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【MH3】第25回 モンハンフェスタ`09 東京大会・狩王決定戦編

 お待たせしました。モンハンフェスタ`09東京大会の“ガチ”の部分を超私情含みでお伝えします。本当はこれのまえの記事をアップした直後から作業に入りたかったのですが、この間の寝不足と緊張感から開放された影響からか完全に力尽きてしまいました……。全国350万のタイムアタックフリークの皆様、ゴメンナサイ。


▲全国大会を制した“狩王”には、この狩王ベルトが贈られる!

 さて、とりあえずおさらいから。モンハンフェスタ`09東京大会、狩王決定戦地区予選(クルペッコ討伐)を勝ち抜いて決勝のステージに上がることになったのは以下の8チームだ!

1位 はらペッコ 1分21秒
2位 かりんちゅ 1分29秒
3位 SMART BRAIN 1分37秒
4位 アルテミス 1分42秒
5位 クック捜索隊 1分45秒
6位 arties 1分48秒
7位 NAMAZONE 1分55秒
8位 のーん 2分02秒
(1チーム棄権のためくり上がり)

 ちょっと……。皆さん速すぎるんですけど! ぶっちゃけて書くと、俺と江野本ぎずものコンビによる同種目の最速タイムは、8月22日の段階で1分45秒だった。これだけ書くと「おお。予選突破ラインにいるじゃん」と読めるが、このタイムはあくまでも一度だけ出せた最速のもので、平均クリアータイムになるともっとずっと遅いのである。そこから考えるに予選を突破した上位チームの面々は、練習時からコンスタントに2分を大幅に切るタイムを叩き出していたと思われる。これ、地区予選がいくつかこなされたあとの大会で出たタイムだったら、まだわかるのだ。最良と思える立ち回りに関する情報が広まり、それを基本に突き詰められることでタイムは自然と洗練されていくからね。でも上記のタイムは、『3(トライ)』が発売されてから3週間ほどしか経っていない中で開催されたモンハンフェスタ`09の最初の会場、東京大会で記録されたもの。しかも、やり直しが効かない一発勝負の舞台で……。今年で3回目となるモンハンフェスタだが、その蓄積もあってかタイムアタッカーたちの裾野と層の厚さは確実に成長しているようだ。

 と書きつつも、予選を突破した8チームを見た俺の感想は「やっぱ強いヤツらは強いなあ!!」というものだった。ざっと紹介すると、3位のSMART BRAINは昨年の東京大会の優勝チームで、2位のかりんちゅは同大会で2位だったチームだ。「おじさんだけどがんばりますよ!(笑)」なんてSMART BRAINのふたりは笑いながら話してくれたが、最激戦区である東京で毎年コンスタントに予選を突破してのけるこの2チームのセンスには「脱帽!」と言わざるを得ない。本当にたいしたものだと思う。そして7位のNAMAZONEは、4月に行った『角満式モンハン学〜モンスター編〜』の発売記念タイムアタック大会で当日予選を勝ち抜いた精鋭だ。タイムアタッカー養成の“虎の穴”、NAMAZONE軍団の代表が、ついにその実力を公の場にさらしたという印象である。そして……!

「予選のクルペッコ、ぜんぜんダメでした……」

 モンハンフェスタ`08準優勝チーム、Effort CristalのGod君(通称・ゴッディ)が苦笑いしながら俺と江野本のもとにやってきた。そしてその横では、同大会名古屋地区代表だった狩魂TのMizunoe君が「考えられないミスをしました。怪力の種と間違えて火消しの実を飲んじゃって(笑)」と言いながら頭をかいている。そんなふたりに向かって、俺は苦笑いを返しながら叫んだ。

「どこがダメじゃ! ミスりながらも予選突破してるくせに! もう、キミらがタッグ組むの反則だから(苦笑)」

 そう……。予選6位の“arties”というチームはなんと、“タイムアタックの絶対神”と呼ばれるゴッディと、“天才”と称されるMizunoe君が組んだチームなのである! あえてたとえるならこのチームは、古い表現でまことに恐縮だが、往年の名レスラー、スタン・ハンセンとアンドレ・ザ・ジャイアントが手を組んだようなもの。ふつうに考えたら、そりゃあ間違いなく強い。ちなみに、彼らの元相棒であるEffort CristalのJack君(通称・ジャッ君)と狩魂Tのたけちよ(通称・たけちー)も、同じく東京地区予選に別のパートナーを率いて参加していた。しかし実力派の彼らをしても、惜しくも決勝の壁に阻まれている。東京地区予選はそれほど、レベルが高かったというわけだ。


▲『3(トライ)』の象徴、ラギアクルスに挑む精鋭たち!

 どっからどう見ても強力なチームが勢ぞろいした東京地区大会の決勝ステージ。相手は『3(トライ)』を象徴するモンスター、“海竜”ことラギアクルスである。舞台は、『3(トライ)』から導入された“水中闘技場”。横軸だけでなく、縦軸の動きも加味しなければならない360度の世界で、この精鋭たちはどんな立ち回りを見せるのだろうか? 解説としてステージに上っていた『3(トライ)』のメインプランナー、木下研人さんは「4分30秒を切ることができたら“すごい!”という世界。でも、開発者の予測を超えた先にある“ミラクル”が見てみたいです」と語っていたが、結果は……! もったいつけたところで速報で結果をアップしてしまっているのでとっとと発表してしまおう。あ、新情報としてそれぞれのチームが使用した武器も明記します。

◆東京地区大会決勝戦 結果◆

1位 arties 3分02秒(太刀、ランス)

2位 NAMAZONE 3分17秒(太刀、太刀)

3位 クック捜索隊 3分36秒(ランス、ランス)

4位 はらペッコ 3分48秒(太刀、太刀)

5位 アルテミス 3分52秒(太刀、スラッシュアックス)

6位 かりんちゅ 4分05秒(太刀、スラッシュアックス)

7位 SMART BRAIN 4分40秒(ランス、ランス)

8位 のーん 7分05秒(太刀、太刀)


▲注目の決勝結果の発表! 優勝タイムは驚異の3分02秒。これでも優勝したチームは「納得のできない立ち回りだった……」とのこと。恐ろしい! ※順位は写真ではなく記事中のものが正しいです。

 これ、当たり前だけどクルペッコ討伐のタイムじゃなくて、水中闘技場でラギアクスルを屠り去ったときの記録ですから(笑)。いったいどうすりゃ、縦横無尽に泳ぎまくるラギアクルスに、3分を切る勢いの攻撃を加えることができるんだ!! 正直、彼らの動きは高度すぎてまともに解説する自信がまるでありません(苦笑)。なので詳細は、近々アップされるであろう動画をご覧になってくださいネ……。

 でもこの決勝ステージ、地区大会のしょっぱなということもあってか、チームごとに選ぶ武器、立ち回りが個性的でじつにおもしろかった。2位になったNAMAZONEのように最初に水中闘技場の底に沈んでいる閃光玉を取りに向かうチームもあれば、優勝したartiesのようにベースキャンプでお互いのアイテムをあれこれと交換した(彼らの操作が速すぎてよくわからなかったが……)チームも。拘束用のシビレ罠を使うタイミングもチームごとにバラバラだったので、本当に独自の詰めをした結果をここで披露しているんだな……ということがよくわかった。

 ひとつ共通していたのは、彼らが集中して攻撃していたのがラギアクルスの背中だったこと。ここと頭を集中的に攻撃することでかなり長いダウンを奪うことができるので、彼らはピタリとラギアクルスの背中付近に張り付いて攻撃をくり返していた。それでもチームごとにタイムに開きが出るのは、運ももちろんあるのだが、細かな部分の段取りと瞬間的な動きに違いがあるからのよう。段取りの部分では1位のartiesのシビレ罠の使いかたが見事で、頭と尻尾側にふたりが分かれ、頭側のシビレ罠に最初にハメたかと思ったらその効果が切れる絶妙なタイミングで尻尾側のハンターがもうひとつのシビレ罠を設置し、まんまとこれにハメていた。そして動きの部分で「おお!」と唸らされたのが2位になったNAMAZONEの太刀での立ち回り。ガードができない太刀でラギアクルスの突進をギリギリまで引き付けてからかわし、攻撃の間合いに入ったところで集中的に斬りつけていたのだ。また、3位のクック捜索隊によるランス・ランスの立ち回りに驚いていたのが藤岡要ディレクター。「ランスは攻撃範囲が狭いうえに1発の攻撃力が低いので、攻撃を外さない立ち回りがタイムアタックに挑むときの大前提。それを、ガード前進などであえてブレスに突っ込んでいくなど熱い立ち回りでデメリットを克服していました。あれには驚いた」と脱帽した様子だった。

 そして表彰式。激戦区東京を勝ち抜いて決勝大会に進む3チームに、辻本良三プロデューサーから表彰状と記念品が授与された。このときの3チームの談話が非常に印象的だったので紹介しよう。

●第3位 クック捜索隊

クック捜索隊・兄 僕らじつは兄弟で、モンハンフェスタに3年間挑戦し続けていたんです。そしてやっと今回、地区大会を突破できました。このまま狩王になっちゃおうかな、って思っています!
クック捜索隊・弟 すごく緊張して途中でミスしてしまったんです。ベストのタイムが出なかったことが悔しいですね(苦笑)。

●第2位 NAMAZONE

Namazo このタイムなら優勝できたかと思ったんですけど……。予想通りの強敵が奪っていっちゃいました(苦笑)。でもここまで来れたのはいっしょに練習してきた仲間たちのおかげです。感謝しています!
Shinya 予選のクルペッコのタイムがヒドく、ダメだと思ったんですけど、7位でステージに進出して準優勝できて、本当によかったです。ともにがんばってきた仲間たち、ありがとうございました!
※お名前、修正させていただきました。NAMAZONEのおふたり、申し訳ありません!

●優勝 arties

God ナマゾネさん(ウサミスがこう読み間違えていた)、優勝ありがとうございました(笑)。タイム的には2分40秒台が出たと思ったんですけど、3分2秒というのがちょっと納得できないです。(練習でのベストタイムは)2分26秒なので……。
Mizunoe こんな場で練習したことが出せてよかったです。……ナマゾネさん、ありがとうございました!


▲東京大会を制したartiesのふたり。下馬評で“最強”と言われたチームが、その実力を存分に発揮した。

 最後に藤岡ディレクターが、モンハンフェスタ`09の最初の大会をつぎのように総括した。

藤岡 僕は『3(トライ)』を作っていたときからモンハンフェスタ`07、`08に出させてもらっていましたが、そのころからいつか『3(トライ)』でもこういうイベントができたらいいな、って思っていたんです。そして今回、初めての試みである水中をユーザーがどう料理してくるのかな、と楽しみにしていました。実際にステージで彼らの立ち回りを見て、戦略もテクニックも、本当に1秒でも速くクリアーするためにいろいろなことをやってくれているというのがわかって、それがすごくうれしかったです。ここに上がっていない人たちも、同じようにそこに向けて時間を割いてくれていたんでしょうね。広い会場にこんなにたくさんの人が来てくれましたし、僕自身、すごく感激しています。

 そして−−。

 大会が終了したあとの舞台裏で、優勝したartiesのふたり、ゴッディ&Mizunoeコンビにインタビューを行った。その模様をお伝えしたい。

大塚 おふたり、緊張とかしていたの?
ゴッディ めっちゃしてましたよ!
大塚 Mizunoe君は、緊張なんてしないんでしょ?w
Mizunoe いやいや、緊張しますって! ふつうに!w
大塚 ホントに? まあえのっちは「ゴッディ、超緊張してますよ!」って言ってたけど。
江野本 うん、角満カップ(前述の『角満式モンハン学〜モンスター編〜』発売記念で行ったタイムアタック大会のこと)のときとは顔つきが違った(ジロリ)。
大塚 角満カップとは、やっぱ違う?w
ゴッディ 違いますね!w
Mizunoe あはははは!
ゴッディ そもそも、人の数が違いすぎますもんw
大塚 まあそりゃそうだw では、ざっと予選から振り返ってほしいんだけど、クルペッコの討伐タイムって、ふたり的にはどうだったの?
Mizunoe 本当に納得いかなかったです……!
ゴッディ 予選落ちしたな……って思いましたからね。
大塚 でも、逆にそこで吹っ切れたんじゃないの? 一時はダメだと思っていながら先に進めて。
ゴッディ そう、それがすごく大きかったんです。
Mizunoe ですね。予選のことはバッサリと切り捨てて決勝に臨めましたもん。
ゴッディ クルペッコで悪い運は使い果たしたから、ラギアはいいはず! って思いました。
大塚 前向きだなあ! じゃあそのラギアクルスはどうだった?
Mizunoe ほぼ、理想の動きができたんじゃないかなと思います。ちょうどいいタイミングで背中ダウンを取ることができて、そこに閃光を合わせたりする立ち回りができましたから。練習どおりの動きだったかなと。
ゴッディ でも後半、攻撃するのが怖くなって8秒くらい僕が静止しちゃったんですよ(苦笑)。動画が公開されればわかります。
大塚 へぇ〜! あれで!? ちなみに武器は、どっちが何を?
Mizunoe 僕がランスで、God君が太刀ですね。
ゴッディ 太刀嫌いを、ここだけは曲げましたw
江野本 だよね! 絶対に逆だと思ってた!
大塚 でもさ、Mizunoe君、1回もダメージ食らってなくなかった?
Mizunoe いや、食らっていたんですけど、いいタイミングでGod君が生命の粉塵を飲んでくれていたんです。
大塚 なるほどー! いやあ、もっと詳しく聞きたいけど、細かい立ち回りについては全部の大会が終わってからかな。フェアになるように。
江野本 ちなみに、ほかのチームの立ち回りを見てどうだった?
Mizunoe いや、すごかったですよ。どのチームも極まってて。
ゴッディ 4分切れれば決勝大会に進出できるかな……って思っていたんですけど、蓋を開けてみたら3分半を切るくらいじゃないと無理でしたからね。驚きました。
大塚 武器の組み合わせは、どう読んでいたの?
Mizunoe 太刀・太刀の組み合わせが多いかな、って思っていたんですけど……。
ゴッディ ですよね。ランス・ランスも驚きましたけど、スラッシュアックスを絡めてくるチームが2チームあったのも意外でした。
大塚 でもこれで、キミらは大阪大会は出ないんだねw
ゴッディ そうなんです! もうゲネポ(モンハンフェスタ`08の優勝チーム)とは全国の決勝で当たりたいと思っていたので、ホッとしました!
Mizunoe うん。……イヤだなぁ、ゲネポ(苦笑)。
ゴッディ あそこは絶対に勝ち上がってくると思います。
大塚 でも激戦区東京を制したことで、自信になったんじゃないの?
ゴッディ そうですね。やっぱり東京で勝ったんですから決勝でもがんばらないと
Mizunoe うん、「やれる!」って思ったよね。
ゴッディ はい。手応えが違います。
大塚 この、反則チームめーw デカいこと言いおってからに!w
Mizunoe あははは!
大塚 でもさ、今回ふたりは初めてチームを組んだわけじゃん? 実際のところ、どうなの?
ゴッディ やっぱりMizunoeさんはすごいですよ。立ち回りについても、僕じゃ思いつかないことを提案してくれるので発見がたくさんありますし。「任せられる!」って感じですね。
Mizunoe お互いに楽してるかもしれませんw
大塚 チームリーダーはどっちになるの?
ゴッディ 対等、というか、同じですね。
Mizunoe でも、やっぱりどちらかというとGod君ですよ。
江野本 まあ、タイプ的にそうなんやろうね。でも、来年もフェスタがあったらまたこのチームで出るの?
ゴッディ 今年だけなんですよ、このチームは。
Mizunoe そう。そういう契約でチームを結成しましたw
大塚 ああ、そうなんだ!!w でもこういう特徴のあるチームが出てくるとおもしろいなあ。全国大会、期待してます!
ゴッディMizunoe はい、がんばります!!

 モンハンフェスタ`09、つぎなる会場は大阪だ。事前情報を総合すると、どうやら東京以上の激戦区になることが予想される。ディフェンディングチャンピオンのもうゲネポも、ここに登場しそう。はたしてどのような激闘が待っているのか? 風雲急を告げる大阪大会は、2009年8月30日だ!


▲決勝大会に進出する面々と開発チームなどで記念撮影!

投稿者 大塚角満 : 16:50

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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