大塚角満の ゲームを“読む!”

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【MHP 2nd G】第163回 仙台狩猟ツアー その1

 週刊ファミ通で連載している”大塚角満のモンハン研究所”というコラムでは詳細を報告したが、1月末に宮城県の仙台市に行ってきた。昨年の11月に刊行した拙著『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』の発売を記念して募集した読書感想文コンクールの最優秀賞受賞者のもとを訪れ、いっしょに遊んできたのである。なんたって最優秀賞の賞品は”大塚角満がアナタの地元を訪問していっしょに『2nd G』で狩りしちゃって、その模様を週刊ファミ通、ファミ通.comで記事にしちゃうよ”というものだからね。ふふふ……。

 決行当日、俺は『逆鱗日和』シリーズのプロデューサー&ディレクターの江野本ぎずもとJR大宮駅で合流し、エキナカ施設”ecute”で食い物と飲み物をたらふく買い込んで東北新幹線に乗り込んだ。天気は晴れ。空気が澄んでいる日だったのか、新幹線の車窓から富士山を始めとする美しい峰々がくっきりと見えた。しかしそこは食いしん坊で鳴らす角満&ぎずもコンビ。チラチラと風景を見ながら「おおー。富士山だー」、「山がきれいー」と言いつつも、心はecuteで買い込んできた大量の食糧に奪われている。結果、「コレもうまい!」、「アレもうまい!!」、「もう全部うまい!!!」と割り箸を振り回しまくっているうちにJR仙台駅に到着してしまった。こんなにバクバク飲み食いしてるから4キロも体重増えるんだよ俺(カミングアウト)。ていうか、大宮から仙台って近いんだねぇ。

 仙台駅に到着してすぐに、俺たちは今回のお目当ての人であるバベルさんと合流した。バベルさんは仙台生まれ仙台育ちの大学生で、ふだんはひとりで狩りにいそしんでいる孤高の一匹狼ハンターらしい。モンスターに例えると、イャンガルルガかモノブロスといったところだろうか。

 そんな(どんな?)バベルさんは、じつにしっかりした若者でありました。かなり緊張した面持ちながらも「お会いできて本当にうれしいです!! 遠いところわざわざありがとうございました!!」という挨拶のあと、「本日はこのようなプランのもとに行動することになっております!」と言って、逆鱗日和ファミリーの突発的仙台ツアーの概要を説明してくれた。江野本から最優秀賞受賞の連絡が届いてすぐに、「どうやって仙台を楽しんでもらおうか!?」ってことでいろいろとプランを練ってくれていたらしい。しかもキチンと、案内する場所の下見までして……。俺と江野本は感激どころかすっかり恐縮して、「今日はバッチリとお世話になります!」と言いながらバベルさんに向かって合掌した。

 バベルさんはまず、仙台駅構内にある小さなお店に俺たちを案内してくれた。見るとそこは仙台名物”ずんだ餅”専門の喫茶店ではないか!! ずんだ餅の存在はもちろん知っていたが、俺も江野本も食べるのはこれが初めてだ。カウンターで注文を済ませて席で待っていると、真っ白なお餅の上に蛍光グリーンに近い鮮やかな緑色の餡がかかった食べ物が運ばれてきた。ちなみに”ずんだ”とは枝豆をすり潰して作る餡のことで、この蛍光グリーンの部分がまさに”ずんだ”のようである。なるほどなるほど。枝豆が原料ってことは、きっとビールにピッタリのおつまみ的な味がするに違いない。どれどれ、さっそく食べてみることにしよう。餅にたっぷりと餡を絡めてモグモグモグ……ってア、アレ?? な、なんだこの味は……! 俺と江野本は同時に顔を上げ、お互いに目を限界まで見開きながらずんだ色の叫び声をあげた。

 「あ、甘いーーーーっ!!」

 ちょっと衝撃!! 原料は枝豆だし、お餅にかかってる餡なので、勝手に”からみ餅”(餅に大根おろしと醤油をかけて食す。俺も江野本も、これが大好物)の味を想像しておりました。ところが! 俺たちが食べたずんだ餅はからみ餅とは180度違うところにある”甘味”で、ビールよりもシブ〜いお茶がピッタリのお味をしていたではないか。しかもこれ、枝豆の風味がバッチリと甘味と融合していてうまいのなんの。あまり好んで甘いものを食べるほうではない江野本も珍しく、「うまいうまい!! なにこれー!」と言ってずんだ餅を頬張っている。新幹線の中で腹がパンクするほどアレコレと食べていた俺たちだったがそんなことはすっかり忘れて、あっと言う間にずんだ餅を平らげてしまった。

 すっかり憑き物が落ちたところで、俺たち3人は”るーぷる仙台”という仙台市内を巡回しているレトロなバスに乗り込んだ。目指すは、有名な伊達政宗の像がある仙台城跡。「そこでぜひ、おふたりとアウトドア狩猟をしたいんです!」と言ってバベルさんは目に力を込めた。いいだろう。望むところだ!!

 仙台城跡に向かう20分ほどの道中で、バベルさんが仙台市の歴史や文化のことをいろいろと語ってくれた。この場所にはかつて何があったのか、どういう意図でこの建物が作られたのか……ということを、豊富な知識と地元愛溢れる口調で説明してくれる。こういう旅日記では毎度毎度書くことだが、自分の生まれ育った土地の文化をリスペクトして、キチンと門外漢に説明できる人はじつにステキだ。俺も故郷の群馬や、いま住んでいる埼玉県の歴史をもう一度勉強しなおして、旅の人が我が元にフラリと現れたときにしっかりと観光案内できる人になろう、と思ったりした。

 そして着きました仙台城跡に!! ぴゅ〜〜〜……っと吹きつけてくる風が冷たい。かなり冷たい。……相当冷たい。…………いや、冷たいなんてもんじゃねえ!! 冷たいっていうか、痛いよぉ!! でもこれ、きっと関東地方からやってきたばかりの俺たちだから寒いと感じるだけで、仙台育ちのバベルさんにしたら「たいしたことないスね」と言うに違いない。うーん、やっぱり地元の人ってかっこいいな。俺は期待を込めてバベルさんに向き直り、「仙台育ちの人は、このくらいの寒さはへっちゃらなんだろうね」と言いかけた。しかしバベルさんはカタカタと歯を鳴らして、「め、めっちゃ寒い……」とサビかけたロボットのような動きでギクシャクと歩くばかり。俺は(……やっぱり寒いときはどこ育ちだろうと寒いんだナ)と妙にナットクして、江野本が買ってきた熱いコーヒーをずずっとすすったのだった。

 それでも俺たちは果敢に、伊達政宗像が佇む吹きさらしの高台のベンチに陣取り、アウトドア狩猟にくり出さんと画策した。これだけ極寒の中にいると、ついつい火山や砂漠など暖かそうなところに出撃したくなるがそんな甘っちょろい選択は許さない。敢然と、俺は言い放った。

 「せっかくこれだけ寒いところにいるんだから、我々が行くべきクエストはひとつしかありませんっ!! 目指すは雪山深奥!! 討伐目標はウカムルバスじゃあああ!!!」

 というわけで俺たち3人はリアル極寒の環境で、『モンハン』世界最強の寒冷地帯・雪山深奥を目指して旅立った。こいつはもう、ヤケクソもいいところのマゾの極みである。

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▲見るからに寒々しい……。俺ら以外に、ここでじっとしてゲームで遊んでいる人は皆無でした(あたりめーだ)。

 雪山深奥は、この日も雪深かった。ホットドリンクを飲むまえにウカムルバスが突っ込んできたので、しばらくそのままの状態で走り回る。立ち止まると、我が分身は上半身を抱え込むようにしてカタカタと震えだす。それを見て、俺もカタカタカタカタと歯を鳴らした。こ、こいつはエライことになった。寒すぎて画面に集中できねえ……。江野本も鼻をすすりながら、「て、手が震えて操作ができないんですけど……」とヴィブラートのかかった声で泣き言を言う。仙台育ちのバベルさんもしきりに「寒い寒い」を連発。3人の中の誰ひとりとしてこの環境をヨシと思っていないのに、なんでこの場所に留まってゲームをしているのだろうか……? そんな疑問が頭をよぎったとき、ライトボウガンの江野本が小さな声で「ぁ」と言って昇天した。いつもの、天に轟くような「ぐぎゃああああ!!!」という絶叫じゃないので心配になって江野本を見ると、彼女は消え入るような小さな声でこんなことを言った。

 「もう、寒すぎてどうでもいい……。い、一刻も早く討伐しちゃってください……」

 とっととウカムルバスを討伐して極寒世界から脱出しないと遭難者が出るかもしれん……。俺とバベルさんは必要以上の閃光玉を放り、重ねがけになるのもいとわずに生命の粉塵をむさぼり食って、強引な力技でウカムルバスを屠り去った。早く暖かい場所に移動しなければ!!

 続きは次回!

※※※お知らせ※※※
ここしばらく、すっかり『2nd G』プレイ日記を更新できずにいたのですが、もちろんこれには理由があります。なかなか言い出せずにいたのですがようやく、発表できる目処が立ちました。……今日はまだ言えないんだけどネ。でも、予告します。2月27日(金)にこのブログで、とあることを発表させていただきます。どうぞお見逃しのないよう、ばっちりチェックしちゃってくださいね!

投稿者 大塚角満 : 18:22

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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