大塚角満の ゲームを“読む!”

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【MH5周年記念企画】第11回 『モンハン2(ドス)』で同窓会 その1

 本日から『モンスターハンター2(ドス)』で生活します。

 『2(ドス)』はご存じのとおり、『2nd』や『2nd G』など、いわゆる”新世代モンハン”の礎となった偉大な作品だ。この『2(ドス)』よりフィールドが一新され、新たな武器カテゴリーとして太刀、ガンランス、狩猟笛、弓が導入。モンスターも一気に増えて、数々の古龍とともに”あの”ラージャンも、『2(ドス)』から登場している。また家庭用ゲーム機の『モンハン』ではこの作品だけ、”時間”の概念も組み込まれた。1日は昼と夜に分かれていて、25時間周期で”季節”が寒冷期→温暖期→繁殖期と移り変わる。特定の季節では行くことのできないフィールドがあったり、昼夜で現れるモンスターも変化したりと、じつに奥深い『モンハン』世界の雄大な時の流れを堪能することができるのだ。これらの要素が絡まりあった結果、じっくりと腰をすえて遊ぶ据え置き機の『モンハン』ならではの作品として、じつはいまだに、オンラインのロビーにあたるドンドルマにはたくさんのハンターが集結しているのである。

 そんな『2(ドス)』を久々に起動してみた。記憶によると、当時俺は3キャラクター作ってとっかえひっかえしながら遊んでいたはずなのだが、キャラクター選択画面にはファーストキャラの”MIDO”しかいない。「あれぇ? おっかしいなあ」と思いながら画面を凝視すると、セカンドキャラ、サードキャラがいなければならない場所にひと言”破損したデータ”なる文字が踊っているのが目に入った。ハ、ハソンしたデータって、なんだ……? ていうか、ハソンってどういう意味だ……? 一瞬、何のことかわからずに呆けたガノトトスのような顔をしてキョトキョトとあたりを見回していた俺だが、3秒後には「はっ!!」となって、世界の終わりを見たかのような悲痛な声で絶叫した。

 「セカンドとサードがお亡くなりになってるーーーっ!!!!」

 お亡くなりになったセカンドさんとサードさんは、いったいどんな方だったのだろうか……? いまとなってはまったく記憶にないのだが、絶対にどちらかは、女性キャラを作って遊んでいたはずだ。きっと、いいオンナだったんだろうな……。何歳くらいだったんだろうな……。見ると、ファーストキャラの総プレイ時間は1300時間ピッタリだったので、まあセカンドキャラやサードキャラがこれより多いことはあるまい。ってことは……。

 「1299時間遊んだデータが吹っ飛んでしまったのかもしれないナ」

 あまりにも膨大な時間の消失に打ちのめされ、俺は芝居がかった声で「おーいおいおい」と涙を流した。しかしその1.7秒後にはケロっとした顔で立ち上がり、「ま、どうでもいいや」と言いながらファーストキャラを選択。永遠に払い続けるマルチマッチングBB(オンラインモードで遊ぶために利用するサービス)への月額料金に守られて、俺は瞬時にドンドルマに降り立つことに成功した。こういう企画をいつかやるんじゃないかと思って、俺は金を払い続けてきたんだよナ。さすがだよナ。これを先見の明と言わずになんと言う! え、「ルーズ」? zzzz……。

 さて、前述したとおりオンラインロビーにあたるドンドルマにはたくさんのハンターがおりました。『2(ドス)』が発売されてから3年以上の月日が流れているが、さすが大ボリュームを誇るこの作品、ずっと遊び続けている人や新規にやってくるハンターも多いらしく、いまだに元気に賑わっている。クエスト同行者を募集しているハンターも目立つので、協力プレイをする仲間を捜すのも容易いだろう。いやあ、まさかこの時期にこれほど多くの人が『2(ドス)』のロビーにいるとは思わなんだ。

 となればさっそく、見知らぬ人がいる街に入って「いっしょにクエ行きませんか?」と話しかけるしかない。よ、よーし。数年ぶりの野良プレイだ。ま、まずは何を置いても「こんにちは!」って言えばいいんだよナ……。だだだ、大丈夫かなボク。キチンと話すこと、できるかな……? や、やべえ……。メッチャ緊張してきた……。て、手が震える……。こんなんじゃまともにプレイできないぞ……。よし、わかった! 今日はやめよう! 明日だ明日!! 明日キチンと「いっしょに遊んでくだちゃい!」ってドンドルマにいる人にお願いしましょう!

 と言いつつ、俺は携帯電話を取り出して1本のメールを打った。内容は、

 「『2(ドス)』の課金って、まだ続けてる?」

 というもの。……そう、かつていっしょに初代『モンハン』や『2(ドス)』で遊んでいた仲間たちにSOSを発信し、「『2(ドス)』で遊んで〜〜〜!!」と呼びかけたわけですな(苦笑)。もう、自分で書いてて恥ずかしくなってくるけど、どんだけチキンなんだこの37歳のヒゲオヤジは。でもさすがに、俺とその仲間たちが『2(ドス)』を離れてから相当な時間が経っているので、課金を続けているような奇特なハンターはいないだろうと思っていた。ところが……!

 「おー! 課金してるよー! まったくプレイはしてないけどw いつでもドンドルマに行くので、声かけてーw」

 かつて頻繁に俺のコラムに登場していた、ネット友だちのBからのメールだった。じつは密かにBだけは、絶対に課金を続けていると思っていたんだよな。

 俺はすぐに「すばらしい! ドンドルマに行くときにメールするわ!」と返信。Bとの再会を約束しあった。これで彼とドンドルマで再会を果たせれば、じつに小規模ながら”同窓会”が開けるぞ。

 というわけで、続きは次回〜。


◆◆◆『角満式モンハン学』発売記念&『逆鱗日和』シリーズ2周年記念イベント情報◆◆◆

先日詳細を告知させていただきましたが、『角満式モンハン学』発売記念&『逆鱗日和』シリーズ2周年記念イベントへの参加募集、まだまだ続いております! ぜひ、下記の専用ページで詳細を確認したのちにご応募していただければ。抽選で200名様をイベントにご招待しますよー!

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投稿者 大塚角満 : 18:52

【MH5周年記念企画】第10回 ガルルガの尻尾 その3

 仕事の合間を縫ってコツコツと、時を費やすこと12時間24分。鉱石を集めることのみに注力してクエストをこなし続けた結果、ようやく納得のいく装備ができあがった。

 武器は大剣の”鉄刀【神楽】”。攻撃力624で、斬れ味はわりと長めの緑ゲージとなっている。12時間程度のプレイで持てる武器としてはかなりの”上モノ”なのではあるまいか。しかしもう一段階強化して”斬破刀”にできれば、攻撃力・斬れ味ともに格段にアップするうえに雷属性まで付加できる。もちろん俺も、できることなら斬破刀まで育ててしまいたい。でも、強化素材にフルフルが持つ電気袋が組み込まれているのを見て即座に「無理ッ!!」と諦めた。武器はこの神楽で完成としよう。

 防具は悩みに悩んだ末にランポスシリーズで全身を覆った。本当は、シリーズを通して必ず作っているお気に入りの”スチール”シリーズを組み込みたかったのだが、こいつを作るには大量のマカライト鉱石と大地の結晶が必要なため「無念……」と言いつつ諦めることに……。じつは武器の鉄刀を強化するために同じように大量のマカライト鉱石と大地の結晶が必要で、鉄刀【神楽】とスチールシリーズの防具とでふたつの素材の取り合いになってしまったのである。貴重なマカライト鉱石と大地の結晶を、武器に割り振るのか防具に割り振るのかで悩んだ結果、「やっぱり攻撃力あってこそだよな……」と断腸の思いでスチールの防具を切り捨てた。でも素っ裸のままというわけにもいかないので、武器強化と素材がかぶらず、且つ、それなりの防御力を期待できる防具を捜した結果、「”彼”にお世話になるか……」ということで、ランポスシリーズの防具を採用した次第だ。ランポスの素材は、支給品で閃光玉が4つも配給されるドスランポス討伐クエストをくり返し受注しているうちに潤沢になっていたので、おかげですんなりと全身をランポスシリーズの防具で覆うことができたのでありました。

 というわけでついに、3年越しの因縁の相手、イャンガルルガに挑むときがやってきた! 討伐することはできないので、目標は尻尾切断だ。ではさっそく村長★3のクエスト、”ランポスの群れを討伐せよ!”を受注……と。いやあコレ、マジでチャンスは1回きりなので緊張するわ……。しかもいまクエストの詳細を見たら、制限時間は20分しかないのな……。ダイジョブかな俺……。でも、やらないことにはこの記事を完成させられないので、逝って……じゃなかった、行ってきますね!(マジでこれからやるんです)

 とりあえず万全の準備をするに越したことはないので、俺はキッチンアイルーを1匹雇ってネコメシを食った。効果は、攻撃力+3。微々たるものだが、食わないよりはマシだ。そしてクエストに持ち込むアイテムは、回復薬10個、薬草10個、閃光玉5個、栄養剤2個、千里眼の薬1個といったところ。栄養剤は体力を微量ながらアップできるスグレモノのアイテムだが、価格は序盤ではイタすぎの760ゼニー。武器と防具を作るために貯金を切り崩してしまった俺からしたら高額もいいところのアイテムだ。しかし、これをケチって飲まなかったがために目標を達せられなかった、なーんてことになったら、今はの際に「はっ!! あんとき栄養剤ケチってガルルガの尻尾斬れんかったの思い出した!!」なんてことになってやかましいったらありゃしない。なので俺は有り金叩いて栄養剤をふたつ購入し、泣きながら「これで準備は万全!」と宣言して、イャンガルルガが待つ森丘へと赴いたのであった。

 さあさあ、ついにイャンガルルガとご対面だ。「確か、あそこに出現するんだよな……」と3年まえの記憶を辿ってエリア10に駆けてゆく。すると思ったとおり、我が分身がエリア10に入ったとたんにイャンガルルガの登場ムービーが始まった。よーし、やってやるぜ!!

 イャンガルルガは非常に多彩な攻撃方法を持つモンスターだが、もっとも怖いのは”技”ではなく、めったやたらと怒りやすい”性格”にある。だからと言って、「おーーー^^ よーしよーし^^ なぁにを怒ってんのー^^ 怒らない怒らない^^ あー、かわいいでちゅねえ^^ いいコいいコ^^^^」なんてムツゴロウさん化して臨んだところで怒るものは怒るのでどうしようもないのだが、心構えとして”ガルルガはやたらと怒る”ということを忘れてはいけないのだよ。

 そして始まったイャンガルルガとの壮絶な一戦。すっかり見慣れたモンスターではあるが、やっぱりこの装備で向かい合うと(だ、大丈夫かな……)、(一撃で屠り去られたりしないよな……)、(やっぱりスチールができるまで来るべきじゃなかったかな……!)といまさらながらにチキンな感情がこみ上げてきてしまって、PSPを持つ手はプルプルと震えるばかり。さっそく、イヤらしい毒針が仕込まれた長い尻尾に「ぱこーん」とぶつかり、クエスト開始早々にポコポコの毒状態にされてしまった。しかも、上記のアイテムリストを見ると一目瞭然だがまんまと毒消し用のアイテムを忘れてきたので、いつまでも俺の分身は酔っ払ったような状態で立ち回りをさせられるハメになってしまったのでありました。

 それでもさすがはベテランハンター。毒消しアイテムを忘れた以外は終始落ち着いた立ち回りでイャンガルルガに攻撃のスキを与えない。そして開始5分。「うおりゃあ!!」と見舞った抜刀斬りがものの見事にイャンガルルガの尻尾を直撃し、ちぎれた尻尾は放物線を描いてグサリと地面に突き刺さった。そう、俺はほとんど何の苦労もないままに、3年越しの夢だったイャンガルルガの尻尾切断を実現させてしまったのである! いやあ、自分で言うのもナンだけどビックリしたわ。あー驚いた。……まあこのあと、「じつは討伐もできちゃうんじゃね?」と凄まじい勢いで自惚れてイャンガルルガの前に立ち続け、

 「あ」

 と思ったころには3オチを計上して村に強制送還されちゃったんだけどなー(苦笑)。

 でもこれで、長いこと俺を苦しめてきた”ガルルガの尻尾の呪い”は完全に解けた。今日から新しいハンティングライフの始まりだああ!!

 というわけで、俺はココット村を後にし、つぎの目的地に向かって歩き始めた。さあ明日から、『モンスターハンター2(ドス)』だ。

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投稿者 大塚角満 : 19:05

発表! 『角満式モンハン学』発売記念&『逆鱗日和』2周年イベント開催概要!

 皆様、長らくお待たせしました。以前より告知しておりましたが、来る4月19日に、『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学〜モンスター編〜』の発売(4月1日ですよ!)と『逆鱗日和』シリーズの発売2周年(中途半端!)を記念したイベントが開催されます! これまで「『2nd G』を使ったタイムアタック大会をやるヨ」ってことだけ公にしてきましたが、この大会の詳細と、そのほかのお楽しみについても公開していいことになったので、いよいよイベントの全貌を白日のもとにさらしてしまいましょー。

 とりあえず、イベントの詳細、注意事項はこちらにまとめてありますのでご一読を。さらに、タイムアタック大会の詳細はこちらにございます。

 ……どうです? けっこうがんばっちゃったでしょう! でも、告知文だけだと無機質でわかりにくいかと思うので、ここで僕の言葉でフォローしますね。

 まず今回のイベントですが、告知文にあるとおり二部構成となっております。これまで2回行った『逆鱗日和』イベントはいわゆる”オフ会”のイメージが強かったのですが今回はそうではなく、第一部は大塚角満のサイン会(自分で書くの恥ずかしい……)や展示、催しが行われ、参加者が自由に楽しむ時間に。第二部は選ばれし『モンハン』アスリートたちのタイムアタックを観覧するお時間となります。ではまず、第1部から詳しく解説しますネ。

 第一部に用意している展示物や企画モノは、以下のとおりです。それぞれに解説をつけてみましたヨ。

●大塚角満サイン会&ギルドカード配布コーナー

解説:これはもう、解説のしようがねえな(苦笑)。要するに、大塚角満が会場の一角に佇んで「サインさせてーサインさせてー」と歌を歌っているので、寄ってたかってサインされてください、というものです。『2nd G』の入ったPSPも傍らに置いておくので、ご希望の方にはオイラのギルドカードをお渡ししますよー。ガンランスの使用回数がエラいことになっているので(マジ)、ぜひ、見てやってくださいな。

●逆鱗日和ファミリーサイン会&ギルドカード配布コーナー

解説:逆鱗日和ファミリーの中目黒目黒、女尻笠井、江野本ぎずもの3人が、会場の特設コーナーに陣取って生意気にもサインを書くそうです。希望者にはギルドカードの配布も。ただ、目黒は「PSPのメモステがどっかいっちゃいました」と言っているので、配れるかどうか……(苦笑)。

●『モンスターハンター ハンティングカード』体験コーナー

解説:『角満式モンハン学』に、『モンハン』のカードゲーム『ハンティングカード』の体験リポートが盛り込まれています。そのご縁で、本イベントの会場に『ハンティングカード』のブースを設置できることになりました。ここでは、カプコンのスタッフによる『ハンティングカード』のレクチャーや、来場者どうしで自由に対戦できるコーナーも設置する予定。そして、最近すっかり『ハンティングカード』にハマっているオイラも、このコーナーにおじゃまさせてもらうかも。来場者の方と対戦できたらいいなあ♪

●1日MIDO体験コーナー

解説:これ、会場展示の中でもっともわけのわからないコーナーだろうな(苦笑)。家庭用ゲーム機の『モンハン』はこれまでに6作品発売されていますが、僕は一貫して”MIDO”という名前のキャラを作って遊んできました。そこで今回、会場にこの6作品を展示し、僕が育てたMIDOのデータで遊べるコーナーを設置することに!! 俺のショボいデータで遊んで何が楽しいのかわかりませんが、ま、イベントの彩りってことで……。ヒマつぶしにぜひどうぞ!!!

●『2nd G』リアル集会所

解説:『モンハン』のイベントと言えばコレ! 会場内に自由に座って『2nd G』を遊べる”自由席”を設置するので、来場者どうしで気軽に協力プレイを楽しんでくださいな。

●展示コーナー

解説:『角満式モンハン学』の表紙で使われたジオラマ、『逆鱗日和』シリーズでおなじみのイラストレーター・ぽん吉氏のイラスト展などを会場で展開します。会場でしか見ることのできないものも……!

●物販コーナー

解説:エンターブレインから発売されている『モンハン』関連書籍を展示・販売します。そのほかにも(以下略)。

 第一部は、こんな感じかな? なお、これらの会場展示は抽選で選ばれた200名だけじゃなく、後述するタイムアタック大会予選に参加してくれた方も楽しむことができます! タイムアタック予選が始まるのは午前11時30分で、結果発表は午後2時30分。タイムアタックに挑戦したら、この時間内は展示コーナーに入れるようになるのです! プラプラと会場を巡って展示物を眺めたり、物販コーナーでお買い物をしたり、来場者どうしで談笑したりと、思い思いの時間を過ごしていただければなー……と。あ、お昼ごはんは各自でお願いします^^; 会場内に飲食スペースを用意しますし、会場から出ることも可能です〜。

■タイムアタック大会について■

 タイムアタック大会は、告知文にあるゲスト4チームと、当日予選を勝ち抜いた2チームを加えた計6チームで覇を競ってもらうことになります。では改めて、シードとして参加してもらうゲスト4チームを紹介。

●もうゲネポ(モンハンフェスタ`08優勝チーム)

●Effort Cristal(モンハンフェスタ`08準優勝チーム)

●Jast 25`s(モンハンフェスタ`07優勝チーム)

●狩魂T(モンハンフェスタ`08名古屋地区代表チーム)

 ダークホース的存在となりそうなのは、逆鱗日和イベントには初参加となる”狩魂T”。ほかのチームが一目置く強豪が率いるチームで、動向に注目が集まるっ!!

 さて、当日予選の種目は集団演習“ババコンガ討伐演習”です。昨年のモンハンフェスタの予選で使われた種目ですな。以前書きましたが、僕と江野本ぎずものコンビも、この予選に参戦します! 当日はその勇姿を皆さんにお見せすることができるでしょう!!(と、みずからにプレッシャーをかけてみる) ちなみに、当日予選にはイベントに当選した人ももちろん参加できますよ。

 当日予選が終わり、上位2チームが決定したら、いよいよ決勝ステージです。決勝で使用する種目を、詳しく解説しましょう。

●1回戦:ダウンロードクエスト“チャレンジクエスト07”
(6チーム中、上位4チームが準決勝に進出)

解説:チャレンジクエスト07は、大闘技場を舞台にしたナルガクルガ2頭の連続討伐です。昨年のモンハンフェスタで、来場者をステージ上に招いて行った”チャレンジクエスト”と同種目ですな。ふたりでどうやって変幻自在のナルガクルガを料理するのか? 興味が尽きません。……ちなみに俺と江野本、当日予選を本気で突破するつもりなので、ぼちぼちこのクエストの練習に入ろうと思っております(笑)。

●準決勝:???(準決勝進出チームがチャレンジクエストの中からそれぞれ希望クエストを決め、抽選にて種目を決定する。ただし、チャレンジクエスト07と10を除く。4チーム中、上位2チームが決勝に進出)

解説:準決勝に進出した4チームにそれぞれ、チャレンジクエストの中から自分たちがやりたいクエストを決めてもらいます。それをステージ上で僕が抽選し、準決勝の種目とするわけです。自分たちが決めたクエストが抽選されれば、そのチームはかなり有利になるはず。当日のクジ運しだいで運命が分かれることになるかと思いますが、「勝ち抜くチームには強運も必要!!」ってことで!

●決勝:ダウンロードクエスト“チャレンジクエスト10”

解説:決勝のクエストは、やっぱりこれでしょう!! 相手はあの”激昂したラージャン”。決勝まで残ったツワモノたちにかかったらアっと言う間に屠り去られてしまうかもしれませんが、極まりまくった立ち回りを見せてくれたらそれでいい! というわけで、昨年のモンハンフェスタ決勝と同じモンスターを選ばせてもらいました。

 こんな感じでしょうか!! なんか、書いてたら、やたらと興奮してきたわい!!

 今回のイベントのキモとなるのは、何を置いてもタイムアタック大会です。『2nd G』の発売から1年が経過し、タイムアタック自体も究極と言える段階まで極まってきています。ネット上で、日々更新されていくタイムアタックの最速記録。神動画なんてのも、溢れかえるほどたくさん公開されていますよね。そういう意味では、「なんでいまさらタイムアタック大会?」と思われる向きもあると思うんです。

 でもね、やっぱり俺は体育会系出身の人間なので、特定のステージの上で展開される一発勝負の悲喜こもごもを目の前で見てみたいんです。ネット上にあるタイムアタックの最速記録って信じられないようなものばかりですけど、やっぱりこれらのタイムはすべての条件(自分の立ち回りだけじゃなく、モンスターの動きもね)が整った上で叩き出された絵画のような芸術品だと思うんです。確かに、これもすばらしいし、賞賛を惜しむものじゃありません。「やれ」と言われても、僕には絶対に無理なものばかりですし。これに比べてステージで行われる一発勝負は、決してやり直しができない”水もの”です。究極のタイムが出る可能性は極めて低いし、ボロボロになる可能性も多分にあるでしょう。

 でもだからこそ、僕は好きなんです。その場限りの、一発勝負が。刹那の中に勝機を見出そうとするアスリートたちの真剣な表情はとてつもなく魅力的だし、後がないからこそ生まれる独特の緊張感とドラマには感動させられっぱなしになるし。日ごろの鍛錬だけじゃなく、決戦当日に漂う”運”までをも取り込んだ1チームだけが勝利の美酒に酔うことができる。だから僕はタイムアタックに挑戦する彼らのことを”アスリート”と呼び続けているんです。芸術家の展覧会ではなく、競技場で顔を突き合わせて展開する本気のしばき合いを見てみたい。だから僕と江野本は、あえてこの時期にタイムアタック大会を企画しました。

 ゲストとして招いた4チーム、そして当日予選に参加してくれる皆さん。ぜひ、本気の勝負を見せてください。優勝したところで大したものは贈れないし、イベントの抽選を通った200人の前でだけ行う勝負ですけど、僕は全身全霊の力を込めて優勝チームを称えます。『2nd G』の発売から1年経ったいまだからこそ見せられる立ち回りを、僕に見せてください。……あ、と言いつつ、僕も優勝する気マンマンですけどね(笑)。

 さて、優勝するために練習しなくちゃ! アスリートたちよ、首を洗って待ってろよ!!

※追記!!※

 忘れてた!! タイムアタックの優勝者への賞品、現在快調に製作中です!! 写真とキャプションをよく読んでくださいね(ニヤリ)。

ずずーん
syouhin.jpg
▲タイムアタック大会の優勝者には……なんと大塚角満手作りのトロフィーが贈られます!! ……誰だ!! 「んなモン、イラネ(苦笑)」とか言ってるのは!! じつはこれ、バカにしたもんじゃないすよ。今回、『角満式モンハン学』では表紙にフィギュアを使っているのですが、このフィギュアを制作してくれた造形師のモリゾーさんのもとに弟子入りし、トロフィー制作のレクチャーを受けているのだよ俺は!! 写真は紙粘土で”型”を作っているところ。この紙粘土をそのままプレゼントするわけじゃないから安心してくださいね(笑)。

※イベントの詳細はこちら
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投稿者 大塚角満 : 16:24

【MH5周年記念企画】第9回 ガルルガの尻尾 その2

 意気揚々と『モンスターハンターポータブル』の再プレイを始めた大塚角満。再プレイをする上で目標と定めたのが、村長★3のクエスト”ランポスの群れを討伐せよ!”にたった一度だけ登場するイャンガルルガの尻尾を切断することだ。いまから3年ほどまえ、『ポータブル』をやり始めたばかりのころの俺の前に現れ、懸命に尻尾を切断せんと右往左往する姿をせせら笑うかのようについばみ、サマーソルト、突進をお見舞いしてきた孤高の黒狼鳥。無残にも尻尾切断に失敗したことがトラウマになり、俺はいまだに、「ウケケケケ!」と高笑いしながら現れたイャンガルルガに豪快なサマーソルトをお見舞いされて昇天する……という悪夢を見せられている。

 このトラウマを払拭するために、俺は立ち上がった。新キャラクターを作って問題のクエストまで到達し、イャンガルルガの尻尾を斬り落として「大塚角満ここにあり!!」を高らかに宣言してくりょう。というわけでさっそく、俺はピカピカの新キャラ”Kadoman”君を産み落とした。

 さあて、まずは何を置いても村長★3のクエストを出現させなければならない。そのためには★2のクエストをいくつかこなし、緊急クエストを出して、これをクリアーする必要がある。★2の中で絶対にやらなければいけないキークエストは……”幻のキモを追え!”(魚竜のキモを3つ納品)、”森の中の異変”(ブルファンゴ10頭討伐)、”密林の大怪鳥”(イャンクックの討伐)の3つか。正直、防具をひとつもつけていない裸の状態で、武器もまったく強化していないアイアンソード(大剣)では、イャンクックを討伐したりガレオスを複数狩って魚竜のキモを剥ぎ取るなんて「……不可能だナ」と思えてしまう。ということで、俺は自然の成り行きで”森の中の異変”を受注し、素っ裸のまま森丘フィールドに足を踏み入れた。俺の記憶ではこのクエスト、エリア9、エリア10あたりにウジャウジャとブルファンゴが大発生しているので、ハンターは画面も見ずにテキトーに大剣を振り回しているだけでバッサバッサとイノシシ軍団を斬って落とせる……はずであった。

 俺は3年まえの確かな記憶に背中を押されて、まずはエリア10にやってきた。見ると、パっと視界に入るだけで5、6匹のブルファンゴが下を向いて鼻を鳴らしている。よーし、とりあえず1匹に狙いを定めて抜刀斬りを見舞ったら、あとはめったやたらと剣を振り回し続けよう。気づいたころには俺の目の前に、ブルファンゴの屍が累々と積みあがっているに違いない。俺は「ずばっしゃあああ!!」とわけのわからない効果音を発しながら近くにいたブルファンゴの脳天に抜刀斬りをお見舞いし、予定どおり、切り上げ→なぎ払いをくり返すエターナルコンボ(?)を開始した。

 そして。

 「はっ!」と我に返って画面を見ると、ぶっ倒れる我が分身の上を7、8匹のブルファンゴが電車のように連なって、ズドドドドドッ!! と駆け抜けていくシーンが展開されていた。な、なんちゅー数のブルファンゴだ……。これじゃあまったくの多勢に無勢ではないか! 俺は「……マジメにやろう」と声に出して発言して気合を入れ直し、道中でこっそりと薬草をかき集めたりしてからエリア10に再入場した。今度はキチンと、1頭1頭狩ってやるぞ。

 しかしやはり、初期のアイアンソードの攻撃力には限界があった。この武器だとブルファンゴを1頭屠り去るまでに時間がかかってしまい、気がつくと我が分身は複数のモンスターに囲まれて四面楚歌の状態になっているのである。しかも俺は、あろうことか素っ裸。究極の低防御力ではブルファンゴの突進に何度も耐えられるわけもなく、俺はほとんど何もせぬうちに3オチを計上してしまった……。

 でもまあ、この結果は当たり前だよな。”ハンターの道は1日にしてならず”だ。いくらベテランハンターでそれなりの知識があろうとも、裸&初期武器でそうそう簡単に前に進めるわけがない。俺は小さくつぶやいた。

 「イチから、出直そう……」

 俺はピッケルと虫あみを手に持ち、村長★1のクエストを静かに受注した。鉄鉱石やマカライト鉱石をコツコツと集め、地道にランポスを狩ったりして素材を備蓄していこう。だって、ブルファンゴごときに歯が立たないようでは、イャンガルルガの尻尾を切断するなんて夢のまた夢だもの。地に足をつけた地道な歩みこそが、遠回りのようだけどもっとも確実、かつ唯一の前進方法なんだから……。

 次回、『ポータブル』編完結! ……するかな?(苦笑)


■■■『角満式モンハン学』最新情報■■■

●オビ付きカバーを初公開!

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▲4月1日に発売される『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学〜モンスター編〜』は、この状態で書店に並びます! 大きく踊っている”ギアノスの不幸な(!?)生い立ち、知っていましたか−−?”というのは、本書を象徴するキャッチコピー。俺の妄想含みの研究によると、ギアノスはとても不幸な境遇のもとに生まれ、育ってきたモンスターだということが判明したのですッ! 本書は、こういったエピソードに満たされているんですねぇ。このほか、オビの裏側にも、 ”意外! かわゆさNO.1は”あの”モンスター!”、”「あら、ちゃんと帰ってくるわよ」とクイーンランゴスタは妖しく笑った”、”メラルーとアイルーはどちらが強いのか?”、”ダイミョウザザミはどれくらいウマイのかを考えてみた”などなど、『角満式モンハン学』で書き下ろしたエッセイの数々を象徴するキャッチコピーが踊っております! ……「おまえはいったい、何が言いたいんだ!?」と気になった方は、ぜひ本書を買ってチェックしてみてください!(笑)

●『角満式モンハン学』発売記念イベントも開催決定!!!
 『逆鱗日和』シリーズの新刊発売時にはすっかりおなじみとなりましたが、今回もファン感謝イベントを開催しちゃいます! 開催日は4月19日で、会場はエンターブレイン本社のイベントスペース”WinPa”。イベント内容はまもなくこのブログにアップしますが、 『逆鱗日和』シリーズのイベントではおなじみの”タイムアタック”を行うことだけは決定済みであります! 2009年夏に『モンハン3(トライ)』が発売されるまえにもう一度、『2nd G』の最速ハンターを決めたいなぁ……と思って立てた企画です。モンハンフェスタのようなオフィシャルなタイムアタック大会ではないのですが、ぜひぜひこの時期に開催したかったんだよねぇ。でだ! 「この男たちこそ最速にもっとも近いだろう!」と大塚角満が独断で選んだ4チームが”シード”として参加することが決まっています。その4チームとは……!

もうゲネポ(モンハンフェスタ`08優勝チーム)
Effort Cristal(モンハンフェスタ`08準優勝チーム)
Jast25`s(モンハンフェスタ`07優勝チーム)
狩魂T(モンハンフェスタ`08名古屋地区代表チーム)

 そしてここからが注目です。今回のタイムアタック大会は上記の4チームだけで競うものではありません。イベント当日に”一般予選”を行い、タイムが速かった2チームに本戦に進出してもらいたいのです! つまり本戦は、シードの4チームと当日枠の2チームを加えた6チームで競ってもらうってこと。あ、べつに書かなくてもいいんですけど、僕と江野本ぎずものチームも当日予選に参加させてもらいますのでよろしくネ……(消え入るような声で)。イベントの詳しい内容は、まもなくアップします!

投稿者 大塚角満 : 14:26

【MH5周年記念企画】第8回 ガルルガの尻尾 その1

 『モンスターハンターG』では無事、目標だったリオレイア希少種と遭遇できたので、本日からPSPの『モンスターハンターポータブル』を活動の場とします。

 『ポータブル』は『モンハン』シリーズのターニングポイントとなった、このシリーズの歴史を語る上では欠かせない作品だ。それまで”知る人ぞ知る良作”だった『モンハン』(と言っても十分大ヒットしていたけど)を、より幅広い層に訴求するきっかけを作ったのがこの作品なのだから。『モンハン』をPSPに移植するという決断こそが、現在の社会現象とも言うべき『モンハン』ブームに繋がっているのである。

 そんな『ポータブル』だが、もちろん俺はやり込んだ。『G』や『2nd G』と比べるとプレイ時間自体は大したことないが、それでもすべてのモンスターとの顔合わせを済ませ、納得のいくところまで武器・防具を揃えた記憶がある。しかし不思議なことにこの作品、販売本数100万本を超えるスマッシュヒットを記録したのに、我がファミ通編集部で遊んでいる人間はほとんどいなかった。なので当時、俺は編集部の片隅でひとり寂しくチクチクとクエストを進め、たまの休みに友だちと会ったときだけ協力プレイをやらせてもらっていたのである。……え? ということは……俺は『ポータブル』においては4人プレイをしたことがほとんど……いや、まったくなかったんだ。自分でびっくりしてりゃ世話ないし、『2nd G』でワイワイガヤガヤと協力プレイばかりしているいまを思うと隔世の感があるが、俺の”狩猟記”の中にはそういうページが確かに存在するのである。

 そんな『ポータブル』において、何を目標に再プレイすればいいのだろうか? 『ポータブル』は『G』をベースに作られた作品なのでダラダラと遊ぶだけでは『G』の再プレイ日記と大差ないものになってしまう恐れがある。なのでキチンと、最終的な着地点を決めておかないとな。

 そこで俺が注目したのが、この『ポータブル』で新モンスターとして登場した”イャンガルルガ”だ。『2nd』や『2nd G』など最近の作品ではクエストを進めさえすれば会うことができるモンスターだが、初登場時の『ポータブル』と、その後発売される『モンスターハンター2(ドス)』では、少々特殊な役割を担っていたのだ。なんとイャンガルルガはプレイステーション2とPSPをUSBケーブルで接続することで、『ポータブル』の世界から『2(ドス)』の世界に飛来したのである。つまり、このふたつの世界が繋がっていることを証明する”使者”のような役目をイャンガルルガが果たしていたというわけだ。

 そんなイャンガルルガは、登場のしかたも独特だった。

 『ポータブル』の序盤、村長クエスト★3に”ランポスの群れを討伐せよ!”というランポスを20頭討伐することが目的のクエストがあるのだが、これにイャンガルルガは現れる。ただし! 現れるのは1回だけ。このクエストをいちばん最初に受注したときにだけ、イャンガルルガは姿を見せるのだ。しかもこのイャンガルルガ、討伐することが不可能だった。やれることの限界は、尻尾を切断するところまでだったのである。

 しかし、俺はこのイャンガルルガの尻尾を切断することができなかった。友だちに「尻尾を斬ることはできるよ。ただし、チャンスは1回だけ」と言われ、「ししし失敗は許されないっ!!!」と大いにビビりながら初期の弱〜い装備でイャンガルルガの前に立ち、ズタズタのボロボロにされて泣きながら村に戻ってきたのである。

 じつはこの事実、俺の中では決して小さくないトラウマになっている。なぜあのとき、俺はイャンガルルガの尻尾を斬ることができなかったのか? ナメてかかっていたのか? 精進が足らなかったのか? やり込み不足だったのか? そもそも、センスがなかったのか……? くり返される、自問自答の日々。その後『2nd』で最後の招待状をクリアーし、『2nd G』でモンスターハンターをクリアーしても、イャンガルルガの尻尾に負わされた心の傷が消えることはなかった。俺は、取り返しのつかない過ちを犯してしまったのではなかろうか……? どうすればこのトラウマを払拭し、前に進むことができるようになるのか……?

 そう、『ポータブル』を再プレイする上で何を目標とするのかは、じつは最初から決まっていたのである。

 ”イャンガルルガの、尻尾を斬る”

 これ以外にない。

 新規にキャラを作って村長★3まで進み、一度だけ現れるイャンガルルガから尻尾を奪ってみせよう。これができて初めて、俺は3年にわたるトラウマを消し去ることができるに違いない。

 以下次回!

投稿者 大塚角満 : 15:13

【MH5周年記念企画】第7回 『モンハンG』で運試し? その3

 久々に訪れたミナガルデの街(オンラインの拠点ですな)をうろちょろしてから、俺はおもむろにひとつのクエストを受注した。クエスト名は”ジャングルの女王”。G級★8の最上級クエストだ。このクエストにこそ、今回の『G』再チャレンジの目的であるリオレイア希少種が登場するのである。

 この『G』でリオレイア希少種に初めて遭遇したときのことは、いまでも鮮明に覚えている。

 あるとき、俺のまわりにいたハンターの中ではダントツの達人だった女性ハンター・Wちゃんにいきなり、「ミドさん(俺のハンドルネーム)に出ているはずの”ジャングルの女王”に連れてってほしいんだけど」と言われた。Wちゃんは俺の遥か先を走り続けていたハンターだったので、わざわざ俺がクエストを貼らなくてもいつでも好きなときにどんなクエストにも出向くことができるはず。あえて俺がクエストを貼る必要性を感じなかった。なので俺は当然のように「それは俺が貼る必要があるの? Wちゃんだったら、何でも貼れるでしょうに」と言ってみたが、Wちゃんは笑いながら「いまのミドさんじゃなきゃダメなのよ」と言うばかり。俺は不思議に思いながらも素直にうなずき、「そこまで言うなら、わかったよ」と言いながらジャングルを舞台にしたリオレイア討伐クエストを受注した。そして「達人のWちゃんがいるならG級レイアでも安心だな」と気軽な気持ちで出向いた先で、キンキラキンに輝くド派手なリオレイア嬢に遭遇したのである。当然のように、俺は肝を潰した。リオレイア希少種の存在なんて見たことも聞いたこともなかったので、いくら俺がビビったところで責められるものではあるまい。俺は恥も外聞もなく泣き喚いた。

 「な、なんだこのモンスターは!!! 金色だよキンイロ!!! これ、レイアなのーーー!?

 これを聞いたWちゃん、してやったりの表情ながらも少々驚いた様子で、「金だよ金。金レイア。リオレイア希少種。……って、ミドさんホントに知らないの?」と呆れ声で笑っている。一般ユーザーからみれば、ゲーム雑誌編集者の俺がリオレイア希少種の存在を知らないという事実は、驚くよりも呆れてしまうようなことなのだろう。でも知らないものは知らないし、ド派手に輝く金ピカボディーに圧倒されてしまった手前、俺には驚く以外にやることがない。なので俺はクルクルと回るリオレイア希少種を眺めながらいつまでも「金だ金だ!! 金ピカレイアだっ!!」とわめき続けたのだった。

 そんな思い出があるリオレイア希少種に会いに、俺はG級のジャングルへと足を踏み入れた。記憶によるとジャングルに登場するリオレイアは最初、エリア4にいるはず。俺はわき目も振らずに木々が生い茂るジャングルを駆け抜け、飛竜の巣とも言うべきエリア4に突入した。見ると……いた!! リオレイアだ!! やっぱり最初はエリア4でよかったんだ!! しかし残念なことに、そこにいたリオレイアは緑色のノーマルタイプで、俺が求める金色の希少種ではなかった。ま、そうそう簡単に希少種が登場するわけもないんだけどネ。

 さて、今回の企画の主目的を考えれば、リオレイアが希少種ではないことを確認したら間髪入れずにリタイアを選択し、再度同じクエストを受注して”希少種チャレンジ”をすればよさそうなもの。でも久しぶりの『G』だし、据え置き機版の『モンハン』の操作はいまだに危なっかしかったので、リハビリも兼ねて「このレイア、狩ってしまおう」と思い立った。いまエリア4にいるのは、件のリオレイアと数匹のイーオスだけ。いいいいける!! 余裕で狩って退けられる!! 俺はそう、確信した。

 しかし。

 リオレイアは、まあいい。取り立てて言うことはない。俺がここで特筆したいのは、雑魚モンスターであるはずのイーオスだ。こ、こいつらこんなにも好戦的で強かったっけ……?

 俺の感覚的な話になってしまうが、この『G』に登場するイーオス、明らかに『2nd G』に登場するそれとは狩場でのスタンスが違う。例えて言うなら、『2nd G』のイーオスがのんびりと「あー……。ハンターが来たねえ」とつぶやいているような場面でも、この『G』のイーオスは「ああああ!!! いたぁ!! ハンターだハンターだ!! じゃれろじゃれろ!! 嫌がらせだ嫌がらせだ!!!」とわめき散らしながら襲い掛かってくるような印象なのだ。距離をとってもビョンビョンと跳びはねてドロップキックをお見舞いしてくるし、近くにいたらいたでガブガブと噛みついてくる。もちろん『2nd G』のイーオスも同じことをしてくるのだが、ハンターにちょっかいを出してくる度合い、つまり積極性が『G』のほうが圧倒的に上のような気がするのだ(あくまでも俺の感覚値ではあるがね)。屈強なG級リオレイアと渡り合っているときに、このイーオスの執拗なアタックはこの上なくキツい。ていうか、ウザい!! どう考えてもこのエリアには、イーオスが50匹以上はいるぞ。俺はまともに立っていることもままならないほどイーオスに狼藉の限りを尽くされ、ほうほうの体でエリア4から逃げ出した……。

 こんなやりとりが、5回ほどくり返された。いまだリオレイア希少種は現れてくれず、俺はエリア4に50匹いる(と、勝手に思い込んでいる)イーオスと、エリア3に30匹いる(と、勝手に思い込んでいる)ブルファンゴに翻弄されて、完全に心が折れかかっていた。ひとりプレイでも遊びやすいように調整された『2nd』や『2nd G』と比べて、圧倒的に容赦なく襲い掛かってくる小型モンスターの波状攻撃。この、黎明期の『モンハン』のなんて歯ごたえのあることか。でも当時は、これが当たり前だったんだよな。イーオスにしてもブルファンゴにしても特別強いとも思わず、「こういう世界にいるんだから、これが当然だ」と理解して渡り合っていたんだよな、きっと……。

 俺は、6回目となる”ジャングルの女王”を受注した。生半可ではない『G』のフィールドはピクニック気分でやってくるお気軽ハンターなど簡単に弾き返してくれる。腹を括ろう。『2nd G』で”モンスターハンター”や”武神闘宴”をボロボロになりながらもクリアーしたときの自分に戻って、本気でリオレイア希少種を追いかけようじゃないか。俺はそう、心に誓った。

 そして、エリア4。そこでは神々しい黄金色の光を放つリオレイア希少種が、いまにも「待たせたわね」と言葉を発しそうな顔をして佇んでいた。

 ああ……。ようやく会えたよ……。どんなにおまえに、会いたかったことか……。俺は恋焦がれながらも会うことが叶わず、長い月日を経たすえにようやくひと時の逢瀬が許された悲恋物語の主人公になったような気分でリオレイア希少種に対峙した。

 そして−−。

 出会いから5分足らずで、ロマンも悲恋もへったくれもない猛女の怒涛の攻撃にさらされて、気がついたら3オチ(苦笑)。「!!!」とも「……」とも思う間もないうちに、俺の『G』再プレイは終わりを告げたのだった(笑)。

■■■『角満式モンハン学』最新情報■■■

●オビ付きカバーを初公開!

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▲4月1日に発売される『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学〜モンスター編〜』は、この状態で書店に並びます! 大きく踊っている”ギアノスの不幸な(!?)生い立ち、知っていましたか−−?”というのは、本書を象徴するキャッチコピー。俺の妄想含みの研究によると、ギアノスはとても不幸な境遇のもとに生まれ、育ってきたモンスターだということが判明したのですッ! 本書は、こういったエピソードに満たされているんですねぇ。このほか、オビの裏側にも、 ”意外! かわゆさNO.1は”あの”モンスター!”、”「あら、ちゃんと帰ってくるわよ」とクイーンランゴスタは妖しく笑った”、”メラルーとアイルーはどちらが強いのか?”、”ダイミョウザザミはどれくらいウマイのかを考えてみた”などなど、『角満式モンハン学』で書き下ろしたエッセイの数々を象徴するキャッチコピーが踊っております! ……「おまえはいったい、何が言いたいんだ!?」と気になった方は、ぜひ本書を買ってチェックしてみてください!(笑)

●『角満式モンハン学』発売記念イベントも開催決定!!!
 『逆鱗日和』シリーズの新刊発売時にはすっかりおなじみとなりましたが、今回もファン感謝イベントを開催しちゃいます! 開催日は4月19日で、会場はエンターブレイン本社のイベントスペース”WinPa”。具体的なイベント内容は現在詰めている真っ最中ですが、『逆鱗日和』シリーズのイベントではおなじみの”タイムアタック”を行うことだけは決定済みであります! 2009年夏に『モンハン3(トライ)』が発売されるまえにもう一度、『2nd G』の最速ハンターを決めたいなぁ……と思って立てた企画です。モンハンフェスタのようなオフィシャルなタイムアタック大会ではないのですが、ぜひぜひこの時期に開催したかったんだよねぇ。でだ! 「この男たちこそ最速にもっとも近いだろう!」と大塚角満が独断で選んだ4チームが”シード”として参加することが決まっています。その4チームとは……!

もうゲネポ(モンハンフェスタ`08優勝チーム)
Effort Cristal(モンハンフェスタ`08準優勝チーム)
Jast25`s(モンハンフェスタ`07優勝チーム)
狩魂T(モンハンフェスタ`08名古屋地区代表チーム)

 そしてここからが注目です。今回のタイムアタック大会は上記の4チームだけで競うものではありません。イベント当日に”一般予選”を行い、タイムが速かった2チームに本戦に進出してもらいたいのです! つまり本戦は、シードの4チームと当日枠の2チームを加えた6チームで競ってもらうってこと。あ、べつに書かなくてもいいんですけど、僕と江野本ぎずものチームも当日予選に参加させてもらいますのでよろしくネ……(消え入るような声で)。イベントの詳しい内容は後日、このブログや週刊ファミ通の”モンハン研究所”で告知していこうと思っておりますので、「我こそ最速!」と思っているプレイヤーは発表をお楽しみにー!

投稿者 大塚角満 : 18:29

【MH5周年記念企画】第6回 『モンハンG』で運試し? その2

 数ある『モンハン』シリーズの中で、俺がもっとも長い時間を捧げたのがここで扱う『モンスターハンターG』だ。時間にして、1500時間超。どこでも手軽に遊べる携帯ゲーム機用のソフトではなく、遊べる環境が限られている据え置き機用のソフトでこれほどの時間を費やして遊ぶってのは、かなり異例なのではあるまいか。少なくとも俺は、37年の人生でこれほど長時間遊んだゲームは『G』しかない。

 で、前回のブログでも書いたがこれだけ長いことプレイできた理由のひとつに”お目当てのモンスターになかなか出会えない”というものがある。亜種や希少種を討伐する専用のクエストがなく、これらのレアなモンスターが現れるかどうかは完全に運任せだったのだ。しかしこのギャンブル性の高さはクエストに出向く上での格好のカンフル剤で、俺はいつまでも飽きることなく『G』で遊ぶことができたのである。

 今回『G』を再プレイするにあたってテーマに掲げたのが、この亜種(希少種)モンスターだ。なかなか会えない『G』の希少種に会いにいってみようと思ったのである。

 さっそく俺は『G』を起動し、1300時間以上遊び込んでいるファーストキャラを呼び出した。さすがにこれだけ長時間遊んでいるだけあり、武器も防具もとんでもないものを装備している。背負っていた武器は龍属性のランス、黒滅龍槍。そう、『G』のときに俺はメインの武器としてランスを使っていたのだ。この黒滅龍槍は当時”最強にもっとも近い武器”と言われていて、それなりにやり込んでいたハンターは全員と言っていいくらい所有していたんだよね。嗚呼……なんて懐かしい……。これさえあれば、どんなモンスターにも立ち向かうことができるぜ。

 しかし、ここで問題となるのがリオレイア希少種である。このコはバリバリの最上位クラスのモンスターなので、オフラインのひとりプレイのフィールドには現れてくれない。つまり会うためには、オンラインの”街”にくり出してG級クエストを受注する必要があるわけだ。『G』が発売されてから早4年。俺がプレイしなくなってからも、丸3年以上の月日が流れているだろう。さすがの俺も、マルチマッチングBBサービス(据え置き機版の『モンハン』でネットワークモードを遊ぶときに利用するネット接続サービスのこと)に課金を続けているってことはないだろうから、ネットに繋ぐとなるとひと手間かかりそうだ。うーん、どうしたもんかな……。

 俺はメニュー画面を眺めながら、「そうそう、ここで”街へ行く”を選んでオンラインに接続するんだよナ」と思い、ついボタンを連打してその気もなかったのに”街へ行く”を選択してしまった。「あ、間違えた」と思ったが、我がプレイステーション2は一生懸命ネットに接続しようと努力しているらしく、画面にはその旨を伝えるメッセージが表示されている。「あーあ……。課金してないから無駄なのに……」とムナシイ気持ちで画面を見ていると……。

 ”サーバーに接続中です”

 ……ん? なんでサーバーに接続しようとしてるんだ? 無駄なのに無駄なのに。さらに画面を眺めていると……。

 ”どのIDを使いますか?”

 ええ? IDも何もあったものじゃ……と思ったが、テキトーに選んで次の画面に進む。すると……。

 ”ログインするランドを選択してください”

 ……って、オンラインに接続できちまったーーーーーーっ!!! ということは、俺は『G』を遊ばなくなって3年以上、そして『2(ドス)』を遊ばなくなって2年以上の時間が流れているというのに、その間もずーーーーっと課金を続けていていつでもオンラインできる環境を保ち続けていたということか……! ななな、なんというモンハン愛……。ていうか、なんといういいかげんな性格なんだ……。

 でもまあ、今回ばかりは俺のテキトーな性格のおかげであっさりと街に来ることができたので、「ナイス! テキトーな俺!」と惜しみない賞賛の言葉を自分に浴びせることにしよう。いやあ、よかったよかった。これで何の障害もなく、リオレイア希少種に会いに行くことができるぞ。

 というわけでさっそく、どこに降り立つのかを決めるべくパラパラとランドを見ていった。すると……いるわいるわ、熱狂的な『G』ファンのハンターたちが!! 何度も書くが発売から丸4年以上が経つゲームで、しかも平日の真っ昼間だというのに、30人近いハンターが街で積極的に動き回っている事実には驚きを禁じえない。

 よーし、せっかくハンターがいるんだからそこに飛び込んで、いっしょにリオレイア希少種の討伐に……!! ……と思ったが、生来のシャイな性格のためそれもできず、けっきょく俺は誰もいない街に降り立ってG級のリオレイア討伐クエストを受注したのだった(苦笑)。

 次回に続く〜。

投稿者 大塚角満 : 12:48

【MH5周年記念企画】第5回 『モンハンG』で運試し? その1

 無事、ブルファンゴという強大な存在を打ち倒したので、初代『モンハン』は卒業です。ぶっちゃけ、『モンハン』の原点をイチからやり直してみてその存在の大きさを再認識させられ、「せっかく再スタートさせたんだから、しばらくこのまま遊び続けたいナァ」と思ってしまったのは隠しようのない事実。しかし今回の5周年企画は家庭用ゲーム機で発売された『モンハン』シリーズすべてを見つめ直すことが最大のテーマとなっているので、いきなり初代『モンハン』に永住するわけにもいかない。俺は大いに後ろ髪を引かれながらもプレイステーション2から初代『モンハン』のROMを取り出し、代わりにシリーズ2作目の『モンスターハンターG』をディスクトレイに乗せた。つぎのターゲットは、この『G』なのである。

 何を隠そう『G』は、数ある『モンハン』シリーズの中で俺がもっとも長く遊んだタイトルだ。ファーストキャラのプレイ時間は約1377時間。このほか、セカンドキャラやサードキャラまで作って遊んでいたので、総プレイ時間は1500時間を軽く超えている。いちばん夢中になって遊んでいたころは会社のプレイステーション2の電源は入りっぱなしだったんじゃないかなぁ……。家に帰ったら帰ったで飯や風呂を済ますよりもさきにプレイステーション2の電源を入れて、わき目も振らずにオンラインの広場にくり出していた。それこそ、通勤の行き帰りの2時間半ほどの時間に『G』で遊べないことがもどかしくてもどかしくてしかたなく、「『G』が携帯ゲーム機で遊べたら最高なのにっ!」とどれほど思ったことか。しかしこの思いが神様に通じたのか、ほどなく『G』をベースに作られたPSP用ソフト『モンスターハンターポータブル』が発売されるんだから、人生何が起こるかわかりませんな。……って、俺は何を言ってるんですか?

 えーっと、何を書こうとしていたんだっけな。……そうだそうだ、もっともやり込んだ『G』を再プレイする話だった。初代『モンハン』は新キャラを作ってイチからスタートし、序盤戦の悪魔・ブルファンゴを討伐するまでを感動的な物語(そうか?)にしたわけだけど、さてさて『G』では何を目標に遊んでみようかな。過去に1500時間もやり込んだ作品ともなると、久しぶりのプレイとはいえテーマを見つけるのはなかなか難しいものだ。

 しかし改めて思うけど、なんで俺は『G』をこれほど遊び込んだのであろうか? もちろん、『G』に盛り込まれたゲームとしてのボリュームが初代『モンハン』とは比べ物にならないくらい増えたのが最大の要因だろうが、それでも初代『モンハン』の3倍もの時間を費やすってのは尋常ではない。何かしら決定的な理由があるはずだ。

 そう思いながら俺は、4月1日に発売になる書き下ろしの単行本『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学〜モンスター編〜』のゲラをパラパラとめくっていった。この本は『モンハン』シリーズに出てくるモンスターを解説・妄想する”図鑑”のコーナーと、家庭用ゲーム機で発売された『モンハン』シリーズを1作ずつ振り返る”クロニクル”(年代記)のコーナーで構成されている。そう。俺はこのクロニクルの『G』の項で書いた原稿を読み直して再プレイするときの参考にしようと思ったのだ。

 『G』に関する書き下ろし原稿には、いくつもの思い出話が書かれていた。わずか3週間ほどまえに自分で書いた原稿だというのに、「ほっほ〜!」と感心したり、「あはははは」と笑ったり、「これ書いたヤツ、アホだ」と呆れたりしながら読み返す。どんだけ自分が好きなんだって感じだが、生来のトリ頭のおかげで、ちょっと時間が経てば書いた原稿の中身をすっかり忘れてしまうので、とても楽しく新鮮に読むことができるんですねぇ。

 まあそうやって自分が書いた『G』についての原稿を読み返しただわけだが、その中に”『G』では望んだとおりのモンスターがクエストに出てこなかった”という記述があった。これはどういうことかというと、『G』におけるG級クエストではクエストに出てターゲットモンスターに出会うまで、そのモンスターがノーマル種なのか亜種なのか、それとも希少種なのかがわからなかったのである! フルフル亜種の素材が欲しくても”フルフル亜種討伐クエスト”は存在しないのでハンターは”フルフル討伐クエスト”を受注する。しかし出てくるのはノーマルのフルフルばかりでいつまで経ってもフルフル亜種の素材は手に入らない……とか、逆に「ノーマルのリオレウスの素材が欲しい」と思ってクエストに出かけたら、待っていたのはギンギラギンに輝くレウス希少種だった……なんていうことが実際に起こり得たのだ。『G』をやったことがないハンターにしたら「え? ウソでしょ?」と思いたくなるところだろうが、本当にそうなんだからしかたがない。

 でも、『G』はこれがよかった。

 クエストに行っても何が出てくるかわからないというギャンブル性の高さは”モンスターの素材を集めるのが難しくなる”ということに繋がったが、かえってそれがハンターの収集心を煽った。また、フルフルなどはとくにそうだがノーマルと亜種とで有効な属性がまったく違うものも存在したので、モンスターに出会うまでのドキドキ感はハンパじゃなかったのである。パーティーメンバー全員がノーマルのフルフルが出ることに山を張って火属性の武器を携えて沼地に行ってみたら、現れたのは真っ赤な真っ赤なフルフル亜種。当然、火属性なんてまるで効かない。とたんにハンターはキモを潰す。

 「でたぁあああああ!!」

 「赤きたーーーっ!!」

 「なんでこういうときに限ってリペイント(当時、亜種モンスターはこう呼ばれていた)なんだよ!!」

 とパーティーメンバーは幽霊に出くわしたかのような阿鼻叫喚の大騒ぎになり、「ぜんぜん効かねえ!w」、「誰だ、”今回は絶対にノーマルだ”とか言ったヤツは!w」と笑い混じりで右往左往することになったのだ。この、”会いたいのになかなか会えない”という事実に刺激されて、結果、俺は1500時間を超える長大な時を『G』に捧げることになるのである。

 そういったことを思い出しているうちに、久しぶりに”何が出るのかわからない”という『G』ならではの楽しみを享受したくなった。お目当てのモンスターに何回目で出会えるのか、ちょっとカウントしてみよう。

 というわけで決まりました。『G』を遊ぶうえでのテーマが。『G』ではオンラインの街にくり出してG級のリオレイア討伐クエストを受注し、はたして何回目でリオレイア希少種に出会い、これを討伐できるのかチャレンジしてみようと思います。

 てな感じで、次回に続く〜。


●『角満式モンハン学』発売記念イベントも開催決定!!!
 『逆鱗日和』シリーズの新刊発売時にはすっかりおなじみとなりましたが、今回もファン感謝イベントを開催しちゃいます! 開催日は4月19日で、会場はエンターブレイン本社のイベントスペース”WinPa”。具体的なイベント内容は現在詰めている真っ最中ですが、『逆鱗日和』シリーズのイベントではおなじみの”タイムアタック”を行うことだけは決定済みであります! 2009年夏に『モンハン3(トライ)』が発売されるまえにもう一度、『2nd G』の最速ハンターを決めたいなぁ……と思って立てた企画です。モンハンフェスタのようなオフィシャルなタイムアタック大会ではないのですが、ぜひぜひこの時期に開催したかったんだよねぇ。でだ! 「この男たちこそ最速にもっとも近いだろう!」と大塚角満が独断で選んだ4チームが”シード”として参加することが決まっています。その4チームとは……!

もうゲネポ(モンハンフェスタ`08優勝チーム)
Effort Cristal(モンハンフェスタ`08準優勝チーム)
Jast25`s(モンハンフェスタ`07優勝チーム)
狩魂T(モンハンフェスタ`08名古屋地区代表チーム)

 そしてここからが注目です。今回のタイムアタック大会は上記の4チームだけで競うものではありません。イベント当日に”一般予選”を行い、タイムが速かった2チームに本戦に進出してもらいたいのです! つまり本戦は、シードの4チームと当日枠の2チームを加えた6チームで競ってもらうってこと。あ、べつに書かなくてもいいんですけど、僕と江野本ぎずものチームも当日予選に参加させてもらいますのでよろしくネ……(消え入るような声で)。イベントの詳しい内容は後日、このブログや週刊ファミ通の”モンハン研究所”で告知していこうと思っておりますので、「我こそ最速!」と思っているプレイヤーは発表をお楽しみにー!

投稿者 大塚角満 : 15:55

【MH5周年記念企画】第4回 ブルファンゴ打倒を目指して その3

 約4年ぶりとなる初代『モンハン』での生活が始まってから、3日が経過した。一度最後までプレイしているゲームなのでそれほど齷齪することなく、比較的落ち着いた心持でのんびりとセカンドライフを満喫している感じだ。やっているのは村長さんに仰せつかった★1のクエストで、メインの達成目標を攻めるかたわら、薬草、ハチミツ、鉱石といった今後の生活に必要なものをかき集めている。

 そして、改めて気づく。「『モンスターハンター』って、こういうことをしている過程がじつに楽しいんだよな」ってことに。

 『モンハン』も1作目がリリースされてから5年が経過し、シリーズ作品も数多く発売されてきた。作品が積み重なるにつれてゲームのシステムはブラッシュアップされて、結果、よりユーザーフレンドリーに、より遊びやすくなっていった。その集大成が『2nd G』で、ポッケ農場の充実ぶりを筆頭に本当に快適にプレイできる環境が提供されているわけだが、『モンハン』の原点である”狩猟生活”の荒々しい魅力という点においては、この初代『モンハン』は頭抜けているものがある。

 昨年の秋ごろ、拙著『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』に収録する『モンハン』開発メンバー座談会を行ったとき、”『モンハン』5周年を振り返る”をテーマに話をしたことがある。そのとき、初代『モンハン』の思い出話をあれやこれやとしていたのだが、座談会メンバーが口を揃えて言ったのは”初代『モンハン』の生活感は熱かった!”というものだ。クエストに出かけたら真っ先に全員で草食獣を狩り、肉を剥いで”お弁当”(こんがり肉のことね)を作った。そして森丘エリア1のモンスターのフンを漁って”怪鳥の鱗”が出るかどうかチャレンジし、エリア7とエリア9では必ずハチミツを採集した。クエストに出るときは、ピッケルを忘れずに。薬草とアオキノコは必ず限界数まで採集しなけりゃいけないよ。そうそう、初代『モンハン』には調合リストがないから、見つけた調合レシピは付箋に書いてモニターのまわりに貼っていたっけ……。与えられた世界観の中で”何をしてもいい”という突き放しがこうした生活感を生んで、多くのユーザーをトリコにしたんだよな。快適な『2nd G』もすばらしいけど、腕ひとつで生きていかなきゃいけない初代『モンハン』の荒々しい部分もそれはそれは魅力的だ。今回、企画としてイチからプレイしてみて、改めてこのシリーズの”おもしろさの原点”に気がついたよ。

 俺は「すばらしいすばらしい」と口笛を吹きながらクエストに出かけ、必ずひととおりの採集ポイントで素材を集めてから村に帰還する……という仕事を続けた。そしてすぐに、当初の目的だった大剣・アイアンソードが完成し、辛かったハンターナイフの時代から脱却することに成功する。よしよし、こいつはいいペースだ。これでかな〜り、生活が楽になるぞ。俺はできたばかりのアイアンソードを「いいコいいコ♪」と言いながら撫で、やおら背中に担いで宣言した。

 「こいつでブルファンゴを狩ってやるぞ!」

 と。

 さっそく俺は村★1のクエスト”ハンターの基本、釣り”を受注した。サシミウオ2匹を納品することが目的のこのクエスト。釣り場はエリア11となっている。ここに、あの悪名高き序盤戦の悪魔・ブルファンゴが棲んでいるのだ!!

 気合を漲らせつつも、俺は次第に緊張していった。武器こそアイアンソードになったが、防具はまだひとつも身に着けていないのだ。この状態でブルファンゴのタックルを食らい、壁際に追い詰められたらエライことになるような気がする。序盤の序盤で出会うブルファンゴがどれだけ強かったのか、具体的なことはよく覚えていないが、少なくとも「楽勝だった」、「無問題」という記憶はない。俺はいざというときのために薬草を10個と、序盤では非常に貴重な回復薬を5個(薬草とアオキノコを調合して作った)持ってエリア11に赴いた。

 エリア11に足を踏み入れると、爽やかな新緑の季節を思わせる平和そうなムービーが流れる。生い茂った広葉樹の葉と、その隙間から漏れ出た陽光が乱反射する美しい水面の風景を見ていると、まさかここに恐るべき魔獣が棲んでいるとは思えない。でもここに、ヤツはいるのだ。のこのこと何の危機感もなく新米ハンターがやってくるのを、手ぐすね引いて待っているのだ!

 エリア11に入ってすぐに、俺はアイアンソードを振り上げて抜刀斬りを放った。バシャ!! という大きな音を立てて、アイアンソードの巨大な刀身がエリア11の地面にめり込む。いまのこの装備でブルファンゴに対抗するには、相手に攻撃の機会を与えず、攻め続けるしかない。そういう思いから放たれた、渾身の一撃であった。

 しかし。

 俺の放った抜刀斬りは、ブルファンゴのはるか手前で地面に着地し、ムナしくも恥ずかしい土煙を巻き上げただけだった。あまりにもビビりすぎて相手との距離が見えなくなり、「ととと、とりあえず攻撃しないと!!!」という思いに駆られてくり出した攻撃なんてこんなものである。俺は本気で赤面しながら、ブルファンゴに向かって悪態をついた。

 「さささ、さっそく恥かかされた!!!」

 一方的に自分が悪いのに、恥をかかされたもないものだ。

 それでもこの素振り(?)で緊張も吹っ飛び、俺はアイアンソードを担ぎ直して2発目の抜刀斬りをくり出した。今度はキチンと、ブルファンゴの脳天に刀身が突き刺さる。派手に飛び散ったブルファンゴの体液が、しっかりとダメージを与えたことを俺に教えてくれた。いいぞいいぞ。この分なら何の問題もなく、あっさりと討伐できそうだ。俺は調子に乗って、抜刀斬りからなぎ払い、斬り上げと、大剣のコンボ攻撃をブルファンゴにお見舞いした。5年まえの新人ハンター時代では、ここまで冷静な攻撃はできなかったに違いない。さあさあ、まもなく討伐だ!

 ところが、順調にコンボ攻撃が当たっているにも関わらず、ブルファンゴは一向にひるむ気配を見せない。それどころか、眼前で俺が物騒な刃物を持って暴れているというのにまったく意に介さず、ザッ、ザッ、ザッ……と前脚で砂を掻いてこちらに突進してこようとしているではないか!! オイオイ。冗談はよせ。いまはまだ、俺の攻撃のターンだろう。ぼちぼち怯るめやコラ。そそそ、そこ!! 前脚で砂を掻くのをやめなさい!! おっかないでしょう!! 突進しようとすんな!! やめろやめろやめろ!!

 しかし悲しいかな、俺の必死の懇願と攻撃は猛るイノシシ魔人には通じず、ブルファンゴは振り回されるアイアンソードの壁をぶち破って、裸のハンターに最初の一撃を食らわせた。尋常じゃない勢いで減っていく我が分身の体力。こういう目に遭って初めて、新米ハンターは「金と素材をケチらずに、ハンターシリーズでもいいから防具を作っときゃよかった!!」って思うんだよな。いやあ、勉強になるわ。こうやってハンターは防具の大切さを知り、少しずつ大人の階段を上っていくんだよねえ^^

 ……って、ニコニコしている場合じゃねえ!! いくら裸&アイアンソードとはいえ、村★1のブルファンゴごときに屠り去られるわけにはいかないぞ!

 俺は「落ち着け、37歳!!」と自分を鼓舞しながら立ち上がり、無遠慮に裸ハンターを吹っ飛ばしたブルファンゴを捜した。つぎに向かってきたときには目にものを見せてくれよう。どこだどこだ。ブルファンゴはどこ行った!? そう思いながらキョロキョロしている俺の背中に、強烈な痛みが走った。ブルファンゴが戻ってきたのだ! ゴロゴロとエリア11の岩棚に転がる我が分身。ブルファンゴの突進を食らったときに「キツい!」と思うのは、減らされる体力よりも何よりも、まるで木偶のように地面に叩きつけられて転がりまくる自分の分身を見せられることだ。「ああ……。またそんなにハシタナク転がっちゃって……」という思いが、俺のモチベーションを著しく減退させるのである。

 それでも、俺はがんばった。駆け抜けては戻ってくる恐怖の”ファンゴトレイン1両編成”の怒涛の攻撃にもめげずに立ち向かい、体力残り3ミリってところでどうにかこうにかエリア11に棲まう悪魔を屠り去ることに成功したのだ!! 猛烈な充実感が、俺の心を満たす。こんな恐ろしい獣を狩った俺は、いまや最強のハンターになったのではあるまいか!! 俺は極度の興奮状態に陥って、近くにいた江野本ぎずもに向かって「狩れた狩れた! あの恐るべきエリア11のブルファンゴを狩ることができたぞ! 俺最強かも!!」と吼えまくった。

 そんな、顔を赤くしてツバを飛ばしまくる俺に向かって江野本は「ふww」と冷たく冷笑したあと、最強戦士に向かってこんなことを言った。

 「……えーっと、要するに”ブルファンゴを1頭狩った”ってだけですよねえ?(苦笑)」

 江野本の言葉で夢の世界から現実に引き戻された俺は別の意味で顔を赤くし、小さな声でボソリとつぶやいた。

 「……ハイ、ごもっともです……」


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 『逆鱗日和』シリーズの新刊発売時にはすっかりおなじみとなりましたが、今回もファン感謝イベントを開催しちゃいます! 開催日は4月19日で、会場はエンターブレイン本社のイベントスペース”WinPa”。具体的なイベント内容は現在詰めている真っ最中ですが、『逆鱗日和』シリーズのイベントではおなじみの”タイムアタック”を行うことだけは決定済みであります! 2009年夏に『モンハン3(トライ)』が発売されるまえにもう一度、『2nd G』の最速ハンターを決めたいなぁ……と思って立てた企画です。モンハンフェスタのようなオフィシャルなタイムアタック大会ではないのですが、ぜひぜひこの時期に開催したかったんだよねぇ。でだ! 「この男たちこそ最速にもっとも近いだろう!」と大塚角満が独断で選んだ4チームが”シード”として参加することが決まっています。その4チームとは……!

もうゲネポ(モンハンフェスタ`08優勝チーム)
Effort Cristal(モンハンフェスタ`08準優勝チーム)
Jast25`s(モンハンフェスタ`07優勝チーム)
狩魂T(モンハンフェスタ`08名古屋地区代表チーム)

 そしてここからが注目です。今回のタイムアタック大会は上記の4チームだけで競うものではありません。イベント当日に”一般予選”を行い、タイムが速かった2チームに本戦に進出してもらいたいのです! つまり本戦は、シードの4チームと当日枠の2チームを加えた6チームで競ってもらうってこと。あ、べつに書かなくてもいいんですけど、僕と江野本ぎずものチームも当日予選に参加させてもらいますのでよろしくネ……(消え入るような声で)。イベントの詳しい内容は後日、このブログや週刊ファミ通の”モンハン研究所”で告知していこうと思っておりますので、「我こそ最速!」と思っているプレイヤーは発表をお楽しみにー!

投稿者 大塚角満 : 16:29

【MH5周年記念企画】第3回 ブルファンゴ打倒を目指して その2

 というわけで、初代『モンスターハンター』におけるセカンドライフに突入しました。”というわけで”の意味がわからない方は、こちらの記事から読まれることをオススメします!

 さあて、まずは何をしようかな。いきなり最終目標であるブルファンゴ討伐に出向いてもいいのだが、丸5年間も『モンハン』を遊び続けた俺の実力を持ってしたら、あっと言う間に目的を達成してしまって拍子抜けするに違いない。それではあまりにも芸がないと言うものだ。せっかく4年ぶりくらいにこの世界に復帰したのである。とりあえずリハビリも兼ねて村にいるNPCと再会を喜び合い、いくつかクエストをこなして据え置き機版の『モンハン』のカンを取り戻そうではないか。うん、それがいいそれがいい。

 俺はひと通りの村人たちに話を聞いたあと、村長さんににじり寄って基礎中の基礎となるクエスト”ハンターの基本、生肉の入手”を受注。もちろん、村長さんからいただいた1500ゼニーのお小遣いには手をつけず、武器はハンターナイフ、防具はいっさい着けずにインナーのままという出で立ちで、俺はハンター生活の原点・初代『モンハン』の森丘に降り立った。すぐに、懐かしき森丘のデモムービーが俺の眼前で展開した。

 なんて雄大で、なんて心休まる映像なんだろうか……。『モンハン』シリーズのほかの作品でも何度となく観てきた映像だが、やはり初代『モンハン』で観るそれはどこか違う気がする。映像そのものは同じなんだけど、それを観る俺のほうが懐かしさやら物悲しさといったスパイスをドバドバと振りかけるもんだから、際立って美しく見えてしまうんだろうなぁ……。セピア色になりかけてた写真に「ちょっと待った!」と待ったをかけて、輝いていた5年まえのフルカラーの時代に戻ったような感じ。……なんだか無理矢理比喩してるみたいで気恥ずかしくもあるんだけど、言いようのないノスタルジックな気持ちを、ちょっとでも皆さんにわかってほしくて懸命になっているのを察していただければ……。

 ま、それはいいや(いいのか)。

 とりあえず村長の言いつけどおりにアプトノスを狩って、生肉を2個納品してくれようじゃないか。さあさあ、ダッシュでエリア1に行ってアプトノスを狩ろう。えーっと、ダッシュはRボタンだよな。Rボタンを押してっと……。

 ガキッ!!

 !! しまった!! 最近、PSPの『2nd G』ばっかやってたので無意識に”R1”ボタンを押しちゃったけど、据え置き機版の『モンハン』は操作が違うんだった! ダッシュはR1じゃなくてR2だ!! いかんいかん。俺はどうも、こういうミスをやりがちだ。久々の初代『モンハン』に浮かれていないで、もっと冷静に遊ぼう。とりあえずひと恥かいたから、もう操作系で間違うことはなかろうさま。お。そうこうしているうちにアプトノスが目の前に。さあ攻撃だ。攻撃の基本は△ボタン!!

 村長の教え

 ……しまった!! △ボタンは村長のチュートリアル用のコメントを呼び出すボタンだったのか!! うっわ〜……。なんてベタベタなミス……。でもマジでやっちまったから書かないわけにも……。そうだよな。据え置き機版の攻撃は右アナログスティックを倒して行うんだよな。いやあ、本気で忘れてたわ俺。

 でも、もう大丈夫だ! 攻撃方法さえ思い出せれば何の問題もない! よーし、ハンターナイフで斬り刻んじゃうぞぉ。まずはおまえだ! アプトノス!

 ザクザクザクッ!

 じつにいいテンポで、ハンターナイフの切っ先がアプトノスに突き刺さる。いいヨー、いいヨー。この勢いで、じゃんじゃん攻撃しよう!

 ザクザクザク

 ザクザクザク

 ザクザクザク……って、ぜんぜん倒れねえよアプトノス!! お、おまえ、こんなに堅かったのか!

 そうこうしているうちに、ハンターナイフの嫌がらせのようなセコい攻撃にさらされていたアプトノスは、「なんかうるさいのいるからあっちいこ」ってな感じでスタコラサッサと川を渡り始めてしまった。こうなると、もうこっちの攻撃は当たらない。斬れないハンターナイフでがんばって攻撃したのに……。もうちょっとだったのに……! 俺は、へっちゃら顔で川を渡るアプトノスの群れを呆然と眺めながらも「はっ!」と我に返り、所在投げに草原に佇む我が分身の姿を認めて思わず声に出して叫んだ。

 「ノ、ノスタルジー!!!!」

 怒りや悲しみよりも先に俺の心にこみ上げてきたのは、なんとも言えない懐かしさだった。みんな最初は、こうだったんだよな。まともに生肉も手に入れることができなくて「このままじゃいけない!」ってことになり、「空腹を打開するには武器を強めなければ!」という考えに至って、採集、採掘の存在を知る。懇切丁寧な導きじゃなく、プレイヤーの行動と世界観の息遣いそのものが、初心者をつぎの段階に進める案内人になるのだ。そうだそうだ。『モンスターハンター』って、こういうゲームだったんだよなぁ……。

 俺は斬れないハンターナイフでどうにかこうにかアプトノスを昇天させ、2個の生肉を剥いでクエストの目的を達成した。村に戻ったらピッケルを購入して、武器を強化するための鉱石集めに出かけるんだ。わーいわーい。採集だ採集だ。

 俺は村に戻ったその足でアイテム屋のお姉さんに話しかけ、ナケナシのお小遣いでピッケルを2本購入した。本当は4本買いたかったんだけど1本あたり160ゼニーもするので、小学6年生の1ヵ月のお小遣い程度にしかお金を持っていない我が初期キャラには、ピッケル4本分のお金は莫大すぎる。なんとかこの2本をやりくりして鉱石を集めなければならないのだ。まず必要なのは、鉄鉱石3個。これがあれば大剣・アイアンソードを作ることができるぜ。

 さっそく俺は”ハンターの基本、アイテム調合”のクエストを受注してフィールドに飛び出した。回復薬をふたつ作って納品するというクエストだが、そのついでにエリア6に立ち寄って採掘してくれようと計画したわけだ。

 森丘に降り立った俺は、まず「お弁当持っていこ♪」とつぶやきながら1頭のアプトノスに襲い掛かって2個の生肉をゲット。今後の生活のために、なるべく多くの生肉を溜めておこうと思ったわけだ。続いてエリア2。入ってすぐのところにある木の根元で薬草を5個ゲット。そして「あ。思い出した」と言いながら、薬草の木の向かい側にある崖の下をゴソゴソと探って”怪鳥の鱗”をひとつ手に入れることに成功した。怪鳥の鱗は、250ゼニーで売り飛ばせる。序盤ではとてつもない大金だ。俺は「生活の足しにしてください^^」と言いながらやさしく微笑む藤岡要ディレクターの顔を思い浮かべ、東南東の空に向かって「ありがたやーありがたやー」とうやうやしく頭を下げた。

 そして俺は、切り立つ崖で構成されたエリア6に侵入した。わき目も振らずに崖に取り付き、ロッククライミングを行う。もちろん、崖の中腹にあるツタの葉とクモの巣を採集することは忘れない。初代『モンハン』にはポッケ農場のような便利な施設はないから、クエストの途中でコツコツと採集をしておくのがセオリーなのである。「なんだか面倒臭そう」と思うなかれ。こういった行動こそが、じつは『モンハン』シリーズの原点であり、もっとも楽しいことのひとつなのだ。闇雲にクエストの達成だけを目指して走り回るのも悪くはない。が、豊かな自然が育んだ木の実や虫、石やサカナといった素材を集めることは子供のころに夢中になっていた昆虫採集や鉱石採集に似て、心の片隅にある”少年のキモチ”をコチョコチョとくすぐってくれるのである。

 そうこうしているうちに、我が分身はエリア6の採掘ポイントに到達した。サァ、掘るゾー!! 大枚はたいて買った貴重なピッケルよ。我が手に3個の鉄鉱石をもたらせておくれ!! よーし、まずは1回目! アチョー!! ガキンッ!!

 ピッケルが壊れてしまった!!

 「……ノ、ノスタルジーーーーッッッ!!!(涙)」

 俺はいつになったら、ブルファンゴに挑めるのでしょうか(苦笑)。

 以下、次回!

★★★『角満式モンハン学』最新情報★★★

●数量限定特典! ぽん吉デザインの『ハンティングカード』プロモーションカードが付録
 上記の『ハンティングカード』で実際に使える、『逆鱗日和』オリジナルのプロモーションカードが『角満式モンハン学』に付属となっているのです! カードデザインはもちろん、ぽん吉さん! もうすでにカードも出来上がっておりますが、これがじつに『逆鱗日和』っぽくてかわいい! ハンターカード(もちろん、武器はアレです)として実際に使えるので、『ハンティングカード』ユーザーは必見! 数量限定添付(まあ、そう簡単にはなくならない……と思う!)なので、『逆鱗日和』ファンはもっと必見!! 本書以外では手に入らないカードなので、レアなのは間違いないですよ!

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もうゲネポ(モンハンフェスタ`08優勝チーム)
Effort Cristal(モンハンフェスタ`08準優勝チーム)
Jast25`s(モンハンフェスタ`07優勝チーム)
狩魂T(モンハンフェスタ`08名古屋地区代表チーム)

 そしてここからが注目です。今回のタイムアタック大会は上記の4チームだけで競うものではありません。イベント当日に”一般予選”を行い、タイムが速かった2チームに本戦に進出してもらいたいのです! つまり本戦は、シードの4チームと当日枠の2チームを加えた6チームで競ってもらうってこと。あ、べつに書かなくてもいいんですけど、僕と江野本ぎずものチームも当日予選に参加させてもらいますのでよろしくネ……(消え入るような声で)。イベントの詳しい内容は後日、このブログや週刊ファミ通の”モンハン研究所”で告知していこうと思っておりますので、「我こそ最速!」と思っているプレイヤーは発表をお楽しみにー!

投稿者 大塚角満 : 14:44

【MH5周年記念企画】第2回 ブルファンゴ打倒を目指して その1

 さてさて本日からしばらくのあいだ、『モンスターハンター』シリーズの発売5周年を記念した企画記事”『モンスターハンター』過去作品プレイ日記”を連載したいと思います!!

 とは言っても、過去にさんざん遊んだ作品に再チャレンジするこの企画、ただ闇雲に遊ぶだけでは芸がなさすぎる。そこでどの作品も何かしらの目標を立てて遊んでみたい。

 まずは『モンハン』シリーズの出発点である偉大な作品、初代『モンスターハンター』だ。すべてはここから始まったんだよなぁ……。イャンクックもレウスもレイアも、マカライトも物欲センサーも、ぜーんぶこの作品から生まれたんだよねぇ……。いやあ、企画の初っ端からこみ上げてくるものがあるぜ……。そんな初代『モンハン』を再プレイするにあたり、何を目的にすればいいのか? イャンクック討伐か? それとも、リオレウス討伐? どれも思い出深いけど、何か違う気がする。うーん、どうしよっかな……。俺が頭を抱えていると、江野本ぎずもがこんな質問をしてきた。

 「時間もそんなに取れないので、新規にキャラを作ってクックやレウスを討伐する……というのは現実的ではありません。もっと序盤で、思い出深いことはないんですか?」

 イャンクック討伐以前でもっとも印象に残っていることといったら……。俺は青ざめた表情で応えた。

 「クック以前ってなったらアナタ……。サシミウオを釣りに行ったときに森丘のエリア11に現れたブルファンゴしかいないでしょ……。ヤツは本当に恐ろしかった……!!」

 これを聞いて、江野本は目を輝かせる。

 「それですよソレソレ! 初期装備のまま森丘のエリア11に行って、ブルファンゴと再会しましょうよお!! きっと感動的な再会シーンになると思うなぁ♪ もう、想像しただけで泣けてくるっす」

 というわけで、森丘のエリア11に棲まう悪名高きガーディアン、ブルファンゴに会いに行くことになってしまいました(苦笑)。
 
 よーし。数年ぶりに初代『モンハン』に火を入れるか……。プレイステーション2に電源を入れること自体、めっちゃ久しぶりだぜ……。えーっと、まずはROMを捜すところから始めないとナ。どこだどこだ……ってあった!! 会社の机にうず高く積まれたゲームの山の中腹に初代『モンハン』のパッケージがあったぞ!! 山を崩さないように、慎重にこれを抜き出して……っと、取れた! さあさあ、ROMを取り出しますヨー。……パカ。パッケージが開いた。なんだか数年ぶりに、昔好きだった女の子に会うときのような心境だな……。って俺、こんな例えばっか使うけど、イタい過去でもあんのかな? って自分で言うなって感じですね。そうですね。ってことで、パッケージを開けたら……。

5th2.jpg
ずーん

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ずずーん!!

 ……って、『みんGOLオンライン』入ってるし!! や、やべえ……。これ、”ROM迷走の無限連鎖”に陥ってる証拠じゃねえか……。ゲームを遊んだあとにそのソフトのパッケージが行方不明になり、「しかたねえなあ」ってんで別のゲームのパッケージにROMを入れてしまうことから始まる迷走の無限連鎖。翌日、別のゲームを遊んだあと、前日に行方不明になったと思っていたゲームのパッケージが出てきて、でも入れ替えるのが面倒なものだから「とりあえずコレに入れておこう」ということになって、ROMとパッケージの齟齬が生まれる。こうなると迷走は止まらなくなり、気がつくと家にあるゲームはすべて、中のROMとパッケージが食い違っているという恐るべき状態になってしまうのであった。

 ……と、やたらと関係ないことを書いてしまったが、俺の初代『モンハン』はまさに、この”ROM迷走の無限連鎖”にハマってしまったようだ。しかたない。ファミ通のROM管理部門でソフトを借りてこよう。まったく、俺が『モンハン』のROMを失くすなんて恥さらしもいいところ……って、こういうこと書かなきゃいいんだけど、つい書いちゃうんだよナ。……ハイ、アリガトウゴザイマス。ROM、確かにお借りしました。

 というわけでようやく、初代『モンハン』をプレイできるところまでこぎつけました。せっかくなので、プレイステーション2用のメモリーカードをテキトーにブッ挿してゲームを起動してみたところ……なんと懐かしきファーストキャラ、MIDO君のデータが残っていたではないか!! せっかくなので、プレイデータを見てみよーっと。どれどれ、ファーストキャラのプレイ時間はどのくらいになっているんだ? ……ほうほう、448時間か……って少なっ!! その後、『モンハンG』を1500時間、『2nd G』を1000時間遊ぶ男の原点のプレイ時間とは思えねえな! それでも当時は、相当やり込んでいたほうなんだよな。一応、すべてのモンスターとの顔合わせを済ませて、「もうやり残したことはない!」と確信してから身を引いたんだもの。そう考えると、このあとに続くシリーズ作品が右肩上がりで規模が大きくなっていったのがよくわかるよねえ。

 おっと。いつまでも昔のキャラを見て感傷に浸ってるヒマはないんだ。新規にキャラを作って、森丘のエリア11に棲まう悪魔に会いにいかねばならないのだよ。えーっと、新キャラの名前は”KADOMAN”にしよう。顔や髪はテキトーに。……せっかくなので、髪は多めに。よし、できた!! 村に行こう!!

 そして始まりました4年ぶりくらいになる初代『モンハン』での新たな生活。自室のベッドで目覚めて、スクっと立ち上がる我が分身。ここで『2nd』や『2nd G』なんかだと、当面何をしたらいいのかがわかるようにNPCによる導きがあるんだよナ。サテ、初代『モンハン』はどうだったっけな。なにかしらの道しるべってあったっけな。よし、しばらく部屋で待っていてみよう。NPCが部屋に入ってきて、「とりあえずしばらくは、こういうことをやって過ごしなさい」とか言ってくれるかもしれんし。そうしようそうしよう。

 待つこと5分。

 シーン

 そ、そういえばそうだった。初代『モンハン』や『モンハンG』は、村に放り出されたのちは「もう、好き勝手に生きていってね^^」とハンターをやさしく突き放す作品だったんだーーー!! いま思い出したわ!! 初代『モンハン』には、鬼教官もオトモアイルーもいない。村に降り立った瞬間から、オノレの力のみで生きていかなければいけないんだった。そうだそうだ。そういうゲームだったよな。コツコツとクエストをこなしながら自分なりの生きかたを見つけて、知識を蓄え、武具を鍛えて、本当に世界観の一部となって前に進まなきゃいけないんだ……。

 そう思った瞬間、猛烈な懐かしさがこみ上げてきた。5年まえの今日、俺は村のただ中で何をしていいかわからずに途方に暮れ、けっきょくネットワークに繋いで友だちと合流し、彼らの後ろをくっついて回ったんだよな。でもそのうちにこの世界の約束事を覚えてゆき、あっと言う間に恋に落ちて、いまだ覚めぬ夢の世界の住人になっちゃったんだよなぁ……。

 よーし。5年まえを思い出しながら、しばらくひとりで生きていこう。キャラがすっかり育ってしまった『2nd G』ではめっきりやらなくなってしまった釣りや採集を楽しみながら、ラスボス(?)のブルファンゴに会いに行くんだ。

 俺の初代『モンハン』におけるセカンドライフが始まった。

 以下次回!

投稿者 大塚角満 : 14:53

【MH5周年記念企画】第1回 『モンハン』5周年に想う……&お知らせ目白押し!

 5年まえの3月11日、その後”社会現象”と呼ばれるまでに成長する、あるゲームソフトが発売された。

 そのソフトの名は、『モンスターハンター』。アクションゲームの雄、カプコンが放った、ネットワーク対応のプレイステーション2用タイトルだ。

 いまでは多くの家庭にブロードバンドネットワークが敷かれ、現行据え置きゲーム機もデフォルトでネットワークに対応している。通信ケーブルをブチュっと挿したり、無線LANの設定をちょこっと行うだけでインターネットに繋がって、ネットワーク対応ゲームも気軽に遊ぶことができるようになった。しかし2004年当時は家庭用ゲーム機におけるネットワーク対応ゲームの黎明期で、”ポンと繋げりゃすぐに遊べる”という現在の状況とは程遠かった。どんなにおもしろそうなソフトでも”ネット対応”ってだけで、「うーん、ネット環境がなきゃダメなのか……」と尻込みする人が多かったのである。

 そんな、ネットインフラが十分に整っているとは言えない状況の中で、『モンスターハンター』は堂々と”ネット対応”を謳い文句にして登場する。多人数でワイワイと騒ぎながら遊ぶMO(マルチプレイヤーオンライン)ならではの楽しさを日本のゲームファンに伝えたいと願う開発者たちの想いを乗せて、5年まえの3月11日に『モンスターハンター』は発売されたのだ。

 あれから5年。発売初週の販売本数が約12万本だった『モンスターハンター』は、いまや300万本出荷を数える国民的ゲームソフトとなった(とは言っても、オリジナルタイトルがなかなかヒットしづらいご時勢であり、なおかつ敷居の高いネットワーク対応ゲームということを鑑みると、初代『モンハン』の初週12万本は異例のヒットなのだが)。

 さて、そんな『モンスターハンター』シリーズの発売5周年を記念して、しばらくのあいだここで”5周年記念エッセイ”をアップしていきたい。初代『モンハン』の時代からシリーズを遊びまくり、当時から『モンスターハンター』プレイ日記を書いていた大塚角満だからこそできるものを、皆さんにお見せしちゃおう。

 では、具体的にどんな記事を書こうとしているのか? せっかくの5周年だし、初代の時代から『モンハン』がらみのエッセイを書きまくってた俺だからできることとなると……。何を書こうか悩んでいると、『逆鱗日和』シリーズ並びに『角満式モンハン学』のプロデューサー&ディレクター、江野本ぎずもがおもしろいことを言った。

 「改めて初代『モンハン』、『G』、『ポータブル』、『2(ドス)』、『2nd』、『2nd G』をプレイしてみて、いまの大塚さんだから書けるプレイ日記を書いてみましょうよ! 昔の視点といまの視点を比較できておもしろいし!」

 なるほどぉ……。そうきたか!! 江野本はときに、ほかの人間では絶対に思いつかないような突拍子もないことを言って俺を驚かせることがある。口のまわりでモヤモヤと漂っているだけで考えがまとまっていないアイデアをいきなりぶっ放し、俺に「できるわけねえだろ!(苦笑)」と突っ込まれることも多々あるが、江野本のジャストアイデアから生まれ、その後大きな反響を呼んだ企画は思いのほか多いのである。

 というわけで、『モンスターハンター』の過去作品を振り返りつつ、いまのプレイヤースキルで再挑戦することを試みたこの企画。どういうことになるやら……。

 さてさて今回の振り返り企画だが、じつは4月1日に発売される新刊『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学〜モンスター編〜』に紐づいたものだったりする。というのもこの本の中の企画記事として、『モンスターハンター』シリーズの歴史を紐解き、各作品の特徴とそれぞれについての思い出話を綴った”『モンスターハンター』クロニクル”というコーナーが収録されているのだ。『モンスターハンター』は5周年の区切りだし、4月23日にはWiiで『モンスターハンターG』が復刻という形で発売されることから、過去の作品を振り返るには絶好の機会だろうと判断してこの企画が生まれたのです。『角満式モンハン学』に収録されるクロニクルと、明日から本格スタートするここでの”過去作プレイ日記”を合わせて読めば、『モンハン』シリーズをさらに好きになっちゃうこと請け合い。乞うご期待!!

★★★『角満式モンハン学』最新情報★★★

 いよいよ発売が迫ってきた拙著『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学〜モンスター編〜』ですが、本日は『モンハン』発売5周年というめでたい日なので、同書に盛り込んだいろんな企画と、それに関連する”ある情報”を発表しちゃおうじゃないですか!!

●『モンハン』の歴史を振り返る”『モンスターハンター』クロニクル”収録

 本文中でも触れていますが、『モンハン』シリーズの歴史を紐解く年代記が本書には収録されています。各作品の特徴を解説するページと、それぞれの作品の思い出を大塚角満が語る書き下ろしのエッセイで構成しました。

●『モンスターハンター ハンティングカード』体験記

『モンハン』をトレーディングカードゲームに落とし込んだ”アナログの『モンハン』”こと『ハンティング』カードを大塚角満と江野本ぎずもが体験! 『ハンティングカード』の解説と体験記が本書の巻末を彩っています。

●数量限定特典! ぽん吉デザインの『ハンティングカード』プロモーションカードが付録

 上記の『ハンティングカード』で実際に使える、『逆鱗日和』オリジナルのプロモーションカードが『角満式モンハン学』に付属となっているのです! カードデザインはもちろん、ぽん吉さん! もうすでにカードも出来上がっておりますが、これがじつに『逆鱗日和』っぽくてかわいい! ハンターカード(もちろん、武器はアレです)として実際に使えるので、『ハンティングカード』ユーザーは必見! 数量限定添付(まあ、そう簡単にはなくならない……と思う!)なので、『逆鱗日和』ファンはもっと必見!! 本書以外では手に入らないカードなので、レアなのは間違いないですよ!

●『角満式モンハン学』発売記念イベントも開催決定!!!

 『逆鱗日和』シリーズの新刊発売時にはすっかりおなじみとなりましたが、今回もファン感謝イベントを開催しちゃいます! 開催日は4月19日で、会場はエンターブレイン本社のイベントスペース”WinPa”。具体的なイベント内容は現在詰めている真っ最中ですが、『逆鱗日和』シリーズのイベントではおなじみの”タイムアタック”を行うことだけは決定済みであります! 2009年夏に『モンハン3(トライ)』が発売されるまえにもう一度、『2nd G』の最速ハンターを決めたいなぁ……と思って立てた企画です。モンハンフェスタのようなオフィシャルなタイムアタック大会ではないのですが、ぜひぜひこの時期に開催したかったんだよねぇ。でだ! 「この男たちこそ最速にもっとも近いだろう!」と大塚角満が独断で選んだ4チームが”シード”として参加することが決まっています。その4チームとは……!

もうゲネポ(モンハンフェスタ`08優勝チーム)
Effort Cristal(モンハンフェスタ`08準優勝チーム)
Jast25`s(モンハンフェスタ`07優勝チーム)
狩魂T(モンハンフェスタ`08名古屋地区代表チーム)

 どうです? 超豪華でしょ! 今回、ダークホースとしてエントリーさせてもらった狩魂Tは、他のチームの面々が口を揃えて「彼こそ実力ナンバーワンだ」と賞賛する天才的なプレイヤーが率いていることを付け加えておきます。

 そしてここからが注目です。今回のタイムアタック大会は上記の4チームだけで競うものではありません。イベント当日に”一般予選”を行い、タイムが速かった2チームに本戦に進出してもらいたいのです! つまり本戦は、シードの4チームと当日枠の2チームを加えた6チームで競ってもらうってこと。あ、べつに書かなくてもいいんですけど、僕と江野本ぎずものチームも当日予選に参加させてもらいますのでよろしくネ……(消え入るような声で)。イベントの詳しい内容は後日、このブログや週刊ファミ通の”モンハン研究所”で告知していこうと思っておりますので、「我こそ最速!」と思っているプレイヤーは発表をお楽しみにー!

投稿者 大塚角満 : 00:00

『角満式モンハン学』のカバーをドドンと公開!

 先日告知させてもらいましたが、4月1日に新しい単行本が出ます。その名は、

 『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学〜モンスター編〜』

 95.7パーセント(つまりほぼ全部)書き下ろしで、今回はオールカラー! 1260円[税込]での発売となります!

 さて、すでにネットショッピングサイト(→こちらで予約受付中!)などでも見ることができますが、遅ればせながらここでも本書のカバーをドドンと公開してしまいましょう。これです!!

monhangakucovercom.jpg

 見ておわかりのとおり、今回は『逆鱗日和』シリーズのぽん吉さんのイラストではなく、立体造形でカバーを作りました!! どうです? すごくいい出来だと思いませんか?

 イラストではなく、立体造形でカバーを作ろうと思った最大の理由は、これまでの『逆鱗日和』シリーズと差別化したかったから。”別冊『逆鱗日和』”と言いながらも、「『逆鱗日和』とは違うものを作ろう」を合言葉に制作を進めていたので、読者の皆さんが本を手に取ったときに「あ、いままでの『逆鱗日和』と違うぞ」というのを、カバーを見た瞬間に感じてほしかったんですよねえ。じゃあどんなカバーにすれば本を手にした人が「あれ?」と思ってくれるのか? これについて、俺と江野本ぎずも(本書、ならびに『逆鱗日和』シリーズのプロデューサー&ディレクター)はまったく同じことを考えていて、カバーのネタ出し会議を始めた瞬間にふたり同時に「フィギュアでいかない?」と言ったのです。

 ま、俺と江野本の考えがシンクロしたのには理由があるんだけどね。

 俺たちの共通の友人に『モンハン』のマスコットキャラであるプーギーをモチーフにした”プーギーコレクション”というフィギュアを制作したモリゾーさんという立体造形師がいて、「いつか機会があったらいっしょに仕事しましょうね!」というような話をしていたのだ。で、『逆鱗日和』とは違う単行本を作って、カバーにイラストじゃない何かを使いたい、と思ったときに、俺と江野本は真っ先にモリゾーさんの顔を思い浮かべ、「フィギュアがいいな」と思ったわけだ。

 こうなってくると話は早い。すぐにテキパキ娘の江野本がモリゾーさんと会う約束を取りつけ、「さあこうしちゃいられない!」ってんで、数日後にモリゾーさんの事務所を訪問。フィギュアのことなど何も知らないのをいいことに、「あんなの作ってほしい」、「こんなのはどうでしょ?」と思いつく限りの素人考えをモリゾーさんにぶつけまくった。モリゾーさんは、興奮してまくし立てる俺や江野本の意見をニコニコしながら聞きながら、プロの視点で素人アイデアをブラッシュアップ。制作に使える時間が恐ろしいくらい少ない(ここに書けないくらい少なかったです……)ことも考慮したうえで、

・ぽん吉さんが描いてくれる大塚角満のイラストをフィギュア化する
・森丘をイメージしたジオラマを作る
・モンスターをイチから作る時間がないので、エンターブレイン刊『モンスター生態全書』についてきたフィギュアを利用する

 という3つのアイデアが抽出され、実際に制作に着手してもらったというわけだ。

 この間、モリゾーさんの作業が進捗するたびに送られてくるフィギュアやジオラマの写真を見ることが楽しくてしかたがなかった。書き下ろしの作業でヘロヘロになっても、完成しつつあるフィギュアやジオラマの写真を見るたびに「俺もがんばるぞ!」と思えたのである。

 そうして完成した今回のカバー。限られた時間の中でこんなにすばらしい作品を作ってくれたモリゾーさんには、俺も江野本も足を向けて寝られません……。我々のこだわりをそのまま封じ込めたようなこのカバーを、早く本の形にして皆様にお届けしたいなあ。

投稿者 大塚角満 : 22:08

【Demon`s Souls】第5回 いっそ逝かせて

 飽きもせずに死んでおります。

 総プレイ時間は40時間を超え、穴だらけということを自覚しながらもボーレタリア王城、ストーンファング坑道、腐れ谷、嵐の祭祀場はほぼクリアーできたんじゃないかなぁ……と思っている。現在進行形で攻略しているのは”塔のラトリア”というステージ。最初のボスである”愚か者の偶像”を突破し、その先に足を踏み入れたところだ。なんだか、すごく順調そうに見えるでしょう。

 でもね、死ぬんですよそれでも

 すっかり操作に慣れて、武器もかなりステキなものを装備していると思う。それでもいとも簡単に命を落とすのがこのゲームなんですねぇ。足場の悪いところで敵と戦っていて、「あ!!」と思った瞬間に足を踏み外して転落死したり、もうすっかり余裕で倒せるはずの青目の騎士に油断満載で接近して「あ!!」と思った瞬間に刺殺されたり……。なんだかブログの1回目からまったく進歩していないことを書いている気がするが、これが気の緩みをまったく許さない『Demon`s Souls(デモンズソウル)』というゲームなのですよ……。

 それでもやっぱり、不慮の死を遂げるのは悲しいし辛いし頭にくるので、可能な限り昇天回数を少なくするように努力はしている。現在メインで装備している武器にもその思いが色濃く表れていて、オノレのあまりの健気さに涙を流しそうになる。

 俺がいまメインで使っている武器は、欠月のファルシオン+4と祝福されたメイス+3。魔力と信仰の高さによって魔法攻撃力がプラスされるので、相当な攻撃力を誇っている。でも、俺がこの武器を使い続けているのは攻撃力が高いからではない。理由はほかにあるのだ。武器につけられている”欠月の”とか”祝福された”という冠にはキチンと意味があって、”欠月の”はMP自動回復、”祝福された”にはHP自動回復の付加効果があるのである。自動回復の速度なんて遅々としたものだが、俺は”再生者の指輪”をつねに装備してHP自動回復の効果を重ねがけしている。これにより我が分身のHPは、まさに”祝福された”かのような状態になってみるみると回復。回復系アイテムをかなーり節約することに成功しているのだ。ちなみにMPは、欠月のファルシオンを装備したり、外したりをくり返して回復速度のアップを図っている。というのも、特殊効果がついた武器は装備した瞬間に効果が発揮される、という特性を持っているので、装備→外す→装備→外すをくり返すと、武器が持つ本来の回復速度よりも早く、その効果を発揮させることができるんですねぇ。ちなみにこれは俺が発見したのではなく、我が身内の大学生・S君に教えてもらった。彼がやたらと武器をチャッチャチャッチャと出したり引っ込めたりしているのを見て「なにしてんの?」と聞くと、「どうやら武器を装備した瞬間に回復効果が発動するらしいので、こうしてるんだよねー」と言うので、実際に俺も試してみたのだ。するとどうだ。目に見えてMPの回復速度が上がっているではないか。『Demon`s Souls』を遊んでいて、HPやMPの回復に苦労されている皆さん、一度試してみることをオススメしますよ(ニヤリ)。

 さて、そんなふうに「なるべく死にたくない!」と強く思っている自分がいるのも確かなのだが、同時に、というかその裏で「もう、とっとと死んでしまいたい……」と思っている自分がいることも否定できない。完全に矛盾しているってことを承知で書いているのだが、この気持ち、『Demon`s Souls』を遊んでいる人だったら「わかる!!!!」と強く膝を叩いてくれるだろうなあ。

 『Demon`s Souls』では、そのステージにいるデーモン(ボスですな)を倒したり、他のプレイヤーの世界に侵入してホストを倒したりすると生身に戻ることができる(以前書いたが、『Demon`s Souls』では死ぬと”ソウル体”という幽霊のような存在に堕ちる。体力が生身の半分に)。体力が満タンってだけでそれまで強くて敵わなかった敵にも自信を持って挑むことができるようになるので、「生きてるっていいなあ!!」と心から実感できたりもする。しかし、「いつまでも生身の自分でいたい!」と強く思えば思うほど危険なものに近寄りたくなくなるのが人間の心理というもの。となると自然に、足場の悪そうな高台の上にアイテムが落ちているのを見つけても、

 「高台にアイテムがあるのはわかったが足を踏み外して墜落死するかもしれないので、死んでからこよう

 とか、その敵を倒せば大量のソウルとアイテムが手に入るのがわかっているのに死にたくないもんだから、

 「ヤツからソウルとアイテムを奪うのは、死んでからにしよう

 なんていう、ぼんくらとしか思えない情けない心理状態に陥ってしまうのだ。しかしこうなるとゲームの進行に著しい停滞が訪れるのは当然で、ぼんくら男は体力満タンの健康優良児のような自分の分身を眺めながら、「早く昇天しちまいたい……」と切に願うのであった。

投稿者 大塚角満 : 14:39

【MHP 2nd G】第166回 久々のプレイ日記! ”冬はカニに限る”

 先日告知した4月1日発売予定の新刊『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学〜モンスター編〜』の作業にかかりっきりになっていたため、まったく『2nd G』プレイ日記を書けずにいた。『角満式モンハン学』はほぼ全編書き下ろしのため何かに追われるように『モンハン』がらみのエッセイは書きまくっていたのだが、それと並行してプレイ日記まで書くことはできず、すっかり更新が滞ってしまったのです。

 今日アップする『2nd G』プレイ日記は、『角満式モンハン学』の作業が始まる直前、1月半ばくらいに途中まで書いておきながら、その後怒涛のように単行本の作業が押し寄せてきてしまったためパソコンの片隅にひっそりとペンディングされていたものだ。なので俺的にはちょっと鮮度が落ちてしまっているエッセイなのですが、久しぶりにプレイ日記をアップしたくなったので読んでやってくださいな。

◆◆◆

 ガンランス縛りから卒業し、節操なくいろいろな武器に手を出し始めたことは何度か書いてきた。もっともハマっているのはハンマーで、武器使用回数のグラフはすでに100回を大きく超えております。もちろん使っているのはハンマーだけではなくて、ほかの武器カテゴリーにも、気になる女の子のわき腹を突っつくように「うりうり♪」とちょっかいを出しながら、いろんなカテゴリーの武器をコツコツと買い集めていたりする。ちょっとまえにここで書いたが、”蒼火竜の尻尾”を「調子に乗るのもたいがいにせいよ」と言いたくなるくらい要求するブループロミネンス、プロミネンスソウルなんてのがその代表例で、本当に何かに憑かれたように武器屋に突入しては、「ソレとアレと、ついでにコレも作ってくれ!! いますぐいますぐ!!」ってな感じで武器を作りまくっている。

 そんな俺が最近手を出してしまったのが、”バーミリオンリム”から始まる”封龍槍”シリーズ。見た目のゴツさで言ったら『2nd G』に出てくる武器の中で間違いなく5本の指に入ると思われる巨大な巨大なランスである。俺は基本的に、『ストII』だったらザンギエフ、『北斗の拳』だったらラオウ、『魁!男塾』だったら大豪院邪鬼、プロレスラーだったらアンドレ・ザ・ジャイアント、バイクだったらV-MAXにボスホスと、「デカいことはいいことだ!」的な思考に囚われている男だ(意味がわからない固有名詞は調べてね)。なので当然、封龍槍が放つ異様なまでの”巨大オーラ”には、このシリーズが初めて登場した『モンスターハンター2(ドス)』のころからメロメロになっているのである。この武器もブループロミネンスと同じく、『2nd G』を遊び始めた当初から作りたくて作りたくてしかたがなかった。しかし作ってしまうと絶対に使いたくなるので、ガンランス縛りを卒業した最近まで作ることを封印していたのだ。でも、長き封印は解けた。ブループロミネンスに続いて、封龍槍シリーズも作ってしまおうではないか! 俺はさっそく、フンフンと鼻から息を放出しながら武器屋のオヤジににじり寄り、「バババ、バーミリオンリムを作ってくれ!! 早くはやく!!」とわめいた。

 ところが、武器リストのランスの欄を見ると、件のバーミリオンリムは売り物として表示されていながらも文字が暗転したままで買うことができない。お金は十分に足りていたので、原因は”素材が足らない”ことしかない。い、いきなり素材不足かよ……。いったい何が足らないんだ……? ドキドキしながら必要素材の欄を覗くと、”砦蟹の甲殻”が5個ほど足りていないことが判明した。と、砦蟹……。シェンガオレンか……。甲殻ってことは下位の素材だよな。たくさん持っていそうなものなのに、何で持っていない……ってそうだ!! 最近お金に困って「どうせシェンガオレンの素材なんて使わねダロ^^」と謎の判断を下して、こやつの素材を売りまくったんだった!! どうやらそのとき、必要以上に大量のシェンガオレンの素材を市場に流してしまったらしい。嗚呼……。こんなにすぐに必要になるなら売るんじゃなかった……(涙)。まあでも、いつまで泣いていても仕方がない。俺は火属性のハンマー”近衛隊機械槌【撃鉄】”を背中に背負って、村下位のクエスト”緊急事態発生!”を受注した。まったく、本当に緊急事態だわい。

 シェンガオレンのクエストは、慣れてしまえばそれほど危険なものではない。とくに、屈強なG級装備に身を包んで村下位のそれに挑むことの容易さと言ったら、冬のさなかに暖房の効いた温かい部屋で日本酒片手にカニ鍋を突付くようなものだ(意味不明)。なのでこのときも、わずか15分針でクエスト終了。俺はむさぼり食っていたカニの足を下品に口から飛ばしまくりながら「うけけけけ! これでバーミリオンリムを作れるぞ」と高笑いした。

 ところが、俺がシェンガオレンの亡骸に取り付いて剥ぎ取りに精を出していると、隣の席に座っている若手記者・キモ次郎が暗い声で「校正よろしくお願いします」と言いながら、週刊ファミ通1月30日号巻頭ページの初校を俺に差し出してきた。せっかくカニの身をほじくっていたのに……。でも、仕事はナニモノにも優先される最重要事項である。俺は「うむ!」と頷いてキモ次郎から初校をふんだくり、赤ペンを握って校正を始めた。校正を見始めると、瞬時にまわりの雑音は聞こえなくなる。俺は3ページ分のニュース記事にギロギロとチェック光線を照射しながら、ズバズバとアカ(修正のこと)を入れていった。我ながら、すばらしい集中力であった。

 10分後、無事に校正を見終わった。さあこれで『2nd G』で遊べるぞ。えーっと、何をやっていたんだっけな俺。……そうそう、シェンガオレン討伐をしていたんだった。確か剥ぎ取りをしていて……ってしまった!!! 剥ぎ取りの最中に校正がまわってきて、瞬時に我が分身の存在を忘れてシェンガオレンの亡骸の真っ只中にほったらかしにしてきちゃった!! 恐る恐る画面を見ると、「セーブしますか?」という無機質で冷酷なメッセージが表示されているではないか。このクエストをクリアーして得たものは、幾ばくかの報奨金とギルドポイント、拾った回復薬グレートのみ。当然ながらターゲットの砦蟹の甲殻なんてひとつもない。俺は泣きながらポッケ村に帰郷し、再び同じクエストを受注。イライラしながらハンマーを振り回した結果、15分針でシェンガオレンを撃破。無事に必要数の砦蟹の甲殻を手に入れて、勇躍ポッケ村に帰ってきた。そしてすぐに武器屋に飛び込み、脇目も振らずにバーミリオンリムを選んで決定ボタンを押し、封龍槍への最初の1歩を踏み出した。

 こうやって、武器製作の序盤で苦労をすると、その後の強化がトントン拍子で進むってこと、よくありませんか? 俺は比較的そうなることが多いので今回も期待していた。バーミリオンリムを最終強化版にするには4段階も成長させる必要があるのだが、最初の1歩目で躓いたので、「その後の強化素材は潤沢にあるに違いない」と確信していたのである。

 ところが。

 バーミリオンリムをドラゴニックリムに強化しようと思って武器屋のオヤジに話しかけたのだが、どうもオヤジの態度がつれない。そしてあろうことか「あんたの持ってる素材じゃ強化できんね」と冷たく言われてしまったではないか。そ、そんなバカな。何が足らないっちゅーんだ! 金ならある!! 金に糸目はつけないから、ドラゴニックリムにしてくれよ!! 俺は醜い成金オヤジに成り果てて、「強化してくれ強化してくれ!」と武器屋の店先でダダをこねた。しかしいくら騒いだところで、砦蟹の背甲がアイテムボックスの中に涌いて出現するなんてことがあるわけもなく、俺はまたまたシェンガオレン討伐クエストに出かけるハメになったのでした。

 それでもなんとか、1回のクエストで必要数の砦蟹の背甲を手に入れることができた。これでドラゴニックリムは完成だ。つぎはいよいよ俺の大好きなランス、” 封龍槍【刹那】 ”である。バーミリオンリム、ドラゴニックリムともに素材で苦労させられたが、さすがにぼちぼち、改めて素材集めに行かなくとも強化することができるに違いない。俺は少々ドキドキしながら武器屋のオヤジに話しかけた。ところが……。

 砦蟹の尖爪がぜんぜん足らねえ……。

 またシェンガオレンかよっ!! あーーーもう、シェンガオレンの相手すんのやだよー! いったいどんだけ、俺はコヤツの素材を市場に流しちまったんだ……。まだこのランス、3段階も強くなるっつーのに、いまからこれじゃあ先が思いやられるわ……。

 それでも俺はけなげに、たったひとりで上位シェンガオレンを狩り続けて砦蟹の尖爪を集めた。出が悪くて、確か3回ほど連続でシェンガオレン討伐に出撃したと思う。さすがにこれだけ続けてカニ退治にくり出すと疲労困憊となる。俺は「続きは明日ね……」と誰にともなくつぶやいて、そっとPSPの電源を落とした。

 翌日。一晩眠ったおかげでカニ攻めの疲れも回復して、俺は元気にPSPの電源を入れた。さあ、昨日の続きだ。今日こそは封龍槍シリーズを最終形態まで育ててしまうぞー!  確か、封龍槍【刹那】までは作ったんだよな。こっからいよいよ、G級武器だ。さあさあ、どんな素材を要求してくるんだ……? ここまで苦労した分、このへんから手持ちの素材だけで作らせてくれるといいんだけどナ……。しかし、武器屋のオヤジは今日もつれなかった。

 「にいちゃん、 封龍槍【六徳】を作るにゃあ、砦蟹の堅甲が3つ足らねえな!」

 そうオヤジに言われて、驚きと疲労感で絶句する俺。ま、またシェンガオレンを狩らなきゃいけねえのか……。そ、それもG級の……。俺は回復したはずの疲れを瞬時にぶり返らせ、しかしやらないことには封龍槍を最終形態にするという目的を達することはできないので、朝っぱらから泣きながらシェンガオレン討伐のクエストを受注。さすがにG級ともなると苦戦させられ、しかも1回で砦蟹の堅甲を集めることが叶わず、2回続けてG級シェンガオレン相手に立ち回るハメになった。俺は昨日からどんだけ連続してシェンガオレンの相手をしているのだろうか……。こんなに何度も連続して会ってると……好きになっちゃうゾ!! って、俺は何を言っているのでしょうか。

 でもまあ、これでようやく、未体験ゾーンである”G級の封龍槍”を手に入れることができたぞ! ……おお!! これまで赤かった封龍槍が真っ青になってる!! かかか、かっちょいい!! よーし、俄然元気が出てきた。この勢いでいよいよ最終形態である”封龍槍【虚空】”にしてくりょう!! さあ武器屋のオヤジよ、封龍槍【虚空】を作っておくれ!! 夢にまで見た強大なランスを、我が元にもたらしておくれ!!

 しかし……。

 「封龍槍【虚空】を作るにゃ、老山龍の天鱗と砦蟹の剛爪が3つ足らないね(笑)。ぷぷぷ!」(武器屋のオヤジ・談)

 ハイ、死んだー!! ……って、ゲームが違いますね。

投稿者 大塚角満 : 16:21

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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