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【MH3】第27回 チャナガブル・メモリーズ

 チャナガブルを見るたびに、思うことがある。

 なので今日は予定を少々変更して、昨日のエッセイの続きをすっ飛ばしてゲームとあまり関係のないことを書きたいと思います。「なんだ。プレイ日記じゃねえのか」と思われた方は、ざっと読み飛ばしたほうがいいかもしれません……。

 俺の家の近所に、Uさん(もちろん仮名)というおばちゃんが住んでいる。このおばちゃん、ナゼか俺を不思議なほど目の敵にしていて、会うたびにチクチクと嫌味の速射を浴びせてくる。この攻撃、精神的なダメージが驚くほど甚大で、徹甲榴弾の速射を頭に食らい、たまらず気絶してしまうほどの衝撃を持っている。

 今朝も、そうだった。

 深夜まで仕事をして家に帰り、狩王決定戦用の練習を早朝4時まで行って、布団に入って寝付いたのが朝の5時過ぎ。それでもモゾモゾと9時くらいには起きて出社の準備をし、10時12分くらいには家の玄関を出たのである。俺は寝付きが非常に悪いので、睡眠時間は4時間弱といったところか。まあいつもこんな感じなので、それはどうでもいいんだけどね。問題はここからなのだ。

 家を出て玄関に鍵をかけていると、幅4メートルほどの道路を挟んで建っているUさんの家のドアがガチャリと開いた音がした。その音を聞いて条件反射的に(また来た……)と思う俺。もう振り向くのも面倒だったので、何も入っていないことがわかっている郵便受けをわざとらしくチェックしたりなんかして、「Uさん家のドアが開いたことになど気づかなかった!!」という風を装った。涙ぐましい努力だった。しかし、そんな努力はロアルドロスの首にウィンザーノットでネクタイを結ぼうとするのと同じくらい無駄無駄無駄と言わんばかりの勢いで、Uさんは俺に声をかけてきた。

「あら〜、大塚さん。おはようございます」

 その声に、色気や甘美な響などは1ミリグラムも混入していない。あるのは85パーセントほどの嫌味成分と15パーセントほどの蔑みの調味料だけである。Uさんの口から発せられた調べを聞いて、俺は彼女がつぎに何を言うのかを瞬時に予想した。そして思ったとおりUさんは俺の背中に向かって、向こう10軒くらいには聞こえるくらいの元気な声でこう言ったのだ。

「どこかにお出かけ〜? しかし今日ものんびりと、朝が遅くていいわねぇ〜〜〜( ´,_ゝ`)プププ

 ハイ、一言一句たがわず想像どおりでした。

 なぜUさんがこう発言するのがわかったかと言うと、彼女はほぼ毎日、俺が家から出るのと同時に玄関から飛び出してきて、毎回毎回同じことを言うからだ。しかしこちとら、遊びに行くためにこんな時間に家を出るのではないし、朝が遅いかわりに夜遅くまで働いているのである。さすがに温厚な俺も「むぐぐぐぐ……!」と込み上げてくるものがあったが、今後の隣保班の付き合いを考えると「あああ、遊びに行くわけじゃないですからねっ!! ゆゆゆ夕べだって4時間足らずしか寝てませんからっ!!」とブチ切れて絶叫するわけにもいかぬ。なので俺はいつも、いかにも日本人的なあいまいな笑みを顔に浮かべて、「うごがぁ……」とか「あぐうう……」とかなんとか、聞くほうの感情でどうとでも取れるうめき声を上げるに止まっているのであった。

 あ、なんでチャナガブルでこの話を思い出したのかと言うと、じつはこのUさん、どことなくチャナガブルを想起させる顔の作りをしているのです。これ、悪口とかじゃなく、真ん丸な目と大きな口が特徴の美人って世の中にたくさんいるではないですかあ? もうUさんは60がらみのおばちゃんだが、きっと若いころは目鼻立ちが整った、顔の部品がひとつひとつ大きい美人だったと思うのです。そんなことをフト、チクチクと嫌味を言われながら思ったのでした。

 ついでに、もうひとつ思い出した。

 俺がまだ小学生だったころ、近所の子供連中に“ベラおばさん”と呼ばれていたおばさんがいた。べつに、山崎ベラだとかナンシー・ベラマッチャとかいう名前だったからそう呼ばれていたわけではないよ(……もしかしたらそういう名前だったのかもしれんが、いまとなっては確認のしようがない)。なんでその人がベラおばさんなんて呼ばれていたのかと言うと、単純にアニメ『妖怪人間ベム』に出てきた女性妖怪“ベラ”に顔がよく似ていたからだ。このベラもチャナガブルと同様に大きな口とキリっとした目が特徴で、いかにも白人系の美人をそのまま形にしました的な容貌をしていた。ベラおばさんは子供の目から見ても日本人離れしたクッキリとした顔をしていて、逆にそれが怖く、なかなか近寄りがたい存在だったのである。

 そして、前出のUさんと同様にこのベラおばさんも、じつにじつに口うるさかった。子供の姿を見かけようものならどこの坊ちゃん嬢ちゃんだろうがいっさい構わず追いかけてきて、「遊んでないで家に帰って勉強しなさい!」と一喝していたのである。なので余計に子供たちから恐れられ、その姿を見かけようものなら「ベラおばさんキター!!」と言っては脱兎の如く逃げ出していたのだ。

 これらのことを考えると、Uさん、ベラおばさんによく似たチャナガブルも、非常に口うるさいおばちゃんに見えてくるからおもしろい。ついつい、ガァガァガァ! とデカい口を開けて迫り来るチャナガブルの口から、「ちょっと!! のん気でいいわねアンタ!!」とか、「狩りしてないで勉強しなさい!!」なんて言葉がポンポンと飛び出している姿を想像して、笑ってしまう今日この頃です。

※『角満式モンハン学〜ハンター編〜』の解説を書きました! ぜひ一読を!


投稿者 大塚角満 : 12:52

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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