大塚角満の ゲームを“読む!”

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【告知!】『逆鱗日和』新刊にご協力を! あなたのおもしろエピソードを教えて!

 あまりにも突然ですが、お知らせがあります。大塚角満ブログを愛読してくれている皆様、どうか心してお読みください……。

 ……と、わざと思わせぶりな出だしにしてみましたが、『モンハン』を引退するわけでもブログを閉鎖するわけでもありません! むしろその逆!! 「この夏以降、さらにモンハン愛がヒートアップするぜえええ!!!」ってことで、なんと『逆鱗日和』シリーズ最新刊を作ることになりました!!

 で、この最新刊ですが、これまでの『逆鱗日和』シリーズとはちょっと毛色が違います。いままでは僕が実際に体験したエピソードをもとにプレイ日記をしたためてきましたが、なんとこの最新刊では、『モンスターハンター』ユーザーの体験談を広く集め、それをもとに大塚角満が全編書き下ろす……というものを作る予定なのです!!

 というわけでさっそくですが、ハンターの皆さんの体験談、エピソードを大募集します! 投稿していただいたものの中から、僕が「おもしろい!」と思った体験談については、直接お電話、またはメールにて詳しいお話をうかがい、『逆鱗日和』シリーズ最新刊に収録したいと思っております!! たくさんのハンターさんのエピソードを聞きたいので、この投稿のこと、お友だちにも教えちゃってくださいね♪ ではではコチラから、ドシドシ投稿しちゃってください! よろしくお願いします!!

 ……あ、ちなみに最新刊は、2009年夏発売予定です! お楽しみに!

※体験談・エピソードの投稿はこちらから!※

投稿者 大塚角満 : 20:53

【MHG】第17回 森と丘のデッドヒート

 最初は、何事もなかった。

 目の前にあるのは、いつもと変わらぬのどかな森と丘の風景と、気の置けないステキな友だちたちの姿。このまま、清流きらめくエリア11あたりにテントを張り、よろず焼きセットなんかも広げちゃって、釣ったばかりのサシミウオやハリマグロを焼き、山菜(薬草や特産キノコあたりか)もちゃちゃっと料理しちゃって、贅沢なキャンプの夕食に雪崩れ込もうか……。いやあ、いいですわねえ、アウトドアライフ。子供のころ、家の近くの河原に拠点を作り、とっ捕まえてきた魚を焚き火で炙って塩をぶっ掛けてムシャムシャ食ってた山猿のような俺には最高のシチュエーションだなあ^^ しかしサシミウオあたりはうまそうだけど、バクレツアロワナやカクサンデメキンなんかを食った日にはどうなっちゃうのかな? 噛むたびにバチバチボカンと口の中で爆ぜまくって痛いやらうるさいやらでたいへんなことになるのではあるまいか? ……って、ここに書いた333文字は、これから書こうとしている本日のテーマとはまるで関係がないことを、読んでもらったあとではなはだ恐縮ですがご報告させていただきます。

 まあ、最初は平和だったのよ。出向いたクエストは、集会所上位の運搬クエスト“潜入!飛竜の巣”で、メンバーはおなじみ、俺、江野本ぎずも、Effort Cristalのゴッディ、狩魂Tのたけちーの4人。エリア5にある飛竜の卵を3個、ベースキャンプまで運ばなければならない根気と冷静さが必要なクエストだが、この4人で何度も何度も成功させたことがある。なので、それぞれの役割も相談して決めるまでもない。すばやく飛竜の巣(エリア5ね)に駆けていったたけちーが「卵、割りました」と報告すると同時に、俺がエリア1に、江野本がエリア2に、ゴッディがエリア3に入り直して、そこに現れたランポスの群れを狩りにかかる。たけちーはそのまま、新しい卵を1個抱えて、エリア4→エリア3→エリア2……と移動。無事、ひとつめの卵を納品することに成功する。

 その間、エリア3のランポスを瞬時に絶滅させたゴッディは、頻繁に卵運びのルートを飛び回るリオレウスを足止めし、尻尾切断の作業に従事していた。江野本は麻痺属性の片手剣・デスパライズを持っているので、迷わずゴッディのサポートに回る。すぐに、ベースキャンプから駆けつけたたけちーも狩りに加わって、リオレウスと対峙するには十分な戦力が整った。これを見届けた俺は安心してエリア5に侵入し、ホカホカの飛竜の卵を胸に抱える。そしてエリア6の断崖絶壁を下りて(運搬物を持ったままここを下りられることを知らない人、けっこう多いみたい)、エリア2→エリア1と移動。無事に2個目の卵を納品することに成功する。

 ちょうどそのころ、リオレウスを相手にしていた3人から「尻尾斬ったよー」という報告が入った。そして、俺が現場に駆けつけるのを待っていたかのようにリオレウスは「ぐぉぉおお……」と断末魔の悲鳴を上げて昇天。これで、最後の1個を運搬するのを妨げる要素は、何もなくなったと言える。

 最初に動いたのは、ゴッディだった。ひと足先にエリア5に入って飛竜の卵を抱え込み、エリア4→エリア3へと移動しようとする。それを見て俺も卵を持ち上げ、エリア6の断崖絶壁に取り付いて崖を下り始めた。ふたりで運べばどちらかはベースキャンプにたどり着くだろうと、江野本、たけちーのふたりは運び屋の護衛に回る。もう、完璧すぎるチームワーク。失敗する要素は、どこにもない。

 そんな、運搬を担当する俺とゴッディが、エリア2の中央付近でばったりと出会った。もちろん、「よう!」も「久しぶり!」も「重いね!」もない。運搬中は緊張するのだ。チャットをしている余裕などないのである。

 しばらく、肩を並べるように駆け足で前方に移動していたふたりだったが、スタミナが減ったのだろう。ゴッディのキャラがスピードを緩め、歩きモードになった。当然ながら、俺のキャラとのあいだに1馬身(?)ほどの空間ができる。よし、1歩リードしたぞ。しかし俺のキャラもスタミナが無限にあるわけじゃないので、まもなく歩みを緩めるハメとなった。すかさず差を詰めるゴッディのキャラ。またまた俺たちは、肩を並べて歩むこととなった。

 そしてエリア1。競馬で言ったら、第4コーナーを回ったあたりであろうか。同時にエリア1に現れたふたりは、無言のまま脇目も振らずに猛ダッシュ。俺のキャラが前に出れば、瞬時にゴッディのキャラが抜かしにかかる。その逆も然り。抜きつ抜かれつのデッドヒートが、エリア1で展開された。

 「このふたり、いきなり無言で競争始めたww」

 観衆(江野本だが)の声援が、レーサーふたりの背中を押す。最後の坂(ベースキャンプに入る手前あたりねw)を上り、競馬で言ったら、残り1ハロンってところに差し掛かった。ベースキャンプに到達したのも、まったく同時だ。どっちが勝つ? 俺か? ゴッディか!? 俺のスタミナは、すでに真っ赤っか。いつ卵を落としてもおかしくない! 持ちこたえてくれ、俺の身体よ! “タイムアタックの絶対神”と呼ばれる、この男に勝たせてくれええ!!

 そして……。

 本当にハナの差で、俺のキャラが納品ボックスに卵を収めたグラフィックが表示された。か、勝った! ただの卵の運搬だけど、俺が一等賞だああ!

 「ま、負けた……w」

 とゴッディ。やっぱり彼も、俺とレースをしているつもりだったらしい。べつに「競争しようぜ」と取り決めをしたわけじゃないのに、自然発生的にそういう流れになるのが、じつにおもしろかった。

 翌日。

 前日と同じメンバーで、リオレウス捕獲クエストに出向いた。俺たちのやりかたでは、まず最初にエリア6に行って、リオレウスと小競り合いすることになっている。エリア6に行くルートは当然、エリア1→エリア2→エリア6。この、エリア2からエリア6に向かう道は高台にあるが、短いツタを上ると早く移動することができる。

 このとき、俺とゴッディはまったく同時にツタに取り付いた。

 上る速度も、完全に同じ。このままいけば、間違いなく同着になるだろう。ところが!

 ヒュン!

 と青い影が視界に現れ、ゴッディのキャラにぶつかったではないか! その勢いで、高台にスタッ! と立つゴッディのキャラ……。彼は、ツタに取り付いたまま呆然とする俺に向かって、つぎのような言葉を吐いた。

 「ランポスがぶつかって残り数歩がキャンセルされましたww 僕の勝ちですね!!www

 俺は一瞬絶句したあと、なんとか肺に空気を貯めて腹の底から絶叫した。

 「きき、きったねー!! っていうか、いつから競争になってたんだよーーー!!!」

 そんな、どっちもどっちな大人気ないやり取りを見ていた江野本はひと言、

 「……子供かww」

 と言って呆れ果てるのであった。

投稿者 大塚角満 : 16:23

【MHG】第16回 ピッケルは今日も壊れる

 ゲームを始めて間もないルーキーハンターは、ひたすらお金(ゼニー)に悩まされる。『モンハン』世界も現実世界のそれと同じように世知辛く、何をやるにもお金がかかるのだ。武器、防具を作るときはもちろん、クエストを受注するときも基本的にお金を徴収されるし、ミナガルデではちょっとでも効果の高い食事をしようと思ったら、それなりのお金を払って宿屋のいい部屋に入る必要がある。どれもまとまったお金が必要で、序盤の序盤ではどんなに腕の立つハンターでもサイフの中身を眺めながら「むむむむ……」と脂汗を流すことになるのだ。

 しかしここに挙げたいくつかの例よりも、さらにイヤらしくハンターのサイフを小突き回すボディーブローのような“金食い虫”がいる。それが数々の“消耗品”たちだ。

 極端な発言だが、ゲームの序盤では“狩り”をすることよりも“採集”することにハンターの作業の力点は置かれていると言える。鉱石や虫、役に立ちそうな魚などを集め、武具の強化に備えたり、今後のハンティング生活の礎を築かなければならない。備えあれば憂いナシ。新米ハンターたちは猛り狂うイャンクックやリオレウスに追い回されながらも、1個のマカライト鉱石、1匹の光蟲のために日夜ピッケルや虫あみを振るうのである。

 しかし当然のように、ピッケルや虫あみを手に入れるにはお金がかかる。しかも、なにげに安くない。とくに、使用頻度の高いピッケルは「おばちゃん! 足元見ないでよ!!」と叫びたくなるくらい絶妙な値段設定がなされていて、ノーマルのピッケルが1本160ゼニー、セレブのアイテム・ピッケルグレートに至っては1本240ゼニーもする。お金のない時代にピッケルグレートになんて手を出せるわけがないから、新米ハンターは清水の舞台から飛び降りたつもりになって4本のピッケル(4本が持てる限界だからね)を640ゼニーもの大金を叩いて購入するわけだ! そして喜び勇んで火山あたりに出向き、“宝の山”と言われるエリア8でピッケルを振り回すのである。でもここで、悲劇は起こる。

 「あの!! ピッケルを4回振って、3本も壊れちゃったんですけど!!」

 火山最深部に、江野本ぎずもの絶叫が轟いた。こやつは鉱石採掘にくるたびに、まったく同じことをくり返し言っているのだ。日によってテンションは違うが、「ええ……? ピッケル、2回振って2本壊れた……」、「4本壊れたのにマカライトは1個も出ない……」、「3回振って、5本壊れた」と、最後のはあまりにも壊れるピッケルが見せた白昼夢というかドサクサ紛れのただの虚言だが、とにかく江野本はやたらと、ピッケルを壊してばかりいる。でも、どちらかと言うと「ピッケル、めったに壊れないよ」とするハンターのほうが多そうなので、江野本はもともと、ピッケル運が極端に悪いハンターと言えそうだ。

 しかしこうやって冷静に書いてはいるが、じつは俺もピッケル運はよくない。江野本ほどじゃないにしろ、ピッケルを4本費やしながら出てきたのは円盤石2個と石ころ4個……なんていう悲惨な結果はザラだ。

 「究極の宇宙合金でできた“ピッケルアルティメット”なんてものがどこかにないかねえ……」

 などという妄想を膨らませたりもするが、当然ながらそんなものは存在しない。なので俺はピッケルが壊れるたびに道具屋で購入して補充するわけだが、さすがに毎回のようにコレが続くと、ピッケル代を支払うのが惜しくなってくる。そこで俺は気がついた。「そうだ! 調合してピッケルを作ればいいんだ!!」ってことに。

 さっそくアイテムボックスに取りついて、調合素材を物色する。ピッケルは棒状の骨+鉄鉱石で、ピッケルグレートは棒状の骨+マカライト鉱石で作れたはずだ。うーん、どうすっかな。この際だから豪気に、ピッケルグレートを生産しちゃおうかな!! マカライト鉱石が欲しくて欲しくてしかたのない時代ではあるが、1個を犠牲にして2つか3つのマカライトが掘れれば万々歳ではないか。では気が変わらないうちにさっそく調合……と。

 ぼわん

 調合失敗:もえないゴミ

 ちょっと……。マカライト鉱石をゲットするために、虎の子のマカライト鉱石を1個使ってピッケルグレートを作ろうと試みたのに、犠牲者が出ただけで肝心のほじくるものが作れないとは!! こ、これぞまさしく本末転倒……。俺はいったい、何をやっておるのだ……。

 しかしこの“調合の悲劇”は、ミナガルデのあちこちで頻繁に見かける。捕獲クエストに行くとき、予備の落とし穴を作って持っていこうとして3回連続でもえないゴミにしてしまった男とか、黄金ダンゴを作ろうとして5回調合し、1個しか作れなかった女とか……(まあ俺と江野本のことだが)。調合失敗で被る被害とランニングコストを考えると、とっとと調合書を揃えて調合成功率を上げりゃいいのにとも思うのだが、直近の大量出費にどうしてもビビってしまってなかなか踏ん切りがつかないのである。

 って、コレはアレだ。定期代をドカンと払うのが惜しくて毎日のように切符を買い、総計するととんでもない損をしているある男に似ているネ(って俺のことだが)。

 ……というわけで、このコラムに結論はありません。

投稿者 大塚角満 : 15:31

【MHG】第15回 気まぐれガノトトス

 ある日、村長★5のクエスト“砂漠の水竜”を受注した。そう、砂漠岩地の地底湖に棲む水竜・ガノトトスを討伐するクエストですね。と言っても、べつにガノトトスの素材が欲しかったわけではなく、村長クエにすべてクリアーマークをつけるには避けて通れないので(当たり前だが)、なんとなくイヤな予感を覚えながらも「しかたねえ……。行くか……」と腰を上げた次第だ。

 この砂漠岩地(『2nd G』で言うところの旧砂漠ですな)の地底湖を舞台にしたガノトトス討伐には、ロクな思い出がない。

 どこかで書いたと思うが、俺が初めてガノトトスと出会った場所は、まさにこの地底湖であった。どんなモンスターが出現するのかまったく知らずにこの場所に出向き、「??」と頭の上にクエスチョンマークを浮かび上がらせているうちに湖から水鉄砲が飛んできて我が分身に直撃。「!!!」と肝を潰して逃走を図るも、出口が消失して(崖を上らなければいけないわけだが、当時はそれすら知らなかった)右往左往。そのうち、ビタンビタンとのた打つ巨大な水竜の下敷きになったりして、わけのわからぬまま昇天してしまった。俺は涙と鼻水を撒き散らしながら「あああ、あんなおっかねえところ二度と行かねえだ!!」とわめき散らし、崖の上から湖を見下ろしてハァハァハァと荒い息をついていたのである。

 そんな“トラウマクエスト”とも言えるガノトトス討伐であるから、準備は万全を期した。回復薬、薬草をフルで持ったのはもちろん、序盤では仙豆なみに貴重で効果の高い回復薬グレートも限界まで持った。そしてもちろん、音爆弾も10個持参。ホットドリンク5個もアイテムポーチに忍ばせ、俺は「た、たぶん完璧!!」と不安な心模様を写したような怪気炎を上げた。

 そしてエリア5の地底湖。そっと覗いてみると……いたいた! ガノトトスだ! 魚のようなキョトンとした顔で(そりゃそうだ)、パシャパシャと泳いでいるぞ!! 俺はガノトトスの魚影に近づき、“メラルーにマタタビ”に匹敵する『モンハン』世界の常識、「ガノトトスに音爆弾!!!」を声高に叫んでこれを実行した!

 バシャーーーン!!

 「ビックリしたなあもう!!」と言いたげなユーモラスなポーズで、水面から巨体を躍り上がらせるガノトトス。さあさあ、陸地に上がってこい。5年まえは好き放題にやられちまったが、いまの俺は違うぜ!! しかし……。

 シーーーーーン

 音爆弾を確実に食らったはずのガノトトスだが瞬時に平静を取り戻したのか、何食わぬ顔で再び、地底湖での快適なスイミングを堪能している様子。まあでも、こんなことは対ガノトトス戦ではよくあることだ。俺は冷静に音爆弾を構えなおし、泳ぐガノトトスの背ビレ目がけてコレを放った。そして……。

 キーーーン!!

 バシャーーーン!!

 シーーーーーン

 ピッチャーが投じた2球目にも動じず、ガノトトスは「ビックリしたなあもう!!」と言うだけで、すぐに素知らぬ顔でスーイスイ。まあ相手はお魚さんだ。こういうこともあらあな!! 俺は「釣り師はこれくらいのことで動じてはいかん!」とみずからを鼓舞し、気持ちよさそうに泳ぐガノトトス目がけて3球目を投じた。そして。

 キーーーン!!

 バシャーーーン!!

 シーーーーーン

 ちょっと……。お、おまえ、しっかり驚いているんだから、地上に上がってこいよ!! そそそ、そんなんじゃまるで、お化け屋敷に入ってさんざん「わーーーー♪」、「きゃーーーー♪」と驚かせてもらったくせに、そそくさと裏口から脱走して“驚き得”をしたようなもんじゃんか!!(って、ちょっと違う?)

 恐ろしいことにこのクエスト、音爆弾を10発使いながらもガノトトスが地上に飛び出してきたのはたったの2回だった。俺は、人を小バカにしたようにピューンと水面ジャンプをして目の前を通過していくガノトトスをなす術なく眺めながら、「狩りとは、かくも難しいものなのか……」と自然のきびしさを再認識したのだった。

 けっきょく、ガノトトスを陸地に引きずり出す手段を失った俺は(釣りカエルがどこにいるかわからなかったので)、彼が気まぐれに上陸したときしか攻撃することができず、クエスト遂行までに30分の時間を要することになる。俺は精根尽き果てた身体を引きずりながら心から思った。

 「やっぱり砂漠岩地の地底湖では、ロクなことがない……」

投稿者 大塚角満 : 16:04

【MHG】第14回 勇者プレイのツケ

 5月25日現在、俺の『G』におけるハンターランクは19になった。発売からちょうど1ヵ月ってところで、ハンターランク19か。当初、「それほど夢中になって遊ぶことはないだろうナ」と思っていたことを考えると、こいつはなかなかすばらしいペースではないか。

 発売から1ヵ月が経過したいまでも、俺の周囲の人間は続々と『G』デビュー、そしてミナガルデデビューしてきている。最近も、もうゲネポのMASAKI君、Effort CristalのJack君が新規に参戦。俺と彼らを比べると、野球にたとえるなら大リーガーとニホンザルくらい腕前に差があるが(野球でたとえてない気がする)、そこは費やした時間の長さによってどうしても武具の充実度合いに差ができる『モンハン』世界。ペラペラの防具に身を包む彼らに対し、俺は上位の素材を駆使して作った“それなり装備”を身に着けている。なので、せっかくの機会なので俺は上位ハンターにならなければ作ることができない武器や防具をひけらかしながら、「なんでも好きなクエストを貼りな! おっちゃんがクリアーしちゃるけん」と言ってふんぞり返っているのである。いまだけ浸れる優越感と、いまだけ照射できる“上から光線”……。じつは5月31日から丸々1週間、E3取材でアメリカに行ってしまうので、その間にハンターランクをブチ抜かれてしまうことは火を見るよりも明らかなのだ。なので俺はふてぶてしい態度を取りながらもじつは内心カゲロウのような気分で、近づく落日に思いを馳せて涙を流しているのであった。

 そんな中でまたひとり、俺の前にルーキーハンターが現れた。俺が書く初期の『モンハン』プレイ日記に頻繁に登場しているネット友だちのBである。ハンターランクは6まで育っていたが、上位の武具を身にまとう俺と比べるとまだまだ“駆け出し”という風情。なので俺はお約束のように発言した。「なんでも好きなクエストを貼りな! おっちゃんがクリアーしちゃるけん」と。

 Bはまず、森と丘を舞台にしたリオレウス討伐クエストを受注した。なるほどなるほど。やっぱり最初はレウスかレイアだよナ。モンハン界には「やることなければレウスかレイア」っていう格言があるくらいだもんナ。まあ考えたの俺だけどナ……なんてことを言っているうちに、俺とBの前にリオレウスが現れた。

 俺は上位ハンターの貫禄を見せつけてやろうと、めったやたらとリオレウスに突っ込んでいった。“ガードの美学”を吹聴する俺だが相手は下位のリオレウス。多少攻撃を食らっても、上位ハンターの俺はビクともするまい。なのでここはガードを捨てて、闇雲に攻撃を加えて瞬時にモンスターを屠り去ってくれようぞ。俺は「うりゃりゃりゃりゃ〜〜〜っ!!」の掛け声もろともリオレウスに突進をくり返した。そしてそのたびに、

 ぱこーん

 と軽薄な音を立てて回転するリオレウスの尻尾にジャストミート。俺、恥ずかしさと憤怒で顔を真っ赤にしながら「ぬぬぬ!」と立ち上がり、「なんのなんの!」と叫んで再び突進を敢行。すると今度はリオレウスの怒り突進と出会いがしらの正面衝突となって、“大>小”の法則どおり俺の分身は思いっきり壁に叩きつけられた。その様子を見ていた下位ハンターのBは「あはははは!」と大笑いしたあと、呆れた様子でこんなことを言った。

 「ミド、レウスの攻撃を食らいすぎじゃない?w さっきからあらゆる攻撃が直撃してるようだけどwww」

 俺、半ば呆然としながらも、上位ハンターの威厳を失わないように懸命に強がりを言った。

 「な、何を言うか失敬な!! いまのはガードをかなぐり捨ててでも攻撃を敢行する“勇者プレイ”だ!! 俺は勇者だ!! 勇者なのだあああ!!」

 これを聞いたBが「そのわりに攻撃が当たってないみたいだけどwww」と痛いところを突いてきたが、俺は勇者らしく敢然とこの意見をスルーした。

 勇者御一行がなんとかリオレウスを討伐してミナガルデに戻ると、ネット友だちのYさんが酒場で待っていた。そして挨拶もそこそこに「つぎ、ゲリョスね」というBの提案に乗って沼地に出撃。下位のゲリョスと対峙した。もちろんここでも、俺は勇者プレイである。ゲリョスが毒を吐こうが閃光を放とうがおかまいなしに、ランスの突きや突進をお見舞いしようとした。ところが不思議なことに今回もまったく歯車は噛み合わず、まるでカウンター攻撃のように尻尾でブン殴られたり、パニック走りの突進を食らって地面に叩きつけられたりする。なんとか立て直そうを思って距離を取っても、ゲリョスは俺のいるほうにパタパタと走ってきて哀れなランサーを轢きつぶした。その様子を見て、Yさんがシラケた声を出す。

 「ちょっとミドさん、轢かれすぎww 気がつくと吹っ飛ばされてるから笑っちゃうww」

 これを受けて、Bがまたまた呆れ声で言った。

 「なんかね、勇者なんだって。このプレイが」

 Yさんは「へぇ〜ww 勇者なんだぁ〜ww おもしろいねえww」と言い、いつまでもケタケタと笑い続けた。

 しかしこの日は勇者プレイの動きが染みついてしまったのか、上位のクエストに行っても“ガードをする”という動きを忘れてしまっていて困ってしまった……。深夜、江野本ぎずも、芸能事務所所属ハンターのゴメさんと3人で出向いたリオレイア討伐で、いったい何が起こったのかさっぱりわからぬうちに1オチを計上。ゴメさんに「大塚さん、眠いんですか?ww」と言われてしまった。さらにそのあと、江野本とふたりで上位のバサルモス討伐に出撃し、あろうことか転倒して転がるバサルモスの下敷きになって昇天……(苦笑)。こんな泣けるオチかた、まだ『モンハン』というものに慣れていなかった無印(初代『モンハン』のこと)の時代にもあったかどうか……。

 それ以来、俺はガードを解くことができなくなり、モンスターがいないエリアでもジリジリとにじり歩きをするようになってしまったとさ。おしまい。

投稿者 大塚角満 : 18:55

【MHG】第13回 居眠りサーキット

 よくあるお話。

 とある深夜、ミナガルデの場末の街に集まって、何のクエストに行くのかを相談していた。メンバーは、毎度おなじみ『逆鱗日和』ファミリーの俺、江野本ぎずもと、Effort CristalのGod君(ゴッディ)、狩魂Tのたけちよ(たけちー)、そして、何度か俺のコラムに登場したことがある芸能事務所勤務のゴメさん(「尻尾は鮮度が命!」という都市伝説を編み出した人です)に加え、この日からモンハンフェスタ`08優勝チーム“もうゲネポ”のMASAKI君(通称・マサキックス)が“ルーキーハンター”として参戦してきた。新人がひとり加わると先住民である老境のハンターは、まず間違いなくワーワーキャーキャーと人の目も気にせずにハシャギまくる。「おうおう! ようきたなあワレェ!!」、「まあ飲めや!! 歌えやー!!」、「なんでも教えちゃるけんのう!!」と書いている本人もどこの言葉だかさっぱりわからないのだが、とにかく酒場は瞬時にして、過疎の村に若者がフラリとやってきたときのような喜びに包まれるわけである。こういう風景を見るたびに、俺は(我が生まれ故郷も過疎の波にさらされているが、たまには帰って昔なじみのおじちゃん、おばちゃんと話をしたいなあ……)という想いに捕らわれるのです(何言ってんだ)。

 まあそれはどうでもいいや(じゃあ書くな)。

 酒場にいたのは6人だったので、テキトーに3人ずつに分かれてクエストに行くことになった。基本テーマは、まだ下位(ノーマル)ハンターであるマサキックスとゴメさんのハンターランク上げ。キークエストを消化しつつ、ハンターランクポイントが高いクエストをじゃんじゃんこなしてしまおう、という作戦だ。俺、江野本、ゴッディ、たけちーの4人は入れ代わり立ち代り下位チームに加わり、リオレウス捕獲やらフルフル捕獲といったクエストを消化していった。いまはまだ下位とはいえ、マサキックスもゴメさんも実力的には申し分ないハンターだ(マサキックスに至っては全国チャンピオンだしなw)。とくに大きな事件もなく、ふたりは順調にハンターランクを上げていった。

 そして、時を忘れて楽しんでいるうちに、いつの間にか時計の針は深夜(早朝?)の4時を指していた。このころになると、ふだん夜型の生活をしている俺でも眠くて眠くてしかたなくなってくる。でもまだ誰ひとりとして、「眠い」とか「寝たい」という発言をしていない。ここで年長者の俺が日和った発言をしようものなら、「軟弱者!」、「おこちゃまでちゅねww」等々のそしりを受けるに違いない。俺は、あまりに眠くてチビりそうになっているのがバレないように元気な発言をするように努め、「おし!! つぎは俺とマサキックスとゴメさんのチームね!! リオレウス捕獲に行くぞおおお!!」とわめき散らした。

 しかし、一瞬でも眠気を覚えてしまうともうダメだネ。覚醒とまどろみの来訪は最初こそさざ波程度のものだったが、すぐに「ざっぱーんざっぱーん」という大きな波になってゆく。勢いに乗った大波はアっと言う間に津波を思わせるビッグウェーブとなり、俺の意識を破壊して、「……ア、アレ?? お、俺はいま、どこで何をしているんだっ毛……? ……ていうか、そもそも俺は、誰だっケェェzzzz…………」という前後不覚の状態にしてしまった。いや俺だけじゃなく、まったく同じタイミングでマサキックス、ゴメさんのふたりも眠気の津波に飲まれたようだ。そこからの3人のプレイは、そりゃあヒドいものだった。

 ゴメさんのキャラが、リオレウスどころかランポスもランゴスタもいない場所で、いきなり2発の閃光玉を放り投げた。テキトー男として有名なゴメさんは「あ、いや……。みんなの眠気を覚まそうと思って。へっへっへ」とか何とか言っていたが、明らかに眠気が暴走した結果のビーンボールだった。

 そしてマサキックスはマサキックスで、リオレウスが大暴れしているエリア3でランスを抱えたまま、きっかり3分は動かなかった。そう、この男、屈強なモンスターが躍動する狩場のど真ん中で、堂々と居眠りをこきやがったのである! 奇跡的に無傷だったのは「さすがもうゲネポ!」と言ったところだが(そうか?w)、まったくこのふたりは……。

 では、そういう俺はどうだったのか。

 俺はしょっちゅう江野本ぎずもに「大塚さんが眠いときの立ち回りは、人間離れしてヒドいっす(怒)」とケーベツ光線を照射されている男だが、言われる本人は内心、(そこまで言われるほどのもんじゃないだろう)と思っていた。しかしこのときの立ち回りを振り返ると、スタミナが満タンのところでこんがり肉を2個連続でむさぼり食ったり、リオレウスがいないエリア2にいきなり落とし穴を作ったり、斬り落とした尻尾から剥ぎ取った“火竜の尻尾”をなぜか間髪入れずに捨てたりと、「うん! えのっちの言うとおりだ!!」と激しく首肯する以外にない乱痴気っぷりを展開。これには誰よりも俺自身が呆れ返ってしまったよ……。

 こんな、居眠り運転のクルマが行き交うサーキットのようなクエストがまともに進行するはずもない。いつもならば10分針程度で終わらせられるクエストなのに、なんとこのときに要した時間は30分(苦笑)。ヘロヘロになって街に戻ったとき、すっかり待ちぼうけとなった江野本、ゴッディ、たけちーから、「いったい、何回クエストに行ってたんスか?(笑)」と言われ、返す言葉もなかったです……。

投稿者 大塚角満 : 16:11

【MHG】第12回 活躍値

 とある深夜。

 俺、江野本ぎずも、Effort CristalのGod君(ゴッディ)、狩魂Tのたけちよ(たけちー)といういつものメンバーで、上位のバサルモス討伐クエストに赴いた。狩りの舞台は火山。当然、お目当てとなるのはバサルモスの素材ではなく、エリア8でザクザクと掘れる綺羅星のごときレア鉱石の数々だ。ドラグライト鉱石、ユニオン鉱石、そして“上位のダイヤモンド”こと紅蓮石なんてのを掘り当てた日にゃ、西部開拓時代のゴールドラッシュが如く、「当たった当たった!!」、「掘り当てた掘り当てた!!」、「祭りだ祭りだ!!」、「わーいわーい!!」と、飲めや歌えやの大騒ぎが展開されるっちゅーもんである(ちょっと大げさだナ)。

 てな感じでバサルモスは、ハンターを宝の山へと連れてきてくれる気のいい道先案内人みたいなものなのだが、討伐して剥ぎ取りをするとプクプクした身体のあちこちから多数のレア鉱石がゲットできるとあって、石に飢えたハンターどもの格好の標的となる。「掘るだけ掘ったからバサルは見逃してやろう」ってことには絶対にならない。もちろん、このときもそうだった。

 バサルモスは決して、御しにくいモンスターではない。攻撃パターンも比較的少ないし、リオレウスやリオレイアのように頻繁にエリアチェンジをしてハンターを惑わすということもない。体力が高いのでソロだと討伐に時間はかかるが、俺たちのパーティーにはゴッディ&たけちーという手練(たけちーが手練なのかどうかはよくわからないが)がいる。なので討伐にはさほど、苦労しないはずだ。

 実際、俺たちはバサルモスを翻弄しまくった。どちらかというと、無限に湧き続けるランゴスタのほうに手を焼いたくらいで、バサルモスそのものには4人とも順調に立ち回れていたと思う。

 しかしある瞬間、こんなことが起こった。

 バサルモスを相手にしていると、地味に振り回される尻尾に当たったりイヤらしい毒攻撃を食らったりして、知らないうちにビックリするほど体力が減らされているということがよくある。このときも俺の体力が半分以下に減ってしまっていて、ぼちぼち回復薬を飲まないとマズいかな……という状況になった。しかし、

 ぴきゅーーーん!!

 なんとたけちーが、ゲーム序盤では貴重な神の薬・生命の粉塵を飲んでくれたではないか!! おおお俺のために、大事な大事な生命の粉塵をぉぉぉおお>< 俺は感激で震える手で「ありがとうございます!!」とキーボードを叩こうとした。そのときだった。

 ずばーーーん!!

 執拗にバサルモスの尻尾を攻撃していたゴッディがついに目的を達して、堅い堅い岩竜の尻尾を切断したのである。すかさず江野本とたけちーが「ナイス!!」、「グッジョブ!!」と、ゴッディの成果を称える言葉を発する。それに倣って俺も、「すばらしい!!」と打電しようとした。そのときだった。

 ぴきーーーーん!!

 なんとなんと、麻痺属性の片手剣・デスパライズを振り回していた江野本が、じつにいいタイミングでバサルモスを麻痺らせたではないか!! すぐにゴッディとたけちーが、「超いいタイミングです!!」、「ナイスすぎ!! 美しい!!」と言って江野本を称えている。言われた江野本も「えへへ♪ でも、すごいコンビネーションだね!」とまんざらでもない様子。実際、わずか数分のあいだに3人の仲間が展開したコンビネーションは、それはそれは美しいものだった。それぞれが自分の実力の範疇で最大限の仕事をしようと努力した結果、流れるような攻守のコンボが生まれたのだ。

 うーん……。しかしこれは、なんと言うか、アレですなぁ……。

 俺はなぜか猛烈な寂寥感に包まれて、死んだ魚のような目で手持ちのアイテムを眺めた。この流れで、俺だけが何もしないわけにはいかない。なんとかしなきゃ!! そして俺はアイテムポーチの中で光る“あるアイテム”を発見し、何にも考えぬまま「これがあったぁぁあ!!」と絶叫。間髪入れずにそのアイテムを、バサルモスに向かって投げつけた。

 パーーーーーン!!

 まばゆい光が、火山のエリア2を包み込んだ。そう、俺が投げたのは閃光玉。モンスターを足止めする、基本にして最強のアイテムだあああ!!! しかし……。


 「ばおおおぉおおお!!!」

 「ばおおおぉぉぉおお!!!」

 「ばおぉおおおぉおぉぉ!!!」

 足を止めて、永遠に吠え続けるバサルモス。これじゃあ耳栓のスキルでもついていないかぎり、ハンターはまったく近寄れないではないか。これを見てたけちーは思いっきり苦笑しながら、「ちょwww 角満さん、バサルに閃光は……www」なんて言っている。そういや思い出したよ。バサルモスに閃光玉を使うと、やたらと吠えまくるんだったわ……。しかしいまさら思い出してももう遅い。俺は二の句がつげなくなり、「あうあうあう……」と言葉を失う。そんな俺に向かって、江野本がこんなことを言った。

 「3人がそれぞれの持ち場で活躍したのを見て、“自分も活躍しなきゃ!!”ってアセっちゃったんですねwww」

 あの……。恥ずかしいからズバリ言い当てないでください……。

 でも皆さん、こんなことを考えたことはないですか? 「クエスト時の活躍具合で点数がつけられたらおもしろいのに」なーんてことを。たとえば10点満点で今回の活躍度に得点をつけると……。

・ゴッディ……10点(斬りにくいバサルモスの尻尾を切断)
・江野本……9点(抜群のタイミングでバサルモスを麻痺に)
・たけちー……9点(仲間のピンチを救う生命の粉塵!)

 こんな感じだろうか? そして、問題の俺は……。

・角満……−10点(考えナシの閃光玉でバサルモスを怒らせ、仲間を窮地に追い込む)

 この独断と偏見でつける“活躍値”、おもしろいなー(笑)。なんだかちょっと、ハマりそうです。

投稿者 大塚角満 : 14:12

【MHG】第11回 砥石をください

 ちょっと信じがたい話なのだが、世の中には鉱石系の素材をほとんど必要としていないハンターがいる。俺は初代『モンハン』のころから「鉱石こそがハンター生活の礎だ!」と思っていたので、下位だろうが上位だろうがG級だろうが、とにかく岩の裂け目を見たら「わあああ! 石だ石だ石だ!!」とヨダレを撒き散らしながら取り付くことにしている。自分だけでなく、300数十万人いるすべてのハンターがそうだと思っていた。しかし……。

 「あっしは鉱石が欲しいなんて思ったこと、一度もないっすよ」

 そういう信じがたいことをシレっと言う女が身近にいたのである。そう、江野本ぎずもだ。しかも彼女は畳み掛けるように、

 「大塚さんがよく“マカライトは序盤のダイヤモンドだ!”って書いているのを読んで、じつは密かに(ウチはまったくそんなこと思わないけどな。マカライト、使わないし)って考えていました」

 とまで言う。こいつは俺の“モンハン常識”の根底を揺るがす、一大問題発言ではないか! 本当に江野本のように鉱石にこだわらないで狩猟生活を送れるものなのか、キチンと検証しなければならぬ。

 原点に立ち返って考えると、そのハンターが鉱石を必要とするか、しないかは“どの武器を目指すか”という武器製作の方向性によって左右される。たとえば俺の場合今回の『G』では、最初に“バベル”を作ることを目標に定めた。バベルを作るために必要となった素材は以下のとおりだ。

アイアンランス(鉄鉱石3個

アイアンランス改(鉄鉱石2個

ナイトランス(鉄鉱石5個、大地の結晶2個、ランポスの皮3枚)

ナイトランス改(鉄鉱石10個、大地の結晶3個、ランポスの鱗3枚)

ナイトスクウィード(鉄鉱石20個、大地の結晶15個

パラディンランス(鉄鉱石15個、マカライト鉱石4個、大地の結晶5個

パラディンランス改(鉄鉱石15個、マカライト鉱石8個、大地の結晶5個

ランパート(鉄鉱石20個、マカライト鉱石10個、勇気の証1枚)

バベル(鉄鉱石30個、マカライト鉱石20個、ゲネポスの鱗20枚)

 バベルの塔が建立できるくらい大量の石を要求しおってからに……。一方、江野本が最初に目指した“デスパライズ”を作るために必要な素材は……!

ハンターナイフ(鉄鉱石1個

ハンターナイフ改(鉄鉱石1個

サーペントバイト(竜骨【小】3個、ランポスの牙4個、ランポスの皮5枚)

サーペントバイト改(竜骨【小】6個、ランポスの牙6個)

ヴァイパーバイト(竜骨【小】3個、ゲネポスの麻痺牙15個、ゲネポスの皮5枚)

ヴァイパーバイト改(竜骨【中】1個、ゲネポスの麻痺牙10個、麻痺袋2個)

デスパライズ(ゲネポスの麻痺牙5個、麻痺袋4個、モンスターの体液2個)

 うわ……。ホントに鉱石を必要としてないし!! 使ってるの、骨と袋だけじゃねえか!! こ、こいつは驚いた……。デスパライズなんて、初代『モンハン』のときに作って以来自分で持つことがなかったので忘れていたけど、これほど優秀な武器が鉱石ナシで作れるんだなぁ……。このほか、江野本は現時点で“ポイズンタバルジン”、“イフリートマロウ”を使っているのだが、それらの製作でもほとんど、鉱石は使用していない。逆に俺は「バベルのつぎは“竜騎槍ゲイボルグ”だな!」と決意してその端緒である“鉄騎槍”を作ろうと思ったのだが、いきなり、ドラグライト鉱石5個、マカライト鉱石15個、鉄鉱石30個、大地の結晶20個を武器屋のオヤジに要求されて、本気で泣きそうになってしまったよ。でも、嗜好の違いでこうも必要素材が違うのかと、少々感心もした。

 しかしフィールドでの江野本の動きを見ていると、誰かが岩の裂け目でピッケルを振るえば同じようにカンカンカンと岩をぶっ叩いているし、クエストが終わって近くに採掘ポイントがあれば、やはりそこに取り付いてピッケルを振り回している。鉱石をほとんど必要としていないのに、なんで掘っているんだろう? ちょっと不思議に思って、俺は江野本に尋ねた。すると彼女の口から、こんな言葉が返ってきた。

 「何が欲しいって、砥石ほど欲しいものはないッスよ!! もう、マカライトもドラグライトもいらないから、砥石に出てほしい……。だってデスパライズ、斬れ味が悪くてすぐにモンスターに弾かれるようになっちゃうんだもの。誰かドラグライトと砥石を交換してくれないかな……」

 これを聞いた俺、少々怒りながら江野本に言った。

 「砥石なんてショップで買えばいいだろが!!」

 しかし江野本、まったく怯まずにこんなことを言う。

 「もったいないでしょ!! 掘れば出てくるのに!!」

 こんなことを言っている江野本には、つぎのようなエピソードがある。

 フルフル装備を作ることを決意した江野本は、モンスターの体液がどうしても欲しかった。これを手に入れるにはランゴスタやカンタロスから剥ぎ取りをするのがいちばんだが、たまたまいいタイミングで、街のショップでモンスターの体液が売られたのである。しかしこれ、1個5000ゼニーもする。モンスターの体液はそれほど出にくい素材ではないので、クエストに行く手間を考えても5000ゼニーも出して購入するのはバカらしい。なので俺が江野本に「モンスターの体液、いまだったら売ってるよw」と伝えたときも、当然ながら冗談のつもりだった。まさか買うことはないだろうな、と思ってね。しかし……。

 「マジっすか!!! 買おうっと!!!」

 街にいた仲間連中が「えw」、「ちょwww」と引きとめの言葉を発しようとしているあいだに、江野本は電光石火の速さで「わーい! モンスターの体液が手に入ったー!!」と打電(苦笑)。砥石の購入すらケチっているのにモンスターの体液に5000ゼニーも投入し、「やっぱり女性は、思い切りがいい……w」と街にいた全員に呆れられたのであった。

※お詫びと訂正※
昨日アップした“おばちゃんが、いる”という記事で、登場人物の間違いがありました。Effort Cristalのゴッディと書いている箇所がありますが、こちらすべて、もうゲネポのMASAKI君の間違いです。関係各位……っていうか、ゴッディとマサキックス、ごめんなさいw

投稿者 大塚角満 : 15:25

【MHG】第10回 おばちゃんが、いる

 とある深夜……。

 その日もいつものメンバーで順調に狩りをこなし、少々クエスト疲れしたこともあって、ミナガルデの酒場には“ぼちぼちお開き”という空気が流れ始めていた。平日の深夜だ。そろそろ寝ないと、翌日の仕事に支障を来たすかもしれない。

 時間は、夜中の3時を過ぎていたと思う。

 酒場を満たす、狩りの終わりを告げるけだるい空気を敏感に察知し、誰からともなく「では、そろそろかね」、「続きは明日ですねー」なんて声が上がる。俺もちょっとまえから目を開けることに力を要するようになってきていたので、自然と「うん、寝ようか」とキーボードを引っ叩いていた。

 そんなとき、いっしょに遊んでいた江野本ぎずもが遠慮がちに「あのぉ……」と言い、「ちょっとまえから気になることがあるんですけど、聞いていいですか?」とおずおずと発言するではないか。ナンダナンダ。何を改まっているんだ? 江野本の神妙な態度に少々驚き、瞬時に眠気が吹っ飛ぶ俺。その場にいたEffort Cristalのゴッディ、狩魂Tのたけちーも同じように思ったのだろう。「えw どうしたんすか?」なんて言っている。そんな、ポカンとする3人に向かって、江野本はこんなことを言った。

 「この酒場に流れているBGMに、ちょっとアップテンポのものがあるじゃないですかあ?」

 ん? ……ああ、言われてみれば確かに、スローでムーディーな音楽と、アップテンポで元気のいい曲が入れ替わりで流れている感じだよね。俺は言った。

 「ああ、あるね。なんかこう、酒場っぽくてノリのいい音楽のほうね」

 江野本は得心して「そう、それです!」と言ったあと、俺たち3人がまったく予期していなかった驚くべき発言をした。

 「その曲の途中、後半あたりかな? おばちゃん風の声が“気をつけてな〜……”って言ってますよね??」

 シーーーーーーン

 一瞬で静まり返るミナガルデの酒場。さっきまであんなににぎやかだったのに、いまでは誰もいないかのようだ。酒場に、一種独特な不気味な空気が充満する。同時に、ピシャリと背筋に冷水を浴びせかけられたときのような寒気が、俺の全身を貫いた。な、なにを突然言い出すんだこの女は……。シツコイけど、時間は深夜の3時すぎだ。魑魅魍魎が蠢き出すには、最良の時間ではないか。しばしの沈黙のあと、言われた3人は口々にぎこちない発言をした。

 「あ、ホ、ホントに? 気にしたことなかったよー」と俺。

 「そ、そうなんすかー。初めて聞いたなー」とたけちー。

 「ぎ、ぎずもさん、耳がいいんですね!」とゴッディ。明らかに、3人ともビビっている。だって、よくあるでしょう。音楽CDに謎の声が入っているとか、DVD映像に変な影が映っているとか……。ぶっちゃけ、俺はそういう話は大好きなのだが、言っている江野本本人は俺たちをビビらせるつもりは露ほどもないらしい。そんなとき、たけちーから個人チャットが飛んできた。

 「ぎずもさんが言ってること、めっちゃ怖いんですけど!!」

 それを受けて、俺もたけちーに個人チャットを返した。

 「う、うん。そんなのまったく、気づかなかったしな……。えのっちにだけ聞こえてるのかもしれない……。……おっかねえよおお!!」

 さらに、たけちーから個人チャットが送られてくる。

 「ど、どうしましょ……。あんまりオカルト的な話には持っていかないほうがいいですよね……?」

 あわてて俺は返事をする。

 「絶対やめとけ!! 明日、俺が会社でマジギレされる!! “なんでおっかない話に持っていったんですか!!”って!!」

 そんな裏のやり取りを経てから、俺たちは努めて明るいトーンで江野本に言った。

 「このBGM、けっこう人のざわめきが入っているから、そう聞こえるのかもしれないですね!」とたけちーが言えば、俺は「だね!! いやあ、えのっちに言われるまで注意して聴いたことなかったわー! 明日、会社でヘッドホンをして、しっかり聴いてみるよ!」と追随する。俺たちの反応を見て江野本は満足したのか、「はい! みんな、ちゃんと聴いてみてね! おばちゃんがね、“気をつけて〜”って言ってるから!」とうれしそうに言った。

 そして翌日。

 俺は会社に着くなりWiiの電源を入れてオンラインに接続。ミナガルデの酒場にくり出した。会社で『G』を遊ぶときはつねに消音設定にしてあるのだが、今日は音を聞かないことには話にならない。俺はふたつ隣の席にいる江野本に向かって「んじゃ、酒場のBGMを検証してくるからな」と宣言し、ヘッドホンを耳に当てた。すぐに、コチョコチョと鼓膜を刺激する軽快なBGMが始まる。例の音楽だ! 江野本によるとこの曲の後半あたりで、おばちゃんが「気をつけてな〜」と言うらしい。いつになく、緊張する俺。額に浮かんだ汗は、室温が高いから出てきたわけではないだろう。もうそろそろ、問題の箇所にさしかかる。あ……。このへんだ! そして……!

 「気をつけてな〜……」

 うおおおお!!! おばちゃんいたーーーっ!! 江野本が言うとおり、「気をつけてな〜」って確かに言ってる!! 俺は第一発見者(?)に向かって叫んだ。

 「ええええのっち!! おばちゃんいたよ! 気をつけて、って言ってる!!」

 これを聞いた江野本、目を剥いて大喜び。

 「でしょでしょー!! よかったー♪ やっぱりいたんだおばちゃん! でもおばちゃん、最近になって“気をつけて”って言い始めたんかな?」

 この問いに、俺はこう応えた。

 「きっと昔から言ってたけど、誰にも気づかれなかったんだろうねえ」

 これを受けた江野本、いきなりグレムリン化してキシャーキシャーと奇声を発しながらこんなことを言った。

 「みんながぜんぜん気にかけてくれないから、声を大にして言い始めたんですよ!!! ウチだけでも気づいてあげれてよかったー♪」

 皆さんもミナガルデの酒場に行ったら、じっくりと音楽に耳を傾けてみてください。おばちゃんがハンターを激励する「気をつけてなー」が聞こえると思うから。……たぶん(笑)。

投稿者 大塚角満 : 13:12

【MHG】第9回 俺たちって、かっこいい!

 相変わらず日中は、中目黒目黒とふたりでぐだぐだ狩猟を続けている。もちろん、仕事もしている。当たり前だけど。現在のふたりのハンターランクは、俺が15で目黒が7。なので自然と狩猟目的は“目黒のハンターランクポイント稼ぎ”ってことになり、昨日の日記でも書いたとおりドスガレオス狩猟やらリオレウス捕獲にえっさえっさとせっこうよく(著者注:せっこうよく=群馬弁で「マメだ」とか「元気がいい」というような意味)出向いている次第だ。

 しかしこのふたり、もしかしたらご存じの方がいるかもしれないが、狩猟の腕はじつに大したことがない。っていうか、ヒドい(苦笑)。俺と目黒のコンビで本当にすんなりと、何の問題もなくクエストが遂行できたことがかつてあっただろうか? いや、はっきり言ってまったく思い当たらない。

 そんなおっさんコンビだが、面倒くさいことにふたりとも、「自分の腕は大したことがない」とは認めていない。いやどっちかと言うと、(みんな俺のことをバカにするけど、じつはウマいんだけどな)と思っている。(エフォクリすごいとかゲネポかっちょいいとか言われてるけど、俺も捨てたモンじゃないんだけどナ)とまで思っているフシがある。だから余計、面倒くさい。

 そんなコンビが狩猟の合間にどんな会話を交わしているのかと言うと、これが恥ずかしいくらいのホメ合いだったりする(苦笑)。たとえば、目黒がハンマーでタテ3攻撃をリオレウスに当てて怯ませようものなら、

 「ナイス! いまのめっちゃいいタイミング!!」と俺。

 また、俺がランスの攻撃でリオレウスを転倒させたりすると、

 「ナイッショー!! 超ピンポイント! いいっすねー!!」と目黒が言う。デキの悪い中年ふたりが傷を舐め合っているだけのような気もするが、レベルが同じくらいのものどうしだと、どうということのない些細なプレイも「ナイス!」ってことになるから笑えるよネ。

 そんなふたりのホメ合いが極まったのが昨日だ。例のごとくリオレウス捕獲にふたりで出向き、森丘のエリア3でリオレウスが上空に飛び上がったとき、爆弾大好きの目黒が大タル爆弾を2個も設置したのだ。しかも、リオレウスが元気に上空から火球を吐いている真っ最中だというのに、早くも小タル爆弾をシュタッ! っと置く。ああ、早すぎる! ってところでなんと俺が、閃光玉を放ってリオレウスを墜落させたのだ! リオレウスが地面に叩きつけられるのと同時に爆発する大タル爆弾。事前に何の打ち合わせもしていなかったのに、芸術品と呼ぶにふさわしい美しすぎる連係プレイを展開しちまったわけである。10年もいっしょに同じ釜の飯を食っていると、以心伝心でこういうこともできるんだなぁ……。当然ながら俺と目黒は、狂喜の絶頂に達した。

 「うおおお!! いまのすげえ!! かっちょいい! ナイスタイミングですよ大塚さん!! ゲネポにも引けをとりませんよ!!」と目黒。

 「目黒こそ、ナイス爆弾!! いまのプレイ、観衆の前でやりたかった!! エフォクリにも負けないスーパーコンビプレイだぞ!!」と俺。

 しかし冷静に見るとどうってことはない。目黒が小タル爆弾を置いたタイミングは明らかに早すぎたし、じつは俺も、目黒が大タル爆弾と小タル爆弾を置いたことなど知らずに閃光玉を投げたんだけどねぇ……(苦笑)。本当にたまたま、奇跡のタイミングと偶然のなせる業で美しいコンビプレイが成立しただけ、ってわけだ。要するに、

 「マグレ」

 ですな。

 それでも俺たちは、「いやあ、かっこいいですね俺たち^^」、「うん、すごすぎるわウチら^^」と、いつまでもご満悦なのであった。

投稿者 大塚角満 : 13:59

【MHG】第8回 テキトーコンビの行き着く先は

 最近の俺のハンティングライフは、昼間は会社で中目黒目黒とふたりでぐだぐだプレイ、夜は、江野本ぎずもや『モンハン』アスリートらとパーティーを組んで、ワイワイガヤガヤと協力プレイに勤しむ……というサイクルになっている。プレイするメンバーも参加する人数も違うけど、どちらと遊んでいるときも非常に『モンハン』っぽい生活感を感じられるので、俺はいつも腹を抱えて笑いながら、クックやドスガレオスを追い回しているのである。

 そんな昨日の昼間、目黒が「ハンターランクを上げたいので手伝ってください」と言ってきた。『2nd G』などはキークエストをこなして緊急クエストをクリアーすればハンターランクは上がっていったが、『G』ではキークエストをクリアーするほかに“ハンターランクポイント”を一定数集めないと昇級しない仕組みになっている。なのでミナガルデで生活するオンラインハンターは皆、効率よくポイントが稼げる“アルバイト用クエスト”ってものをいくつか心に秘めているものなのだ。

 ちなみに、俺がいつも遊んでいる“深夜グループ”のアルバイト用クエストは、★4だとドスガレオスを討伐する“砂の海を泳ぐもの”、★5だとリオレウスを捕獲する“リオレウス捕獲大作戦”ってところ。ドスガレオスは瞬殺できるうえに支給品の音爆弾回収がオイシイし、リオレウス捕獲はポイントが高いことにプラスして報酬で得られる大量のリオレウス素材がありがたい。最近は装備がよくなってきたこともあって、「ポイントが欲しい!」と思ったら、もっぱらリオレウスをとっ捕まえに森丘にくり出すことにしている。なのでこのときも俺は目黒に「んじゃ、リオレウス捕獲に行くべかね」と提案。昔から、自分の装備の貧弱さとクエスト目標の強大さを天秤にかけることができない目黒は激しく頷き、「いいですね!! 捕まえてやりましょう!! 余裕ですよね!!」とナゾの自信に満ちたコメントを残した。

 というわけで、ほんのちょっとの希望と、その数百倍の不安に満ちたリオレウス捕獲大作戦がスタートした。『モンハン』を始めて5年になるというのに、いまだに「大塚さん、『G』って属性の概念ってあるんでしたっけ?」と“素で”聞いてくる頼りないパートナーを後ろに、俺は森丘のエリア6へと走っていった。武器は、俺がバベル、目黒も同じくランスのバーバリアンタスクを持っている。

 しかし意外なことに、クエストは比較的スムーズに進行した。途中目黒が、「うおおお!」とリオレウスに突っ込んでいったはいいもののカキーンと攻撃を弾かれ、「うわ! ぜんぜん刺さんねえ!!」と驚愕しているところに怒り突進を食らって1オチを計上したが、それ以外は不気味なくらい順調に、俺たちは屈強なリオレウスにダメージを蓄積させていった。

 そしてまもなく、リオレウスが足を引きずる仕草を見せて、エリア4に飛び去っていった。捕獲の合図だ! 俺は目黒に「いけるぞ! やったな!」と声に出していい、同時にエリア4に向かって走り出した。そして、リオレウスの影が落ちた着地点に落とし穴を設置。あとはこれに落ちたリオレウスに、捕獲用麻酔玉をぶつけるだけである。俺はホっとひと安心しながら、落とし穴に駆け寄る目黒の分身を眺めていた。すると……。

 ズズズン!!

 なんと目黒の分身の目の前に、巨大な大タル爆弾が2個も現れたではないか!! たまらず、俺は悲鳴を上げた。

 「ちょっと待てコラ!! これ、捕獲クエだぞ!! レウス、足引きずってんだぞ!!w 穴に落ちたところに大タル爆弾なんか食らわせたら、討伐しちまうかもしれねえじゃねえか!!w」

 言われた目黒、「あああ!!」と素っ頓狂な声を上げて「スンマセン! 捕獲ってこと忘れてましたw」と衝撃の告白。いやしかし、こりゃどうしたもんだ(苦笑)。

 でももしかすると、捕獲用麻酔玉では大タル爆弾は起爆できないかもしれない。試したことがないから、わからないよな。ていうかそもそも、爆弾を避けるようにリオレウスに捕獲用麻酔玉を当てれば、それで済む話ではある。俺は目黒に言った。「まあいいや。爆弾に当たらないように、捕獲用麻酔玉を投げてみるよ」。目黒、輝く笑顔で応えた。「よろしくお願いします!」と。

 そして、俺たちのやり取りなど何も知らないリオレウスが、危機感ゼロの赤ら顔でパタパタと降りてきた。当然のようにズドンと、穴に落ちる天空の王。俺は慎重に狙いを定めてから大きな声で言った。「投げるぞ! これで終わりだ!」と。そして……。

 ボボボボボンッッッッ!!!!

 「クエストに失敗しました」

 ハイ、オツカレサマ。

投稿者 大塚角満 : 13:17

【MHG】第7回 肉の時代

 先日、江野本ぎずもが4回連続で肉焼きに失敗して生焼け肉を大量生産していた、という話を書いた。その様子を俺はゲラゲラと笑いながら眺めていたわけだが、「心の底から笑えていたのか?」と問われると、じつはあまり自信がない。というのも、俺も『G』の肉焼きについては大いに戸惑っているクチだからだ。

 『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』に収録されているコラム“天才の威厳を守れ”に詳しいが、俺は“肉焼きの天才”を自認している男だ。『モンスターハンター』に出会って5年。肉焼きに手を染めて(?)からも5年の月日が流れている。この間、俺はおそらく100の単位じゃおさまらないくらい多くのこんがり肉を焼いてきたわけだが、失敗した記憶はほとんどない。前出の“天才の威厳を守れ”の中で「『モンスターハンター』をプレイし始めて以来、1回も失敗したことがないのかもしれない」と大言をぶっ放すくらい、肉焼きには自信を持っていたのだ。

 でね。

 この1年間どっぷりと浸かって遊んでいた『2nd G』には“アイルーキッチン”という施設があり、ここではかわいいキッチンアイルーたちがハンターにネコメシを振舞ってくれるとともに、“よろず焼き”というサービスも提供している。生肉をキッチンアイルーに渡して1クエストこなして帰ってくると、こんがり肉やら生焼け肉にして戻してくれる、というアレですね。フィールドで肉を焼くとなるとある程度の時間を使ってしまうので、「いいい、いますぐにでもモンスターを狩りたいのに!! でも食い物ないから肉を焼かないと!! はやくはやくはやくっ!!!!」という、鼻血ドバドバ状態の猛り狂った武闘派ハンターにとくに好かれたシステムでありますな。

 ご多聞にも漏れず俺も、アイルーキッチンのよろず焼きにはさんざんお世話になった。肉焼きの天才を自認しながらも、生肉を渡しさえすればキチンと焼いてくれるこのシステムを使わない手はないでしょう。さらに、訓練所のババコンガ討伐訓練を数多くこなしたことで、その報酬としてもらえるこんがり肉やこんがり肉Gのストックが数百個単位になった。これらを合わせて俺は、『2nd G』ではすっかり肉焼きから遠ざかることとなったのである。

 そして、話は『G』に戻る。『G』にはよろず焼きのシステムはないので、自然、肉が食いたければ自分で焼くことになる。でもそこは、多少ブランクがあるとは言え肉焼きの天才。何の躊躇もなく肉焼きセットを地面に放り投げ、こんがり肉を生産しようと試みた。

 タンタタンタタラタンタタン……♪

 軽快な音楽が、テレビモニターから流れてくる。何百回、何千回と聴いてきた音楽だ。この曲が終わって、心の中で(テンテン)と言い終わったところでボタンを押せば、見事なこんがり肉が焼きあがる。俺はそのとおりに、ボタンを押した。押した、つもりだった。しかし……。

 ぽよよん

 生焼け肉になってしまった!

 ま、まじで……? 俺がこんなにあっさりと肉焼きで失敗するなんてことが……。ま、まあ久しぶりだしな。こういうこともあるサ!! 俺はなんとか元気を振り絞って、再び肉焼きセットを地面に放り出した。失われつつある天才の矜持を取り戻さなければ!

 (えーっと、さっきは“テンテン”で生焼けになっちゃったから、今回は“テンテテン”でボタンを押してみよう。それで完璧なはずだ!)

 しかし、恐ろしいことに俺の目論みは見事に外れ、画面の中の俺の分身は忌まわしきコゲ肉を持ち上げてガッカリしている。な、なんてこった……。

 でも『G』をやってる皆さん、肉焼きのタイミング、かなーりシビアな感じがしませんか? べつに自分の失敗を正当化しようとしているわけじゃないんだけど(ホントか?)、明らかに『2nd』や『2nd G』と比べてこんがり肉が焼けるタイミングを取ることが難しいと思うんだよねえ。

 さて、そんな俺の最近の“肉焼き成功率”は、成功15に対して失敗1、という感じ。「なかなかやるじゃん」と思われるかもしれないが、天才を吹聴していた身としては恥ずかしいことこの上ない数字である。でもまあそれでも、5回も6回も連続で生焼け肉を生産している江野本ぎずもと比べれば、“神童”と言っても過言じゃないすばらしい成績ではある。なので俺は、江野本に自慢した。「キミと比較すれば、俺はまだまだ天才的ではあるな」と。

 ところが言われた江野本、キョトンとした顔をこちらに振り向け、じつにじつに意外なことを天才の俺に向かって言い放った。

 「なに言ってんスか。あっしは肉焼きに失敗したことなんてないっスよー

 ビックリして、俺は言い返した。

 「なんだその強がりはw つい最近も4回連続で生焼け肉を生産していただろう!」

 これを聞いた江野本、久しぶりにグレムリン化して俺に食ってかかってきた。その言い分は、まさに衝撃的であった。

 「ウチ、生焼け肉は失敗だなんて思ってないもん。だって、生焼け肉も2個食べれば、こんがり肉と同じだけお腹が膨れるじゃないですか!!」

 い、いや確かにそうなんだけど……。じゃ、キミがよく作っているコゲ肉は?

 「コゲ肉だって、おいしくいただきますよ♪ ちょっとむせるけど。食べ物を無駄にしちゃいけません!」

 そんだけ言い切れりゃ、そりゃあ失敗だなんて思わないわなあ(苦笑)。

 でも思い出すと、プレイステーション2版の『G』を遊んでいたとき、こんがり肉ほど貴重な消耗アイテムはなかったんだよな。ハンターランクが上位以上になると、支給品に携帯食料が入っていないので、ハンターは手持ちの肉を食べてスタミナのアップを図ることになる。でも前述のとおりアイルーキッチンなんてものは存在しないから、食べる分の肉は自分で生産するか他のハンターからもらう必要があった。でも面倒くさがりのハンターはどうしても、肉焼きの時間を省きたくなる。なのでかつての『G』の街では、こんな声がそこらじゅうに飛び交っていたのだ。

 「ハチミツ10個とこんがり肉5個を交換してくださーい!」

 今後は天才の実力を発揮してこんがり肉を大量生産し、物々交換をくり返してセレブなハンターライフを送ろうかしら。そう、これからは……。

 肉の時代だ!

投稿者 大塚角満 : 16:58

【MHG】第6回 アナタに盗まれて……

 『G』に出てくるネコ(メラルーね)ども、じつによくモノを盗むと思いませんか? 思うよね? ね? ね!? こいつら、ハンターを見るやいなやヨダレだらだら状態になって、「のこのことエモノがやって来たニャ!! 襲うニャ!! 盗むニャ!! 見ぐるみ剥いでやるニャアアア!!! はあはあはあ!!」と、「ごんごろにゃぁああん! ぐるぐるにゃ〜〜ん!!」と吠えながら近所をウロつき回る春先のノラネコのようになっている。もう、森丘のエリア9や沼地のエリア3なんて、山賊と海賊とコソ泥が渦を巻く大窃盗団のパラダイスのようなものだ。『2nd』や『2nd G』ではこれほどまでにメラルーどもに手を焼いた覚えはないので、『G』のころのほうがモンスターの野生度が極まっていたんだろうなぁ……。

 先日、江野本ぎずもとふたりで下位クエスト“リオレウス捕獲大作戦”に行ったときにこんなことがあった。

 ふたりともまだハンターランクが低く、装備も整っていないので、リオレウスが相手だとクエスト遂行までに時間がかかる。とくにこのころ(初代『モンハン』や『G』ってことね)のリオレウスは“空の王者”の異名が示すとおりやたらと上空を飛び回っている印象が強く、どうしてもクエストに時間がかかってしまっていた。なのでリオレウスがどこに下り立とうとも、迷うことなく「突撃〜!!」と声を出してそのエリアに突入する必要がある。それがたとえ、視界が悪く、メラルーの巣窟となっているエリア9でも……。

 エリア9は本日も、大窃盗団の集会場所になっていた。でも前述のとおり時間がないので、メラルーの相手はほどほどにしてリオレウスに挑みかかる。しかし、これが間違いの元だった。リオレウスと対峙する俺の背後からニャアニャアと声を上げながらメラルーが飛び掛ってくる。そして……。

 ドカッドカッ!

 こんがり肉を盗まれた!

 お、おいおい頼むよ……。肉焼くの、面倒くさいんだからさ!!

 ドカッドカッ!

 地図を盗まれた!

 ひいいい!! 俺、方向音痴なんだからやめてくれよ!! って、なんか最近、同じような記事を書いた記憶が……(苦笑)。

 しかも下位のハンターだと武器が弱々しいので、「くぬやろう!! 肉返せ! 地図返せ!!」と憤怒の炎をたぎらせてメラルーに襲い掛かったところで、一撃ではギブアップさせることなどできはしない。けっきょく、「あああ……」なんて言ってるうちに地面に潜られ、盗品は遥かかなたのエリア12へと運ばれてしまうのであった。でもまあ、こんがり肉や地図だったら諦めもつく。時間がないっつーのに、エリア12まで足を運んでなんかいられないからな。しかしつぎの瞬間、エリア9に女性の金切り声が響き渡った。

 「ぎょええええ!!!」

 女性の金切り声にしては色気もなにもあったもんじゃないが、江野本が発した声に(と言ってもチャットだけどw)俺はギョッとした。ナンダナンダ。どーしたんだ? 佇む俺に向かって、江野本はこんなことを言った。

 「大塚さん、たいへんなことになりました」

 どどど、どーした?

 「メラルーに、エライものを盗まれてしまいました」

 なんだ? 「ハートを盗まれた」とか、イタいことを言うつもりか? しかし、それだったらまだよかった。つぎの瞬間、江野本は意を決したように衝撃の発言をする。

 「落とし穴盗まれちゃった!!」

 …………って、コラーーーーッ!!! 捕獲クエストで落とし穴盗まれるんじゃねえ!!

 「あ、あの……。あっしはいったい、どうすれば……w」

 困惑する江野本に向かって、俺は「早くネコの巣に行って取り返してきなさい」と言い捨て、スタコラサッサとエリア12に向かう江野本の分身を寂しく見守ったのであった。

 でもサ、メラルーはまだいいのよ。何かを盗まれたとしても巣に行って漁れば返ってくるからサ。問題はメラルーなんていう小者ではなく、窃盗団の“親玉”のほうだ。

 最近何度か立て続けに、江野本、狩魂Tのたけちよとともにゲリョス討伐に出向く機会があった。ゲリョスはご存じのとおり、メラルーと同じく“モノを盗む”モンスター。違いは、メラルーに盗まれたものは返ってくるけど、ゲリョスに盗まれたものは“二度と戻ってこない”ところにある。

 ゲリョス討伐1回目。狩りは順調に進み、もうぼちぼち討伐かなぁ〜……と思った矢先に、狩場にたけちよの悲鳴が轟いた。

 「!!! ゲリョに調合書2初級編盗まれちゃった!!

 うはあ……。まだ下位のこの時期、調合書なんてセレブの持ち物以外のナニモノでもない。出会いがしらの事故に巻き込まれたたけちよに対し、俺は心からの「どんまい」を捧げた。

 ゲリョス討伐2回目。このときも狩りは順調だった。さあ、そろそろ討伐だろう。とっとと凱旋して、もう1回くり出しちゃおうかな。そう考えていた刹那、またまた狩場にたけちよの悲鳴が響いた。

 「!!!! ゲ、ゲリョに調合書3中級編を盗まれましたよ!!!

 う……。中級編って、確か5000ゼニーくらいするよな……。清貧もいいところの下位の時代、5000ゼニーを投じて調合書3中級編を買ったときのたけちよの喜びと手の震えはいかばかりだったか。よりによってそれを盗まれるとは……。モニターを眺める俺の目は、涙で曇りかけた。

 そして懲りもせずにゲリョス討伐3回目。珍しく「クソゲリョスー! もう許さん!」と怒りの感情をむき出しにするたけちよを連れて、俺たちは沼地へと赴いた。今回も、クエストは順調。今度こそ、なんの事件もなく討伐を完了できるぞ。そう確信した瞬間だった。またまたまた狩場に、たけちよの断末魔の声が鳴り響いた。

 「ちょ……。ゲ、ゲリョにまたまた調合書3中級編を盗まれたあああ!! もうヤダ俺……;;」

 恐ろしいことに3回連続で調合書を強奪されたたけちよ。俺はもうかける言葉もなく、ただただ心の中で(盗まれたのが俺でなくて本当によかった!!!!)と叫び続けたのだった。

 そして、ゲリョスはなんなく討伐。でも狩場には、どこか重苦しい空気が漂う。誰も何も言わず、静かに剥ぎ取り。そんな静寂を破ったのは、あろうことか身ぐるみ剥がされたたけちよだった。

 「……あああ!!! ゲ、ゲリョスから剥ぎ取りしたら、盗まれた調合書が出てきた!!!! わーいわーい、わーい……

 もちろん、ゲリョスから剥ぎ取りをしても盗まれたものなど返ってこない。俺と江野本は立て続けの不幸に錯乱するたけちよの姿を眺めながら、改めて(盗まれたのが自分じゃなくて、ホントにホントによかった!!!)と思うのだった。

投稿者 大塚角満 : 12:51

【MHG】第5回 誕生日の夜に

 5月9日午後10時30分。江野本ぎずもから「『G』やりましょう!」と連絡があった。俺も江野本もハンターランク12の緊急クエスト“巨大龍の侵攻”が出た状態でハンターランクポイントがカンスト(カウンターストップ)しており、「この週末にラオシャンロンを片付けて、上位ハンターになろう!」と約束していたのである。

 さっそく待ち合わせ場所に出向くと、すでにそこでは江野本と狩魂Tのたけちよ(通称・たけちー)が待っていた。聞くと、午前0時まえにはEffort CristalのGod君(通称・ゴッディ)もやってくるという。ハンターランク1のころからいっしょに歩み続けてきた、気心知れたハンターたち。こういう仲間たちといる場所はやはり、この上なく居心地がいいものだ。

 さてさて、とりあえず酒場に3人のハンターが揃った。それぞれのハンターランクは、前述のとおり俺と江野本が12、たけちーは13だ。このメンツで、果たして迫り来る巨大龍を退けることができるのだろうか? 一抹の不安はあるものの、この3人で出撃すればきっとおもしろいことになるだろう。なので俺は提案した。「3人で、やってみない?」と。当然のようにふたりは同調して、「いいっすねw やりましょう!w」、「撃退してやりましょー!!」と元気がいい。俺はふたりの様子を頼もしく眺めながら緊急クエストを受注し、若干緊張しながらラオシャンロンが待つ砦へとくり出した。ちなみに武器は、俺とたけちーがバベル(ランス)、江野本はポイズンタバルジン(片手剣)だ。

 ラオシャンロン撃退クエストは、初代『モンハン』だろうが『2nd G』だろうが『G』だろうが、やるべきことは変わらない。ずんがずんがとエリアを通過しようとするラオシャンロンを、ズバズバと斬り刻むだけだ。

 最初にやってくるのは、エリア2。でも、歩みの遅い巨大龍がやってくるまでには数分間の空き時間がある。ここで何をするのかは挑むハンターによって異なるところだが、我々3人は申し合わせたように“肉焼き”を始めた。

 しばらくのあいだ、視界の端に映った江野本の肉焼きの様子を眺めていた。いま彼女のモニターからは、軽快な肉焼きの音楽が流れていることだろう。さあぼちぼち、焼けるタイミングかな? そう思って画面を凝視していたら、江野本の分身が「ガクッ」と肩を落として、生焼け肉を生産してしまったことを態度で示した。「ぷぷ。失敗してやんの」と笑う俺。しかしチャットでは何も言わず、さらに彼女の分身の様子を眺め続けた。江野本は懲りずに肉焼きセットを地面に放り出して、肉を焼こうとし始めたからだ。しかし……。

 ぽよよん

 生焼け肉になってしまった!

 ぽよよん

 生焼け肉になってしまった!

 ぽよよん

 生焼け肉になってしまった!

 あろうことか、4回連続で肉焼きに失敗した江野本ぎずも。俺、ゲラゲラと腹を抱えてのたうちまわり、さすがにチャットで指摘した。「なんか、とてつもなく連続で肉焼きに失敗してる人がいるんですけどwww」。江野本、本気でうなだれながら「ことごとく失敗してもうた……」とボソリ。その様子を見て俺は“肉焼きの天才”を自認する腕を見せてやろうと、肉焼きの構えに入った。そして……。

 シュタッ!!

 ズバンと股間の真下に出現したナマナマしい生肉……。や、やべえ……。『モンハン』を始めて5年にもなるのに、肉焼きセットと間違えて生肉を地面に置いちまった……。でも幸い、この様子を江野本は見ていなかったようだ。しかも具合のいいことにラオシャンロンが現れてくれたので、俺は失敗を誤魔化すために「さ、さあ来たよ! ガンバロー!」とかなんとかテキトーなことを言って、ラオシャンロンの元に駆け寄った。しかし、残念なことにたけちーがしっかりと俺の惨状を目撃しており、我が分身のいた場所に現れた生肉を見て吹き出した。

 「なんかここに、生肉が落ちてるんですけどwwwww」

 俺、モニターの前で本気で赤面し、「たけちー……。今度会ったら真っ先にデコピンしたるど……(怒)」と憤怒の炎を燃やしたのであった。

 でも失敗と言ったらこれくらいで、ラオシャンロン撃退クエストは思いのほか滑らかに進行した。当初、「討伐はムリでも、撃退だったらなんとかなるかな……?」とかなーり気弱な態度で臨んでいたのだが、終わってみたら残り時間もたっぷりと残した中で見事討伐。「すごいですね、ウチたち!」、「いけましたね!」、「やればできるもんだなー!w」と心の底から感動し、俺たちは胸を張ってミナガルデに凱旋したのだった。

 ミナガルデに戻ってしばらくすると、Effort Cristalのゴッディがやってきた。時間は、5月9日午後11時40分くらいだったろうか。酒場に到着するなりゴッディは挨拶もそこそこに「なんとか間に合いました!w」とひと言。俺は(何が間に合ったんだろう……?)と不思議に感じながらもその思いは口に出さず、「ゴッディ、えのっちの緊急ラオ、いっしょに行こうよ!」とクエストに勧誘した。ゴッディは目を輝かせて「行きます! ラオの素材、ちょうど欲しかったんです!」と言って笑った。

 さあ、2回目のラオシャンロン討伐だ。これをクリアーすれば江野本も晴れて、上位ハンターの仲間入りである。江野本がクエストを受注したのを確認してから、これを受ける3人。出発口でクエスト出発ボタンを押し、ほかの3人が同じようにするのを待った。しかしなぜか、江野本、たけちー、ゴッディの3人は出発ボタンを押そうとせず、出発口で佇んだまま動かない。?? どうしたんだろう。なんで出発しないんだ? まだ準備が整っていないのかな? 不思議に思いながらも俺は何も言わず、3人に倣って出発口に佇み続けた。

 そして、5分ほどが経過したころだろうか。3人が同時に、大きな声をあげた。

 「あ!!! 日付が変わったよ、みんな!!」と江野本。

 「0時過ぎましたね!」とたけちー。

 「5月10日になりましたね!!」とゴッディ。時計を見ると確かに日付が変わって、5月10日になっている。でも、それがどうしたって言うの? 俺はますますわけがわからなくなり、ポカーンとしながらチャット画面を眺め続けた。すると3人のキャラは俺の分身を囲むようなフォーメーションをとり、“拍手”のアクションを始めるではないか。そして、そのままの態勢で3人は声を揃え、思いがけないことを口走った。

 「おめでとうございます!!」

 え……? それ、俺に言ったの? しかし、おめでとうと言われる覚えがまったくない。俺は戸惑いながら3人にこう言った。「な、なにが?w」と。すると江野本が「ホントに察しが悪い!」とでも言いたげな口調で、こんなことを言った。

 「『逆鱗日和』2周年、おめでとうございます^^」

 あ……。そうか……。そういえば2年まえのこの日に、1冊目の『本日も逆鱗日和』が発売になったんだよな……。1日まえまで覚えていたんだけど、いまこの瞬間はすっかり忘れていたよ……。俺、突然の祝福になんとも言葉が出てこず、「あの……。皆さんのおかげです。本も、イベントも……」とかなんとか、無理矢理キーボードを引っ叩く。その様子を見て、3人は口々にこんなことを言った。

 「全部、大塚さんから始まったことですよ^^」と江野本。

 「『逆鱗日和』がなかったら、僕なんてこの場にいませんからね!」とたけちー。

 「この瞬間に立ち会えていることがうれしいです!!」とゴッディ……。いやあ、まいったなこりゃ……。

 聞くと、何かお祝いができないかと考えた江野本がたけちーとゴッディに「10日になった瞬間にみんなで「おめでとう」って言いたいんだけど、来れるかな?」とメールし、たけちーとゴッディは急いで駆けつけてくれたんだそうだ。ふたりとも社会人で、土日も仕事でいっぱいいっぱいになっていることを、俺はよく知っていた。たけちーは金曜の夜も徹夜で仕事し、土曜日の昼すぎに家に帰ってきたと言っていた。ゴッディは最近、0時まえにオンラインすることが稀だったくらい、仕事に忙殺されていた。それでも俺に「おめでとう」と言うためだけに、急いで仕事を切り上げて駆けつけてくれたのである。そう、ゴッディがミナガルデに着くなり「間に合った」と言ったのは、「祝福の瞬間に間に合った」という意味だったのだ。「正直、間に合わないんじゃないかと思ってアセりましたw」とゴッディ。まったく、こいつらはいい年のおっさんを泣かせてくれる……。そんな、感激に浸る俺に向かって江野本はこう促した。

 「大塚さん、『逆鱗日和』3年目の決意表明は?」

 しばし考えたあと、俺はしっかりと前を向いてこう言った。

 「いろいろ悩むこともあるけど、まだまだ止まるわけにはいかないね。いまはひたすら、いい仕事をして、いい作品を作りたい……。……というわけで、よろしくな、相棒w」

 言われた江野本、元気な声で「はい! ウチも全力でがんばります! そして来年の今日も、ステキな誕生日にしましょうね^^」と言ってニッコリ。そしてたけちーとゴッディは声を揃えて「僕らは全力で応援させてもらいますよ!!」と言ってくれた。俺は感激のあまり本気で「ううう><」と涙を流し、膝の上に乗っていた飼い猫のアクアに「何を泣いてんだこのおっさん」と言わんばかりの怪訝な表情で見られてしまった(苦笑)。

 このあと、俺たちは「じゃあ、記念にウチの緊急ラオ行きましょう! 2周年記念ラオー!」という江野本の言葉に乗せられて、ラオシャンロン討伐クエストに出発。見事これを打ち倒して、俺たち4人は全員、上位ハンターになったのだった。

投稿者 大塚角満 : 15:36

【MHP 2nd G】第174回 角満カップ−もうひとつの、物語−

 『角満式モンハン学』発売記念&祝『逆鱗日和』2周年イベントが終わってから、早くも1ヵ月近い時が流れてしまった。この間、俺は燃え尽き症候群に罹ることもなく、イベントリポートの最後に記したように非常に前向きな気持ちで、相棒の江野本ぎずもとともにつぎに作りたい本やイベントに向けてのアイデアを出し合ったりしている。

 さて、そんな『角満式モンハン学』発売記念&祝『逆鱗日和』2周年イベントだが、じつは全5回に及ぶリポート(しかも全部長文)ですべてをお伝えできたわけではない。もうひとつ(もしくはふたつ?)、どうしても書きたい文章があるのだ。非常に気持ちを込めて書くので、下手をすると支離滅裂な文章になってしまう可能性もあるが(プロとは思えない発言だがな!)、ぜひぜひ読んでほしいのよ。テーマは……。

 『ゲネポの想い、エフォクリの想い』

 というものだ。我々が作る読者参加型のイベントに1回目からゲストとして登場し、圧倒的に俺以上に会場を盛り上げてくれるのが、モンハンフェスタ`08チャンピオンの“もうゲネポ”のふたりと、同準優勝の“Effort Cristal”のふたりなのである。

 そんな2チームであるが、今回の『角満式モンハン学』発売記念&祝『逆鱗日和』2周年イベントで開催した“第3回角満カップ”においては、あまりにもくっきりと明暗が分かれてしまった。勝者がいれば敗者もいるのが世の理だが、第1回目からいっしょにイベントを“作ってきた”この2チームに突きつけられた現実は、ちょっと直視することがためらわれるほど強烈だった。でもだからこそ、俺は思ったのだ。硬質なイベントリポートでは伝えられない2チームの間にだけある空気感を、ぜひ別の文章で表現してあげたいな、と……。ということで、『角満式モンハン学』発売記念&祝『逆鱗日和』2周年イベントにおける2チームのドキュメンタリーを、筆者の想いも絡めながら綴りたいと思う。

◆◆◆

 イベントを翌日に控えた2009年4月18日。俺と江野本はビデオカメラを担いでJR上野駅へと向かっていた。イベントのオープニング映像として、第3回角満カップにゲストとして招いた4チームへのインタビューを流そうと考えたのだ。4チームにぶつけようと思っていた質問はただひとつ。“どのチームが優勝すると思うか”という、優勝チーム予想だ。

 最初にインタビューしたのは、Effort Cristalだった。毎回イベントに参加してもらっているし、しょっちゅういっしょに遊んでもいるので、God&Jackのふたりと俺たちは、すっかり気心の知れた仲になっている。当然のようにインタビューも、軽口が随所に出てくるリラックスしたムードの中で行なわれた。しかし、俺がその流れの中で「じゃあインタビューの核心ね。ズバリ、どこのチームが優勝すると思う?」と訊いた瞬間に、Godの表情は一変する。にこやかだった顔は瞬時にこわばり、声も多少上ずり加減になったことから、彼が緊張していることがよくわかった。Godは緊張感を漲らせた顔を俺のほうに向け、意を決したように予想通りのチーム名を口にした。

 「ゲネポですね」

 そして相棒のJackも同じように「やっぱりゲネポですよね」と言う。モンハンフェスタ`08の決勝で唯一自分たちの上をいったもうゲネポのふたりを、彼らは誰よりも尊敬するとともに絶対的なライバルと認めているのだ。

 そして2時間後。俺たちはもうゲネポが宿泊するホテルの部屋を訪ね、Effort Cristalにしたのと同じ質問を唯&MASAKIコンビにぶつけた。プレッシャーを力に変えてきたもうゲネポのふたりは思ったとおり「優勝? ここ(ゲネポ自身)しかないでしょう」と口を揃え、モンハンフェスタ`08チャンピオンらしい自信とプライドを見せる。そこで俺は質問を変えて、「じゃあ、ライバルとなるのはどのチーム?」と水を向けてみた。するとふたりは顔を見合わせたあと、決意をにじませた表情で、

 「エフォクリ(Effort Cristal)です」

 ときっぱり。彼らもまた、Effort Cristalのふたりが自分たちと同じステージにいる存在だということを十二分に認めているのだ。

 迎えた2009年4月19日。いよいよ第3回角満カップのスタートだ。イベントリポートで何度もお伝えしているが、今回の角満カップはゲスト4チーム(もうゲネポ、Effort Cristal、Jast25`s、狩魂T)に当日予選勝ち上がり組を2チーム(NAMAZONE 6&13、NAMAZONE No.0&5)を加えた6チームで競い合ってもらった。下馬評ではやはりと言うべきか、モンハンフェスタ`08の優勝、準優勝チームであるもうゲネポとEffort Cristalの2チームに人気が集中している感じがした。実績、そして実力でも、いまの『モンハン』タイムアタック界において、この2チームが放つ存在感は別格のものがあるのだ。

 1回戦。種目は、ナルガクルガ2頭を連続で討伐するチャレンジクエスト07だ。2番目にステージに登場したEffort Cristalのふたりは、若干のミスはありながらも来場者の誰もが息を呑む超絶プレイを連発して、間違いなく“速い!”と確信できるパフォーマンスを演じてみせた。

 しかし、チームリーダーのGodはこの結果にまったく納得していなかった。このとき、彼の頭の中にあった思いは「こんなタイムじゃ、ゲネポに上をいかれる」というものだけ。モンハンフェスタ`08の決勝でもうゲネポに敗れ去って以来、彼はつねに「ゲネポには負けたくない!」という負けん気を頼りに誰にも真似できないほどの努力を続けてきたのだ。まだ1回戦とは言え、納得のいく動きができなかったうえにライバルの後塵を拝するようなことになったら……。平静を装いながらも、Godの心は焦燥感で満たされていた。

 一方のJackは、God以上に自分の立ち回りの不甲斐なさを責めていた。いまや実力ナンバーワンと言われるとてつもないパートナーを持つ彼の心の中には、つねに「自分が相方でいいのだろうか……?」という疑問が渦巻いている。Godが本来の力を発揮できさえすれば、そうそうなことでは負けないだろう。でもそれはGod個人の力であって、Effort Cristalが“コンビ”として機能していることになるのか……? いくら考えても、その答えは出てこなかった。

 でもだからこそ、Jackは人一倍の努力をしてきた。自分が相棒のような才能を持ち合わせていないことを誰よりもよくわかっているから、Godが導き出した作戦を実行できるだけの力と、彼が真の実力を発揮するための“相方としての立ち回り”を努力の末に身につけてあげたい……。チーム名に“Effort(努力)”という単語を組み入れたのは、じつはJackだ。自分が懸命に努力をすれば、必ずチームとしての結実を見ることができるはず。だから彼らは、Effort Cristal(努力の結晶)なのだ。

 そんなEffort Cristalに続いてステージに現れたのが、圧倒的なセンスと臨機応変さを武器とするチャンプ、もうゲネポのふたりだ。きっと彼らも、Effort Cristalに匹敵する立ち回りを披露してナルガクルガを翻弄するに違いない。会場にいた250人の観衆すべてが、そう思っていたことだろう。

 しかし、我々の目に飛び込んできたのは、ちょっと信じられない光景だった。もうゲネポのチームリーダーで、個人技においては間違いなく全国のトップクラスにいる唯が、1頭目のナルガクルガ討伐で1オチしてしまったのである。このときのことを、唯は痛恨の表情で述懐する。

 「完全に、僕の油断です。“ナルガクルガ相手に自分がオチるわけがない”って過信していました……。一発勝負の舞台では何が起こるかわからないって自分たちがいちばんよく知っているはずなのに、よりによってあの舞台で、やっちゃいけないことをやってしまったんです……」

 MASAKIも、まさか唯がここでオチるとは思っていなかった。ウソだろう……? 自分たちが、こんなところで負けるっていうのか……? でも、まだ結果が出たわけではない。ミスは取り返さないと!

 しかしシロウト目で見ても、闘技場にいるナルガクルガともうゲネポのふたりの立ち回りはうまく噛み合っていなかった。いつものセンス溢れる躍動感が影を潜め、どこか後手に回っている印象だったのだ。でも、さすがは全国チャンプ。2頭目のナルガクルガ戦でなんとか軌道修正し、他のチームが驚くほどの戦術を披露して猛る迅竜を圧倒する。本来の力を発揮できれば、やはりもうゲネポのスピード感は群を抜いていて、思わず「すげえ!」とうならずにはいられなくなる。結果、かなりの速さで2頭目は切って落とした。

 しかし。

 ガチンコの一発勝負は、やはり非情だ。優勝候補の筆頭、もうゲネポは1頭目の1オチで背負ったタイムロスが響き、1回戦の順位はまさかの5位……。4位のJast25`sにも40秒もの差がついた、ひっくり返しようのない“完敗”だった。

 唯とMASAKIは、この結果が信じられなかった。決勝を戦うのは間違いなく自分たちとEffort Cristalのふたりだと思っていただけに、そのショックは計り知れないものがあったろう。

 じつはもうゲネポは、モンハンフェスタ`08優勝という実績があまりにも輝かしいために見落とされがちだが、ずっと勝利から見放されてきたチームでもある。よくふたりは俺や江野本に向かって、「ボクら、ずっと2位のチームなんですよ」と苦笑交じりに話してくれるのだが、過去の成績を見ると「なるほど……」と思わせられる。モンハンフェスタ`08の大阪予選は2位通過。同決勝大会1回戦は3位、準決勝は2位、そして決勝ではEffort Cristalを撃破して優勝。しかしモンハンフェスタ`08決勝の再戦と題して行った1回目の『逆鱗日和』イベントでは、激昂ラージャン相手のタイムアタックでEffort Cristalに敗北……。いまにも悔し涙が頬を伝いそうな表情で、唯は言葉を搾り出す。

 「フェスタの決勝で勝っただけで、じつはずっと2位とかばっかやったから、今回は絶対に勝ちたかった……。でも負けたのは、完全にチームリーダーの僕の責任なんです。相方はどうかわからんけど、僕は完全に1回戦のナルガクルガをナメてた。だから練習の配分も、ナルガはそこそこで準決勝以降のものに絞ってしまって。明らかに、戦略ミスでした」

 MASAKIが続ける。

 「負けたとわかった瞬間、なぜかフェスタ`08のことを思い出してました。本当に悔しくて、勝ったときの気持ちにすがろうと思ったのかな……。準決勝、きっとチャレンジクエスト04が選ばれるとヤマを張って、徹底的に立ち回りを詰めていました。これを披露できれば、観衆はもちろんライバルチームの度肝を抜けるぞ、って思っていて。それができないのが、悔しかったし、悲しかったですね……」

 そして当事者のふたりとともに、もうゲネポの敗北に心からショックを受けた男がいる。誰あろう、Effort CristalのGodだ。その瞬間を振り返って、Godは言う。

 「正直、信じられなかったです。“決勝の相手は絶対にゲネポだ!”と確信してがんばってきたので、ちょっと彼らが負けてしまったことを受け入れられなかった……。……うん、ものすごく、ショックでしたね……」

 ちょっとおこがましいかもしれないが、俺と江野本が作る『逆鱗日和』イベントの歴史は、そのままもうゲネポとEffort Cristalの歴史にリンクする。彼らのライバル関係があったからこそ我々はイベントの核を構成しやすかったし、それを見る観衆たちも“安心感”を得られていたのだと確信する。そういう意味ではこの2チームに関しては、ゲストというよりもいっしょにイベントを作ってきた同志というイメージが強い。もうゲネポのふたりもEffort Cristalのふたりも、きっとそう思ってくれている。だからこそGodは、最強のライバルであり、最高の同志が早々に敗れ去ってしまったことがショックだった。Jackにしても、準決勝が始まるまでは自分の立ち回りの不甲斐なさに茫然自失となり、どのチームが敗退したのか気づかなかったが、ステージに上がった人々を見て、「あれ!? ゲネポはどうしたの!?」と驚いたそうだ。

 けっきょく第3回角満カップは、Effort Cristalのふたりが圧倒的なパフォーマンスを展開して、1回戦、準決勝を1位通過したのち、決勝でも激昂ラージャンを瞬殺して優勝。いまの『モンハン』タイムアタック界において彼らに比肩するチームは存在しないんじゃないかと思える“完全優勝”を果たした。

 そして、決勝の舞台でハンマー×ハンマーを振り回して激昂ラージャンを手玉に取るEffort Cristalの立ち回りを目の当たりにして、大きなショックを受けた男がひとりいた。もうゲネポの唯だ。ちょっと遠い目をしながら、唯がしみじみと語る。

 「もしも僕らが決勝でエフォクリと戦ったとしても、まったく歯が立たなかったと思います。僕が激昂ラージャン相手の立ち回りを考えたとき、“こいつ相手にハンマーはないやろ”と早々にハンマーの可能性を切り捨ててしまっていたんです。それがエフォクリのふたりはハンマー×ハンマーでとてつもない立ち回りをして、激昂ラージャンを瞬殺してみせました。僕らは大剣×大剣でやっていたと思いますが、完璧な立ち回りができたとしてもエフォクリには遠く及ばない。ハンマー×ハンマーの可能性を切り捨ててしまった時点で、僕は負けていたんだと思います。チームリーダー、失格ですね。いちから、出直しです」

 そしてMASAKIは、決勝の舞台に立つEffort Cristalの姿を見たとき、こんなことを思ったという。

 「1回戦で負けたときはあまりのショックで頭の中がゴチャゴチャになり、わけがわからなくなっていました。でも決勝戦になって、エフォクリの隣に僕らがいない現実を目の当たりにしたとき、本気でエフォクリのふたりに対して「すまない」って思いました。いつも必ず、僕らがそこにいたし、エフォクリのふたりも待ってくれていたはずなのに……。……また彼らの横に立てるように、いちから出直しですね」

 大会が終わったあと、俺はゲストチームの面々を連れて馴染みのバーで打ち上げをした。店に入るやいなや、Godはさっそく唯とMASAKIを捕まえて「準決勝のチャレクエ04の立ち回り、見せてくださいよ!」と迫り、言われたふたりは関西弁で「ええで! ……ったく、これをステージでできてたら、エフォクリに完全優勝なんかさせへんかったのになあ!」と返している。それを聞いて狩魂TのMizunoe、たけちよのふたりは「ウチらにも見せて見せて!」と大騒ぎ。その横で、いつまでも1回戦での立ち回りを悔いていたJackはウーロン茶を飲みながら、「はぁ……。やっと心が落ち着いてきた……。これでようやく、ふつうに笑うことができるぞ……」とボソリとつぶやく。それを聞いて俺、江野本、Jast25`sのこんぺいは、「ジャッ君、まだ引きずってたのか!! かわいそー!!w」と大笑い。笑う俺たちを見てJackは怒り、「笑いごとじゃないですよ! たいへんなんですよ、こういう相棒を持つと(苦笑)」と苦笑いをした。

◆◆◆

 さて。

 長文、読んでくれてありがとうございました。今回はあえて、もうゲネポ、Effort Cristalという2チームにフィーチャーしたドキュメンタリーにしてみましたが、いかがだったでしょうか? 彼らに着目したのは、傍から見てもゾクゾクするくらい、2チームがステキなライバル関係にあるから。つねに互いを意識しあい、「あそこにだけは負けたくない!」と強く思いながらも、じつはいちばん尊敬しあっている2チームのまわりには、いつも書き手を刺激してくれるドラマがあるんです。今回、くっきりと明暗が分かれたことでドラマは切ないものになりましたが、だからこそ僕は「ドキュメンタリーとして残しておきたい」と思いました。

 もちろんこの2チームだけじゃなく、角満カップに参加してくれたほかのゲストチーム、そして当日予選を勝ち抜いたNAMAZONE軍団にも、伝えたいドラマがあります。なかなかすべてを書くことができなくて今回はもうゲネポとEffort Cristalにフィーチャーしましたが、いつかほかのドラマも、皆さんにお伝えできればいいなって思っています。

投稿者 大塚角満 : 21:42

【MHP 2nd G】第173回 始まりの場所へ

 今年はゴールデンウィーク期間中にモンハンフェスタの開催がなかったので、じつに3年ぶりにこの時期に、群馬の実家に帰省した。俺が住むさいたま市からは3時間程度で到着してしまうところにある実家だが、近いところにあるからこそ足が遠のくのか、帰省する頻度は年に2回ほどだ。

 久しぶりに帰ると、いかに俺の育った環境が素朴で自然豊かなところだったのかがよくわかる。当然、環境開発が進んで俺が子供の時分に見ていた風景とはまったく違ってしまっている部分も多くあるが、静かで情緒豊かな場所であることは変わりがないだろう。せっかくなので、デジカメで何枚か写真を撮った。田舎自慢をしているみたいで少々抵抗はあるものの、その一部を公開してしまおう。

 ね。なかなかの田舎っぷりでしょう。

 こうやって改めて故郷の景色を眺めていると、なんとなく森丘フィールドに佇んでいるような気になってくる。プレイステーション2版の『モンハン2(ドス)』では、“始まりの唄”というレアアイテムを手に入れ、ドンドルマ(オンラインの集会所ね)に夜だけ降り立つ歌姫にこれを歌ってもらうことで、『モンハン』シリーズの“始まりの場所”である森丘に行けるようになった。写真にあるこの風景は、言ってみれば俺の“始まりの場所”だ。この中に身を置いて歌姫が歌う『始まりの唄』を聴いたりしたら、俺は間違いなく涙を流しちゃうんだろうな。……なんてことを、昨日の狩猟音楽祭の余韻をたっぷり引きずっている頭で考えたりした。

 さて、今回も旅のオトモはPSPに入りっぱなしになっている『2nd G』だった。この間、なぜかG級クシャルダオラの素材から作る“クシャナX”シリーズの防具を前にして「なんとかコイツを使える装備にする方法はないだろうか?」と考えていて、けっきょく「ナンダカンダ言って“斬れ味レベル+1”を発動させた瞬間にステキ防具になりそうだな」と一方的に結論づけた。まあ、そういうことをしなくても全身をクシャナXでまとめれば“鋼殻の護り”という複合スキル(地形ダメージ無効、火耐性+10が同時発動)が発動するので、十分使える装備なんだけどネ。まあそういうわけで、クシャナXシリーズに空いている穴ポコ(スロットね)すべてに装飾品の“匠珠”を着けて、斬れ味レベル+1を発動させてみた。その結果、我が分身が背負うことになったスキルは……。

・回避性能+1
・鋼殻の護り
・斬れ味レベル+1
・業物
・毒倍化
・心配性

 の6つ(笑)。前述のとおり鋼殻の護りでふたつのスキルが同時発動しているから、実際は7つもスキルがついていることになる。いやあ、すごいなコレ(ちなみに毒倍化と心配性はマイナススキルなので消したいんですけど……。ちょっとどうにもならない)。

 あ、でも本題はその話じゃなかった。斬れ味レベル+1を発動させるために匠珠を10個も生産するハメになって、おかげでちょっと面倒くさいことになった……ってのを書くつもりだったんだ。

 匠珠を作る方法はふたつある。瑠璃原珠+鎌蟹の尖爪+老山龍の堅殻を素材にして作るレシピと、修羅原珠+モノブロスハートを素材にして作るレシピだ。モノブロスハートはご存じのとおりとてつもなくレアな素材なので、なるべく後者のレシピは使いたくない。ということで当然のように前者のスキルで匠珠を量産しようとしたのだが、意外なことに瑠璃原珠が8個しかないではないか!! ポッケ農場での採掘でも出るのに最近めっきりこの作業をサボっていたため、数が底を突いてしまっていたようだ。けっきょく俺は「きっとすぐに手に入るさ!!」と半分泣きながら2個だけ持っていたモノブロスハートを武具屋のオヤジに手渡し、無事、匠珠を10個手に入れることに成功する。しかし、モノブロスハートの在庫がゼロになってしまったという喪失感は大きかった。素材を使い切ってしまっただけで、こんなに寂しい気分になるとは思わなかった。

 で、帰省中の話に戻るのだが、俺は2泊3日の実家暮らしのあいだ、『2nd G』においては集会所上位、G級のダイミョウザザミ討伐しかやらなかった(苦笑)。そう、モノブロスハートをどうにか手に入れようと思ったのだ。村でモノブロスを狩るという方法も考えたが昔から角竜に苦手意識があるので、部位破壊報酬でモノブロスハートが出る可能性がある(めちゃめちゃ確率低いみたいだけど)ダイミョウザザミに賭けてみようと思ったわけである。しかも実家には『2nd G』で遊んでいる中学2年の甥っ子がいたので、「ホレホレ! ちょっと手伝え!」と命令してクエストに付き合ってもらった。

 ところが……。

 まったく出ないよ、モノブロスハート……。

 このゴールデンウィーク期間中、かれこれ30匹はダイミョウザザミを討伐したと思うが、モノブロスハートはただのひとつも出てくれない。いやあ、レアだレアだと思っていたが、これほどまでに手に入らないとは……。これだったら正攻法のモノブロス狩りをしていたほうがよかったのでは……。

 そんな実家で過ごす最後の夜。「酒の肴に」ってことで、いただきもののズワイガニが3杯も出てきた(ネタじゃなくマジです)。しかしさんざんダイミョウザザミを追い回していた俺と甥っ子に、ズワイガニに手を伸ばす元気は残されていなかった……

投稿者 大塚角満 : 17:16

狩猟音楽祭で泣いた夜

 2009年5月6日、『モンスターハンター』シリーズの5周年を記念したイベント、“モンスターハンター5周年記念オーケストラコンサート 狩猟音楽祭”が開催された。栗田博文氏を指揮者に、東京フィルハーモニー交響楽団による演奏で『モンハン』シリーズの名曲の数々を堪能できた。

 昼と夜、2回行われたこのコンサート、俺も夜の部に参加してきた。コンサートの開催が発表されたときからずっと楽しみにしていて、ここ最近はずっと「どの曲が演奏されるんだろう?」、「『英雄の証』とかをフルオーケストラで聴いたら泣いちゃうかも……」なんてことばかり考えていた。

 そして迎えたコンサート当日。俺は江野本ぎずもとともに東京の池袋にある東京芸術劇場に足を運んだ。開催の1時間まえに会場に到着したが、すでにホールの前には人、人、人……。ほとんどの人がPSPを手に持っていて、狩りに勤しんだり、ギルドカードの交換などを行っている様子。コンサート直前のはやる気持ちを、『2nd G』で紛らせている。そんな風景に見えた。

 2階席に案内されて、江野本と並んで腰掛ける。この席からだとオーケストラはもちろん、1階席全体を見渡すことができた。広いホールの座席は、ほとんど埋まってしまっている。チケットは完売状態だったので座席が埋まっているのは当たり前なのだが、それでもゲームそのものではなく、そこから生み落とされた音楽というものにこれほどたくさんの人が惹かれ、集まっている様子を見るのはなんだか感動的だった。

 18時。ステージに指揮者の栗田博文氏と東京フィルハーモニー交響楽団が登場し、ついに演奏がスタート。オープニングを飾った楽曲はやはりこれ、『Monster Hunter』だ。初代『モンハン』のオープニングムービーで流れる曲で、あの『英雄の証』をアレンジして作られている。ドカン! と脳ミソに直撃するような雄大なテーマはコンサートの幕開けを告げるのにピッタリで、俺の腕は早くも鳥肌状態。初めて見たとき、あまりのすばらしさにしばらくのあいだ幽体離脱してしまった(?)初代『モンハン』のオープニングムービーが、鮮明な映像となって俺の頭の中を駆け巡った。

 2曲目は、迫力の『Monster Hunter』からガラリと変わって、懐かしい匂いのする楽曲『目覚め』。初代『モンハン』のココット村で流れる、あの曲だ。安心感と、どこか物悲しい音色を奏でるのは民族楽器のバンブーリコーダー。今回のコンサートでは東京フィルハーモニー交響楽団だけではなく、民族楽器の奏者も登場して『モンハン』シリーズの独特な調べを奏でてくれた。この音色を聴いていると、初代『モンハン』を買ってきて、ドキドキしながらプレイステーション2にディスクを入れて、何も知らぬまま村に降り立った5年まえのことを思い出す。クエストから帰ってくると、必ずこの曲が傷ついたハンターを出迎えて、癒してくれたんだよな。村の風景に完全に溶け込んでいる曲だが、こうやって表に出してきて改めて聴くと、すごくやさしい、ヒーリング系の音色なのがよくわかる。

 このあと、コンサートでは、『眼光-The Hunted-〜Lioleus/咆哮〜Monoblos/真紅の角』、『動く霊峰〜勇者のためのマーチ』、『恵み深い人々の村』、『嵐に舞う黒い影〜クシャルダオラ〜〜炎国の王妃〜テオ・テスカトル&ナナ・テスカトリ〜』が演奏。休憩まえのひとときに、ステージ上には辻本良三プロデューサー、藤岡要ディレクター、小嶋慎太郎プランナー、そして今回のオーケストラコンサートのアレンジ監修を担当した作曲家の小見山優子さんが登場。オーケストラコンサートを開催することになったいきさつや、『モンハン』と音楽の関わりについて興味深い話を聞かせてくれた。“ミスターモンハン”こと藤岡要ディレクターは『モンハン』シリーズにおける音楽の大切さを、つぎのような言葉で表現した。

 「『モンスターハンター』の世界観を作るとき、最初は絵やイラストから入るんです。それがだんだん固まっていく過程で曲をつけていきます。BGMって、すごく大事なんです。音でしか伝えられないものが、絶対にありますから。だから曲は、すごく大切にしています」(藤岡)

 そして休憩後、ステージに“歌姫”が降り立った。その澄んだ、美しいヒーリングボイスで歌ってくれたのは『精霊へ歌う唄』……。『モンハン』が発する、生命の育みと生きることのきびしさというメッセージをもっとも象徴している楽曲かもしれない。オーケストラの静かな調べに乗せて、心に響く歌声を放つ歌姫。俺は彼女の透明な声を聴いて、瞬間的に「ああ……。“声”もオーケストラの一部なんだな……」と思った。それくらい、歌姫の声はフルオーケストラの風景に溶け込んでいた。

 歌姫の歌声に続いて、ステージでは『ポッケ村のテーマ』、『牙を剥く轟竜/ティガレックス〜闇に走る赤い残光/ナルガクルガ』が披露。そして、ハンターだったら誰もが口ずさめる壮大なテーマ『英雄の証』が満を持して演奏され、会場は割れんばかりの拍手で満たされる。さらに、夏に発売予定のWii用ソフト『モンスターハンター3(トライ)』から、メインテーマとなる『生命ある者へ』が演奏。海のように雄大で、どこか荘厳な響きもある『3(トライ)』を象徴するメインテーマは、この日のコンサートを締めるにはふさわしい楽曲だった。

 このあと、アンコールとして『可愛いアイルー』と、再び歌姫が降り立って『狩人よ、前へ』を披露。会場の拍手はいつまでも鳴り止まず、感極まった来場者から「ブラボー!!」という声も飛びだした。俺も、メモを取る手を止めて痛いくらいバチバチバチと拍手をした。横を見ると江野本も、メモをほったらかして思いっきり拍手をしている。この拍手こそが、来場した誰もが感動し、心に響いたコンサートだった証拠なんだだろうな。

 さて、リポートの最後になりますが、このコンサートを企画したカプコンの皆様、指揮者の栗田博文さん、東京フィルハーモニー交響楽団の皆様、民族楽器奏者の皆様、歌姫のIkukoさん。すばらしいコンサート、ありがとうございました。そして、ほとんど私信ですけど、コミさん、お疲れ様でした! とてもとても、かけがえのない時間になりましたよー!!

投稿者 大塚角満 : 00:37

【MH5周年記念企画】第17回(最終回) やるときゃやるんですっ!

 すっとぼけて、本日2回目の更新です。

 4月19日に開催した“『角満式モンハン学』発売記念&祝『逆鱗日和』2周年イベント”の忙しさにかまけて、“ある企画記事”をすっかりなかったことのようにスルーしていたことに気がつきました。そう……。

 『モンスターハンター』5周年記念企画

 ですよっ!! 『モンハン』シリーズが5周年の区切りを迎えたことを記念し、過去のシリーズを再プレイして、そのときの出来事をコラムにして書くというこの企画。初代『モンハン』から始まって、『G』(プレイステーション2版ね)、『ポータブル』、『2(ドス)』、『2nd』まできっちりと記事を書いたというのに、最後の『2nd G』で止まっていたではないか!! いくら忙しかったからとはいえ、まさか最後の最後を書く直前で止まっていたとはねぇ……。いやあ、まったくもって気づいていました(スンマセン)。「早く書かなきゃ……」、「とっとと書かないと記事の鮮度が落ちる……」とずっと思っていたんだけど、物理的に記事を書く時間を捻出することができず、俺の意思とは裏腹なペンディング状態になっておりました。本当に、申し訳ない!!

 ハイ、言い訳終わり。

 さて、最後に残った『2nd G』だが、現在もバリバリの現役で遊び続けているこのタイトルで再プレイも何もあったもんじゃない気がする。いったい俺は、何をすればいいのだ。どうしてほしいんだ!! ということで、毎度おなじみ『逆鱗日和』シリーズのプロデューサー&ディレクターの江野本ぎずもに質問をした。

 「ちょっとえのっち。5周年記念の『2nd G』だけど、何を目標にプレイすればいいと思う?」

 言われた江野本、「よくぞあっしに聞いてくれました!!」と言わんばかりに目を輝かせ、キッパリとした口調でこう答えた。

 「『2nd G』で大塚さんがやることは決まってますよ! “モンスターハンター”をやるんです!!」

 俺、干からびたヴォルガノスのような渋面を作って、江野本に向かってマヌケなことを言った。

 「『モンスターハンター』をするのは当たり前だろが! そういうゲームなんだから!!」

 一瞬、俺のバカバカしい勘違いを聞いて居眠り中のドスガレオスのような顔を作った江野本。でもすぐにグレムリン化して大声で食ってかかってきた。

 「ちゃいますよ!! クエストの“モンスターハンター”ですー!! じつに27回目の挑戦でこのクエストをクリアーした顛末が『サヨナラ! 逆鱗日和』に収録されていますが、いまだったら意外とアッサリとクリアーできちゃうんじゃないですかね? というわけで、再度モンスターハンターに挑戦して、その模様をリポートしてください♪」

 なるほど……。モンスターハンターに再挑戦か……。うんまあ、悪くないかもしれない。瞬時に晴れやかな表情になった俺は、江野本に向かってにこやかに言った。

 「えっと、それは大剣とかランスでやっていいんですかい?

 言われた江野本、怒れるナナ・テスカトリのような表情になって、口から火を吐き出しながら声を荒げた。

 「また言わすか!! ガンランスに決まってるでしょーーーーっ!!!!

 というわけで、ガンランスでモンスターハンターに再挑戦です(苦笑)。

 でもやると決めたのはいいけれど、久しぶりすぎてクエストに何を持っていけばいいのかがわからない。そこで俺は『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』を引き出しから取り出し、やおら164ページを開いた。なんとこのページには、かつて俺がモンスターハンターに挑戦し、見事4頭のモンスターを打ち倒したときの持ち込みアイテムがすべて記載されているのだ! ななな、なんて便利なんだ『逆鱗日和』!! こ、これは『モンハン』シリーズを愛する人は、ぜひ手に取って読んでみたほうがいいのでは……。

 恥ずかしすぎる自作自演はこれくらいにして、話を先に進めましょう。

 かつて一度だけガンランスによるモンスターハンタークリアーを成し遂げたとき、俺は武器として氷属性のヘルブリザードを持っていった。最後に親玉として登場するラージャンのためだけにこの武器を選択したわけだが、なんとなくいまだったら別の武器でもいける気がする。第一候補として挙げられるのは、攻撃力が736もあり、紫ゲージも長い(斬れ味レベル+1のスキル発動中)デゼルトスリンガー。でもネックとして、会心率−20がついている。第二候補は、攻撃力は690とデゼルトスリンガーに劣るが、会心率にマイナスがついておらず、砲撃タイプが放射型のブラックゴアバスター(デゼルトスリンガーは通常型なのだ)。どちらも甲乙つけがたかったので、「もう決め手はルックスしかない!」ってことで、どうにも毛の生えた見た目が好きになれないデゼルトスリンガーにはお引取り願って、俺はブラックゴアバスターを背中に背負った。さあ、準備完了だ!

 でも先に書いてしまうが、ここから先のリポート、あまりおもしろくならないと思う。というのも……。

 あっさりクリアーしちゃったんだもの!!

 ホントにホントですよ? 俺もビックリしたんだけど、非常にスムーズに、クエストが回ってしまったのだ。

 まずリオレウス。こいつは閃光玉を5個ほど使って終始ピヨピヨ状態とし、徹底的に頭を攻撃してわずか5分ほどで屠り去ってくれた。

 おつぎはティガレックス。まず、登場時の着地点に落とし穴、大タル爆弾Gを設置し、ティガレックスが落ちたのを見届けて竜撃砲で起爆! すぐに闘技場の奥にある壁際に陣取り、突進してきたティガレックスが壁に頭をめり込ませるのを確認してからガンランスの斬り上げ攻撃を頭にお見舞いした。これで、37分残しでティガレックスの討伐に成功。

 3頭目はナルガクルガだ。じつはモンスターハンターに登場する4頭のモンスターの中で、いまいちばん俺と相性がいいのがナルガクルガなのである。閃光玉を投げてピヨらせ、バックステップをして着地した瞬間に音爆弾を放る。たまらず昏倒するナルガクルガの頭目掛けて、踏み込み突きと切り上げ、砲撃の雨を降らせた。これによりまったく危なげなく、なんと26分も時間を残してラージャン戦に突入。さあ、最後の決戦だ!

 ここでいつもの俺だったら、「ラージャンで3オチした!!」、「ラージャン、おっかねえ!!」、「もう無理! 絶対ムリ!!」なんて書くところだが、今回だけはそうはならぬ。

 ま、1オチを計上し、たまらず秘薬を2個使ってしまって、最終的にはノーマル体力でラージャンと渡り合うことになったのだが、俺には終始、余裕があった。けっきょく残り時間10分と1秒。ガンランスの切っ先がラージャンの顔面に突き刺さったところで討伐完了!! かつて26回も失敗し、唯一成功したときも残り時間は3分ほどしか残せなかったのに、なんと今回は10分1秒残し。俺も成長したんだなぁ……(シミジミ)。

 でもこれだけ俺が動けたのも、昨年の秋ごろからいわゆるモンハンアスリートたちと頻繁に顔を合わせ、彼らの立ち回りを間近で見ることができた影響が大きいと思う。彼らの超人的な指さばきをそのままトレースすることなんてできないけど、じっくりと“見る”ことによって、モンスターの特徴的な動きや隙というものを覚えることができたのだ。これを忘れないように、日々精進していきたいと思う。

 ……ってじつは!! 先日の“『角満式モンハン学』発売記念&祝『逆鱗日和』2周年イベント”のとき、来場者のヒマつぶし用にと、俺がガンランスでモンスターハンターに挑戦しているときの模様を動画で撮影し、会場で上映した。俺と佐治キクオ、江野本ぎずもの音声入りでね(笑)。でもこのときは撮影しているという緊張感からかボロボロプレイとなり、2回挑戦したにも関わらず両方失敗……。通算すると、俺のモンスターハンター成功率は“5パーセント程度”ってことになりました……(苦笑)。

※追記※
最近、書きたいことがたくさんありすぎ!! 『2nd G』はまだまだ遊んでいるし、『G』のプレイ日記も始めてしまいました。さらに、先日のイベントの模様を違うタッチで綴る文章も書き始めています。それらも随時公開していきたいので、本日のように1日2回更新になることがあるかもしれません。読み逃し(?)なく!!

投稿者 大塚角満 : 17:44

【MHG】第4回 運搬クエの罠

 『モンスターハンターポータブル 2nd』や『2nd G』から『モンハン』の世界に入ってきたハンターたちを、もっとも苦しめているクエストは間違いなく“運搬クエ”だと思う。大砲の弾を運ぶ要領で飛竜の卵やら灰水晶の原石を胸に抱え、エッチラオッチラとひょこひょこ歩きでキャンプまで運ぶという“アノ”クエストである。最初こそ「わぁ〜♪ 卵を抱えて運ぶと、ハンターさんてこんなユーモラスな動きになるんだ〜♪ おもしろーい(はぁと)」なんて、まるで危機感のないフワフワしたコメントをしてしまいがちだが、たびたび「飛竜の卵を持ってこい」やら「今度は草食竜の卵が食いてえ」と言われ、さらに「灰水晶の原石を運んで来い」、「つぎ、火薬岩ね」なんて言われてしまった日には、脱力感のやり場に困ってヒンズースクワットの50回もしてしまいたくなる。

 運搬クエストが多くのハンターたちから恐れられている理由は、その“緊張感”にある。運搬物を胸に抱えたハンターはその間、歩く速度が低下し、アイテムも使えなくなり、ちょっとの衝撃を受けただけでだらしなく抱えたモノを転げ落としてそこまで運んだ努力を水の泡にしてしまうのだ。落としてしまったらハンターは再び、飛竜の巣やら採掘場所にとって返して運搬物を胸に抱えなおし、エッチラオッチラを再スタート。でも運搬をしているときに限ってゲネポスあたりの嫌がらせ攻撃は「当社比、通常時3倍の躍動感っ! 麻痺液の濃度も危険領域を突破して、ジュプジュプに分泌しておりますっ!!」てな感じで、いつも以上に元気に飛び掛ってくる気がしてならない。

 こんな感じで、極度の緊張感のもとに遂行しなければならない運搬クエは、オンラインプレイ時においては複数人で挑んでとっととクリアーしてしまうに限る。もしも4人でプレイできるなら、運搬係として2〜3人を割り振り、ひとりは嫌がらせをしてくるゲネポスやらランポスの掃除&引き付け係として配置しておくのがいい。まあそれでも、何度も運搬物を落として失敗するんだけどネ。

 そういえば先日、こんなことがあった。

 その日、ミナガルデの酒場にいたのは俺、江野本ぎずも、Effort CristalのGod君(通称・ゴッディ)、狩魂Tのたけちよ(通称・たけちー)といういつもの4人。全員、下位のクエストをひーこら言いながらこなしていた時期で、やはり壁として複数の運搬クエストを残してしまっていた。でも、せっかく4人集まっているんだからここぞとばかりに運搬クエストを受注し、片っ端から片付けてしまったらいいのではなかろうか? 全員、運搬クエストの消化には頭を悩ませていたらしく、誰からともなく出たこの案に「いいね!! やろうやろう!!」、「やっちゃいましょう!!」、「片付けちゃいましょう!!」、「わーいわーい!!」と断食していたティガレックスのように凄まじい勢いで食らいついた。さあ、運搬だ運搬だ!

 最初に挑んだのは★1のクエスト“クリスタルハンティング”だ。沼地を舞台に、灰水晶の原石を3つ納品するクエストである。灰水晶の原石があるのは、エリア11。キャンプまで運ぶ最短ルートはエリア10→5→2→キャンプになるのだが、エリア5では前述の“当社比3倍ゲネポス”が舌なめずりをして待っている。こいつらはいくら狩っても無限に湧いて出るので、運搬物を胸に抱えた鈍足ハンターが無傷でここを通過するのは至難の業だ。なので俺は初代『モンハン』の時代からこのクエストでは、エリア10→6→3→2→キャンプというルートを辿って運搬をしていた。一見遠回りのように思えるが、エリア6でブンブンと飛んでいるランゴスタは一度狩りつくしてしまえば発生しなくなるので、ここは“安全地帯”として通過できる。あとは、ランポス蠢くエリア3を通過できれば晴れて“運搬完了”となるのだ。……ま、このクエストに出る大型モンスターであるゲリョスがエリア2で待ち構えていなければ、だけどね……。

 このクエスト、なんとか苦労してクリアーすることができた。江野本が1個運び(向こう見ずな江野本はエリア5の通過に果敢に挑み、なぜか簡単に突破してしまって楽々と運搬に成功したのだ)、たけちーが1個運んで、俺も無事にキャンプに到達することができた。これを赤のボックスに入れればクエスト終了だ。俺は3人に声をかけた。

 「もう入れちゃっていいかい?」

 するとゴッディとたけちーが同時に「いまゲリョスを追い回してます! もうすぐ狩れるので待っててください!」と声を張り上げた。いまは初期装備に身を包んじゃいるが、その正体はモンハンフェスタで上位に進出する実力者のふたりだ。ゲリョスなど物の数ではないのだろう(……と言いつつ、このふたり、よく落ちるけどナw)。俺は「はーい。狩れたら言ってね」と文字を打ち込み、酒を飲みながらボケーっと画面を眺め続けた。

 でもよく考えてみると、このクエストは終了してから街に戻るまでの時間が20秒しかない。ゲリョスを狩ったところで、俺が剥ぎ取りにいくことはほぼ不可能であろう。なんたることだ。4人で力を合わせて灰水晶の原石を運搬したのに、俺だけが仲間はずれみたいにゲリョスの剥ぎ取りができないなんて!! 俺は目をキラリと光らせてから、3人に向かってこう言った。

 「あー、なんか灰水晶を持つ腕がダルい……」

 これを聞いて、江野本が声を荒げた。

 「コラコラ! 何言ってんの!!」

 この発言を敢然とスルーして、俺はさらに続けた。

 「あー……。なんだか無性に、前転したくなってきた」

 今度はたけちーが悲鳴をあげた。

 「ちょwww カンベンしてください!!ww」

 でもどうにかこうにか前転は思いとどまり、俺たちは無事にクエストをクリアーした。

 さて、この日はそれでは終わらなかった。「せっかくだから、もうひとつやっちまおう!」ってことになり、★2のクエスト“草食竜の卵を回収せよ!”に挑むことになったのだ。

 時間はすでに、朝の4時となっていた。

 このクエストでは、砂漠岩地フィールドのエリア8にある草食竜の卵を3個、キャンプまで運搬しなければならない。俺はこのクエストをひとりでやるときは、エリア7→10→4→3→1→キャンプと移動するのだが、複数人で行うときは「なんとなく、ダイジョブだんべえ」という理由から7→2→キャンプという最短ルートを移動することにしている。もちろん、このときもそうだった。

 かなり端折って書いてしまうが、どうにかこうにか2個の卵を運ぶことに成功し、残るは俺が胸に抱えている卵のみとなった。これを赤のボックスに入れられれば、忍耐力を要求するこのクエストも終了である。俺の責任は、重大であった。

 しかし困ったことに、よりによってこんなタイミングで俺はある魔物に襲われてしまった。そう、“睡魔”である。うひゃ〜〜〜も、もうれチュに、と手ちゅもにゃく眠ひんDeath毛どぉお……zz でも俺はがんばった。ほっぺをつねったり、頭をブルブルと振ったりしながら眠気と戦い、どうにかこうにかキャンプまで卵を運ぶことに成功したのだ!! よし、あとはこれをボックスに入れるだけだ!! あと数歩だああ……zzzzz

 ガシャン!!

 という物音で、ハっと目を覚ます俺。どうやら数秒間、完全に“寝オチ”してしまったようだ。しかし、いまの音はなんだ……? 何が壊れた音なんだ……?? 恐る恐る、40型液晶モニターの画面を眺める。すると……。

 草食竜の卵がっ!!

 なるメッセージが!! あああああ!! 寝オチしてスタミナが真っ赤っかのまま走り続けて、ヘロヘロ状態になって卵を落としちまった!! 俺がキャンプまでたどり着いたのを見届けて思い思いに遊んでいた3人に向かって、おずおずと声をかけた。

 「あ、あの……。スンマセン、一瞬寝オチして、卵割っちゃった……w」

 このときの、3人の非難たるや凄まじかった。

 「ちょっとおお!! 何やってんのよおおお!!!」

 「この土壇場で、なんで落とすんすか!!!w」

 「ねむいよーーーw」

 運搬クエには、思わぬ罠がたくさんある。

投稿者 大塚角満 : 16:08

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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