江野本は、こんなことを言った。

「うーんw でもそういうモンスターこそ、大塚さんならではの切り口でおもしろく書いてくれそうな気がしますw むしろ、あっしが心配しているのは……」

 そこで一度言葉を区切ったあと、相棒はつぎのように続けた。

ジエン・モーランとダレン・モーランを、どうやって書き分けるんだろうな……ってことwww あと、ジャギィ、バギィ、フロギィあたりの書き分けも若干心配しています^^;;;」

 い、言われてみれば確かに……。ズワロポスはなんだかんだ言って唯一無二のモンスターなので、ひらめきさえ降ってくればどうにでもなる気がする。しかし、見た目も性格も性質も似ているジエン&ダレンのような場合は、どのように住み分けをすればいいのか……!

「い、いや。とりあえずいまは、そのことは忘れよう。いざ書くときに考えればいいや……」

 青い顔で独り言を言い、気を取り直してPCに向かう。とりあえずリストの頭からエッセイをいくつか書いてみて、その時間を計って3泊4日の時間に割り振ってみるか。

「まずは……ギギネブラからいってみっか!

 腹をくくった瞬間に生まれる集中力。

「ギギネブラといったら毒……キモい……ギィギ……卵塊……」

 特徴や性質から連想される事象にまで思考の翼を広げ、“ネタ”になるまで頭の中でこねくり回す。いつしか「あ!」と思えるような着想の切れ端が見え隠れしだすので、そいつを逃さないようにさらにこねる、こねる……。まだその切れ端が完全なものにならないうちに、

「よし、いけそうだ」

 ってことになって、キーボードに置いた指を動かし始めるのだ。その“ネタのタネ”がいいものだったときは、『逆鱗日和』シリーズに載っているエッセイ1本を20分足らずで書ける。逆に気分が乗らなかったり、ネタがイマイチのときは、まとめるのに1時間近くかかることも……。でもこの缶詰期間中は総じて調子がよく、エッセイ1本を30分前後で書けていたんじゃないかな。

「よっしゃ。ギギネブラとギィギはオッケー! 10分だけ休憩しよっと」

 集中してエッセイを2、3本書いたら、俺は必ず休憩を取るようにしていた。大量の原稿を書くときって短距離走の無酸素運動と似ていて、どこかでひと息入れないと疲弊しすぎて原稿が妙なモノになってしまったりするのである。たとえば、同じような表現ばかりが続いてしまったり、読み返したときに唖然とするほどツマラナイことが書いてあったり……。

 適度に休憩を入れることで脳をリセットし、また新たな気持ちで原稿に向かう。

 このように、金曜の午後から“集中”と“休憩”をくり返してマジメに取り組んだおかげで、翌土曜日の夕方くらいにはエッセイ部分の原稿をすべて書くことができた。

 このときの開放感たるやなかった。ここ数年で最高レベルに、肩の荷が下りた気がした。「缶詰、終わったも同然じゃん!!www」なんてはっちゃけてしまうほどに……。

 そして俺はついに、「区切りがつくまで飲まない!」と決めていたビールとワインに手を出してしまう。ここまで、ほとんど寝ずに書き続けていた脳にアルコールの効果はテキメンで、酔いはすぐさま“眠気”に……。遠くから、

「ドロップ変化“睡眠”!!」

 なんて声が聞こえたような、聞こえなかったような……。

 気がつくと、シングルルームの小さな窓から薄い朝日が差し込んでいた。「はっ!!」と起き上がって慌てて時計を見ると、午前5時を指している。しまった。思わず眠りこけちまった!!! まだ図解の部分のテキスト、1文字も書いていないのに!!

「あかん!! エッセイが早く終わった分の貯金を、すべて使い果たした!!!

 もらったバイト代を、数日後に競馬ですべてスッてしまった学生時代を想像しながらPCを起動。計算では、モンスター1体分のテキストを30分くらいで片付けないといけない感じである。

「あんなに余裕だと思っていたのに!!!><」

 けっきょく、こうなるのだ。余裕はすぐに“油断”となり、最終的に“怠慢”というモンスターに進化して自分を追い詰めることになるのである。いったい俺は何度、同じ過ちをくり返せば学習するんだ……。

 モノ書きの道に踏み出して、25年……。

 1ミリも成長していないことが、今回の缶詰を通してわかったわ(苦笑)。

 そのまま俺は月曜の朝まで、原稿を書き続けた。前述した通り、この缶詰期間中は“書ける日”が続いてくれたので、比較的スラスラと文章を紡ぎ出せたと思う。途中、かなりのペースで時間を稼げたので、

「2時間ほど仮眠を取る余裕が生まれたぞ」

 と気づいたのだが、一度寝たら絶対にチェックアウトの時間まで目を覚まさない自信があったので、そのまま椅子に座り続けた(苦笑)。ここで寝たら、本当に後がないからな……。

 そして、朝の7時にホテル自慢の朝食を食べ(ここの朝飯は本当においしい)、部屋に戻って“あとがき”を仕上げたところですべてのテキストが“完了”−−。

 チェックアウトまで2時間、ほどか。

 俺は、ホテルのラウンジに行って渋い渋いエスプレッソをカップに注ぎ、ソファーにゆったりと座りながら江野本ぎずもにSMSを送った。

「いま、すべての原稿が終わったよ。今回も、なんとかなったわw」

 と書いて。するとすぐに、相棒から返事が飛んできた。

やったーーーーー!!! お疲れ様でした!!! いやあ、なんとかなるもんですねえ!!!ww」

 軽く笑ってスマホをポケットに突っ込み、残りひと口のエスプレッソを口に放り込んだ。不思議と、眠気はほとんどない。とっとと会社に行って原稿の添削をし、あとのことは江野本に任せよう。

「さあ、行くかな! ホテルから会社に出勤なんて、ちょっとカッチョイイし!!w」

 かすかな疲労と、かなりの充実感。途中、

「タイムマシンに乗って未来に行き、完成した本をコピーしてテキストを丸写ししたい……」

 なんてことも思ったが、がんばればなんとかなるもんだ!

 こうして、『逆鱗日和 天』と『角満式モンハン学〜モンスター編R〜』は完成しました。おバカな単行本が完成するまでには意外といろんなことが起こっている……ということを、ちょっとでも知っていただけると幸いですw



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 3月26日に、大塚角満の単行本が2冊、同時発売になります! まずは当ブログの書籍化である『モンスターハンタープレイ日記 逆鱗日和 天』!! ブログでは綴っていない、シングルプレイ時の様子を描いた書き下ろしのプレイ日記もたっぷり収録されておりますので、どうぞお楽しみください!

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 そしてもう1冊、『モンスターハンター』に登場するモンスターにフィーチャーした、ほぼ書き下ろし(!)の単行本『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学〜モンスター編R〜』も発売になります! 『モンハン3(トライ)』以降に登場のモンスター、48種の図説とそれぞれを主役に据えたエッセイで構成。まだブログでは触れていない、ダラ・アマデュラやゴグマジオスに関するエッセイなんかも書き下ろしで収録していますよ!

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投稿者 大塚角満 : 14:56

【MH4G】第70回 “新・逆鱗日和”制作秘話(その3)

 前回の続き。

“モンハン学2”改め『角満式モンハン学〜モンスター編R〜』の原稿を書き下ろすため、3泊4日の日程で都内のホテルに“缶詰”になることになった。それだけの時間があれば、俺の計算では締め切り当日の朝にすべての原稿が揃っていることになっている。

「ここまでは予定通り。スムーズすぎて怖いくらいだ。あとはひたすら、書き下ろし原稿を書くだけである」

 会社を1日休み、毎回缶詰のときにお世話になっている都内のホテルにチェックイン。金曜の午後からここに篭り、月曜の朝まで文章と格闘しなければならない。……しかしいま“会社を休み”と書いたが、場所は違えどいつも以上に原稿を書いているわけだから、単純に“休み”と言われると腹が立つ。いや自分で書いたんだけど(苦笑)。しかも缶詰のときにかかるお金、全部自腹だしな!! ……って、俺は誰に向けてこの原稿を書いているのでしょうか。

「さてと……」

 出張用のカバンからPCと資料、そしてニンテンドー3DSなどを出し、人心地つく。そしてミネラルウォーターでお湯を沸かし、持参したインスタントコーヒーを濃い目に淹れてクイッと喉に流し込んだ。この熱さと苦味で、一気にパチリと目が開く。この流れ、大量の原稿に向かうときの儀式のようなものだ。こうでもしないと“物量”という怪物に飲み込まれて怖気づいてしまうのである。

「どれどれ」

 渋いコーヒーを楽しみながら、前の日に編集担当の江野本ぎずもに、

「チェックインしたら、まずはコレに目を通してくださいね♪」

 と渡された数枚の紙を、資料の山から取り出した。コーヒーの湯気に目を瞬きながら紙に視線を走らせると、そこにはこんなことが書かれていたではないか。

「これを読まれているということは、無事にホテルにチェックインできたのでしょう。そしておそらく、余裕をぶちかましてコーヒーなんぞを飲んでいるに違いありません」

「飲んでる飲んでる」

 俺の行動をすべて把握している担当の慧眼に震えながら、メッセージの続きを読んだ。

「もしもコーヒーじゃなく、ビールなんか飲んでやがったら張っ倒しますからね。……そんな余裕、ないんですから!!!!! 大塚さんがいまから書かなきゃいけない図解とエッセイは、↓こんなにあるんですもの……」

「え???」

 カンチョーされたイグアノドンのような顔をしながら、俺は江野本が作った“掲載モンスターリスト”に目を走らせた。そ、そこに列挙されていたモンスター、こんなにいたんですけど……。

【角満式モンハン学〜モンスター編R〜 掲載モンスターリスト】

・セルレギオス
・ベリオロス(亜種)
・ギギネブラ(亜種)
・ギィギ
・ジンオウガ(亜種)
・ボルボロス(亜種)
・ウラガンキン(亜種)
・ドボルベルク(亜種)
・ブラキディオス(怒り爆ぜるブラキディオス)
・イビルジョー(怒り喰らうイビルジョー)
・ラギアクルス(亜種・希少種)
・チャナガブル
・ロアルドロス(亜種)
・ルドロス
・アグナコトル(亜種)
・ウロコトル
・ハプルボッカ
・ケチャワチャ(亜種)
・ウルクスス
・アオアシラ
・ラングロトラ
・ザボアザギル(亜種)
・スクアギル
・テツカブラ(亜種)
・ガララアジャラ(亜種)
・クルペッコ(亜種)
・ドスジャギィ・ジャギィ・ジャギィノス
・ドスバギィ・バギィ
・ドスフロギィ・フロギィ
・ガーグァ
・ゲネル・セルタス(亜種)
・アルセルタス(亜種)
・オルタロス
・ブナハブラ
・クンチュウ
・ネルスキュラ(亜種)
・リノプロス
・ズワロポス
・エピオス
・デルクス
・ゴア・マガラ(混沌に呻くゴア・マガラ)
・シャガルマガラ
・アマツマガツチ
・ナバルデウス(亜種)
・ジエン・モーラン(亜種)
・ダレン・モーラン
・ダラ・アマデュラ(亜種)
・ゴグマジオス

「あ、あうあうあう……」

 二の句が告げなくなり、事切れる寸前のニシキゴイのように口をパクパクさせている俺の目に、江野本のトドメのようなメッセージが飛び込んできた。

全48種……。この子たちを主役に据えたエッセイと、図解で使うテキストもぜ〜〜〜〜〜…………んぶ書いて、月曜日に持ってきてくださいね!! ……ホラ、ビールとか飲んでる場合じゃないでしょ!!!

 俺はベッドから跳ね起き、コッソリと買い込んできたビールとワインを冷蔵庫にぶち込んだ。そして、やおらPCの電源を入れてテキストエディターを立ち上げる。や、やばい!!! 本当にヤバイことになった!!!!

「お、俺、知らぬ間に、想像以上に追い詰められていたわ……。ぜ、全力で書いても、月曜の朝までに終わるかどうか……><」

 それでも、書くしかない。この『角満式モンハン学』というシリーズは、俺にとっても特別な思い入れがある作品だ。その続編を書ける喜びを噛み締めながら、この3日間に立ち向かうしかない。

 そんな俺の、缶詰部屋が↓こちら。

 こじんまりとして、なんだかいかにも缶詰な感じでしょう。はてさて、俺はここでマジメに原稿を書いたのでしょうか……?

 もう1回だけ、この続きを書きますね。



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 3月26日に、大塚角満の単行本が2冊、同時発売になります! まずは当ブログの書籍化である『モンスターハンタープレイ日記 逆鱗日和 天』!! ブログでは綴っていない、シングルプレイ時の様子を描いた書き下ろしのプレイ日記もたっぷり収録されておりますので、どうぞお楽しみください!

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投稿者 大塚角満 : 17:05

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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