大塚角満の ゲームを“読む!”

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【MH4G】第39回 挑発するオンナ

 前回の記事で、相棒のTさんがかわいさ目当てでジンオウS装備を作った……という話を書いた。その続きがちょっとだけあるので、短くまとめておく。

この装備の頭、ネコ耳じゃなくて角じゃん!!!! ぜんぜんかわいくなかった……。どうしてくれよう……><」

 Tさんが防具に求めるプライオリティーは、

 かわいさ>>>>>>強さ>>>>スキルって何?

 ↑こんな感じなので、苦労して作ったわりに好みのデザインではなかったジンオウS装備はビミョー意外のナニモノでもなかったようだが、さすがに下位装備のペラペラ度と天秤にかければジンオウSが勝るらしく、彼女はブツブツ言いながらもネコ耳あらため角の生えた装備に身を包んでいたのだった。

 しかし。

 これをお読みのハンターの皆さんはよくわかっていると思うが、ジンオウS装備にはちょっと看過できない落とし穴もある。

 ある日、Tさんが首をかしげながらこんなことを言ってきた。

「ねえねえ……。なんだか最近、以前にも増してモンスターに追い回されている気がするんだけど、気のせい?? 被害妄想??」

 俺、心の中で(やっと気づいたか……)とつぶやきつつ、口に出してはこう言った。

「気のせいではなく、確実にモンスターはキミの元に集まっていると思われます。なぜならジンオウS装備で身を覆うと……“挑発”というスキルが発動するからな!!」

 しかしTさん、スキルのことなどまったく知らない……というか興味がないので、俺に言われたことの意味がわからない。

「スキル……? 挑発……?? それはつまり、私が魅力的すぎてモンスターが寄ってきているということ??」

 俺、(・_・;) ←こんな顔になって続ける。

「魅力的なのかどうかは知らんが、まあそういうことだ。挑発を消さない限り、いまの状況はずっと続くよ」

 Tさん、わざとらしく「ヨヨヨ……(涙)」と泣いたフリをし、こんなことを言った。

「ああ……。また私の魅力が男を狂わせてしまうのね……>< さっきいった桜レイアも、やけにつきまとってきたし……。嗚呼……。私ってば罪なオンナ><」

 俺、ボソッと「桜はオンナだけどナ」と言ったあと、つぎのひと言を付け加えるのを忘れなかった。

「そして、言っていなかったが、俺はキミの挑発と真逆のスキル、“隠密”ってのを発動させてんだわwww 隠密がついていると、モンスターに狙われにくくなる。キミがモンスターを挑発しまくっている最中に俺は隠れまくっているので、楽ったらありゃしないwww」

 俺が腹を抱えて笑っていると、Tさんが「うがああああああ!!!!」とキレた。

ハイ出ましたーーーーー!!!!(怒) 大塚角満の姑息プレイ!!!! なんでオメーはいつもそうなんだ!!!! レディーをいたわる気はねえのか!!!!(激怒)

 あまりの剣幕に俺は肝を潰し、「あうあうあう」と言い繕った。

「わかったわかった(苦笑)。挑発の消しかた教えてやるっつのw 装飾品で“忍脚珠”ってのがあるから、それを作って穴にはめなよ」

 言われたTさん、「らじゃーーー!!!」と叫んで加工屋に突入するも、すぐに顔を曇らせながら戻ってきた。

「なんか、素材が足らなくて作れないっぽい……。“ケルビの蒼角”っての、キミ持ってる??」

 俺は短く「あ」と言った。

「なんと! そんな素材が必要なのか! んじゃ、ケルビを狩りにいこうぜ。なあに、そんなのすぐに集まるさ^^

 我々は上位のテキトーなクエストを選んでフィールドにくり出し、ケルビを狩りまくった。「蒼角でろでろ」なんて言いつつ……。

 しかし、待てど暮らせど、いくら剥ぎ取りをしても、蒼角は出てくれない。しかも、ふたり揃って……。クエストを回しだしてから10回目くらいになったとき、さすがに「おっかしいなぁ」と思ってよくよくケルビを観察していると、我が筆頭オトモ、アクアの放った打撃でケルビがピヨピヨの気絶状態になったではないか! それを見て、俺はすべてを思い出した。

あ!! しまった!!! 思い出した!!! お嬢、いくら剥ぎ取りしても蒼角は出ないぞ!!! 狩り損だ!!!

 ケルビ狩りに辟易していたTさん、ゲッソリとした声で文句を言った。

はあああああ!? ど、どんだけこのシカを狩ったと思ってんだ!! ま、まさか、モンスターを間違えたとか言うんじゃないだろな!><」

 俺はプルプルと首を振った。

「違う違うw こいつでいいんだけど、打撃武器で気絶させた状態で剥ぎ取らないと蒼角は出ないんだよ!w ……そこでお嬢、前に勢いで作ったハンマーあったろ? ついにあれの出番だよ!!!」

 Tさんが目を輝かせた。

おおお!!!! アレか!!! フルボッコ!!!!

「うんうん!」と俺は頷いた。

「フクロダタキだけどな! さあ、ハンマーを持ってやり直しだ!!」

 そして俺たちはいったん集会所に戻り、Tさんだけがハンマーを持って再度のケルビ狩りに出かけた。すると、いままでの苦労はなんだったんだ……ってくらいアッサリと蒼角が手に入り、晴れてTさんは挑発から卒業。でもそのとき、Tさんがちょっと寂しそうな様子を見せたのが印象的だった。

「せっかく男どもを悩殺していたのに、それができなくなったなんて……。ハンターとしてはいいかもしれないけど、女としての敗北感があるわ……><」

 オンナの考えることは、よくわからんw

 おしまい。

 ……ということで、逆鱗日和なブログの年内の更新は、これが最後になると思われます! 読者の皆様、ありがとうございました! 年が明けましたら、またバリバリと更新していきますので、どうぞよろしくお願いいたしますー!

 それでは、よいお年を! お正月も……一狩り行こうぜ!!!


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投稿者 大塚角満 : 17:23

【MH4G】第38回 ネコは、どこいった?

 上位に上がってしばらくのあいだ、俺もTさんも下位の防具のままでクエストをこなしていた。上位とはいえ序盤ならば、それでもどうにかなる。しかもTさんは、苦労してレイア装備やキリン装備を揃えていたので愛着もひとしおで、上位もこのまま2種類の装備でなんとかしたいと思っていたフシがあった。

 でもクエストレベルが★5にもなってくると、モンスターから受けるダメージの深刻度が増してきてしまう。大型モンスターの怒り時の攻撃を食らったら、HPが満タンでも瀕死の重傷は確定。ヘタしたら、1発で昇天してしまうかもしれない……。そんな、ストレスMAXの狩猟に辟易したのか、ある日、Tさんが相談してきた。

「ねえねえ、なんだか最近、私がオチることが多いような気がするんだけど、気のせいかな?」

 言下に俺は否定した。

「いえ、まったく気のせいじゃありません。オチまくっております。“気のせい?”と一瞬でも思われたことに驚かされました

 Tさん、ガクリとうな垂れる。

「だ、だよね……>< ようやく、上位の怖さがわかってきた気がするよ……。……でも、いっぽうの角満先生は下位のころとあまり変わらないよね? 防具も、ずっといっしょなのに……。なんで? これが経験の差??」

 シレッと俺は告白した。

「俺の防具、パッと見は同じスキュラシリーズだけど、じつは上位バージョンになってんのよ^^; いまは、スキュラSシリーズ。防御力もダンチだぜ! 下位装備でなんか、怖くてやってられねーよwww

 うな垂れていたTさん、ガバッと顔を上げ、般若のごとき形相でまくし立ててきた。

ハイでたーーーーー!!!! 抜け駆け乙!!!!(怒) オメーはいつもそうやってコッソリ強くなって、オチる私を笑っていたんだろ!!!! ズルい!!!! ズルすぎる!!!!(激怒)

 あまりのテンションに俺は驚き、アワアワと取り繕った。

「わかったわかった(苦笑)。んじゃ、ここからしばらくは、お嬢の上位防具を作るターンにしようぜ。加工屋に行って、どんな防具がいいか決めてきなよ。そしたら、そのモンスターが出てくるクエストを回して、素材を集めればいいから」

 とたんに機嫌を直したTさん、「らじゃー!!!」と叫んで集会所を飛び出し、数分後にこんな提案をしてきた。

「ねえねえ!! すげえかわいいの見つけたよ!! “ジンオウSヘルム”っての、ネコ耳で超ラブリ〜〜〜〜〜!!!>< 私、コレにする!! さあクエストに連れてって!!!」

 言われた俺、さすがに「むむむ?」と考える。

「ジンオウガの装備って……そんなにかわいかったっけ??」

 でも、すぐにつぎのように思って納得することにした。

「あ、そうか。お嬢は女性用の装備を見ているんだった。男性用と女性用って、デザインが違うからなー。そうかそうか。ジンオウガの女性用装備は、ネコ耳なんかがついているのかー^^」

 そして本当に、上位のジンオウガ討伐ばかりをこなす日々が始まった。クエストは集会所上位★5の“狩られる前に狩れ!”で、場所は天空山。じつは、リオレイアとキリンしか見分けがつかないTさんは忘れているが、下位のときにメチャクチャ手こずったモンスターの代表がジンオウガだったので、今回の素材集めも相当苦労するんじゃないかと俺は考えていた。

 実際、こいつは本当にたいへんだった。そもそも、“下位の防具をなんとかしたい”という思いで上位のジンオウガ討伐に通っているわけだが、格下のクエストでも苦労していたジンオウガに下位の素材で挑み続けるなんて……。じゃあいっそ、べつの上位防具を作ってから……ってなると本末転倒も甚だしく、タマゴが先かニワトリが先か論争のように、「いったいどこから手を付けりゃいいんだワァアアアア!!!」と暴れたくなる。

(こいつはエラいことになった……)

 と俺は思った。

 しかし、本当に驚いてしまったのだが、何度も何度も同じクエストを回しているうちに、Tさんが上位ジンオウガにまったくやられなくなったのである。防具は下位のまま、で。しかもクエストクリアーまでのスピードが飛躍的に向上していて、非常に効率よく素材集めができるようになっていったのである。

「ごめん!! また“雷狼竜の逆鱗”が出なかった!! あと1個あれば、全身の防具が作れるのに!!><」

 悔しがるTさんに、慌てて俺は言葉をかけた。

「いや、それはいいんだけど……お嬢、ここんとこぜんぜんオチてないよね? 攻撃もあんま食らってないみたいだし……。……いったいどうしたの?w」

 キョトンとして、Tさんは答えた。

「私も思った!!!w なんかね、だんだんモンスターの攻撃が見えてきたんよ^^ (あ! つぎはあの攻撃だな!)ってw」

 俺は静かに、感動に打ち震えていた。おお……。成長している……>< ハンターとして、着実に……!

テキトーに遊ぶのもいいけど、こうやって真剣にモンスターと向き合うのもメチャクチャ楽しいね!!! ……さあいこう!! もう1回、お願いします!!!」

 ……うん、いこう!!! ジンオウガが待っている天空山に!!! 俺たちのハンティングライフは、まだまだ始まったばかりだからな!!! 一狩りいこうぜ!!!!

 こうして、我らテキトーコンビは、気分も新たに天空山に向かったのだった。

 でも……。

 ようやく雷狼竜の逆鱗を手に入れ、晴れてジンオウS装備を完成させたTさんの第一声は……。

……これ、ネコ耳じゃなくて角じゃん!!!!><

 ああ、やっぱりねwww

 おしまい。


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投稿者 大塚角満 : 17:35

【MH4G】第37回 怒りと悲しみのブラキディオス

 最近、ふと気づいてしまったのだが、どうやら俺はブラキディオスのことがものすごく嫌いらしい。“嫌い”は“苦手”と同義であり、これを複雑な方程式に当てはめて整理すると、

 大塚角満はブラキディオスが極度に苦手なために嫌っている。

 という答えが導き出される(そのままじゃねーか)。いやでもホントに、俺、こいつダメなんだわ……。

 せっかくなので、俺が苦手意識を持っているモンスターをざっとリストにしてみた。どれくらいダメなのかを、リアル世界の苦手なものと比較しているのでわかりやすいと思う。

■大塚角満の苦手モンスターリスト■

★……“ちょっとダメ”レベル(ブロッコリー並み)

・ネルスキュラ
・イャンガルルガ

★★……“ダメ”レベル(イモ虫並み)

・ゲネル・セルタス
・ドスイーオス

★★★……“かなりダメ”レベル(注射並み)

・セルレギオス
・グラビモス亜種

★★★★……“めちゃくちゃダメ”レベル(二日酔い並み)

・ガララアジャラ
・リノプロス

★★★★★……“ハルマゲドンダメレベル”(オバケ並み)

・ブラキディオス
・ラージャン
・ガレオス

 さりげなくリノプロスとガレオスという“ウザザコ四天王”の一角がリストに入っているが、ヤツらのイヤらしさは屈強な大型モンスターの攻撃力に匹敵するものだ……と思っていただいて差し支えない。こやつらのことはいつかキッチリと記事にしてやろうと思っているが、とにかくいまは、最上級にランクされているブラキディオスのことが問題なのである。

 ブラキディオスの存在が初めて世に知れたのは、いまからちょうど3年前の『モンスターハンター3G』が発売されたときだ。このゲームの看板モンスターとして颯爽と現れたブラキディオスは、青黒い光沢を放つビルドアップされたボディーと、“豪腕”以外のたとえが見つからないパワフルな前脚を使ってハンターを苦しめた。身体自体はさほど大型ではないのだが、

「恐ろしく速くッ!!」

「はてしなく跳びッッ!!!」

「問答無用で叩き付けッッッ!!!!」

「すべてのものを粉砕するッッッッ!!!!!」

 と、思わずバキ化してこのあとの文章を書いていきたくなるほど、ヤツの一挙手一投足はパワフルなのだッッッ!!!!!(もういいわ)

 しかもこのブラキディオス、速くてパワフルでタフな部分はあくまでも“外面”に過ぎず、真にイヤらしい部分はべつのところにあるから恐ろしい。

 そう、“粘菌”を使った“爆破攻撃”である。

 ブラキディオスに出会ってから3年……。俺はいまだに粘菌の対処方法がよくわからず、「チッチッチッチッチッチッチッチッ……ボカーン!!!」というカウントダウンの恐怖におびえている。この状態異常を無効にするスキルでも発動させりゃいいのだろうがそれもなかなかハードルが高く、俺は今日もチッチッチッチボカーンをくり返しているのである。

 だいたい、コイツの口元のだらしなさはなんなのだ。

 ヒマさえあればベロベロと手を舐めてヨダレまみれにし、ネチャネチャとところかまわずに粘菌を撒き散らしおってからに……。その手を舐める仕草を見て、1000人にひとりくらいは「ニャンコみたいでかわゆい〜〜〜(≧∇≦*)」なんて言う人がいるかもしれないが、いかなネコ好きの俺でもそんなことは思わない。

「いいかげん、そのおしゃぶり癖を直しなさいっ!!!(怒)」

 と言いたい。

 しかも悪いことにこの粘菌、やたらとハンターの身体にひっつく。

「いま俺、絶っっっっ対に緑のヤツ踏んでなかったぞっ!!!!」

 とわめいたところで、ひっつくものはひっつく

 晩秋の散歩道、飼い犬を連れていたリードをふいに手放してしまい、急に身軽になったバカ犬が草むらに飛び込んでいってしまった……なんて事故(?)が起こることがある。そのとき、心配する飼い主を尻目に「はっはっはっ!!(≧∇≦)」と喜びながら走り出てきた犬の身体はたいがい、無数の茶色い棘のようなものに覆われてイガ栗みたいになっていることだろう。イガの正体は“アメリカセンダングサ”という“たかり草”(服とかにくっつく草のこと。群馬の方言かな?)で、晩秋の折に弾けた棘状の種が頻繁に生き物にくっつくのである。説明が若干長くなったが、ブラキディオスの撒き散らす粘菌は、まさにこの、いつのまにか身体のいたるところにひっついてくるアメリカセンダングサのようなものなのだ。

 ちょっとかすっただけでペタリ、わずかに踏んだだけでペタリ、そこにあることすら意識していなかったのに気がつけばペタリ……。

 しかも、いかに鬱陶しいアメリカセンダングサも爆発まではしないが、ブラキディオスの粘菌はボンボコボンと派手に爆ぜる。それがイヤなので、粘菌がひっついたと知るやハンターは、

「ッッッンもう!! またかよ!! ゴロンゴロン!!(怒)」

 と、怒りと悲しみのローリングを余儀なくされる。正確に計測したことはないが、ブラキディオス狩猟の3分の2くらいの時間、ハンターは地面を転がっているのではなかろうか。

 そんなブラキディオスなので、Tさんとの狩りでも俺はなかなかクエストを貼れなかった。阿鼻叫喚になるのは目に見えていたし、ヘタするとこのモンスターがトラウマとなって、今後の狩猟ライフに亀裂を生じさせるかもしれない。しかし、いつまでも避けているわけにもいかなかったので、俺はある日、

「ずっと見ないことにしていたモンスターがいるんだけど、いよいよ行かなければならなくなったわ……。間違いなく壁になるんだけど、覚悟してついてきてほしい……」

 Tさんもさすがに震え上がったが、

「ま、マジで……。それはヤバそうね……。……でも、がんばる!! 必死にがんばるよ!!!

 と健気に言い、俺のあとについてフィールドに飛び出していった。

 そして……。

 クエスト1回目で、ノーミスでクリアーwwww

「あのwwww 角満センセイwwww 何が壁だったんですか?www わりとあっさりいけちゃった気がするんですがwwww」

 鬼の首を獲ったかのごとく天狗になるTさんを見て、心の中で思ったわ……。

(……おいブラキ!!! 調子に乗らせるんじゃねえよ!!!!)

 と……。


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投稿者 大塚角満 : 12:10

【MH4G】第36回 【閲覧注意】会議室のオオナズチ

 99.9パーセントくらい『モンスターハンター4G』とは関係ない話で、ぶっちゃけここで書こうがファミ通の巻末コラムで書こうが熱血パズドラ部で書こうが大差のないことなんだけど、若干ながらモンハン用語が出てくるので逆鱗日和なブログで書きます。

 あ、その前に。

 ちょっと心霊チックな話になるので、そういう話題を口にした瞬間にマジ切れして、「いますぐイビルジョーに喰われろ!!!!」と暴れる江野本ぎずものような方は読まないほうがいいと思います。「怖い話、ドンと来い!!」という方だけ、先にお進みください……。

 つい先日のお話です……。

 その日は、とある仕事の予定があったので、夕方から都内某所にあるスタジオに入ることになっていた。過去にも何度か使ったことがあるスタジオだったので非常に気楽で、事前の打ち合わせの段階でもかなりリラックスしていたことを覚えている。

 ところが、その打ち合わせが佳境に差し掛かったあたりでひとりの撮影スタッフが声を潜め、こんなことを言い出した。

「そういえば大塚さん……。今度の仕事で使うスタジオ、“出る”らしいですよ……」

“出る”と言われて思い当たるものに個人差はあるだろうが、俺はゴキブリやオナラやフキノトウ(情緒アリ)とかの前に、真っ先に幽霊もしくはオバケを想像する。ワクワクのあまり、「それで!? それでええ!?」と椅子の上に飛び乗ってピョンピョンと跳ねていると、思った通りそのスタッフは低い声でこう言った。

「地下のスタジオと会議室の天井付近に、ペタペタと御札が貼ってあるんです……。まあ御札くらい……って思うかもしれませんけど、思いっきり“霊退散”的な文字が書かれているんですよねぇ……」

 俺は「うおおおおおっ!!!」と躍り上がった。そしてその勢いで、「そそそ、その御札って、まだ貼ってあんの!?」とスタッフに食いつく。すると彼は、怨霊のように青白い顔をわざとらしく伏せ、地の底から滲む暗い声で「はい……」と言った。

「まだある……というか、増えているらしいです。なんでも、御札を貼っても幽霊の目撃情報が絶えることがないので、誰かが“見た!!”というたびに増設しているとか……」

 そ、それって御札の意味は……と思いながらも俺は「恐ろしい!!!」と叫び、「なるべく、そういったところには近づかないようにしよう。もし行くことになっても、気にしないようにしよっと……」と言った。怨霊スタッフはそこで初めてニヤリと笑い、「気をつけてくださいね……。ひっひっひ……」と不気味に顔をゆがめた。

 そして、夜。

 無事に仕事を終えた俺が控え室に戻ると、Kさんというスタッフ(怨霊さんとは別の人)が声をかけてきた。

「大塚さん、別の仕事のことで相談があるんですけど、ちょっといいですか? 地下の会議室を借りていますんで、そこでミーティングしません?」

 このスタジオの幽霊話は関係者のあいだでは有名なので、当然ながらKさんも知っていたと思われる。俺、かな〜りビビっていたけど仕事なので否はなく、「いこういこう」と即答。途中で合流した女性スタッフのIさんと3人で地下1階に行くことになった。なんでヤバい話を聞いた当日に、その場所を使うことになるんだろうな……。

 3人でエレベーターに乗って地下に行くと、明らかに空気が冷たくなっているのがわかった。真上の階では仕事の興奮冷めやらぬ感じで大騒ぎが続いていたが地下まではその声も届かず、まったく別のビルにいるんじゃないかという錯覚すら覚える。「若いころは、自分でも呆れるほど霊感が強かった」というIさんも、「なんだかイヤな雰囲気ね」と顔をしかめている。しかし、夜中とはいえ撮影スタジオ。地下でも働いているスタッフは何人もいたので、我々は「おつかれさまでーす」なんて軽く挨拶をしながら、予約してある会議室を目指した。

 そんなとき、先頭を歩いていたKさんが、小さいながらも鋭い声で「……あった!」と言った。そのひと言で俺の鼓動は5倍くらいに早くなり、二の腕あたりにプツプツと鳥肌が立ちまくる。そして無言でKさんの視線の先を追うと……確かに、あった。薄暗い廊下の天井付近に、ペタリと貼り付けられた“霊退散”の御札が。

「本当だ……。“霊”、“退散”って書いてあるね……」

 俺のつぶやきに、KさんとIさんが無言で頷いたのがわかった。怨霊さんの話によれば、「霊が目撃されたところに御札を貼っているそうです。たくさん貼られている部屋は、それだけ目撃談が多いということらしいですよ」とのことだったので、我々がいまいる廊下でも、何かしらの心霊現象が起こったということなのだろう。

「まあでも、気にせずに。打ち合わせしましょう」

 Kさんはそう言い、会議室の番号をチェックし始めた。

 そのときに思い出したのだが、ここに並ぶ会議室のひとつを以前、俺は控え室として使わせてもらったことがあった。確か1年くらい前だったと思うが、そのときには心霊話なんてまったく知らなくて、夕方から夜中にかけて、半分居眠りしながらひとりで過ごしていたんだよなぁ……。

 ……なんてことを思い出していると、Kさんがまたしても「あった……」と言った。見ればその会議室こそ、俺がひとりで居眠りをしていた部屋である。どこからか、「0感乙」、「鈍感ワロタ」なんて声が聞こえた気がした。

 Kさんに促されるまま部屋に入って天井を見上げると、あろうことかそこには、2枚の御札が貼ってあった。

「どうやらこの会議室が、いちばんのホットゾーンみたいですね……。……僕が借りたのも、この部屋なんですけど(苦笑)」

 とKさん。言われてみると確かに、ほかの会議室や廊下と比べて温度が低い気がする。……いや、俺の場合は多分に思い込みが入っているわけだが、それまで黙っていたIさんが急に言葉を発し、俺とKさんを震え上がらせた。

「なんだか、イヤな感じ。透明な、見えない何かに見られている感じがしません……?」

 あまりの怖さに、俺はオカルト好きとは思えない発言をした。

し、しねえよ! なんだその透明なナンカって! オオナズチか!! いや確かに、いきなりここにオオナズチが姿を現したら腰を抜かしてチビると思うけど、そ、そんな気配は感じませんっ!! オオナズチなんていませんからっ!!

 するとIさんは思いっきり苦笑し、

「オオナズチがいるなんて、ひと言も言ってないんですけど(苦笑)。でも、いまの大塚さんのビビリ発言で雰囲気が変わったわw さあ、とっとと打ち合わせをして、戻りましょww」

 そしてしばしのあいだ、仕事の打ち合わせ。でも俺は心ここにあらずな感じで、ふたりの言葉を上の空で聞いているだけだったんだけどな。

 で、「さ、戻りましょう」というIさんの号令で我々は席を立ち、俺とKさんは、「あー怖くなかった(震え声)」とカチカチと歯を鳴らして言い合いながらIさんの後ろに続いて歩き出した。来たときと同じようにエレベーターに乗り、3階のボタンと“閉”を押す。そして、気を紛らすために「早くビールでも飲みたいねー」なんて言っていると、

 チーン

 という音とともにエレベーターが1階で止まったではないか。

「こんな時間でも、働いている人がいるんですねー」

 Kさんの声に合わせるように扉が開くと、その先にあったのは真っ暗な暗闇−−。人のいる気配などまるでなく、一瞬で俺たち3人の頭の上に、

「???????」

 とクエスチョンマークが飛び出した。

「え……? だ、誰……??」

 思わず俺が声を漏らすと、Iさんが何も言わずに“閉”のボタンを連打した−−

 おしまい……。


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投稿者 大塚角満 : 13:56

【MH4G】第35回 言いがかり

 本日はおそらく、史上最短の逆鱗日和なブログになると思います……。

 ここ何回か、『モンスターハンター4G』のプロデューサー・辻本良三さんといっしょに狩りをしたときの模様を綴ってきたが、あろうことかその登場人物である同僚のTさんが、俺にクレームを入れてきた。

 彼女はSkypeで、怒りも隠さずにこう切り出したのだ。

おいコラ!! 第33回のブログ読んだぞっ!!!!!(怒)」

 突然の怒り口調に、俺は「?????」とクエスチョンマークと飛び散らかすばかり。第33回って……何のことを書いたヤツだっけな??

 恐る恐るインターネットを立ち上げ、自分が書いた記事のバックナンバーをたどってみる。第33回は……ああ、これか。“子どもなオトナの夜は更けない”と題し、俺の“乗り”の邪魔ばかりをする良三さんの狼藉を白日の下にさらした記事だ。

 しかし、読めばわかるが、この記事の大半のやり取りは俺と良三さんで、Tさんは文末にチョロっと出てくる程度である。

 こ、この記事の何が、彼女の逆鱗に触れたんだ……? もしもこんなので怒られるとなると、バックナンバーをじっくり読まれた日には、俺はイビルジョーのエサになって踊り食いされるようなものなのではなかろうか……?

 俺は ((((( ;゚Д゚)))))) ←こんな顔になりつつ、慎重にTさんに尋ねた。 

「だ、第33回の記事に、何か問題がありましたでしょうか……??」

 するとTさんは、

“乗り”のことなんだけど!!!」

 と怒ったまま前置きをし、一気に以下のセリフをまくし立てた。

読んで気づいたぞ!!! ……私がいまだに乗りに失敗しまくっているのは……全部オメーが邪魔しているからだな!!!? 辻本さんがやったのと同じく、私が乗ったとたんにモンスターに攻撃したりしてっ!!! ……あ!!! そういえばこのあいだは、乗りの最中にピカッて何か光った気がする!!! アレが閃光か!!! ずっと、自分がヘタクソだから失敗しているんだと思ってた!!!>< 巧妙に、角満が邪魔していたんだーーーー!!!!><

 俺、しばしポケーッとガアガアわめくTさんの様子を眺めていたが、すぐに我に返って反論した。

……オメーのはヘタクソなだけだよ!!!ww 人のせいにすんな!!!w ただでさえいつもギリギリの狩りなのに、邪魔なんかするわけねーだろ!!!www

 しかし、Tさんはなかなか納得せず、

「おかしい……。絶対に、何かがおかしい……」

 とつぶやいて首をかしげるのだった。

 ちなみに夕べ、ふたりでイビルジョーの討伐にいったんだけど、そこでも乗りに失敗したTさんは、

あ、あの!!www い、いまナゾの痺れが左手に走って!!!www」

 と、言い訳にもならない弁明をしていました。

 ……左手、乗り中の動きに関係ねーだろ!!!!www

 おしまいw


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投稿者 大塚角満 : 13:13

【MH4G】第34回 真夜中のお祭り

 辻本良三プロデューサーとの狩猟風景を、もう1本だけ。

 俺、良三さん、Tさんの3人でいくつものクエストをこなしているうち、受付カウンターの端にいるギルドマスターのじいさんが黄色い吹き出しを出しているのがわかった。

「あ!! じいちゃんが何か言ってる!!!」

 俺と同時に気づいたらしいTさんはそう言い、すぐさまじいさんのもとに駆け寄って話を聞き始めた。その姿は、近所の好々爺のところに駆け寄って昔話せがむ女の子のようで、なかなか微笑ましいものがある。しかし、このときのギルドマスターが言った内容は牧歌的な世間話などではない。驚きも隠さず、Tさんはその話の中身をぶちまけた。

緊急クエストでたああああ!!! “黒き鎧・グラビモス亜種!”だって!!!」

 うわあ……。上位の黒グラビかぁ……。

 堅い外殻と無尽蔵の体力に手こずる自分を想像してゲンナリとしていると、Tさんが急にしおらしくなってこんなことを言ったではないか。

これ、貼ってもいいですか……?? お手伝い、よろしくお願いします><」

 頷きながら、俺は答えた。「おう! 手伝ってやんよ!!」。しかしTさん、俺の発言にナゼか噛み付く。

おめーじゃねえよ!!! 手伝うのは当たり前だ!!! 私は、辻本さんに言ったのーーー!!!

 あ、さいですか。

 もちろん、気のいい良三さんに否はなく、

行きましょ行きましょ!! やっちゃいましょー!!! 余裕ですよ!!!^^」

 と元気がいい。そこで俺たちは最低限のものだけを手に持ち、黒グラビの待つ原生林へと向かったのだった。

 良三さんの言う通り、このときの狩猟に大きな波乱はなかったと思う。俺と良三さんが競うように黒グラビに乗ってダウンを取り、腹や脚などは早々に部位破壊に成功。こうなれば一気に黒グラビの防御力は下がるので、危険な熱線だけ気をつけつつ、素早く、そして確実に仕留めてやった。キチンと時間を見ていたわけではないが、おそらく10分とかからずに討伐できたんじゃないかと思う。

やったーーーー!!! 角満よりも先にランクが上がったーーー!!! ありがとうございましたっ!!!

 ぴょんぴょんと飛び跳ねる勢いで喜ぶTさんが、集会所に戻るなりそう御礼を言った。うんうん。よかったなー。これで、新しいステージに進めるなー。

 でも、この日の狩猟はまだ終わりじゃないのだ。Tさんに続いて俺の緊急クエストもクリアーしてもらわないと、中途半端もいいところである。なので、俺は言いました。

「さあさあ^^ この勢いに乗って、俺の黒グラビもやっちゃいましょうかね!^^ 10分もかからずにクリアーできますし!!^^ 貼りますよぉ〜〜〜!^^^^」

 この発言に対し、良三さんがあまりにも意外な言葉を返してきた。

「エー^^;;;」

 ひっくり返った俺、興奮のあまりエセ関西弁でまくし立てた。

エー……ってナンや!!! なんで難色しめすねん!!! イヤなんか!!!? そうかイヤなんか!!!><

 俺の剣幕に驚いた良三さんは、「わかったわかった!!www 行こう行こう!www」と言って緊急クエストに参加してくれたのだった。

 そして、フィールド。

「さあさあ! 今回も即効で狩っちゃいますよ〜〜〜〜!!!」

 3人揃ってグラビモス亜種のいるエリアに突入し、武器を構えて標的に迫る。俺はいち早く段差によじ登ってジャンプ攻撃をくり出し、首尾よく乗り状態になることに成功した。見ればさすがの良三さんも邪魔をする気はないらしく、黒グラビを遠くに見ながらそのへんをエッサエッサと駆け回っているだけであった。

 乗りダウンをしても……。

 脚ダウンでコケても…………。

 落とし穴に落ちても………………って!!!!!

おいコラ!!!!! そこのG級ハンター!!!! 無意味に走り回ってないで、ちょっとは手伝えや!!!!!

「お!!!w 光るお守り!!www」

「掘ってんなあああああ!!!!ww」

 俺の緊急クエストになったとたん、遊んでばっかでてんで手伝おうとしない良三さん。しかもあろうことか、

 ズビィィィィィイイイイイイイ!!!!!

 と撒き散らされた熱線をモロに浴びたかと思ったら、画面に信じられない文字が躍ったのである。

 良三が力尽きました

「なっ!!!!!!!!!」と俺。

「ぶっ!!!!wwwww」とTさん。

「!!!!!!!!!!!!」と良三さん。

 その後は急にマジメになって狩猟に参加し、あっと言う間にグラビモス亜種を屠り去ってくれたのだが、それくらいで前半の暴挙と1オチをスルーするわけにはいかない。なので俺は、集会所に戻ってくるなり良三さんに詰め寄った。

「ちょいちょいちょい!!w そこのG級のハンマーの人!! なんか途中、オチられたような気がしましたけどぉ??w 何かありましたか〜??www」

 しかし、良三さんはオチたことなどまるで意に介しておらず、

いやあ、おもしろかった!!!! ボチボチ寝ますわ!!! また手伝ってほしかったら連絡ください!!!w

 と言って、疾風のように集会所から去っていった。それを呆然と見送ったあと、Tさんがボソッとつぶやく。

「真夜中のお祭りが、終わった……www」

 遠くないうちに、またこのメンバーで遊ぶことがありそうだなぁw

 おしまい。


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投稿者 大塚角満 : 17:00

【MH4G】第33回 子どもなオトナの夜は更けない

 前回の続き。

 そのとき、俺が貼ったクエストは集会所上位★5の“高難度:狂竜戦線・轟きあり!”であった。遺跡平原を舞台にティガレックスを討伐するクエストだが、“高難度”とただし書きがある通り一筋縄ではいかない雰囲気がムンムンしている。しかし相変わらず、唯一のG級ハンターである辻本良三プロデューサーが、「平気平気!! なんでも行きましょ!! 問題ないっすよ!!」と言っているので、きっと難なくクリアーできてしまうのだろう。俺は危機感なく「うんうん」と頷き、

「んじゃ、いきますね! よろしくお願いしま〜す!!」

 とひと声叫んで、出発のボタンを押した。良三さんの余裕な態度から、「5分もありゃ戻ってこれるだろうナ」と俺は考えていた。

 そして。

 クエストが始まってすぐに、俺、良三さん、Tさんの3人は、のしのしとエラそうに闊歩するティガレックスに遭遇した。良三さんとTさんはバラバラとそれぞれのポジションに散会し、攻撃の機会をうかがっている。そんな中、俺はひとり地形の段差をよじ登り、生存競争の火蓋が切って落とされるまでの静寂の時間を利用してピョンとそこから飛び降りた!

 ズッバァァァァアアッ!!!

 落下の加速度を利用したガンランスの切っ先が、ティガレックスのわき腹に突き刺さった手応えがあった。でも効果を確認する間もなく、俺は再び段差に齧りついて二度目のジャンプ攻撃。さすがにこれにはティガレックスの強靭な足腰も耐えられず、俺は狩猟開始早々に“乗り”の状態になった。同時にチャットウィンドが開き、仲間に向けてメッセージが発信される。

「モンスターに乗ったよ!!」

 XボタンとRボタンを巧みに使い分け、ティガレックスのスタミナを削りにかかる。こいつは大いに暴れるモンスターだが、なあに、ベテランの俺にかかればダウンさせるのは造作もないことだ。

「さあ、もうちょっと……」

 そう思ったところで、予期していなかったことが起こった。なんと、いきなりゲージが真っ赤になり、我が分身がモンスターから振り落とされてしまったのである。余裕で倒せると確信していたので驚いたのだが、どうやら良三さんが誤ってハンマーでティガレックスの顔面を殴ってしまい、それに仰け反ったことによって振り落とされてしまったらしかった。俺、思わず「うはw」と苦笑い。

「うは!w やっぱG級ハンターの一撃は重いな!!w 1発でティガが怯みやがったww」

 背中から落ちたことも忘れ、良三さんの攻撃力の高さに驚嘆する俺。

「乗りは、つぎの機会でいいや! 良三さんとたっちーに合流だ!!」

 ガンランスを構えた俺は、奮闘するふたりのもとに駆け寄ってティガレックスにフルバーストをぶっ放した。

 そしてまもなく、2度目の乗りのチャンスがやってきた。見れば今度は良三さんもティガレックスからちょっと離れたところに立っており、攻撃が干渉するようなことはなさそう。俺は安心してゲシゲシと、Xボタンを連打してティガのスタミナを削っていった。でも、そのときだった。

 ピッカ〜〜〜〜〜〜ン!

 いきなり画面がまばゆい光に包まれ、気づけば我が分身は地面に叩きつけられていた。原因は“ナゼか”良三さんが放った閃光玉で、これに驚いたティガレックスが怯み、俺は背中から振り落とされたというわけ。さすがに「ちょ!!!」と思ったが、同時にこんなことも思った。

も、もしかして、わざと……ってことはないよな^^; 良三さんは我々を有利にするために、閃光を投げたにすぎないのだろう^^; たまたま、俺が乗ったタイミングと重なっただけで……。なーんだそうか^^; そうだよな^^;;;」

 イマイチ釈然としないながらも、俺は黙って前線に復帰した。

 するとすぐに、なんと3度目の乗りチャンスがやってきた。

「うっしゃ!! 今度こそ!!! 良三さんは……おし! 近くにいない!!w

 良三さんが視界内にいないことに驚くほど安堵している自分を笑いながら、3度目のXボタンゲシゲシを敢行する俺。……しかしっ!!!

 ぴゅるるるぅぅぅ〜〜〜……

 ボカーーーーーーンッ!!!!!

 なんと、俺に続いて高台からジャンプしたハンマー男がティガの頭をブッ叩き、エビ反りに仰け反った背中から振り落とされてしまった……。その瞬間に疑惑が確信に変わり、俺は画面に向かって罵詈雑言の竜撃砲を放った。

なにすんねんッ!!!! やっぱ全部わざとか!!!! 邪魔すんじゃねえよこんにゃろおおおおお!!!!!(激怒)

 集会所に戻るなり、俺は怒りで震えながら良三さんに詰め寄った。

おいコラ!!!!!w 乗りの邪魔すんじゃねえよ!!!!w なにしやがんだ!!!!

 この怒声もどこ吹く風。すっとぼけた良三さんは、つぎのようにシレッと言った。

「いやあ、たっちーさん、思った以上に手こずりましたねえ。誰かさんが、キチンと乗ってダウンさせていればなぁ〜w 乗りの失敗が痛かったなぁ〜〜〜www

「ちょ!! コラ!! なに言って……!!」と俺が言いかけると、Tさんがキャッキャと笑った。

いい大人が、何をジャレあってるのwwww いやでも、メッチャおもしろーい!!!www さあ、つぎのクエいきましょ!!^^

 子どもなオトナたちの、夜は更けない……。


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投稿者 大塚角満 : 17:08

【MH4G】第32回 何も知らない男たち

 突如、俺とTさんの前に現れた辻本良三プロデューサーとともに狩りに行くことになった。ちなみに、俺と良三さんが『4G』でいっしょに狩りをするのは、この日が2回目である。

 一度目は、ファミ通が毎月1回行っている生放送『ファミ通feat』に、良三さんがゲストとして出てくれたとき。良三さんは俺とは違うプログラムに出演予定だったのだが控え室でバッタリと顔を合わせ、すぐに「一狩りいきますか!!」ということになったのだ。

 俺たちの攻防は、集会所に集まったところから始まった。互いにチラチラと顔色を伺いつつ、同時にこんなことを言ったのだ。

良三・角満 「ギルドカードはいらないっす。あんた、どうせ捨てるから

 この発言にはもちろん、遠い日の布石がある。

 かつて『モンスターハンターポータブル 2nd G』を遊んでいた時代、モンハンフェスタ08(懐かしい!)の会場で顔を合わせた俺と良三さんは、「ギルドカードの交換をしましょうよ〜!」とニコニコと言い合って互いのカードを交換したのである。しかし、ナゼか知らないがふたり揃ってまんまと相手のギルカを消してしまい(苦笑)、後日おずおずと、

「良三さん(大塚さん)、ギルカの交換をしませんか?^^;」

 と再度切り出したという過去があるのだ。その顛末は、2008年5月に書いたブログ“【MHP 2nd G】第32回 ”MHフェスタ番外編” ギルドカードの悲劇”に詳しいので、興味のある人はぜひご一読を。

『4G』の話に戻そう。

 良三さんはバリバリのG級ハンターなので、俺とTさんが日々苦戦している上位のクエストは歯牙にもかけていないようだった。しかも食事のたびに“お食事券”や“高級お食事券”を使ってくれるので、Tさんはすっかりメロメロである。

すごい!!! セレブハンターや!!! 角満とは違うー!!!

 良三さんも、調子に乗って言う。

「そらそうです!! これぞG級ハンターの嗜みですわ!! この人(俺のこと)といっしょにせんでください!!www

 俺は腹の中で(ちっくしょう……。いまに見てろよ……!)と毒づきつつも、ふだんより豪華になった食事をガツガツとむさぼり食った。セレブハンター最高www

 とりあえず「クエはなんでもいいですよ!!」と良三さんが言うので、まだほとんど手を付けていなかった上位★5のクエストをテキトーに貼り付けた。俺とTさんのふたりだとザボアザギルやガララアジャラあたりにも大いに手こずらされるところだが、さすがG級ハンターの武力は凄まじく、ほとんど立たせておかずに瞬時に討伐してのけてしまう。

「これが、G級ハンターです!!」

 集会所で自慢げに語る良三さんを見て、Tさんは、

「いつか私も、あんなふうになれるのかなぁ……。……いや、なる!! 絶対に、なりたい!!!

 と心を新たにしていたようなので、G級ハンターとの接触はいい方向に作用してくれたようだった。

 しかし、いかに瞬時に狩ってくれるといっても、この忙しい人をテキトーなクエストで拘束し続けるのは忍びなかった。なので俺は、つぎのような提案をしました。

「良三さん、無作為にクエストに行くのもいいけど、やっぱりキークエからこなしたほうがいいよね? 俺、まったくキークエを知らないので、そのへんを貼ってよ!」

 ところが、良三さんから返ってきた答えはあまりにも意外なものだった。

キークエ?? そんなの覚えてませんがな!!w

「あはははは!ww 角満と同じタイプだ!ww」と笑うTさんを横に、良三さんは続けた。

「あ!! いい方法がありますよ!! ……週刊ファミ通って雑誌に、そのへんの情報が出ているはずです!!!www」

「ぶ!!」とズッコケる俺に、良三さんはさらに言う。

「……って、あんた副編集長やんけ!!!ww 知らんのかい!!www

 ひっくり返りながら、俺は舌鋒鋭く反論した。

「その前に、あんたプロデューサーやんけ!!!!www

 けっきょく3人とも、「キークエ? 何それ新種のトリですか?」ってな状態だったので、フリダシに戻ってテキトーなクエストで遊ぶことになったのでした(苦笑)。

 このシリーズ、もうちょっと続きます。


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投稿者 大塚角満 : 14:32

【MH4G】第31回 そこにいたのは、友

 とある日。

 いつものように、同僚のTさんとテキトーなクエストを遊んで集会所に戻ってくると、我々ふたりしかいなかったはずのその場所に、1名のハンターさんがいるのがわかった。そのハンターは集会所の食卓に座り、酒をあおって盛大に酔っ払っている風情である。ゴキゲンに酒を浴びるハンターの名前を見て、俺は思わず「うは!!!w」と噴き出してしまった。

「あ!!!w あ、あなたは……w」

 そうチャットに打ち込むと、俺とTさんが戻ったのに気づいて、酒飲みハンターが言葉を発した。

お!! おかえり〜〜〜! どもです〜〜〜!!」

 すぐさま、俺のスマホがブルブルと震えた。メッセージが着信したのである。見ると、差出人は思った通りのTさんであった。

ちょ、ちょっと! 誰かいるよ!>< 角満のお知り合い……??」

 超絶人見知りの、面目躍如といった感じか。俺はスマホをピポパと操り、Tさんにつぎのような返信をした。

「うん。俺の大阪の友だち辻本良三さん、って人www」

 2秒で、Tさんから返事がきた。

つ、つじもとりょーぞう……?? ……って!!!!! モンハンのプロデューサーじゃんっ!!!!! そ、そんなお方が、なんでこんな場末の集会所に!? どどど、どーしよう!!!!><

 俺はそれには何も答えず、3DSのチャットでつぎのように発言した。

「良三さんwww あ、こちら、俺のブログで活躍(?)しているTさんこと“たっちー”ですw」

 するとTさん、超絶人見知りという設定はどこに行ったのか、いきなりベラベラとしゃべりだした。

はじめまして!!! いつもヘンなことばかり書かれているたっちーです!!! 角満がお世話になっております!!!

 うわ!! デタ!!! と俺は吐き捨てた。「“ネット弁慶”キタコレ!!!」

 ネット弁慶とは、俺が勝手に作った言葉だ。リアル世界では人見知りもいいところなのに、身内の前だとやたらと元気に騒ぐ“内弁慶”の人がいるでしょう? Tさんの場合は、中目黒目黒や岩田ジュビ漏といった同僚が相手だとしてもシュンとうなだれて何もしゃべらろうとしないが、ことネットの世界になるとどこのどなた様に対しても元気満点の饒舌となる。なので、ネット弁慶。内弁慶の亜種みたいなものだ。

 ちなみに内弁慶の“希少種”として“酒弁慶”という種族も存在する。これは、ふだんは黙して何も語ろうとせず、俺に対しても、「あ……うっす、大塚さん、ちわっす(小声)」なんて態度なのに、1滴でも酒が入ったとたんに、

へいへ〜い! かどま〜ん!! 飲んでる〜!? ホラ、飲めよ飲めよ〜!!」

 となる後輩の豊泉三兄弟のような人のことを指す。「それって、ただの酒癖の悪い男なのでは!?」とのご指摘もあるかもしれないが、まあ、そういうものなのです。

 話が逸れた。

 Tさんの挨拶を受けた良三さんは、「こちらこそ! 角満がお世話になっております!w」と笑ったあと、

「先日は、ご指名を受けたのに来れなくてすみません!w」

 と言った。「あ、キリンのときの?」と俺が返すと、「そうそう!w」と良三さん。当ブログの第19回“キリン事件(その3)”で、キリンの角が折れない俺とTさんが「打撃武器の使い手を召喚するしかないかも!?」と話し合ったとき、真っ先にリストアップされたのが生粋のハンマー使いである良三さんだった。そのブログを読んで、良三さんは、「行けばよかった!」と思ってくれていたようなのである。良三さんが、ケラケラと笑いながら続けた。

「たっちーさん、この人(俺のこと)が不甲斐なくて、キリンの角を折れなくてゴメンナサイ」

 俺が気色ばんで「ちょ!! な!!」と言いかけると、ネット弁慶のTさんが良三さんの発言に乗ってきた。

そーなんですよ!! いつまで経っても折れなくて!! でも、大丈夫です!! 私がみずから折ってやりましたから!!! ポッキポキですよ!!w」

「おまえら、いきなり結託しやがって……(怒)」と俺がピキピキと青筋を浮かべていると、良三さんが、

ほな、なんか行きまひょ!! なんでも手伝いまっせ!!!」

 と元気に言った。

 こうして、辻本プロデューサー、大塚角満、Tさんという異色トリオによる、“真夜中ハンティング”が始まったのだった。

 次回に続く〜!

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投稿者 大塚角満 : 14:58

【MH4G】第30回 季節はずれのサクラ舞う(その2)

 桜レイアはまぎれもなく、ルーキーハンターの前に立ち塞がる巨大な壁だ。

 いや壁と言うよりも、この先に長く続くさらに過酷な狩猟世界に、身を投じる覚悟があるのかどうかをはかる門番……もしくは審査員のようなものなのかもしれない。

 「覚悟なき者を、ここから先に進ませるわけにはいかないよ」

 桜色に染まった顔を向けたリオレイア亜種が、そんなことを言っている気がしてならなかった。

 俺とTさんは、散りに散りまくった。

 前回のコラムで書いた2回連続のリタイアのあと、「ここからは本気で!! 決死の覚悟でいかせていただきます!!!」とふたりでフンドシを締め直して臨んだのだが、変則的なレイア亜種のサマーソルトを読み切れないTさんが吹っ飛ばされ、それをカバーしようと必要以上の殴り合いを展開する俺は、炎に焼かれ続け……。3回続けて3オチという不名誉な記録を作ったTさんは、集会所に戻るやいなや、

「これ!!!! 本格的にアカンやつや!!!!!><」

 と珍しく泣き言を述べる。そんなTさんに向かって、ちょっと改まった気持ちになって俺は言った。

「言っただろ? サクラは壁になるって。コイツはここで、ハンターの覚悟を査定しているようなものなんだから」

「ううう><」とうなだれるTさん。俺は言葉を続けた。

サクラを越えない限り、先には進めない−−。逆に言えば、挫折して村に戻るのも、好きなギルクエだけ回すのも個人の自由ということだ」

 ひと呼吸置いてから、俺は最後の言葉をTさんに投げかけた。

「どうする?? 楽なクエストだけをやってお茶を濁すのもヨシ。あきらめずにサクラに挑み続けるのもヨシ……。俺は……」

 そこまで言ったところで、Tさんのチャットが割って入ってきた。

「そんなの、決まってる!!!!」

 強い言葉が、3DSの画面を揺らす。

サクラを越えたい!!! 絶対に、ウチらのほうが強くなってやるーーー!!!!

「おっしゃ!!!」と俺は声に出して拳を握った。相棒が前を向いていさえすれば、『モンスターハンター』に越えられない壁なんてないんだから−−。

 無印の時代、目黒、ネット友だちのB君と3人で挑んだリオレイア。そして、江野本ぎずもとふたりで挑戦し続けた『2nd G』の“武神闘宴”……。どのクエストも、最初は絶望しかなかった。でもあきらめず、ずっと前を向いていたから乗り越えることができたのだ。

「武神に比べたら……サクラ1頭なんて、ものの数じゃないぜ!!!」

 俺とTさんは気持ちも新たに、リオレイア亜種の討伐に向かった。もちろん、気を引き締めたからといってすぐに狩れるわけもなく、1回、また1回とクエスト失敗を積み上げてしまう。

 でも、俺たちに悲壮感はなかった。

 確実にリオレイア亜種と対峙している時間が長くなっていたし、尻尾の切断も、部位破壊も達成できるようになっていったから!!

「ゴメン!!! またオチちゃった!!!>< ……でも私、強くなってきた気がするよ!! つぎはもっとがんばる!!!

 TさんからSkypeが届いた。俺はひと言「おう!!!」とだけ返し、クエストをボードに貼り付けた。

 7回目。早々に部位破壊を達成した我々は、確実にリオレイア亜種を追い詰めていた。しかしこちらも2オチを計上しており、文字通りの“やるか、やられるか”の状況に……。そこで俺はちょっと魔が差し、つぎのようなSkypeをTさんに送ってしまった。

「お嬢!! あとは俺に任せろ!! 必ず仕留めてくるから!!」

 緊急クエストは、俺とTさんの分がふたつある。なのでここは確実に、そして少しでも早くクリアーしてしまいたいと思ったのだ。

 しかし、Tさんは逃げなかった。あくまでも果敢に、引くことなく、リオレイア亜種に挑み続けたのである。

 そのひたむきな姿を見て、俺はつまらないSkypeを送ってしまった自分の行動を恥じた。

「……そうだよな!! ここまで来たら逃げることなく、立ち向かわなきゃだよな!!!

 ……というドラマティックな展開だと、「きっとクリアーできたんだろうな」と思うでしょうがそうは問屋が卸さない。なんとこの回もTさんがサマーソルトを食らって、あえなくジ・エンドとなったのだ。

 でも俺は集会所に戻ってすぐに、Tさんに謝った。「つまらんメッセージを送ってすまんかった!!」と。それに対する、Tさんの反応……。

「メッセージ……? ……って、いま見た!!!! ぎゃああああ!!! 「任せろ!」って書いてある!!!! 無理して突っ込むんじゃなかった!!!!w 任せればよかったよおおおおお!!!!!

 ズコーーーーーーッ!!!!! 自分を恥じた俺に謝れコラァァァアア!!!www

 と、盛大にズッコケて肩の力が抜け、つぎの挑戦でアッサリとクエストクリアーw 我々は晴れて、つぎの段階に進んだのでしたw

 おしまいw


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投稿者 大塚角満 : 18:04

【MH4G】第29回 季節はずれのサクラ舞う(その1)

 とある日。

 いつものようにニンテンドー3DSをネットにつなぎ、フレンドのみが入れる集会所を作ってポケーッとしていると、「やあ!!!!」と言いながら同僚のTさんが入ってきた。挨拶もそこそこにクエストを貼り、ドタバタとフィールドを駆け巡って集会所に戻ってくる−−。そんな“いつものやり取り”を何度かくり返すうちに、Tさんがいきなり「あ!」と言った。飯をむさぼり食いながら「どったの??」と尋ねると、Tさんはこんなことをのたまったではないか……!

「カウンターのじじいが、何か言ってる!!!!!」

 このひと言で、俺はすべてを察した。そうか……。ついにここまで来たのか……。Tさんにギルドマスターのフキダシが見えているということは、俺も……。

 果たして、俺の画面にいるギルドマスターも黄色のフキダシを出していた。集会所★4のクエストを進めていた俺たちふたりに、ギルドマスターのじいさんが言いたいこと。それは、もちろん−−。

 俺はどこか厳粛な気持ちになり、「え!? なに!? レイア?? 亜種って!!?」と泡を食っているTさんに、厳かな口調で告げた。

“桜”こと、リオレイア亜種だよ。……ようやく、ここまで来たんだなぁ」

 言われたTさん、キョトンとした顔で返す。

「サクラ?? でも、レイアなんでしょう?? 何か違うの?? つおいの??」

 俺は、1年前の『モンハン4』の時代を脳内で反芻しながら、Tさんの質問に答えた。

「ここまで来たハンターたちの多くが、こう言っているよ。“恐怖のサクラ”って……。おそらくコイツが、最初の壁になると思う。レイアだと思ってナメてかかると、必ず痛い目に遭うよ」

 しかしTさん、1ミリたりとも危機感がなく、ケラケラと笑っただけだった。

デタ!!www 角満得意の“壁発言”www 大げさ乙www 恐怖だか豆腐だか知らないけど、ボッコボコにしてやんよ!!!

 この慢心した態度に対して、俺は何の反応もしなかった。ただひと言、「1回やりゃわかるよ」と告げただけで……。

 そして緊急クエスト“リオレイア亜種、現る”が始まった。武器は相変わらず、俺がガンランス(燦々顕現だったかな)、Tさんは双剣(マスターセーバー)。リオレイア亜種との最初の遭遇という一期一会の機会を楽しんで(苦しんで?)ほしかったので、Tさんにはいっさいの情報を入れていない。

「思う存分、翻弄されてほしい!!!」

 パタパタと俺の前を走るTさんの分身を見ながら、そんなことを思った。

 そしてまもなく、俺たちの眼前にリオレイア亜種が現れた。その美しい姿を見るや、Tさんが緊張感なくキャイキャイとハシャギ出す。

きゃーーーーー!!! ピンクのレイアやん!!!!>< 超ラブリーーーーー!!!>< かわゆいぃぃぃぃ!!!><

 3DSから手を放してSkypeを打っていたせいだろう。Tさんの分身はレイア亜種の咆哮で瞬時に金縛りとなり、そのまま立て続けに変則的なサマーソルトを食らって昇天してしまった。クエスト開始から約40秒で天に召されるという、愚地克巳の音速拳も真っ青な“マッハオチ”である。

ぎゃーーーーー!!! ピンクのレイアに一瞬でやられた!!!>< ていうか、真下じゃないところに立ってたのに、なんで尻尾に巻き込まれんのよ!!」

 Tさんの悲鳴を聞いて俺は静かに「ウンウン」と頷き、「桜のサマーソルトの軌道はトリッキーなんだよ。とりあえず、こんなに早く1オチしたらクリアーできる気がしないので、今回はリタイアしようぜwww」とSkypeを送って集会所に戻ってきた。さあ、仕切り直しだ。

 2度目の挑戦を前に、俺は、ナメた気持ちでクエストに行きがちなTさんをたしなめた。

「お嬢、これでわかっただろ? 初遭遇のモンスターには何をされるかわからないんだから、しっかりとフンドシを締め直して臨まなきゃいけないんだよ。俺くらいのベテランになって、桜が何をしてくるのかすべてわかれば、余裕も生まれるからさー」

 さすがのTさんも、反省したようだった。

はい……>< 肝に銘じました>< つぎからは慎重にいきますっ!!」

 俺は「よっしゃよっしゃ」とTさんの肩をポンと叩き、クエスト出発のボタンを押した。さあ、ここからが本番だぜ。

 2回目の挑戦。今度は俺が、レイア亜種を発見した。

 でも、そこはベテラン。俺はいっさい慌てることなくペイントボールをぶつけ、まずは1発目のジャンプ攻撃を敢行した。……が、これをものの見事に外してガンランスを地面にめり込ませ「!!!???!?」ってなったところでレイア亜種が咆哮する。「あ……ちょ……」とうめいたところでレイア亜種の動きは止まらず、先ほどのTさんの惨状をトレースするようにナナメ下から刈り上げるようなサマーソルトが飛んできて……!!

「はうっ!!!!!」

 ばちゅーーーーん……と吹っ飛ばされた我が分身はコロコロと地面を転がり、「あうあうあう!!!」とわめいている間に無慈悲な追撃が飛んできた。当然ながら俺になす術はなく、レイア亜種の地獄のフルコースを堪能したのちに昇天してしまった。

 クエスト開始から、約30秒。マッハオチどころか、ライトニングプラズマも真っ青の“光速オチ”の誕生である。俺は無言でクエストリタイアを選択し、ひとりで集会所に戻ってきた。

 まもなく俺の後を追って、Tさんも集会所に戻ってきた。何も言わない俺に向かい、Tさんが第一声を発する。

あの!!www いきなりベテランハンターさんとやらが力尽きたと画面に出て、気づいたら角満先生がいなくなっていたんですけどwwwww さすが、すべての動きを把握していらっしゃると、オチるのも早くあられますねwww ……ていうか、早すぎだろ!!!www ……オイ、なんとか言えや!!!www

 それでも俺は何も言わず、黙って自分の緊急クエストをボードに貼った。本当にクリアーできるのか、よくわからなくなってきた。

 というわけで、次回に続く〜……。


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投稿者 大塚角満 : 16:26

【MH4G】第28回 カオス4兄妹、我が道を行く(その3)

 俺、中目黒目黒、岩田ジュビ漏、Tさんの4人による狩り会は、けっきょく3時間ほども続いたろうか。目的の中心は“目黒と岩田をちょっとでも育てる”ことで、とにかく目に付くクエストを片っ端から受けてクリアーしていく。とはいえ目黒と岩田は初期中の初期のブレイブ装備一式なので、レウスやレイアの攻撃はもちろんのこと、ジャギィのカプカプやケルビの突進ですらまともに食らったら回復薬のお世話になる軟らかさである。なので狩り場の役割的には、メインアタッカーが俺とTさん(痩せても枯れても上位ハンターだからな)、目黒と岩田は大型モンスターの敵視を分散させるための“イラつかせ担当”といったところ。要するに、蚊やハエみたいなものだと思ってくれればいい。

 そんな4人による狩りがドタバタながらも形になり始めたころ、アタッカーの双璧だったTさんが、「明日、朝から予定があるからそろそろ帰る」口に出さずにメールで俺に知らせてきた。俺、「ぶっ!www」と噴き出して「口で言えばいいだろ!!w」と言いながらも、Tさんが抜けることを目黒と岩田に告げる。

「たっちー、ぼちぼち帰るってさー。なのでつぎのクエストからは、男3人でやらねばならんよ」

 目黒と岩田が、ブーブーと文句をたれた。

「ええええ!!! アタッカーが大塚さんだけとか、頼りなさすぎる!!」と目黒。

「ちょっと!! たっちー、なんで抜けんのよ!! このおっさんども、信用できないんだから残ってよ!!!」と岩田。

 しかし、超絶人見知りのTさんは、 (´・ω・`) ←こんな顔をするだけで何も言わず、荷物を片付けて会議室から出て行ってしまった。ただその直後、

メッチャ楽しかったー!!^^ また4人でやりたいね!! そうそう、岩ちゃんには、“私、人と仲良くなるのに最低でも2年はかかる女なので、気にしないでね!”って伝えておいてw」

 という、内弁慶(?)なメールがTさんから届いた。終始しかめっ面だったので(楽しんでんのかな……?)と若干ながら心配だったのだが、心からモンハンの協力プレイを堪能してくれたようなのでヨシとしておこう。

 そんなこんなで会議室には“いつもの”3人が取り残された。まあでも、下位のクエストである限り、アタッカーがひとり消えたところで大きな問題はないだろう。俺はふたりに言った。

「さて、どうしようかね。テキトーにクエストをこなしてランク上げを狙ってもいいけど、いい加減ふたりとも、何らかの防具を作ってもいいような気がするのだが」

 目黒が、この言に飛びついた。

「あ! 俺、アイツの防具を作りたいです!! えっと、ナントカマダラとかいうヤツ!!」

 俺は「うんうん」と頷いた。

「ゴア・マガラね。ナントカマダラって、チョウチョかっつの

 すると、ナニゴトも長いものに巻かれようとする岩田も便乗してきた。

「じつは僕も、ヤツの防具を狙っていたんですよ! いやあ、ちょうどいいですねえ^^」

 目黒と岩田は、「マネすんじゃねえよ!!」「そっちこそ!!」とお互いを罵りながらクエストの準備をし、フィールドに飛び出していった。

 でも、そうそう簡単にコトは進まない。

 なんたってこのふたりは、全身をブレイブ装備一式で覆っているのだ。防御力は最低の“6”で、ゴア・マガラの怒り攻撃やらブレスを食らったらひとたまりもないのである。

 そして実際、ひとたまりもありませんでした。

「わあ!! 1発でちんだ!!」

 と目黒が言えば、

「い、いまゴアとすれ違っただけでオチましたよ!!」

 と岩田が言う。こんな感じで、放っておくとふたりが順番にオチまくってクエストをクリアーできないので、とにかく1秒でも早くゴア・マガラを討伐(もしくは捕獲)しないと俺の生命の粉塵が無駄になるだけ。なので、俺は一計を案じることにした。食事で“ネコの火薬術”が発動したのを見て、ふたりに言ったのだ。

「火薬術が発動したので、つぎのクエストは爆弾持っていくわ。ゴアが倒れたら頭に爆弾を置いて起爆するので、ふたりは尻尾付近を攻撃しろよ。いいか? 頭には近づくなよ?

 目黒と岩田は、素直に頷いた。「わかりました!! がんばります!!」。

 そして何度目かのゴア・マガラ討伐が始まった。俺はひたすら“乗り”を狙って段差付近にゴアを誘導し、ジャンプ攻撃をお見舞いする。パタパタと走り回る目黒や岩田にゴアが惑わされて時間はかかってしまったが、ようやく乗りからのダウンに成功した。さあ、“爆弾タイム”だ!

「よし! 倒れた!! 爆弾いくでぇ〜!!」

 倒れたゴア・マガラの頭に駆け寄り、スキル“罠師”の早業で巨大な大タル爆弾Gを2個設置した。さあ、あとは小タル爆弾で起爆を……と思った矢先に、画面左側から飛来する影が……!!

「え……。岩……」

 言いかけたが、時すでに遅し。

 カッ

 ボボボボボボボボボボンッッッ!!!!

 ジュビ漏と目黒が力尽きました。

 何が起こったのかわからずに俺が幽体離脱していると、岩田がギャアギャアとわめき出した。

うわあああああ!!!! ひでえ!!! なんちゅー威力の爆弾っすか!!! 1発でオチたじゃないっすか!!!!(怒)

 ここで我に返った俺、怒りの雷を岩田に落とす。

「……っていうか、いま爆弾斬ったのオメーだろ!!!! 何度も“ゴアが倒れたら頭のほうに来るなよ”って言ったろうが!!!(激怒) なんでわざわざ目黒と心中したんだ!!!! バカか!!!

 目黒も容赦がなかった。

おめえが犯人かジュビ漏!!!! いい感じだったのに!!! ひとりでチームワークを乱しやがって!!! どうすんだ!!!」

 ふたりに責められた岩田、なぜかキョトンとして以下のようなことをほざいた。

「……え?? “爆弾置くから斬るなよ? 斬るなよ??”って……“斬れよ”って言ってたんじゃないんですか!!? いやぁ、“押すなよ押すなよ”のコントかと思っていましたよ^^; なぁ〜んだwww」

 俺と目黒、途端に(-_-メ) ←こんな顔になり、パタンと3DSを閉じて会議室を後にした。背後から、「え? え!? おふたり、どうしたんですかー!」という残響音が聞こえた気がしたが、きっと会議室にいついている地縛霊のささやきだろう。

 地縛霊はきっちりと除霊し、今後は俺、目黒、Tさんの3人で活動していこうと思いました。

 おしまい……。

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投稿者 大塚角満 : 13:59

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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