大塚角満の ゲームを“読む!”
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12月22日に発売になった拙著『折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜』ですが、おかげさまでいい感じに売れているようです! これもひとえに、このプレイ日記を楽しんでくださっている皆さんのお力の賜物。でももっと売れてほしいので、シツコク宣伝は続けていこうと思いますw 全国の書店で絶賛発売中の本書、ぜひぜひお手に取ってみてくださいね!
さて。
今日もしぶとく心折れております。
宵闇との逢瀬を楽しんだあと、俺は雄大な滝の横にあるハシゴ(間違いなくこのゲームで最長のハシゴ)をエッホエッホと上って、黒い森の庭の深部にたどり着いた。ここで道は左右二手に分かれるが、「こういうときは利き腕の方向に進むのがセオリー」と、どこかの部族の伝承のようなことをつぶやきつつ、俺は右側の道を進んで行った。
細い獣道を抜けて行くと、やたらと広い森の広場のようなところに出た。見渡すと、向かって右側は木々が鬱蒼と生い茂る森林地帯の続きで、左側は森林限界線なのか、木がない空地になっている。空地の先は崖のようで、その向こうに闇夜が広がっていた。
さて、どっちに行ってみようかな。俺、ボソリとつぶやく。
「こういうとき、人はなぜか左方向に向かうんだよな。関東人はとくに。エスカレーターで立つのも左側だし、俺が毎日使っている市ヶ谷駅の構内も左側通行だし」
言いながら俺は、左側の空地を目指して歩きだした。すると、画面を見ていたHが「こういうときは利き腕のほうに進むんじゃなかったの?w “森はヤだから空地に行く”って言えばいいのにwww」と笑ったが、俺は左腕でもハンドボールを30メートル投げられるくらいパワーを誇っているので、臨機応変で一向に構わないのである(意味不明)。
しかしこの左回りルート、キツイったらなかった。というのも、息をつかせる間もなくキー坊(樹人)がズザーズザーッと地面を割って出てきやがって、やたらとまとわりついてくるのである。1匹倒したと思ったら2匹が「ズザーッ!」、逃げ回りながらこいつらを退けても新品のキー坊が3匹まとめて「ズザーッ! ズザーッ! ズザーッ!!」……。1匹ずつだったら大して手強い相手ではないが、“数”で挑まれるとやはりウザい。長いリーチによる攻撃と抱き着きチューチュー(キー坊はたまに、プレイヤーに吸い付いて生き血を吸うのだ)の猛攻に遭って、俺はシッチャカメッチャカに逃げ惑うハメになってしまった。
そして気が付くと、俺は「後回しにしよう」と考えていた森林地帯に迷い込んでいた。でもまあ、どっちにしても見て回らなければいけない場所なので、返って都合がよかったと思うことにしよう。俺は改めて「やっぱ右利きは右側からだよな……」とブツブツ言いつつ、歩みを進めようとした。しかしそのとき、カメラの視点が勝手に切り替わって、画面中の我が分身の動きがピタリと止まってしまう。そして……!!
グッサァァァァァアアアッッ!!!
なんと、どこの誰だかもわからない盗賊風の男に背後を取られ、致命の一撃を食らわされてしまったではないか!! これには驚いた。誤ってベロを咬み切りそうになるくらいビックリした。俺、当然のように悲鳴を上げる。
「わあああああ!!! バ、バックスタブ食らった!!! なんだなんだなんだ!! 誰だダレだだれだっ!!!」
しかもおかしなことに、俺を背後から刺した盗賊風の男の姿がまったく見えなくなってしまった。……いや、違うな。見えなかったのは確かだが、もっと正確に言えば“見えなくなった男の姿がはっきりと見えた”。矛盾したことを書いているのは重々承知しているが、その男は何らかの力で身体を半透明にし、森の中に溶け込んでいるようなのである。こいつは怖い。猛烈に恐ろしい。透明の宇宙人が襲い来る映画『プレデター』を初めて観たとき、恐さのあまり卒倒しそうになったが、やはり映画は観て楽しむエンターテインメントなので、なかなか“真の怖さ”を実感することはできない。しかしいま、俺はプレデターの怖さを地で行く透明の敵に襲われている……。このとき、俺は初めてプレデターに殺られた人たちの怖さを実感できたのかもしれない。
それでも、俺はどうにか冷静を保って透明の敵から距離を取り、体勢を立て直そうとした。残り数ミリとなった体力をエスト瓶で回復し、油断なくあたりをキョロキョロと見回す。あの恐るべき半透明の敵は、ちょっと離れたところにいる。あいつを視界から逃さずに立ち回れば、なんとか対抗できるかもしれない。見ると遠くから、ヤツの仲間と思しき戦士が駆け寄ってこようとしているのが見えた。囲まれたら、面倒なことになりそうだ。俺は慌てて半透明の敵に迫り、攻撃を加えようとした。しかし、そのとき……!!
プヒュンッ!!
グッサァァァァァアアア!!!
なんと暗闇から矢が飛んできて、それがものの見事に俺の脳天に突き刺さったではないか!! ど、どっから飛んできたんだ……!? 弓を持っている敵なんて、ぜんぜん見えなかったのに……!! しかも、大ダメージ確定のヘッドショットとかやめてほしい……。
俺、迫り来た敵の攻撃をゴロゴロと転がりながら避けて、ついでにカメラをグルグル回して周囲の様子を確かめた。すると、先ほどの半透明の盗賊とは別に、もうひとり半透明の弓使いが……!!
しかし、こちらが存在に気付いたってことは弓使いと俺が直線で並んだってことで、正確に発射された矢は再び俺の脳天に……!!! 薄れゆく意識が最後に見せたのは、例によってあの文字であった。
「YOU DIED」
森にはやはり、恐ろしい魔物が棲んでいる……。
※『折れてたまるか!』でイラストを描いてくれている酔coさんのブログ“ファミツェネーゼの悶々(ゲ)生活”はこちら
★このプレイ日記が単行本になります!★
12月22日に無事、『折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜』が発売となりました!! 出足も好調のようで、うれしい限りです。何度もお知らせしてきましたが、本書にはここで公開したエッセイにプラスして、約40ページに及ぶ書き下ろしプレイ日記“アノール・ロンド編”、ブンブン丸による攻略コラム、イラストレーター酔coさんの『ダークソウル』プレイマンガと、本書でしか見られないコンテンツが盛りだくさん! しかも今回はオールカラーの264ページと超豪華仕様になっています!(価格が1260円[税込]と高めなのは、その影響なのです!><) ぜひぜひ手に取ってみてくださいね!
■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
今日は12月21日……。ってことは……拙著『折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜』の発売日まで、あと1日ではないですか!!
というわけでせっかくなので、本の中身をちょろっとだけお見せしちゃいましょう。こんな感じになっております。
何度かお知らせしましたが、本書はオールカラーの264ページとなっていて、あらゆるところにモンスターのイラストや、イラストレーターの酔coさんのコミカルなマンガが載っているのです。デザイナーさんがかな〜り遊び心を持って作ってくれたので、『ダークソウル』のダークな雰囲気とはかなりギャップのある、全面的にポップなイメージのある1冊になりました。
ちなみに、これも何度も書いてきましたが、本書の最大の見どころとなっているのが書き下ろしプレイ日記“アノール・ロンド編”です。このゲームのプレイヤーならば誰もが必ずブチ当たるアノール・ロンドのふたつの壁、2名の銀騎士とボスとの死闘を、約40ページの大ボリュームで書き下ろしました。とくに、ゲーム史上に残るであろう最強のボス、処刑者スモウと竜狩りオーンスタイン(とくに、オーンスタインのほう)とのやり取りは、自分で読み返して吐きそうになるほど(苦笑)緊迫したものとなっています。アノール・ロンドでの出来事は『折れてたまるか!』でしか読めないので、ぜひぜひ手に取ってみてくださいね。
というわけで、今回は全面的に宣伝というかお知らせだけですw スイマセン……。
『折れてたまるか!』が、『ダークソウル』プレイヤーにかわいがられることを願いつつ……。
※『折れてたまるか!』でイラストを描いてくれている酔coさんのブログ“ファミツェネーゼの悶々(ゲ)生活”はこちら
★このプレイ日記が単行本になります!★
お知らせしました通り、この『ダークソウル』プレイ日記が単行本になります! ここで公開したエッセイにプラスして、約40ページに及ぶ書き下ろしプレイ日記“アノール・ロンド編”、ブンブン丸による攻略コラム、イラストレーター酔coさんの『ダークソウル』プレイマンガと、本書でしか見られないコンテンツが盛りだくさん! しかも今回はオールカラーの264ページと超豪華仕様になっています!(価格が1260円[税込]と高めなのは、その影響なのです!><) ぜひぜひ手に取ってみてくださいね!
■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
ひゃーもう、忙しくてぜんぜんブログの原稿が書けない……。書きたいことが山ほどあるのに……! まあでも、この時期の雑誌屋が忙しいのは定例行事のようなものなのでしかたないんだけど……。にしても、今年の年末はいろいろと立て込んでいる気がするわ……。でもぼちぼち時間を作って、書きたいことをいろいろと発信していこうと思います。
さて、『ダークソウル』のプレイ日記もまだまだ続きますよ。
灰の湖をひと通り見て回ったあと、俺はいよいよアノール・ロンドに向かった気がする。たぶん。
なんで曖昧なのかと言うと、センの古城を突破したあとは壁にぶち当たるたびにべつのエリアに逃避していたので、どうにも記憶がゴッチャになっているのである。その様子は、広大なロードランを彷徨う放浪者そのもので、一見自由を満喫しているように見えたが心の内には不安が渦巻いていた。この不安に起因するのは“とんでもない取りこぼしをしているかもしれない”という強迫観念で、これは1周をクリアーし、まもなく2周目も終わる……という現在でも付きまとい続けている背後霊のような存在となった。
こんな感じでフラフラと彷徨い続ける中で、俺は“狭間の森”に迷い込んだ。「そういえば、黒い森の庭の脇道の先って、まだ行ってなかったな」と思い出し、ズンガズンガと歩みを進めたのである。いったい何がこの先に……? そんなことを思いながら進んで行くと、目の前にはクリスタルのカタマリのような、やたらときらびやかなモンスターが現れた。俺、とたんに目玉が“¥”マークになる。強引に顔文字を作ると、
¥_¥
こんな感じか。って、こんなのわざわざ書くまでもなかったな……。
じつは俺、子どものころに「将来は鉱物学者になる!」って思っていたくらいの石好きで、とくにこのモンスターのような結晶モノ(?)は、我を失うほど大好物だったりする(鉱物だけに)。こやつはきっと、思いっきりブン殴ったら“キラキラした結晶”だとか“まばゆい石の塊”なんていうアイテムを落とすに違いない。それがダメだったら最低でも、光る楔石くらいはドロップするだろう。いやむしろそれがいい! それしかない!! ヨダレをたらしながら周囲を見渡すと、このクリスタルな敵(その名もクリスタルゴーレム)はウジャウジャと群れをなしているではないか。こいつはウハウハだ。ゴールドラッシュだ!! 俺はクリスタルゴーレムをまとめて相手にしようと思い、さらに森の奥深くへと踏み込んだ。すると突然……!
ひゅ〜〜〜〜〜ん…………
バッチューーーーーーンッ!!!
彼方に見える湖の方角から青白いカタマリが飛んできたと思ったら、それが俺に直撃。そしてちょっと看過できないほど体力が減らされてしまったではないか。なんだいまのは。何が飛んできたんだ!! いきなりすぎる凶弾に怒り狂い、クリスタルゴーレムの存在も忘れて湖に近付く。するとそこには……!
ハイいました湖獣さんwwwww
……ってオイちょっと待てや。湖獣はつい先日、灰の湖で相手をしたばっかだわい!!! なんでまたここにいるんだ!!! 俺、声に出して画面の風景を罵った。
「ちょっと!! このあいだ倒したばっかなのになんでまたいんだオマエは!!」
これに対するHの発言は、にべもないものだった。
「あれとは違う湖獣なんでしょ」
あまりにも的を射た答えに、俺は罵声を飲み込まざるを得なかった。
しかし、怒りにまかせて湖のすぐ近くにまで走ってきてしまったが、こんな暴走はするもんじゃないね。だって目の前には、中ボスクラスの実力を誇る湖獣が陣取り、背後には走ってやり過ごしてしまった無傷のクリスタルゴーレムがウジャウジャと……。前門の虎、後門の狼とはまさにこのことで、俺はとてつもない猛攻にさらされてしまう。湖獣の魔法攻撃をガードしたと思ったら背後のクリスタルゴーレムに頭をブン殴られ、「くぬやろう!!!」と怒髪天を突いてクリスタルゴーレムのほうを向いたら「がぶっ」っと湖獣に咬み付かれて……。こんな修羅場に放り込まれたら、不死身の戦士でも死んでしまうのではなかろうか……。これほどのシッチャカメッチャカは、最下層でバジリスクの大群に囲まれたとき以来だわ。当然、俺は「YOU DIED」を刻む……。
「頭きた!! クリゴー(クリスタルゴーレムの略)5匹と首7つ、計12匹でひとりの旅人をタコ殴りにするなんて、こんな卑怯な話聞いたことがない!!」
自分に都合のいい計算式から導き出された圧倒的不利な状況に怒り狂い、憤怒の形相で画面を睨みつける俺。しかしHは呆れて、「クリゴーをキチンと倒し、落ち着いて湖獣に挑めば、正々堂々とした1対1の戦いになってたじゃん^^;」と苦笑いを浮かべるのだった。
そんなHのセリフは聞き流しながらも、つぎのチャレンジではクリスタルゴーレムを1匹ずつ順番に倒し、湖獣の首も落ち着いて1本ずつ斬り落として、このゾーンは難なくクリアー。その後、ジャボジャボと湖の中に分け入ってクリスタルゴーレム(琥珀)に出会い、「こ、こいつこそ光る楔石を出すに違いない!!」といきり立って攻撃したら、中からボワンと人が出てきて「ビビビ、ビックリしたあ!!!」とキモを潰す。この人、“ウーラシールの宵闇”という女性で、どこか儚げな美貌を持った俺好みの見た目をしていた。ぜひぜひ仲良くしたいものだ。そう思って彼女に言われた通りに召喚サインに触り、再度登場してもらったのだが、この女性はなんと魔術売り……。脳筋キャラの俺にとって、水と油、日本酒とチョコレートってくらい(?)用のない人ではないか。嗚呼……。俺たちは結ばれない運命だったのか……。俺、思わず嘆き声をあげる。
「なんてことだ……。あなたが魔術売りだったなんて……。僕たちは結ばれない運命だったんだね……」
心の中の宵闇、さめざめと泣きながら俺に言う。
「まさかあなたが脳筋だったなんて……。こんな悲しいことがありましょうか。なぜあたなは脳筋なの? いっそ私も生まれ変わりたい……」
「ああ>< なんたることだ宵闇よ><」
思わず口から漏れてしまった言葉を聞いて、Hは心から俺をバカにした顔を作って吐き捨てた。「あんた、大丈夫??www」。
さあもうすぐ、黒い森の庭の奥地だ。
次回に続く。
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★このプレイ日記が単行本になります!★
お知らせしました通り、この『ダークソウル』プレイ日記が単行本になります! ここで公開したエッセイにプラスして、約40ページに及ぶ書き下ろしプレイ日記“アノール・ロンド編”、ブンブン丸による攻略コラム、イラストレーター酔coさんの『ダークソウル』プレイマンガと、本書でしか見られないコンテンツが盛りだくさん! しかも今回はオールカラーの264ページと超豪華仕様になっています!(価格が1260円[税込]と高めなのは、その影響なのです!><) ぜひぜひ手に取ってみてくださいね!
■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
灰の湖の朽木を越えて、さらに奥へと進んで行く。すると、モニター越しでもわかるくらいあたりの空気が凛と張りつめ、その最奥で何かが待ち構えていることを俺に知らせてきた。
「この先に、何がいるんだ……?」
正直、かなりビビっていたが、俺の歩みは止まらなかった。それは、張り詰める空気が禍々しいものではなく、どこか神秘的で優しい匂いに満たされている気がしたから……。しかも遠くに、篝火も見える−−。
「あ! あんなところに篝火があるぞ!!」
俺の歩くスピードが上がった。この先に何が待ち構えているのか知らないが、とりあえずあの篝火で休憩して、今後の対策を考ようと思ったのだ。
しかし安心するのと同時に、俺の心にはつぎのような思いも去来する。
(なんでここに、篝火があるんだ……? 灰の湖の入り口にあったばかりなのに、こんな近場にもうひとつある理由は?)
頭の中でいくつものクエスチョンマークが明滅した。それくらい、その篝火には違和感があったのだ。その向こうに見える岩のような大きなカタマリも、違和感を増長するアクセントになっている。なんなんだアレは……。思わず、俺の口から言葉が漏れる。
「あの篝火は、なんなんだろう」
と。しかし、画面を見ていたHとS君は何も言わなかった。こういうときは、きっと何かおかしなことが起こるのだ。経験則からくる俺の直感が、「気を付けろ!」という鋭い信号を発していた。俺は歩くスピードを緩めて、慎重に篝火に接近する。すると……。
バッサァァァァァ……!!
なんと、篝火の向こうに見えていた岩のカタマリがブワッと翼を広げて、中から見たこともないような巨大なドラゴンが姿を現したではないかっ!! 俺、条件反射的に「うわっっっ!!!!」と言って立ち上がり、踵を返して来た道を猛スピードで戻り出した。もしもこのとき、小便を催していたら、若干数はパンツの中にこぼしていたかもしれない。それくらい、驚いた。
ところがこの様子を見ていたHとS君のふたりは笑い出し、こんなことを告げたではないか。
「あはははっ!!! やっぱりそうなったwww でも大丈夫、そのドラゴン、敵じゃないみたいだよww 逃げなくても平気だよwww」
しかし、このゲームをやり始めてからすっかり疑心暗鬼の権化となった俺は、素直に応じようとしなかった。
「ウソつけ!!! どうせ近寄ったら、ボバーって言ってすげえ炎とか氷を吐き出すんだろ!! それでちぬんだ!! わかってんだ!! もう騙されないぞ!!!」
子どもか!! っちゅー話ですがね。
しかし、Hの言葉に続いてS君も「いや、ホントに平気だからww 誓約もできるし、話しかけてみなよwww」と笑いながら言う。ま、まあそこまで言うなら、俺も鬼じゃないんだから行ってみるんだけどさ……。まだ半信半疑だったが、俺は恐る恐るドラゴンに近付いていった。
すると、驚いたことにドラゴンはまったく攻撃のそぶりを見せず、それどころか画面には“古竜に祈る”というメッセージまで表示されたではないか! ホ、ホントにこのドラゴンと誓約ができるんだ……。俺、ダッシュで逃げようとしたことなどすっかり忘れて速攻で古竜との誓約を交わし、見返りとして“古竜の瞳”と“竜頭石”というアイテムを得る。なんに使うものかわからんが、景気よくアイテムまでくれるなんて……。俺はすっかり神々しい古竜に心酔し、「へへーっ!!」と平伏しながら忠誠の言葉を発した。
「ここまでプレイしてきた中で、もっとも神の匂いを感じるアンタッチャブルな存在だわ……。俺はこの古竜に、ずっとついていくことにするよ……」
一途な男の誓いであった。
俺は、雄々しい古竜の姿をホレボレと眺めながら、そのまわりを歩いてみた。古竜の大きな身体からはそれに似つかわしい長い尾が生え、灰の湖の白い砂にそっと乗っている。うーん、なんてすばらしいフォルムだろう。俺はますます、古竜にホレ込んだ。
しかしふいに、古竜の尻尾を見たS君がこんなセリフを口走った。
「あ。その尻尾、斬れるよw 斬ると、ドラゴンウェポンのひとつ“古竜の大剣”が手に入るんだよね〜」
聞くが早いか、俺は黒騎士の斧槍を抜き払い、ズバンと一閃、古竜の尻尾に振り下ろした。そしてS君が言った通り、我が手に古竜の大剣がもたらされる……。その間、わずか3秒。まったく無意識の行動であった。この動きを見たHとS君が、猛烈な勢いで非難してきた。
「信じられない!! なぁにがアンタッチャブルよ!!!ww 武器が手に入ると聞いて、速攻で攻撃しやがった!!!ww」とH。
「まるで迷いがなかったwww 完全に、殺る気だったでしょヒデ君!ww “ずっとついてく”とか言ってたくせにwww」とS君。俺は耳をパタリと閉じ、手に入ったばかりの古竜の大剣を愛おしそうに撫でるのだった−−。
続く……。
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★このプレイ日記が単行本になります!★
お知らせしました通り、この『ダークソウル』プレイ日記が単行本になります! ここで公開したエッセイにプラスして、約40ページに及ぶ書き下ろしプレイ日記“アノール・ロンド編”、ブンブン丸による攻略コラム、イラストレーター酔coさんの『ダークソウル』プレイマンガと、本書でしか見られないコンテンツが盛りだくさん! しかも今回はオールカラーの264ページと超豪華仕様になっています!(価格が1260円[税込]と高めなのは、その影響なのです!><) ぜひぜひ手に取ってみてくださいね!
■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
貝(五足のバイバル)、パパキノコ(キノコ人)、呪いイモリ(バジリスク)という“恐怖のザコキャラ大三元”(意味不明)につぎつぎと襲われた俺。この灰の湖という場所は、敵の数こそ少ないものの極め付けの“濃い”やつらが棲んでいるので、本気で気を付けたほうがいい。
でも考えようによっては、ここではつぎのようなことが起こるね。
朽木の中でパパキノコにぶん殴られて「!!!!!」となり、パニックを起こして逃げたところにバジリスクがいて黒い霧をひっかけられたとする。そしてまんまと呪死するわけだが、篝火を出たところで五足のバイバルを撃破するとそいつが見事に解呪石を落とし、速攻で呪いを解いて、「ふぅ〜。今日も平和だ……」と黄昏る灰の湖の午後3時……なんていうことが起こるわけである。ていうか、起こった(マジで)。マヌケな出来事に見えるかもしれないが、これは言ってみれば、需要と供給のバランスが3種のザコとプレイヤーとで形成する四角形で保たれている“永久機関”のようなもので、ここにいる限り一生このサイクルがくり返されるということになるまいか。ならないな。って、俺は何を言っているのでしょうか。
そんな灰の湖で、俺は丸2日ほどの時を過ごした。敵の数も少なく、やることもほとんどないこの場所で、これほどの時間を費やすプレイヤーはあまりいないのではあるまいか。
「なるほど。灰の湖に到達した日から忙しくなって、2日くらいプレイできなかったんだな」
良心的な読者の皆様は、そんなふうに考えてくれるかもしれない。しかし、事実はそうではない。俺は丸2日間、きっちりとここで足掻いていたのだ。そりゃあもう、必死になって。
灰の湖の唯一の難所である朽木の中で、バジリスクとパパキノコを倒した俺は、荒い息をつきながらあたりを見回した。そしてそこに、アイテムがあるのを発見する。
「はぁはぁ……。なんか、上のほうに、アイテムが、ある……。はぁはぁ」
そう、この朽木の中は螺旋状に上に続く通路が伸びていて、それが途中で途切れた先にアイテムが置かれているのである。いかにも、ちょっとジャンプすれば届くところに配置されているように見えた。俺、誰にともなくつぶやく。
「なるほど。助走を付けて道を駆け上り、ジャンプして取りゃいいんだな」
これに、S君が応じる。「えーっと、どうだったかなぁ……。忘れちゃったけど、見るからにジャンプして取れる距離だよね」。俺の方針が定まった。
とりあえず現状の装備のまま、俺は助走&ジャンプを試みた。前述の通り道は螺旋状になっているので、カメラの視点操作に若干のコツがいる。しかしそれにもすぐに慣れ、俺は会心のジャンプを連発した。
しかし、あと1歩のところでアイテムが置かれている高台に届かない。
どうやらここは、かなりシビアなタイミングを求めているようだ。ジャンプする位置がちょっとでもズレたら、届かないようになっているに違いない。
俺は何度も何度も、アイテムを目掛けてジャンプをくり返した。こういうの、ホントに苦手なので明らかな失敗ジャンプ(跳べぬまま下に落下するとかねw)も多かったが、何度かは「いった!!!」と確信できたジャンプもある。それでも、高台に届かない。本当に、あとちょっとなのに……。何かの要素が加われば、絶対に届くのに……。そこで俺は、ハタと気付いた。
「わかった! 装備が重いから飛距離が出ないんだ!! なーんだそうか。そんな簡単なことだったんだ」
言うが早いか、俺は着ていた黒金糸装備をすべて脱ぎ捨てた。現れた赤黒いゾンビ皮膚も気にせずに、その場で前転してみる。
くるんくるんっ!!
うん、超軽快。これで最高到達点に達することができるぞ。
俺は再び、助走&ジャンプのターンに入った。すると、見るからに助走の速度がアップし、ジャンプの飛距離も伸びたように見える。いいぞいいぞ。これを何度かくり返していれば、いずれ高台に降り立てるに違いない。
ところが、何十回、何百回跳ぼうともアイテムには届かず……。
な、なんて難度が高いんだこの場所は……。もしもここが崖だったら、俺は何度転落死しているかわからんぞ……。俺の失敗を眺めていたS君が複雑な表情をしながら「あれぇ……? ……うーん」と唸っている。しかし新たな打開策が出てくることもなく、俺はただただ跳躍を続けるしかなかった。
それから、2日の時が流れた。
その日も俺は、手にマメができるほど必死のジャンプを続けていた。いい加減心が折れそうだったが、本当にあとちょっとだと思えたので、あきらめがつかないのである。そして傍らではS君が、相変わらず難しい顔をしていた。時間と、失敗の数ばかりが積み重なってゆく。
そして−−。
どれくらいの時が流れたころだろうか。S君はガバッと顔を上げて「あ!!!」と叫び、俺の顔を鋭く見つめてから恐るべき言葉をのたまったのだ。
「ヒデ君……。そのアイテム、どうやっても届かないよ……」
え……? ま、マジで……? 俺、震える声でS君に尋ねた。
「そ、それは、まだここに来るのは早かったってこと?」
しかしS君はプルプルと頭を振り、若干笑いが含まれた声でつぎのように言ったのだ。
「いや……w いま思い出したんだけど、その高台、朽木の外の通路から落ちたところに入り口があるんだったww 木で隠れてて見にくい入り口なんだけどね^^;;;;; そこから簡単に入れるよwww」
え……。
え……………。
えええええええええええええ!!!!! 俺の2日間の連続ジャンプ、完全にムダかいっ!!!!!
S君に言われるまま外側の通路を進んでいくと、確かにわかりにくい場所に下りられる足場があった。そこは朽木の中の高台に通じ、俺が2日間追い求めていたアイテムが目の前に……。
そんな苦労の末に手に入れたのは、俺がいっさい使えない魔法でした。
おしまい……。
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★このプレイ日記が単行本になります!★
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■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
苦労の末に湖獣を撃破し、灰の湖を平和に導いた俺。
「さすが俺。さすが聖騎士。灰の湖の住人たちは、皆感謝していることだろう」
そう言ってふんぞり返る。しかしすぐに、Hに突っ込まれた。
「いやいや。あんたが来るまで、灰の湖は平穏そのものだったと思うよww 平和を乱したのは、明らかにあんたでしょう。だいたい、聖騎士じゃなくて山賊だし」
平和を乱したのが湖獣なのか俺なのかは人類永遠のナゾなので放っておいて、俺は静かになった灰の湖の探索を始めた。と言っても、ひたすらだだっ広いこのエリアには生きているものの姿が少なく、それが独特な静けさにつながっていることは明らかである。
ここは、生あるものを拒絶する死の湖なのか……?
そんな思いが脳裏でチラチラと明滅し始めたころ、目の前にデカい貝が落ちているのが見えた。俺の口からついつい、くだらないダジャレが飛び出す。
「お? 貝だ貝だ。デッカイ貝だ」
…………。
…………………。
…………………………。
誰も反応してくれないことに密かに心傷つきながらも、俺はその貝に接近した。見たところ、大きなシャコガイのようである。あいつは、ただのオブジェか? それとも、動き出すのか……? そんなことを考えている俺の目の前で、貝は意外な行動をとった。
ニョッキリ。
シュタッ!
なんと、貝にはまるで似つかわしくないスラリとした脚がニョキニョキと生え、華麗なモデル立ちをしやがったではないか! 呆気にとられながら眺めると、貝の脚は5本もあり、それぞれ黄色いソックスと縞模様のストッキングを装着している。なかなかどうして、この貝は艶めかしいオシャレさんのようだ。そいつが、トコトコと俺に接近してきた。
「この貝、敵だよねえ?」
思わず、そんなことを口走る俺。これまでの流れからして敵じゃないわけがないのだが、艶っぽい脚と、どこか笑っているように見える顔(なのか?)は、敵対心を薄れさせてくれるのだ。そんな、攻撃をしようかどうか迷っている俺目掛けて、貝は振り回した頭をぶつけてきた。すると……!
ギュイイイイイイイインッッ!!!
……ってオイ。おまえ攻撃力高すぎだろおおおおお!!! 満タンだった体力、一気に半分以下になっちゃったんですけど!! パパキノコといいこの貝(“五足のバイバル”という)といい、大樹のうつろから灰の湖にかけて配置されている敵、めっちゃ強いのばっかだわ……。数は少ないけど、まったく油断できない。少数精鋭とは、まさにこのことだ。
俺は慌てて後方回転し、エスト瓶をガブ飲みした。五足のバイバルはスピードこそないものの非常にシツコく、5本の脚を器用に動かして俺を追いかけてくる。しかも、ときたまフェンシングのように口から針状のものを伸ばして突っついてくるし、貝殻をまとっているだけあって物理攻撃があまり通らないしで、1匹倒すのにかなりの時間を使わされてしまった。ホントにこのゲーム、ザコでも気を抜けないよ……。
そんな五足のバイバルだが、キチンと相手をしてあげるとときにうれしいこともある。このときがまさにそうだったのだが、稀に呪いを解くアイテム“解呪石”をドロップするのである(もっと稀に光る楔石もドロップするが、このときは知らなかった)。しょっちゅうバジリスクに呪われている俺にしたら、道を歩いていて5000円札を見つけたときくらいうれしい出来事である。「やったやった♪ 解呪石だ♪」。俺はゴキゲンで歩みを進めた。
そしてしばらく歩くと、中が空洞になっていると思われる大きな朽木が現れた。入り口っぽい場所があったのでノコノコと入っていくと、そこで待っていたのはパパキノコと、そして……。
「あの…………。またバジリスクいるんですけど………………」
五足のバイバルが解呪石をドロップするのは、こういう理由か(違うだろ)。
エスト瓶が心もとなくなっていた俺は、やむを得ず朽木の中から飛び出した。五足のバイバル、パパキノコ、そしてバジリスクという“ザコ3強”を相手にしなければならないのだ。慎重に慎重を重ねて悪いことはないだろう。俺、「はあはあ」と荒い息をつきながら、Hに向かってこう言った。
「ここ、強いザコばっかだな……。たまらんわ……」
しかしここで、なぜかしかめっ面をしていたHがとんでもない発言をぶっ放す。
「……あのさ、もしかしてさっきの、ダジャレだったの??ww」
……っていまさら反応すんな!!! 恥ずかしいわ!!!
そんな平和な深夜2時。
▲毎夜のように展開される我が家の風景……。 イラスト・酔co
※『折れてたまるか!』でイラストを描いてくれている酔coさんのブログ“ファミツェネーゼの悶々(ゲ)生活”はこちら
★このプレイ日記が単行本になります!★
お知らせしました通り、この『ダークソウル』プレイ日記が単行本になります! ここで公開したエッセイにプラスして、約40ページに及ぶ書き下ろしプレイ日記“アノール・ロンド編”、ブンブン丸による攻略コラム、イラストレーター酔coさんの『ダークソウル』プレイマンガと、本書でしか見られないコンテンツが盛りだくさん! しかも今回はオールカラーの264ページと超豪華仕様になっています!(価格が1260円[税込]と高めなのは、その影響なのです!><) ぜひぜひ手に取ってみてくださいね!
■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
灰の湖に陣取っていた湖獣(ヤマタノオロチみたいなヤツね)に魔法のシャワーを浴びせられ、なす術なく昇天してしまった俺。しかも、灰の湖の出入り口近くに篝火があったことを知らずに湖獣に挑んでしまったがために、またまた大樹のうつろの長い道のりを下らざるを得なくなってしまった。
しかしここで、再度バジリスクに呪死させられたことや、トカゲ(石守)を追いかけそこなって転落死したことなど、あることあること(あったのか)を書いているといつまで経っても話が進まないので、ここは一気にショートカット。湖獣との再戦の模様から振り返りたいと思う。……こんな具合にプレイ時も、メンド臭いところをビョンと飛び越えられたら楽なのにな……。
俺は再び、湖獣に向かって走り出した。魔法の遠距離攻撃が強烈なことは自分の命と引き換えに刷り込めたので、心構えはバッチリ。実際、俺はジグザグに走ったり、前転回避をしたりしながら、魔法攻撃を避けまくった。しかし、問題はここからなのだ。
湖獣はその名の通り、湖に座している。身体が大きいので近くにいるように見えるが、実際に近寄って見てみると胴体は岸からかなり遠い場所にあることがわかった。相変わらず俺は遠距離攻撃を持たないので、湖獣にダメージを与えようと思ったら湖に分け入り、接近戦を挑むしかないように思える。なので俺はダッシュのスピードを緩めぬまま、ジャボジャボと湖に入っていった。それを見たHとS君が「あ……」と言ったのを背中に聞きながら。すると……。
どぼん。
ぶくぶくぶくぶくぶくぶく………………。
「YOU DIED」
「わあああああ!!! ちんだあああああ!!!!」
この湖、岸からちょっと入ると深みになっているのネ……。当たり前ですネ……。あは。あはあはあは…………。
溺死はなかったことにして3回目の挑戦。もうくだらねーミスはしないぞ。
とはいえ、胴体に肉薄できない肉弾キャラはどうやって湖獣に対抗すればいいんだ? 聞けばS君は「遠距離から魔法を撃ちまくって倒したよ〜」とのこと。しかし俺が持つ遠距離武器は、雪に小便的な弱小弓しかない。こんなの、何十発撃ったところで倒せはしないだろう。
それでも、とりあえず近寄らないことには始まらないので、魔法攻撃を避けながら湖獣に接近を試みた。湖の深みのギリギリまで……。すると不思議なことに湖獣の魔法攻撃が途絶え、灰の湖に不気味な静寂が訪れる。
な、何が起ころうとしているんだ……?
攻撃は止んだのに、俺と湖獣の間にあるピリピリとした緊張感は変わっていない。何かが来る! そう思った矢先だった。
「ギャオオオオ!!」
湖獣から雄叫びのような声が聞こえたかと思ったら、なんと7本の首がグンと伸びて、俺に向かって突撃してきたではないか!! どうやらこいつ、魔法攻撃が当たらない懐に入られると、長い首を使って敵対者を食い殺しに来るようだ。「ひぃぃぃぃぃ!! おっかねえよお!!」。俺は泣き声を出した。
しかしよく見ると、伸びた首は猛烈な勢いで岸に突っ込んでしまい、脳震盪でも起こしたのか動きが止まってしまっている。それを見た我が家の3人は、同時に大声で叫んだ。
「チャチャチャ、チャーーーーーーンスッ!!」
大急ぎで踵を返して1本の首に近付くと、やおら黒騎士の斧槍を抜き払って強烈な一撃を叩き付けた。なんとこの攻撃で、見事に1本目の首をちょん斬ることに成功。この蛮行を見たS君が、感嘆の声をあげる。「すげえ!w 1発か!! さすが脳筋キャラ!!ww」。
あとは、この立ち回りのくり返しだった。湖獣に接近して首の攻撃を誘い、動きが止まったところで強烈な斬撃を浴びせる。おかげで、順調に首の数は減っていった。
しかし、首の数が減ってくるとこちらの的も絞りにくくなり、攻撃が当たらなくなってしまった。どういうことかと言うと、攻撃を誘って首が伸びてくるところまではいいのだが、あまりにもあさっての方向に首が飛んでいってしまうため、動きが止まっているわずかな時間中に攻撃が当たる間合いに届かないのである。「待て待て! はぁはぁ!」と追いかけているうちに首はびょょ〜〜〜んと元の胴体に戻ってしまい、再度攻撃を誘うと今度はさらに遠いところに飛んでいってしまう。
「おいコラ!! どこ目掛けて飛んでいってるんだ!! このノーコン!! ピッチャー、ビビってるよ!!!」
なんて言ってもまるで通じず(あたりめーだ)、湖獣のビーンボールはとどまるところを知らない。結果、やけになって首を追い回しているうちに……。
どぼん。
ぶくぶくぶくぶくぶくぶく………………。
「YOU DIED」
「わああああ!! もうやめてくれえええ!!!」
篝火スタートになると、せっかく苦労して切断した首もすべて生え揃っている。この後、俺は3回ほども同じ作業をくり返し、ようやく湖獣を倒したのでした……。
続く……。
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★このプレイ日記が単行本になります!★
お知らせしました通り、この『ダークソウル』プレイ日記が単行本になります! ここで公開したエッセイにプラスして、約40ページに及ぶ書き下ろしプレイ日記“アノール・ロンド編”、ブンブン丸による攻略コラム、イラストレーター酔coさんの『ダークソウル』プレイマンガと、本書でしか見られないコンテンツが盛りだくさん! しかも今回はオールカラーの264ページと超豪華仕様になっています!(価格が1260円[税込]と高めなのは、その影響なのです!><) ぜひぜひ手に取ってみてくださいね!
■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
遊びたいゲームがたくさんあり、時間がいくらあっても足りなくなって心折れております。
パパキノコのメガトンパンチでぶっ飛ばされ、あえなくノックアウトされた俺。このパパキノコ、攻撃力がとんでもないのはさることながら、HPが多く、しかも堅いときていて(柔らかそうなのに……)、思わず“隠れザコ王”に推挙したくなる。スピードがないのが唯一の救いだが、これでもしも、バルデルの騎士程度に動けたとしたら、冗談抜きで黒騎士を追い抜いて“『ダークソウル』最強の敵キャラ(ボス除く)”になっていたと思うわ……。そんなパパキノコの猛攻にさらされながらも、俺はどうにか大樹のうつろを抜けた。
木の根の道から解放された俺の眼前に広がっていたのは、思いがけない白い砂浜と静かな湖の風景だった。画面には“灰の湖”というテロップ。どうやらここが、つぎなるステージらしい。
灰の湖を支配していたのは、圧倒的な“静寂”だった。聞こえるのは、白い砂を踏みしめるオノレの足音と衣擦れの音くらいで、茫漠の空間には怖いほどの“静”が満ちている。水墨画の世界を切り取り、そのまま貼り付けたかのような風景はちょっとゾッとするほど美しくて、俺はしばしのあいだ呆然と、砂の上に佇んでしまった。
「静かでキレイなところだなぁ……」
思わず、飾り気のない言葉が口を突いた。そして脳裏には、いつか写真で見たスペインのマヨルカ島にある世界最大級の地底湖“マルテル湖”の風景が広がる。もしもこんな場所が現実に存在したら、週末ごとに観光客が押し寄せてたいへんなことになるだろうな……。そんなことを思わせずにはおかない、灰の湖の神秘的な美しさだった。
ところが、俺のこの言葉を聞いたHが、「うひひ」と笑ってからつぎのようなセリフを吐いた。
「たぶん、観光客なんてひとりも来ないと思うよw だって、あそこにスゴイのがいるんだもんwww」
俺、目つぶしをされたバジリスクのような顔をして(どんなだ!)、Hの言葉に反応した。「え? スゴイの??」。するとHはさらに笑い、「ホラ、あっちあっちww」と、湖の左手側を指差す。言われるまま、カメラを左側に振り向ける俺。すぐに、妙なものが湖で泳いでいる姿が目に入った。
「な、なにあいつ…………」
遠目に見えるソレは、静かな湖の上を滑るように、悠然と泳いでいた。いま俺が立っている場所からかなり遠い水面にいるはずなのに、目の前に立っているかのような錯覚を覚えてしまう。
遠くにいるのに、近くに見える……。
この事実が表しているのはその物体が誇る尋常ならざる体躯で、たとえば東京スカイツリーとか富士山を思い浮かべればわかりやすいかもしれない。そして何より目を引いたのが、そのモノの胴体付近から上に伸びる複数の首……!!
「あ、あの……。あそこにいらっしゃる方は、もしかしてヤマタノオロチかなんかデスカ……?? そして俺は、あいつと戦わないといけないデスカ……?」
画面から目が離せなくなり、口だけをパクパクと動かしてHに問いかける俺。するとHはニヤニヤと笑いながら、こんな言葉を返してくる。
「ヤマタノオロチなのかヒドラなのかわからないけど、当然、素通りはできないねwww 私もここで苦労したんだよなぁ……」
あんた自分で操作しないでS君にやらせたんだろ!! ……と思ったがそこはスルーし、俺はS君に問いかけた。
「あいつ、強い……?」
これを受けて、S君はこう言った。
「見た目に比例した強さだと思うよ^^;;」
どうやら、冗談では済まない強さのようだ。
とりあえず俺は、ソロリソロリと歩みを進めて、ヒドラ(正式名称は“湖獣”と言う)がいるほうの波打ち際に近寄っていった。いくらデカいとは言え、ヤツは湖にいるのだ。それなりの距離を保っていれば、攻撃を受けることはあるまい。もしもヤツが水面から飛び出し、ワシワシと陸地を歩いて追いかけてきたら、そんときは「俺が悪かった!!」と言って首を差し出そう。
(頼むから見つかってくれるな……!!)
そんなことを願いながら、湖獣に接近する。しかしそんな願いもむなしく、「ピクンッ!」と反応した7本の首が一斉に我が分身のほうを振り向き、ものすごい顔で睨み付けてきたではないか! それでも、俺には余裕があった。長い首をいくら伸ばしても、こっちには届かないだけの距離を保てていたから。
「へへーん!! いくら睨みつけてもムダだよーだ! おめえの攻撃は届かねえんだよ!! やーいやーい!」
まあ、デカい湖獣の攻撃が当たらないってことは、肉弾オンリーの俺の攻撃などもっと当たらないんだけどな。でもそんなことにまで頭が回らない俺は、ひたすら遠目からヤツを挑発し続けた。
しかし、俺が踊っていられたのは、ほんの4秒くらいのあいだだけでした(みじかっ!)。なぜかと言うと、なにやら湖獣の口のまわりが青く光ったかと思ったら、いきなりとんでもない量の光の束が、我が分身目掛けて飛んできたから!!! 俺、とたんに我を失い、はしたない大声を出す。
「うわあああああ!!! ま、魔法攻撃きやがった!!! た、助けっ……!!」
油断しまくりのところに飛んできた魔法攻撃の束を俺がさばき切れるわけもなく、盾を構えるまもなく全弾を被弾(苦笑)。画面に、例の如くなメッセージが表示された。
「YOU DIED」
そして俺はまたまた、大樹のうつろのてっぺんにあった小さな篝火に戻された。完全に「ふりだしに戻る」な気分だ。
嗚呼……。また落下死の危険に怯え、バジリスクから逃げ惑い、パパキノコのハンマーパンチをかいくぐって下まで降りていかなきゃならないのか……。
なんて憂鬱な行軍だろう……。もう今日は、やめようかな……。
そんな、暗い顔で逡巡する俺に向かって、HとS君が口々にこんなことを言った。
「なんで、灰の湖の入り口近くにあった篝火に触らなかったの??w」(H)
「俺も思ったww 篝らずにヒドラに挑むなんて勇者だなーとwww」(S君)
……篝火あったなら教えてくれっ!!!!(泣)
失意のまま大樹のうつろを下っていった俺は、またまたパパキノコのハンマーパンチにノックアウトされて連続死……。数千ソウルと人間性をムダにしたのでした……。
次回に続く。
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■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
大樹のうつろは、微妙なところに配置されたアイテムと神出鬼没のトカゲ(石守)で惑わした挙句に、旅人を転落死させることを狙ったステージだということが判明した。言ってみればこれは、その歌声で船員を惑わせて船を転覆させるギリシャ神話のセイレーンと同じだ。「違う」と言われても困ります。
ここで必死こいてアイテムやトカゲを追い回していると、どれだけの転落死とソウル消失を積み重ねるのか見当もつかない。なので俺は、セイレーンの歌語を聞かぬように耳を塞ぐのと同じように、なるべく画面を見ないようにして前に進むことにした。
「これぞ“心眼歩法”」
見えてしまうと、どうしても追いかけたくなるからな。しかしすぐに、
「あぶなっ!!!!」
と転落しそうになり、心眼歩法は封印……。そもそも、目をクワッと見開いててもふつうに転落死するところなのに、薄目のテキトープレイで進めるわけもなかったのだ。俺はひとり赤面しながら「さてと……」とつぶやき、目をパッチリと見開いて慎重に歩みを進める。それを見たHが、「ぷぷぷww」と笑って言い放った。
「心眼はどしたのwww 目、開いてるみたいだけどwww」
俺は目の代わりに、耳をパタリと閉じた。
そんなこんなでしばらく進むと、ちょっと開けた場所に出た。木の根がテーブル状に広がった安定した足場で、転落死を気にせずに動き回ることができる。見ると、明らかな人造物である梯子があり、さらに下の階層に降りていくことができるようだ。
俺は嬉々としてその梯子につかまり、下に下りて行こうとした。さっそくカメラアングルを動かし、着地点あたりを何気なく見る俺。しかしその瞬間、指が止まる。
「あ、あの……。なんか下に、黒いイモリのような方がいらっしゃるんですけど……」
そう……。なんと梯子を下りた先は、恐怖のバジリスクの巣だったのである!! しかも1匹じゃなく、3匹ほどが群れており、俺が梯子から降りるのをワクワクしながら待っている(ように見える)。思わず、下り始めたばかりの梯子をポクポクと上っていく俺……。
「ちょっとw なに上ってんの?www 下に行くんじゃなかったの??ww」
Hが言った。だってぇ……。バジリスクが待ってるんだもの……。
しかしここでS君が、「穴から落ちても下に行けるよ〜。バジリスクのいないところに降りて回り込み、ボコボコにしちゃえば?」と助け舟を出してくれる。俺、「おお! それだ!! その手でいこう!!」と大いに喜び、実際に余裕を持ってバジリスクと対峙して退けることに成功する。さあもうすぐ、大樹のうつろの終点だ。
いつの間にか道は、大きなキノコの上を歩く形式に変わった。道幅はかなり広く、それまでの木の根とはケタ違いの安定感がある。どうやら今度こそ、安全地帯のようだ。
テクテクとキノコの上を歩いていると、前方からエリンギ茸にそっくりな、小さなキノコが駆け寄ってくるのが見えた。じつにかわいらしい風貌をしているが、すっかり疑心暗鬼の俺は「こいつも敵に違いない」と看破する。黒騎士の斧槍を構える俺。ところがそんな俺の眼前で、チビキノコは何かに躓いてズザーッとコケてしまったではないか。その姿に、優しい俺はいたく心を痛め、「だ、だいじょぶかい!?」と傍に駆け寄ってしまう。すると……。
ボクン。
チビキノコが、まるでジャレつくように俺を殴ってきた。コケて癇癪を起して叩いてくるなんて、丸っきり赤ん坊の所業である。ヨシヨシ。痛かったんだね^^ 恥ずかしかったんだね^^^^ 俺は寛容な態度でチビキノコに接しようとしたが、思わぬ動きを見せたオノレの体力ゲージにキモを潰す。
ギュイイイイイイイインッ!!!
な…………! なんかすげえ体力減ったんですけど!!! 軽くチビキノコに殴られただけなのに、満タンの体力から3分の1くらいは削られたよ!? パクパクパクと言葉なく口を開け閉めする俺。それを見たS君が、苦笑いしながらこう告げる。
「そのキノコ、攻撃力がメチャメチャ高いよ^^; 俺も油断してやられたもんw」
マ、マジかよ……。人(?)は見かけによらないとはこのことだ。
それでもどうにかチビキノコを片づけて、俺はさらに下の階層に降りていった。キノコの道も、まもなく終点のようである。
しかしホッとしたのも束の間。目の前に、さきほどのチビキノコとは比べもつかないデカいエリンギが現れやがったではないか。ヌボーっとして動きが遅く、リーチも非常に短いので大したことない相手に見えるが、さっきのチビキノコの例もある。俺は慎重に、こいつと対峙した。
パパキノコ(我が家ではこう呼ばれている)はゆっくりと俺に近付き、短くてかわいらしい手を「プイッ」と振ってきた。とりあえず試しに、1発だけ攻撃を食らってみよう。そう思ったのが、すべての間違いだった。
ポコン。
パパキノコの攻撃がヒット。すると−−。
ギュイイイイイイイイイイイイイイイインッッッ!!!!!
あ、あの……。満タンだった体力、残り数ミリになっちゃったんですけどおおおお!!! な、なんだこの攻撃力は!!! く、黒騎士よりも強いんじゃねえの!!?
俺は大慌てで、パパキノコから距離を取ろうとした。しかし、いつの間にか俺はパパキノコに取り囲まれており、逃げようにも逃げることができない。そんな俺に向かって、パパキノコのハンマーパンチが雨のように降り注ぐ……!!!!!
その後のことは、あまり記憶にない。
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■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
★上のカバーを見てから読んでね! 『ダークソウル』プレイ漫画!★
短いネタに挑戦。
バジリスクに脅されてものの見事に転落死し、大樹のうつろが静かで平和なユートピアではないことを思い知った俺。ヤツが睨みをきかせているからには、これまで以上に慎重を期さなければならない。
何を置いてもとりあえずは、ソウルを回収しないと。なんだかんだで10000ソウルくらいは持っていたのだ。これを失うのは、あまりにも惜し過ぎる。
俺は細い根の道を、1歩1歩確かめるように下りて行った。グネグネと執拗に曲がっている箇所はカメラ操作が煩雑になるため、どうしても落下の確率が上がってしまう。そんな場所では「落ち着け! ゆっくりでいいんだ!」とみずから口に出した言葉で心を鼓舞しながら、ノロノロと歩いていった。緑色の光を放っている自分の亡骸まで、あと少しの距離。近くにバジリスクがいるが、知ってさえいれば前回のように取り乱すこともないのである。さあて、ソウルを回収するかな……。
しかしそのとき、視界の端っこで、何やら光る物体がチロチロと動いた気がした。「ボゥ」っとしたわずかな光で、油断していれば完全に見落としていたレベルである。でもこのときは、前述の通り怯えたハリネズミのように慎重に進んでいたので、身の回りの変わった事象に敏感になっていた。だから、“そいつ”の存在を見つけることができたのである。俺、とたんに取り乱して、テーブルにツバをまき散らす。
「トトト、トカゲだトカゲッ!!! 光る楔石のトカゲがいるぅ!!!」
なんと、自分がいる根から3階層くらい下の場所に、おなじみのトカゲ(石守)がいるのを発見してしまったのだ。こいつは、倒せば必ず、レア素材の光る楔石を出してくれる。いまでこそアノール・ロンドの鍛冶屋で買うことができる素材だが、当時はまだ、そんなバージョンアップはされていなかった。なので石守は、ツチノコやネッシーと同じくらい、希少で垂涎の的な存在だったのである。
俺は我を失った。
「ヤバいヤバい!! トカゲが逃げる!! 早く捕まえないとっ!!!」
言うが早いか10000ソウルの遺体を忘れ、たいして下を確認せずにぴょんと木の根から飛び降りてしまう。でも、たまたまそこには太い根があって無事に着地。しかし、石守はまだ下の層にいる。俺は再度「トカゲが逃げるぅぅぅ!!!」とうわごとのように言い、迷うことなくそこからも飛び降りてしまった。石守が放つ魔力に魅せられた男は、皆こういうことになってしまうのである。
それでも、俺は死ななかった。奇跡的に根に引っ掛かり、転落死を免れたのだ。ところが、この大ジャンプで石守は俺の存在に気が付いてしまったらしく、身体をプルプルと揺すって逃げようとする。石守の身体は徐々に透け、いままさに消えんとす……。そんな姿を見て、俺が逆上しないわけがない。
「わああああ!! 消えんなぁあああああああ!!!!」
俺は慌てて、石守に駆け寄ろうとした。しかし、わずかに根に引っ掛かっていた足はガチャ操作のおかげでズルリと滑り、石守を目の前にして滑落……。我が分身はぴゅるるるるぅぅぅぅ〜〜〜〜……と落ちていく。
「わああぁぁぁぁぁ………………」
石守の姿が網膜から消え去ったあと、我が分身は生前最後の風景を見る。
「YOU DIED」
もうヤダ俺………………。
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■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
【ダークソウル】第60回 うつろの中のゲシュタルト崩壊
“大樹のうつろ”は、病み村の大沼に垂れている1本の木の根を通路として展開する特異なエリアだ。“うつろ”は“空ろ”と思われ、これは“中が空っぽでがらんどう”なことを指している言葉。要するにこのエリアは、読んで字の如く“大木の中の空洞”が舞台になっているのである。ちなみに、木にポッカリと空いた空洞のことを“うろ”と言うが、これはうつろと同義だ。
木の根を駆け上がり、狭いトンネル状の通路を進んでいく。すると目の前に、さりげなく宝箱が置かれているのを発見する。しかし、センの古城でミミック(貪欲者)に食われた思い出があるのですぐには開けず、執拗にガシガシと引っ叩いた。これを見たHが苦笑いをする。
「ぷぷww だいぶビビッてますなーwww 聖騎士なんでしょw もっと堂々としてなよwww」
うっさい。ウキウキしながら開けた宝箱に食われて絶命……なんて、“世界イヤな死にかたTOP10”に入るような死にかたは、もうしたくないのだ。
▲我が家のひとコマ……。 イラスト・酔co
とりあえずその宝箱は安全なもので、無事にアイテムをゲット(人間性の双子が入っていた。たぶんw)。すぐに行き止まりになってしまったが、床に“この先、通路あり”なんていうメッセージが書かれていたので確信を持って壁をぶっ叩くと、思った通り進むべき道が現れた。そして、その先に小さな篝火。ここからいよいよ、大樹のうつろが始まるようだ。
篝火で一服してから立ち上がり、まずは大樹のうつろの全貌を眺める。ここは、筒状に上下に広がるうつろの中が舞台で、張り巡らされた木の根(枝かな?)を道として下へ下へと下りていかなければならないらしい。道となる根は細く、曲がりくねっているため、落下死の恐怖がつねに付きまとうだろうことは容易に想像できた。俺の頬を、冷や汗が伝う。
「俺はここで、何度も落下死をしたよ……。しかも、わざと落ちないと取れないアイテムがそこらじゅうに配置されているので、自然と落下死が増えるんだよねぇ」
S君のセリフを聞いて、俺の心臓は半分くらいに縮まった。
しかし進まないことには始まらないので、俺は篝火を出た。これまで以上に慎重に、ゆっくりと木の根を伝って下りてゆく。敵の気配はまるでなく、不気味なほどの静寂がうつろの中を支配していた。
「とりあえず、敵は落下死だけみたいだね……」
俺のこの言葉に、なぜかHもS君も反応しなかった。
しばらく無言で、細い道を行ったり来たりする。ところどころに分岐や行き止まりがあるため、敵が出なくても油断はできない。それでも、ところどころに休憩ポイントのような空間があったので、それほどストレスを溜めこまずに済んだ。
さあ、どんどん進もう。
見ると、ちょっと歩いた先にひと際大きな空間があるのがわかった。この、静寂と細い道に支配された大樹のうつろはことのほか心細く、敵がまったく出ないことが過疎感をあおって、さみしいことこの上ない。
「まったく敵がいないってのも、薄らさみしいもんだねえ。あの広いところに、なんかいないのかな」
そんなことを言いながら、俺はその空間に足を踏み入れた。すると。
目の前に、どこか見覚えがある丸い物体がズラズラと並んでいるのが見えた。その隣には、水晶で作ったかのようなトゲトゲの彫刻がひっそりとたたずんでいる。
ハテ……? これらはいったい、何だったかな。
このとき、なぜか俺の脳ミソは「思い出してはいけない! いや、早く思い出したほうがいい!!」と、矛盾した信号をひっきりなしに発信していたと思う。その間に、ズラッと並んだ丸い物体は、そこから生えた黒い身体と脚を使ってヒタヒタと俺のほうに近寄ってきていた。条件反射的にカタカタと震え始める俺の両手。脳ミソの中はいまや、
「呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪」
という文字で満たされてしまい、ゲシュタルト崩壊を起こす寸前になっている。
呪い……。そ、そうか……!
またあいつが、俺の前に現れたのだ……! 俺を再び呪い殺すために、大樹のうつろで待ち構えていたのだっっ!!! 目玉の持ち主が「ぷしゅーーー」と黒い霧を吐き出したのを見ながら、俺は声の限りに絶叫した。
「バババ、バジリスクキターーーーーッッ!!!! 呪われる呪われる!!!! 呪い殺されるぅぅぅぅぅ!!!!」
これを見たHとS君は堰を切ったかのように大声で笑い出し、涙を拭きながらこんなことを言った。
「敵がいなくてさみしかったんでしょwww バジリスクが来てくれたんだから、相手してやんなよwwwww」(H)
「落ち着いてwww 一撃で倒せるんだから、大丈夫だってwww」(S君)
ふたりの声は、ほとんど俺に届かなかった。あまりにも意外な場所で“史上最凶のザコキャラ”に出会ってしまったことでパニックを起こし、「うわわわわわわっ!!!!」と言いながらやたらと前転回避を連発してしまう。そしてS君が「あ!! 危なっ!!!」と言いかけたところで、我を失った哀れな40歳は木の根から転落。ピュルルルル〜……という残響を伴って天に上っていった。大樹のうつろにおける、初の転落死である。
「もうやだ……。カンベンしてくれ……。バジリスク死んでくれ……」
我が家の居間に響く、俺の嗚咽とふたりの笑い声……。
次回に続く……。
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オールカラー 264ページ
今日からちょっと、いままでになかった試みをしてみます。
12月22日に発売予定の拙著『折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜』には、僕のプレイ日記とともに、カバーイラストを描いてくれたイラストレーターの酔coさんによる“『ダークソウル』プレイマンガ”が多数掲載されています。酔coさんはファミ通.comのブログ“ファミツェネーゼの悶々(ゲ)生活”でドタバタゲーム4コマを描かれている方なので、『折れてたまるか!』でも『ダークソウル』の4コママンガと、僕のたっての希望で1コママンガを描いてもらいました。
この仕事をきっかけに酔coさんにも『ダークソウル』をプレイしてもらったのですが、単行本の作業が終了したあとも出るわ出るわいろいろなネタが!w そこで、せっかくなので僕のプレイ日記とコラボし、挿絵のような感じでマンガを描いてもらうことにしました! “ネタがあるとき限定”になると思いますが、本日よりこのプレイ日記内に酔coさんのプレイマンガも載せちゃおうと思います。どうぞ楽しんでください!
さて。
デーモン遺跡行脚はけっきょく、度重なる山羊頭の襲来に「もう、アタシ、ダメ……」となって、途中で引き返すハメになった。まあぶっちゃけ、ここは気まぐれで寄り道しただけの場所なので問題はないのだ。これでいいのだ。
「これでいいのだ」
俺はホントに口に出してそう言った。すると、これを聞いたHが笑いながら応じる。
「そのわりには、手が震えてるみたいだけどw しかし、ウシにもヤギにも景気よくやられてたねww しばらく焼肉は食べられないんじゃないのww」
「わーわーわー!!」
みっともない大声を出して、Hの言葉を遮断した。
▲こんな感じのマンガが、『折れてたまるか!』には多数収録されているんです。ドタバタした感じが、なんとも俺の文章とマッチしているでしょ。
しかし、ここで問題になるのがつぎに向かう場所である。選択肢は、素直に真っ直ぐ“アノール・ロンド”、寄り道ついでに“黒い森の庭”、インディー・ジョーンズ気分で“大樹のうつろ”などなど、より取り見取りなのだ。うーん、悩ましい。“絶対にこのルートじゃなきゃダメ!”というものでもないので、そのときの体調や気分で自由に選んでオッケーである。でもだからこそ、人は悩むのだ。
「うーん」
もう一度、俺は唸った。
するとこれを聞いたS君が、つぎのように助言をくれたではないか。
「どこでもいいと思うけど、デーモン遺跡からいちばん行きやすいのは“大樹のうつろ”じゃないかね。クラーグの住処を通って、毒沼を渡った先に入り口があるから」
おおお……なるほど!! そういう考えかたもあったか!!(ふつう?) 俺は素直に、S君の助言に従うことにした。「よし!! つぎなる目的地は大樹のうつろにしよう!!」。
しかしその前に、気になりながらも「ここは後回し」とシカトしていた“ある場所”に立ち寄ってみることにした。じつは、目覚ましの鐘の真下にポッカリとした空間があり、穴から落ちていけるようなのだ。その穴の周囲に“落下攻撃が有効”というメッセージが大量に貼られていたので、きっと恐るべき怪物が待っているに違いない。
そしてこの空間は、デーモン遺跡へ通じるトンネルがある場所から“隠し通路”を通って行くことができた。ドキドキしながら通路を進むと、目の前に1匹の“たまご背負い”が現れる。こいつ、道を思いっきり塞いでいやがったので一刀両断にしてくれようかと思ったのだが、そうすると中から寄生虫がビチビチと出てきて面倒なことになるので、剣を収めて近付くことにする。すると意外なことに、画面に“話す”というアイコンが表示されたではないか。
「斬らなくて本当によかった!!」
俺は心から安堵した。
導かれるままにたまご背負いに話しかけると、ヤツはモゴモゴと何かをしゃべったあとにいきなり、「たまごも背負えない半人前が!」と俺のことを罵倒した。刹那、俺の心に(さっきやっときゃよかった)という気持ちが芽生える。しかし我慢して話を続けると、たまご背負いは「姫様と話をしろ」なんてことを言うではないか。どうやら奥の空間に、たまご背負いが仕えるお姫様がいるらしい。
邪魔なたまご背負いにガンガンとぶつかりながら前に進むと、右手の壁から真っ白な美女が生えているのが目に入った。彼女のまわりにある不気味な生き物の残骸は明らかにクモのもので、この娘が混沌の魔女クラーグと同じような宿命のもとに生まれてきたのだということがよくわかる。見ると、彼女のまわりにはたくさんのメッセージが書き込まれていて、“攻撃”、“かわいいやつ”、“この先、強敵あり”なんてのが目立つ。しかしこれでは、攻撃していいのか愛でていいのかさっぱりわからない。しかし見たところ、彼女は襲い掛かってくる風ではないし、目の前に大きな篝火もあったので、とりあえずはこちらの味方だと判断する。いや、それ以上に“味方だ”と決めた決定的な理由は、彼女の容姿にあった。
「うーむ……。この娘はしかし、なんと言うか、べっぴんさんですな……」
S君も「うんうん」と頷いた。「『ダークソウル』に出てくるNPCの中で、いちばん美人だと思うわw」。
▲“ミス・ダークソウル”に推薦したくなる美人、混沌の娘。これだとよくわからんけどw
俺はさっそく、この娘に話しかけた。ところがここで、意外なことが起こる。
「・・・?」
なんと彼女と会話ができないのである。それでも、篝火の強化や“誓約”のメッセージが出たので会話ができなくても問題はないようだが、こんな美人を目の前にして言葉のキャッチボールが不可能なのは残念すぎる。「話たいなあ……」と俺は湿った声でつぶやいた。
すると、これを聞いたHがとたんにドヤ顔を作り、つぎのようなことを言ったではないか。
「私、話せたよ。この子、クラーグの妹なんだって」
な、なにぃ!!? なんで会話できたんだ!? まさか「・・・?」を透かしてみたり焙ったりしたら、「あたし、クラーグの妹なの」ってメッセージが見えるのか!!?
「バカじゃないのw んなわけないでしょww キャラメイキングのときに贈り物がもらえるじゃん? あそこで“老魔女の指輪”をもらって装備していると、この子の言ってることがわかるみたいだよ」
な、なんと……。何の役にも立たない飾りだと思っていた老魔女の指輪には、そんな効果があったのか……。
「まあでも、そんだけなんだけどね^^;」
Hが自嘲気味に言った。
しかしおかげで、この子(“混沌の娘”と言う)の出生の秘密がわかった。これでシコリを残すことなく先に進むことができるぞ。
俺は部屋を飛び出して、階段を上っていった。そして混沌の娘の真上にある穴に近付き、そこに書かれていた“落下攻撃が有効”のメッセージを眺める。
「このままでは、あのコが危ない」
そうつぶやいた俺は“橙の助言ろう石”を取り出し、ひと言だけメッセージを書き込んだ。
「かわいいやつ」
ステキなあのコには、このメッセージがピッタリだ。
※酔coさんのブログ“ファミツェネーゼの悶々(ゲ)生活”はこちら
★このプレイ日記が単行本になります!★
お知らせしました通り、この『ダークソウル』プレイ日記が単行本になります! ここで公開したエッセイにプラスして、約40ページに及ぶ書き下ろしプレイ日記“アノール・ロンド編”、ブンブン丸による攻略コラム、イラストレーター酔coさんの『ダークソウル』プレイマンガと、本書でしか見られないコンテンツが盛りだくさん! しかも今回はオールカラーの264ページと超豪華仕様になっています!(価格が1260円[税込]と高めなのは、その影響なのです!><) ぜひぜひ手に取ってみてくださいね!
■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
デーモン遺跡(前半)の最後のネタ。
自分が溶岩に入れないカラダだということがわかり、ガックリと肩を落とした俺。しかし、この程度で意気消沈していたら、『ダークソウル』をプレイし続けることなんてできはしないのだ。
「もうあんなアイテムいらねーや。先に進むぞ!!」
HとS君のふたりに、俺はそう宣言した。というのも、溶岩地帯とは別の方向に進める道を発見したから。どうやらそっちが、デーモン遺跡の深奥らしい。
何の危機感も持たずにノコノコと、通路のほうに向かう俺。“遺跡”というだけあり、こっちには建物の名残がある。ていうか、こっから本格的に遺跡が始まるようだ。中世ヨーロッパやギリシャの神殿を思わせる建物の造りは、見ているだけでちょっと心が和んだ。
しかしふと前を見ると、身の丈3メートルほどもありそうな、ひょろりとした大男がいるのがわかった。引き締まった腹筋は見事に割れ、身体中にボコボコと、一流アスリートを思わせる血管が浮き出ている。ひと目で、この男がとてつもない身体能力を持っていることが見て取れた。そんな屈強な怪物が、両手に物騒な刃物を持ってじっと俺を睨んでいる……!!
しかも俺は、この男を知っていた。何度も何度も、それこそイヤと言うほど顔を合わせたことがあるのである。その、まるで山羊を思わせる不気味な顔は忘れようと思っても忘れられるものではない。俺、ゴクリとツバを飲み込んでからわざとらしく悲鳴をあげる。
「や、山羊頭のデーモンキターーーーーーッ!!!」
なんとここには牛頭のデーモンに続いて、序盤でボスとして登場した山羊頭のデーモンがザコとして配置されているのである。
そして俺が悲鳴をあげた刹那、山羊頭のデーモンが刃物を振り上げて、とんでもないスピードで跳躍してきた!! その速さときたら、とても3メートルもある大男のものとは思えない。あえて『刃牙』風に表現するなら、「速いッ!! 疾いッッ!!! 捷いッッッッッ!!!!!」ってところか(少年チャンピオン、小学生のころから愛読してますっっ!!)。動物というものは身体が大きくなるにつれて関節への負担が大きくなり、かなりの確率で膝をやられてしまう。重くてバランスの悪い上半身を支え続けなきゃならないから。しかしこの山羊頭のデーモンの跳躍を見るに、こいつの膝はまったく問題がないようだ。……いや、もしかしたら俺が見ていないところで「イテテ……。雨が降ると膝が痛むんだよな……。やっぱサポーターしよっかな……」なんて言ってるのかもしれないが。……って、何を俺はどうでもいいことばかり書いているのだ。
まあとにかく、ザコとして現れた山羊頭のデーモンが襲い掛かってきたのである。俺、すぐに「ひぃぃぃぃ……!!」と震え上がる。というのも、こちらのプレイ日記にある通り、俺は山羊頭のデーモンにはさんざんいたぶられて、数えきれないほどの「YOU DIED」を積み重ねたのだ。いわばこいつは、牛頭のデーモンとは比べ物にならないほどの“トラウマモンスター”なのである。
俺は仕方なく、広いデーモン遺跡を逃げ回りながら立ち回ることに活路を見出そうとした。すると、意外なほど軽やかに山羊頭のデーモンの双剣を避けることができ、逆にザクザクと斬り刻めるではないか。なんでこんなに楽なんだろう……? あのころと比べて、それほど飛躍的にプレイヤースキルが向上したとは思えないんだけど……。山羊頭のデーモンの攻撃を余裕を持って避けながら、俺はシミジミと考えた。そしてすぐに、立ち回りが楽になった最大の理由に気付く。俺は言った。
「わかった!! ここにはあのバカ犬どもがいないんだっ!! 護衛のヤツらがいなければ、山羊頭のデーモンなんて敵じゃないのだ!!」
城下不死街下層のボスとして登場した山羊頭のデーモンは、“デーモンの飼犬”という腐れ犬を2匹も飼っていた。こいつらが信じられないほどシツコクまとわりついてきたため、そのときの山羊頭のデーモン戦は大苦戦だったのだ。しかしここには、バカ犬コンビはいない。これにより山羊頭のデーモンの戦闘力は、半減したと言っても過言ではないだろう。事実、俺はほぼノーダメージで、こいつを退けることに成功する。さっそく得意になって、俺は吠えた。
「よっしゃ!! 余裕過ぎ!! 2匹でも3匹でも出てきやがれ!! 山羊頭のデーモンなんて、俺の敵ではない!!!」
得意満面で前に進む俺。するとその目の前に、またまた山羊頭のデーモンが現れた。5秒前に倒したヤツとは違う、新品の山羊頭である。
「むむ。ホントにまた現れやがった。しかし、言った通りに返り討ちだ!!」
俺は気合もろとも黒騎士の斧槍を振り回し、どうにかこの山羊頭も撃退する。しかし今度はノーダメージとはいかず、エスト瓶を数本飲まされるハメになった。それでも、俺の強気は変わらない。
「よ、よし! やっぱ大丈夫だ! 俺が山羊頭に殺されることは、もう二度とないだろう! 余裕余裕。何匹でもかかってこいや!」
立て続けに現れた山羊頭のデーモンを降し、「よっしゃよっしゃ」とふんぞり返る俺。そのまま細くなった通路を下りて、デーモン遺跡の本丸に乗り込もうとした。しかしそんな俺の目の前に、またまた3メートル級の黒い影が……。しかも、2匹……。
「ホラ。あんたのリクエストに応えて山羊頭のデーモンが来たよwww それも、ふたり連れ立ってwww」
Hが笑った。俺は小さく「ホントに来やがった……」とつぶやいた。
それでもどうにか、俺は2匹同時に現れた山羊頭のデーモンを撃破する。エスト瓶をガブ飲みしながら……。ぶっちゃけ、いつ死んでもおかしくない立ち回りだったが、なんとかなるものだ。
「よよよ、よし……。いけた……。がんばった……。や、やっぱり山羊頭は俺の敵じゃ……」
そう言いかけたところで、またまた目の前に黒い影が……。しかも、今度は3匹……!!!!? Hが、腹を抱えて笑いながら指摘した。
「ホラw あんたが挑発ばっかするから、またまた山羊頭がやって来たよwww 相手してやんなよww 余裕なんでしょwwww」
俺、たまらず泣き声を出した。
「山羊さん!! 調子に乗って言い過ぎましたっ!! スンマセンでしたっ!!!>< もうカンベンしてくれえええええええ!!!」
口は災いの元……。
今日もくだらない、デーモン遺跡での小ネタであります。
数十匹(実際は数匹)が連なる牛頭のデーモンは、何度かの死と数千ソウルの犠牲を払って、どうにか全滅させることができた。邪魔者がいなくなったところで、お楽しみの付近探索である。
デーモン遺跡のこの場所は、“爛れ続けるもの”の名残か、溶岩が大河の様相を呈してドロドロと流れている。溶岩とは読んで字の如く“岩が溶けたようなもの”で、あの堅い岩が溶けるっつーのだから、その温度たるや筆舌に尽くしがたいほど。でも、筆舌に尽くしがたいと言いつつ溶岩の温度を書くと、じつに900〜1200度にもなるとか……。そんなものに足を突っ込んだ日には、瞬時にこちらも溶岩の一部になっちまうというものだ。
ところが、このデーモン遺跡は恐ろしいことに、そんな溶岩の中にアイテムが落ちている。ひとつは溶岩大河のど真ん中に。もうひとつは、溶岩を渡った先の陸地に……。どちらも、それなりの時間は溶岩に身をさらさないと取れないようになっているようだ。俺、その様子を見て考える。
「あからさまに溶岩越しに設置してあるのをみると、あれらのアイテムはきっとすばらしいものなのだろう。しかしここの溶岩は熱い。入ったら一瞬で焼け死んでしまう」
こちらの日記にある通り、ここの溶岩の温度は体感済みだ。何の対策もせずに入ると、一瞬で昇天させられてしまう。しかし、目の前にあるレアなお宝をみすみす逃す手もない。俺、さらに考える。
「しかしアイテムがあるということは、それは“取れる”ということだ。てことはもしかすると、ここの溶岩はマヤカシで、ナニゴトもなかったように入っていけるのかもしれぬ」
俺は、プレイを見守っていたHとS君にそう言うと、対岸のアイテムを目指して溶岩の中に突入した。しかし。
じゅ。
「YOU DIED」
「ぷーーーーーーーーーーーっ!!wwwww」
Hが吹き出した。S君は呆れ笑いを浮かべて「そりゃ死ぬよwwww」と言う。それを受けて、俺は努めて冷静に発言した。
「うん、わかっていたんだ俺も。絶対にこうなるってね」
そのわりには額に汗が浮かんでいたが、ホントに冗談抜きで、こうなることは目に見えていたのだ。いわばこれは実験で、つぎの挑戦への布石だったのである。俺は続けて言った。
「これでわかった! この溶岩を突破するには、いくつかの“細工”をしなければならないのだ。そのひとつは呪術の“激しい発汗”に違いない!!」
激しい発汗とはその名の通り、身体から大量の汗を放出して水分で身を包み、炎属性のダメージを軽減するという呪術だ。これに気付いた俺はすぐに火継ぎの祭祀場に取って返し、呪術師・ラレンティウスから激しい発汗を購入。唯一の記憶スロットにこの呪術をハメ込んだ。そして再度デーモン遺跡に赴き、溶岩の前で激しい発汗を発動!! 「ムフフ。こうやってナゾトキのように対処方法に気付くのって、すげえ快感だわ〜^^」とつぶやいてから、溶岩の中に飛び込んだ。しかし。
じゅ。
「YOU DIED」
「あははははははははっ!!!! 絶対にそうなると思った!!www」
Hがここぞとばかりに爆笑した。S君も笑いをこらえながら「……俺も無理だと思ったんだ(苦笑)」と言っている。な、なんてことだ……。これが“答え”じゃなかったの……?? ディレクターの宮崎さんに「ブブーッ。不正解!」と言われた気がして、俺は一気にしょげ返った。
しかし、俺はすぐに立ち直る。じつは激しい発汗を思いつくのと同時に、もうひとつの“答え”にも気付いていたから! 俺、バッと顔を上げて、笑っているHとS君に向かって言った。
「ふふふ。笑っていられるのもいまのうち。じつは俺、ちゃんとした答えにも気が付いていたのだよ。……キーワードは“指輪”でしょう!!」
芝居がかった俺のセリフに、S君が敏感に反応した。「おおっ!! さすが!! その通りだよ!!」。
俺、「グフフ」とほくそ笑んで装備画面を出し、指に目当てのものをハメてから宣言した。
「答えはこの“炎方石の指輪”だっ!!! これで炎耐性をアップして、溶岩に飛び込めばいいのだっ!!!!」
言うが早いか、俺はS君が「あっ……!!」と何かを言いかけたのを横で聞きながら溶岩の大河に飛び込んだ。すると……!!
じゅ。
「YOU DIED」
「あっはははははははは!!!! やっぱりそうなった!!www ちょっとやめてよ!!www お腹痛いwwwww」
Hがのた打ち回って笑い出した。ていうか、笑ってる場合じゃねえ!! これが答えじゃなかったの!? キーワードは指輪なんでしょ!!? 俺、針の先のように細くなった瞳孔をS君に振り向け、この場の答えを促した。するとS君は「あはははは!!ww」と笑いながら、申し訳なさそうな声でつぎのようなカミングアウトをした。
「指輪は指輪なんだけど、溶岩の上を歩けるようになる“黒焦げた橙の指輪”が手に入るの、まだまだ先だったはずwww 当然、ヒデ君は持ってないよwww」
俺の行動、無駄骨かいっ!!!!!
溶岩のアイテムをきっぱりとあきらめた俺は、先に進む決意をした。
次回に続く……。
★このプレイ日記が単行本になります!★
お知らせしました通り、この『ダークソウル』プレイ日記が単行本になります! ここで公開したエッセイにプラスして、約40ページに及ぶ書き下ろしプレイ日記“アノール・ロンド編”、ブンブン丸による攻略コラム、イラストレーター酔coさんの『ダークソウル』プレイマンガと、本書でしか見られないコンテンツが盛りだくさん! しかも今回はオールカラーの264ページと超豪華仕様になっています!(価格が1260円[税込]と高めなのは、その影響なのです!><) ぜひぜひ手に取ってみてくださいね!
■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
やっと単行本の告知ができてひとりはしゃいでいたワタクシですが、ナニゴトもなかったかのようにふつうのプレイ日記を書きます(笑)。
苦労に苦労を重ねてデーモン遺跡の“爛れ続けるもの”を倒した俺。その達成感に身をゆだねてボケ〜ッとしていると、まわりに満ちていた溶岩がウソのように消え失せて、赤い大地が現れたではないか。どうやらここの溶岩の源泉(?)は、爛れ続けるものの“爛れ”だったらしい。
とりあえず俺は篝火に戻り、エスト瓶を補充してから、溶岩が消えた大地に向かって走り出した。しかしすぐに、やたらと好戦的な2名のたまご背負いが現れて抱き着かれそうになってしまう。
「ちょっと。やめろよオマエ。飲み過ぎだぞ!」
思わず、そんなセリフが俺の口から漏れる。だってコイツの「ヴァ〜ヴァ〜……」とかうめきながら接近してくる仕草が、ベロベロに酔っぱらうと速攻で“抱き着き魔”になる豊泉三兄弟(通称・トヨトヨ)っていう編集者に似ているんだもの。※さっきまで気を遣って伏字にしてましたが、本人が「伏せなくていいスよ」と言ってくれたので実名にしますw
「ホレ、やめろっつの! あっちいけトヨトヨ!!」
俺はたまご背負いに吐き捨てて抱き着き攻撃をかわし、パタパタと先を急いだ。
……しかしコレ、たまご背負いにこのまま抱き着かれたらどうなるんだろうか? やっぱ樹人やうごめく腐肉と同じように、チュウチュウと体液を吸われてしまうの?? じつに興味深かったが、赤い大地の探索こそ先決だと思い、「とりあえず、今回はやめておこう」とつぶやいて、俺は先を急いだ。
しばらく歩くと、赤い大地の全貌が見えてきた。溶岩はすべてが消えてしまったわけではなく、灼熱の大河となってあちこちに残っている。そういう意味では、触れるとほぼ即死の溶岩が左右に迫っている細い道は、転落死の恐怖が付きまとう断崖絶壁にいるのと同じようなものと言えた。
そんな赤い道を、俺は慎重に歩いていった。すると遠くに、やたらと大きな身体をした人物がたたずんでいる姿が……。俺は一瞬、我が目を疑った。あそこにおわすのは、まさか……。このときの、俺とH、S君との会話を再現する。
俺 ……なんか遠くに、デッカい人がいるのが見えるんだけど。
S君 いるね^^;;
俺 ワタシの記憶が確かならば……あれは牛頭のデーモンのような気がするんですけど。
H 気がする……どころか、まさしく牛頭のデーモンだよwww
俺 ……しかも、見間違いではなければ、複数いらっしゃるように見えるんですが。
S君 いるね^^;;;
俺 ……50匹くらいいない???
H そんなにいるわけないっしょ!www どんだけ被害妄想www
俺 ヤツらは、あんなところで何をやってるの……??
S君 ヒデ君が来るのを待ってるんだと思うけど^^;;;;
俺 ……なんで??
H あいつら、ここではザコキャラなんよwwww
俺 またまた、冗談言っちゃってぇ^^;
S君 いや、それがホントなんだよww
俺 ウソ……………。
『ダークソウル』をふつうの(?)ルートで進めていると、最初のボスとして牛頭のデーモンが現れる。ボスですよボス。何度も言うけど「ボスですよ!」。序盤の序盤に現れるものではあるが、ボスであることは変わりがない。そのステージのボスになるための条件はいろいろあるだろうが、まず優先されるのは間違いなく“強さ”であろう。そう、牛頭のデーモンは強いのだ。おっかないのだ! それが1ヵ所に複数も固まっているなんて……。俺は大きなデーモンのシルエットを遠くに見ながら、呆然と立ち尽くした。
しかしここで、S君がつぎのような助け舟を出してくれた。
「でもやってみた感じだと、最初に出てきた牛頭のデーモンと比べたら弱く感じたよ。なんとなく、量産型の弱さと言うかw 1頭ずつ誘い出せると思うので、挑んでみるといいよ〜」
おおお……。なるほど!! 量産型ならばきっと、オリジナルの戦闘力には及んでいないに違いない!! なぜそう思うのか、理由は自分でもよくわからなかったが、宇宙の真理的に“オリジナル>量産型”という不文律がある気がしてならない。いったい自分が何を言っているのか、ぶっちゃけよくわからなくなってきたが、まあそういうことだ(どういうことだ!)。
俺は手始めに、50匹ほどもいる牛頭デーモン(実際は5頭くらいか)の中で、もっとも手前にいた1頭に近付いた。するとこいつは目がいいのかすぐに俺の存在に気付き、大きな斧を両手に抱えてヒョイヒョイと接近してきたではないか! 俺、黒騎士の斧槍をギュッと握りしめて臨戦態勢となり、牛頭のデーモンを迎え撃つ。
ズガンッ!!!
牛頭のデーモンが、斧を地面に叩き付けた。やはりそのパワーは凄まじく、まともに食らったら一撃死させられるんじゃないかと思うほどの衝撃が画面から伝わってくる。やはり、ヘタに間合いに入るのは得策ではないようだ。
「セーフティーゾーンで立ち回ろう!!」
誰にともなくそんな言葉を発し、俺は斧の間合いから逃げるように距離を取って、時計回りにグルグルと歩き出した。こうしていれば牛頭のデーモンはいずれシビレを切らし、再び斧を大振りしてくるだろう。その隙に飛び込んで、強烈な一撃を叩き込んでやればいいのだ。もう、完璧。負ける要素が微塵もない。
「勝った!! 俺は成長したのだ!!」
俺は高らかに勝利宣言をした。
ところが(またか)。
牛頭のデーモンと距離を開けることばかり考えていた俺は、赤い大地のまわりが断崖絶壁になっていることを完璧に忘れていた。結果、「うひょひょひょひょ〜!」と調子に乗って時計回りを続けるうちに足を踏み外し……。
ぴゅるるるるぅぅぅ〜〜〜〜…………。
「YOU DIED」
「あんたwww ホントに成長しないねwwwww」
HとS君の爆笑が、涅槃像のようになってしまった俺に降り注いだ……。
★このプレイ日記が単行本になります!★
お知らせしました通り、この『ダークソウル』プレイ日記が単行本になります! ここで公開したエッセイにプラスして、約40ページに及ぶ書き下ろしプレイ日記“アノール・ロンド編”、ブンブン丸による攻略コラム、イラストレーター酔coさんの『ダークソウル』プレイマンガと、本書でしか見られないコンテンツが盛りだくさん! しかも今回はオールカラーの264ページと超豪華仕様になっています!(価格が1260円[税込]と高めなのは、その影響なのです!><) ぜひぜひ手に取ってみてくださいね!
■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
【告知】 単行本『折れてたまるか!』のカバーを公開!
前回の記事で存在を明かさせていただいた単行本『折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜』ですが、さっそく新たな情報を公開!
このブログでは未公開となっている“アノール・ロンド編”のプレイ日記が、約40ページの書き下ろしで収録されていることはお知らせしましたが、そのほかにも“本書だけ”のお楽しみがあるのです!
と、その前に。
早く公開したくてしかたのなかった、『折れてたまるか!』のカバーをお見せしましょう!
こんな感じとなっております。……って、ちょっとデカすぎたか。……ま、いっかw
いままでの僕の単行本とは、まったく毛色が違うものになっているでしょう。
このカバーイラストを描いてくれたのは、ファミ通.comで“ファミツェネーゼの悶々(ゲ)生活”というドタバタマンガを連載されているイラストレーターの“酔co”さんです。彼女が描くかわいらしいイラストは『ダークソウル』のイメージとはまるで違うものですが、逆にそのギャップがすばらしく魅力的だったので「ぜひ!!」とお願いしました。
で、ここからが“本書ならでは”の部分。
じつは酔coさんにはカバーイラストだけでなく、『ダークソウル』のプレイマンガも描いていただいて本書に収録しちゃったのです!! 僕の文章のドタバタぶりとマッチした爆笑のマンガですので、ぜひお楽しみに!
そしてもうひとつ、書き下ろしのコンテンツがあります。
僕が書くエッセイは基本的に、毒にも薬にもならないものばかりです。逆立ちしても、攻略的なことは書けません(苦笑)。しかしそればかりではちょっと残念……とも思っていたので今回、初の試みとして“攻略コラム”なるものも盛り込んでみました!
……ええ、もちろん、書いたのは僕ではありません(笑)。
ファミ通が誇る達人ゲーマーにして、『ダークソウル』をこよなく愛する男・ブンブン丸に登場していただき、5編のコラムを書いてもらいました。武器の育てかたのコツやキャラ育成の指針、そしてスモウ&オーンスタイン戦の立ち回りかたなど、勉強になること請け合いです!
こんなところだろうか……。どうぞお楽しみに!!
最近、更新頻度が落ちてきた『ダークソウル』プレイ日記なのですが、そうなったのには理由があります……。
じつは……!
このブログをまとめた単行本の制作を行っていたからなのです!!
……って、いま多くの読者が「そんなこったろうと思ってたwww」と笑ったような気がしましたが、まさにそういうことだったのですw
しかし! 驚くのはここからです。じつはすでに制作は佳境に達しており、佳境ってことは書籍の詳細も決まっているということです。なので発表しちゃいます。本書の詳細を! それはコレだ!!
■書籍名
折れてたまるか! 〜『DARK SOULS』プレイ日記〜
■発売日
2011年12月22日
■価格
1260円[税込]
■ページ数
オールカラー 264ページ
あと20日ちょっとで発売という時期に初めて告知するってのもスゲェ話ですけどね(笑)。
この書籍の制作を行っていたがために、なかなかブログを更新できませんでした。ということは……そう、“書く”というリソースをすべて、『折れてたまるか!』に捧げていたんです。
……って、わかりにくいですね。
要するに本書には、たくさんの書き下ろしプレイ日記が収録されているのですよ!!
このブログの読者の皆さんは知っていると思いますが、ここではセンの古城までの出来事を綴った後に、ナゼかデーモン遺跡に話の舞台が移りました。順番的には“アノール・ロンド”に向かうはずなのに。それはどうしてなのか?
じつはアノール・ロンドでの壮絶な体験はすべて、『折れてたまるか!』でしか読めない書き下ろしプレイ日記として収録されているのです! “あの”大弓を持った2名の銀騎士や、『ダークソウル』最強のボス・竜狩りオーンスタインとの命を削ったやり取りを、じつに約40ページの大ボリュームで本書の中に封じ込めてあります。
じつはまだまだ本書には見どころがたくさんあるのですが、それは追々……。……って、あんまのんびりしていると発売日になっちゃうので、つぎの更新で明らかにします(笑)。
あー、やっと言えたーーーー!!
大塚角満

週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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