大塚角満の ゲームを“読む!”
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お待たせいたしました! 『逆鱗日和』シリーズの最新巻、『モンスターハンタープレイ日記 明日もきっと! 逆鱗日和』の最新情報をお伝えします!
こちらでお知らせしました通り、長年多くのハンターにかわいがっていただいた『逆鱗日和』シリーズは、つぎの『明日もきっと! 逆鱗日和』が最終巻となります。苦節7年……。しつこく書き続けてきた僕のライフワークも、ここでついにひと段落です。本の発売日は6月24日となっておりますので、興味のある方はぜひチェックを! このカバーが目印です!
イラスト担当はもちろんぽん吉さん。ユクモ村をモチーフとした、和の匂いを感じさせるカバーイラストとなりました。じつはこのイラスト、ちょっとおもしろい仕掛けがしてあるんですが、それはまた今度紹介しましょう。ちなみにわかりにくいんですが、“逆鱗日和”の部分は金文字です。金かかってます!
それと本書でしか読めない書き下ろしですが、今回は村長クエストの最難関“終焉を喰らう者”への挑戦記となりました。でもこちら、単純に考えなしで挑んでもおもしろくないということで“ある縛り”を設けての挑戦となっております。どうぞお楽しみに!
そして『逆鱗日和』も最後だということで、ちょいと盛大に大団円を祝う催しをさせていただこうかなと画策しています。その詳細が早くもいろいろと決まってきましたので、ここでお知らせしちゃいましょう。
■逆鱗日和ライブの視聴ページができました【6月22日追記】■
お待たせしました! 逆鱗日和ライブの配信ページができましたのでお知らせします! URLは以下の通りです!
http://bit.ly/lb35Cy
ぜひモニターの前でイベントに参加してくださいね!(※ちなみにコチラのページでもご覧いただけます)
■逆鱗日和ライブ観覧・追加当選のお知らせ【6月22日追記】■
抽選の結果合計50名に当選メールを送付させていただいた逆鱗日和ライブの観覧権ですが、当選者のおひとりから同伴者の分をほかの方に譲ってあげてほしいとの申し出をいただき、これを受けて追加当選の方にメールでお知らせをしました。「ハズレてしまった……」と落胆されてた方も、もう一度メールをチェックしてみてくださいね。よろしくお願いします!
■“『逆鱗日和』へのラブレター”締切迫る!【6月17日追記】■
まもなく発売を迎える『明日もきっと! 逆鱗日和』のどこかに大塚角満が率直な気持ちを綴った“『モンスターハンター』への直筆ラブレター”が掲載されています。これに倣って読者の皆さんから『逆鱗日和』に向けたラブレターを募集しているのですが、その締切が近づいてまいりました! ……って、締切書くの初めてでした! スミマセン! 締切は6月20日(月)23時55分です。いただいたラブレターは、6月26日の“逆鱗日和ライブ”でご紹介させていただくかもしれませんので、あらかじめご了承の上、ペンネーム(ハンターネーム)を書き添えてお送りください。あて先は、以下の通りです。
gekirin-kikaku@ml.enterbrain.co.jp
観覧に落選してしまった方も、この企画でぜひ参加してください! 番組の視聴方法も来週には公開します!
■逆鱗日和ライブ観覧、追加当選について【6月17日追記】■
6月16日に逆鱗日和ライブ観覧の当選者にメールをお送りしました……という告知をさせていただきましたが、ある当選者の方から「友人といっしょに参加する予定だったのですが、ふたりとも当選しました。なのでひとつは辞退させていただき、ぜひ他の参加希望の方に枠をさしあげてください」というありがたい申し出がありました。これを受けてさっそく、追加当選メールをお送りしております。ハズレてしまった……と思っていた皆様も、もう一度メールを確認してみてくださいね。
■"逆鱗日和ライブ"観覧希望当選者について【6月16日追記】■
ライブ&パーティの応募は締め切らせていただきました。多数のご応募、ありがとうございました! 厳正なる抽選を終えまして、本日中に当選者にはメールにてお知らせいたします。購入時にご入力いただいたメールアドレスあてに当選通知メールをお送りしますので、迷惑メールフィルタやドメイン指定受信をご利用の場合は、「no_reply@ebten.jp」(PC)からのメールを受信できるよう設定してください。よろしくお願いいたします!
■"逆鱗日和ライブ"開催!
『逆鱗日和』シリーズ最新刊にして最終巻、『明日もきっと! 逆鱗日和』の発売を記念して、6月26日午後2時からWeb生放送番組"逆鱗日和ライブ"を実施します。
逆鱗日和ライブは、USTREAM(http://www.ustream.tv/)で配信する生放送番組です。誰でも無料で番組を視聴することができます。
番組の内容は、『逆鱗日和』に関する裏話盛りだくさんの大塚角満のトークと、『モンスターハンターポータブル 3rd』を使ったプレイ披露など。世界一のガンランサー(笑)が、全世界に向けて竜撃砲をぶっ放します(予定)。
配信日時:6月26日(日) 午後2時〜午後3時30分(予定)
※視聴方法の詳細は後日改めてお知らせいたします。
■『逆鱗日和』へのラブレター募集中!
『明日もきっと! 逆鱗日和』には、シリーズ最終巻を迎えるにあたって大塚角満が率直な気持ちを綴った"『モンスターハンター』への直筆ラブレター"が掲載されています。これに倣って、逆鱗日和ライブ番組中に皆さんからの"『逆鱗日和』へのラブレター"を紹介したいと思います。
ぜひ、下記のメールアドレス宛に『逆鱗日和』の感想、大塚角満へのメッセージなどをお送りください。『逆鱗日和』のこんなエピソードが好きでした、大塚角満のブログを参考にしてあのモンスターを狩ることができました、大塚角満の薄毛ネタに爆笑でした……などなど、どんな内容でもかまいません。
gekirin-kikaku@ml.enterbrain.co.jp
※逆鱗日和ライブ番組中にご紹介させていただきますので、あらかじめご了承の上、ペンネーム(ハンターネーム)を書き添えてお送りください。
■逆鱗日和ライブ観覧にご招待! ※締切ました!
逆鱗日和ライブはWeb上で誰でも無料で視聴することができますが、会場にてライブ配信を観覧できる"逆鱗日和ライブ&最終巻発売記念パーティー"に合計50名をご招待いたします。
当日、会場にて逆鱗日和ライブを観覧いただけるほか、番組中の企画として大塚角満との協力プレイを予定しています。また、ライブ配信終了後に、観覧者どうしや大塚角満と交流できるささやかなパーティーを実施いたします。(すべての方と協力プレイが行えるわけではありませんので、あらかじめご了承ください)
応募はコチラから、エンターブレインの通販サイト"ebten"にて『明日もきっと! 逆鱗日和』をご購入ください。抽選の結果、合計50名を"逆鱗日和ライブ&最終巻発売記念パーティー"にご招待いたします。
※締切は、2011年6月16日(木)午前8時となります。
※必ず注意事項をご確認の上、ご応募ください。
……どうですか? なかなか盛りだくさんじゃないですか!? 「最後くらい祝ってやるか」というやさしい皆様、ぜひぜひご応募くださいね!
皆さんご存じかと思うが、昨日(5月22日)ラフォーレミュージアム六本木にて“モンハン部員 100万人突破記念!〜狩友(とも)の集い〜”というイベントが開催された。詳細はニュース記事にゆずろうと思うのでいまさらここにアレコレとは書かないが、これでもかと発表された新情報がニュース記事に詳しく書かれているので、じっくりとチェックしていただきたい。
その会場に、俺もコソコソと潜り込んだ。俺はこの春からニュース担当を後進にゆずっているので、会場に行ったのは“ご挨拶”という意味合いが強い。なので時間に追われる必要はなく、じっくりと会場を見て回れる。俺の心は、余裕に満ちるはずだった。
しかし、俺は15年もの長きにわたってニュースを担当していた。夜中だろうが土日だろうが関係なく、つねに時間に追いかけられる生活をしていたと言っていい。そんな人間が急に「のんびりと会場を巡ったり、知り合いとおしゃべりしていればいいよ」と言われ、すぐさま順応できるものでもない。発表が始まってすぐに、俺は途方に暮れた。
(視察名目で来ている編集者やエラい感じの人は、皆腕を組んで静かに発表を聞いている……。お、俺もそれでいいのか!?)
隣の席で同僚の記者たちが、激しくメモを取っている。それを見てさらに慌てて、俺はカバンからICレコーダーとメモ帳を取り出した。そしてすぐさま録音を開始し、「ひと言たりとも書き漏らさぬ!!」という気合もろとも発表内容をメモし始める。すると先ほどまでの焦燥が消え失せ、ウソのように心に平穏が訪れた。
(完全に職業病だ)
染み付いた15年の蓄積は、簡単に抜けるものではないようだ。
発表が終わった会場でも、俺は見たもの、触ったものに関するメモを取りまくっていた。するとそこに“ミスターモンハン”こと藤岡要ディレクターがやってきて、笑いながらこんなことを言った。
「大塚さん、ニュース記事は書かないんやなかったでした?w」
苦笑いしながら、俺は藤岡さんに言った。
「そうなんす……。じつは俺も“……こんなにメモ取ってどうすんだろ?”と思いながら書いてるんですわw でもこうしてないと、どうにも落ち着かなくて……」
俺と藤岡さんは、腹を抱えて笑いあった。
イベント会場で俺は、たくさんのものを見、たくさんの人と話をした。
見たもので驚いたのが、この日に電撃的に発表されたプレイステーション3用ソフト『モンスターハンターポータブル 3rd HD Ver.』。PSP版とデータ共有をしたうえで、ハイデフ仕様になった『3rd』をテレビモニターで遊べちゃう……というプレイステーション3用タイトルだが、その画面の美しさを見て若干チビりそうになってしまったよ。
「そうは言っても、PSP版がベースなんだから限界があるべ?」
という疑問を持たれる人もいるかと思う。じつは俺も間近で見るまで、「PSP版で十分キレイなんだから、それほど大きくは変わらないべ」と思っていた。しかしいざモニターの前に立ち、プレイステーション3のコントローラーを持って『HD Ver.』と対峙したときに「甘く見ててすまんかった!!」と心の中で土下座をした。そして「ここまで美しくなっちゃうんだ!!」と、アテンドでついてくれたおねえさんに向かってツバを飛ばしまくった。するとおねえさんはここぞとばかりにドヤ顔となり、「でしょー♪ ジンオウガに遭うと、もっと感動しますよ♪」とにっこり笑った。よーし、さっそくジンオウガに遭ってこようではないか。
俺は用意されたマイセットから迷わずガンランスの装備を選び、フィールドに飛び出した。場所は渓流。いまや実家まわりの風景よりも見慣れてしまった、おなじみすぎるフィールドである。
しかし『HD Ver.』の渓流は、俺がふだん駆けずり回っている渓流とはまったくの別物に見えた。目に入るものが、ひたすら鮮やかに輝いているのである! エリア1にいるガーグァも、ガーグァが踏んでいる水面(みなも)も、光蟲が飛び交う草むらも、くっきりはっきりと描き込まれている。俺は言葉を発することすらできず、パクパクと口だけを動かした。そんな俺の様子を見て、アテンドのおねえさんがウキウキした声でこう言った。
「隣のエリアにいるファンゴもすごいですよ!! もう、チョー獣! すごいケモノ度です! 毛並みとか鮮やか過ぎて、あたし、思わず逃げちゃいましたもん♪」
彼女が言った通り、朽ち果てた廃墟のまわりでウロつくブルファンゴのケモノ度は戦慄を覚えるほどだった。ついつい、叫び声が俺の口から漏れる。
「ファンゴ、怖っ!! イノシシ度高すぎ!!」
景色や小型モンスターを見ただけでこの騒ぎなんだから、“主役”とも言えるジンオウガに出会ったときの騒動は何をかいわんや。俺は、神々しい光をまとって目の前に現れたジンオウガを見た途端、そこが衆人環境であることも忘れてあられもない声をあげた。
「ジンオウガ、チョーーー美麗ーーーーっ!! おっかねえけど、かっこいいいいぃぃぃいいぃい!!」
アテンドのおねえさん、我が意を得たりとばかりに「でしょでしょ!!」を連発。想いが共有できるヨロコビは、格別のカタルシスがあるようだ(笑)。しかし俺はひさびさのデュアルショック(プレイステーション3用コントローラ)による操作が災いしてか、制限時間内での討伐を果たすことができなかった。そんな俺の立ち回りを見て、さっきまではしゃぎまくっていたおねえさんはひと言「ガードが上手でしたね♪」と言うだけでありました(苦笑)。
この『HD Ver.』、今年の夏には発売されるんだよな……。いまから部屋にこもりっきりの夏休みが想像できるぜ……。
★お知らせ★
先日ここで告知しましたが、来る6月24日に『逆鱗日和』シリーズの最新巻『モンスターハンタープレイ日記 明日もきっと! 逆鱗日和』が発売されます! 『逆鱗日和』は、これにて完結。シリーズ史上最大のボリュームでお届けする気合満点の最終巻となっておりますので、どうぞご期待ください!
突然ですがお知らせがあります。
たくさんの読者の皆さんから「最新巻はいつ出るの!?」、「『3rd』のエッセイもまとめて読みたい!!」とありがたいラブコールを受けておりました『逆鱗日和』シリーズの最新巻ですが、なんと来る6月24日に発売されることになりました〜!! パチパチパチ。中身は、当ブログで連載している『モンスターハンターポータブル 3rd』のプレイ日記がメインとなっていて、もちろんこの単行本でしか読めない書き下ろしエッセイもたっぷり収録(欄外の与太話も充実!)。過去8冊の『逆鱗日和』シリーズの中でも最大のボリュームとなっております。
で、気になる(ていうか気にしてほしい)本書のタイトルですが、以下の通りに決定しました!
『モンスターハンタープレイ日記 明日もきっと! 逆鱗日和』
『逆鱗日和』で初めて“本日も”の冠を取りました(『角満式モンハン学』シリーズは除く)。なんだかいままでとは雰囲気が違うでしょう。
ではなぜこの最新巻だけ響きの違う書名にしたのか? もちろん理由があります。それは……。
『逆鱗日和』シリーズは、これが最終巻となるから−−。
突然の発表で驚いた方もおられるかもしれませんが、本当に言葉通り、『逆鱗日和』シリーズは最新巻『明日もきっと! 逆鱗日和』をもって“大団円”を迎えます。そして7年以上の長きにわたって続けてきた当ブログの『モンハン』プレイ日記も、『明日もきっと!』の発売に合わせてひとまず“終了”となる予定です。あと何回書けるかわかりませんけど、ちょくちょく覗きに来ていただけたらうれしいなあ。ちなみに、この書名になった理由については『明日もきっと!』のどこかに書かれていますので、ぜひ本書を手にとってご確認くださいね!w
さてそんな最終巻の発売を記念して、3月に実施予定だったエンターブレイン10周年記念イベント“eb!フェス2011”で開催を予定していた“逆鱗日和ライブ”をやってしまおうかと画策しております。逆鱗日和ライブはU-Streamを使っての公開生放送を予定しているんですけど、せっかくなので観覧者を募集しちゃおうかなと思っています。詳細は追々発表させていただきますが、観覧者はエンターブレインの通販サイト“ebten”で『明日もきっと!』を予約購入してくれた方の中から抽選で選ばせていただく予定です。ライブ配信、観覧ともに、詳細は近日中に当ブログで発表しますので、お見逃しなく!
たまにはブログタイトル“ゲームを読む”っぽい記事を!!
絶望的な舞台と、失った味方キャラは二度と復活しないという問答無用の設定を読んだだけで、「このゲーム、発売されたら絶対に買ってプレイする!!」と誓っていたタイトルがあった。それが、4月28日に発売されたイメージエポックのPSP(プレイステーション・ポータブル)用ソフト『最後の約束の物語』。古きよき日本のRPGに息を吹き込む“JRPG”を旗印に作られた作品で、新進気鋭のオリジナルタイトルになっている。俺は予定通りゴールデンウィークに入った4月29日にソフトを買ってきてプレイを始め、すぐにこのゲームの虜となった。
『最後の約束の物語』は、突如牙を剥いた敵国に完全包囲され、滅亡寸前まで追い込まれてしまった“ユグドラ王国”の“最後の1日”を描いたRPGだ。王国最強のガーディアンたる7人の“メサイアの騎士”に選ばれた主人公(ウォルフ)とヒロインである王女(セレス)、そしてメサイアの仲間たちが、圧倒的な武力を誇る敵“鋼機兵”と闘いながら、民を救い出す姿が切々と綴られている。ゲームのキャッチフレーズは“ダークジュブナイルファンタジー”。確かに、近ごろでは小説でもあまり見ない極限の舞台設定と敵軍との戦力差は、すがすがしいヒロイックファンタジーの枠にまるで収まっていない。かと言って、苛烈な設定だけを押し付ける余裕のない悲劇ともまるで違う。ヘンな言いようになってしまうのだが、『最後の約束の物語』は“心地いい暗さ”があるストーリーに彩られているのだ。
ゲームの見た目は“JRPG”を標榜しているだけあって、じつにオーソドックスなコマンド選択方式のRPGになっている。任務を受けて遂行したらつぎの任務を受けて……という流れも、かなり見慣れたものと言っていいかもしれない。しかし、ゲーム全体を俯瞰して見た瞬間に“オーソドックス”という名のベールはどこかに消え失せ、このゲームにしかない骨太なおもしろさが前面に飛び出してくる。
『最後の約束の物語』を個性的な作品に仕立て上げている第一の要因は、戦略的なバトルシーンにある。基本はコマンド選択方式のソレなのだが、“ある調味料”が振り掛けられたことで画期的なまでに戦略的なものに仕上がっているのである。
その調味料が“敵対心”だ。これは簡単に書くと“活躍している味方をモンスターが狙うようになる”というもので、これだけでバトルにそこはかとない緊張感が付加されるのである。モンスターの敵対心は、武器や魔法による攻撃はもちろん、回復魔法や回復アイテムを使っただけでも驚くほど上昇してしまう。つまり回復役として育てた防御力の低いキャラも、のほほんと回復魔法を使ったとたんに「!!! あいつまた回復しやがった!! 先にやってやれ!!!」とモンスターにターゲッティングされてタコ殴りに遭い、あっと言う間に戦闘不能にさせられてしまう……なんてことが頻繁に(強調)に起こり得るのである。なので、防御力の高いキャラにモンスターの注意を引き付けつつ(そういう魔法があったりするのだ)、さらに素早さによるバトル中の行動順も考慮して戦闘に臨まなければいけないわけだ。これにより、キャラが成長するとスルーしがちになる雑魚敵とのバトルからも目が離せなくなる。気が抜けなくて疲れるのは間違いないが、敵との“知恵比べ”はやみ付きになる楽しさがある。
そしてもうひとつ……というか、このゲームの最大の特徴となっているのが“斃れた仲間は復活しない”という極限の設定だ。7人の味方キャラには“SP”という数値が設定されており、これは戦闘不能になったり、SPを消費する高威力のスキルを使うことでじゃんじゃん減っていってしまう。SP=“魂の力”で、キャラによって初期数値が200だったり150だったりするのだが、減った数値は基本的に回復することはない。そしてSPがゼロになった瞬間、そのキャラは永遠にロスト……つまり、ゲームから除外されてしまうのである! こうなったら、何をどう祈ろうが取り返しはつかない。どれほど慈しんで育てていたキャラだろうが、問答無用に消滅する。キャラはSPがゼロになったとき、“イーリアの秘法”という究極の最終魔導を発動させて消えていくらしいので、「このキャラのイーリアの秘法が見たいから消滅させよう」という戦略(?)も生まれるかもしれないが、こういった人は稀のはず。プレイヤーはつねに、ロストの恐怖と闘いながら敵とのバトルに挑まされるわけだ。
しかもタチが悪いことにこのゲームの戦闘、敵がまあ強い強い(ノーマルモードの場合ね)。じつは俺はプレイ前、「SP? ロスト?? イーリアの秘法??? そんなもの、ないも同じだべ。SPを消費せずに立ち回ればいいんだからサ。気にしない気にしない」というスタンスで、実際序盤はまったくSPを削らずに遊んでいた。しかし中盤あたりから苛烈な敵の攻撃を前に棒立ちになることがしばしばで、戦闘不能状態を何度も招くことに……。しかも「命を削るSP技なんて死んでも使わねえ!」と矛盾した誓いを立てていたのに、「こ、この敵ヤバい! SPスキル、お助けを!!」、「ここ、こいつはさらに危険だ!! 今度だけSPスキルを……」なんていう情けない立ち回りをくり返した結果、いまの俺のメサイヤ騎士団はどいつもこいつもSPが減りまくった目も当てられない状態になっている(苦笑)。いやあ、ホントにドキドキするわこのゲーム……。
誤解を恐れずに言えば、『最後の約束の物語』はかなりプレイヤーを選ぶゲームだと思う。ひと筋縄ではいかないことは確かだし、設定で好き嫌いが分かれるのも確かだろう。
それでも、このゲームには独特の“匂い”がある。ちょっと忘れかけていた、少年時代に夢中になったRPGの匂いと、新しいものを求めて突き抜けた、尖がったRPGの匂いが。
荒削りでガンガンぶつかってくるけど、跳ねるような若々しさを持った絵画を見たときのような気分−−。そう書いたら、このゲームの持つ個性のすばらしさが伝わるだろうか……?
※今月のファミ通キャラクターズDXは『最後の約束の物語』の特集です。下のリンクから、ぜひご覧になってー。
大塚角満

週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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