大塚角満の ゲームを“読む!”

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やっぱり俺は、このゲームが好き!

 これが俺の、30代で書く最後の記事です。

 やっぱり最後は、俺の背中を押し、人生をも変えてくれたこのタイトルのことを書きたいと思います。

 東京ゲームショウ2011の初日、俺はカプコンブースに入り浸っていた。あまりにも遊びたいタイトルが多すぎて、思わず「ボクをこのブースの囚われの身にしてっ!」と日本語崩壊の悶え声まで出すありさま。ゲームを遊びたいだけでなく、マル秘情報が発表されるステージイベントも目白押しだったので、本気でここから離れることができませんでした。

 そんな“セルフ囚われの身”にあった俺だけど、一番人気の“あのタイトル”はなかなかプレイすることができなかった。そう、ニンテンドー3DS用ソフト『モンスターハンター3(トライ)G』である。俺がカプコンブースに着いたときにはすでに“キャンセル待ち”の状態になっていて付け入る隙がなく、体験コーナーに吸い込まれていく人々をただただ呆然と眺めるだけ。業界関係者しか入れないビジネスデイでコレだと、土曜日からの一般公開日はどうなってしまうのだろうか……。そんな心配をしながらブラキディオスの胸像の前でカヤンバのように尻を振っておりました(覚えたての単語をすぐに使いたがる男)。

 どんどん時間は流れてゆき、「はっ!!」と気が付いたらもう夕方。カプコンブースに取り付いていた人の数も減り、そのおかげかなんと俺に『3(トライ)G』プレイのチャンスが回ってきたではないかっ!! そこですぐに「ええええのっち!! 『3(トライ)G』できるよっ!! 早くはやく!!!」と某女性編集者に連絡。すると、「やるやるやる!! わしもやる!!」と恥ずかしいくらい取り乱した江野本ぎずもが飛んできて、逆鱗コンビは晴れて、『3(トライ)G』の体験コーナー(4人協力プレイのほう)に通されたのでありました。ちなみに俺たち以外のふたりは、ファミ通で『モンハン』シリーズの攻略を担当しているゴジラ太田ら2名。逆鱗日和ファミリーの中目黒目黒にも連絡したんだけど、ヤツはメールを見落としていて間に合わなかったのだ。俺は、確かな腕前を持つ攻略担当者に若干緊張しつつも、「わーいわーい^^ 『3(トライ)G』だ『3(トライ)G』だ^^^^」とまもなく40になるおっさんとは思えないほど相好を崩し、体験コーナーの椅子に腰掛けた。

 さあさあ、『3(トライ)G』の初プレイだ。夢にまで見た“あの”『モンスターハンター3(トライ)』の“G”に、ついに触れるのだ! 俺は、まわりにいたいろいろな人(取り巻きがたくさんいたのです)から飛んできた「大塚さん、まずはどのクエに?」という質問に対し、刹那の逡巡もなくこう応えた。

「ガノですよガノガノ!! ガノトトに決まってますっ!!! トトスといっしょに、水の中を泳ぎたいんですっ!!」

 俺の主張は満場一致で認められ、4人の即席チームは一路、水を得た魚が待つ孤島フィールドに旅立ったのでありました。

 さてまずは、何を置いてもニンテンドー3DSでの操作を体感しなければならない。操作まわりの配置が違うこともさることながら、このハードならではということでタッチパネルを使ったアレコレも導入されているのだ。さっそく触り倒そうではないか。

 でもとりあえずは、支給品ボックスに取り付いて中のものを根こそぎかっさらうことにしよう。俺はすぐそばにあった支給品ボックスに近寄り、中を覗こうとした。しかしここで、恐るべき現象が俺を襲う。

(や、やべえ……。3DSどうこう以前に、ふつうの『モンハン』の操作が頭から飛んじまった……!!)

 これ、冗談でもなんでもなくて、本当にこの瞬間にスコーンと、基本操作が脳ミソから抜けてしまったのだ。まわりでたくさんの人が俺のプレイを覗き見ている……という緊張もひどく影響したとは思うのだが、それ以上に“新しいハード”、“新たな操作系統”ということにばかり気を取られて、ほかのことを一切忘れてしまったようなのである。結果、アイテムの使いかたを忘れたので肉類を食えず、走りかたも忘れたので仲間から大きく遅れてキャンプを飛び出すハメになった。

 でも、このかわいそうな脳ミソのおかげもあってか、久しぶりの水中の操作とニンテンドー3DSならではの操作は、呆気ないほど簡単に手に馴染んだ。『3(トライ)』の時代から水中は“超”が付くほど好きだったので、ドボンと飛び込んだ瞬間に陸上の鈍足がウソのようにスイスイと泳ぎ出す俺。さっきまで使いかたが思い出せずにいたRボタンもしっかりと押して、高速で泳ぐ。

「ィヤッホーーーーイッ!!」

 と、俺はゴキゲンに叫んだ。

 さて、注目のニンテンドー3DSによる操作だが、デフォルトの状態ではつぎのように行う。

・左アナログパット……移動
・左十字キー……カメラ操作
・右側ボタン……攻撃など

 左側に配置されているアナログと十字キーの配置がPSPとは上下逆なので、いわゆる“モンハン持ち”はむずかしいと思う。「てことは、カメラを操作するときは移動に使っている指をいったん離して、十字キーを動かすの?」と思われるかもしれないが、ここで登場するのが下画面のタッチパネルだ。これの使いかたがもっともニンテンドー3DSらしいところであり、そして奥深いところでもある。

 タッチパネルに表示される要素は、自分が使いやすいようにかなり自由にカスタマイズすることができる。でもとりあえずそれは置いておいて、デフォルトの状態で説明しますね。

 タッチパネルの右側には、“バーチャル十字キー”とも言うべき十字キーが表示されている。なんとこれに触ることで、カメラを操作することが可能になっている。十字キーの大きさは使いやすいサイズに自由に変更できるので、指が細かろうが太かろうが対応可能。このへんはバーチャルならではだ。画面に表示されているものなので触った感覚が乏しく、慣れるまではいちいち押す場所を確認する必要があるかもしれないが、これは蓄積でどうにでもなると思った。

 もうひとつ、『3(トライ)G』ならではの操作でおもしろいのが“ターゲットカメラ”である。これは、ターゲットをロックオンした状態でLボタンを1回押すと、カメラが大型モンスターがいる方向に自動で向いてくれる……というものだ。

 これ、『3(トライ)G』のウリである水中での立ち回りでメチャメチャ威力を発揮する。水中は、360度どの方向にも進める一方、どうしても自分が向いている方向やモンスターの姿を見失いがちだ。これにより「水中がどうにも苦手で……」というハンターも多い(江野本がそうだったりする)。しかし、ターゲットカメラにモンスターを捉えておけばそんな悩みは雲散霧消で、「アレ??? 俺いま、どっち向いてんだ???」となってもLボタンをポンと押せば、ロックオンしているモンスターの方向にカメラが勝手に向いてくれる。この説明だとわかりにくいかもしれないけど、『3(トライ)G』を体験される方はぜひ使ってみてほしいと思いました。

 そんな操作を身に着けてのガノトトスとの邂逅は、なかなか印象深いものとなった。だって、無印の時代からず〜〜〜〜〜っと「見たい!」と思っていた水中でのガノトトスの生態を見ることができるんだよ? これが感動でなくてなんだというのだ。

 水の中のガノトトスは、ちょっと神秘的なほど美しかった。翼のような大きなヒレ(もしくはヒレのような大きな翼)を器用に使い、優雅に、そして力強く水の中で舞っている。ガノトトスはその巨体ゆえに陸上ではちょっとしんどそうだったが、浮力の働く水の中は完全にヤツの土俵。まるで無重力の世界を遊泳するように自由に舞い、時に鋭く突き進んできて、多彩な攻撃をハンターに仕掛けてくる。

「ガノトトスがついに、その余りあるポテンシャルを解放したんだ」

 キレキレのガノトトスの動きを見ながら、俺はそんなことを思った。

 そんな、圧倒的なまでのガノトトスの世界を舞台に、俺たち4人は懸命に立ち回った。ガンランスを持った俺はここぞとばかりにフルバーストや竜撃砲ばかりをぶっ放し、江野本は必死になってピ〜ヒョロロ〜と狩猟笛を吹いている。しかし初プレイということもあって、なかなか致命的な攻撃をくわえることができない。それどころか俺は、水中でガノトトスの大技である水のブレスをモロに食らってしまった。当然、水属性やられになる。これを見て、江野本が「ぷぷぷww」と吹き出した。

「水の中なのに、大塚さんからびしょびしょと水があふれてるww ワラウwww」

 うるせー。水引っ掛けられたんだからしかたねーだろ。

 けっきょくこのクエストは時間切れとなり、あえなく“失敗”となった。まあここだけの話、俺の攻撃はまったくと言っていいほどガノトトスに当たっていなかったので、この結果は当然と言えば当然であろう(苦笑)。

 でも、結果なんてどうでもよかった。

 大好きな『3(トライ)』の世界に新たにG級が加わり、ガノトトスがいて、新モンスターがいて、12種の武器がある。それだけで、もう最高じゃないか。

 新しいハードになったのだから、独自の操作に慣れるまで時間を使うのは当たり前。だって最初は、モンハン持ちだってできなかったんだから。ひとつひとつが身に付いていくことに、俺は間違いなく喜びを感じるだろう。こいつはもう、何を置いても遊び倒さなきゃいけないゲームだわ。

「よーし、つぎつぎ!! ブラキやろ! 新モンスターのブラキディオス!!!」

 元気な声で、俺は言った。やっぱり俺は、このゲームが大好きだ。もうこっから、動かないぞ。

 ブラキディオスのクエストを選択し、ワクワクしながら仲間がやってくるのを待つ俺。そんな、少年のように顔を輝かせるガンランサーに、カプコンパブリシティーチームのHさんがニコニコしながらこんなことを言った。

「大塚サン、お時間ですよ♪」

 わああああああ!!! ヤダーーーー!!! もっとヤルーーーーーーーー…………!!(断末魔の残響音)

 けっきょく俺は江野本に蹴飛ばされてブースから転がり出て、カプコンブースを後にした。後ろ髪を引かれすぎて後頭部の毛がなくなるくらい、名残惜しさの極みであった。

 ホント、心から思ったよ……。
 
 『3(トライ)G』、明日にでも発売してほしい……。

※書いているうちに日付が変わって、40代に突入してしまいましたw これは30代最後の記事であり、40代最初の記事でもあります。なんかスゲー。

投稿者 大塚角満 : 00:31

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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