大塚角満の ゲームを“読む!”

« 『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』読書感想文コンクール 入賞者発表! | 大塚角満の ゲームを“読む!”のホーム | 【Demon`s Souls】第2回 ボーレタリアのパリィ王 »

【Demon`s Souls】第1回 ハイ死んだー

 「ハイ死んだー」

 「ハイ死んだー」

 「ハイ死んだー……」

 って、どんだけ死ぬんじゃああああ!!!

 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンのプレイステーション3用ソフト『Demon`s Souls(デモンズソウル)』をプレイしたとき、俺が頻繁に発する言葉が冒頭の4行です。いやはや、まさかこのようなゲームが、プラットフォームホルダーのSCEJのブランドから発売されるとは……。

 もう昨年の秋ごろの話になってしまうが、SCEJとフロム・ソフトウェアの開発チームの方がファミ通編集部にやってきて、「ちょっとヤバいゲームを作っているんです……」と少々ダークな表情をしながら、開発中のプレイステーション3用ソフトのデモンストレーションをしてくれたことがあった。渡された資料とデモ映像を見ると設定は完全なダークファンタジーで、「いかにもフロム!!」な香りが漂っている。フロム・ソフトウェアの出世作『キングスフィールド』を髣髴とさせる3DのアクションRPGらしく、世界観を覆うおどろおどろしい雰囲気はこちらの期待感を煽って止まない。そう。俺はこういった絶望感漂う世界設定が大好物なのだ。

 デモンストレーションを見終わった俺は、恥ずかしながら少々取り乱していた。「武器や防具はたくさん出てくるんですか!?」、「強化とかできちゃいます!?」、「キャラクターの成長は自由にできます!?」、「『ディアブロ』みたいなゲームっすか!!?」とうとう、開発チームの方々にいろいろと質問してしまったことを覚えている。見せてもらったものは開発途中のバージョンだったので今後どう転ぶかわからなかったが、このポリシーを貫き通して完成まで漕ぎ付けられたなら、きっと凄まじいゲームになるに違いない。俺は興奮の極みに達して、「は、早く完成させてくださいね!!」とムチャな要望を突きつけた。

 そしてつい先日、編集部に完成した『Demon`s Souls』のサンプルROMが届いた。すぐさま「触るな触るな!! 俺がやる俺がやる!!!」と強権を発動してROMを1枚強奪。最近、ある事情でとてつもなく仕事が忙しく、『モンハン』すら遊ぶ時間を捻出できずにいるのだが、どうしてもこのゲームだけは触ってみたかった。俺は山のように抱えた仕事に思いを馳せながらも「今日だけ忘れさせて!」と誰にともなく言い、『Demon`s Souls』のサンプルROMを抱えて深夜に帰宅。眠い目をこすりながらもプレイステーション3を起動し、数ヵ月来の夢、『Demon`s Souls』のタイトル画面にたどり着いた。

 『Demon`s Souls』は、言ってしまえば王道のアクションRPGだ。騎士、魔術師、貴族、狩人など、10種類の”生まれ”からキャラクターを選択し、ダークな世界観の中に広がる物語をなぞってゆく。ゲームは3Dの世界で展開し、プレイヤーキャラクターも敵も、かなーり研究されたリアルな挙動で動きまくる。ま、基本はこんなところか。

 さて、まずはキャラクターを作ろう。ふむふむ。いろいろな”生まれ”があるんだな。あ、狩人がある。これはやはり”かりゅうど”と読むのかな。もしかしたら”かりんちゅ”? だったら迷わず狩人を選ぶんだけど……。でも、魔力と信仰という数値が極端に低い。つまり魔法には向かない生まれってことか。パスパス。とりあえず最初のプレイなので、バランスがよさそうな生まれにしとこう。無難最高。ナニナニ? どうやら”貴族”は攻撃力もそこそこで、唯一最初から魔力が自然回復するアイテムを持っているらしいぞ。よくわからんが、バランスがよさそうだナ。よーし、そんじゃ……”盗賊”にしよっと。なんでも盗賊は”運”の数値が高く、敵からのアイテムドロップ率が上がるらしい。俺はなぜか昔から、倒した相手から剥ぎ取りすることが大好きなので、選ぶとしたらこの生まれしかないのだよ。よし、盗賊だ。俺は盗賊として生きていくぞ。

 ゲームが始まると、暗くておどろおどろしい建物の中に放り出された。通路のところどころに、赤い色で文字が書かれている。読むと”攻撃はRボタン”、”ガードはL1”、”L2でパリィ(敵の攻撃を弾くこと)”なんて書かれている。なるほど、これはチュートリアルなのか。こいつは斬新だ。あ、そんなことを言ってるうちに敵が出てきた。よーし、斬り刻んでやるぜ! 攻撃の基本は△ボタン!! ……って、それ『モンハンポータブル 2nd G』じゃねえか!! 違う違う。RボタンだよRボタン。

 ブンブンブン……。

 アレ? いちじるしく攻撃が当たらないよ? 敵は目の前にいるっつーのに、なんでこいつはわざわざ攻撃を外すんだ……? あ、逆に攻撃された。

 ザクザクザク……。

 瞬時に、我が分身のヒットポイントはゼロになってしまった。でもチュートリアルだからなのか、画面上の盗賊は死にもせず、元気に動き回っている。俺は安心して取扱説明書を取り出して該当ページを読み漁り、正確に攻撃するためにはR3(右スティック押し込み)で敵を”ロックオン”する必要があることを突き止めた。カチっと軽薄な音を立ててゾンビのような敵をロックオン。そしてRを押して剣を振る。

 グサッグサッグサッ!

 今度はおもしろいように攻撃が当たり、哀れな最初の敵は地面に倒れ伏した。さあ剥ぎ取り剥ぎ取り。お。三日月草が出た。このゲームの回復薬だ。やったやった!

 こんな感じで、特定のゲーム操作に慣れ親しみすぎている俺のような人間からみると、若干操作には慣れが必要。でも、はっきり言ってこれくらいだったら10分もあれば誰でもものにできるはず。俺ですら、最初こそぎこちなかったが瞬時に順応して、ほぼストレスなく操作できるようになったんだから。

 そんなこんなでチュートリアルは終了。我が分身は”楔の神殿”と呼ばれる街のような場所にやってきた。ここには鍛冶屋やアイテムを預かってくれる人など、敵ではないNPCがいてゲームの進行を手助けしてくれる。けっこう広い神殿で歩き甲斐がある場所だ。こういう場所をくまなく見て回ることはRPGの基本。長い螺旋階段が神殿の上まで続いているようなので、まずは上に行ってみよう。……って、いけね。足を踏み外して階段から落下しちまった。

 YOU DIED

 って街みたいなところで死ぬんか!!! しかも俺、ちょっと足を踏み外して階段から転げ落ちただけだぞ!!!

 で、でもまあ、確かにけっこう高い場所ではあったからな……。受身を取りそこなったのかもしれん……。これからは高台には十分注意しよう……。

 さあ仕切りなおしだ。楔の神殿から再スタートだ。とりあえずここには用はないので、さっそく冒険に出かけるぞ! 最初の目的地はボーレタリア王城ってところらしい。”要石”という、ワープポイントのようなものに触れるだけで、ボーレタリア王城に飛んでくることができた。見るとさっそく、ゾンビのような”奴隷兵士”が我が分身の前をユラユラと歩いている。まあこいつは、言ってみればザコ中のザコ。ランゴスタみたいなものだろう。Rボタン連打で勝てるはず……って、また攻撃が当たらない! しまった! ロックオン忘れてた! 慌てているうちに、奴隷兵士は無遠慮に我が分身を斬り刻んでくる。そして……。

 YOU DIED

 「ハイ死んだー」

 なんて簡単に死ぬんだこのゲームは……。でも、あれだけ斬られればふつう死ぬわな。しかたないしかたない……。仕切り直そう。

 今度はなんとか、複数の奴隷兵士の攻撃をかいくぐって先に進むことができた。見ると通路に、じつに蠱惑的な穴ポコが口を開けている。覗き込むと、青白い靄のような光が飛び交っているのが見えた。……これ、落ちたら死ぬのかな? それとも、隠し部屋か何かにいけるのかも? 俺は3秒ほど悩んだ末に、「近頃のゲームを考えれば、この程度の穴に落ちて死ぬわけがない。隠し部屋にいけるんだろう。そうだそうだ。そうに決まっている」と結論付けた。そして、穴に向かってダイブ!!

 YOU DIED

 「ハイ死んだー」

 ハイハイ。そりゃそうですよね。階段から足を踏み外して死ぬ時代ですからネ……。って、ホントによく死ぬゲームだなコレ……。

 それでも徐々に、操作にも世界観の約束事にも慣れてきて先に進めるようになってきた。ゲーム内で使う通貨的な存在である”ソウル”も、500ほど貯まっている。でもこのゲームではアイテムを買うのも武器を修理するのも、そしてキャラクターを成長させるにもまったく同じソウルを消費しなければならない。なのでソウルは、そうそう無駄遣いできない。しかしここまで書いてきたとおり、このゲームはザコキャラの攻撃をちょっと捌けなかっただけで簡単に死亡宣告をされてしまう。となると、回復系のアイテムを潤沢に持っていることが生き残るための絶対条件のようになってくるのだが、そうそう簡単に敵から剥げるものでもない。となると、街(神殿のことね)にいる鍛冶屋のおっさんから買い溜めをするしかない。俺は楔の神殿に戻り、回復アイテムである三日月草を大量に購入しようと思って鍛冶屋のおっさんに話しかけた。うん、やっぱり三日月草、売ってるぞ。えーっと、値段は……。

 三日月草=150ソウル

 「ハイ死んだー!!!!!」

 これだけ苦労してやっと500ソウル集めたのに、回復アイテムが1個150ソウルもするんか!! どんだけマゾなんだこのゲームは!!!!

 ここまで読むと、まるで『Demon`s Souls』がきびしくてマゾなだけでおもしろくもなんともないゲームのように見えるかもしれませんが、とんでもないことです。このゲーム……とてつもなくおもしろいかも!! 誤解を恐れずに言えば、10人遊んだら7人は途中で投げ出す可能性がある。でも残る3人にとっては間違いなく”神ゲー”となるだろう。もちろん、俺は”残る3人”のほうの人間だ。個性的な敵キャラ、美しいグラフィック、妥協を許さないリアルすぎる設定(高台から落ちたら死ぬとかね)、そして自由なキャラクターカスタマイズと、やり込めばやり込むほどじゅくじゅくと出てくる旨味に、いま俺は溺れそうになっているのである。

 そんな(俺にとっての)”神ゲー”、『Demon`s Souls』のプレイ日記をしばらくのあいだ書きたいと思います。……まあ冒頭に書いたとおり、いま尋常じゃないくらい忙しいのでどれくらい更新できるかわからないけどね……。
   

投稿者 大塚角満 : 18:26

大塚角満

プロフィール画像

週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


ファンタジーライフ公式サイト