大塚角満の ゲームを“読む!”
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東京ゲームショウ2010で『モンスターハンターポータブル 3rd』に触れてしまい、最近おとなしかった“狩魂”を刺激されてしまいました。なんと言うか、『3rd』が木の棒を持ってきて、俺の胸の中にある狩魂をツンツンツンと突っついてきた感じ。さらに、ここでもリポートした“大塚角満のトッテオキ(でもない)話”で『2nd G』のラージャンを相手にしたり、クエスト“モンスターハンター”をやったりしたことで狩魂はブンブンブンと揺さぶられ、トドメとして『本日もトッテオキ! 逆鱗日和』を読んで「あーーーーーっ!! もう狩りしたい狩りしたい狩りしたいいいいぃぃぃいい!!!」とすっかり焼けぼっくいに火の状態になってしまった次第であります(一部宣伝アリ)。でも現状、『3rd』は手元にないし(あたりめーだ)、体験版の配信はもうちょっと先。となると、やることはただひとつだ。
「『2nd G』やるぞおおおぉおおぉぉお!!!」
俺は心の中で絶叫した。
すると、俺が放ったティガレックス亜種ばりの“心の大咆哮”(いい表現だナ)が届いたのか、すぐさま江野本ぎずもからメッセージが飛んできた。
「もうダメ。リハビリ欲求MAX! 空前のリハビリブーム!! でも忙しい!!!」
こやつが何を言いたいのか、シロウトさんはさっぱりわからないところだろうが、要するに「『2nd G』で遊びたい! いますぐ遊びたい!! でも仕事がああぁぁあ!!」と主張しているわけである。俺はわが意を得たりとばかりに深く頷き、「うんうん。さすが我が相棒であるな。手が空いたらティガでもラージャンでも武神でも、とにかく片っ端からなぎ倒してやるべな」と江野本に向かって打電。そしてゴソゴソとPSPを取り出し、「俺はいま手が空いてるからひと足先に『2nd G』をやるのだ。これでいいのだ」とつぶやいた。
今回、『2nd G』を再開するにあたって、俺にはちょっとした考えがあった。それはいままでほとんど使うことのなかった武器種にスポットを当てて、あえてそれらを手に持ってクエストに挑む……というものである。うおおお……。こいつは我ながら、胸躍るプランではないか。よしやろういまやろう。でもその前に、現在までの俺の武器使用頻度を見てみようではないか。はたして、どういうことになっているのであろうか?
【大塚角満の武器使用頻度(2010年9月27日現在)】
・大剣……135回
・太刀……5回
・片手剣……68回
・双剣……13回
・ハンマー……450回
・狩猟笛……6回
・ランス……94回
・ガンランス……1520回
・ライトボウガン……22回
・ヘビィボウガン……16回
・弓……2回
この、弓と太刀と狩猟笛の突出した低さときたらどうだ……(苦笑)。しかもこれ、訓練所をクリアーするためにしかたなく使ったものばかりで、あえて積極的に持ち出して使用したものではないのである。つまり、訓練所をやっていなければ、この3つの武器種に関してはいまだ“使用回数ゼロ”のままのはずなのだ。しかしこの数値はもちろん、想定の範囲内のこと。俺は「ふっふっふ。わかっておったよそんなことは」と不気味につぶやき、すぐさま江野本につぎのようなメッセージを送った。
「せっかくなので、いままで使ってこなかった太刀や弓を手にしていこうと思います!!」
江野本の席から、「ぎょええええ!!」という悲鳴が聞こえた。そして、すぐに返事が。
「なるほど! それもいいですね!! じつはウチも、そんな気になっていたんです!! 太刀とかランスとか、使ってみたいし! いやあ、これはしかし楽しみすぎる!」
発売から2年半以上が経過しているというのに、ヘビーユーザーをこれほど新鮮な気持ちにさせてくれる『2nd G』の懐深さに、改めて感服させられてしまう。俺は、いままさに『3rd』の制作が佳境を迎えているであろう『モンハン』開発チームがいる南南西の空に向かって、深々と頭を下げた。
というわけで方針が決まったので、俺はウキウキしながらオノレの武器庫をチェックした。1500時間もプレイしているのだ。新たに買わなくても、強い太刀の1本や2本は持っているんじゃないかと思ったのである。見ると……おお! 思った通りひとつだけ、太刀のアイコンがあるぞ。アイコンの色は……白だな。白って滅多に見ないから、それなりのレア度なんだろうな。どれどれ、なんて名前の太刀だ……?
骨
ほ、ほね?? ほねって……カルシウムでできた、動物の身体に入っているあの骨のことか??? なんで骨がこんなところに転がってんだ??? まあでも、名前が骨だとしても強さはダイヤモンドかもしれんな(んなわけねーだろ)。ヨシ、強さのバロメーターでもあるレア度を見てみようではないか! 震える手でカーソルを合わせてみると……!
うは。レア1wwwww
なんだこりゃー! これ、骨って名前の骨じゃねえか!! って、もう自分が何を書いているのかよくわからんけど、とにかくこいつは使いモノにならねえ!!
俺はすぐさま部屋を飛び出し、半べそかきながら武具屋のオヤジににじりよった。でも半べそのわりには喜々として太刀の武器リストを開き、「コレとソレと……あと、アレも持ってきて!!」とキレイなおねえさんの前で虚勢を張って見境なくアレコレと買ってしまう成金オヤジのように、つぎの太刀を購入した。
・夜刀【月影】(ゴマンと持ってるナルガ素材で一発生産できるから)
・ファントムミラージュ(刀身が消える、と噂のこの太刀は真っ先に欲しかった)
・大鎌威太刀(プレイステーション2版の『G』の時代から鎌威太刀が大好きだった)
よーし! こいつらを駆使して、あんなクエストやこんなクエストも制覇してやるぞーーーーっ!
俺の新しいハンターライフが始まった(何度目だ?)。
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すっかりあいだが空いちゃってゴメンナサイ! 東京ゲームショウ2010の会場で行った、『モンスターハンターポータブル 3rd』の辻本良三プロデューサーへのインタビューの模様をお届けします。「インタビューその1」を実施したあと、カプコンブースのステージでアレヤコレヤといろいろ発表されたことを受けて、会期2日目の午前中に良三さんをとっ捕まえて根掘り葉掘り聞いた次第である。いつものゆる〜いやりとりが混入しておりますが(笑)、それも込みでお楽しみください。
『3rd』の体験版
大塚 昨日のステージで新しいことがたくさん発表されたわけですけど……。
辻本 どれから聞きたいですか?
大塚 うーん……。どれも聞きたいけど、まずは10月13日より配信される『3rd』の体験版かな。
辻本 体験版ね。体験版は……配信します!
大塚 (5秒の沈黙) ……ってそんだけ!? 話終わっちゃうじゃないスか!(怒)
辻本 あはは!
大塚 体験版って、すごく驚いたんですよね。
辻本 この体験版は、全武器は収録できないんですけどゲームの雰囲気は十分に味わえる作りになっているので、練習……というかゲームに慣れて、研究してもらうこともできるんじゃないかな、と。
大塚 TGSの試遊台のそれとは、違うものになるんですよね。出てくるモンスターも違う?
辻本 クエストの数は少なくて、モンスターは違うものも……いますね。
大塚 へぇ〜!
辻本 クエストはふたつなので、クリアーしようと思えばできると思うんです。でも、「どこが変わったのかじっくり見てみよう」とか「入っている武器をすべて堪能しよう」と思ったら、かなりたっぷり遊べるんじゃないかなと。
大塚 贅沢だなあ。しかし、まさか『3rd』の体験版を遊べる時代になるとはねぇ……(シミジミ)。
辻本 そうですよ。そういう時代ですよ。モンハン部に入っていればダウンロードできるのでね。手順がいくつかあるので、しっかりと読んで手に入れてもらえれば。
大塚 ひとりにつきふたつのプロダクトコードを発行するんですよね?
辻本 そうなんです。友だちを誘ってもらってもいいし。
大塚 友だちとか恋人とか奥さんとかとか、協力プレイで楽しんでもらおうと。
辻本 そうです。それと、この体験版はひとりから4人まで遊べるのはもちろんなんですけど、ひとりのときはオトモアイルーを2匹、ふたりのときは1匹ずつオトモアイルーを連れて行けるんですよ。
大塚 マジっすか!? へぇええええ!! 贅沢!!
辻本 ふたりで遊ぶときに、それぞれがオトモアイルーを連れて行く感覚を味わってもらいたいんです。
大塚 『3rd』の新しいエッセンスを、かなり味わえそうだなあ。
辻本 全部ではないですけどね。基礎的なところはひととおり味わえると思います。
大塚 発売までひと月半くらい、ってタイミングで配信されるんですね、これは。
辻本 そうですね。
大塚 うん、これさえあれば製品版が発売されるまでなんとか生きていけるわ……。
辻本 体験版を堪能して、生き延びてください(笑)。
ハンターズモデルのこだわり
大塚 おつぎは、ハンター特別仕様のPSP(プレイステーション・ポータブル)“「プレイステーション・ポータブル」 モンスターハンターポータブル 3rd ハンターズモデル”について!!
辻本 これは、けっこう前からソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)さんと話をしていたんです。カラーリングとかペイントだけじゃない、特別なことができたらすごくインパクトがあるし、喜んでもらえますよね、っていう話を。
大塚 おお……。
辻本 僕が考えていたのは、デザイン的な部分だけじゃないオリジナリティーを出すことと、あとは“実用性”だったんです。
大塚 実用性?
辻本 そう。“使えるもの”をコンセプトに据えたんです。で、まずは「大容量バッテリーをなんとか導入できないか」という話をしました。……どこまで言っていいのかわからないんですけど、最初は通常サイズの大きさで大容量にできませんか? って提案したんです。でもそれは技術的にむずかしいということで、どうしてもあの大きさになってしまう、と。でもそれだと、片一方にだけ出っ張りができてしまってどうにもバランスが悪いじゃないですか? なので「本体の形状から考えましょう」ということにしました。
大塚 なるほど……。
辻本 そこで、大容量バッテリーが標準搭載であれば反対側も膨らませましょう、と。でもそれで本体が重くなってしまうのは本末転倒なので、なるべく本体重量は重くならないように気を遣いました。つぎに提案したのは“グリップ感”です。でも、グリップ感を優先して本体が大きくなりすぎるのもマズい。そこで、今回のモデルではPSPを持ったときに指がかかる部分に、あえて段差を残したんです。ここにちょうど指が引っ掛かって、ハンターに最適なグリップ感を出すことに成功したんですよね。
大塚 考えてるなぁ……。
辻本 つぎは、ハンターがもっともよく使うアナログパッド。前から思っていたんですけど、夢中になって『モンハン』で遊んでいるとアナログパッドを乗せている親指がズレてくるような感覚があったんです。なので、ここは『モンハン』に合わせた形にできるんじゃないかな、って。
大塚 確かに、『モンハン』で遊んでいて、興奮して力が入り続けると指がズレてくるんですよね。でも狩りの最中だとなかなか戻す隙がなかったり(苦笑)。
辻本 でしょ!(笑) でもだからと言って、アナログパッドがものすごく出っ張っているのはイヤやないですか? そしたらSCEさんが20種類くらいのアナログパッドのサンプルを持ってきて、見せてくれたんです。
大塚 全部違う形のものを?
辻本 そうそう。その中で「これ、むっちゃいいじゃないですか!」って言ったのが、ハンターズモデルに採用されている先端部が凹んだタイプだったんです。SCEさんも「『モンハン』を遊ぶには、これがいちばんいいと思います」と言ってくれてね。
大塚 うん、これなら指のズレは気にしなくてよさそうだものなあ。
辻本 つぎはスピーカーですね。上に乗せたものだけじゃなく、“これは型から起こしたものだ”ってのがわかるオリジナリティーが欲しいと思ったんです。で、SCEさんから「ここはどうですかね?」と提案してもらったのがスピーカー部分で、僕もすぐに「それはいいですね!」って応じたんですけど、実現するまでにはかなりの困難がありました。最終的にSCEの設計の方ががんばってくれて、アイルーの肉球型のスピーカー口が完成したんです。
大塚 スピーカー部分てすごく小さいですけど、そんなにこだわったんですねえ。
辻本 せっかく作るものですからねえ。もうひとつ、こだわったのが価格なんです。
大塚 はいはい。19800円[税込]。世間では「安っ!!」と言われていますな。
辻本 20000円を越えたくなかったんですよ。……わがままばっかり言ってますが(苦笑)。
大塚 あはは。でも、大容量バッテリーを積んでいる時点で、かなりおトク感アリアリですよ。
辻本 おトクやと思います。
大塚 うーん、ユーザー目線すな。
辻本 「作るからには使ってほしい」ってことだと思いますよ。
大塚 うんうん。でも、大容量バッテリーを使っているハンターは多いですけど、やっぱり片側が膨らんでしまうのでバランスに難アリだったんですよね。それをよく、「じゃあもう片一方も膨らませちゃえ」という発想になりましたな。
辻本 どれを取るか、なんですよね。大容量バッテリーを取らないともともとのコンセプトが崩れてきてしまうので、これを取るうえで対策を考えるしかないわけです。でも、ただ膨らますだけだったらやっていません。膨らんだうえでのホールド感が実現できるとわかったので採用した、ということですね。できるまで、かなり時間はかかりましたけど。
大塚 『3rd』に合わせてオリジナルカラーのPSPが出るだろうな、ってことは、誰しもが考えていたと思うんです。100人ハンターがいたら、99人はそう思っていたかもしれない。でもまさか、本体そのものに手が加わるとは、誰も想像していなかったと思いますよ。
辻本 うん、そうですね(笑)。これはね、僕も買いますよ。PSP買うの何台目やねん、って感じですけど(笑)。
大塚 俺もさんざん言われた。「大塚さん、これでPSP何台目ですか?」って。買うこと大前提かよ!! って話ですけど。
辻本 でも買うんでしょ?
大塚 うん、買う(笑)。でもこれ、本体のカラーリングもかっこいいですよねー。
辻本 そうですね! カラーリングについてはコンセプトがあって、それは“持ちやすい色”、“持ちやすいペイント”なんです。で、今回は“和”がテーマの『3rd』だったので、最初は「漆塗りはどうですか?」って言ったんです(笑)。
大塚 ちょ……。どんだけ言うんすか(苦笑)。1台いくらになんのよそれ(笑)。
辻本 ね(笑)。「なんぼかかんねん」、「そもそもなんぼ作れんねん」って言われて。「そりゃそうですよね」って……(苦笑)。
大塚 職人さん何人雇えばいいのよ(笑)。
辻本 で、「ハイ、スミマセン」ってなって。その後、いろいろな色を見せてもらって、その中にあったのがあのブラックなんです。
大塚 あまり見ない、かなりマットなブラックですよね。
辻本 そう。すごく落ち着いているいい黒だなって。それと、『3rd』のティザー映像の上下に金色の縁を入れていることから、これもハンターズモデルに採用しました。
大塚 じつは黒に金って合うんですよね。水墨画のようなあの黒に、金はとてもよく映える。
辻本 いろいろ試してはみたんです。黒に赤とか。でもイマイチしっくりこなくて。
大塚 黒に金だと、高級感も出ていいですよ。
辻本 そうですね。プレミア感というか、特別感が出るんですよね。
大塚 うんうん。
辻本 でもこれ、やっと言えた……。昨日発表してスッキリできたんですけど、それまで隠しておくのがたいへんでたいへんで……。
大塚 だろうな(笑)。いろんな人に聞かれたでしょ。
辻本 聞かれましたよ〜……。「オリジナルのPSP出さないんですか?」とか「カラーはどんなのに?」とかとか。もう「知りません」としか答えようがなくて(苦笑)。
大塚 イーカプコンの“LIMITED EDITION”にオリジナルの本体がついてなかったから、きっと別で制作しているんだろうな……って思っていましたよ。
辻本 なるほどね(笑)。
『鷹の爪団』とのコラボ
大塚 おつぎはテレビアニメ『秘密結社 鷹の爪』とのコラボ映像について、ですかね。『鷹の爪団』の面々が、オトモアイルーについておもしろおかしく説明してくれるという。
辻本 武器とかモンスターとか世界観を見せる正統なプロモーション映像は当然いくつか作るとして、それ以外に『3rd』がアピールするものはなにかなぁ……って考えたんです。『2nd G』はオトモアイルーの“かわいさ”で、『3(トライ)』はチャチャっていう新しいキャラの知名度アップと、このキャラがどういうものなのかを説明する狙いがあったんですよね。で、『3rd』もオトモアイルーをPVで説明せなあかんってなったわけですが、これが『2nd G』と比べてものすごく変わったんですよ。仕草だけじゃなく、本当にいろいろな部分に手が加わってね。それなのに、ふつうのナレーションとテキストだけで説明されてもおもろくないやろなぁ……と思い、ずっと「おもしろおかしく説明できないものか」って考えていたんです。で、去年の年末くらいに『鷹の爪団』のキャラにオトモアイルーの変わったところを説明してもらえたら、見てても飽きないし説明の役も果たせるのでいいんじゃないかな、って思ったんですよね。
大塚 あ! そんな前からだったんですか!
辻本 はい。で、どっかでつながらないかなぁ……って思っていたら、『ぽかぽかアイルー村』のアニメ(『ぎりぎりアイルー村』)の絡みでDLEさん(制作会社)とつながって、「やりたいことがあるからDLEさんに会わせてくれへん?」てお願いしたんですよ。そして会いに行ったら、知ってる人がそこで働いてて(笑)。
大塚 え! そうなんすか!
辻本 はい(笑)。「久しぶりやな〜!」とかなんとか挨拶して、その流れで「こんなことやりたいんやけど」って相談を持ちかけてね。そしたら「意図はわかりました。やってみましょう!」ってことになったんです。
大塚 へぇぇ! つながるもんスねえ。
辻本 ね。つながるもんなんです(笑)。で、そのときに僕は「説明してほしいポイントだけ伝えます。あとは自由に作ってください」って言ったんです。
大塚 おお。投げましたねえ。
辻本 そうそう。がんじがらめにして総統と吉田君の掛け合いがおもしろくなくなったら、このPVの価値が落ちちゃいますからね。そして上がってきたサンプルがめちゃめちゃおもしろくて! 「これは絶対にイケる!」ってなりましたね。ロングバージョンは現在制作してもらっているところですけど、とりあえずショートバージョンを今回のTGSで公開しましょうってことになって、先日初めて上映したわけです。僕が最初に思ったもの……いや、それ以上のクオリティーのPVができていますよ。
大塚 ロングバージョンはどれくらいの長さに?
辻本 ショートバージョンの倍くらいあるんやないかな。めっちゃおもしろいですよ。
大塚 ウチは一族をあげて『鷹の爪団』の大ファンなので、感激ですわ(笑)。
辻本 あははは! そうなんや(笑)。
大塚 あのシュールさとオトモアイルーの融合はたまらないわー。
辻本 見入っちゃうと思いますよ。とくにロングバージョンはね。
2匹のオトモアイルー
大塚 えーっと、つぎは……。……なんかたくさん発表されて、忘れちゃいましたよ(苦笑)。
辻本 あはは。えっとね、ふたりプレイのときにオトモアイルーを1匹ずつ連れていけるようになったんですよ!
大塚 そうだそうだ! でも最初、良三さんと一瀬さんがステージでハンター2名、オトモ2匹の映像を披露したとき、違和感がなくて気づかなかったんだよな(笑)。
辻本 ああ、わかるわかる(笑)。じつは今回のゲームショウで初公開したPVの最後のほうで、ジンオウガを前にハンターふたりとオトモアイルー2匹が構えるシーンが入っているんです。
大塚 え! そうなんだ! 気づかなかった!
辻本 でしょ。「発表前にPVに入っちゃってるけど、自然すぎてみんな気づかないから大丈夫だよな」って内部で話していましたから(笑)。
大塚 そうなんだー。
辻本 これをやろうと思った理由のひとつは、オトモアイルーって自分で育てたあとの自慢する場がローカルに限られてしまうこと。オトモアイルーの自慢ポイントって、やっぱりクエストでどう活躍してくれたのか、ってことになると思うんですけど、なかなかそれってまわりの人に伝わらないじゃないですか。加えて、『ポータブル』シリーズって意外なほどふたりで遊ぶことが多いと思うんです。
大塚 おお。それはまさにその通り!
辻本 『2nd G』のときに、シングルプレイをメインでやられる方をフォローしようということで導入したのがオトモアイルー。今回はふたりプレイの人をもうちょっとフォローしようという考えのもと、ひとりが1匹ずつオトモアイルーを連れて行けるようにしたんです。
大塚 ほほー!
辻本 「ふたりプレイのときに、ひとり1匹ずつオトモアイルーを連れていけへん? フィールドに4人までいけるんだからスペック上は平気じゃない?」って一瀬に相談して。そしたら一瀬が「おもしろそうですね。技術検証してみますわ」って言ってくれて、試してみたんです。
大塚 そしたら、できたと。
辻本 そうなんですよ。
大塚 いやあ、これはうれしいなあ。俺みたいなオトモアイルー好きはとくに。……そういえば以前、「新しいコミュニケーション手段を入れたい」というような話をしてくれましたけど、このオトモアイルーのこと?
辻本 そのひとつ、ではありますね。
大塚 なるほど。まだまだ言ってないことがたくさんあると。
辻本 そうです。たくさんありますよ。そのへんは、まだナイショですね。
蛇足ながら
大塚 あと……なんだっけ?
辻本 えーっと……。
大塚 今後の発表内容をポロっと言ってくれてもいいんですよ?
辻本 言わん言わん。でも、意外と僕、言わないでしょう。
大塚 そう! 言わないんだよこの人!! ……って、当たり前か。
辻本 うん、当たり前(笑)。
大塚 でも今回は、ホントにいろいろ驚きましたよ。まだ明日もあるんですもんね(『メタルギア ソリッド ピースウォーカー』とのコラボなどがインタビューの翌日に発表されたのだ)。
辻本 そうそう。……うん、こんなものかな(と言って、手元のiPhoneを眺める良三さん)。
大塚 へぇ〜。そのiPhoneに発表内容が入ってるんだ。
辻本 いや、ファミ通.comの記事見てんの(笑)。
大塚 それ、俺が書いた記事じゃないっすか!!(笑)
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9月17日に無事、『逆鱗日和』シリーズ最新作『本日もトッテオキ! 逆鱗日和』が発売になりました! 聞くところによると品切れになっている本屋さんもあるようですが、ぜひぜひ根気よく探して読んでみてくださいね。左下のリストにある表紙をクリックしていただくとエンターブレインの通販サイトに飛べますので、よかったらご利用を! いまのところ、在庫はあるみたいなのでw よろしくお願いします!
アップしなきゃいけない記事がたまりまくってるぞ……。と、とりあえず今回は、東京ゲームショウ2010の期間中に実施した“大塚角満のトッテオキ(でもない)話”の2回目のリポートを書こう。短く、簡潔にね!
9月18日に引き続き、翌9月19日にもファミ通ブースにおいて“大塚角満のトッテオキ(でもない)話”を実施させてもらった。やってることは前日と大して変わらず、『本日もトッテオキ! 逆鱗日和』や『モンスターハンターポータブル 3rd』に関するトークをし、『2nd G』を起動して俺の腕前を披露する……というものである。ちなみにこの日は集まってくれた人全員に、『トッテオキ!』を購入してファミ通ブースに来てくれた人に渡していた『本日もできたて! 逆鱗日和』という冊子(と言っても4ページしかないが)をプレゼントした。これは“『3rd』プレイ日記0回目”と題し、9月16日に逆鱗日和ファミリーの4人で挑んだ『3rd』体験プレイの様子を綴ったエッセイを、大急ぎで冊子に仕立てたものだ。じつはこの段階ですでに、ファミ通ブースとカプコン物販ブースで販売していた『トッテオキ!』が完売してしまい、欲しくても手に入れられなかった人が大勢いたということで、特典用にたくさん刷っておいた『できたて! 逆鱗日和』を観客の皆さんにプレゼントさせてもらったというわけである。
▲この、顔がむくんだ髭面のおっさんが持っているのが『本日もできたて! 逆鱗日和』です。
配布が終わったところでこの日のメインイベント、大塚角満の腕前披露の時間になった。前日は激昂したラージャン相手に“6オチ”するという人間離れした悪夢の所業をお見せしちまったが、この日はそんなことにはならぬ。俺がじつはかなりの手練だよー……ということを証明するために、あのクエストを受注してやるのだ! ……あのクエストとは……そう!!
村のイャンクック討伐。
……じゃなくて。
『トッテオキ!』でもかなりのページを割いてリポートしているあのクエストですよ! そう!
ガンランスによる“モンスターハンター”制覇タイムアタック
であります。
読んでいただければわかると思うが、『トッテオキ!』の中に“モンスターハンターで勝負だ!”という全5回にわたるエッセイ群がある。これは俺のエッセイではおなじみのゴッディ、唯君、ジャッ君、ヒロ君という悪魔の子4人と、東京は上野の焼肉屋でソロガンランスによるモンスターハンター制覇のタイムアタック勝負をしたというお話で、俺があと1歩のところで優勝を逃してしまった……というオチがついている。俺も江野本ぎずももお気に入りのエッセイで、いまだに読み返すと当時のことが鮮烈に脳内に蘇って思い出し笑いをしてしまうくらいである。
で、せっかく『トッテオキ!』の発売を記念して行う催しなんだからコレに紐づいた企画も盛り込みたいね、と江野本と話していて、すぐに“エッセイ・モンスターハンターで勝負だ! を再現するプロジェクト”が動き始めることになった。江野本が確認したところによると、彼らは4人ともゲームショウ会場に行く予定だったとのことで、夢のリベンジマッチには何の支障もないという。当時をそのまま再現するために4人には何のクエストを行うかいっさい告げず、そして俺も練習しないで(物理的に練習する時間もなかった)、本番当日を迎えることになった。
当日、眠い目をこすりながら午前11時30分にファミ通ブースに行くと、すでに大勢の人がブースを取り囲んでいた。見ると、例の悪魔の子4人も到着しており、俺と江野本に向かって手を振っている。さっそく集合して、江野本がルール説明。「“モンスターハンターで勝負だ!”をここで再現してもらいます!!」と告げると、4人の口からつぎつぎに「うへえ!!?」、「そうきたか!!」、「またガンスっすか!?」とうとうの怨嗟の言葉が発せられた(笑)。
▲ステージ前にゴッディ、唯君、ジャッ君、ヒロ君に陣取ってもらい、モンスターハンタースタート!!
そして始まったモンスターハンター。4人には俺の目の前に陣取ってもらい、モンスターを討伐(もしくは捕獲)したりオチたりしたら、MCの佐治キクオに申告する手はずになっている。クエストの進行具合は、江野本がボードに記入。さあさあ、どういうことになるのかな!?
「レウス狩りました!!」
……ってちょっと待てコラ。たったいま勝負の様子を書き始めたところだっつーのに、ふざけたことを抜かすのはどこのどいつだ!!
驚いてステージ前を見ると、なんと悪魔の子の筆頭格・もうゲネポの唯君が右手を上げ、「レウスを狩った」などと申告しているではないか。時間は……まだ開始から2分48秒!!? オイオイ、マジかよ……。どうなってんだコリャ……。
「大塚角満、早くも風前の灯!!!」
MCの佐治が、心からうれしそうに絶叫した。
『トッテオキ!』に載っているエッセイでは確かにこの俺がツワモノ4人を追い詰めているのだが、あの日の出来事はすべて、上野の山から下りてきたタヌキどもに化かされた結果に見た夢物語だったんじゃないかと思えるくらい、この日の俺は悪魔の子どもに翻弄されまくった。唯君が2分48秒で抜け、ゴッディが3分34秒で追随し、ジャッ君が4分40秒で追いかけ、1オチしたヒロ君が6分で食らいついた……ってところで、ようやく俺はリオレウスを討伐する。こいつはもう、勝ち目がない……と思ったが、それでも何が起こるかわからないのが『モンハン』というゲームなので、
「よし!! まだ終わってない!!」
と、俺は虚勢を張ってわめき散らした。ところが……!
「ティガ、討伐しました!!」
おいコラちょっと待て。俺がレウス討伐してから、まだ1分ちょっとしか経ってないですよ?? 誰がそんなこと言ってるんですか!? ……ってまた唯か!!! どうなってんだ!!
「こりゃもう、やる意味ないッスねえ!!」
MCの佐治が、腹を抱えてゲハハハハーと大笑いした。
けっきょくこのまま見せ場もなく、俺はほとんど周回遅れのような状態になって敗れ去ってしまった。だって唯君なんて、1オチしながらも24分17秒で最後のラージャンを討伐しちまったんですよ!? ゴッディも唯君に遅れはしたが、25分52秒でクリアー。俺はそのとき、まだまだ元気なナルガクルガと戯れていたというのに……(苦笑)。改めて、『トッテオキ!』に載っている最初のチャンスを逃がした時点で、俺が彼らに勝つ目は一生なくなったんだなと確信した(笑)。
▲なんか画面にヘンなものが映っていますが、気にしないでください。
こうして、大塚角満のトッテオキ(でもない)話は終了した。2日目は1日目以上にたくさんの人が集まってくれて、その後にブースの裏でやらせていただいたサイン会(のようなもの)もおかげさまで大盛況となりました。
▲サイン会には、ご覧の通りたくさんの読者の方が来てくれました! 大感謝!
改めて、催しに関わってくれた関係者の皆さま、そして集まってくれた観客の皆さん。心から、ありがとうございました! またこういう機会がありましたら、よろしくお願いしますねw
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ネイチャーーーッ!!
ということで、行って参りましたアイルー農場。自然豊かで趣深い千葉県は神埼町というところに作られた“リアル・アイルー農場”にお邪魔させてもらったのです。これはPSP用ソフト『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』の発売を記念して企画された“アイルー農場収穫体験ツアー”に当選された幸運な人々(モンハン部で募集されていて猛烈な数の応募があったとのこと。当選者はわずか15組30名!)に同行してツアーの模様を体験取材させていただく……という趣旨で、ノコノコとくっついていった次第なのです。
体験ツアー当日の9月26日。朝6時に起床して、午前7時過ぎには自宅を出る。俺の自宅からアイルー農場まで、ナビの調べによるとクルマで約2時間かかるとのこと。午前10時にはツアー参加者を乗せたバスがアイルー農場に到着するというので、もたもたしていられないのだ。俺は北北東に進路を取り、無事午前9時半過ぎには現地に到着した。
アイルー農場は、身近な自然と接する機会が少ない都市部の人を対象に、“自然に触れ合い、農業への理解を深めるきっかけづくり”を目的として作られた施設“DHCネイチャー・ビレッジ”の中に作られていた。ここは貸し農園を中心に、周辺に広がる森林地帯にはツリーハウスやログハウス、そこでの自然体験プロジェクトなどが用意されている場所で、農場のまわりには非常にのどかな田園地帯が展開されている。ピーカンの空の下、こんな平和な場所にいると齷齪とした日常のアレコレをキレイさっぱり忘れてしまいそうになって、着いた早々「あーもう社会復帰したくない」と思ってしまったほどだ。
▲かわいらしいアイルー農場。それほど大きなスペースではなかったが、ナスにピーマン、落花生、ラデッシュ、サツマイモが作られている本格派。
まもなく、ツアー参加者を乗せた貸し切りバスが到着した。見ると、いつの間にか“マイアイルー”が農場の入り口に現れてツアー客を出迎えている。すぐに、フラッシュの嵐。マイアイルーも実家(?)に帰ってきたヨロコビからだろうか、いつも以上にピコピコと動きまわってツアー客に愛嬌を振りまいていた。
▲参加者が全員そろったところで、北林プロデューサーが開会宣言を行った。
この日最初のプログラムはいきなりのメインイベント(かな?)、アイルー農場での収穫体験だ。『ぽかぽかアイルー村』の北林達也プロデューサー、小嶋慎太郎アシスタントプロデューサーの挨拶のあと、参加者は2組に分かれて収穫を行う。ちなみに、収穫用の畑はジオラマ風に作られた小さなアイルー農場とは別に用意されており、畑の畝を4本ほど(と書いても大きさがまるでわからんがw)も使ってサツマイモと落花生(千葉名産!)が育てられていた。参加者はここに腰を下ろして、土を掘り返して大量のサツマイモと落花生を収穫。「土に触ったのなんて、十数年ぶりかも……」なんて声があちこちから聞こえてくる。その様子があまりにも楽しそうなので、俺も落花生畑に取り付いてひと株、ふた株と引っこ抜いてみた。すぐに落花生が鈴なりになった根っこが、ズボボボボッと地上に顔を出す。おおお。落花生だ落花生。落花生って、こういう風に実るものなんだなぁ……とさっそくネイチャーの一端に触れて安っぽく感動していると、農場主のおじさんが近寄ってきた。挨拶がてら声をかける。
「この採れたての落花生って、どうやって食べればいいんですか?」
するとおじさんは「今年は野菜がダメでなあ」とまぶしそうな顔で嘆いたあと、ひとつ、ふたつと落花生の実をもぎながら「塩茹でにするだけでいいんだよ!」と元気に言い放つ。「へぇ〜、塩茹ででいいんだー」と感心するとおじさんは俺の手にいくつかの落花生を手渡し、「でもいちばんうまいのは、採れたてのナマだネ。めったに食べられないと思うので、ここで食っていくといい」と言って笑った。なるほど……。採れたてのナマ落花生なんてなかなか食えるもんじゃないだろうな。
「カルチャーショック!!」
と、俺は心の中でぽかぽかしながら驚いた。
▲北林プロデューサー(右)と小嶋アシスタントプロデューサー(左)。
たっぷりと収穫したあとは、ネイチャービレッジのコテージ前に作られた特設会場に場所を移し、参加者どうしで『ぽかぽかアイルー村』のパンフレット交換会。そしてお待ちかねの昼食タイムへと移った。昼食として出されたのは、この近辺で採れた野菜がゴロゴロと入った特製のカレーライス! なんでも、さっきのおじさんがほぼ無農薬で作ったお米と野菜が原料になっているとのことで、地産地消を地で行くめっちゃヘルシーなカレーライスとのこと。食べてみると、ご飯も野菜も味が濃くて、いかにも健康的なメニューである。ふだん、有機栽培とは真逆のケミカルな食い物しか食べていないマスコミ陣にはとくに好評で、全員が「デトックスデトックス……」とつぶやきながら涙を流して食べていましたよ(ちょっとオーバーだが、マジでカレーうまかった!!)。
▲これがアイルー村特製のネイチャーカレー!! ほぼ無農薬で作られたコシヒカリと野菜がうまいのなんの。
食事のあとは腹ごなしにと“ネイチャーゲーム”が実施された。これは用意された設問に沿って自然の中にあるものを集める……というアメリカ発祥のゲームで、参加者は“すべすべしたもの”とか“カルチャーショックなもの”といった問いに合致しそうなものをネイチャービレッジのあちこちから集めて回った。審判は、北林さんと小嶋さん。俺は北林組(ゼネコンみたいだな)について歩いてその様子を見ていたが、やさしい北林さんはかなりユル〜い判定で「ハイ! それカルチャーショック!」、「それは“いい匂いがするもの”に当てはまりますね!」とか言いながら得点配布を行っている。バッタやカエルがビョンビョンと跳ね回り、トンボやハチがブンブンと飛び回る中でのネイチャーゲームはじつに楽しそうで、参加者は皆少年のような顔をして自然と触れ合っておりました。
▲森の中を歩き回って、設問に沿った自然物を探す参加者たち。さまざまな生き物を見て、皆子どものようにはしゃいでいたのが印象的。
ネイチャーゲームが終了すると参加者は再びコテージ前に集まり、今度は『ぽかぽかアイルー村』の“プーギーレース”の大会に。この日初めてプーギーレースを行うという人も少なくなかったが、一見さんでもすぐにルールを理解して遊べるこのレースはこういったイベントにぴったりで、大会はかなり白熱したものとなった。そんな中で優勝したのは、もしかしたらこの日の最年少参加者かもしれないと思われる少年ハンター。非売品のティガレックス貯金箱を優勝賞品としてプレゼントされ、ハニカミながらもじつにうれしそうだった。
▲プーギーレースは、予選と準決勝、決勝が行われるという本格的なもの。「優勝者は、現在日本でいちばんプーギーレースが強いプレイヤーってことですね!」と小嶋さん。
こうして、この日のプログラムはすべて終了した。帰りは特別に参加者が乗るバスに便乗させてもらったのだが、全員が非常に充実した表情を浮かべているのが印象的だったよ。参加者の口からはつぎつぎと「ひさびさに土いじりをして楽しかった!」、「カプコンさんのイベントはいつもニコニコして帰れるので大好き!」、「『モンハン』をやる人に悪い人はいないなって改めてわかった!」などなど感謝の言葉が飛び出し、この日のイベントが参加者の心に残るくらい楽しいものだったことを証明したのでした。
あー、ホントに楽しかった……。
明日、会社行きたくない……w
▲アップするの忘れてた! アイルー農場にいた子ネコちゃん。猛烈に人懐っこくて、参加者ひとりひとりに挨拶してましたw 正体は、お米と野菜を育ててくれたおじさんの飼いネコ。「リアルアイルーがいるー!!」と参加者はこぞって写真撮りまくっておりました。超かわいかった!!
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9月17日に無事、『逆鱗日和』シリーズ最新作『本日もトッテオキ! 逆鱗日和』が発売になりました! 聞くところによると品切れになっている本屋さんもあるようですが、ぜひぜひ根気よく探して読んでみてくださいね。左下のリストにある表紙をクリックしていただくとエンターブレインの通販サイトに飛べますので、よかったらご利用を! いまのところ、在庫はあるみたいなのでw よろしくお願いします!
9月18日午後3時から始まった“大塚角満のトッテオキ(でもない)話”の第一部。じつは今年のファミ通ブースでは『いい電子』でおなじみのみずしな孝之先生による“しな木屋”という催しが実施されていたのだが、我々はその休憩時間にまんまと場所をお借りし、『本日もトッテオキ! 逆鱗日和』の発売記念トークをやらせてもらったのである。みずしな先生、ありがとうございました!
午後3時になり、『逆鱗日和』関連イベントのMC担当・佐治キクオ(ファミ通編集者)の呼び込みに招かれて、「どーもどーも」とか何とか単語にならないテレ隠しの言葉を発しながらファミ通ブース内に侵入する。うん、テレ臭くはあるが、まったく緊張はしていないぞ。ふだんの俺はかなりのあがり症だが(ホントですヨ)、こういった催しのときはナゼか、平常心でいられる。不思議不思議。なのでこのときも、自分の家に入っていくくらいの気楽な気分でブース内の椅子に腰掛け、用意されていたヘッドセット(マイク)を装着した。そして初めて顔を上げて、「どもー! 大塚角満でえええす!」と言いながらステージの前をグルリと見渡したのである。その瞬間、集まってくれていた数百人の観客と「バチッ!」ってな感じで目が合った。
うおおお……。なんか予想を遥かに上回るほどたくさんの人が集まってくれているんですけど……!
とたんに、全身の毛穴がガバッと開いて汗が滲み出てくる。こここ、これはヘタなことはできねえぞ……。し、しっかりと本の宣伝と『3rd』の宣伝をして、それからじつは俺が『モンハン』うまいってことを証明して、「角満って、意外とヤルね」ってことを植えつけてから帰ってもらわないと!! そんなことを考えていたら、MCの佐治がユルい仕切りで、「集まってくれた皆さんに、『3rd』について聞いてみましょうか!」などと発言した。じつは事前の打ち合わせで、せっかく人が集まるんだからいろいろと質問してみようと話していたのである。
観客の皆さんにまず聞いたのは、「『3rd』の体験プレイはできましたか?」という質問だ。これに対し、一般デー初日だったので体験プレイができていない人も多いかと思ったが、ざっと見た感じでは100人くらいは手を上げてくれたのではなかろうか。いいねいいね。もうかなりの人がやっちゃってるんだね! これに気をよくして、俺はつぎの質問を発した。
「じゃあじゃあ、体験プレイでガンランスを使ったひとーーー!!」
ガンランスは『3rd』で大幅に見直しが図られ、かなり新しい動きが追加されている。溜め砲撃やフルバーストといった、解放のカタルシスを得られる砲撃系の新技が導入されて、いままで以上に浪漫を感じられる武器に変貌を遂げているのだ。となれば、貴重な体験プレイの機会だからこそ、ガンランスはドラフト1位指名されるに違いない。俺の質問に対して「ババババッ!!」と上がった手の本数を数えながら、うれしそうに佐治が言った。
「えーっと、いちにぃさん……ハイ、4人ですねー!! 大塚さんのガンランス普及活動がまったく役に立ってねえことが、ここに証明されましたー」
…………………………………。
き、気を取り直して、おつぎは逆鱗日和ファミリーの4人で『3rd』の初プレイをしたときの様子を収録した動画を上映した。いまファミ通.com上で公開している動画をさらに短く編集したもので、俺がガンランスの新境地・フルバーストの練習をしているシーンと、“あの”ティガレックス亜種に4人で果敢に挑んでいる姿が描かれている。……つっても、フルバーストはまったく出ずにやたらと「うりゃうりゃ」とガンランスを振り回していただけだし、対ティガ亜種では斬れた尻尾に4人がいっせいに群がり、当然のごとくティガ亜種に蹴散らされるという散々なシーンだったんだけど……(苦笑)。詳しくは動画をご覧くださいな(第4弾まで公開予定です)。
しかし、悪意ある編集をされた動画を見て俺の腕前に疑問を抱いた観客を、このまま帰すわけにはいかない。なので俺は、つぎのように宣言した。
「俺の腕はこんなもんじゃねええ! いまから『2nd G』をプレイして、世界一のガンランサー(笑)の実力を見せてやる!」
その瞬間、
(やめときゃいいのに……)
という声が、あちこちから聞こえた気がした(自意識過剰?)。
実力証明用に選んだクエストは“チャレンジクエスト10”だ。……そう、『2nd G』の最凶モンスター“激昂したラージャン”を相手にする恐るべきクエストである。俺が「ラージャンをボコってやりますぜ」と宣言すると、観客から「うおおおお!!」というどよめきが上がる。それを聞いて、俺は思った。
(やっぱりラージャンは、どこまでいってもラージャンだなあ)
と。その名前を聞いただけで、歴戦のハンターたちからこんな唸り声があがるんだもの。こんなモンスター、そうそういないよな。……でもここで「ラオいきます」と言っても別の意味でどよめきは上がったと思うけどネ。まあとにかく、そんな畏敬の念を持たれている唯一無二のモンスターをここで屠り去ってくれるのだ。なんてかっこいいんだ俺は。コーフンしながらクエストの準備をしていると、佐治がボソっとこんなことを言った。
「クックあたりにしときゃいいのに……www」
なんだとー! 俺のガンランス捌きを見て驚くなよ……。
そして始まったラージャン討伐。場所は大闘技場である。
闘技場に入った俺は右回りにパタパタと走り、あらかじめ隠されているシビレ罠をゲットした。「まずはこいつを仕掛けて、ラージャンの脚を止めます!」と力強く宣言する。「おお! いいね!」と佐治。気をよくした俺はラージャンの背後に接近し、やおら罠を設置した。ところが。
「あんたそれ、シビレじゃなくて落とし穴だろがっ!!!」
キンチョーして、シビレ罠と落とし穴を間違えちった……(苦笑)。ででで、でもコレでいいのだ! こいつは激昂すると落とし穴に落ちなくなるので、怒髪天を衝く前に落とし穴にハメてしまったほうがいいのだ! すると運がいいことにラージャンはこの落とし穴に見事にハマり、俺はここぞとばかりに支給用大タル爆弾を食らわせる。い、いい! いつになくいい!! 美しい流れに気をよくして、俺は穴から脱出したラージャンに攻撃を浴びせ続けた。
そのうち、ラージャンが激昂状態になった。飛躍的に攻撃力が上昇したこの状態だと、振動を食らって足止めされることすら命に関わる。
しかし、俺には秘策があった。じつはこの日のために何度かチャレンジクエスト10を練習したのだが、なんとそのときに俺は、激昂したラージャンがくり出す振動攻撃を、ガンランスのバックステップでことごとく回避するという高等テクニックを身につけてしまったのである!! 俺は言った。
「見て見て! 俺、ラージャンの振動をステップで避けられるようになったんだわ!! ……ホラ! ピョン!」
見事に振動を回避する我が分身。激昂したラージャンはシツコイくらいバタンバタンとぶっ倒れて振動波を発生させたが、なんと俺は100%の確率でこれを避けてくれたのである。苦節2年6ヵ月……。『2nd G』のプレイ時間1500時間オーバー、ガンランスの使用回数も1500回オーバー……。これだけの労力を費やしてついに、俺は“ステップ回避”という悪魔の技を手に入れたのだっ!! 得意の絶頂に達する俺。そんな俺の耳に、意外な声が飛び込んできた。
「角満サン!! それタイシン! 耐震ですよ!!www」
声のほうを見ると、客席にいたもうゲネポの唯君が笑いながら「タイシンタイシン!」と言っている。タ、タイシン……?? 往年の名馬・ナリタタイシンのことか……?? 俺はビックリして、佐治に言った。
「……なんか、“耐震”って声が聞こえるんですけど……」
佐治は目を見開いて、素っ頓狂な声を出す。「ちょっと!! スキル見てみなさいよアンタ!!」。
ま、まさかそんな……。身につけたと思ったステップ回避が、じつはスキル“耐震”のおかげだったなんてことがあるのか……? 恐る恐るメニューを開き、ステータスを覗き見る。するとそこに……!!
“耐震”wwwwwww
デターーーーーーーッ!!!! 超恥ずかしい勘違いキターーーーーーッ!!!!
もうヤだ俺……。どんだけ恥さらすんだホントに……。もう家帰りたい……。
このショックのおかげ(?)で、俺はあっさりとハットトリックを達成(苦笑)。その後、時間があったので客席から有志を募って4人でリベンジ戦に臨もうとするも、なぜか俺のいるオンライン集会所に誰も入ってくることができず、「しょうがねえからアンタまたひとりでやれ!」という佐治と江野本のひと言でまたまた激昂したラージャン相手にひとりで立ち回るハメに……。しかし相手になるはずもなく瞬時にボコボコにされて3オチ。なんと俺はわずか数十分のあいだにラージャンに“6オチ”させられるという辱めを受けて催しの幕を下ろしたのであった……。
こんなんで2日目は大丈夫なのか!?
というわけで、第3話に続く〜。
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【MH】番外編 角満のトッテオキ(でもない)話リポート (プロローグ)
辻本良三プロデューサーに行ったインタビューの続きはのちほどアップするとして、今回は東京ゲームショウ2010のファミ通ブースで実施した“大塚角満のトッテオキ(でもない)話”というトークイベントの中身について書いてしまおう。9月17日に発売された『逆鱗日和』シリーズ最新刊『本日もトッテオキ! 逆鱗日和』の発売を記念して、東京ゲームショウ2010の一般デーである18日、19日に行った催しだ。
9月18日の一般デー初日は、『モンスターハンターポータブル 3rd』の爆発的な人気もあって開場早々から超満員の大混雑! 掛け値なしに、どのブースも非常に賑わっていた。でも、そんな様子を見るたびにジワジワと(こ、こんなに人がいるのに俺の催しだけスッカラカンだったらどうしよう……)なんていうネガティブな考えが脳裏に閃く。でもいまさらジタバタしてもしかたがないので、俺は取材カバンにPSPやペンを詰め込んで、ファミ通.comの基地(記事を速攻でアップするための作業スペース)を飛び出した。
じつはこの日までの2日間、俺はほとんど寝ることができなかった。催しを前にキンチョーして眠れなかった……ってわけじゃなく、週刊ファミ通10月7日号(9月22日発売号)に入れるニュース記事を金曜中に14ページも作る必要があったため(東京ゲームショウリポートも載っているのでぜひ読もう!)、物理的に寝るヒマどころかものを食う余裕すらない有様だったのである。
そんなテンパった状況ではあったが、俺はこのトークイベントと、ブースのまわりで読者の方々と会うのが楽しみでならなかった。なかなか直で読者と話す機会ってないから、今回のゲームショウでは時間と体力の許す限り、ファミ通ブースに顔を出そうと決めていたくらいである。だってやっぱり、いろいろと話をしたいもん。同じ目線で『3rd』の情報が出たことを喜びたいし、『逆鱗日和』についても忌憚のない意見をぶつけてほしいし。『逆鱗日和』関連のすべてを取り仕切る江野本ぎずももまったく同じ気持ちで、「大塚さんは『逆鱗日和』の著者ですけど、ハンターとして見たら一般の人とまったく同じです。なのでできるだけ堅苦しくない場を作りますからなるべくブースに顔を出して、読者の皆さんと触れ合ってくださいね」と言ってくれていた。さすが我が相棒。じつによくわかってくれているではないか。
こんな気持ちだったので俺は本当にフラフラと、ヒマを見つけてはファミ通ブースに顔を出した。とは言っても、取材や記事制作の合間を縫ってのことだったので、時間的には大したことなかったんだけどね……。それでも、何人もの読者の方と立ち話をしたり、写真を撮ったりなんかして、じつに楽しい時間を過ごすことができました。皆さま、その節は本当にありがとうございました。
で。
そうこうしているうちに時は流れ、1回目の“大塚角満のトッテオキ(でもない)話”の時間となった。その様子は……つぎの記事で!
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さまざまなビッグタイトルが展示、発表された今年の東京ゲームショウだが、その中でも堂々の主役を張っていたのはカプコンのPSP用ソフト『モンスターハンターポータブル 3rd』だ。初のプレイアブル出展はもとより、イベントステージでも出るわ出るわ新情報の数々が……! そこで俺は辛抱たまらなくなり、ゲームショウの会場で『3rd』の辻本良三プロデューサーと一瀬泰範ディレクターに捕獲用麻酔玉をぶつけまくって見事に捕獲! 『3rd』の試遊コーナーの目の前で話をうかがった。
大塚 たくさん聞きたいことがあるので、よろしくお願いしますね。
辻本 ちなみに、このインタビューは何に載るんです?
大塚 ファミ通.comの、僕のブログですよ。
辻本 はいはい(ニヤリ)。じゃあ、いつものゆる〜い感じでオーケーなのね(笑)。
一瀬 大塚さん、録音されてますけど、これも趣味ですもんね?
大塚 違いますよ!! 趣味で録音するって、どんな変態っすか(苦笑)。でね、大連続狩猟とティガレックス亜種のクエストをやらせてもらって、両方ともガンランスで挑んだんですよ。なぜ2回ともガンランスにしたかというと、1回じゃわからなかったからなんです。相当変わってますね、動きが。
一瀬 いやあ、そんなことないッスよ。
大塚 そんなことありますよっ!! めっちゃ変わってるじゃないですか!!(怒)
辻本 (笑)。ガンランスはかなり変わっていて、いろんな人に見せようとするんですけど、意外とガンランサーがいなくてどうしようかと思っていたんですわ(笑)。
一瀬 ガンランスを見せても、あんま喜んでもらえなかったんですよね。めっちゃ変わってるからその部分を見せているのに、どうも反応がない……っていうか、響かなくて。
辻本 なんでかなあ? って話していたんですけど、けっきょく使っている人が少ないんかなぁって(笑)。
大塚 そんなことないでしょう!! ガンランスですよ!?
辻本 だって、大塚さんが初めてですもん。「ガンランス、変わりましたね!」って面と向かって言ってくれたの。いやあ、よかったわ。
大塚 うそばっかり(笑)。でも操作がいままでよりも複雑……というか、過程が増えた感じなんですかね?
辻本 慣れだと思いますけどね、そこは。
一瀬 いままでとは違うことが増えているので、遊び込むまでは違った感覚を味わうことになると思うんですよね。
大塚 無印(初代『モンハン』のこと)をやり始めたころの、「どうやるんだろう!?」という驚きと喜びに似ている気がしましたよ。
辻本 そこをクリアーしていくと、自分のプレイヤースキルが上がったという達成感につながると思いますよ。
大塚 うん、わかる。でも、何度やってもフルバーストが出なかったんですよね、俺。
辻本 それは単純にヘタなだけやと思います(笑)。
一瀬 うんうん。
大塚 ええええ!? 世界一のガンランサー(笑)をつかまえて、それはないでしょう!!
辻本 あはははは!! でもそれ、『2nd G』までの話でしょ?
一瀬 『3rd』は新しいんでね。そのへんの称号も、イチからのスタートですよ。
大塚 う……。そ、そうですか……。
一瀬 でもガンランスについては、これまでの弱点とされていた部分を克服できるように見直しているので、そういった意味では、以前より攻めの幅……というか遊びの幅は広がっていると思いますよ。
大塚 うんうん。
一瀬 とは言っても、これまでのガンランスでの主軸の遊び自体は変わっていないと思います。新しい動きを組み込んで遊んでみよう……と思ったときには慣れが必要かもしれませんけどね。それと、今回のTGSバージョンのように新モンスターが相手だとそれにどう対応するか……っていう部分が出てくるので、なかなか一筋縄じゃいかないかもですね。……大塚さん、全部の動きをベースキャンプでやってみました?
大塚 はい(笑)。ひととおり、新しいモーションはキャンプで試していました(笑)。
一瀬 やっぱり(笑)。でも、フルバーストは出なかったと。
大塚 う、うん。
一瀬 ははあ。そこはやはり、腕ですねえ……。
大塚 ……。
江野本 そんなに難しいものなんですか?
一瀬 いや、そんなことないよ。僕、目を瞑っててもできますもの。
大塚 そりゃ一瀬さんは、このゲーム作ってる人だから出るでしょが!
江野本 その、出るとか出ないとかの意味がわからないんですけど。
辻本 あのね、大塚さんは出せないんですよ。(腕を叩いて)ココの問題で(笑)。
大塚 問題ってなんですか!!
一瀬 でも、15分かそこらの体験プレイで極めようってのがいけませんよ。
大塚 うん、ですよね。
辻本 『3(トライ)』のスラッシュアックスもそうだったじゃないですか? なかなかコンボを覚えられなかったけど、慣れれば自由につなげることができるというね。それといっしょですよ。
大塚 それは言える!!
一瀬 この15分の体験プレイで新しくなっていることを感じてもらって、発売日以降にそのあたりも極めてもらえればな、と。立ち回りがかなり変わるものがあるのでね。遊び込めると思いますよ。
大塚 ガンランスについて言えば、かなり砲撃が目立つ武器になった気がします。
一瀬 うん、そうですね。今回は砲撃のほうの動きを重点的に盛り込んでいますから。ランスとの差別化をより強くしたかったので。
辻本 ランスは『2nd G』と比べてだいぶ変わっているのでね。ランスとガンランスって比べる部分があるじゃないですか? そうなったとき、じゃあ今回のガンランスはどうするか? って考えた結果、こうなったということですね。
大塚 なるほどねー。
辻本 ……ってこの記事、ガンランスのことだけになるよ(笑)。
大塚 ダメ!! さすがにそりゃマズい!!
一瀬 えー、だって大塚さん、ガンランスしか触っていないんでしょう?
大塚 いやでも、聞くところによると狩猟笛もぜんぜん違うんでしょ?
一瀬 なんでそんなこと知ってるんですか?
大塚 ファミ通に書いてありました。
辻本 あははは!
一瀬 狩猟笛は、いちばん変わったかもしれませんね。
辻本 うん、そうやね。
一瀬 あれは慣れるのに1ヵ月くらいかかるかも。
大塚 あ、そんなに!
一瀬 いままでの狩猟笛もいいところはあるんですけど、今回のは動きながら……というか立ち回りながら笛を吹くということになっているので、かなりアクティブに遊べると思います。以前のように遊ぶこともできますけどね。
大塚 へー! あと双剣も、かなり変わったみたいですね!
辻本 双剣はね、さらに自分に酔えるようになったと思う。
大塚 以前、「双剣はスタイリッシュになった」って言ってましたよね。
一瀬 これまでの双剣って、鬼人化一辺倒のところがあったと思うんです。今回はその鬼人化に新しいシステムである“鬼人強化”というのを加え、そこを切り替えることによる遊びができました。これが、双剣の進化のポイントですね。
辻本 鬼人回避という動きが、めちゃめちゃ気持ちいいんですよ。意図していないときに避けられたりするんです。それがもう……!
大塚 はいはい。意図していないときね。良三さんぽいですね。
辻本 そうそう……って、どういうこっちゃ(笑)。双剣、動いているだけで楽しいですよ。
大塚 「俺ってかっこいい!」って瞬間が多くありそうですねえ。
辻本 そうそう! 「避けられるぜ俺!」っていう。
大塚 各武器ともに、そういう瞬間があるんでしょうね。
一瀬 はい。それはもう、ひととおり何かしらありますね。まあ大塚さんはガンランスしか触っていないうえに、いちばん気持ちのいいフルバーストを出せていないんじゃわからないでしょうけど……。
辻本 まったくや。
大塚 ……。でもね、今回はちょっとだけ感触を確かめられればいいかな、って思っていたんですよ。
辻本 うん、そうですね。……ていうか大塚さん、モンスターの話もしましょうよ(笑)。
▲突っ込んだり、突っ込まれたりしながら、ゆる〜い感じでインタビューは進行した。
大塚 そうだった! モンスターはジンオウガ、アオアシラ、ティガ亜種とやりましたけど、意外だったのがジンオウガ。もっとどっしり構えているモンスターなのかな……と思ったら、かなりアグレッシブに動くんですね!
辻本 うんうん。
一瀬 そうですね。けっこうトリッキーというか、アクロバティックな要素もありますね。その中で力強さをどうやって見せていくか? ってところで考えたんです。単純に山のように動くだけだとゲームとして成立させるのが難しいので、激しく動く中でパワー寄りのエッセンスも盛り込んで。そういう部分で、プレイヤーに恐怖心とかを与えることができますからね。
辻本 それとジンオウガは、帯電ですね。これがいいゲーム性につながっていくと思います。
一瀬 “超帯電状態”って、見ましたか?
大塚 見ました! もう、怖くて近寄れんかった(苦笑)。
江野本 ジンオウガが帯電して動きを止めているとき、アテンドのお姉さんが「攻撃してー!!」って言ってましたけど、あれは近づいて攻撃しちゃっていいんですか?
辻本 あそこは、攻めるか、自分が回復するかのせめぎ合いなんですよ。
一瀬 雷光虫を集めて、雷を溜めているんです。ゲーム的には、いかに超帯電状態にさせないで立ち回るか、ってところがジンオウガにおける楽しみ、遊びになります。
大塚 なるほどー。あと、ティガ亜種で「おお!」と思ったのが、大咆哮をするまえに思いっきり空気を吸い込むモーション。ああいった部分がいちいちかっこよくなっているんですよね。
辻本 そうですね。そこはいつものこだわりです。ティガ亜種は、より狂暴になった……というか、野生的になりましたよ。
大塚 ああ、確かに野生的ですね!
辻本 これまでのティガレックスって、直線的な怖さだったでしょう? 今回のは“暴れている”怖さ。
大塚 速いですもん、怒ったときの動きが!
一瀬 そうですね。あと、通常種と比べてさらに吠えるモンスターになりましたね。そういう部分で、より“轟竜”の名にふさわしいモンスターになりました。
辻本 亜種を見てからだと、ノーマルのティガがスマートに思えますもん(笑)。いままでティガレックスに対してそんな印象を受けたことないのに。
大塚 ティガ亜種を導入してくれたこと自体に、僕らは喜んでいますよ。
辻本 『3rd』を立ち上げたときから、ティガレックス亜種の導入は決めていましたから。
大塚 へぇえええ!
一瀬 期待度も高かったですしね。
大塚 色は、黒にするって決めていたんですか?
一瀬 それはもう、強く見える象徴的な色は黒だろうってことで、決めていました。
大塚 そうなんだー! でも、まだまだ発表されていないモンスターもたくさんいるでしょうし、楽しみですねえ。
辻本 そうですね。新しいPVにこっそり出ているモンスターもいますしね。
大塚 え! 新しいPV流れてるんですか!?
辻本 ちょっとぉ。流れてますよー!
一瀬 何を言っちゃってるんですか。それを見てから出直してくださいよ。
辻本 でも、それを見て質問されたところで、それらのモンスターについては何も答えられないけど(笑)。
大塚 えええええ!
一瀬 いやいや、いま聞いていただけていたら、新しいモンスターについてもバンバンしゃべったのに。
大塚 ウソばっか!!
辻本 そのPVと、これからステージで行う発表の様子を見てから、改めてインタビューしてくださいよ。話せることがグッと増えますので。
一瀬 発売日も言えますからねえ。
大塚・江野本 それはもう知ってます!
というわけで15分ほどの立ち話でしたが、いつもの調子でいろいろと聞かせていただきました。インタビュー中にもありますが、このあとカプコンのステージイベントで『3rd』がらみの新情報が多数発表になります。それを受けて辻本良三プロデューサーに行ったインタビューについては、またのちほどアップさせてもらいます!
【MH】番外編 ご来場、ありがとうございました!
東京ゲームショウ2010のファミ通ブースで行った『本日もトッテオキ! 逆鱗日和』のトーク&即売会(なのか?)に来てくれた皆様方、本当にありがとうございました! わざわざ北海道や青森といった遠方からこの催しのためだけに来てくれた方もいらして(マジです!)、ホント、感激するやら申し訳ないやらで気持ちがアチコチに飛び散っております。
“大塚角満のトッテオキ!(でもない)話”と銘打ったこの催し、ゲームショウの一般デーとなった9月18日、19日の両日に開催させていただいたのですが、ビックリするくらいたくさんの人に来ていただきました(次長課長の井上さんも驚いておりましたw)。おかげさまで、ファミ通ブース、カプコン物販ブースに置かせてもらった『トッテオキ!』は完売御礼! 相当な数を用意しておいたのですが、ゲームショウ閉幕を待たずに早々に売り切れてしまいました。買えなかった皆さん、ホントにごめんなさい……。書店でも品切れになっているところが多いようなのですが、ぜひぜひ根気よく探してみてください。それに見合うおもしろさは保障しますのでっ!!
催しの様子や舞台裏なんかをどこかで書けたらなと思いますが、取り急ぎご報告とお礼まで。
本当に、ありがとうございましたー!
▲こんなにもたくさんの人が! 聞くところによると、300人くらい来てくれたそうです。なんてありがたいんでしょう! でも見せられたものは、俺がモンスターにやられてオチまくる姿だったんだけど……(苦笑)。
※追伸:ゲームショウ会場で行った『3rd』の辻本良三プロデューサー、一瀬泰範ディレクターへのインタビューの様子を近いうちに掲載するので、お見逃しなく!
お知らせです!
9月16日〜19日に開催される東京ゲームショウ2010(16、17日はビジネスデイ)において、拙著『本日もトッテオキ! 逆鱗日和』に関するいくつかの企画が実行されることは、このブログの読者の皆様でしたらご存知かと思います。この詳細がいよいよ明らかになったので(って自分で言うのもヘンな話だが)、ドドンと発表しちゃいましょう。
まず先日もお知らせしましたが、『トッテオキ!』をご購入いただいてファミ通ブースに現物を持ってきてくれた方には“大塚角満特製ステッカー”をプレゼントいたします。そのブツが完成しましたので、写真をお見せしましょー。
これですw 皆さんのPSPに貼ってもらおうと思ってこの大きさにしてみました。「ガンランスの普及活動したくねえよ!!」とか言わずに、もらったらぜひ貼ってくださいねw 『トッテオキ!』はゲームショウ会場のカプコン物販ブース、ファミ通ブースで販売しておりますので、どうぞご利用ください。もちろん、書店で買われたものを持ってきてくれても大丈夫です! ちなみに! ステッカーの配布はビジネスデイ、一般デイともに行っておりますが、一般デイでの配布嬢は江野本ぎずもが担当するとのこと。そして一般デイはシールだけじゃなく、もうひとつオマケをプレゼントしちゃいますよ。『逆鱗日和』ならではのモノを、ね(ニヤリ)。
もうひとつ! 今回のファミ通ブースには『いい電子』でおなじみ、みずしな孝之先生の“しな木屋”が出展されますが、18日、19日の両日ともしな木屋をお借りして“角満のトッテオキ(でもない)話”というゆるーいトークを行います。『トッテオキ!』の裏話やプレイしたばかりの『3rd』の感想を語ったり、『2nd G』のプレイを披露する予定。この開催時間が確定したのでお知らせしておきます!
・9月18日(土)15時〜16時
・9月19日(日)12時〜13時
です。
ぜひぜひファミ通ブースにお越しくださいね。よろしくお願いします!
※スミマセン! 『MHP 2nd G』プレイ日記の回数がまたまた間違えていたことが判明いたしました!! ご指摘くださった読者様、ありがとうございます! 今度こそダイジョブなはず!!
なぜ人はこれほどまでに、卵を運びたくなるのだろうか? そんなことをしているのがバレたら物騒なモンスターに怒られるのに、重いものを持ち続けて翌日には腕がパンパンになるかもしれないのに、私たちは卵を運ぶ。
それも、急いで。
急げば急ぐほど、卵を落としてしまう確率は高くなる。「この高台の段差、あと1段飛ばせたら1秒くらい早くなるかも」と思って1段抜かしを慣行してものの見事に卵を割り、「あと1歩くらいスタミナはもってくれるに違いない!」と踏んでムチャなダッシュを試みてまんまと卵を落っことす。急がず、ゆっくり運搬すれば確実に納品できるとわかっちゃいながら、いざフィールドに降り立つと1秒たりとも無駄にするなとまなじり吊り上げて突っ走ってしまう。
なぜそれほど急ぐのか?
「そこに卵があるからだ」はあまりにも芝居がかった台詞なので安易に使うつもりもないが、「たがために」、「なんのために」と問われたらこう答えるだろう。
「ちょっとでも新鮮な卵を届けるために」
と。
卵は産み落とされた瞬間から鮮度が落ちていく。少しでも新鮮でおいしいものをと思ったら、考えうる最速のルートと方法で持ち去るしかない。トレトレでピカピカの産みたて卵をあの人に届けるために、今日も私は…………
「頭、大丈夫ですか……??www」
俺のPCのモニターを覗くなり、江野本ぎずもはそう言って腹を抱えた。し、失礼な。俺は運搬タイムアタックに込められた意義や価値、それに挑むチャレンジャーの美しさを語ろうと思ってだな……。
「ハイハイ。それはわかったから、結果はどうなったんですか? ずっと卵を運んでいたんでしょう?」
俺は静かにコクンと頷いて、この間の出来事をメモったノートを江野本に見せた。それを見た江野本は「ぎょええええ!!」と大げさにのけ反った。
今回はせっかくなので(なにがだ)、このノートに書かれていることをつまびらかにしたいと思う。基本、タイムの報告が多いけどね。
★大塚角満・卵運びの記録★
・4回目:2分24秒
・5回目:2分24秒
・6回目:2分24秒
・7回目:エリア5で彷徨っているランゴスタに刺される。もち、卵を持っているときで失敗。「なにその、レアなちにざまwww」と江野本。
・8回目:2分23秒
・9回目:2分24秒
・10回目:突破口が開けないので、久しぶりに左回りで挑戦。しかし記録は平凡以下の2分27秒……。だんだんアホらしくなってくる。
・11回目:気を取り直して、再び右回りで。しかしエリア2で段差を降りるときに足を踏み外して落下。卵割れる。心も割れる。
・12回目:11回目と同じ。
・13回目:ベースキャンプからエリア1への高速移動(ベースキャンプからエリア1に切り替わるポイント目がけてジャンプし、着地モーション中にエリア移動になる)に失敗。リタイア。
・14回目:13回目と同じ。
・15回目:2分23秒
16回目。このままじゃ埒があかねえと判断し、新規の戦略を導入することにする。これだけやってりゃ「あれ、怪しくないか……?」と思えるポイントがいくつか出てくるもので、それを利用した立ち回りを実践してみようと思ったわけだ。
ここで俺が注目したのが、7回目で俺をぶっ刺して悶絶させたエリア5のランゴスタである。こいつはかなりの確率でエリア2からエリア5に入った瞬間のハンターに向かってくるという習性(なのか?)を持っている。こいつを利用してやろうと思ったのだ。
では具体的にどうするのか? まずハンターはベースキャンプの支給品ボックスから携帯食料を取り出す。それを持ってエリア5に行き、ランゴの目の前で食べるのだ! その瞬間にランゴがハンターをぶっ刺し、いわゆる“シャキーン”のポーズが途中でキャンセルされたら大成功。タイムロスなくスタミナをアップすることができ、後半の運搬に威力を発揮する……というわけだ。で、この通りにクエストが進行した結果……!
・16回目:2分31秒
意味ねえええええ!! それでも諦めきれずに17回目、18回目も同じことをしてみたが、ランゴが刺してくれねえわ刺しても2分31秒にしかならねえわで、本格的にこの作戦は捨てることにした(苦笑)。
・19回目:ノーマル作戦に戻して2分23秒
・20回目:卵を持って段差から飛び降り、足を踏み外してコレを割る。リタ。
そして21回目。ほとんどの作戦が成功する。その結果……!
・21回目:2分22秒!!!!!
「デターーーーーッ!! さいたまタイ記録っっっ!!!」
ついに俺は、江野本ぎずもが持つさいたま市記録に並ぶことができたのである。苦節1時間。やはり努力は報われるのだ。
しかし、2分22秒は単なる通過点にすぎない。なんたってこの先には、“2分16秒”という驚異的な世界記録が控えているのである。
「よーし! まずはさいたま新記録を樹立しよう! そしていつか、世界記録に肉迫する記録を出すのだ!!」
じつはいまだに卵運びは続けていて、その回数は70回に及ぼうとしております……。でもあまりにも長く、くだらないので、とりあえずここでひと区切りということで。続きは、またいつか……。
★『トッテオキ!』の最新情報!★
突然ですが、『本日もトッテオキ! 逆鱗日和』の見本誌が印刷所から届きましたーーーーーっ!!
ぶ、分厚い……。さすが、『逆鱗日和』史上もっとも多いページ数(『角満式モンハン学〜ハンター編〜』と同じ304ページ!)を誇るだけあるわ……。もうすぐ店頭にも並びますので、お楽しみに!
さてさて、『トッテオキ!』の発売に絡めたちょっとした企画を東京ゲームショウ2010ファミ通ブースで展開するかも……ってことをほのめかしてきましたが、このたびようやく、具体的なことを書けるようになりましたのでお知らせします。江野本ぎずもが。
「9月17日発売予定の新刊『本日もトッテオキ! 逆鱗日和』ですが、ゲームショウ会場のカプコン物販ブース、ファミ通ブースでも販売されます!(9月16日から先行販売されています。ビジネスデイだけど……) で、どこで買われたものでもいいので、とにかく『トッテオキ!』の現物を持ってファミ通ブースに来てくれた方には、大塚角満特製ステッカーを配布しちゃいます! デザインは後日公開できると思うのでお楽しみにね! なお、ファミ通ブースでステッカーを配布するのはおいどん、江野本ぎずも嬢でごぜえやす。ヒマなときには大塚角満もフラリと現れると思いますヨ。
なお今回のファミ通ブースには『いい電子』でおなじみ、みずしな孝之先生の“しな木屋”が出展されますが、なんと18日、19日の両日ともしな木屋をお借りして“角満のトッテオキ(でもない)話”というゆるーいトークを行います。『トッテオキ!』の裏話やプレイしたばかりの『3rd』の感想を語ったり、『2nd G』のプレイを披露する予定。時間が決まり次第、お知らせしますネ!」(ぎずも)
前回の続き。
俺と小嶋さんは『2nd G』のタイムアタックコーナーに接近し、係の人にチャレンジャーとしてエントリーしたい旨を申し出た。すると、小嶋さんが『モンハン』の開発者のひとりであることを知っているスタッフが数人、喜色満面で我々を囃し立てた。
「これはすごい! トップを持っていく気ですね!」
「記録を塗り替えられるのは決まりでしょう!!」
いやあの……。本気で期待してそういうこと言われると逃げ出したくなるんですが……(苦笑)。俺と小嶋さんは周囲の期待をよそに「むむむ、無理ムリ! いい記録なんて絶対無理だから!」、「俺ら、通りすがりのおじさんみたいなものですから! 期待しないでええ!!」と腰が抜けたイャンクックのようなことを言い、それでも「もしかしたらトップに肉迫することもあるやもしれん」とかなんとか言いつつ、各チャレンジクエストの記録を見せてもらった。ここで挑戦できるのは、集団演習のババコンガ討伐演習、イャンクック亜種討伐演習、リオレイア討伐演習……と、あとなんだっけな(苦笑)。完全プライベートだったのでメモってないや。まあいいか。とにかく複数のタイムアタックに挑戦することができるのです。
そんな記録表に書かれた上位のタイムを見て、俺は腰を抜かすほど驚いてしまったよ。どっかで聞いたことのあるチーム名が上位にズラっと並んでいるのにも驚いたが、ババコンガ討伐演習の1位タイムなんて1分30秒ですよ?(笑) ためしにふたりで挑戦してみればわかると思うが、1分30秒なんてまず出すことはできないと思われる。当然、イャンクック亜種討伐やリオレイア討伐の1位タイムもとんでもないものばかり。俺と小嶋さんは、受付前で呆然と立ち尽くした。
でも勝負というものは、やってみなけりゃわからない。俺と小嶋さんは口々に「やったりましょう!」、「抜かしてやりましょう!」とかなんとか言いながら、それでも若干足を震わせてチャレンジクエスト用の席に着いた。さ、さあタイムアタックだ!
俺たちは勝負の種目に“ババコンガ討伐演習”を選んだ。速いタイムを目指すうえでの戦略がしっかりと確立されていることと、何より俺がやり慣れていることに着目しての種目選定である。でも挑戦1回目はゴチャゴチャと言うことなく、まずは肩慣らしでテキトーに狩ってこよう、ということにした。いわゆる“アイドリングクエスト”である。武器はお互い大剣を選択。結果は……。
3分37秒
ナルホドナルホド。まあ戦略もなくドタバタと暴れていただけでこのタイムは、なかなか幸先いいんじゃないの? 表示されたタイムを見て、小嶋さんが相好を崩した。
「うん、いいですね! つぎはきっちりと戦略を練って臨みましょうよ。とりあえず……控え目に3分30秒をまず切って、2分台、1分台と進みますか!」
俺は拳を握りながら小嶋さんの言葉に応えた。「よっしゃ!! そうしましょそうしましょ!!」。
俺たちが立てた作戦は、言ってみればかなーりオーソドックスなものだ。まず闘技場に入ったら右回りで端まで行ってシビレ罠をゲットし、その足で対角線に走って今度は支給用大タル爆弾を手に入れる。こいつをババコンガの近くで起爆し、その爆風を自分でも浴びて大ダメージを負い、大剣の防具が持っているスキル“火事場力+2”を発動させるのだ。あとは、抜刀からのタメ3狙いで攻撃するのみ。ハマればこれで、1分台も出るはずだ。
ところが。
首尾よくシビレ罠、支給用大タル爆弾を手に入れるところまではミスなく流れるのだが(当たり前か)、そっからがよろしくない。もっともよくないのはふたり揃って大剣のタメ斬りを外しまくるところで(苦笑)、一向にババコンガにダメージを与えられないのだ。攻撃が当たらなければ、タイム短縮のための絶対スキル、火事場力+2も意味がない。しかも泣きっ面に蜂じゃないけど、火事場力発動のために体力を減らしていた小嶋さんが、ババコンガにパコーンと殴られて昇天してしまった。
「ぐはあああ!! やられたあ!!」
絶叫しながらのけ反る小嶋さん。その瞬間、俺たちの近くにいた人が「あそこ、楽しそうだねー」と話している声が聞こえた。まあ楽しい以前に、必死だったんだけどナ。けっきょくこの2回目は小嶋さんがオチたことも影響してか、
4分46秒
という惨憺たる結果に……。でも、こういった事故はタイムアタックにはつきものだ。気にすんな気にすんな! 俺たちは間髪入れずにババコンガ討伐演習を受注して再度、闘技場の人となった。武器や戦略は2回目といっしょである。
この回も、シビレ罠と支給用大タル爆弾を取るところまでは順調だった。しかし早々にババコンガに見つかってしまって、なかなか爆弾を置くことができない。早く火事場力を発動させないと、タイムに影響が出る……。俺がそんなことを考えていたら小嶋さんが素早くシビレ罠を設置し、ババコンガをハメたではないか! 小嶋さんの絶叫がタイムアタックコーナーに響き渡る。
「よし! 爆弾いきます! これで火事場発動だああ!!」
自分で設置した支給用大タル爆弾に、愛と悲しみのローキックをお見舞いする小嶋さんの分身。闘技場に、巨大な火柱と轟音が発生する。しかしその瞬間、画面に意外すぎるメッセージが表示された。
「小嶋が力尽きました」
…………。
「ぐはあああ!! オチた!! な、なんで!!?」
こっちが聞きたいわ(笑)。
けっきょくこの昇天劇が影響してか、またまたタイムは4分20秒台……。テキトーにやった1回目にすら遠く及ばないという、目を覆いたくなる記録を樹立してしまう。すると小嶋さんがハアハアと肩で息をしながら、意外な提案を俺にしてきた。
「大塚さん、このままじゃ埒があきません。いよいよ伝家の宝刀を抜くときがきたんじゃないですか?」
俺は目を見開いた。
「それは……俺にガンランスを持てと?」
コクンとうなずいて、小嶋さんは続ける。
「そおです! やはり手に馴染んだ武器がいちばんですよ。もしかしたらそれで、一気にタイムが縮まるかもしれないじゃないですか!」
なるほど……。確かにそれは一理ある。実際、俺はいち時期相棒の江野本ぎずもとガンランス×狩猟笛の組み合わせで、ババコンガ討伐演習を詰めていたことがあるのだ。俺はフンッと鼻から息を吐き出しながら小嶋さんに言った。
「よっしゃ! やったりましょう! 俺は自慢じゃないけど、ガンランスでのババコタイムアタックでは日本で5指に入るくらい回数をこなした人間ですよ(んなことはない)。目にモノを見せてやりましょうや!」
というわけで改めて、大剣×ガンランスのコンビによるタイムアタックが始まった。と言っても、作戦の基本は変わらない。シビレ罠、支給用大タル爆弾をふたりで採取し、小嶋さんは爆弾の爆風で火事場力を発動させて立ち回る。俺はひたすら、ガンランスで突っつくのみ。いたってシンプルだ。
闘技場に飛び込んだ俺たちは、順調にシビレ罠と支給用大タル爆弾をゲットした。しばらく、そのまま闇雲に攻撃をくわえる。お互いの体力がジリジリと削れてゆく、緊迫感に満ちたガチンコ勝負。その一瞬の隙を突いて、小嶋さんがシビレ罠と支給用大タル爆弾をババコンガの脚元に設置した。小嶋さんが叫ぶ。
「よし! ババコがハマった! 大塚さん、起爆をお願いします!!」
小嶋さんの依頼に応えるため、慌てて爆弾の近くに駆け寄る俺。そしてシビレ罠の効果が消えてしまうことを恐れて、場所をよく確認しないまま竜撃砲の態勢になる。
「よ、よし! 竜撃砲、いきまーーーっす!!」
俺は絶叫しながら、R1+△+○ボタンをギュッと押した。しかしあろうことか、巨大な支給用大タル爆弾は構えたガンランスにくっつくくらいの目の前に……。
「あ……。そこ、近……」と小嶋さん。
「う……。やば……」と俺。
しかし竜撃砲の小さな種火は、生まれたばかりの恋心のように急激に膨れ上がり、狂暴な火焔となって支給用大タル爆弾を包み込んだ。そして。
ボボボボボボボンッッッ!!!
「角満が力尽きました」
………………。
「わああああああ!!! ち、ちんだっ!!!」
俺の壮絶な爆死が影響し、なんとこの回のタイムは5分33秒(苦笑)。どうなってんだいったい。
そのあと、3、4回ほど大剣×ガンランスのコンビでババコンガに挑んでみたが、4分を切ることすらできない。「とりあえず3分30秒を切って、最終的には1分台を出そう」なんて言って浮かれていた20分まえの自分たちを、砂浜に埋めてやりたくなった。
「大塚さん、ぼちぼちいい時間ですよ。最後に1回だけ、ガチでタイムを狙いましょうよ」
と小嶋さんが言った。ずっとガチでタイムを狙っていたくせに、それを全否定するようなことをサラリと言えてしまうあたりがオトナのズルイところである。小嶋さんの言葉を受けて、俺はこう応えた。
「ですね。本気でやりましょうか。どうも俺、ガンランス向いてないみたいなんで大剣に持ち替えますよ」
そして最終決戦。作戦だけは初志貫徹で、シビレ罠+支給用大タル爆弾+火事場力のトロイカ体制(なんだそりゃ)である。これが最後なんだ。どうにかうまくハマってくれえええ!!
願いが通じたのか、俺と小嶋さんはじつに華麗に立ち回った。ふたりとも火事場力の発動に成功し、巧みにババコンガの攻撃を避けながら攻撃をくわえてゆく。いいぞ……。このままいけば1分台は無理でも3分は余裕で切れるはず!! 激しくボタンを押しながら小嶋さんが叫んだ。
「いけますよ大塚さん!! 最後の最後で目的達成!!」
俺も小嶋さんの熱いシャウトに応えた。
「おおおしっ!! やっぱ俺たちは本番に強いんすよ!!」
ところが。
あと一撃をぶちかませば確実にババコンガは斃れる……ってくらいの終盤に、なんと小嶋さんがオナラをくらって昇天してしまったではないか! 小嶋さんの泣き声がナンジャタウンに響き渡る。
「わあああああ!!! オ、オナラでオチたああぁぁあ!!」
笑撃の報に、俺は仰天して叫んだ。「ぎゃはははは!!! ハ、ハラいてえ!!!」。
しかし、笑っている場合などではなかった。なんと小嶋さんがオチた5秒後に俺もババコンガのラリアットをくらい、壮絶に轟沈してしまったのだ(苦笑)。
「ぎゃああああ!!! ち、ちんだ!! こ、小嶋さん、はやくはやく!!」
ネコタクで運ばれる俺を横目に、大慌てで闘技場に飛び込んだ小嶋さんの分身。しかしこういうときに限ってババコンガは闘技場のいちばん遠い場所であぐらをかいて、腹をボリボリとかきむしっている。
「バ、ババコンガ、遠っ!!!」
泣きながら駆け寄った小嶋さんが抜刀斬りをお見舞いすると、なんとホントにその一発でババコンガは昇天……。俺たちはただただ無言で、10秒ほど見つめ合った。
こうした終盤の度重なる失態のせいで、最終タイムは4分1秒……。テキトーにやった1回目のタイムを更新することすらできず、俺たちは身を隠すようにコソコソとタイムアタックコーナーを後にしたのだった……。
※後日談
「あのときのこと、ブログに書きますよ」と小嶋さんに告げたところ、以下のようなコメントが。
「これだけは言わせてください! 最近ずっと、アイルーに命令する探検クエストしかしてなかったから感覚がわからなくなっていたんです! ちくしょー! いつかリベンジしたいです……」
はいはいw
★『トッテオキ!』の最新情報!★
ようやく編集作業も完了し、あとは発売を待つばかりになった拙著『本日もトッテオキ! 逆鱗日和』。改めまして、カバーはこちら!
さて、東京ゲームショウ2010に『3rd』がプレイアブル出展されることは上記のとおりですが、せっかくこのタイミングで新刊が発売されるんだし、俺らも何かできないかなぁ……と江野本ぎずもと相談した結果、ちょっといくつか仕込むことになりました。まず第一に、東京ゲームショウに展開されるファミ通ブースとカプコン様の物販ブースで『トッテオキ!』が販売されることになったのです! ありがたや!! そして『トッテオキ!』を購入してファミ通ブースに来てくれた人にはプレゼントをお渡しすることを画策しております。僕もファミ通ブースにはしょっちゅう遊びにいこうと思っておりますので、見かけたらどうぞよろしくお願いしますね! では、東京ゲームショウでお会いしましょう!
池袋にあるナムコ・ナンジャタウンで“『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』in ナムコ・ナンジャタウン”というイベントが実施中だ。園内のかなり広いエリアがアイルー一色に染まっていて、あちこちで“モンハンメニュー”が食べられたり、オリジナル缶バッジが当たる“肉焼きガラポン”ができたり、リアル集会所で協力プレイやタイムアタックで遊ぶことができたりする。ナンジャタウンはもともと“ナジャヴ”というネコがシンボルになっている施設ということもあってか『ぽかぽかアイルー村』との相性は抜群によく、アイルー関連施設がまったく違和感なく園内の雰囲気に溶け込んでいるのが見もののひとつだったりする。
そんな“『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』in ナムコ・ナンジャタウン”に、取材ではなくプライベートで遊びに行ってきた。『ぽかぽかアイルー村』のアシスタントプロデューサーである小嶋慎太郎さんから「いっしょに行きません?」と連絡をもらい、この週末にオトコふたりで、カップルやファミリー層で賑わうナンジャタウンにくり出したのである。
で、9月4日の午後1時すぎに現場に行ってみたわけだが……これが想像以上の大賑わい! 肉焼きガラポンには行列ができてるわ『モンハン』グッズが売られている物販コーナーはファンで飽和状態だわPSPを持った人々でリアル集会所は埋め尽くされているわで、改めて『モンハン』人気の凄まじさを実感してしまった次第である。
そんなコラボゾーンを小嶋さんの案内で見て回り(なんて贅沢)、空いた席を見つけてアレやコレやと『モンハン』がらみのことを話していると、ナンジャタウンの担当の方が園内で販売されているモンハンメニューをつぎつぎと持ってきてくれたではないか! 「せっかくなので、いろいろ食べてみてください」と小嶋さん。ちょうど昼時で腹も減っていたので、俺は「じゃあ遠慮なく!」と言ってホントに何の遠慮もせずに、バクバクムシャムシャと以下のようなメニューを平らげてくれた。
お世辞抜きで、どのメニューも心からおいしかったです。もうちょっと俺が若く、胃で噛むようにいくらでも食えた時代だったら、アイルーMONブラン、伸び〜るフルフルアイス、G級大タル爆弾餃子あたりは撃破しておきたかったなぁ。
俺たちふたりは再び、園内を見回るために立ち上がった。そしてもっとも“モンハン熱”が高そうなリアル集会所に忍び込み、人々がゲームに興じる姿をしげしげと眺める。驚いたことにそこにいる人の6割くらいは女性ハンターで、半数は『ぽかぽかアイルー村』を、半数は『2nd G』の協力プレイに興じているではないか。ナンジャタウンは女性に人気のアミューズメント施設……ということも関係しているのだろうが、女性やファミリー層への広がりを目指して生み出された『アイルー村』のパワーが多分に影響しているのは間違いなさそうだ。
「しっかりと女性やファミリーに訴求できてるじゃないですか、『アイルー村』は」
と俺。『アイルー村』は販売店が入荷数を見誤るほどブレイクしており、現在も全国的に品不足になっている(5日の日曜日にさいたま市の販売店を見て回ったけど、軒並み品切れだった)。
「ホント、欲しくても手に入れられない人には申し訳ない気持ちでいっぱいなんですが……。でも、こういった光景を見たり、たくさんの人が買ってくれているという話を聞くと、やっぱりホッとしますね……」
小嶋さんはそう言って、安堵の笑みを浮かべた。近年のゲーム業界でもっとも“化けた”怪物ソフト『モンスターハンター』初のスピンオフ作品を作るプレッシャーは、やはり並々ならぬものがあったのだろう。そんなソフトの中枢にいる人物から丸裸の言葉を聞き、俺は静かに「うんうん」と頷いた。
それにしても、これだけ多くの人が楽しそうに協力プレイやタイムアタックに興じている姿を見てしまって、血が騒がないハンターがいるであろうか? いや決していやしない。俺は見えない場所にある“イケないスイッチ”がポチリと押されたのを確かに感じながら、小嶋さんに向かって猫なで声を出した。
「ねぇねぇ、小嶋さぁん」
すると小嶋さんは、キラキラと目を輝かせるヒゲメガネのおっさんを見た瞬間にすべてを察したらしく、「みなまで言うな」とばかりに軽く右手を上げ、俺が言ってほしかった台詞を発してくれた。
「大塚さん、いっちょ我々もタイムアタックに名乗りをあげてやろうじゃないですか。オトナの貫禄を見せてやりましょうよ!」
おおおおっ!! さすがハンター!! さすがモンハン4人衆がひとり!! そっすよね!! ハンターたるもの、この場の空気に触れて何もしないってわけにいかないっすよね!!
というわけで、世界一のガンランサー(笑)×『モンハン』シリーズアシスタントプロデューサーという、即席コンビによる挑戦が始まった。
……引っ張るような話じゃないんだけど、次回に続く(笑)。
すでにニュースをご覧になっているかと思うが、ついに! 『モンスターハンターポータブル 3rd』の発売日が発表された。でも、まだニュースを見ていない人もいるかと思うので、改めてここで、大々的に報じてしまおう。
『モンスターハンターポータブル 3rd』、2010年12月1日発売!
『モンスターハンターポータブル 3rd』、2010年12月1日発売っ!!
『モンスターハンターポータブル 3rd』、2010年12月1日発売ィィィ!!!
はあはあはあ。3回言ってやったぞ。
それにしても、12月1日か……。これまで“2010年年末発売予定”とされていたものが“12月1日発売”になるなんて、開発チームは考えうる最速を実現してくれたってことだ。いまが9月2日なので、たったの3ヵ月後には『3rd』を手にして遊んでいるってことでしょ? いまだ飽きもせずに『2nd G』で遊ばせてもらっている身としては、なんとも浮世離れした夢物語を聞かされているような気分だわ……。
この12月1日という日付、ピンときた人もいるかと思うが、じつは初代『モンスターハンターポータブル』が発売された日だったりする。5年前の2005年12月1日に、『モンハン』の新たな地平を切り拓くことになる『ポータブル』シリーズの第1作目が産声を上げたのだ。
初代『モンスターハンターポータブル』はいまでこそ余裕でミリオンを突破している大ヒットソフトだが、発売初週はじつは、11万8317本しか売れていない(ファミ通調べ)。約12万本も売れているのに“しか”ってのもおかしな話だが、『2nd G』が約400万本も売れている現状を見ると隔世の感すら覚える数字である。
振り返ってみると、5年前の俺はロンリーなソロハンターだった。まわりで『ポータブル』を遊んでいる人がほとんどいなかったので、編集部の片隅で黙々とクックやゲリョスを追い回していたのである(ほんのちょっとだけ河合リエと遊んだ記憶はある)。熱心に遊んでいる遠方のネット友だちもいるにはいたが当時はアドホック・パーティーなんていうステキなシステムはなかったし(つーか、プレイステーション3が発売されてなかった)、江野本ぎずもはモンハンのモの字も知らないような時代だったので(言いすぎ)、協力プレイで楽しむ環境を構築できなかったのである。
そんな中で唯一、たまに飲みにいく仲間が“狂”がつくくらい熱心な『モンハン』ファンで、『ポータブル』といっしょにPSPも購入してくれた。幸いゲームの進行度も同じくらいだったので、俺たちはたまに会うとここぞとばかりに“灼熱の双璧”(グラビモス亜種2頭討伐)とか“熱風と落雷”(G級キリン2頭討伐)とかとか、ひとりじゃ辛すぎるクエストを受注しまくって、どうにかこうにか前に進んだのである。そして苦労してすべての要素をやり尽くしたころにプレイステーション2版の『2(ドス)』が発売され、これを遊び尽くしたタイミングで『2nd』が発売になり、気がついたら『モンハン』は“国民的”の冠つきで呼ばれるほどの一大フランチャイズに成長していたのである。
『モンハン』というシリーズが一足飛びに飛躍(……変換1発目に“秘薬”と出た俺はさすがハンター)した最大のきっかけは、まぎれもなく『ポータブル』シリーズだ。顔を付き合わせて同じ目標に向かって突き進む“協力プレイ”というゲームのライフスタイルを提唱し、その楽しさ、心地よさを全国のゲームファンに植えつけた。この功績は、あまりにも大きい。PSPを“戦えるハード”にしたのも、間違いなく『ポータブル』シリーズであろう。キラーソフトと呼ばれるゲームは数あれど、本当にゲーム業界全体に影響を及ぼすほどのパワーを秘めたタイトルはひと握りしかない。『モンハン』はもちろん、とびっきりのキラーソフトだ。
そんなシリーズの最新作が、12月1日に店頭に並ぶ。こいつはもう、ニュースとか朗報なんていうやさしい言葉で済まされる話ではない。“事件”だ。2010年年末にやってくる“約束された事件”である。
さて、今回の一報では発売日と価格が明記されているが、そのすぐ後に発信されたカプコンの東京ゲームショウ2010出展タイトルリストにさらなる驚きが記されている。『3rd』がカプコンブースにプレイアブルな状態で出展される……というのは多くの人が予想していただろうが、なんとそこに、驚くべきモンスターの情報がペロッとさりげなく(?)書かれているではないかっ!! そう……!
黒轟竜・ティガレックス亜種
デターーーーーッ!!! 満を持して、『2nd』の象徴であり“恐怖”の代名詞的モンスター、ティガレックスの亜種がついに登場しちゃうのだっ!! 「ティガ亜種、『2nd G』で出るのでは?」なんて噂されたこともいまは昔。『ポータブル』シリーズの開発チームは、類稀なるティガレックスという存在を大事に大事に温め続け、ついにこの『3rd』のタイミングで“亜種”の導入に踏み切ったのだ。こいつはもう、ニュースとか朗報とかいう世界ではない。事変だ事変!! いやあ、とんでもないことになってきたぞ……。
ベールを脱ぎつつある『モンスターハンターポータブル 3rd』。発売までの残り3ヵ月、このドキドキとワクワクが続くとなると心臓がもう2、3個必要になるかもしれない。あーもう、仕事が手につかない……。
★『トッテオキ!』の最新情報!★
ようやく編集作業も完了し、あとは発売を待つばかりになった拙著『本日もトッテオキ! 逆鱗日和』。改めまして、カバーはこちら!
さて、東京ゲームショウ2010に『3rd』がプレイアブル出展されることは上記のとおりですが、せっかくこのタイミングで新刊が発売されるんだし、俺らも何かできないかなぁ……と江野本ぎずもと相談した結果、ちょっといくつか仕込むことになりました。まず第一に、東京ゲームショウに展開されるファミ通ブースとカプコン様の物販ブースで『トッテオキ!』が販売されることになったのです! ありがたや!! そして『トッテオキ!』を購入してファミ通ブースに来てくれた人にはプレゼントをお渡しすることを画策しております。僕もファミ通ブースにはしょっちゅう遊びにいこうと思っておりますので、見かけたらどうぞよろしくお願いしますね! では、東京ゲームショウでお会いしましょう!
大塚角満

週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
最近のエントリー
- 【MHP 2nd G】第195回 太刀、始めました。
- 【MHP 3rd】番外編 『3rd』について聞いてみた!(その2)
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