大塚角満の ゲームを“読む!”

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【MHG】第3回 マカライト・エレジー

 なんだか'70年代の歌謡曲みたいな記事タイトルになってしまいましたが、気にしないでください。

 『モンスターハンターG』からこの世界に入ってこられた皆様。“マカライト鉱石”っちゅーものをご存じでしょうか? 僕はこれまでさんざん、いろんなところで「マカライト鉱石は『モンハン』世界における、序盤のダイヤモンドだ!!」と吹聴してきました。これには、「マカライト鉱石は使用頻度が高いくせになかなか手に入らないため、現実世界におけるダイヤモンドと同じくらい貴重で価値のあるものなんだよ」という意味が込められております。

 でも『モンスターハンターポータブル 2nd』や『2nd G』といった“最近の”『モンハン』で岩の割れ目を掘ってみると、意外なほどザクザクとマカライト鉱石が転げ出てくる。加えて『ポータブル』シリーズには“農場”という便利なシステムがあるので、クエストに行かなくても村の中で鉱石を採掘することもできてしまう。なので『ポータブル』シリーズのみを遊んでいるハンターにとっては、俺の言う「マカライトはダイヤモンドだ!」という主張も、「またあのイカレたおっさんが大げさなことを言っとるで」という程度にしか受け止めてもらえていないことであろう。“マカライト=ダイヤモンド”を伝えるはずが“大塚角満=イカレてる”という部分しか受け入れてもらえず、俺は書くたびに不幸になっていくという悪循環のデススパイラルに陥ってしまっていたのであった。これもすべて、マカライトのせいだ。

 まあかく言う俺もこの1年は比較的素材を集めやすい『2nd G』に浸りまくっていたので、「マカライトは序盤のダイヤモンドですヨ」と主張しながらも声に力はなく、腹の底では(……ま、それほどでもないんだけどネ。森丘でも密林でもジャブジャブ出るしネ。農場でもゴロゴロ出てくるしサ)なーんて思っていたキライがあった。「なんでボクはマカライトのことをダイヤモンドだなんて思ったんだろう?」と、かつての自分の主張に疑問すら抱いていたかもしれない。無責任に思われるかもしれないが、やはり長くプレイすればするほど、昔の記憶は風化されていくものなのだよ。

 で、『モンスターハンターG』だ。当然、『2nd G』からのデータコンバートなんてできないから(当たりめーだ)、裸一貫、イチからのスタートである。

 今回、俺はメイン武器を“ランス”とした。かつて、プレイステーション2版の『G』を遊んでいたときにメインで使っていたのがランスだったので、とりあえずそれをなぞってみようと思ったのだ。

 さあさあ、ランスを育てるぞ。アイテムボックスに最初から入っていたアイアンランスを、まずは鉄鉱石2個を素材としてアイアンランス改にした。おつぎは、ナイトランスか。ふむふむ。鉄鉱石に大地の結晶、ランポスの皮まで要求するのかオマエは。しかたない。掘りに行くか……。ザクザクザク……。この、石ころと円盤石の怒涛のラッシュはどうしたことだ……。プレイステーション2版も、こんなにザコい石だらけだったっけなあ……。それでもどうにか素材を集め続けて、俺は自分のランスをナイトスクウィードまで育てることに成功した。ここまでに数十個の鉄鉱石と大地の結晶を消費し、それを集めるだけでも相当な苦労をしたのだが、こっから先は更にたいへんだった。そう、いよいよ“マカライトの呪縛”が始まるのだ。

 ナイトスクウィードのつぎのランスは、パラディンランスだ。要求された素材は、鉄鉱石15個、大地の結晶5個、そしてマカライト鉱石が4個。「4個くらい、余裕だろ?」と思われるかもしれないが、これまで鉄鉱石や大地の結晶を集めるためにひーこら言いながら森丘やジャングルで採掘を続けていたのに、このとき俺の手元にあったマカライトはたったの3個……。でも、あと1個あればパラディンランスにすることができる。ここを乗り越えればきっと、手持ちの素材で一気に最終形態まで育てることができるに違いない! 何の確信もないその思いを胸に、俺はクエストに出向くたびに仲間に「ちょっと掘らせて!」と言い捨ててピッケルを振り回し続けた。そしてようやく、貴重で稀少なマカライト鉱石を掘り当てて、ついにパラディンランスを作ることに成功する。やったやった!! さあ、勢いに乗って最終形態まで育ててしまうぞ!!

 パラディンランスのつぎのランスは、パラディンランス改だった。どれどれ、必要な素材は……ってオイオイ、マカライトが8個も必要なのかよ……。1個手に入れるために3回もクエストに出向いて掘ったのに、8個なんてどうやって集めれば……。でも、ここで諦めたらいままでの苦労が水の泡だ。俺はピッケルをフルで持ち(ピッケル代もバカにならないけどな……)、森丘フィールドに出かけて行って、3ヵ所の採掘ポイントすべてで岩をぶっ叩いた。しかし、画面に現れるメッセージは……。

 石ころを手に入れた!

 円盤石を手に入れた!

 円盤石を手に入れた!

 円盤石を手に入れた!

 ピッケルが壊れてしまった!

 円盤石を手に入れた!

 石ころを手に入れた!

 ピッケルが壊れてしまった!

 石ころを手に入れた!

 ピッケルが壊れてしまった!

 石ころを手に入れた!

 石ころを手に入れた!

 ピッケルが壊れてしまった!

 ……って、どんだけ堅えええんだよ石ころおおおぉぉぉおお!!!!! ていうか、石ころと円盤石ありすぎだからあ!! もうこの惨状を目にしたときは、本気で涙を流して泣くところだったわい……。それでも俺のいいところはこんなことでは決してめげず、しつこく素材集めに走れることだ。おかげでなんとか8個のマカライト鉱石を集めることができ、喜び勇んでパラディンランス改を作成。いよいよ最終形態が見えてくる。おつぎは……おお! ランパートか! これを作れればいよいよ、最終形態のバベルに手が届くぞ!! さあ、なんでも来いやあ! どんな素材も集めてやるぞ! えーっと、パラディンランス改をランパートにするのに必要な素材は……って、え……? マジで……?

 マカライト鉱石 10個

 マゾーーーーーッ!!!! そんなにたくさん、集められないよー……(泣)。こんな稀少な鉱石、どうやって10個も集めろっちゅーのよ……。しかし、これで終わりではなかった。マカライト鉱石が集められなくて泣き崩れる俺に向かって、最近、ずっといっしょに遊んでいる狩魂Tのたけちよが笑いながらこんなことを言ったのだ。

 「あの……w まことに言いづらいんですけど、ランパートをバベルにするときにさらに、マカライト鉱石を20個要求されますので……wwwww

 ハイ、ちんだー!!!!!

 ……でもおもしろいもので、俺がこんなにマカライトで苦労しているというのに、江野本ぎずもなどは「マカライト、けっこう出てますよ? なんで大塚さんがいつも“マカライト欲しいよお!!”って騒いでいるのかがわからない……ww」と笑いながら言っている。どうやら俺は早くも、“物欲センサー”に目を付けられてしまったようだ。でもまあ、こういう苦労こそが『モンハン』の醍醐味なんだよね!(強がり)
 

投稿者 大塚角満 : 17:30

【MHG】第2回 黄金魚を、釣りに

 『モンスターハンターG』が発売されて、早5日。シングルプレイもオンラインプレイも、同時進行でコツコツとクエストをこなしている。基本、オンラインプレイは自宅に戻ってから遊んでいて、先日の日記に出てきたような人たちとともにフィールドを駆け巡っているわけだが、ときにはひとりで、面倒くさそうなクエストに挑んでいることもある。

 あのときも、そうだった。

 3日ほどまえのことになるが、ミナガルデ酒場の下位クエスト“幻の黄金魚を探せ!”を受注した。読んで字の如く、沼地の最奥部であるエリア7にいるレアな魚、黄金魚を5匹釣って納品する採集クエストだ。“幻の”と言われるだけあって黄金魚はなかなか現れてくれず、おかげでこのクエストは序盤の中にあっては、かなーり気力と体力と運を要求するものとなっている。

 そのとき、酒場には俺ひとりしかいなかった。

 こういったクエストこそ、人海戦術というか数にモノを言わせて、複数のハンターで挑んでパパッとクリアーしてしまいたくなる。単純にハンターの数が多ければ多いほど、楽にクリアーできるからねー。ちなみに、他人が受注したクエストでも手伝ってあげさえすればクリアーマークはつくので、街にいる誰かが「黄金魚のお手伝い募集!」とか、さらにメンドくさ……じゃなくて手間のかかる運搬クエスト(飛竜の卵運びとかクリスタルハンティングとかね)の人手を募る発言をしたら、ここぞとばかりに「はいはい!! 行きます行きます!!」と積極的に手を挙げて、クリアーしちゃうことをオススメしますヨ。

 でもシツコイけどそのとき、酒場には俺ひとりしかいなかった。

 べつに、いまここでどうしても黄金魚クエストをやらなければいけない、というわけではない。風が吹けば桶屋が〜じゃないけど、俺が黄金魚クエストを受注しなかったばかりに、巡り巡って群馬に暮らす中学生の甥っ子の自転車がパンクする……なんてこともあるまい。でも俺はどうしてもこのとき、黄金魚を釣りたかった。最近、江野本ぎずもと釣りの話で盛り上がった影響があったのかもしれない。なかったのかもしれない(どっちだ)。まあとにかく、「黄金魚釣りたい! いま釣りたいすぐ釣りたい!」というモードになってしまったんだから仕方がない。俺は、グニャグニャズルリと蠢くミミズやらバッタやらをエサ箱に詰め込み、すっかり魚紳さん顔になって沼地へと赴いた。いやあ、釣りなんて久しぶりだなぁ〜^^

 沼地における最高のフィッシングポイント、エリア7に到着して、やおら釣り糸を垂れる。魚影は、かなり濃い。俺が少年時代にさんざん釣りをした、群馬西部に流れる鏑川のようだ。しかも、明らかにほかの魚と違う金色の魚体が、ヒラリヒラリと暗い水面に閃めくのが見えた。おおお、黄金魚だ!! い、いきなりいたぞ! こいつは千載一遇のチャンスだっ!! しかもマヌケな黄金魚、俺が垂れたピチピチの釣りミミズに向かって一直線に進んでくる。つ、釣れるぞ! 早くも1匹目だ!! しかし、そのときだった。

 ブッチュンッ!!!

 ランゴォォォオオーーーッ!!! あああ、アナタね、いままさに黄金魚がメメズ(ミミズのことね)に食いつきそうだったの、見てたでしょう!! なにすんのよッ!! よりによって、いま刺すことないでしょーー!! 空気読んでよ空気を!! と、瞬時にオカマ化してしまうくらい陰湿なランゴスタの狼藉にあい、すっかり意気消沈するにわか釣り師。しかもこのあと、黄金魚の動きと釣り師の動きがまったくリンクしなくなり、釣りミミズに食いつく魚は眠魚ばかりに……。けっきょく、ノルマの5匹を釣り上げるまで30分近い時間を消費してしまった。

 でもいいんだ。キチンと釣れたから。こいつを納品すれば、手強いこのクエストもクリアーだ。俺はウキウキしながら釣り場を飛び出し、キャンプに戻るためにエリア3に侵入した。見ると、背の高い草が密生したこのエリアでは、無数のメラルーが飛び跳ねている。

 ああ、よかった。メラルーで。このクエスト、リオレイアが出現するから、ばったり彼女に出会ったらどうしようかと思っていたんだよネ。あーよかった、メラルーで^^ おーよちよち^^ かわいいネコちゃんでちゅねー^^ 俺は相好を崩しながらメラルーゾーンの端っこを通過し、エリア3を駆け抜けようとした。でも、そのときだった。

 ドカッドカッ!!

 黄金魚を盗まれた!!

 ちょっと……。なんてことすんだこのネコは!!! よよよ、よりによって黄金魚を盗むとは……。返せコラ!! どどど、どいつだ盗んだのは!!

 しかしいたずらネコの後を追おうにも、背の高い草にさえぎられていったいどいつが狼藉を働いたのかわからない。しかも……。

 ドカッドカッ!!!

 黄金魚を盗まれた!!

 あ、あの……。ちょっと待って……。

 ドカッドカッ!!!!

 黄金魚を盗まれた!!!

 きゃーーーー!! もうやめてーーー!! おおお俺の30分の時間が!! 黄金魚がああああ!!

 思いがけない大窃盗団の襲撃にあい、釣ったばかりのとれとれ黄金魚を立て続けに3匹もかっぱらわれた哀れな釣り師。慌てふためきすぎて、メラルーに盗まれたものは巣で取り返せるということをすっかり忘れて、うなだれたままクエストをリタイアしたのだった……。

投稿者 大塚角満 : 17:22

【MHG】第1回 嗚呼、懐かしのミナガルデ

 皆さん、狩ってますかーーーーっ!! いやあ楽しいよ、Wii版『モンスターハンターG』!! 俺、『G』ってプレイステーション2版で1500時間以上も遊んだので正直、「やると言ってもサワリの部分くらいで、どっぷり浸かることはないんだろうナ」と思っていたんです。ところが! やり始めたらおもしろすぎて、止め時がわからなくなっちまったよお!! この週末も、気の置けない仲間と連日朝まで狩りまくっただけでは収まらず、野良(面識のない人とその場でパーティーを組んで遊ぶこと)でも「いっしょにやりましょー!」ってんで声をかけてはクエストにくり出し、クックやゲリョスを追い掛け回しておりました。おかげで、ハンターランクは早くも7。家で使っているWiiをわざわざ会社に持ってきて、仕事の合間にもコツコツと遊んでいたりする。据え置きマシンのゲームでこんな精神状態になってしまったの、『2(ドス)』にハマっていたとき以来だわ。どんだけ『モンハン』が好きなんだ俺!!! と、思わず自分でツッコミたくなります。

 この週末も、いまやすっかりふつうの友だちとなったEffort CristalのGod君(通称・ゴッディ)、狩魂Tのたけちよ(通称・たけちー。ふたりがナニモノか知りたい人は、コレとかコレとかコレとかコレとかこの記事を読もう!)、そして江野本ぎずもらと連日朝まで遊び続けた。ゴッディとたけちーは完全なモンハンアスリート(とくにゴッディね)なので、きっとふだんの狩りも「効率イノチ!!」と叫んで修羅の強さで並み居るモンスターを力でねじ伏せるんだろうな……と思っていた。が、意外なことにまったくそんなことはなく、防御力6の初期装備を身につけてイャンクック討伐なんかに出向いては、「クックこわいー!!」、「か、勝てる気がしないっスよ!!」なんて本気でわめいていたりするのでギャップ萌え死しそうになりました。やっぱり装備が強くなりきってしまうまえの、フィールドにいるモンスターすべてが恐ろしいこの時期は、一種独特のきらめきがあるんだよねえ。

 俺たちは強大なモンスターが跳梁跋扈するフィールドを眺めながら「とりあえず手を携えて生きていこう!」と誓い合い、4人で協力してミナガルデ(オンラインの集会所ですな)の下位クエストを精力的にこなしていった。しかし前述のとおり、いまや日本でナンバーワンとまで言われる超絶的な技量を持つゴッディや、それには及ばないまでもモンハンフェスタで全国大会に進出できる力を持つたけちーがいたところで、序盤のクエストがキツいことには変わりがない。はっきり言って、すべてのクエストが恐ろしい。

 そんな中、俺はゴッディ、たけちーと3人で、森丘を舞台にしたランポス20頭討伐クエストに出向いた。ランポスはご存じのとおり、いちばん最初にハンターの前に現れる肉食獣だ。“いちばん最初”ってことは、とくにイヤらしいことをしてくるわけでもない、非常にオーソドックスな能力と強さを持ったモンスターということになる。……ま、要するにザコなわけだが、防御力が6しかないハンターから見たらこんなランポスも十分な強面モンスターということになりますね。俺たちはひーひーと喘ぎながら、黙々とランポスを狩り続けた。

 そのとき、俺はエリア6に貼りついて2頭のランポスと対峙していた。早いところこいつらを片付けて、つぎのエリアに向かおう。そう思った矢先だった。

 俺の目の前の地面に、ボワンと怪しい影が落ちた。じょ、上空に、何かきたぞ……。俺は悪魔の子ふたりにボソリと告げた。

 「な、なんか上に来たみたいなんですけど……」

 たけちーがこれに応えた。

 「あw このクエ、レウス出るから気をつけてくださーいwww」

 ……って、先に言ってーーーっ!!!

 でも、『モンスターハンター』ってこういうゲームだったんだよな。『2nd G』ではすっかり強くなってしまったので忘れてたけど、序盤の、なんてことはなさそうな採集クエストでも、まるでガーディアンのように大型モンスターがズズンと登場してハンターの行く手を阻むんだよな……。その大型モンスターはクエストの最終目標ではないから一見、そこにいる必要はないように思える。でも、彼らがふつうに(強調)そのフィールドで生活していて、フラリと現れたハンターに反応してくれることに俺は強烈な“リアリティー”を感じるのだ。モンスターのふつうの生活圏に入り込むことでハンターと世界観の関わりが生まれ、そこはかとない緊張感とゲームの世界にどっぷりとハマり込んだ没入感、充実感を得ることができる。じっくりと腰をすえることで世界観の息遣いをこれでもかと感じられるのは、据え置き機の『モンハン』ならではのものなんだということに改めて気づかされた。俺はコレが好きだから、『モンハン』を遊び続けているんだよな。

 俺はほうほうの体でエリア6から退散し、「ルル、ルーキーハンター相手に本気になるんじゃねえよ!!」とリオレウスに毒づいた。でも考えてみると、もしもこの序盤でリオレウスの素材が手に入っちゃった日には、新作が発売されるたびに親にねだってファミコンソフトをほぼコンプリートしていた小学校時代の同級生、栗林君(仮名。でも実話)に匹敵するセレブ少年のできあがりではないか。しかもいま俺といっしょにクエストに来ているのは、日本でも屈指の超絶ハンター・ゴッディである。俺はリオレウスがパタパタと飛んでいるであろうエリア6の空を眺めながら、ゴッディに向かって甘い声を出した。

 「ねぇ〜、ゴッディ〜♪ ちっぽ欲しいよ〜〜〜w

 俺の発言に、たけちーも便乗した。

 「僕も尻尾欲しい〜〜〜ww

 これを聞いたゴッディ、最初こそ「ええ!?w キツいっすよこの装備じゃ!」なんて謙遜した発言をしていたがすぐに勝負師の顔になり、「わかりました! やってみます!」と宣言。なんと数分後に防御力6、ナイトスクウィード(初期のランスね)という頼りない装備ながら本当にリオレウスの尻尾を切断してのけ、俺とたけちーを狂喜乱舞させたのであった。

 こんな感じで日々、創意工夫(っていうか他力本願)しながら『G』の世界で生活しています。序盤だからこそ感じられる『モンハン』世界の息吹を、しばしのあいだ堪能したいと思う。

投稿者 大塚角満 : 19:32

【MHP 2nd G】第172回 祝『逆鱗日和』2周年イベントリポート 最終回

 優勝候補の筆頭と目されていたモンハンフェスタ`08チャンピオン、もうゲネポが1回戦で敗退するという波乱の幕開けとなった第3回角満カップ。実力が拮抗しているだけに、ほんのちょっとのミスを犯しただけでふるい落とされてしまうという、見ているこちらの胃が痛くなるようなギリギリのせめぎ合いが確かにここにあった。観衆は、たったの250人。優勝したところで、もらえるものは俺が作った気持ちの悪い呪い人形のような角満ヘッドトロフィーと、わずかな名誉だけだ。それでも出場6チームは、いっさい手を抜かないガチンコの戦いをくり広げてくれた。彼らの真剣な表情を見た瞬間、俺は心から「イベント、やってよかった……」と思えた。

 さあ、勝負はいよいよ準決勝だ。種目は、準決勝に進出した4チームに10種類のチャレンジクエストの中から好きなもの(ただし、チャレクエ07と10は1回戦、決勝の種目なので除いた)を紙に書いてもらい、その中から1枚だけ選んだ紙に書いてあったものを“採用”とした。で、俺がステージ上で引き当てた紙に書いてあったのは……。

 チャレンジクエスト04

 Effort Cristalが書いたこのクエストが、準決勝の種目となった。

 チャレンジクエスト04は、旧密林を舞台にした大連続狩猟だ。ババコンガ亜種、リオレイア亜種、そしてナルガクルガの3頭を連続で討伐しなければならない。ちなみに準決勝は時間の関係で、2チーム同時にプレイすることになった。最初にステージに登場したのは……Effort Cristalと狩魂T!! 奇しくも、1回戦と同じ顔合わせとなった。モンハンフェスタ`08名古屋大会決勝のときから数えると、3回連続で同じ組み合わせとなる。この4人、前世あたりからよっぽど因縁があるのであろう。

gekirin29.jpg

 ではさっそく、プレイのほうを見ていってみよう。あ、最初に書いておきますが、ウチのイベントスペースはシステム上、スクリーンを2分割して両チームの動きを同時上映することができません……。けっきょく頻繁にカメラを切り替えての上映になったので、俺がこれから書くリポートも両チームを行ったり来たりすることになります。読みづらくなる可能性が大きいのですが、なにとぞご了承ください……。

 さあ準決勝1組目。エフォクリはGod君がハンマーでJack君が大剣、狩魂Tは、たけちよがハンマー、Mizunoe君がヘビィボウガンという組み合わせだ。1回戦で極まりまくりの立ち回りをしながらも、わずかなミスを犯して「Godに説教される……」と落ち込んでいたエフォクリのJack君。そんな彼を励ますように、タイムアタックの絶対神・God君は「Jack!」と鋭く叫んで彼の右手を握ったではないか。気合入りまくりの握手スタート! 友情が復活したエフォクリはこのあと、さらに極まった立ち回りを見せることになる。

 狩魂Tは、天才プレイヤー・Mizunoe君がヘビィボウガンを持っての出陣。のちに「皆、このクエストを狙って練習してきていると思ったので、僕らはこれ以外のクエストをやりたかった……」とつぶやいていたが、そんな動揺はまったく感じさせないキレイな立ち回りで弾丸をババコンガ亜種にぶち込んでゆく。瞬時に狙いを定めて頭から尻尾、もしくは尻尾から頭に突き抜けるように貫通系の弾を撃ち込む。あとで逆鱗日和ファミリーの知識ゼロ男・中目黒目黒が、「あのヘビィボウガン、なんだかキレイでしたね」と感心していたのだが、そんなシロウト(笑)にもすごさがわかる立ち回りだった。一方、相棒のたけちよは徹底的に頭を攻撃して早々にめまいを奪取。ところが、カメラがエフォクリに切り替わっているあいだに1オチを計上したらしく、思わぬタイムロスとなったようだ。

 エフォクリはGod君が頭、Jack君が脚を狙ってババコンガ亜種を追い込み、エリア移動もさせずにこれを討伐。新たに現れたリオレイア亜種も、徹底した頭攻撃によるめまいでバタリバタリとぶっ倒れる。めまいが解けるタイミングで、Jack君が閃光玉を放ってピヨり状態に。速攻で2回目のめまいとなり、そのままリオレイア亜種は昇天……。ここまで、なんと5分針だ。

 ババコンガで遅れをとった狩魂Tも、リオレイア亜種戦で追い上げを見せる。リオレイア亜種の着地点にたけちよが落とし穴を設置し、Mizunoe君は貫通弾を頭から打ち込んでゆく。たけちよは、ハンマーのスタンプを確実に頭に。たまらずリオレイア亜種は1回目のめまい状態となった。しかし同じころ、すでにエフォクリのふたりはナルガクルガ相手に立ち回っていた。閃光玉と音爆弾で動きを止めて、God君は横振り攻撃を頭に入れる。決して無理はせず、それでも執拗なまでにめまい値を蓄積させてゆく。結果、ナルガクルガはめまいに。これを合図にJack君が落とし穴を設置し、ナルガが穴から飛び出したのを合図にGod君は縦3攻撃。なんとコレがナルガの脳天にジャストミートし、またまためまい状態になったではないか! たまらず、脚を引きずり出すナルガクルガ。しかし逃亡することをエフォクリは許さず、追い討ちをかけてこれを討伐してしまった!! タイムアタックの修羅だ、このふたり……。

 そのころ、狩魂Tもナルガクルガ相手に奮闘していた。たけちよはナルガの頭に攻撃を集めてめまいを取り、Mizunoe君はナルガの苦手属性である電撃弾をビシバシと打ち込んでゆく。そして、アッと言う間に討伐。先の2頭で手こずった分を、一気にナルガで挽回した形だ。

 そして準決勝2組目。Jast25`sと当日予選勝ち上がり組のNAMAZONE No.0&5の登場だ。NAMAZONE軍団のリーダーである0さんは、「自分たちもチャレンジクエスト04を選択していました」と自信の表情で告白。しかし間髪入れずに「……でもまったく練習できていません!」とカミングアウトし、期待していいのか心配していいのかわからないコメントで来場者とJast25`sをかく乱させる!! さすが『2nd G』虎の穴から派遣されたNAMAZONE軍団。ワクワクさせてくれるではないか! なお、武器はJast25`sがふたりともハンマー、NAMAZONE No.0&5が大剣・ハンマーとなった。

 クエストがスタートした直後、「おおお??」と思わせる動きを見せたのは、モンハンフェスタ`07チャンピオンのJast25`s。なんとふた手に分かれて走り出し、こんぺい君はエリア5(山菜ジジイのいるところね)に入ってピッケル2個を採取したのである! そのまま、エリア4の採掘ポイントで閃光玉をひとつ発掘。そしてようやく、エリア5でraven君と合流してババコンガ亜種との戦闘に突入した。

 一方、NAMAZONE No.0&5はセオリーどおり(?)にエリア5に突入し、ババコンガ亜種と激突。しかしカメラが切り替わったのと同じタイミングで1オチとなり、思わぬタイムロスを喫する。けっきょく、Jast25`sもNAMAZONE No.0&5もババコンガ亜種にエリア移動を許してから、ほぼ同時にこれを討伐。準決勝第2戦は、白熱のデッドヒートの様相を呈してきた。

 差が出始めたのは、つぎのリオレイア亜種からだった。NAMAZONE No.0&5は、威嚇のポーズで動きを止めたリオレイア亜種の頭にハンマーの縦3、大剣のタメ3斬りを豪快にお見舞いしてゆく。Jast25`sも確実に頭への攻撃をくり返していたが、ふたりともサマーソルトなどの大技を食らってしまい予期せぬ苦戦を強いられる。結果、若干だがNAMAZONE No.0&5が先にリオレイア亜種を討伐して最後のナルガクルガ戦に。Jast25`sも後を追うようにナルガクルガと対峙するが、焦りからか落とし穴を壊されてしまうという痛恨のミスを犯し、さらに歯車が狂ったのか尻尾ビタンなどの攻撃を浴びて2オチを計上してしまう……。そして、NAMAZONE No.0&5は落とし穴に落としたナルガクルガの頭に攻撃を集中させてめまいを奪取。さらに攻撃を畳み掛けて、穴に落としたままの状態で討伐達成! Jast25`sは回復薬も切れたボロボロの身体でなんとか食らいつき、NAMAZONE No.0&5が討伐を果たした数分後にナルガクルガを撃破した。そんな、準決勝の結果は……!

1位 Effort Cristal 09分12秒
2位 NAMAZONE No.0&5 11分24秒

3位 狩魂T 11分54秒
4位 Jast25`s 14分13秒

 エフォクリが圧倒的な速さで1位通過。そして当日予選勝ち上がり組のNAMAZONE No.0&5が、ゲスト2チームを退けて決勝に進出するという快挙を成し遂げた。

 さあさあさあさあ!! いよいよ第3回角満カップの決勝戦だ!! 激昂ラージャンを討伐するチャレンジクエスト10でタイムアタックだ! 誇張抜きで、これを目撃した250名の観客が後世に語り継ぐであろう伝説の一戦がくり広げられました。ただし! あまりにも高度な立ち回りが展開されたため、俺のショボい知識と表現力ではすべてをお伝えするのは不可能です!! すんません! ホント、動画で見せてあげたいよこの決勝戦は……。

 というわけで、まずは1回戦、準決勝ともに1位で駆け抜けたエフォクリのパフォーマンスだ。タイムアタック直前にコメントをもらうと、チームリーダーのGod君は「優勝、ありがとうございました!」と堂々の勝利者宣言! くぅ〜! かっこいいじゃねえかゴッディ!!(俺はふだん、God君をこう呼ぶのだ) 一方、相方のJack君は「1回戦でミスって落ち込んでいたんですけど、だいぶ落ち着いてきました……」とじつに泣かせるコメント(涙)。この、あまりにも対照的な思考を持つふたりが、とんでもないパフォーマンスを見せるのだ。

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 キャンプに降り立ったふたりは、まず秘薬を飲んでから闘技場に突入。ラージャンに気づかれないように右回りで右隅まで走っていってシビレ罠を採取し、強走薬を飲んでからラージャンに接近してひとつ目のシビレ罠を設置した。振り向き、ハンターの存在に気づいて走り寄ってくる牙獣の王。当然のようにシビレ罠を踏んで、ふたりに顔面をボコボコにされる。そして、早くも激昂! 俺あたりだと「わー! 激昂した!! 逃げろ逃げろ!!」とわめいて逃走を企てるところだがエフォクリのふたりは至って冷静。デフォルトで持っている眠り投げナイフをピュンピュンと投げて、ラージャンを深い眠りの世界へ。攻撃力が激高のスタンプからの振り上げ攻撃を頭に当てるという、ラージャンにしたら史上最悪の方法で叩き起こし、めまい値を蓄えていく。

 そして! 圧巻だったのはここからだ。God君はラージャンがバックステップに来る瞬間を完全に読み切っていて、いきなりラージャンに背を向けたと思ったら何もないところでスタンプを2回。するとどうだ! いきなりGod君の分身の目の前に影が落ち、ハンマーの振り上げ攻撃が空を切る……と思ったその瞬間にラージャンの巨体が現れた!! 振り上げ攻撃は見事にラージャンの顔面をとらえ、金獅子をひるませる。さらにラージャンが気光ブレスを吐いているときも徹底して顔面を強打。さしものラージャンも立っていることができず、角の破片をぶちまけながらめまいを起こして昏倒……。God君は頭、Jack君は脚にまわりこんで縦3攻撃をくり返す。ラージャンも激昂して空中からのローリングアタックをくり出してくるも、エフォクリのふたりはカメラの視界からラージャンを外して(!)、これを余裕の態度で避けてしまう。あの攻撃の鬼が、何をやってもエフォクリに致命傷を与えることができず、逆にバックステップを読み切られて強烈な振り上げ攻撃を再三顔面に当てられてしまう。……なんだか途中からラージャンを哀れむような文章になってしまっているが許してくれ(苦笑)。思わずそうなってしまうくらい、エフォクリの立ち回りは極まっていたんだから……。

 けっきょく、ラージャンは3回もめまいを奪われ、修羅と化したエフォクリのふたりにほとんど何もできぬまま、わずか5分足らずで天に召されてしまった……。どんだけすげえんだエフォクリ!! 正直、途中からラージャンを応援したくなったわい(笑)。

 こんな、悪魔の子どころか悪魔そのものの立ち回りを見せられたNAMAZONE No.0&5は、「アレには勝ち目がない……(苦笑)」、「参りました……(苦笑)」と苦笑モード全開。しかし、当日予選からここまで駆け上がってきたふたりのパフォーマンスも、そりゃあすばらしかったのよ!

 途中までは、エフォクリのふたりの動きをトレースしているような立ち回りを見せたNAMAZONE No.0&5。眠り投げナイフで眠らせたあとの起こしかたまでまったく同じで、「これは好タイムが出るかも!!」と観衆の誰もが期待する。ラージャンの怒涛の攻撃をかわす立ち回りもそりゃあ見事で、身に着けているナルガX装備の回避性能をフルに活かして、空中からのローリングアタック、そして地上の回転攻撃も、ミリ単位の見切りで片っ端から避けてみせた。会場から沸き起こる拍手と歓声。NAMAZONE No.0&5のふたりも、エフォクリと同等の実力を持った強者中の強者であることを知らしめる強烈なパフォーマンスだった。

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 しかし、それまで抜群の動きを見せていたNAMAZONE No.0&5だったが、気光ブレスの終わりかけを狙ってハンマーの振り回しを敢行するも、激昂状態の回転攻撃をカウンターで食らって1発昇天。会場から悲鳴にも似たため息が漏れる。それでもやはり、このふたりはすごい。ナルガX装備の特性を活かした忍者を思わせる立ち回りでラージャンとの距離を詰め、スタンプを確実に頭にお見舞いする。そして、God君が見せた神業であるバックステップ後の振り上げ攻撃をラージャンにぶちかまし、見事にめまいを奪う!! やっぱりこのふたり、エフォクリに匹敵する実力者だ……。彼らの躍動を見て思ったよ。「当日予選、本当にやってよかった!!」って。まだまだ日本には、表に出てきていないすばらしい実力者がたくさんいる。NAMAZONE No.0&5のふたりが、それをきっちりと証明してくれたのだ。

 そして、クエストは終了。NAMAZONE No.0&5のタイムも、かなり期待できそうだ。正直、ステージで見ていただけでは、どっちが勝ったのかまるでわからなかったしね。そんな俺に、決勝のタイムが書かれた紙が渡された。さあ、第3回角満カップを制したのは……!!

優勝 Effort Cristal 4分47秒
準優勝 NAMAZONE No.0&5 7分45秒

 エフォクリのふたりが、1回戦、準決勝、そして決勝と、すべてのタイムアタックで1位を獲って“完全優勝”の快挙を成し遂げた! 決勝のタイムはなんと、4分47秒……。コレ、ふつうは4人で挑戦するチャレンジクエスト10をふたりでクリアーしたタイムですヨ? しかも相手、激昂ラージャンですよ!? エフォクリのタイムと比べると遅いように見えちゃうけど、NAMAZONE No.0&5の7分45秒だって驚異的な記録なんですよ!? どんだけ極まったんだエフォクリ!! 本気で、いま日本で彼らに勝てるチームはいないのではなかろうか……。それでもGod君はこのタイムを見て、「平均的なタイムですね」とひと言。最速、どんだけ出てんだコラーーーー!!! と、なぜか怒りたくなります(苦笑)。

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▲優勝したエフォクリのふたりには、俺が作った角満ヘッドトロフィーを引き取ってもらった(笑)。うれしそうだったなあ、ふたりとも^^

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▲トロフィーを受け取った直後のふたりの表情。吹き出しをつけずにはいられなかった……。

 そんなこんなで、Effort Cristalの圧倒的な強さばかりが際立った第3回角満カップ、そして『角満式モンハン学』発売記念&祝『逆鱗日和』2周年イベントは幕を閉じた。何度も書いてきたけど、ガチンコのタイムアタックをメインに据えたイベントということで、ここ1ヵ月くらいずっと(盛り上がるだろうか……?)、(喜んでもらえるだろうか……?)ということばかりが頭の中に渦巻いていた。これ、本当の話なんだけど、イベントが開催される直前の1週間、俺はイベント中にトラブルが起こる悪夢ばかり見てまともな睡眠を取ることができなかったのだ。イベントプロデューサーの江野本もそう。朝、会社で顔を合わせると、合言葉のように「またイベントの夢を見たっス……」、「俺もだよ……」なんて会話ばかりしていた。でも! イベント運営を手伝ってくれたファミ通関係者たち、日曜の貴重な時間を割いて来場してくれたファンの皆さん、そして、タイムアタック予選に参加してくれたタイムアタッカーと、なによりゲストとして大活躍してくれたモンハンアスリートたちの協力のおかげで、今回もじつにステキなイベントにすることができました。本当に、ありがとうございました!

 じつはイベントが行われる数日まえ、江野本と酒を飲みながら打ち合わせをしていたとき、どちらからともなく「今回でイベント、最後かもね」なんて言葉が出た。というのも、昨年7月の『ニャンと! 逆鱗日和』発売記念オフ会が終わったあとは「つぎは企画色を強くしたイベントを!」という案がすぐに出たし、11月の『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会が終わったあとは「つぎはガチンコで!」という方向性がすぐに打ち出されたのだ。でも今回に限っては、『2nd G』が発売から1年経ったこともあって、「つぎに何をやればいいか、まったく見えてこないね」と、ふたりして葬式帰りのような顔で話していたのである。イベントはやりたいけど、ビジョンが見えてこないかもしれない……。そんな寂寥感と恐怖心の中で、俺たちはイベント当日を迎えていたのだ。

 そして、実際にイベントが終わってみて−−。

 何かが吹っ切れたのか、俺たちは顔を合わせるたびに「つぎ、こんなことやりたくない?」、「こういう案があるんですけど、どうスかね!」なんてことを、心からの笑顔で話しています。つぎの単行本がいつになるのかわからないので、イベントなんてまだまだ先のことかもしれないけど、我々、しっかりと前を向いております。遠くない未来に、必ず4回目のイベントを行います。それを公約として、今回は筆を置こうかな。

 長文、読んでくれてありがとうございました。では皆さん、よい狩りを!

投稿者 大塚角満 : 23:42

【MHP 2nd G】第171回 祝『逆鱗日和』2周年イベントリポート その3

 チーム逆鱗日和によるやかましいタイムアタックが終わり、いよいよ本日のメインイベントがスタートだ! ゲスト4チーム(もうゲネポ、Effort Cristal、Jast25`s、狩魂T)と、当日予選を突破したNAMAZONE 6&13、NAMAZONE No.0&5というツワモノ中のツワモノ6チームによるガチンコのタイムアタック対決である。

 1回戦の種目は、チャレンジクエスト07のナルガクルガ2頭討伐。クエストに挑戦する順番は、以下のとおりとなった。

1.狩魂T
2.Effort Cristal
3.もうゲネポ
4.Jast25`s
5.NAMAZONE 6&13
6.NAMAZONE No.0&5

 2チームがいっしょに壇上に上がり、左右の席に分かれて着席。それぞれのチームの立ち回りをじっくり見たかったので、タイムアタックは1チームずつ行ってもらうことにした。

 あ! そうだそのまえに!! これ見てコレ。

ずずーん!!
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 ↑コレ、俺が作った優勝チームに贈られるトロフィーです!! モンハンフェスタ`07で全国上位3チームに贈られた“レウスヘッドトロフィー”を覚えている人も多いかと思うが、これはそれにインスパイアされて作った、その名も“角満ヘッドトロフィー”なのでえす!! この、どっから眺めても目が合ってしまいそうな呪い人形を髣髴とさせる佇まいを見て、出場6チームのモチベーションが上がること上がること^^ 『角満式モンハン学』の表紙フィギュアを作ってくれた造形師のトルーパーズさんに弟子入りして、一生懸命作った甲斐があったよ^^^^

 というわけで、まずは最初の2組。狩魂Tとエフォクリ(Effort Cristalのことね)の4人がステージに登場した。この顔合わせを見てピンと来た方は、かなりのタイムアタックフリーク。何を隠そう、昨年行われたモンハンフェスタ`08名古屋大会の決勝戦で激突したのが、まさにこの2チームなのである。そしてそのとき、エフォクリは伝説の“シンクロプレイ”を初公開してナルガクルガと狩魂Tを翻弄。圧倒的な速さで地区大会の頂点に立ったのだ。いわばこの顔合わせは、モンハンフェスタ`08名古屋大会の“リベンジマッチ”ということになる。

 さあ、まずは打倒・エフォクリを目指す狩魂Tのタイムアタックだ。武器は、ふたりともハンマーを選択。“天才”Mizunoe君と、自称“凡人”のたけちよ(なぜか呼び捨て)の立ち回りやいかに!?

 闘技場に入ったふたりは、ポケーっと突っ立っているナルガクルガの股をくぐって(!)、背後に回りこむ。そこから、徹底して頭を攻撃。たけちよの回転攻撃のフィニッシュが見事にナルガの顔面にヒットし、めまい値が蓄積されていく。しかし、ここで特筆すべきはMizunoe君の立ち回りだ。どう考えても「それ、当たってるだろ!!」っていうギリギリの間合いで、ナルガの攻撃を片っ端から避けてしまうのである。咆哮も、飛びつきも、尻尾も、すべてミリ単位の動きでヒラリヒラリと避けまくる。こんな男を相手にしたナルガクルガはちょっとデカいネコのようなもので、アッと言う間にめまいでぶっ倒れ、怒りながら起きたとたんに落とし穴にドボン。なんとか脱出して上空に飛び上がったら、今度は着地点に落とし穴が。Mizunoe君が頭に、たけちよは脚付近に攻撃を加え続け、わずか数分で1頭目を討伐してしまった。

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 2頭目。狩魂Tのふたりはシビレ罠を闘技場の端からゲットし、ナルガの着地点にひとつを設置。その上に支給用大タル爆弾を2個置いた。まんまとそこに降りてくるナルガクルガ。支給用大タル爆弾の爆風に煽られてすぐに激怒し、跳び退ったところにいつの間にか2個目のシビレ罠が! あとはもう、徹底的に頭にスタンプ攻撃。かなりの好タイムで2頭目の討伐を完了した。

 おつぎはエフォクリの出番だ。このふたりも、武器はハンマー・ハンマーだ。闘技場に入ったふたりは、狩魂Tと同じようにナルガクルガの股間をくぐって背後に回り込む。そして、ナルガの振り向きにタイミングを合わせてGod君が回転アタックをくり出し、Jack君はいわゆるタメ3攻撃を敢行する。このとき、Jack君の攻撃はGod君にヒットして豪快にふっ飛ばしちゃったのだが、これがあとあと、火種(?)のもととなる。

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 それにしても、このエフォクリの立ち回りのなんと極まっていたことか! 回転攻撃のフィニッシュを頭に当てるのは当然として、落とし穴に落ちてナルガは首を振りまくっているのに、それでもタイミングを合わせて確実に頭に攻撃をヒットさせちゃうのである。こんな調子なので、1頭目は瞬殺。そして2頭目が現れるまでの1分間に、ふたりは同時に秘薬を飲み、同時に携帯食料を食べ、同時に何度も何度も砥石を使って武器を磨いた。そう、このふたり、休憩時間中もシンクロしまくっていたのである!(笑) 誰にも負けない練習量と、すっかり大舞台慣れした余裕が、こういったパフォーマンスに結び付いているのであろう。

 2頭目。エフォクリの立ち回りは、さらに極まった。ナルガクルガが上空に現れて闘技場に影を落としたのを合図に閃光玉が炸裂。ドサリと落下してきたナルガの脇には2個の支給用大タル爆弾があり、Jack君がハンマーの横振りでこれを起爆。God君はとっくに頭に回りこんでハンマーのスタンプを確実にお見舞いしている。当然のように、ナルガはすぐにめまいに。それを合図にJack君がシビレ罠を設置し、怒って跳び退ったナルガはこれにハマる! すぐに、2回目のめまい。そのあいだにGod君が落とし穴を作り、これにハマっているうちに3回目のめまい……。ナルガ、なんとか穴から抜け出すも、着地したとたんに縦3攻撃が頭にジャストミートして天に召されてしまった……。

 「ちょっぱえええええ!!!!!!」

 ステージ上の解説者3人は、同時に絶叫したのだった。それでも、すばらしい立ち回りを見せたはずなのに試合を終えたJack君は、「ミスが多くてぜんぜんダメです……。あとでGodに説教されます……」と超ブルーになってるし!! どこがぜんぜんダメなんだ!! 十分すぎるくらいスゴかったよ!! はあはあはあ……。

 さあ気を取り直して(?)、3組目と4組目。もうゲネポとJast25`sだ。いやあこれも、なんともゾクゾクとする顔ぶれではないか! そう、モンハンフェスタ`07のチャンピオンと、モンハンフェスタ`08のチャンピオンが、同じステージ上に並んでいるのである! 両チームともこの顔合わせ(と言っても、この2チームでタイムが速いほうが勝ち上がるわけではないが)に感じるところが大きいらしく、もうゲネポのMASAKI君は「一度でいいからJast25`sと真剣勝負がしたかったので、すごく楽しみです」と闘志満々のコメント。やっぱりいいな! ライバル関係は! ということで、1回戦第2組のタイムアタックスタートだ。

 最初にチャレンジするのは、もうゲネポ。やはり、武器はハンマー・ハンマーである。闘技場に入ったふたりは、先の2チームとは違って股はくぐらず、エリアの右端を通ってシビレ罠を採集。闘技場の中心付近にこれを設置し、うまく誘導してハメることに成功した。そして、1回目のめまいを奪取。さらにふたりは、ナルガクルガから遠く離れて落とし穴を設置し、怒ったナルガをこれに落とす。そして、頭にスタンプの雨を降らせて穴に落ちたまま2回目のめまいを奪った。いつものセンス溢れる立ち回りとはどこか違う、“力”で押し込むようなふたりの動き。でも、なかなか順調だ。もうゲネポも、かなりの好タイムを出すのでは……と思った矢先に!! なんとナルガクルガの執拗な攻撃にさらされた唯君がまさかの1オチ……。1頭目の討伐に、思いがけず手こずってしまう。

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 しかしさすがはモンハンフェスタ`08のチャンピオン。2頭目の討伐で魅せてくれた。闘技場の中心付近にシビレ罠と支給用大タル爆弾を設置し、その近くに落とし穴も作成した。しかしほかのチームと比べて、シビレ罠を置く位置が明らかに違う。ば、場所を間違えたのか……? と誰もが固唾を呑んで見守っていた刹那、ナルガクルガが上空に姿を現したのを確認したゲネポのふたりはいきなり閃光玉を放った! しかし、遠くにいすぎて、エフォクリのときのようにドスンと下には落ちてこない。こ、これは失敗なのでは……。と思ったら! なんと上空のナルガクルガは吸い寄せられるように進路を変え、シビレ罠の上に着地したではないか! これを見て驚いたのが、Jast25`sのふたり。急遽、「なるほど!!」と驚愕の表情を浮かべたraven君に解説してもらった。

 「ゲネポのふたりは閃光玉を投げることで早めにハンターの存在に気づかせ、ナルガの行動パターンを変えたんです。こんな方法があったんだ……」(raven)

 高度すぎて、もうよくわかんねえよ!!(苦笑) ここからは、もうゲネポの独壇場。ナルガの振り向きざまに唯君は回転攻撃をくり出し、MASAKI君はタメ3攻撃を頭に当てる。動きが止まったら、徹底的に頭にスタンプ。1頭目で手こずった鬱憤を晴らすように、かなりのスピードで2頭目を狩ってのけた。

 4チーム目は、Jast25`sだ。この大会へ向けてのモチベーションが非常に高いこんぺい君とraven君。熱血漢らしく、がっちりと握手をしてから闘技場に降り立った。

 このふたり、ナルガクルガの股をくぐらず、罠も取りにいかず、ハンマーを構えた状態で闘技場に侵入した。そして、ボサっと突っ立っているナルガの頭にraven君がスタンプからの縦3をきっちりと当てる! これに巻き込まれたこんぺい君が空を飛んでいったのはご愛嬌ってところだが、まずは幸先のいいスタートを切ったようだ。

 基本的な立ち回りは、これまでのチームと大差のないように見えた。ナルガクルガの振り向きに合わせて、raven君が回転攻撃を仕掛けたら、こんぺい君はタメ3を頭に当てる。これを確実にこなすことでめまいを奪い、ナルガを追い詰めていった。しかし、好事魔多し。ナルガの必殺技である尻尾ビタンをraven君がモロに浴びて1オチを計上。それでもメゲずに2回目のめまい時に落とし穴を設置し、穴に落としたまま討伐を果たした。

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 そしてJast25`sも、2頭目を相手にした立ち回りで本領を発揮する。ナルガの着地点に支給用大タル爆弾を置いたふたり。着地と同時にこんぺい君がこれを起爆する。するとどこからともなくraven君の分身が回転攻撃をしながらナルガに接近し、フィニッシュをその顔面に! これに怒ったナルガが跳び退ったところに落とし穴……!! これぞ、理詰めのタイムアタックをいちばん最初に世に知らしめた、Jast25`sの“詰め将棋”っ!! 来場者から、大歓声とともにため息が漏れる。この後も、Jast25`sの理詰めタイムアタックは止まらず、落とし穴が解けるタイミングでシビレ罠→シビレ罠が解けるタイミングでめまい→めまいが解けるタイミングでさらにシビレ罠……という“ベルトコンベアー”にナルガを乗せ、アッと言う間に2頭目の討伐を果たした。

 さあ、1回戦もいよいよ最後の2チームだ。奇しくも当日予選勝ち上がりの2チームが、ステージに並ぶこととなった。しかもこの2チーム、冠についている“NAMAZONE”という固有名詞がまったく同じ。もちろん、「偶然こうなった」なんてわけはなく、4人とも同じ組織に所属している構成員らしい。聞くと、所属するツワモノどうしで日々タイムアタックに精進し、さらなる高みを目指しているらしい。……ってこれもう、完全に『モンハン』版の虎の穴じゃんか!! うわぁ……。俺、こういうの大好きなんだよ!! ナゾの組織から派遣された恐るべき戦士なんて、最高じゃんかー!! 強力タイムアタッカー養成の虎の穴・NAMAZONEの精鋭中の精鋭は、果たしてどんな立ち回りを見せてくれるのでしょうかああああ!? ……って、興奮しすぎですかね?

 まずは、予選を1位通過したNAMAZONE 6&13のチャレンジだ。闘技場に降り立った彼らは、狩魂T、エフォクリと同様にナルガクルガの股をくぐって後ろに回り込んだ。そして、振り向きの動作に合わせてひとりは回転攻撃、ひとりはタメ3を頭に。さらに、ひとりだけ闘技場の端に走ってシビレ罠をゲットし、すぐさまこれにナルガをハメて1回目のめまいを取った。立ち上がったナルガは、当然ながら大激怒。ピョーンと跳び退った場所にはものの見事にシビレ罠があり、ハマったところでふたりして、ナルガの頭にスタンプの嵐。その流れで落とし穴を……って、アレ……? ナルガ、怒り状態が解けてるけど……! なんとここで緊張からか、ナルガに落とし穴を壊されてしまうという痛恨のミス。しかも、罠を壊したとたんに怒り出したナルガの攻撃にさらされて1オチ。続けて、残ったハンターも怒り尻尾ビタンを浴びて2オチ目……。NAMAZONE 6&13、いきなり崖っぷちに追い詰められてしまった。

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 それでも、やはりツワモノのふたり。2頭目のナルガクルガ討伐できっちりと詰めてきた。闘技場の端からかき集めてきた支給用大タル爆弾にシビレ罠、さらに小タル爆弾も使って、シビレ罠+爆弾のコンボをぶちかます。すぐに1回目のめまいを奪取して怒らせ、跳び退ったところに設置しておいた落とし穴に落とそうとした。ちょっとだけ場所がズレていてドンピシャでは落とせなかったが、休まず攻め続けて怯ませ、力で穴に押し込む! 頭に的確な攻撃を加えて2回目のめまいを奪い、そのままフィニッシュ。さすがの立ち回りを見せてくれた。

 そしていよいよ、1回戦最後のチームの登場だ。当日予選を2位で通過したNAMAZONE No.0&5。じつはこのNo.0さんが、新興勢力・NAMAZONE軍団の総帥らしい。これはかなーり期待できるのではなかろうか!!

 このチームも闘技場に入ったら、ナルガクルガの股をくぐって後ろに回り込んだ。これがナルガクルガタイムアタックにおける、新たなムーブメントなのだろうか。ひとりが攻撃を加えているあいだに、もうひとりはシビレ罠を取りに闘技場の端に。このへんは、NAMAZONE 6&13チームにかなり近い立ち回りと言える。しかもこのときのナルガクルガ、いわゆる“いいナルガ”で、都合3回も威嚇のポーズをしたではないか。このときのナルガは完全な無防備となるので、スタンプ&縦3がやり放題。ツワモノふたりがこれを見逃すわけもなく、3回もめまいを奪って1頭目をアッと言う間に屠り去ってしまった。

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 2頭目を相手にした立ち回りも、ふたりは際立っていた。エフォクリと同じように飛んできたナルガに閃光玉をお見舞いして地上に落とし、設置しておいた支給用大タル爆弾をハンマーの横振りで起爆。怒って跳び退ったところには落とし穴があり、すぐに1回目のめまいを奪う。罠が解けても頭への攻撃は確実に決まり、速攻で2回目のめまい。これを合図にシビレ罠を設置し、頭へのダメージを蓄積させてゆく。そして、まもなく3回目のめまい。これが解けるタイミングで最後のシビレ罠を使ってナルガの動きを拘束し、追撃に次ぐ追撃……。ほとんど危ない場面もないまま、2頭目の討伐も完了となった。

 ……いやぁ〜、久しぶりに長文書いた! 1回戦の興奮、キチンと伝えられたかなあ? 本当は読者の皆さんに動画で見せられればいちばんいいんだけどねぇ……。

 でもとにかく! 6チームともすばらしい立ち回りを見せてくれました! しかしガチンコの戦いゆえに、勝者が生まれれば敗者が生まれてしまうのは自然の摂理のようなものだ。もったいぶらずに、結果を発表しちまおう。第3回角満カップ、1回戦の結果はこのようになりました!

1位 Effort Cristal   6分26秒
2位 狩魂T       6分44秒      
3位 NAMAZONE No.0&5 7分37秒
4位 Jast25`s      7分41秒

5位 もうゲネポ     8分19秒
6位 NAMAZONE 6&13   8分59秒

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▲1回戦を戦った6チーム。それぞれ、非常に特徴的な際立った立ち回りを見せて、観衆を沸かせに沸かせた。

 なんと、下馬評では優勝候補に挙げられていたもうゲネポが、まさかの1回戦敗退(上位4チームが準決勝進出)。これが、一発勝負の怖さなんだよなぁ……。

 続きは次回!

※お知らせ※
ちょっと遅くなっちゃいましたが、芸能界随一の『モンハン』好きとして知られる次長課長・井上聡さんの連載コラムが、週刊ファミ通誌上でスタートしました! 井上さんのまわりに広がる、爆笑必至のゲームな風景を切り取ったコラムとなっております。週刊ファミ通をお読みの際には、ぜひ読んでみてくださいねー!

投稿者 大塚角満 : 21:21

【MHP 2nd G】第170回 祝『逆鱗日和』2周年イベントリポート その2

 午後2時30分過ぎ。3時間にわたって行われた第3回角満カップ当日予選(種目はババコンガ討伐演習)の結果が出た。多数のタイムアタッカーが参加した当日予選を勝ち抜いた2チームは、以下のとおりだ。

1位 NAMAZONE 6&13 1分54秒
2位 NAMAZONE NO.0&5 2分01秒

 同じ組織から派遣されたナゾの強者ハンター2組が、並み居る強豪(モンハンフェスタ全国大会進出者なども参加していたのだ)たちを退けて決勝ステージへ進む権利を獲得。“『2nd G』タイムアタック界に、驚異の新興勢力現る!”というニュースは、この日行われた皐月賞の結果とともに世界へ向けて打電された(冗談ですヨ)。

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▲当日予選を見事勝ち抜いた、NAMAZONE軍団! 彼らもゲストチームに勝るとも劣らないモンハンアスリートだ。

 さあさあ、これでついに決勝ステージで覇を競い合う6チームが出揃った……と思いきや、じつはまだこの段階では、当日予選を突破するチームは確定ではなかった!! “最後の挑戦者”が当日枠を狙って、虎視眈々と目を光らせていたのであるっ!!

 午後3時。イベント第二部のステージが始まった。司会進行を担当するのは、ファミ通WaveDVDの編集長であるルパン小島と、週刊ファミ通編集部の佐治キクオ。第1回目の角満イベントで司会を担当したふたりだ。このふたり、ステージに登場するやいなや挨拶もそこそこに「じつは当日予選に挑戦する最後のチームがここに来ております。お呼びしましょう!」と言って、ひと組の男女をステージに招き入れた。まずは、ヒゲ面に眼鏡をかけた男性がマイクを持ってボソボソと挨拶をした。

 「えー……。さいたま市から来た、大塚英行と申します……」

 続いて、ポニーテールのちっこい女性がマイクを持って困ったような声で挨拶。

 「えっと、同じくさいたま市から来た、江野本陽子です……」

 なぜか沸き起こる拍手と爆笑。ふたりはなんで笑われているのかわからぬまま、そそくさとステージ上のタイムアタック席に着席した。

 つつつ、ついにこの瞬間がやってきちまった……。今回のイベントにおける最大の心配事は、俺たちの……じゃなくて、この大塚ナニガシと江野本ナニガシのタイムアタックチャレンジだったんだよな……。迷子のガノトトスのような表情でオロオロするふたりに向かって、司会のふたりはこんな質問をした。

 「で、おふたりさん、武器は何でやんの?」

 ババコンガ討伐演習におけるタイムアタックには5種類の武器が用意されているが、はっきり言って本気で最速を目指すなら、武器の選択は“一択”になる。ふたりとも大剣を選択し、デフォルトでついているスキル“火事場力+2”を発動させて立ち回るしかないのだ。会場にいた250人の観衆も、間違いなく大塚さんと江野本さんも大剣を持つことを予想していたことだろう。しかし、マイクを持った大塚さんはすべての来場者の意表を衝く衝撃の発表を自ら行う。ヒゲ眼鏡のダンディーな男は、意外なほど落ち着いた声でこう言った。

 「いまさらここで俺たちが大剣を持ち出してもおもしろくないでしょう。今回、我々が選んだ武器は……ガンランスと狩猟笛ですっ!!!!!」

 ここで会場から、賞賛と尊敬と驚愕が入り混じった、「うおおおおお!!!」という怒号が巻き起こるはず……が、なぜか聞こえてきたのは「ぎゃははははは!!!」、「マジかよ!!!(爆笑)」という笑い声ばかり。な、何がおもしろいんだ……。こ、これでもなあ! 少ない時間をやりくりして、ふたりで250回近くも練習したんだゾ!! がんばったんだからな!! 大塚さん、来場者の反応に大いに憤慨して「ガンランスと狩猟笛がどんだけすげえかってことを見せてやる」とボソリ。すぐさま江野本さんに「ちょっと! しゃべってないでとっととスタートしてくださいよ!! 緊張してんだから!!」と怒られておりました。

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▲始まってしまった俺たちのタイムアタック……。しゃべってるときは緊張しないのに、このときばかりは、ステージ上から逃げ出したかった……。

 そしていよいよ、最後の挑戦者のタイムアタックがスタートした。闘技場に降り立つふたりのキャラ。しかしここで何を思ったのか、ガンランスを担ぐ大塚さんのキャラが回復薬グレートをガブ飲みしだしたではないか!!

 「あ!!! 間違えて回復薬飲んじまった!!!!」

 と大塚さん。

 「はああああ!!!??? なにやってんスかッッ!!!!」

 と、会場中に響き渡る大音量の声で絶叫する江野本さん。来場者全員からの「ぎゃはははははは!!!」という大爆笑に押されて、ふたりはババコンガの待つ闘技場へと雪崩れ込んだ。

 ふたりが、ガンランスと狩猟笛でババコンガに対抗すべく考え出した戦術は、以下のようなものだ。

 まずキャンプで江野本(もう面倒くさいのでふつうに書く)が、狩猟笛で攻撃力強化の音色まで奏で、その間に俺(大塚さんね)は携帯食料をむさぼり食う(本番では緊張から手元が狂って、回復薬グレートを飲んだが……)。完了したら、同時に闘技場へ。このタイミングだとババコンガに気づかれずに、闘技場の端にあるシビレ罠をゲットできる。これを手にしたら、背後からババコンガに忍び寄って、狩猟笛が最初から持っている落とし穴を設置。俺は大タル爆弾を2個置く。この作業をしている最中にババコンガは振り向き、ズボン! とだらしなく落とし穴に落ちるので、今度は江野本が大タル爆弾を2個設置する。俺は、江野本が2個目の大タル爆弾を出すタイミングで竜撃砲の準備に入り、彼女が飛び退るのと同時に豪快に起爆。すぐさまババコンガの尻の方向に回りこんで、シビレ罠を仕掛ける。するとどうだ。ババコンガは落とし穴から飛び出た勢いで尻餅をつくのだが、そこにあるのは俺が仕掛けたシビレ罠!! 江野本は頭に張り付いて笛吹き攻撃を的確に脳天に(この攻撃がもっともめまい値が高い)。俺は後ろ足近辺に張り付いて、砲撃をいっさい使わずひたすら踏み込み突きと斬り上げ(ガンランスの突き攻撃ではもっとも威力が大きい)をお見舞いする。そして見事、ババコンガがめまい状態になって倒れたら、ヤツが立ち上がる直前に江野本が最後のシビレ罠を足元に設置する。あとはもう、ひたすら攻撃。これにより、俺と江野本は練習では2分40秒というタイムを叩き出していたのだ。

 で、本番です。

 最初に俺が間違えて回復薬グレートを飲んじまったことを除けば、比較的計算どおりにコトは運んだんじゃないかと思う。江野本が最初の落とし穴を設置したとき、10回に1回くらいの割合でババコンガがバックステップしてしまって穴に落ちないことがあったのだが、本番でのババコンガは素直に落下してくれた。よよよよし!! いけるかも!!

 しかし、やはり緊張からか俺は何度も攻撃を外し、江野本も的確にババコンガの頭に攻撃を入れることができず、めまいを取るタイミングが遅れてしまう。ふたりの位置取りも練習どおりにはいかず、何度もお互いの攻撃が干渉してしまってタイムロスを生んでしまった。その結果……。

 討伐タイム 3分09秒

ずーん……
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 あああ……。あんなに練習したのに……。練習の終盤では、たいがい2分台を出せていたのに……。これが、1発勝負の怖さか……。ステージ上で、俺は言った。

 「250回くらい練習して、最速では2分40秒が出ていたんですよ……。まことに、残念だ……」

 この発言を、鬼司会者の佐治キクオは聞き逃さなかった。

 「2分40秒って……あんた、最速記録出したところで、当日予選突破には遠く及ばねえじゃねえか!!」

 ハイ、ごもっともです(苦笑)。

 それにしても、いつもガチンコでこういう勝負に臨んでいるモンハンアスリートたちの、なんてハートの強いことか。ここは、ほんのわずかなミスで膨大な時間を費やした努力が胡散霧消してしまう、ギリギリの世界なのだ。今回、ガンランスと狩猟笛ながら本気でタイムアタックに挑んだことで、末端の末端にいる身ながらも「じつにきびしい世界なんだな……」ということがよくわかったよ……。

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▲痛恨の表情を見せるチーム逆鱗日和。

 でもまあ、力は尽くせたと思う。もっといいタイムを出したかったけど、見せたいところは、全部見せられたしな。

 さあ、今回のイベントはここからが本番だ。

 次回に続く。

投稿者 大塚角満 : 21:56

【MHP 2nd G】第169回 祝『逆鱗日和』2周年イベントリポート その1

 そして迎えた2009年4月19日。『角満式モンハン学』発売記念&祝『逆鱗日和』2周年イベントの当日だ。

 この日、俺は朝の4時すぎまでイベントで行う抽選会用のプレゼントを自作していたため、睡眠時間は2時間弱。江野本ぎずもは、昨日のブログで紹介したゲスト4チームのインタビュー映像の編集で苦戦し、睡眠時間はなんとゼロ……。ふたりとも寝不足(っていうかひとりは徹夜だが)で充血した目をギラギラと光らせながらの会場入りとなった。

 午前8時。編集部で江野本と合流し、約1時間かけてタイムアタック用の機材をイベント会場に下ろしたり、来場者に渡す配布物などの最終チェックをする。そのうち、今回のイベントを手伝ってくれるファミ通編集部のスタッフがちらほらと出社してきたので、それぞれの持ち場についてもらって個別の打ち合わせをした。もちろん、数日まえから入念な打ち合わせをしているので、ここはあくまでも最終確認だ。

 午前9時30分。イベント第二部となる“第3回角満カップ”のリハーサルがスタート。昨年の11月に行った『サヨナラ! 逆鱗日和』のステージでは、6人のアスリートを抽選でシャッフルして即席チームを作るという“仕掛け”を施した。そのため、スクリーンで見せる映像とステージ上での立ち回りのリンクが複雑になり、リハーサルは怒号が渦巻くピリピリムードの中で行われたものだが、今回はやることは至ってシンプル。イレギュラーな要素が絡みそうなところだけ場当たり的にリハーサルを行い、「いけそうだ!」の手応えを得た。

 しかしひとつだけ事前の打ち合わせにはなかったことを、この場で俺と江野本が提案している。じつはゲスト4チームと当日予選勝ちあがりの2チーム、計6チームが挑戦する角満カップ1回戦(チャレンジクエスト07のナルガクルガ2頭討伐)は、時間の関係で2チーム同時にタイムアタックを行ってもらう予定だった。それをイベントの当日になって、「やっぱり1チームずつやってほしいので調整できませんか?」とステージイベント運営チームにお願いしたのである。なぜ土壇場でこんなお願いをしたのかと言うと、昨日のブログで紹介したゲスト4チームのインタビューを行ったとき、Effort Cristalにチャレンジクエスト07の立ち回りをさわりの部分だけ見せてもらったのだが、そのときの立ち回りが見事……というか、とてつもなく“美しかった”のだ。しかもEffort CristalのリーダーであるGod君は、「いまの立ち回りは、本当にさわりです。完全なものは明日のステージでお見せしますよ。そしてほかのゲスト3チームも間違いなく、僕らと同等の動きをするはずです」などと言うではないか!! こんな話を聞いちまったら、俺と江野本の選択肢はひとつしかないでしょう。ふたりは声を揃えて絶叫したよ。「1回戦こそ、1チームずつやってもらおう!!」ってね。

 無事にリハーサルも終わり、時間は開場30分まえの午前10時30分となった。さあ、いよいよだ。どこか気持ちが落ち着かなくて、会場となる1階と2階を行ったり来たりしていると、1階の人員整理を担当してくれている宣伝部のスタッフが声をかけてきた。その人は神妙な顔で、「大塚さん、すでに200人以上の人が行列を作っていますよ……」などと言う。え、マジで? もうそんなに来てくれているの?? 少々慌てて1階のタイムアタック会場に降り、窓から外の様子を伺うと……!!

 「たくさんのハンターが集まってくれているーーー!!!」

 ああ……。なんて幸せなんだ俺は……。こうやって朝早くから来てくれた『逆鱗日和』ファンのためにも、全身全霊の力でイベントを盛り上げなくちゃな!!

 そして午前11時、開場。俺はMCのふたり(ルパン小島&佐治キクオ)とゲスト4チームを伴ってタイムアタック会場に陣取り、「この悪魔の子(ゲストのことね)たちとともに、決勝ステージで待ってます!」という旨の開会宣言を行った。これを合図に、タイムアタックの当日予選がスタート。無数のババコンガが、東京都千代田区の片隅で乱獲されることとなった。

 ではここから、縁日をイメージして作った展示コーナーの様子を写真で紹介しちゃおう。

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▲開場まえから、イベント会場の外にはご覧のような行列が……。来てくださった皆様、本当にありがとうございました! 暑くもなく、寒くもないこの時期にイベントが行えてよかった!

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▲午前11時15分、タイムアタック予選に参加する選手を前に開会宣言を行った。せっかくなので、ゲストとして決勝ステージより参戦するもうゲネポ、Effort Cristal、Jast25`s、狩魂Tの8人も交えて「決勝ステージで待ってます!」とぶち上げた。

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▲全『逆鱗日和』シリーズでイラストを担当してくれているぽん吉さんから、2周年を記念したイラストが届いた。それをパネルにして、ステージ上に飾らせてもらいました。

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▲タイムアタック予選の風景。ご覧のとおり、大盛況!

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▲午前11時30分から2時間ほど、イベントスペースのステージ上でサイン会をやらせていただきました。ひとりひとりの方とできるだけたくさんお話したいと思っていたんですけど、時間が限られていたためなかなかゆっくりできず……。お土産もたくさんいただいてしまい、恐縮するばかりでした。

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▲ただ眺めているだけでヒマが潰せるものを用意したい、ということで、俺が『2nd G』のクエスト“モンスターハンター”に挑戦している動画を撮影して、エンドレスで流してみた。俺と解説の佐治キクオ、うるさいギャラリーとして江野本ぎずもの音声入りで(苦笑)。まったくひでえ動画で、腹を抱えて笑っている人を後ろから眺めているのが辛かった……(笑)。

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▲『角満式モンハン学』は、カバーに大塚角満フィギュアを置いたジオラマを使ったが、それを制作してくれたトルーパーズさんのブースも設置させてもらった。『角満式モンハン学』のジオラマ(実物!)を展示したほか、トルーパーズさんが製作するフィギュア『プーギーコレクション』の展示即売会も。

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▲こちらは『ハンティングカード』のコーナー。フリー対戦とティーチングが行われておりました。ご協力してくださったカプコンさん、本当にありがとうございました。『ハンティングカード』ではこのほか、カプコンさんのご好意でイベントに参加してくれた人全員(招待客とタイムアタック予選参加者)に、大塚角満デザインの『ハンティングカード』のプロモーションカード(おひとり様1枚まで)をプレゼントすることができました。ヘタクソ極まりないイラストでしたが、『逆鱗日和』ファンのほとんどが「やっぱ角満つったらこんなモンだよね(ニヤニヤ)」って感じで笑ってくれたのが救いだった……。まあ、このカードを目当てに来場された純粋な『ハンティングカード』ファンの皆さんには申し訳ないことこの上なかったのですがね……。

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▲今回の展示でもっとも奇妙な“1日MIDO体験コーナー”。俺が実際に使っていたデータで、初代『モンハン』から『2nd G』までの6作品を遊べるというものだ。俺は内心、(まあ、誰も遊ばないだろうナ)と思っていたのだが、意外や意外、遊んでくれる人はたくさんいたようだ。ゲストのEffort CristalのGod君や狩魂TのMizunoe君も遊んでいたようで、イベント終了後に「1日MIDO体験、もっとやりたかったですよ!」と言われてビックリしたのでした。

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▲逆鱗日和ファミリー、ファミ通四天王、そしてゲストのアスリートたちが出没する区画も作ってみた。さすが、アスリートたちは大人気で、サインやギルカを求める行列ができていた。

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▲イベント会場の中心付近に、簡易リアル集会所を設置。『2nd G』で、自由に狩りに行くことができた。やっぱり『2nd G』のイベントといえば、これですなあ。

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▲そうそう、『ハンティングカード』のコーナーで、もうゲネポのMASAKI君とエキシビションマッチ(もちろん、『ハンティングカード』のマイデッキを使ってね)を行ったのです。じつはもうゲネポのふたりはカードゲームにも造詣が深くて、この『ハンティングカード』についてもイベントに積極的に参加するほどハマっているのです。で、MASAKI君と対戦したわけですけど……はっきり言って、完敗!! 詳細をリポートしたいんですけど、夢中だったので内容がうろ覚えで……。でも、いつかマサキックス(俺はMASAKI君をこう呼ぶのだ)にはリベンジする!!


投稿者 大塚角満 : 16:44

【MHP 2nd G】第168回 祝『逆鱗日和』2周年イベントリポート 〜前夜〜

 『角満式モンハン学』発売記念&祝『逆鱗日和』2周年イベント、無事、終了いたしました!! まずは、イベントの運営に多大な協力をしてくれたスタッフの皆さんにお礼申し上げます。本当に、ありがとうございました! 本日からコツコツと、イベントの模様を裏話込みで書いていきたいと思います。

 今回のイベント、じつは企画自体は昨年の11月に行った”『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』発売記念オフ会”が終わった直後に立ち上がっていた。『サヨナラ!』のイベント内で行った“第2回 角満カップ”と題するタイムアタック大会では、『モンハン』アスリート界のビッグネーム、もうゲネポ、Effort Cristal、Jast25`sの6人をシャッフルし、その日限りの即席ユニットを結成して究極の大連続狩猟“武神闘宴”にチャレンジしてもらった。非常にイベント性が強く、大いに盛り上がったが、やはりこれはエキシビションマッチ。つぎに何かやるとしたら、本来の相棒と手を組んで突き詰めた、本気の立ち回りを見てみたい。お祭り騒ぎの楽しさは捨てがたいが、「3回目があるとしたらガチンコのタイムアタックがいいね」と、イベントが終わったその日の反省会の席で俺と江野本ぎずもは頷きあっていたのである。

 イベントをやろうと具体的に話をし始めたのは、2月の頭くらいだろうか。江野本が『逆鱗日和』シリーズのプロデューサー&ディレクターに就任して以来、ユーザー参加型イベントの開催は単行本を制作することとセットのようになったので、『角満式モンハン学』を作り始めるのと同時にイベントの企画がスタートしたのも、我々にとってはごく自然な流れだったと言える。

 しかし、俺と江野本のあいだでのコンセンサスは早い段階で取れていたのだが、イベントの実作業に手を付け始めたのはごくごく最近のことだ。なぜかと言うと、『角満式モンハン学』がほぼ書き下ろしのため、従来の『逆鱗日和』シリーズ以上に作業量が多くて時間が捻出できなかったのと、イベントの根幹にガチンコのタイムアタック大会を据えたことで、イベント全体をどのようにデザインするべきなのかを決めかねたからだ。

 どんな絵になるのか想像もつかなかったが、イベント実行委員会(俺と江野本だけだが)はタイムアタック大会にこだわった。しかも想いだけは壮大で、『2nd G』の発売から1年が経過したいまの時点で、“日本でもっとも速いチーム”を我々のステージで決めてほしい! と思ったのである。なので、自由参加による当日枠には徹底的にこだわった。自由参加にすることでイベント運営側のハードルは格段に上がってしまうのだが、いまだに一生懸命タイムアタックを突き詰めているタイムアタッカーたちに、観衆が見守るステージの上で大暴れするチャンスを提供したいと本気で思ったのである。『モンハン』タイムアタック界の頂点に君臨するゲスト4チームを脅かすまだ見ぬ強豪チームに現れてほしい。その想いが、自由参加によるタイムアタック予選開催につながったわけだ。

 しかし、問題は山積みだった。まずタイムアタック予選をするのはいいが、予選に挑戦してから発表までの数時間のあいだ、参加者にどうやって待ってもらえばいいのかを考える必要があった。イベント会場のまわりに時間を潰せるようなスペース(ファミレスとかファストフード店とかね)がいくつもあれば大丈夫なんだろうが、残念ながら我が社(イベント会場はウチの会社の2階なので)のまわりにはそんな気の利いた飲食店は存在しない。なので、お昼ご飯用の買い物に便利なように会場近辺にあるコンビニや、コーヒーショップの場所を書き込んだマップ(俺の手書きw)を製作した。でも当然、地図だけ作ってハイおしまい、ってわけにはいかない。会場内でも時間を潰すことができ、かつ「楽しい!」と思えるコンテンツを提供しなければいけない。そんな想いの中で浮上してきたのが会場の“縁日化”計画だ。とは言っても250人も入ればいっぱいになってしまうような狭い会場なので、盛り込めるコンテンツも限られてくる。俺と江野本は毎日深夜までミーティングをして、どんなものを会場で展開すればいいのかを相談しあった。そして詰め込めば詰め込むほど事前に作らなければいけないものが増えてゆき(当たり前だが)、「ひぇぇぇぇ! アレとソレとコレも作らなきゃなのか!!」と悲鳴を上げた。いわゆる“角満イベント”は、会場で配るパンフレットや缶バッジ、チラシやポップ、プレゼント抽選券や注意書きに至るまですべて3人の手作り(俺と江野本とデザイナーの松岡さんね)なので、ひとつ要素が増えるだけで卒倒しそうになるのである。それでも、手作りなことは我々のイベントの特徴でもあるので、いっさい手を抜かずにいろいろなものを作った。ここ2週間ほどは1日の平均睡眠時間が3時間程度になってしまったくらい、俺たちは必死にもがき続けた。

 そしてイベントを翌日に控えた4月18日。俺と江野本は朝の8時までかけて会場設営の作業をし、いったん帰宅して2時間ほど仮眠をとってからビデオカメラを担いで都心へとくり出した。ゲストとして招いた4チーム(もうゲネポ、Effort Cristal、Jast25`s、狩魂T)に、大会前日の気持ちなどを聞きだそうと思ったのだ。彼らに聞きたかったことは、ぶっちゃけて言うとひとつだけ。それは、

 “どのチームが優勝すると思うか”

 これに尽きる。もちろん、インタビューは個別に行い、思っていることを素直に話してもらった。その結果、ゲスト4チームの優勝予測は……!

Effort Cristal(God&Jack)の予想……God:もうゲネポ、Jack:もうゲネポ
Jast25`s(こんぺい&raven)の予想……こんぺい:もうゲネポ、raven:Effort Cristal
狩魂Tの予想(Mizunoe&たけちよ)……Mizunoe:Effort Cristal、たけちよ:Effort Cristal
もうゲネポ(唯&MASAKI)の予想……唯:もうゲネポ、MASAKI:もうゲネポ

 こんな感じになった。モンハンフェスタ`08の決勝戦で激闘を演じた2チームが、第3回角満カップの“本命”に推された感じだ。しかし今回の大会は、この4チームだけで競うものではない。当日予選を勝ち抜いたまだ見ぬ強豪が、トップ4チームを上回るパフォーマンスを演じる可能性も十分にある。

 そしてついに、イベント当日となった。

 次回に続く。

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▲これが、来場してくれた方へのお土産の一部。右の緑色の冊子が今回のイベントのパンフレットで、博物館や観光地の案内図をモチーフに製作しました。

投稿者 大塚角満 : 19:24

【MH5周年記念企画】第16回 旅は終わっていなかった? その2

 というわけで、“最後の招待状”です。『2nd G』のソレではなく、“『2nd』の最後の招待状”ですよっ!! あぶないんですよ!! 危険なんですよぉぉぉ!! はあはあはあ。

 俺は、ガンランスによる最後の招待状クリアーに通ずる唯一の聖典、『本日ももっと! 逆鱗日和』なる書物を引っ張り出してきた。開いたのは、232ページ。ここからじつに13ページにわたって、著者であるガンランサーと“最凶”ラージャンとの壮絶なしばきあいが克明に記されているのだ。さっそく、参考になりそうなところを読んでみよう。……ふむふむ、武器は氷属性のガンランス、ヘルスティンガーを選択したのか。なるほどなるほど。ラージャンに氷属性ってのは、ネコにマタタビみたいなものだからな。……って、ヘルブリザードを持ってないのかオマエは!! ……ああそうか。ヘルブリザードは『2nd G』の武器なので、なくて当然なのか。なーんだそうか。そうですね。えーっと、持ち込むアイテムは……うん、オーソドックスだな。回復系フルセットに罠セット、強走薬グレートにモドリ玉セット、と。よし、これをマネして準備して、最後の招待状に挑むとするか。いまの俺の腕を持ってすれば、1発勝負でクリアーできるに違いない。なので背水の陣というつもりはないけど、チャレンジは最初の1回目のみとしようではないか!

 俺はガード性能+2とガード強化のスキルが発動している防具に身を包み、ヘルスティンガーを背中に背負って大闘技場へと降り立った。しかし、なんとなくだが我が分身のまわりの風景に違和感がある。何かが足らないような気がしてタマラナイのだ。なんちゅーか、こう、安心感が欠如しているんだよな。いったい、何が足らんのだ……? 俺は違和感の原因を捜すためにしげしげと画面を凝視し、我が分身の真横にできた不自然な空間を見て「あああ!!!」と情けない悲鳴を上げた。そうかそうか……。“アレ”がないのか! 俺は深夜の編集部で絶叫した。

 「オトモアイルーがいないよおおぉぉぉ!!!」

 オトモアイルーは『2nd G』から導入されたので、『2nd』の最後の招待状にいないのは当たり前なんだけどネ。しかし、『2nd G』が発売された1年まえからひとりプレイではオトモアイルーの大活躍に頼りきりになっていた俺にとって、あのかわいいネコ型モンスターがいないという事実は、ファーストフード店でフライドポテトを購入したら塩がいっさいかかっていなかったときに匹敵するくらいの一大事(マジで過去にありました)なのである。

 ヘルブリザードもなく、オトモアイルーもいない……。

 G級装備とオトモアイルーにずぶずぶになり、すっかりぬるま湯根性が染み付いてしまったガンランサーに、シビアどころの話では済まない『2nd』の最後の招待状をクリアーすることができるのだろうか!? さっそくですが、結果の発表です。

 ……クリアーできませんでした!!!

 “ラージャンは攻撃を恐れずに懐に飛び込み、なるべく引っ付いて立ち回る”ということを『2nd G』になって覚え、それを実践しようと試みました。実際、序盤は落ち着いてラージャンに張り付くことができ、「おおお? コレ、ぜんぜんいけるんじゃね?」という余裕の弁が飛び出すくらいの極まった立ち回りをすることができたのです。しかし、回転アタックをくり出そうとしている怒り状態のラージャンを見て、「この攻撃は後ろ方向に当たり判定がほとんどないんだよなっ!! 知ってんだよっ!!」と万物の理を突き止めたかのような大言壮語とともに怒りの渦巻きに突撃し、ものの見事に攻撃が直撃してから様相が変わってきます。俺は頭の上から「…………………」と三点リーダーを7個ほど飛び出させて茫然自失となり、5秒ほどで目を覚まして声の限り絶叫しました。

 「わあ!! 一発でちんだ!!」

 こうなると、もうダメです。最近とみに心が折れやすくなっている老境のガンランサーは簡単にナチュラルスキル“チキン”を発動。「もう二度と近寄れない」、「ラージャンこわい」と念仏のようにブツブツとつぶやきながら逃げに終始し、気がつくと2頭のラージャンが大闘技場で「わーっはっはっは!!」と大笑いしながら傍若無人に暴れまわるという地獄絵図のような有様に……。こんな、“双獅激天”状態に立ち向かえるわけもなく、老境のガンランサーは瞬時に屠り去られてしまった。必勝を誓って闘技場に降り立ってから、わずか12分。「最後の招待状をもう一度クリアーする!」という夢は、無残にも砕け散った……。

投稿者 大塚角満 : 19:38

【MH5周年記念企画】第15回 旅は終わっていなかった?

 えー、すっかりご無沙汰してしまいましたが、まだまだ続きます『モンハン』5周年記念企画。『2(ドス)』編が完結したので、今日からは……『モンハンポータブル 2nd』だっ!!

 『2nd』って、なんだかつい最近まで夢中になって遊んでいた記憶があるので、これまで振り返ってきた作品のようなノスタルジックな気分では向き合えない感じ。どちらかと言うと、現在進行形で遊んでいるゲームソフトながらなんとなく数日間遊ぶことがなく、「あ、そういやしばらく遊んでなかった。やるかな」という軽〜い気持ちでPSPを手にするようなものかな。そういう意味では、再プレイするときのテーマも見つけにくいかもしれない。

 さあて、『2nd』では何を目的に遊ぼうかな。欲しい武器や防具はあらかた作ったと思うし。うーんうーん。

 うんうん唸りながら頭を抱えていると、おなじみ江野本ぎずもが妖しく微笑んで「『2nd』再プレイのテーマは決まってますよ♪」と断言した。ナンダナンダ。どういうことだ? 再プレイをする本人が悩んでいるのに、なんでもうテーマが決まっているのだ? 俺は頭の上からクエスチョンマークをどっさりと飛び出させてから、フニャフニャした声で聞き返した。「決まってるって、何をすんの?」と。俺の反応を見て江野本はさらに妖しく笑い、「よくぞ聞いてくれました!」とばかりに声を張り上げてつぎのように宣言した。

 「大塚さん、『もっと! 逆鱗日和』の中で『2nd』の最凶クエスト“最後の招待状”をクリアーしたことを劇的に綴っていますけど、けっきょく、クリアーできたのってこのときだけなんですよね? 最近、「俺、うまくなったかも!」なーんて言っちゃってくれてますけど、だったらもう一度、『2nd』の最後の招待状をクリアーしてください♪

 ……ハイ?? よ、よく聞こえなかったんですけど……

 「最後の招待状をもう1回クリアーしてください、って言ったの!」

 ……そ、それは、大剣とかランスでよろしくて??

 「ガンランスに決まってるでしょーーっっっ!!!」

 グレムリン化した江野本の剣幕に押されて、俺は「は、はひ……。がんばります……」とその場の流れで思わず首肯。ま、またガンランスであいつらの相手しなきゃなんねえのか……。

 最後の招待状とは、前述のとおり『2nd』の時代に“最凶”もしくは“最マゾ”と言われたとんでもないクエストである。最後の招待状の舞台は、大闘技場。ここで、あのラージャンを相手に立ち回らなければいけないのだ。これが1頭だけだったら、どうということはない。時間をかけてじっくりと、逃げ回りながら攻撃していればいつかラージャンも斃れてくれるだろう。しかし“最マゾ”と言われる最後の招待状は、そんな生半なクエストではない。このクエスト、最初こそラージャンは1頭しかいないが、開始から10分が経過した瞬間に、強制的にもう1頭のラージャンが大闘技場に放たれてしまうのであるっ!!

 「誰がそんな恐ろしいことしてんだ!!」

 と怒ったところで、2頭のラージャンは「そんなこと言われても知らんで」と言ってゲヒヒヒヒと笑うばかり。そう。最後の招待状では最凶モンスターのラージャンと渡り合いながら、刻々と過ぎてゆく時間とも戦わなければならないのだ。1頭を討伐した瞬間にもう1頭が現れるのならば、誰もこのクエストを“最マゾ”とは言わない。“10分の恐怖”があるからこそ、最後の招待状は全国のハンターから忌み、恐れられたのである。

 俺はこのクエストを一度だけ、メイン武器であるガンランスでクリアーしたことがある。前述の江野本の発言どおり、そのときの模様は“最後の招待状 〜長き旅路の果てに〜”というエッセイにして、『本日ももっと! 逆鱗日和』に収録した。このクエストをクリアーできたことにより俺は『2nd』から卒業証書をもらった気になり、晴れて『2nd G』の世界に足を踏み入れることができたのである。

 このクエストを、もう1回やれってか……。しかもまたまたガンランスで……。この際だから書いてしまうが、一度クリアーすると気が大きくなって「もう余裕でいけるんじゃね?」とナメきった態度で最後の招待状に挑み、「!!??」とビックリマークやらクエスチョンマークを大量に飛び出させて大闘技場から逃げ帰ってきたことが何度もあるのである。要するに俺は、『2nd』の最後の招待状に関しては“生涯一度きり”しかクリアーできていないのだ!! どうだどうだ! 参ったか!! ……って、参ったのは俺だ!!

 でも俺も成長した。こう見えて『2nd G』の最後の招待状は余裕でクリアーしているし、さらにマゾ度が高いと言われる“モンスターハンター”や“武神闘宴”なんかも攻略しちゃっている(ま、武神はふたりでだけど)。いまの極まりまくった俺の腕なら、『2nd』の最後の招待状も恐るるに足らずなのでは? そんな思いにとらわれたので最終的に俺は「やってやんよ!! 最後の招待状、なんぼのもんじゃい!!」と江野本に豪語。テキパキと準備をして大闘技場へと赴いたのだった。

 以下次回。

◆◆◆『角満式モンハン学』発売記念&祝『逆鱗日和』2周年イベント 追加情報……というか、補足です◆◆◆
 イベントへのたくさんのご応募、本当にありがとうございました! 今回もビックリするくらいの倍率になってしまい、ハズレてしまった皆様には本当に申し訳なく思っております……。当選した皆様には、すでに招待状の発送が行われております。当日、会場でお待ちしてますね!
 で、ちょっと追記です。今回のイベント、過去の逆鱗イベントとは異なっていわゆる“オフ会”ではありません。会場では『2nd G』の協力プレイで遊べるコーナーもありますが、充電できる電源がないのです。なので、会場で協力プレイを楽しみたいと思っておられる皆さんは、たっぷりと充電を残しておいたほうがいいかもしれません! よろしくお願いします!

※こちらでご確認を


投稿者 大塚角満 : 18:47

【MHP 2nd G】第167回 森丘・エリア11の新(?)事実

 衝撃的なことがあったので、久々に『2nd G』プレイ日記を書きます。これを読んで、俺と同じように衝撃を受ける人が全国にどれくらいいるか……。その影響力を考えると書いていいのかどうか悩みますが、でもやっぱり、お知らせしておかないと……。

 2日ほどまえのことです。

 俺はいまある事情で、『2nd G』においてセカンドキャラを精力的に育てている。“少しでも早くハンターランク9まで育てなければならない”という使命があるためキークエストだけを集中してこなそうと思っているのだが、なにしろ序盤は武器もなければ防具もないので、ドスランポスだろうがイャンクックだろうがボスクラスのモンスターを狩るのは恐ろしいほど骨が折れる。なので俺はつねにハンターランク9の身内に同行してもらって、「モンスターは任せた!! 俺、掘ってるから!!」と言い捨てて、クエストに出向くたびにあらゆる採掘ポイントでピッケルを振るっているのである。完璧なる寄生ハンター。でも早々にキークエストをこなしながらハンターを強化するのは、これがイチバンなんだよねえ。

 そんなある日。俺は身内の大学生、S君とともに森丘へとやってきた。S君がリオレウス、リオレイアを討伐しているあいだに、森丘の採掘ポイントであるエリア5、エリア6で採掘しようと思ったのだ。俺は首尾よく採掘ポイントに取り付いて、いくばくかのマカライト鉱石と大地の結晶などを手にする。なかなかの収穫だ。俺はホクホク顔で「よし、掘りきった。俺も狩りに参加するわ」と宣言し、リオレウスと格闘中のS君のもとへ向かおうとした。しかしそのとき、S君が俺のほうを向いて「あ、そういえば」とつぶやき、思いがけないことをボソリと言った。

 「森丘のエリア11って、掘れる場所あるんだね。無印(初代『モンハン』のこと)から『モンハン』やってるけど、昨日初めて気づいたよ……」

 俺はS君の言ってる意味がわからず、寝起きのフルフルのような顔になって「ん?」と言い、でもすぐに「ああ!」と合点してこう言った。「あそこでしょ。沢のキラキラしてるとこ。探ると、砥石とか採れるよね」と。でもS君は納得せず、俺の言葉を打ち消して衝撃的なことを言った。

 「いや、そこじゃなくて。沢に横たわってる木の裏側に回りこむと、沢の上に上れるんだよ。で、奥まで進むと採掘ポイントがあって……。……って、ヒデ君も知らなかったのかあ。やっぱりこれ、『2nd G』から導入されたのかな? 僕はトレジャーハントやってるときに気づいたので、トレジャーハントだけの場所なのかもね」

 い、いったい何のことだ……? 俺は5年間も森丘に通ってるけど、そんな場所、まったく気づかなかった……。つーことはやはり、『2nd G』から導入されたんかな? 俺は恐る恐るエリア11に侵入し、S君の言った木の裏側に回りこんでみた。でもアイテムカーソルにピッケルを合わせても掘れるような場所はない。俺はホッとしながらS君に宣言した。「どこも掘れる場所なんてないよ? それ、トレジャーハントのときだけ出現するポイントなんだよ」と。これを受けてS君は「そっかあ」と言いながらエリア11にやってきて、木の裏側に佇む俺のキャラを見て驚いた声を上げた。「ヒデ君、そこじゃないよ」と。そしてS君のキャラは俺の目の前で信じられない行動をした。な、なんと……!

 沢を上ってるーーーーーーーーーーーっ!!!!!

 マ、マジですか!!!! こ、ここ、上れたんか!!! 本気で知らなかった……。どうなってんだコレは……。衝撃のあまり「あうあうあう」としか言えなくなってしまった俺を哀れに思ったのか、S君は同情交じりの声でこんなことを言った。

 「でもさ、僕もヒデ君も無印から『モンハン』やってるのに知らなかったってことは、やっぱり『2nd G』から導入された場所なんだよ、ここは」

 そ、そうだよネ。この5年で1000回くらい森丘に来ている俺が、気がつかないわけがないよネ。なーんだそうか。じゃ、仕方ないな!!

 でも俺はなんとなくイヤな予感を覚えてこっそりと携帯電話を取り出し、つぎのような一文をある人に送信した。

 「つかぬ事を伺います。森丘のエリア11で沢を上ると採掘ポイントがありますが、あれは『2nd G』にしか入ってないんですよね? 無印にはないですよね???」

 すぐに、大阪方面から返事が飛んできた。見ると……!!

 「無印からありましたよ!!ww 攻略本にも載ってるじゃないですか!! 知らなかったんですか!!? いやあビックリしたあw」

 俺はミスターモンハン・藤岡要ディレクターに大いに呆れられ、いつまでも放心状態でエリア11に立ち尽くし続けた。

 でも!! これを知らなかったのは俺だけじゃないはずだ!! 少なくとも、120パーセント以上の確率で逆鱗日和ファミリーの“ミスター無知識”こと中目黒目黒は知らないはず!! 知っててたまるかっ! というわけで俺は本日、会社に出社して早々目黒に「ちょとちょと、これ見て」と言ってエリア11の沢を上るハンターを見せつけ、「すげえだろ。昨日発見したんだこの場所。目黒、知らなかっただろ」と挑発した。すると目黒はポカンとした顔で俺を見返し、ちょっと悲しみを含んだ眼差しでこう言った。

 「え。知らなかったんスか大塚さん(苦笑)。無印のころからの採掘ポイントじゃないっスか(冷笑)。いやあビックリしたあw」

 俺は藤岡さんに呆れられたとき以上の衝撃を受け、編集部の片隅にいつまでも立ち尽くし続けた……。


※※※お知らせ※※※
すでにイベント告知ページに追記しましたが、4月19日に開催予定の“『角満式モンハン学』発売記念&祝『逆鱗日和』2周年イベント”において、『モンスターハンター』のカードゲーム『ハンティングカード』で使用できるイベント限定のプロモーションカードを配布することが決まりました!! 招待客200名と当日行われる『2nd G』を使ったタイムアタック予選に参加された方への限定配布です。
 で、このカードなんですが、じつは『角満式モンハン学』に添付されている“砲モロコシ”(イラストはぽん吉さん)とまったく同じ性能です。違うのはイラスト部分のみとなっております。じゃあ誰がデザインしたんだ? と思われそうですが、じつは描いたの俺なんす!! なのでイラストに期待するのは禁止!! あくまでもイベントに参加した思い出の品として受け取っていただければ^^; ……あ、イラストがヒドイからって捨てないでね!!

投稿者 大塚角満 : 16:59

『角満式モンハン学』でお詫びと訂正

※お詫びと訂正※
発売中の拙著『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学〜モンスター編〜』の160、161ページに間違いがありました。“クシャルダオラの角は龍属性武器で一撃加えないと壊せない”と表記されていますが、実際はクシャルダオラの角破壊に龍属性武器は必要はありません。著者の確認不足で読者の皆様及び関係各位にご迷惑をおかけしたことをお詫びするとともに、訂正させていただきます。たいへん申し訳ありませんでした。

投稿者 大塚角満 : 16:50

【Demon`s Souls】第5回 『Demon`s Souls』トークライブに参戦します!

 今日も今日とて死んでおります。

 てなわけで、久々に『Demon`s Souls(デモンズソウル)』のことを書かせてもらいますね。

 最近まったく『Demon`s Souls』のことを書いていなかったので「もうやめたんじゃね?」と思われていたことでしょう。ところが、気に入ったゲームはシツコクやり続けることで有名(?)な俺は、いまだに『Demon`s Souls』もやり続けている。ファーストキャラのロッシ君はとっくの昔に2周目に突入しており、さらに「もっとしゃぶり尽くしたい!!」ってことで神殿騎士の女性キャラ、ティナちゃんを誕生させて、こちらももうすぐ1周目をクリアーしちまう……というところまで来ている。どんだけ遊んでんだ!! って感じだが、おもに軽量系の武器を華麗に扱うロッシ君と、重量系の武器を力任せにブン回すティナちゃんとではプレイのフィールドに広がる風景がまったく違っているので、いまだ飽きることなく遊ぶことができているのである。

 そんな、『Demon`s Souls』の遊びすぎでソウル体になりかけていることがソフトの発売元であるソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の関係者と、開発元であるフロム・ソフトウェアの神様(開発陣ってことね)たちに知られたらしい。や、やばい……。好き勝手にプレイ日記で「きびしすぎる」だの「しんだーしんだー」だのと書いていることを咎められるかもしれんぞ……。これは、『Demon`s Souls』のプロデューサーである梶井さんやディレクターの宮崎さんにとっ捕まるまえにボーレタリアから逃亡したほうがいいのでは……。

 なんてことを考えていたある日、SCEの『Demon`s Souls』プロモーション担当のY氏に呼び止められた。

 「ちょいとそこのガンランサー!! お話があります!!」

 ビクビクしながら俺は応えた。

 「は、はひ……。あ、あのあの、いつも勝手なこと書いてゴメンナサイすみません!!」

 Y氏は呆れ顔で「何を謝ってるんですか」と言ったあと、予想だにしなかったとある提案を持ちかけてきた。

 「いつも『Demon`s Souls』を遊んでくれてありがとうございます! このゲームを愛してやまない大塚さんにちょっとご協力願いたいことがありまして、こうして参上した次第でございます」

 一瞬何を言われたのかわからず、豆鉄砲を食らったオストラヴァのような顔になりながら俺は説明の続きを促した。「は、はい?」と。

 Y氏が持ってきた話は、じつに興味深くも楽しげなものだった。

 現在、プレイステーション3のオンライン仮想空間”PlayStation Home”内で”心が折れそうだ…”というイベントが開催されている(2009年4月13日まで)。これはHome内の所定の場所に『Demon`s Souls』のポスターを掲示し、そのまわりを傷ついたプレイヤーの溜り場としてもらおうという試みだ。

 で、この”心が折れそうだ…”を締めくくるべく、4月10日にポスターの前で、前出の梶井さん、宮崎さんを招いてのトークイベントが行われるという。ユーザーから集めたソウルサイン(開発者への質問ね)に、じゃんじゃんと答えてくれるらしい。こいつは『Demon`s Souls』プレイヤーにはたまらないイベントではないか。なになに、開催時間は午後9時〜午後11時か。ヨシ、俺もこの日は仕事を早めに切り上げてHome内に陣取ってやるぞ。俺は目をキラキラさせながらY氏に言った。「いいですねー! 俺もそのトークイベント、見に行きますよ!」と。するとY氏はキラリと目を光らせて「おお。それは頼もしい!」と言ったあと、こんなふうに言葉を継いだ。

 「そんな大塚さんには、いちばんいい席をご用意させてもらいましたよ」

 俺は感激して椅子から飛び上がった。

 「マジっすか!! お心遣い、感謝します! いやあ楽しみだなあ」

 Y氏もうれしそうにニコニコと笑い、「よかったあ^^」と言ったあと、「あ、そうそう」と何かを思い出したかのようにつぶやいてこんな言葉を付け足した。

 「では大塚さん、トークイベントの司会、よろしくお願いしますね^^ いやあ、引き受けていただけてよかったよかった^^」

 「…………はい!!?

 てな感じで長々と茶番を書きましたが(笑)、4月10日にホームスクエアで行われるトークライブイベントに司会として参上することになりました。イベントの詳細は公式サイトで確認していただきたいのですが、梶井さん、宮崎さんをメインキャストに、ボーレタリアのパリィ王と言われた(誰にだ)この俺がズバズバと斬り込んでいくことになりそうです。ちなみに当日、俺はこんな格好をしています。

ずーん
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▲気分はすっかり、ガル・ヴィンランド! ファミ通Tシャツとの取り合わせが、なんともシュールです。

ずずーん
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▲左の、オストラヴァを思わせるアバターは梶井プロデューサー、黄衣の頭冠が異彩を放っているのは宮崎ディレクターのアバターだ。

 これはガル・ヴィンランドの暗銀の兜だな。ガル・ヴィンランドは『Demon`s Souls』に出てくるNPCの中でもかなり好きなキャラクター。そんな彼の着けていた暗銀の兜をかぶせてもらえるなんて光栄の極み!! 身体に着けているのがペラペラのファミ通Tシャツなので、余裕で回避行動もできるぞ。……って、このへんの記述は『Demon`s Souls』をやったことのない人はまるでわかりませんな。

 とにかく!! 4月10日に”心が折れそうだ…”ポスターの前に現れます。『Demon`s Souls』プレイヤーの皆さん、どうかお手柔らかに(笑)。

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投稿者 大塚角満 : 16:44

【MH5周年記念企画】第14回 『モンハン2(ドス)』で同窓会 その4

 てなわけで、ガンチャリオットです。ブラックゴアキャノンのときのような作りかけの武器もないので、イチからの出発となる。ここは当然ながらセオリーにのっとって、とりあえず手持ちの素材で作れるところまで作ってしまって、素材が足らなくなったところを埋めていくしかない。まずはガンランス強化の出発点であるアイアンガンランスだ。武器リストを見ると……。

 あ、あの、いきなり”爆薬”が20個も足らなくて作れないんですけど……。

 オイオイ、マジかよ……。いっちばん初期のガンランスすら作ることができねえのか俺は……。しかも足らない素材が爆薬って……。俺は無言のままマイルームにとって返し、アイテムボックスを漁ってみた。爆薬がないなんてことがあるわけ……あった。マジで爆薬が1個もねえ……。しかたない。ここは初期中の初期の調合、ニトロダケと火薬草を調合して爆薬を作ってくれよう。うん、なんか楽しくなってきたゾ。これも『モンハン』の醍醐味のひとつなんだよなー^^ えーっと、ニトロダケにとろだけ……って、あ、あれ……? なぜかニトロダケもまったく持ってないんですけど……。俺がしばらく来ないうちに、大窃盗団にアイテムボックスを荒らされたのではあるまいか……。し、しかたない。あまりこの手は使いたくなかったけど、背に腹は変えられぬ。俺は沈んだ声でBに話しかけた。

 「あ、あのあの……。ボクに爆薬を20個ほど恵んでくれないでしょか……?」

 言われたBは「そんなことだろうと思ったw」と笑い、「ホレ」と言いながら20個の爆薬を手渡してくれた。あああありがたい!! 持つべきものは友だちだなあ!! よし、さっそくアイアンガンランスを……ってできた!! ガンランスの出発点が完成した!! よーし、勢いに乗ってこいつを強化しちゃうゾー。爆薬なんぞに躓いちまったけど、こっからはトントン拍子で話が進むに違いない。アイアンガンランスのつぎは……アイアンガンランス改か。さあさっそく……って、あ、あれあれ……? 俺は再び目を伏せながらBに話しかけた。

 「あ、あのあの……。ボクに陽光石を8個ほど恵んでくれないでしょか……?」

 言われたBは「そんなことだろうと思ったw」と笑い、「ホレ」と言いながら8個の陽光石を手渡してくれた。あああありがたい!! 持つべきものは友だちだなあ!! それにしても、コピペ最高! ヨシ! つぎこそはトントン拍子でいこう! ……って、あれあれあれ……? 俺は天を仰ぎながらBに話しかけた。

 「ごめ……。さらに12個の陽光石をオイラに恵んで……」

 B、少々呆れ顔ながらも「ホレ」と言って12個の陽光石を分けてくれた。おかげですんなり(?)とスティールガンランスが完成。いやあありがたいありがたい。ていうか、ほとんどBにもらった素材で作っているこのガンランスの所有者、果たして俺でいいのだろうか……? ……でもそんなことを気にしているといつまで経ってもガンチャリオットを作ることはできないので、「スマンスマン」と言いながら先に進もう。えーっと、スティールガンランスのつぎは討伐隊正式銃槍だな。よーし、今度こそすんなりと……ってアレアレアレアレ? 俺は半ばいじけながら、やけっぱちな口調でBに言った。

 「今度は”宝石券”が足らないってサ……。こいつはもらうことはできないから、原石運搬クエストにつきあって……」

 俺たちは沼地を舞台にした灰水晶の原石運搬クエストを受注してこれをクリアーし、なんとか2枚の宝石券を手に入れた。よし、これで討伐隊正式銃槍を製作することができるぞ……。つ、つぎこそは手持ちの素材だけで強化されてくださいよぉ!! 見ると、討伐隊正式銃槍のつぎは近衛隊正式銃槍だ。恐る恐る必要素材リストを開くと……!

 「……ハイハイ。今度は紅蓮石とドラグライトが圧倒的に足らないのネ。へーへー。わかりましたよわかりましたよ。集めりゃいいんでしょ集めりゃ!!」

 俺は「ホントに何の素材も持っていないんだねw」と呆れ笑いをするBを連れて、火山を舞台にしたバサルモス討伐クエストや塔を舞台にしたリオレウス亜種討伐クエストなどをこなし、どうにかこうにか必要数の紅蓮石とドラグライト鉱石を手に入れた。よし!! これで近衛隊正式銃槍は完成するぞ!! 俺は採れたてホヤホヤの紅蓮石とドラグライト鉱石を持って武器屋のオヤジに話しかけた。さあ作れいま作れ。近衛隊正式銃槍のつぎは、ついにガンチャリオットの前身であるシルバールークなのだ。早く武器リストにその名を刻んでくれ!! しかし俺の熱き想いとは裏腹に、武器屋のオヤジはつれなかった。

 「にいちゃん、素材は確かに足りてるけど、お金が足らねえな。出直しな」

 あ……。そ、素材集めに夢中でまったく気にしてなかったけど、いつの間にか俺の所持金、34ゼニーしかない……。ムキーーーーッ!!! どんだけハードル高いんだガンチャリオット!! ……いや、ここに書いてきたことはほとんど自業自得なわけですが、なんかに当たらないとやってられないのよ!!

 まあでも、乗りかかった船だ。ここは思い切って素材を売り払い、ゼニーを作ろうではないか。俺は断腸の思いでテオ・テスカトルやらクシャルダオラの高価な素材を売りまくり、当面の生活には事欠かないだけのお金を手に入れた。そして無事、近衛隊正式銃槍は完成。つぎはいよいよ、シルバールークだっ!!! しかし……。

 「やべえ……。リオレウス希少種の素材、まるで持ってねえ……」

 俺の言葉を聞いて、Bは顔を曇らせながら衝撃のひと言を発した。

 「ミド、『2(ドス)』の公式ホームページに行って、イベントクエストの配信スケジュールを見たほうがいいよ。確か『2(ドス)』の銀レウスと金レイアはイベントクエでしか挑戦できないはずだから」

 い、言われてみると、そんな設定だったな……。だから俺、『2(ドス)』では金銀の素材が極端に少なかったのか……。でももしかすると、運よく近日中にリオレウス希少種が飛来してくれるかもしれない。そうしたら脇目も振らずに狩りまくって、一気にガンチャリオットが作れるだけの素材を集めてしまえばいいんだ。おーし。なんか気合入ってきたぞ。さっそく公式ページでスケジュールを調べよう!! どこだどこだ……ってあった!! このページだ!! 2009年4月のイベントクエストスケジュールが出てる! えーっと、リオレウス希少種は……って、アレアレアレアレ?

 4月18日〜4月20日 銀色の希少種を追って

 んと、俺のイベントって確か、4月19日だったよねぇ……? ってことは……!!

 はたして4月19日のイベント会場に設置される”1日MIDO体験コーナー”の『2(ドス)』のデータに、銀色に輝くガンチャリオットは存在するのでしょうか? 微妙に注目です。

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投稿者 大塚角満 : 00:00

【MH5周年記念企画】第13回 『モンハン2(ドス)』で同窓会 その3

 ”世界一のガンランサー(笑)”を標榜しながら、初めてこの武器カテゴリーが導入された『2(ドス)』において、じつは4本しかガンランスを持っていなかったという信じがたい事実を突きつけられた大塚角満。自然と、『2(ドス)』を再プレイするうえでの目標は”ガンランスをたくさん集める”に決まった。

 そうと決まったら、さっそく素材集めだ。とりあえず強化が途中で止まっている”ブラックキャノン”を、最終形態の”ブラックゴアキャノン”にしてしまおうではないか。えーっと、足らない素材は……げげげ、”鎧竜の骨髄”と”黒鎧竜の頭殻”かよ……。よりによって、なんでこんなに集めるのが面倒臭い素材が足らねえんだ。……って、集めるのが面倒な素材だからこそ足らないのか。そうかそうか。そうですね。きっと当時の俺も「集めるのメンドくせ」とか言って素材集めを投げ出したんだろうな……。……「だろうな」じゃなくて確実にそうだ。まったく、ネット仲間がたくさんいた当時に集めようと思っていたら、きっと何の問題もなく必要数を手に入れることができていただろうに。ああ……。なまりまくったいまの腕では、上位のグラビモスとグラビモス亜種は手に余りすぎる……。というわけで俺は「同窓会するから集まってー」と言って呼び出したネット友だちのBに「沼地のグラ2頭ね!!!」と告げて、有無を言わさず最高ランクの★8クエスト”脅威の双璧”に連れ出したのでありました。ちなみにこのクエスト、上位のグラビモスとグラビモス亜種が同一エリアに滞在しまくることで有名なクエストです(苦笑)。

 いやあしかし、”復帰戦”でこのクエストはパンチが効きすぎてるわ……。2頭のグラビモスはじつに仲がいいらしく、前述のとおり同一エリアでランデブーしまくり。しかも、『2nd G』だとグラビモスの身体から発散される炎のガス噴射のまえに黒い霧が出るという”予告”があるが、『2(ドス)』にはそんな甘い対応は存在しない。ハンターは(ぼちぼちガス噴射じゃないか……)、(いつ来るかわからんから距離を保たないと……)とつねにガスの恐怖に怯えながら立ち回ることを要求されるのである。

 けっきょくこのクエストは、残り10分弱というところでなんとかクリアーすることができた。俺は1オチしながらも街に凱旋することができ、なんとこの1クエストで”ハンターランク100”に到達。『2(ドス)』の発売からじつに3年以上をかけて、ようやく100にたどり着いたことになる。1300時間というプレイ時間と100というハンターランクはまったく釣り合っていないように思えるが(ハンターランクの最高は999だしね)、やっぱり区切りの数字というのはうれしいものであるなあ。

 しかし残念なことにここぞとばかりに物欲センサーが働いたらしく、俺は鎧竜の骨髄も黒鎧竜の頭殻も手に入れることができなかった。うーん、これはきびしいぞ。頭殻はともかく、鎧竜の骨髄はかなりのレア素材なのでいつ手に入るかわかったものではない。しかも、改めて武器強化リストを見たら鎧竜の骨髄は2個も必要だったし……。この事実を見て俺はポンと手を叩き、晴々とした表情でつぶやいた。

 「そうか。だから俺はブラックゴアキャノンへの強化をあきらめたんだ。なーんだそうか。そうだったのか」

 俺はきっぱりと、鎧竜の骨髄集めを断念した。

 まあいいのだ。じつはブラックゴアキャノンを作ることは肩慣らしみたいなもので、”本命”の武器はほかにあったんだもの。そう、その武器は……。

 ”ガンチャリオット”

 これだよコレコレ。こいつを作らなきゃ! いままでコラムでことあるごとに「もっともステキなガンランス」として紹介してきたガンチャリオットだが、不思議なことに『2(ドス)』のアイテムボックスにはそのカケラすら入っていなかった。ってことはガンランス強化の出発点、アイアンガンランスから作らなければならない。俺はBに言った。

 「ブラックゴアキャノンはもういい。これからは本命武器であるガンチャリオットを目指すぞ」

 B、ビックリ仰天して人目も憚らずに大声をあげた。

 「えええええ!!? あんなにコラムでガンチャリガンチャリ書いてたくせに、持ってなかったの!!??? いやあ、最近聞いた話の中でいちばんびっくりしたわ

 誤解ないように言っておくが、俺がガンチャリガンチャリとうわごとのように書き始めたのは『2(ドス)』の時代ではなく『2nd』からだからねっ!! ホントですよ!! ウソは書いてないんですよっ!! ウソだと思ったら過去の『逆鱗日和』シリーズを買って読んでみてくださいネ(宣伝)。

 というわけで、俺とBのガンチャリオット探求の旅が始まった。

 じつはガンチャリオット製作の顛末まで書けているんですけど、あまりにも長くなってしまったので今回はここで区切っておきます。以下次回!

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投稿者 大塚角満 : 14:57

【MH5周年記念企画】第12回 『モンハン2(ドス)』で同窓会 その2

 昨日の日記を読んだ女性ハンターのYさんから、「ちょっと!! Bさんが復帰するならそう言ってよっ!! だったらあたしも復帰するわよ!」といううれしいメールをいただきました。よーし、これで3人で同窓会できるぞ! よかったよかった……って、復帰のキッカケはBなんかい!! 俺が「『2(ドス)』にしばらくこもるから、いっしょに遊ばない?」ってメールしたら、「あー。ちょうど先月、課金をやめちゃったんだよねえw ごめんねえww」って言ったくせにぃぃぃ!! ……と、最近「自分はどんだけ小さい人間か」という”負の自慢話”を江野本ぎずもと展開したクセが抜けず、公の場であるここでもオノレの度量の小ささを披露してしまいました。何はともあれ、Yさん、復帰ありがとね(笑)。

 というわけで、『モンスターハンター2(ドス)』である。昨日もちょっと書いたが、『2(ドス)』におけるファーストキャラの総プレイ時間は1300時間ちょうど。これは、『モンハン』シリーズをやり込んだ時間としては『G』に次ぐ2番目の記録である。いやあ、我ながら凄まじい入れ込みようだな。

 ちなみに『2(ドス)』の時代から、俺はメインの武器を”ガンランス”とした。『2(ドス)』におけるガンランスは『2nd』や『2nd G』に比べて圧倒的に種類が少ないし(龍属性が存在しない唯一の武器カテゴリーだったりする)、派手なわりに際立った強さは持たず、使いかたもひとクセもふたクセもあったため、決して万人向きの武器とは言えなかった。それでも俺は、ランスの先端からボワンと飛び出るド派手な竜撃砲の魅力に取り憑かれ、「ほかの武器なんて使ってらんねえ!!」と男らしく宣言し、日々重いガンランスを担いでテオ・テスカトルやラージャンといった屈強なモンスターと渡り合っていたのであった。

 さてこの記憶どおりだと、俺のアイテムボックスの装備品の欄には最終形態まで育ったガンランスがゴロゴロと転がっていなければならない。『2nd G』と比べると数は少ないとはいえ、少なくとも5本くらいは、最終形態ガンランスがなくてはならぬ。確信に満ちた記憶によると、最低でもガンチャリオット、ナナ=フレア、ブラックゴアキャノンという”『2(ドス)』の三種の神器(ガンランス限定)”はアイテムボックスに入っているはずだ。これのほかに、毒属性のビッグスラッガーあたりは持っているに違いない。そう思いながら、俺はアイテムボックスの蓋を開けた。すると……。

 所持ガンランス、全部で4本

 ……はい??? どういうことだコレは。しかも三種の神器の中で所有してるのはナナ=フレアだけで、ガンチャリオットなんてそのカケラも見られない(強化途中のガンランスも見当たらない、ってことね)。アイテムボックスに入っていたのは前述のナナ=フレアと、ビッグスラッガー、ブラックキャノン、ヘルスティンガーだけ……。その代わり、と言っちゃナンだが、大剣は最終形態のものが5本、ランスに至っては8本もある。この事実を江野本に伝えると彼女は一瞬で固まった表情になり、「ばかな……」と言ったきり絶句してしまった。

 こいつはエライことになったぞ。じつは4月19日に行われる『角満式モンハン学』発売記念&祝『逆鱗日和』2周年イベント”1日MIDO体験コーナー”なるものが設置されるのだが、これは俺がリアルで使っているMIDOというキャラクターのデータで過去の『モンハン』を遊ぶことができる……というわけのわからないもの。当然ながら来場者は自由に俺の装備を着けたり外したりできるし、アイテムボックスを引っ掻き回すこともできる。となると、『2(ドス)』を俺のデータで遊んだ人にはガンランスが4本しかないということがバレてしまうわけで、この当時から”ガンランサー”を標榜してきた俺としてはマコトに都合が悪い。読者の皆さんにバレるまえに、『2(ドス)』のガンランスをズラリと揃える必要がある。何ものにも優先される、いまの俺がやるべき最重要事項は”ガンランス集め”だっ!!! 俺は、かる〜い気持ちで”同窓会”に現れたBに向かってひと言、「今回の復帰戦、ガチでクエストやって素材集めるから!!」と宣言し、「え?w どゆこと???」と目をパチクリとさせる彼を連れて、最上位のグラビモス亜種討伐に出発したのだった……。

 続く。


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投稿者 大塚角満 : 19:06

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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