大塚角満の ゲームを“読む!”

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【MHP 2nd G】第191回 武神の名のもとに、究極(その3)

 コソコソ……。

 オヒサシブリデス……。オオツカカドマンデス……。トリアエズ、イキテマス……。

 丸々1ヵ月近くここを放置しててすみません……。

 この間、じつにいろいろなことがあって、砕けた文章を書くモードにどうしても切り替わらなかったのです……。

 こういうことって、ありませんか?

 たとえば、「健康のためにジョギングを始めよう」と意気込んで発汗作用バツグンと喧伝されるサウナスーツ25000円ナリとジョギングシューズをウキウキしながら購入し、走ってみました2日間。言われてみると確かにこのサウナスーツの発汗効果はすさまじく、「これなら相当痩せるに違いない!」と目をキラキラと輝かせた38歳の春の朝。しかし3日目の朝に突如、「今日は取材があるから身体を酷使してはいかん。ジョギングは1日休もう」となり、翌日は若干曇りがちな空を見上げて「いまから豪雨になるかもしれん。ジョギングは明日にしよう」と2日連続でジョギングを休む。そうなると坂を転がるボウリング玉のようにサボりモードに加速がつき、「いま道路に出たらクルマに轢かれる予感がする」、「イヌのウンコを踏むに違いない」、「走り出したとたんに右足を脱臼するビジョンが見えた」、「尿酸値が高めだからヒザに負担をかけたくない」とかなんとかテキトー極まる言い訳を見つけて、けっきょく新品のサウナスーツとジョギングスーツは2回使っただけで洋服箪笥と下駄箱の奥にぶち込まれてしまうのであった……。

 ……えーっと、なんで俺はこの春に起こった“ジョギング三日坊主事件”の真相を赤裸々に告白しておるのだ? ブログを更新できなかった理由と、最終的にまったく関係なくなってるし(苦笑)。まあいいや。

 更新できなかった暗い理由を書き始めると『逆鱗日和』のページ数にして20ページ以上あっても足らなくなると思われるので、もういっそやめることにします。だいたい、読者の皆さんが読んでもおもしろい話じゃないしなー。……その代わりと言っちゃナンですが、棚上げされたままになっていた前回の続きを書いてみたい。そう、ガンランスソロでの武神闘宴チャレンジである。

「なんか、1発でクリアーできる気がするわ」

 そう江野本に豪語して、意気揚々と闘技場にやってきた我が分身。手には攻撃力と斬れ味にすぐれたガンランス、デゼルトスリンガーを握っている。最初の相手は、黒き密林の暗殺者ことナルガクルガ。武神闘宴に出てくる5頭のモンスターの中では、俺的にもっとも御しやすい相手である。

 闘技場に入ってすぐ、ナルガクルガがこちらの存在に気がついて頭を下げるのに合わせて、ガンランスの武器出し攻撃をくり出す。こいつがものの見事に脳天に命中。このあたりの華麗な立ち回りは、さすがとしか言いようがない。

 ご挨拶の一撃をお見舞いしてすぐに、闘技場のガンランサーはデゼルトスリンガーを収納した。そしてギュルギュルとアイテムウインドを回転させて閃光玉を選び、ナルガクルガの振り向きに合わせてドヒュン! ピカーン! ピヨピヨ!! 見事、視界を奪うことに成功する。あーん、なんてステキ♪ そしてナルガクルガがバックステップをくり出し、“かまえ”の体勢をするのに合わせて音爆弾を放る。音爆弾の金属音に驚いて横倒しになったナルガクルガ(この姿は意外とカワイイ)の頭部目掛けてガンランスの武器出し攻撃をお見舞いし、間髪入れずに突きを2回。そして砲撃を1発挟んで再び突き2回……というガンランスの黄金パターンで攻めまくる。

「よし! 完璧な立ち上がりだ!」

 俺はPSPを持つ手に力を込めた。

 しかしよかったのはそこまでで(早ええな!!)、俺は次第に“ブランク”という名の高波に飲み込まれていった。競走馬が本番に向けて時間をかけて調教されるように、バイクやクルマが走り出す前にアイドリングが必要なように、真剣勝負に臨むときはたとえゲームと言えども、“肩を温める”時間が必要だったようだ。ましてや俺などもともとウマいわけでもなんでもないので、本番に調子のピークを持っていくために何度か肩慣らしでクエストに行って、PSPを手に馴染ませておく必要があったに違いない。俺はさんざんナルガクルガの攻撃を食らって青色吐息となり、それでもなんとか10分針になったところで(苦笑)シビレ罠を設置。ナルガクルガの捕獲を試みる。しかしこのナルガクルガは、シビレ罠をあざ笑うかのように引っ掛かる直前で横っ飛びしたり、バックステップをくり出したりする。俺、いい加減泣きそうになって「おい!! 早く罠にかかってくれよっ!!」と悲鳴をあげたところで尻尾ビタンの直撃を食らい、一撃で昇天した。

「………………………………」

 チャレンジ1回目で武神闘宴をクリアーしてやろうと意気込んでいたのに、まさか1頭目のナルガクルガでケチがつくとは……。

「ち、ちんだ……」

 俺がマンモスの氷漬けのように固まってしまったのを見て江野本は吹き出しそうになり、俺のほうを見ないままこんなことを言った。

「やっぱり1回目はダメでしたねwwww」

 俺、PSPの電源スイッチを静かにスライドさせながら、消え入るような声で江野本に言った。

「いまの、ノーカンね^^;;;」

 ため息交じりの江野本の声が聞こえる。

「ハイハイ」

 ちっくしょーーーーーーっ!!!

 それから俺は2回、同じ武器、同じ防具で闘技場に飛び込んで武神闘宴にチャレンジし、ことごとくナルガクルガに1オチを食らって失意のままリセット。そこでふと、こんなことを思った。

「これべつに武神闘宴の必要ねえじゃねえか……。ナルガクルガ討伐クエストに行って、遊ばれてるのと同じだ……」

 失意のどん底に沈む世界一のガンランサー(笑)。そんな俺の姿を見て、江野本がこんなことを言った。

「そもそも武神闘宴は、ウチらふたりでも1回しかクリアーしたことないでしょー?」

 言われてみると確かに、俺と江野本の“チーム逆鱗日和”は幾度となくふたりで武神闘宴に挑戦しているが、クリアーできたことはただの1回しかなかった。1年前のいまごろ、ふと思い出して「ひさびさにふたりで武神クリアーしようぜ!」と言って何度かチャレンジしたもののくだらないミスをしてけっきょく轟沈(その模様はこちらに詳しい)。以来、マジメにふたりで挑んでいない。

 そうかそうか、そうだったな……。ふたりでもまともにクリアーできないのに、いきなりガンランスのソロってのはハードルが高すぎたかもしれん……。俺は心改めて、襟を正してから江野本に言った。

「1年前、ふたりでクリアーすることを投げ出してしまった過去を清算したいです。武神闘宴、三度ふたりで挑戦しませんか?」

 俺の言葉を受けて、江野本はデカい目に力を込めた。

「なにい!! 受けて立つ!!

 というわけで急遽、ガンランスソロでの武神闘宴チャレンジと並行して、チーム逆鱗日和による武神闘宴制圧プロジェクトがまたまた動き出した。ホントか? さあて、どうなるやら……。

 次回に続く!

投稿者 大塚角満 : 17:13

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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