大塚角満の ゲームを“読む!”

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告知! 新しい単行本が出ます!

 さ、寒いすね……。今日は埼玉も東京も、朝からドサドサと雪が降っておりますよ……。こんな日は家から出ずに、コタツに入って火山や砂漠といった暑げなところでクエストに励みたいところですなあ。

 ……と、ガラにもなく日記的な日常風景の切り出しをしてしまったわけですが、それはオイラが少々キンチョーしているからです。だって今日は、数日まえの記事で予告してしまった”告知の日”なんですもの!! これが緊張せずにいられるものか。

 でもいつまでもダラダラと前フリを書いていても仕方ないので発表してしまいましょう。まあ、週刊ファミ通3月13日号(本日発売)の”大塚角満のモンハン研究所”のコーナーで告知しているし、かなりそこらじゅうから情報が漏れてしまっているので(苦笑)、あんまり改まる必要もないんだよナ……。では発表します。じつは……!

 4月1日に新しい単行本が出ます!!

 この間、まったく”『2nd G』プレイ日記”を更新できなかったのは、この単行本の作業に忙殺されていたためなのです!

 ここで賢明な読者の方々から、「どうせ『逆鱗日和』の続編で発表済みのコラムをまとめたものだろ? 編集担当はともかく、おめえが忙しくなるとは思えない」との声が飛んできそうだが、じつは今回の単行本は既発表のコラムをまとめた『逆鱗日和』シリーズとはかなり毛色が違う。そう……!

 ほぼ全ページ書き下ろし!!

 なのでえす! 書き下ろしってのはつまり、ここのブログや週刊ファミ通で公開したコラムを収録したものではなく、誰も読んだことのない新規のエッセイでイチから構築した単行本、ってことですね。

 では、どんなエッセイを書き下ろしたのか? とりあえず書籍タイトルにヒントがあるので、そっちから発表しちゃおう。今回の単行本のタイトルは、

 別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学〜モンスター編〜

 です! ハイ、さっぱり意味がわかりませんね(笑)。

 今回、俺と江野本ぎずも(本書のプロデューサー&ディレクター)が作りたかったのは、『モンスターハンター』に出てくるモンスターたちを主役に据えた”怪獣大百科”的な書籍なのです。目にしたことありませんか? ウルトラマンとか仮面ライダーとかに出てくる怪獣にフィーチャーして、その怪獣の素性とか性格とか、はたまたドラマの進行とはまったく関係のない特徴までをマジメに、ときにバカバカしく解説した大図鑑的な書物を。『モンスターハンター』というゲームは、これらの国民的なシリーズに負けないくらいしっかりとした世界観を持っている。なのでずっとまえから、『モンスターハンター』に出てくるモンスターたちを主役にした書籍を作りたいなぁ……と思っていたのです。もうすぐ、初代『モンスターハンター』が発売されてから丸5年。社会現象にもなった『2nd G』が発売されてから丸1年。そして夏には、『モンスターハンター』シリーズを新たな世界に導く『3(トライ)』が発売される。

 「大図鑑的な本を作るなら、いましかないね」

 これが俺と江野本の共通の想いだったのです。

 『角満式モンハン学』は、『モンスターハンター』に登場する61種類のモンスター(ほぼ網羅!)について、公式設定と俺の妄想をからめた独自解説文と、それぞれのモンスターを主役にした書き下ろしエッセイで構築した本です。過去に書いたモンスターがらみのエッセイの中から気に入ったものも数本、流用していますが、総ページ数232ページ中、95.7パーセントが書き下ろし(江野本ぎずも・談)になっています。しかも流用したものについても、いまの感情を加味して加筆修正をしているんですけどね。文章のテイストは、まあ俺が書くものなので『逆鱗日和』シリーズとノリはまったく同じです(笑)。

 そうそう、『逆鱗日和』シリーズとまったく違うところがあったわ。今回の『角満式モンハン学』、全ページカラーなんですよ!! 「図鑑っつったら、カラーだよネー」という軽いノリでそうしちゃったんですが、かなり所有感の高い本になったんじゃないかな、と。その分、お値段が1260円と若干高めになってしまったのですが……。

 このほかにも、『角満式モンハン学』にはさまざまな仕掛けが施されております。「せっかく書き下ろしの本にするんだから、いろいろやりたいよね」ということで、けっこう思い切ったこともやらせてもらいました。それらの情報は少しずつ露出していこうと思っておりますので、ぜひぜひお楽しみに!

 はー、やっと言えたー(笑)。

monhangaku1.jpg
▲これは『角満式モンハン学』に収録されるイメージイラストのひとつ。イラスト担当はもちろん! 『逆鱗日和』シリーズと同じくぽん吉さんだ。本書ではぽん吉さんのイラストもカラーで掲載されておりますよ!!

monhangaku3.jpg
▲これはモンスター解説ページの一部。ゲリョスのページですな。こんな感じの解説文と、そのモンスターを主役にしたエッセイが収録されているのです。ちなみに写真の解像度が低くてちょっと汚いですが、製作中のものなので今回はこのくらいで!(笑) ホンモノは、すんごくキレイですよ。とりあえず、雰囲気だけ味わってください〜。

■『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学〜モンスター編〜』
■著者 大塚角満
■発売日 2009年4月1日
■価格 1260円[税込]

投稿者 大塚角満 : 12:59

【MHP 2nd G】第165回 仙台狩猟ツアー その3

 というわけで、仙台狩猟ツアーの続きです。

 極寒の仙台城跡から逃げるように和食料理屋に駆け込み、おいしい仙台料理に舌鼓を打っていた俺、江野本ぎずも、バベルさんの3人。話が弾みすぎて、気がついたら帰りの新幹線の時間が間近に迫ってきておりました。残り時間は40分ほど。いけるクエストは、ひとつかふたつ程度だろう。そんな中でバベルさんがクエストボードに貼ったクエストは……究極の大連続狩猟・武神闘宴ではありませんかっ!! さあたいへんだ。こうしちゃいられない(そりゃそうだ)。俺と江野本は使用武器にハンマー(俺)、狩猟笛(江野本)を選び、どっさりとアイテムも手にして狩猟の舞台となる大闘技場に降り立った……ってところまでは前回書きましたね。

 ではどんなドタバタ劇が演じられたのか、阿鼻叫喚の地獄絵図を詳しくここに……ってことにはならず、思いがけずここでは、非常に美しくも順調な狩猟シーンが展開されてしまったのである。

 立ち回りは、俺と江野本がふたりで武神闘宴をやるときの作戦にのっとって行った。ナルガクルガは閃光玉と音爆弾でがんじがらめに、ティガレックスは着地点に落とし穴を設置して爆弾起爆のあとでタコ殴り、グラビモス亜種はありったけの落とし穴と爆弾を使って消耗戦になるのを避け、ディアブロス亜種のときはひたすら閃光玉を投げ続ける。最後の激昂ラージャンは難しいことを考えずにひたすら逃げ……じゃなくて、隙があるときだけ落ち着いて攻撃する。これで俺と江野本はふたりで、武神闘宴をクリアーしたのである。

 で、今回も基本的にはこの作戦どおりに立ち回ったのだが、ハンターが3人に増えたこともあって非常に順調に事が運んだ。しかもこの日は江野本が絶好調で、ナルガクルガ、ティガレックスからスタン(めまい)を取ったのも彼女だし、ところどころで麻痺属性の狩猟笛”龍木ノ古笛【神歌】”が威力を発揮。いい具合にモンスターを麻痺で縛って、楽な狩猟へと導いてくれた。うーん、こういうこともあるんだねぇ。

 けっきょく、この日最後のクエストとなった武神闘宴は25分足らずで終了。暖かい和食料理屋の個室に、我々3人の勝利の雄たけびが響き渡った。

 こうして、仙台狩猟ツアーは幕を閉じた。仙台の文化と歴史に触れ、地元のおいしい料理に舌鼓を打って、楽しい話をたくさんした。いやあ、今回もいい旅ができたよ。またぜひ、近いうちに訪問したいものだ。

 ってところで、ふと思った。

 ”狩猟ツアー”なんて言いながら……。

 今回、2回しかクエストにいってない……(苦笑)。

 今度また、機会があったらゆっくりクエストしましょうね、バベルさん(笑)。


投稿者 大塚角満 : 17:16

【Demon`s Souls】第4回 必死で決死の鬼ごっこ!

 本日も元気に死んでおります。

 『Demon`s Souls(デモンズソウル)』のプレイ時間は25時間を超え、ソウルレベルは50超となった。攻略モノをまるで見ないで遊んでいるので自分がいまストーリーのどのあたりにいるのか見当がつかないのだが、ストーンファング坑道、腐れ谷は全部クリアーした……んじゃないかな。もちろん、取りこぼしだらけになっているのは間違いないけどな。それでも、こんだけ続けていればキャラクターのステータスも右肩上がりで伸びていってるのは当然だし、武器もかなーり強いものが持てていると思う。回復系アイテムを回収しやすい場所とかソウルを集めやすい場所……なんてのも自分の攻略ノート(頭の中にあるノートだが)にしっかりと書き込めているので、冒険が俄然、やりやすくなった。おかげで、リストラされかかった放浪者のロッシ君は肩を叩かれる寸前で「もうちょっと使ってみてもいいかな」ということになり、いまも元気に不潔な谷でヒルやらナメクジといったゲテモノ軍団と追いかけっこをしている。

 とまあ、元気にやっているのは間違いないんだけど……。

 だからと言って、死なないわけじゃないけどな!!

 このゲームでは、”元気=生きている”というリアル世界の約束事は通用しない。『Demon`s Souls』における”元気”とは”心が折れてない”ということで、あえなく死亡して貯め込んでいたソウルが泡と消えても、「うおおおおっ!!」と立ち上がって前に進む力を搾り出すことができれば、このゲームにおける”元気”は持ち続けられているということなのです。

 これくらいのモチベーションがないと、とてもじゃないけどやっていけないんですもの。このゲームは本当にいろいろなところに”死”が落ちているからね。

 デーモンを倒してソウル体から生身の身体(このゲームでは死亡すると”ソウル体”という幽霊みたいな存在にさせられる。ヒットポイントが生身の半分に! デーモンを倒したりすると生身に戻れるけど)に戻ったとたん、なんでもない階段から足を踏み外して落下して死亡したり、腐れ谷で「あ。ネズミがいる」と思って「おーーー^^ かわいいでちゅねー^^」とムツゴロウさん化して接近したとたん、ガブガブと咬みまくられて”疫病”となり、治しかたがわからずに病死したり……。ホント、このゲームはどこで何が起こるかわからんのだよ。

 そんなオイラは最近、”青い瞳の石”というアイテムを使っての”ネットワーク協力プレイ”にハマっております。いやあ、これめちゃくちゃおもしろいわ。

 『Demon`s Souls』はネットワーク対応のアクションRPGでありながら、いわゆるMOともMMOとも違う、特殊なネットの使いかたをしている。

 基本、このゲームはひとりで遊ぶものなのだが、プレイステーション3をネットワークにつないだ状態で遊んでいるとそこかしこに”自分はひとりじゃないんだ”と思わせてくれるギミックが仕込まれているのがわかる。

 まず、地面に書いてあるメッセージだ。プレイヤーはフィールドの好きな場所に、いつでも任意でメッセージを書き込むことができる。用意されている膨大なテキストの中から選んで書き込むのだが、これが赤い文字になって地面に残り、ほかのプレイヤーは読むことができるのである。こいつがじつにおもしろい。

 たとえば大きなドラゴンが、強烈な炎のブレス(食らうと1発死)を吐いている通路があったとする(ていうか、ある)。ドラゴンは上空を巡回していて、プレイヤーは炎のブレスをかわして通路の向こう側に行かなければならない。そのためには、炎のブレスが当たらないギリギリの地点に立って、飛び去ったのを確認してから猛ダッシュしなければいけないのだが、パっと見ただけでは肝心なギリギリポイントがどこなのかわからないのである。

 そんなときは、躊躇なく地面を見る。地面にはいろいろな人のメッセージが書き込まれていて、こういう場所では必ずと言っていいほど”ここは安全”というものがあるのだ。つまりここが、ドラゴンのブレスが当たらないギリギリのポイントというわけ。実際、そこに立ってドラゴンのブレスをやり過ごしてダッシュすると、通路の反対側に渡れてしまった。誰が書いたメッセージなのかを知ることはできないのだが、役に立った書き込みは評価することができるので、「ありがとうございました」の意味を込めて評価ボタンをポチリ。自分の書いたメッセージが誰かに評価されると、評価されたプレイヤー(つまり「ここは安全」と書き込んだ人)の体力は瞬時にMAXまで回復するという恩恵を受けられる。まさに、持ちつ持たれつ。この、ソフトな手触りのネットとのつながりが、非常に新鮮で心地いい。メッセージにはいろいろなバリエーションがあって、「この先、貴重なアイテムがある」、「待ち伏せ注意」、「ここの敵は打撃が有効」などの役に立つものから、高台の見晴らしのいいところには「絶景」と書いてあったり、差し挟まれるムービーシーンで門に挟まって死んでしまった敵キャラの遺体の上にひと言「かわいそうなヤツ」と書かれていたり……(笑)。直接ゲームの進行とは関係のないメッセージに何十個もの評価がなされていたりするのを見ると、ブラックジョークを聞いたときと同じように思わず「ニヤリ」とさせられてしまう。ネットワークにつないで『Demon`s Souls』を遊ばれる方は、ぜひぜひ地面に書かれた文字をチェックしてみてくださいな。

 そうそう、青い瞳の石のことを書くんだった。本当は”血痕”システムのことも詳しく書きたいんだけど、それは追々ってことで。

 前述のソウル体になったときに、フィールド上で青い瞳の石を使うと、同じサーバーで遊んでいる”生体の”プレイヤーに”ソウルサイン”が届く。ソウルサインは青い文字となって地面に刻まれていて、生体のプレイヤーは好きなソウルサインから他のプレイヤーを自分のゲームに呼び出すことができるのだ。これにより、協力プレイがスタート。呼び出した人のステージにいるデーモン(そのステージのボスですな)を倒すか、自分が死ぬか、呼び出した人が死ぬと協力プレイは終了。”白い瞳の石”というアイテムを使って任意で自分の世界に戻っても協力プレイは終了となる。……って、長々と書いておきながらこんなことを言うのはナンですが、我ながらこの説明読んだだけだと意味がわからん!! ヨシ! もう難しく考えなくていい!! 要するに、”青い瞳の石ってのを使えばほかの人のフィールドに召還されていっしょに冒険できる”ってことです!! とりあえず、それだけ覚えてください!!

 いろいろなフィールドで冒険してみたが、いまのところ”嵐の祭祀場”でもっとも頻繁にソウルサインを見る。確かにこのフィールド、降り立ってちょっと歩いたところに超高速前転で接近してきてズバズバと剣を振り回すイカれた骸骨剣士がいるので「こ、このフィールドはひとりで進むのはヤバすぎる!!」と思わせてくれるからな。なので俺も協力プレイで遊びたくなったら、嵐の祭祀場の要石(ワープポイントのようなもの)の近くで青い瞳の石を使い、「俺を召還してー召還してー!」とネットワーク回線と通じてメッセージを送り続けている。「そんなことをしても簡単には呼び出してもらえないのでは?」と思われるかもしれないが、俺が家でゲームを遊ぶ深夜帯だと、3分も待たないうちにほかのプレイヤーのフィールドに呼び出されるのよ。

 というわけで本日も無事に、見知らぬ人に召還してもらえました。ソウルレベルが同じくらいの人を呼び出すシステムになっているようなので、安心してプレイできますなあ。ちなみにこの日のパートナーは騎士のようで、頑丈そうな鎧に大きな剣を携えて、ガシャンガシャンと歩きながら敵をなぎ倒しておりました。ただ、嵐の祭祀場の奥深くまでは入ったことがなさそうだったので、このフィールドに慣れている俺が先導して待ち伏せしている敵を倒したり、罠を解除して歩いた。チャットができない(文字もボイスも不可)ので、いくつかのボディーアクションと自分の行動だけで相手と意思疎通を図らないといけない。この説明だけを読んでいる人は「不便そうだなあ」と思うでしょう。それがやってみると、「いまこの人はアレをしてほしいんだな」とか「あそこにいる敵を俺に倒してほしいんだな」というテレパシーが相手から伝わってきている気がして、いささかも不便に感じないのだ。何て言うか、言葉を交わせない分、心がキチンと通じている気がして(キモいとか言わないで)、これはこれでじつに楽しいんですねえ。

 しかし! 『Demon`s Souls』でのオンライン協力プレイは、ピクニックのように楽しいことばかりではない。晴天の霹靂のように、とんでもないヤツが我々がいる世界に侵入してくるのだ。騎士さんと楽しい冒険をしていたとき、突然画面に禍々しい赤い文字でこんなメッセージが表示された。

 ×××××が侵入してきました!

 ×××××のところには、俺、騎士さん以外の、第三者の名前が入る。このゲームではソウルサインで仲間を召還するほかに、見知らぬ人の世界に侵入してその人を殺すことができてしまうのだ!! これは怖い。MMORPGのPK(プレイヤーキラー)とは違い、突然暗殺者が自分の世界に潜り込んできて命を狙われるのだ。こいつは丸っきり『ターミネーター』の世界である。

 暗殺者(”黒ファントム”という)が侵入してきた瞬間、協力プレイのパートナーの役割は”ホストを守ること”になる。俺は黒ファントムから見つかりにくくなる”墓荒らしの指輪”を装備し、騎士さんを先に歩かせて物陰に隠れた。黒ファントムが俺に接近してきた瞬間に襲い掛かってやるのだ!!

 俺の作戦は、ものの見事に成功した。どす黒い怨念を纏った、長い槍を装備した黒ファントムは俺の存在に気づかずに我らがナイト(騎士さんのことね)に接近。その槍が騎士さん目掛けて切っ先を伸ばそうとした瞬間に、俺が背後から襲いかかったのだ! 明らかに狼狽して、その場からの離脱を図ろうとする黒ファントム。しかし重装備の騎士らしく、身軽な放浪者の俺の攻撃をかわしきれない。騎士さんも黒ファントム打倒に執念を燃やして剣を振り回し、結果、ものの数分で突然の闖入者を撃退することに成功した。黒ファントムの死体が消えるたのを確認し、勝利のガッツポーズをする俺と騎士さん。しかし喜びも束の間、すぐに新たな暗殺者が我らの世界に潜り込んできたアナウンスが表示された−−!

 こんな感じにたびたび起こる、必死で決死の鬼ごっこ。こいつがあまりにもおもしろいので、俺はしばらく嵐の祭祀場から出てこないと思います(笑)。

投稿者 大塚角満 : 17:58

【MHP 2nd G】第164回 仙台狩猟ツアー その2

 仙台ツアーの続き。

 極寒の仙台城跡で雪山深奥を舞台にしたウカムルバス討伐に出向くという、おまえはマゾかペンギンか的なヤケクソクエストをこなした逆鱗日和ファミリー(大塚角満、江野本ぎずも)とバベルさん(仙台在住の大学生。『サヨナラ! 逆鱗日和』読書感想文コンクール最優秀賞受賞者)。「ウカムルバスよりもナニよりも、リアルな寒さに遭難寸前だ……」というアホ丸出しの状況に陥って、3人ともカタカタと震えながら”るーぷる仙台”(仙台市内を巡回しているバス)に乗り込んだ。目指すは、バベルさんが予約しておいてくれた和食料理屋である。ポカポカの個室で仙台の名物料理に舌鼓を打ちながら、あれやこれやと狩ってしまおうという計画なのだ。

 余談だが、今回のツアーで2回乗ったるーぷる仙台、じつにいい味を出しておりました。仙台駅前を基点に、晩翠草堂(詩人、土井晩翠が晩年を過ごした旧宅)、瑞鳳殿(伊達政宗の霊屋)、仙台城跡、東北大学理学部自然史標本館といった、仙台の歴史と文化を堪能できるスポットを約1時間かけて循環しているバスで、600円の1日乗車券(小児は300円)を買えば1日中どこでも乗り降りできる。で、このバス、基本ワンマン運転で運転手さんがガイドも兼ねたアナウンスをしてくれるのだが、これがすこぶるおもしろかった。「つぎの○○バス停を降りてしばらく歩くと××っていう建物があるんですが、私も3年に1回くらい行くんですよ」とか、「△△っていう観光スポット、私が行った3年ほどまえは1300円くらいで入れましたけど、いまはどうなっているか……」とかとか、非常にフレンドリーと言うかユルいと言うか、とにかく親しみの持てる口調で語りかけてくれるもんだからバスの中はずっと、観光客のクスクス笑いで満たされておりました。

 仙台城跡から20分ほどバスに揺られて、我々3人はせんだいメディアテークという公共施設の前にやってきた。本当はもうひとつ先のバス停で降りる予定だったのだが、時間に余裕があった(あまりにも寒すぎて予定よりかなり早く仙台城跡から逃げ出してしまったため)ので「ちょっと仙台の街を歩こうか」ということになり、予定よりも手前のバス停で下車したのである。

 予約したお店までの道すがら、バベルさんといろいろな話をした。バベルさんは大学生とのことだったのでまわりの仲間と協力プレイを中心に遊んでいるのかと思いきや、基本的にはひとりでクエストをこなしているという。ちょっと意外だったので「大学の友だちと『2nd G』でいっしょに遊んだりしないの?」と聞くと、バベルさんはこんな答えを返してくれた。

 「仲のいい連中はゲームで遊ばないので、学内で仲間を捜したんです。すると『2nd G』のサークルのようなものがあったので一度いっしょに遊んだんですけど、効率重視の狩りグループだったので水が合いませんでした。以来、ずっとソロでやっています」

 バベルさんは効率や攻略というよりも、失敗してもいいからワイワイ楽しく狩りをしたいと考えているとのことで、「逆鱗日和ファミリーのスタイルに憧れます」と言って笑う。まあ俺たちはプレイスキルがどうしようもなく低いので、「効率重視!」、「攻略命!」と思ってやったところで高が知れているんだけどね(苦笑)。あー、でもよかった。バベルさんが「失敗してもいい」と考えている人だとわかったので、これで安心してオチることができるぞ(笑)。俺と江野本は顔を見合わせてニコニコしながら、「よかったよかった^^」を連発するのだった。

 歓談場所である和食料理屋に着いてからも、俺たちはしばらくのあいだ話ばかりしていた。バベルさんはかなりヘビーな『逆鱗日和』の読者らしく、本に収録されているエピソードを元にいろいろなことを質問してきた。曰く、「中目黒目黒さんは、本当にあんなにヘッポコなんですか?」、「女尻笠井さんは”オンナシリカサイ”と読めばいいのですか?」、「ブンブン丸さんや佐治キクオさんは、本当に本に出てくるような口調で副編集長の大塚さんに接しているのですか?」などなど。コレに対して俺は、「目黒のヘッポコさはあんなもんじゃないヨ」、「”オンナシリ”じゃなく”メジリ”と読みます。意味は、ボクもよくワカリマセン」、「あの悪ガキどもの無礼さはあんなもんじゃねえ!」としっかりと答えさせていただきました。俺の回答を真剣な表情で聞いていたバベルさんは「ほー……。すごいですねえ……」としきりに感心しておりましたよ。

 しかし、おいしい仙台料理(ホヤの酢の物、牛タン焼き、味噌仕立てのしゃぶしゃぶ、アワビの刺身などなど)と楽しい話題を肴に辛口の地酒をゆっくりと味わっているうちにすっかり時間が遅くなってしまった。早くひと狩りいかなくてはならぬ! 俺はバベルさんに言った。

 「あと40分ほどですが、何か行きたいクエストはありますか?」

 するとバベルさんは目を輝かせて、迷うことなくひとつのクエスト名を告げた。

 「ぜひ、武神闘宴に!!!」

 バベルさんはひとりプレイが基本なので、5体のモンスターを相手にしなければならないこのクエストはいまだに未クリアー。なので「おふたりが来られたら絶対にいっしょにやりたいと思っていたんです!」と言葉に力を込める。なるほど、武神闘宴か。このクエストは1回で通常クエスト5回分くらいの重みがあるので、ちょうどいいかもしれないな。俺と江野本はふたりでこのクエストをクリアーしたことがあるし(……『サヨナラ! 逆鱗日和』に載っている1回だけだけど)、3人、4人のパーティーでだったら短時間で何度も攻略していた。なので、俺は言った。

 「いいね、武神闘宴!! 3人だったら絶対にイケる!! ヨシ、俺はガンランスじゃなく最近ハマっているハンマーでいこーっと。なのでえのっちも、最近凝ってる狩猟笛にしなさい」

 これを聞いた江野本、デカい目を限界まで見開いて「ええ!? マジっすか!!? 狩猟笛で武神なんていったことないよーっ!!」と言いながらもすぐに妖しく微笑んで、「……ホントに笛にしちゃうよ? わー、俄然楽しくなってきた♪」なんて言っている。こうして、ハンマー(俺)、狩猟笛(江野本)、大剣(バベルさん)の3人による、究極の大連続狩猟が始まった!

 以下次回〜。

投稿者 大塚角満 : 15:45

【MHP 2nd G】第163回 仙台狩猟ツアー その1

 週刊ファミ通で連載している”大塚角満のモンハン研究所”というコラムでは詳細を報告したが、1月末に宮城県の仙台市に行ってきた。昨年の11月に刊行した拙著『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』の発売を記念して募集した読書感想文コンクールの最優秀賞受賞者のもとを訪れ、いっしょに遊んできたのである。なんたって最優秀賞の賞品は”大塚角満がアナタの地元を訪問していっしょに『2nd G』で狩りしちゃって、その模様を週刊ファミ通、ファミ通.comで記事にしちゃうよ”というものだからね。ふふふ……。

 決行当日、俺は『逆鱗日和』シリーズのプロデューサー&ディレクターの江野本ぎずもとJR大宮駅で合流し、エキナカ施設”ecute”で食い物と飲み物をたらふく買い込んで東北新幹線に乗り込んだ。天気は晴れ。空気が澄んでいる日だったのか、新幹線の車窓から富士山を始めとする美しい峰々がくっきりと見えた。しかしそこは食いしん坊で鳴らす角満&ぎずもコンビ。チラチラと風景を見ながら「おおー。富士山だー」、「山がきれいー」と言いつつも、心はecuteで買い込んできた大量の食糧に奪われている。結果、「コレもうまい!」、「アレもうまい!!」、「もう全部うまい!!!」と割り箸を振り回しまくっているうちにJR仙台駅に到着してしまった。こんなにバクバク飲み食いしてるから4キロも体重増えるんだよ俺(カミングアウト)。ていうか、大宮から仙台って近いんだねぇ。

 仙台駅に到着してすぐに、俺たちは今回のお目当ての人であるバベルさんと合流した。バベルさんは仙台生まれ仙台育ちの大学生で、ふだんはひとりで狩りにいそしんでいる孤高の一匹狼ハンターらしい。モンスターに例えると、イャンガルルガかモノブロスといったところだろうか。

 そんな(どんな?)バベルさんは、じつにしっかりした若者でありました。かなり緊張した面持ちながらも「お会いできて本当にうれしいです!! 遠いところわざわざありがとうございました!!」という挨拶のあと、「本日はこのようなプランのもとに行動することになっております!」と言って、逆鱗日和ファミリーの突発的仙台ツアーの概要を説明してくれた。江野本から最優秀賞受賞の連絡が届いてすぐに、「どうやって仙台を楽しんでもらおうか!?」ってことでいろいろとプランを練ってくれていたらしい。しかもキチンと、案内する場所の下見までして……。俺と江野本は感激どころかすっかり恐縮して、「今日はバッチリとお世話になります!」と言いながらバベルさんに向かって合掌した。

 バベルさんはまず、仙台駅構内にある小さなお店に俺たちを案内してくれた。見るとそこは仙台名物”ずんだ餅”専門の喫茶店ではないか!! ずんだ餅の存在はもちろん知っていたが、俺も江野本も食べるのはこれが初めてだ。カウンターで注文を済ませて席で待っていると、真っ白なお餅の上に蛍光グリーンに近い鮮やかな緑色の餡がかかった食べ物が運ばれてきた。ちなみに”ずんだ”とは枝豆をすり潰して作る餡のことで、この蛍光グリーンの部分がまさに”ずんだ”のようである。なるほどなるほど。枝豆が原料ってことは、きっとビールにピッタリのおつまみ的な味がするに違いない。どれどれ、さっそく食べてみることにしよう。餅にたっぷりと餡を絡めてモグモグモグ……ってア、アレ?? な、なんだこの味は……! 俺と江野本は同時に顔を上げ、お互いに目を限界まで見開きながらずんだ色の叫び声をあげた。

 「あ、甘いーーーーっ!!」

 ちょっと衝撃!! 原料は枝豆だし、お餅にかかってる餡なので、勝手に”からみ餅”(餅に大根おろしと醤油をかけて食す。俺も江野本も、これが大好物)の味を想像しておりました。ところが! 俺たちが食べたずんだ餅はからみ餅とは180度違うところにある”甘味”で、ビールよりもシブ〜いお茶がピッタリのお味をしていたではないか。しかもこれ、枝豆の風味がバッチリと甘味と融合していてうまいのなんの。あまり好んで甘いものを食べるほうではない江野本も珍しく、「うまいうまい!! なにこれー!」と言ってずんだ餅を頬張っている。新幹線の中で腹がパンクするほどアレコレと食べていた俺たちだったがそんなことはすっかり忘れて、あっと言う間にずんだ餅を平らげてしまった。

 すっかり憑き物が落ちたところで、俺たち3人は”るーぷる仙台”という仙台市内を巡回しているレトロなバスに乗り込んだ。目指すは、有名な伊達政宗の像がある仙台城跡。「そこでぜひ、おふたりとアウトドア狩猟をしたいんです!」と言ってバベルさんは目に力を込めた。いいだろう。望むところだ!!

 仙台城跡に向かう20分ほどの道中で、バベルさんが仙台市の歴史や文化のことをいろいろと語ってくれた。この場所にはかつて何があったのか、どういう意図でこの建物が作られたのか……ということを、豊富な知識と地元愛溢れる口調で説明してくれる。こういう旅日記では毎度毎度書くことだが、自分の生まれ育った土地の文化をリスペクトして、キチンと門外漢に説明できる人はじつにステキだ。俺も故郷の群馬や、いま住んでいる埼玉県の歴史をもう一度勉強しなおして、旅の人が我が元にフラリと現れたときにしっかりと観光案内できる人になろう、と思ったりした。

 そして着きました仙台城跡に!! ぴゅ〜〜〜……っと吹きつけてくる風が冷たい。かなり冷たい。……相当冷たい。…………いや、冷たいなんてもんじゃねえ!! 冷たいっていうか、痛いよぉ!! でもこれ、きっと関東地方からやってきたばかりの俺たちだから寒いと感じるだけで、仙台育ちのバベルさんにしたら「たいしたことないスね」と言うに違いない。うーん、やっぱり地元の人ってかっこいいな。俺は期待を込めてバベルさんに向き直り、「仙台育ちの人は、このくらいの寒さはへっちゃらなんだろうね」と言いかけた。しかしバベルさんはカタカタと歯を鳴らして、「め、めっちゃ寒い……」とサビかけたロボットのような動きでギクシャクと歩くばかり。俺は(……やっぱり寒いときはどこ育ちだろうと寒いんだナ)と妙にナットクして、江野本が買ってきた熱いコーヒーをずずっとすすったのだった。

 それでも俺たちは果敢に、伊達政宗像が佇む吹きさらしの高台のベンチに陣取り、アウトドア狩猟にくり出さんと画策した。これだけ極寒の中にいると、ついつい火山や砂漠など暖かそうなところに出撃したくなるがそんな甘っちょろい選択は許さない。敢然と、俺は言い放った。

 「せっかくこれだけ寒いところにいるんだから、我々が行くべきクエストはひとつしかありませんっ!! 目指すは雪山深奥!! 討伐目標はウカムルバスじゃあああ!!!」

 というわけで俺たち3人はリアル極寒の環境で、『モンハン』世界最強の寒冷地帯・雪山深奥を目指して旅立った。こいつはもう、ヤケクソもいいところのマゾの極みである。

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▲見るからに寒々しい……。俺ら以外に、ここでじっとしてゲームで遊んでいる人は皆無でした(あたりめーだ)。

 雪山深奥は、この日も雪深かった。ホットドリンクを飲むまえにウカムルバスが突っ込んできたので、しばらくそのままの状態で走り回る。立ち止まると、我が分身は上半身を抱え込むようにしてカタカタと震えだす。それを見て、俺もカタカタカタカタと歯を鳴らした。こ、こいつはエライことになった。寒すぎて画面に集中できねえ……。江野本も鼻をすすりながら、「て、手が震えて操作ができないんですけど……」とヴィブラートのかかった声で泣き言を言う。仙台育ちのバベルさんもしきりに「寒い寒い」を連発。3人の中の誰ひとりとしてこの環境をヨシと思っていないのに、なんでこの場所に留まってゲームをしているのだろうか……? そんな疑問が頭をよぎったとき、ライトボウガンの江野本が小さな声で「ぁ」と言って昇天した。いつもの、天に轟くような「ぐぎゃああああ!!!」という絶叫じゃないので心配になって江野本を見ると、彼女は消え入るような小さな声でこんなことを言った。

 「もう、寒すぎてどうでもいい……。い、一刻も早く討伐しちゃってください……」

 とっととウカムルバスを討伐して極寒世界から脱出しないと遭難者が出るかもしれん……。俺とバベルさんは必要以上の閃光玉を放り、重ねがけになるのもいとわずに生命の粉塵をむさぼり食って、強引な力技でウカムルバスを屠り去った。早く暖かい場所に移動しなければ!!

 続きは次回!

※※※お知らせ※※※
ここしばらく、すっかり『2nd G』プレイ日記を更新できずにいたのですが、もちろんこれには理由があります。なかなか言い出せずにいたのですがようやく、発表できる目処が立ちました。……今日はまだ言えないんだけどネ。でも、予告します。2月27日(金)にこのブログで、とあることを発表させていただきます。どうぞお見逃しのないよう、ばっちりチェックしちゃってくださいね!

投稿者 大塚角満 : 18:22

【Demon`s Souls】第3回 形状記憶脳ミソの恐怖

 順調に死んでおります。

 昨日(2月15日)ようやくまとまった時間が取れたので、5時間ほど集中的に『Demon`s Souls(デモンズソウル)』を遊ぶことができた。メインキャラ(放浪者)の総プレイ時間は20時間強。かなり操作にも慣れてきて、敵の動きも見えるようになってきたと思う。

 それでも、俺は死ぬ。

Demon`s0.jpg
▲『Demon`s Souls』プレイヤーだったら、何よりも馴染み深いこの画面。何十回見たかわかりません。

 さすがに慎重になって知らない土地にきたらむやみにダッシュしたりはしなくなったが(うっひょっひょ〜と調子に乗って突っ走っていると崖とか穴に転げ落ちて死亡するからね)、ナメてかかると明らかなザコ敵にも平気で屠り去られ、ザコより強い騎士系の敵にはナメてかからなくても余裕で惨殺されている。こうなってくると「や、やっぱり放浪者を選んだのは間違いだったのでは……」とオノレのプレイヤースキルの低さを棚に上げてすべてを生まれのせいにしたくなり、闇に葬ったはずの盗賊、バレンティーノ君を引っ張り出してきて未練がましくパリィ道に邁進しようとする。しかしパリィのタイミングなんて完全に忘れ去っているので敵のカウンター攻撃を食らいまくって盗賊復帰後3分強でまたまた死亡。

 「俺は放浪者として生きていくと決めたんだった! 昔の女を思い出したりして悪かったっ!」

 と、リストラ危機に直面していたメインキャラの放浪者(ちなみに名前はロッシ君という)を召還して、再びヨチヨチとボーレタリアを彷徨い始めたのでした。

 こんな感じで激ハマリ状態になって夜な夜なボーレタリアをウロチョロしているわけだが、これだけの緊張感を強いるゲームはなかなかないと俺は思ったね。この緊張感をわかりやすく表現すると、めっちゃリアルで恐ろしいお化け屋敷の中をビクビクしながら歩いている、って感じ。俺のように、「この世でいちばん恐いものはお化けだ!」と断言できる人間にしてみたら、こいつはとてつもない大好物ってことになる。

 しかし人間、そうそう極限の緊張状態で長時間いられるものではない。仲のいいお笑い芸人さんも『Demon`s Souls』にめちゃめちゃハマっていて、たまに「どこまで進みました?」なんて話をするのだが、達人クラスにゲームがうまい彼をしても「三日月草(回復薬)を集めるためにボーレタリアを1周するだけで、緊張感でぐったりします……」という。『Demon`s Souls』がもたらすプレッシャーが並々ならないということがよくわかるでしょう。しかも俺はもともと長時間同じゲームをぶっ続けで遊ぶタイプの人間ではないので(『モンハン』ですら、けっこう休み休みやるくらいだし)、『Demon`s Souls』に夢中ないまも2時間も遊んだら「あー疲れた……。息抜きしよう……」ってことで別のゲームを引っ張り出したりしている。

 ってことで俺はPSPを取り出して『2nd G』を起動した。忙しくてまったく遊べていないので、かなり久しぶりのクエスト出撃だ。えーっと、目を血走らせるほど欲しい素材はないので”やることなければレウスかレイア”の格言((C)角満)どおり、リハビリがてらリオレイアに行こう。天鱗欲しいので(欲しいものあるじゃねえか)、G級のリオレイア稀少種だな。ヨシ、金レイアだ金レイア。あっと言う間に屠り去ってやんぞ。お、レイアがいるいる。さあ攻撃だ。攻撃の基本はRボタン!! ってキャラ走ってるし!! ……Rボタンは『Demon`s Souls』だった!!

 この”指先勘違い”がひどかったのが、『2nd G』をしばらく遊んでから『Demon`s Souls』に戻ったときだ。ダッシュしようと思うとRボタン(『Demon`s Souls』では攻撃)を押してしまい、攻撃しようと思うと△ボタンを押していた。こんなに操作にまごついていてはまともに立ち回れるわけもなく、俺はいつも以上に敵の攻撃を浴びまくって1回死に、2回死にと屍を積み上げ続ける。そして俺は死ぬたびに、応用と臨機応変という言葉を忘れてしまった37歳の我が脳ミソを呪って、「俺の脳ミソは形状記憶合金かっ!!」と叫び声をあげるのだった……。

 まあそんなバカをやりながらも、なんとか最初のボスである”ファランクス”は撃破。現在、”ストーンファング坑道”と”嵐の祭祀場”のふたつを行ったり来たりしながら放浪者を育てている。ソウルレベルは32……くらいだったかな(プレイステーション3を自宅に持ち帰ってしまったので確認できない……)。死にまくりの人生ですが、楽しくやってます。

 ちなみに以下の写真は、俺をボーレタリアで惨殺し続けている敵キャラベスト3です。先日、何も知らずに赤い目の剣士にケンカを売って1秒で惨殺されて以来、彼が夢に出てくるようになりました。

ずーん
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▲いやらしいところに配置されている”はぐれファランクス”。めっちゃ射程の長い槍で攻撃してくるうえに、ジェル状の身体に張り付いている大きな盾(甲羅?)で前方からの攻撃をガードしまくる。

ずずーん
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▲こちらの攻撃は巧みにガードし、高い攻撃力を誇る剣で攻撃してくる青い目の剣士。傷つくと速攻で半月草(強力な回復薬)と思しきものを食って体力をMAX近くまで回復してくる。とても頭のいい立ち回りをしてきて俺を追い詰める。俺より頭いいかもしれんコイツ。

ずずずーん!!
Demon`s Souls1.jpg
▲もう、この写真見るだけで寒気がしてくるわ……。いまの俺のレベルではどうやっても勝ち目がない赤い目の剣士。ボーレタリア王城を散策していたらいきなり目の前に現れて、無言の一刺しで俺を絶命させた。頭に来て死体回収のついでに復讐してやろうと思ったが、出会った1秒後にさらに新鮮なオノレの死体を製造することになりました。

(C)Sony Computer Entertainment Inc.

投稿者 大塚角満 : 16:35

【Demon`s Souls】第2回 ボーレタリアのパリィ王

 前回の日記で「死んだ死んだ」とヤケクソ気味に連呼して、まるでこの『Demon`s Souls(デモンズソウル)』がやたらとプレイヤーキャラが死にまくる高難度のゲームのように書いていますが、まさにそのとおりです。男に二言はありません。なんとなく、第1回目の日記でこのゲームの本質をすべて書いてしまったような気もしているのですが、さすがにプレイ日記を書くとぶち上げておいて「1回で終了します」ってのもナンなので、第2回目を書いてしまおう。でも最初に言っておくけど、まったく先に進んでないからね、俺(苦笑)。

 さて。

 前回は『Demon`s Souls』の概要というか上っ面の部分だけを"死んだ"をキーワードに書いてみた。が、今回からはもうちょっと落ち着いて、具体的なことにも迫ってみたい。

 『Demon`s Souls』ではまず最初に、キャラクターメイキングを行う。名前や性別、顔の造作(めちゃくちゃ細かく作れる)を決めるとともに、10種類の"生まれ"の中からひとつを選択しなければならない。この生まれにより、初期ステータスと初期装備が決まるのだ。10種の生まれの特徴は、つぎのような感じ。

●兵士……もっともバランスがいいソツのない生まれ。盾でガードしたままリーチの長い攻撃がくり出せるショートスピアを最初から持っている。ある意味、もっとも無難で扱いやすい。
●騎士……高い防御力を誇る防具を最初から装備しているのでダメージを食らいにくい。さらにガードを崩されにくいカイトシールドも使える。重装備のため動きが遅いのがタマに傷。
●狩人……魔力と信仰の数値が低いので、魔法系のキャラに育てるには向いていない。でもそのぶん、物理攻撃の能力は高い。遠距離用のロングボウ、近距離用のバトルアックスを最初から装備。
●神職……兵士や騎士並みに防御力が高いうえに、"回復の奇跡"(MPを消費して体力を回復できる)も使える。序盤では死ににくい生まれか。回復の奇跡、あまり回数使えないけどナ。
●魔術師……その名のとおり、かなり魔法に寄った生まれ。遠距離から放てる攻撃魔法の"火線"と、炎ダメージを軽減する"水のベール"が使える。ただし、序盤はMPを回復するアイテムが手に入りにくいので、MPを使い切るときびしい。
●放浪者……初期防具がショボく、防御力も低いので、すばやい動きで敵を幻惑し、背後に回りこんで致命の一撃を狙う立ち回りが基本か。出血のダメージが見込めるファルシオンを最初から持ってるのが強み。
●蛮族……体力、筋力ともに頭抜けた生まれ。ただし、防具をいっさいつけていないので肌がムキ出しの状態で戦うハメに。当然、1発攻撃を食らえば大ダメージ必至。でも、攻撃を食らいさえしなければ間違いなく最強の戦士だ。
●盗賊……もっとも運が高い生まれで、敵からのアイテムドロップ率はいちばんいいはず。しかし戦闘系のステータスが低いので、背後に回りこむかパリィを発動させて致命の一撃を狙えないときつい。難度高し!
●神殿騎士……頑強さと筋力が高く、装備している防具も申し分ない重戦士。リーチが長く、複数の敵をなぎ払えるハルバートを最初から持つ。さりげなく、回復の奇跡も使える。
●貴族……なんたって、最初からMPの最大値が上昇する銀のコロネットと、MPが自然回復するよい香りの指輪を持ってるのが強い! 遠慮なく遠距離魔法を連発できる。もっとも序盤を楽に進めるキャラクターな気がするが、どうか?

 さて、俺はどの生まれにしようかな。ゲームが進めば自由にステータスを伸ばせるようになるので、あくまでも序盤でどのように立ち回るかだけを考えて、生まれは決めてしまっていいようだ。とは言っても、やっぱりここはこだわりたいところ。パっと見のイメージだと、なんとなく神殿騎士がカッコよさげでいいんだよな。重くて頑丈な鎧を引きずるようにして歩き、重い一撃を放つ予感。ヨシ、神殿騎士にしよう。こいつで俺は、重い人生を歩むのだ!

 そう思ったところで俺はふと、「俺もやりますよ!」と言ってサンプルROMを1枚持っていった女尻笠井のことを思い出した。いったい笠井は、どの生まれを選んで遊んでいるのだろうか。なんとなく気になったので速攻で「笠井、どの生まれでやってんの?」と携帯メールでリサーチ。すぐに返事が来た。開封すると……。

 「神殿騎士にしました! いろいろやってみた結果、神殿騎士がいちばん死ななかったのでコレにしたんス(笑)」

 なんて書いてある。ちっ。笠井は神殿騎士なのか。ここで生まれがダブってしまったらイマイチおもしろくない。しかたない。神殿騎士はNGとしよう。となると、つぎの候補は……。

 ということで、俺は前回のコラムで書いた"盗賊"を選んでゲームを始めた。"アイテムドロップ率がいい"という部分にのみ魅力を感じて、盗賊で生きていくことに決めたのである。

 しっかしコレがキツかった!!

 週刊ファミ通2月20日号に『Demon`s Souls』の攻略記事が載っていて(宣伝)各生まれの特徴が説明されているのだが、盗賊の欄には"武器も防具も貧弱で頼りなく、戦闘能力の低さをプレイヤースキルで補う必要がある高難度な生まれ"なんて書いてある。もしもこれを事前に見ていたら違う生まれを選んだような気がするが、俺が盗賊で遊び始めたときにはまだこのファミ通は手元になかったんだよ!!

 盗賊の何がキツいって、攻撃力も防御力もじつに大したことないところ。……って言ってしまうと実も蓋もないが本当なんだから仕方がない。一撃の威力が乏しいので手数で補おうと、「うりゃうりゃうりゃ!!」とR1ボタンを連打しているうちにズリズリと前に進んでピュ〜〜〜……と高台から落下して命を落としたことが何度あったか……。期待したアイテムドロップについては「確かに、ほかの生まれよりはよく出ている気がしなくもない……かもしれない」って感じで、いまいち心許ない。ていうかそもそもいくらアイテムがジャブジャブと出てくれても、防御力が低いので敵の攻撃を食らうとギューーーンと体力が減ってしまい、拾ったばかりの三日月草(回復アイテム)をムシャムシャとむさぼり食うハメになる。けっきょく、「堅い防具を着けていれば回復アイテムの使用頻度が激減するので、そっちのほうがはるかに有利なのでは……」と極度の"盗賊不審"に陥ってしまう。でも、ファミ通の攻略記事に目を通すまえにかなり物語を進めてしまったので、いまさら後戻りするのも気が滅入る……。なんとかして「盗賊さんのいいところ、見ぃーつけた♪」てな状況にしなくては!

 ということで何度もトライ&エラーをくり返した結果、俺が盗賊として生きていく上で「これしかない」とたどり着いた境地が"パリィを連発する!"というものだ。パリィというのは、敵の攻撃を盾で弾き、カウンターの攻撃を食らわせることで、L2ボタンで攻撃を弾き、すかさずR1ボタンを押すことで致命の一撃を食らわすことができる。盗賊が最初から持っているバックラーという盾はパリィに向いているらしく(どういう部分が向いているのかは知らない)、ナルホド確かに、非常に高確率で敵に致命の一撃をお見舞いすることができる。よし、これならなんとかやっていけそうだ。俺はボーレタリアのパリィ王になるぞぉおお!!

 と、ひとりで興奮しながらパリィを連発していると、我がコラムではおなじみの大学生、S君が、「僕にもやらせてー。なんとなく、騎士でやってみるよ」と言って、盗賊とは対照的な体力キャラ・騎士でゲームをやり始めた。S君はパリィではなく、通常のガード(L1)で敵の攻撃を防いでから冷静に攻撃ボタンを押して、まったく危なげなくバッサバッサと敵を討ち取りまくる。たまに敵からの攻撃を食らっても、騎士の重装備はほとんどダメージを受けない。なので回復アイテムもほとんど使用しないのである。そして瞬時に、俺の盗賊が苦しみながら進めていたエリアを超え、最初のボスもあっさり倒して、S君の騎士は盗賊の眼前から消えてしまった。この事実を受けてS君は非常にバツの悪そうな表情になり、なんとか俺を慰めようと必死に言葉を継いだ。

 「ま、まあでも、騎士だとキャラの能力に頼ってプレイヤースキルがボロボロになるネ。ヒ、ヒデ君のパリィの技術は、かなりのレベルに達してると思うよ。盗賊、見た目はかっこいいしね……。ハハハ……」

 というわけで、俺は盗賊を引退します(苦笑)。新たに"放浪者"として生きて行くことを決めました。

 ……こんなことやってるから、一向に前に進まないんだよなぁ……。

投稿者 大塚角満 : 21:56

【Demon`s Souls】第1回 ハイ死んだー

 「ハイ死んだー」

 「ハイ死んだー」

 「ハイ死んだー……」

 って、どんだけ死ぬんじゃああああ!!!

 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンのプレイステーション3用ソフト『Demon`s Souls(デモンズソウル)』をプレイしたとき、俺が頻繁に発する言葉が冒頭の4行です。いやはや、まさかこのようなゲームが、プラットフォームホルダーのSCEJのブランドから発売されるとは……。

 もう昨年の秋ごろの話になってしまうが、SCEJとフロム・ソフトウェアの開発チームの方がファミ通編集部にやってきて、「ちょっとヤバいゲームを作っているんです……」と少々ダークな表情をしながら、開発中のプレイステーション3用ソフトのデモンストレーションをしてくれたことがあった。渡された資料とデモ映像を見ると設定は完全なダークファンタジーで、「いかにもフロム!!」な香りが漂っている。フロム・ソフトウェアの出世作『キングスフィールド』を髣髴とさせる3DのアクションRPGらしく、世界観を覆うおどろおどろしい雰囲気はこちらの期待感を煽って止まない。そう。俺はこういった絶望感漂う世界設定が大好物なのだ。

 デモンストレーションを見終わった俺は、恥ずかしながら少々取り乱していた。「武器や防具はたくさん出てくるんですか!?」、「強化とかできちゃいます!?」、「キャラクターの成長は自由にできます!?」、「『ディアブロ』みたいなゲームっすか!!?」とうとう、開発チームの方々にいろいろと質問してしまったことを覚えている。見せてもらったものは開発途中のバージョンだったので今後どう転ぶかわからなかったが、このポリシーを貫き通して完成まで漕ぎ付けられたなら、きっと凄まじいゲームになるに違いない。俺は興奮の極みに達して、「は、早く完成させてくださいね!!」とムチャな要望を突きつけた。

 そしてつい先日、編集部に完成した『Demon`s Souls』のサンプルROMが届いた。すぐさま「触るな触るな!! 俺がやる俺がやる!!!」と強権を発動してROMを1枚強奪。最近、ある事情でとてつもなく仕事が忙しく、『モンハン』すら遊ぶ時間を捻出できずにいるのだが、どうしてもこのゲームだけは触ってみたかった。俺は山のように抱えた仕事に思いを馳せながらも「今日だけ忘れさせて!」と誰にともなく言い、『Demon`s Souls』のサンプルROMを抱えて深夜に帰宅。眠い目をこすりながらもプレイステーション3を起動し、数ヵ月来の夢、『Demon`s Souls』のタイトル画面にたどり着いた。

 『Demon`s Souls』は、言ってしまえば王道のアクションRPGだ。騎士、魔術師、貴族、狩人など、10種類の”生まれ”からキャラクターを選択し、ダークな世界観の中に広がる物語をなぞってゆく。ゲームは3Dの世界で展開し、プレイヤーキャラクターも敵も、かなーり研究されたリアルな挙動で動きまくる。ま、基本はこんなところか。

 さて、まずはキャラクターを作ろう。ふむふむ。いろいろな”生まれ”があるんだな。あ、狩人がある。これはやはり”かりゅうど”と読むのかな。もしかしたら”かりんちゅ”? だったら迷わず狩人を選ぶんだけど……。でも、魔力と信仰という数値が極端に低い。つまり魔法には向かない生まれってことか。パスパス。とりあえず最初のプレイなので、バランスがよさそうな生まれにしとこう。無難最高。ナニナニ? どうやら”貴族”は攻撃力もそこそこで、唯一最初から魔力が自然回復するアイテムを持っているらしいぞ。よくわからんが、バランスがよさそうだナ。よーし、そんじゃ……”盗賊”にしよっと。なんでも盗賊は”運”の数値が高く、敵からのアイテムドロップ率が上がるらしい。俺はなぜか昔から、倒した相手から剥ぎ取りすることが大好きなので、選ぶとしたらこの生まれしかないのだよ。よし、盗賊だ。俺は盗賊として生きていくぞ。

 ゲームが始まると、暗くておどろおどろしい建物の中に放り出された。通路のところどころに、赤い色で文字が書かれている。読むと”攻撃はRボタン”、”ガードはL1”、”L2でパリィ(敵の攻撃を弾くこと)”なんて書かれている。なるほど、これはチュートリアルなのか。こいつは斬新だ。あ、そんなことを言ってるうちに敵が出てきた。よーし、斬り刻んでやるぜ! 攻撃の基本は△ボタン!! ……って、それ『モンハンポータブル 2nd G』じゃねえか!! 違う違う。RボタンだよRボタン。

 ブンブンブン……。

 アレ? いちじるしく攻撃が当たらないよ? 敵は目の前にいるっつーのに、なんでこいつはわざわざ攻撃を外すんだ……? あ、逆に攻撃された。

 ザクザクザク……。

 瞬時に、我が分身のヒットポイントはゼロになってしまった。でもチュートリアルだからなのか、画面上の盗賊は死にもせず、元気に動き回っている。俺は安心して取扱説明書を取り出して該当ページを読み漁り、正確に攻撃するためにはR3(右スティック押し込み)で敵を”ロックオン”する必要があることを突き止めた。カチっと軽薄な音を立ててゾンビのような敵をロックオン。そしてRを押して剣を振る。

 グサッグサッグサッ!

 今度はおもしろいように攻撃が当たり、哀れな最初の敵は地面に倒れ伏した。さあ剥ぎ取り剥ぎ取り。お。三日月草が出た。このゲームの回復薬だ。やったやった!

 こんな感じで、特定のゲーム操作に慣れ親しみすぎている俺のような人間からみると、若干操作には慣れが必要。でも、はっきり言ってこれくらいだったら10分もあれば誰でもものにできるはず。俺ですら、最初こそぎこちなかったが瞬時に順応して、ほぼストレスなく操作できるようになったんだから。

 そんなこんなでチュートリアルは終了。我が分身は”楔の神殿”と呼ばれる街のような場所にやってきた。ここには鍛冶屋やアイテムを預かってくれる人など、敵ではないNPCがいてゲームの進行を手助けしてくれる。けっこう広い神殿で歩き甲斐がある場所だ。こういう場所をくまなく見て回ることはRPGの基本。長い螺旋階段が神殿の上まで続いているようなので、まずは上に行ってみよう。……って、いけね。足を踏み外して階段から落下しちまった。

 YOU DIED

 って街みたいなところで死ぬんか!!! しかも俺、ちょっと足を踏み外して階段から転げ落ちただけだぞ!!!

 で、でもまあ、確かにけっこう高い場所ではあったからな……。受身を取りそこなったのかもしれん……。これからは高台には十分注意しよう……。

 さあ仕切りなおしだ。楔の神殿から再スタートだ。とりあえずここには用はないので、さっそく冒険に出かけるぞ! 最初の目的地はボーレタリア王城ってところらしい。”要石”という、ワープポイントのようなものに触れるだけで、ボーレタリア王城に飛んでくることができた。見るとさっそく、ゾンビのような”奴隷兵士”が我が分身の前をユラユラと歩いている。まあこいつは、言ってみればザコ中のザコ。ランゴスタみたいなものだろう。Rボタン連打で勝てるはず……って、また攻撃が当たらない! しまった! ロックオン忘れてた! 慌てているうちに、奴隷兵士は無遠慮に我が分身を斬り刻んでくる。そして……。

 YOU DIED

 「ハイ死んだー」

 なんて簡単に死ぬんだこのゲームは……。でも、あれだけ斬られればふつう死ぬわな。しかたないしかたない……。仕切り直そう。

 今度はなんとか、複数の奴隷兵士の攻撃をかいくぐって先に進むことができた。見ると通路に、じつに蠱惑的な穴ポコが口を開けている。覗き込むと、青白い靄のような光が飛び交っているのが見えた。……これ、落ちたら死ぬのかな? それとも、隠し部屋か何かにいけるのかも? 俺は3秒ほど悩んだ末に、「近頃のゲームを考えれば、この程度の穴に落ちて死ぬわけがない。隠し部屋にいけるんだろう。そうだそうだ。そうに決まっている」と結論付けた。そして、穴に向かってダイブ!!

 YOU DIED

 「ハイ死んだー」

 ハイハイ。そりゃそうですよね。階段から足を踏み外して死ぬ時代ですからネ……。って、ホントによく死ぬゲームだなコレ……。

 それでも徐々に、操作にも世界観の約束事にも慣れてきて先に進めるようになってきた。ゲーム内で使う通貨的な存在である”ソウル”も、500ほど貯まっている。でもこのゲームではアイテムを買うのも武器を修理するのも、そしてキャラクターを成長させるにもまったく同じソウルを消費しなければならない。なのでソウルは、そうそう無駄遣いできない。しかしここまで書いてきたとおり、このゲームはザコキャラの攻撃をちょっと捌けなかっただけで簡単に死亡宣告をされてしまう。となると、回復系のアイテムを潤沢に持っていることが生き残るための絶対条件のようになってくるのだが、そうそう簡単に敵から剥げるものでもない。となると、街(神殿のことね)にいる鍛冶屋のおっさんから買い溜めをするしかない。俺は楔の神殿に戻り、回復アイテムである三日月草を大量に購入しようと思って鍛冶屋のおっさんに話しかけた。うん、やっぱり三日月草、売ってるぞ。えーっと、値段は……。

 三日月草=150ソウル

 「ハイ死んだー!!!!!」

 これだけ苦労してやっと500ソウル集めたのに、回復アイテムが1個150ソウルもするんか!! どんだけマゾなんだこのゲームは!!!!

 ここまで読むと、まるで『Demon`s Souls』がきびしくてマゾなだけでおもしろくもなんともないゲームのように見えるかもしれませんが、とんでもないことです。このゲーム……とてつもなくおもしろいかも!! 誤解を恐れずに言えば、10人遊んだら7人は途中で投げ出す可能性がある。でも残る3人にとっては間違いなく”神ゲー”となるだろう。もちろん、俺は”残る3人”のほうの人間だ。個性的な敵キャラ、美しいグラフィック、妥協を許さないリアルすぎる設定(高台から落ちたら死ぬとかね)、そして自由なキャラクターカスタマイズと、やり込めばやり込むほどじゅくじゅくと出てくる旨味に、いま俺は溺れそうになっているのである。

 そんな(俺にとっての)”神ゲー”、『Demon`s Souls』のプレイ日記をしばらくのあいだ書きたいと思います。……まあ冒頭に書いたとおり、いま尋常じゃないくらい忙しいのでどれくらい更新できるかわからないけどね……。
   

投稿者 大塚角満 : 18:26

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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