大塚角満の ゲームを“読む!”
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大宮ソフトさんへのインタビューが読みたいところでしょうが、もうちょっとだけ俺の戯言に付き合ってください。
6月28日、無事にニンテンドー3DS用ソフト『カルドセプト』が発売された。この日をどれほど待っていたことか!!! ってことでさっそく、出社する前にお店に寄ってソフトを購入してきた。
自宅の近所にある、イトーヨーカ堂のおもちゃ売り場で買いました。当初は秋葉原の量販店まで行って買おうと思っていたのだが、そうすると近所で買うのと1時間ものタイムラグができてしまう。結果、「1時間もプレイ時間が削られるのは惜しい!!」って気持ちと「1時間も浪費するうちに品切れになってしまったらマジで泣く!!」という危機感に押されて、幼児や子連れのお母さんとともにレジに並び、無事に品物をゲットしたのでありました。
首尾よくソフトを手に入れた俺はさっそく、電車の座席でバリバリとパッケージのビニールをひん剥き、カードを取り出して、それをニンテンドー3DSに差し込んだ。いよいよ熱くて長い『カルドセプト』の夏がやってきたのだ。
「はぁはぁ!!」
ソフトが起動するのももどかしく、荒い息をつきながらボタンを連打する俺。すると間もなくタイトル画面が現れて、初期ブックを選ぶ運びとなった。
ここで『カルドセプト』をまったく知らない人に向けて解説するが、このゲームは50枚のカードが1セットとなった“ブック”というものを駆使して戦うボードゲームである。カードは大きく分けて“クリーチャーカード”、“アイテムカード”、“スペルカード”の3種類があり、ブックのカード枚数は50枚ピッタリでなければならぬ。同一のカードは4枚までブックに入れることが可能。これは『カルドセプト』の、絶対にして大前提のルールだ。もしも「50枚以下でもいいよ」なんてことになったら、厳選した20枚だけでブックを作り、回転早く強いカードが続々出てきてバランスがメチャクチャになるからなー。
さて初期ブックは、あらかじめ用意されたいくつかのセットの中から好きなものを選ぶことができる。これは、メインで入っているクリーチャーカードの属性を偏らせて作られたブックで、たとえば“水風ブック”は水属性と風属性のクリーチャーカードが多めに入っていて、“火地ブック”だったら火属性と地属性のクリーチャーがメインで構成されている。長く遊んでいくうちに好きな属性、好きなクリーチャーってのが必ず出てくると思うけど、初めて遊ぶならあまり深く考える必要はないかもしれない。なんとなく「今日は暑いから水がいいなー」とか、「新緑の季節だから森(地)にすっか」ていう程度の軽い気持ちで選べばいい気がする。
でも参考程度に、一応ベテランの俺が思う各属性の特徴を書くと……。
・無属性
コストが安めながら、ST(攻撃力)、HP(体力)ともに優秀なクリーチャーが多い。ただし、地形効果を得ることができないという短所がある。
・火属性
STの高い、攻撃的なクリーチャーが多い。その反面、防御に向いているクリーチャーが少ない傾向にあるような。
・水属性
火属性とは逆に、HPが高めのクリーチャーが多く、領地を守るのに適している。再生や無効化といった特殊能力も多い気がする。
・地属性
援護能力を備えたクリーチャーが多い印象。援護は、うまく使えばSTもHPもハネ上がるので、攻防に有効に使える。
・風属性
とにかく“先制”の能力を持つクリーチャーが多い! 先手を取りやすいので、アグレッシブに攻められると思う。
ちなみに俺は、初代『カルドセプト』の時代から水属性が大好きなので、今回も迷わず“水風ブック”を選んだ。これをもとに、まずはストーリーモードを進めてカードを集め、あーだこーだとカードをとっかえひっかえしながらブックをいじり、じょじょに理想系に近付けていけばいいのだ。もちろん、先に進むと「このマップは水風ブックじゃキツい気がする……」なんてことに絶対に出くわすことになるので、それぞれ特徴のある、複数のブックを用意するのが理想。でもそれは、おいおい考えればいいんだけどなー。
とりあえず水風ブックを駆使して、最初のマップをプレイしよう。最初ということもあり、舞台となる“デュナン村”は非常にシンプルな構成だ。
対戦相手は、『カルドセプト』の名物キャラのひとりである賞金稼ぎのライバーン。ま、何度も言うが最初なので相手のブックも弱く、テキトーに周回し、クリーチャーを配置してレベルを上げていくだけで、いつの間にか勝ってしまうに違いない。俺も、実際そうなった。
さて、問題はここから。報酬として、どんなカードが手に入るかで今後の戦略が変わってくるのである。俺はライバーン戦後、こんなカードを手に入れた。
・エグゼクター(火属性のクリーチャー)
・キメラ(火属性のクリーチャー)
・リバイアサン(水属性のクリーチャー)
・ドワーフ(地属性のクリーチャー)
・ワーボア(地属性のクリーチャー)
・サキュバス(風属性のクリーチャー)
・カタパルト(ST+30、HP+30のアイテムカード)
これ、俺的にはかなりいい感じの引きだ。水属性が少ないのはどうなの……と思われるかもしれないが、唯一引けたリバイアサン(初代のころから大好きなクリーチャー)は、“敵破壊後、戦闘が行われた領地を水に変える”という非常に特殊な能力を持っている。つまり、「確実に勝てる!」という戦いに起用すれば、そこが火だろうが風だろうが、チャプチャプの水辺にしてくれるんだからステキとしか言いようがない。……まあ、召喚には100Gのコストがかかり、さらに水属性をふたつ持っている必要があるというメチャクチャ高いハードルもあるんだが(苦笑)。
また、サキュバスが出てきたときも「やった!!!」って思ったね。これは攻撃力とか特殊能力とかはどうでもよくて、ただひたすら、寺田克也さんが描くサキュバスのイラストがメチャクチャ好きだから(笑)。このゲームに出てくる480種ものカードイラストの中で“角満的TOP3”を選べと言われたら、間違いなくこのサキュバスと、同じく寺田克也さん作の“メデューサ”が入る。「まだ見てない!!」って人は、がんばってカードを集めてくれ!!
俺は上記の獲得カードの中から、キメラ、リバイアサン、ドワーフ、ワーボア、サキュバス、カタパルトを新たにブックに組み込んだ。もちろん、まだまだ弱々しいブックだが、じょじょに穴が埋まり、強くなっていく過程を見るのも『カルドセプト』の楽しみのひとつだからこれでいいのである。
というわけで、次回に続く〜。
コソコソ……。
ずっとここを放置し、いろんなところに首を突っ込んではさまざまなゲームのプレイ日記やコラムを書いておりますが、我が実家とも言うべき“ゲームを読む”の存在は1日たりとも忘れたことはございません……! 実際、僕はずっと考えていたのです。
「ここで扱ってもいいくらい、思い入れの強いタイトルはないものか……」
と。しかしなかなか、「ヨシ!」ってことにはなりませんでした。
「そんな堅苦しいこと言わないで、なんでもかんでも書けばいいじゃん」
と思われそうですが、プレイ日記というひとつの文学ジャンル(?)にこだわってきた人間として、どうしても譲れないところがあったのです。それはプロとして、そして記名で書く以上、
「しっかりと“愛”を主張できないならば、プレイ日記なんてものは書くべきではない」
という青臭いものだったりします。でも青いとはわかりつつ、これだけはどんなに落ちぶれても忘れちゃいけないと思うのです。
しかしいま“プロとして”なんて書きましたが、ここのところ集中して一般の方が書かれるプレイ日記を読んでみたんですけど、逆にそういったもののほうにたくさんの愛が詰まっているナ……なんて思いました。好きな気持ちをなかなかうまく文字にできず、ひたすら言葉を叩き付けているような文章なのにやたらと心に響いたり、気圧されるほどの迫力を感じたり……。自分はそのゲームをプレイしたことがないのに、すっかり“やった気”にさせられたりもしました。結果、
「愛があれば、プロも一般の人も関係ねえな!!」
改めて、そんなことを思ったりしたのです。
そんな刺激をたくさん受けたこともあり、ひさしぶりにこの場所でゲームのプレイ日記を書くことにしました。
……そう、“無償の愛”を注げるゲームがまたひとつ発売されるから。
そのゲームとは、6月28日に任天堂から発売されるニンテンドー3DS用ソフト『カルドセプト』です。
ボードゲームのプレイ日記なんて書いたことがないですが、“愛を注ぐ”という点に関して言えば、『カルドセプト』シリーズは僕的に、長いゲーム人生において5本の指に入るくらいの存在なのです。
『カルドセプト』に初めて出会ったのは、僕がまだ25歳(!)だった1997年。もともとボードゲーム好きだったこともあって、サターン用ソフトとして発売された『カルドセプト』に速攻で魅了され、以来シリーズ作品は欠かさずプレイしてきました。しかも、ひと通りやり終えてその存在を忘れたとしても、周期的に「どうしてもいますぐ『カルドセプト』がやりたい!!!」という発作に見舞われて、家じゅうを家探ししたり、何軒もゲームショップを巡ってソフトを探したり……というドタバタを演じたりしています。無数の戦略と、対戦相手ごとに変えるカードの組み合わせ(“ブック”と言う)があまりにも深く、おもしろくて、ひとりブツブツと言いながら延々とプレイしてしまうんですねぇ。
そんな『カルドセプト』のすばらしさを、この場から発信していけたらステキだなと思い、いまこうしてキーボードを引っ叩いている次第です。何しろ15年来の付き合いのゲームなので非常にマニアックなことも書くかもしれませんが、なるべく噛み砕き、解説も入れながら綴っていこうと思っておりますので、「『カルドセプト』、聞いたことあるけど難しそうだからやってない……」なんて方もぜひ読んでいただけたらなと思います。
……と、プレイ日記を書くその前に。
じつはこれに先立ち、『カルドセプト』の開発元であり、ニンテンドー3DS版の開発も手掛けた大宮ソフトを直撃!! 非常に濃いインタビューをしてきたので、次回からその中身を公開します。
乞うご期待!
大塚角満

週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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